II. 地球温暖化対策を総合的に推進し、京都議定書に定める排出量の削減目標を達成するために

5. 総合的な制度の枠組みを準備するための検討課題

 COP3で合意された議定書を見ると、我が国が「2008年から2012年の第1約束期間に1990年レベルから6%削減」という目標を達成するための方策に関連する事項のうち、COP4以降においてさらに検討され、詳細な内容等が決定されることとなっている部分がある。それは例えば以下のような事項である。
 日本は先頭に立って、京都議定書において新たに導入された排出量の移転に係る国際制度の設計をはじめとして今後の国際交渉に委ねられている事項の解決に向けた役割を担う必要がある。その際には、前述4(3)の「なお」以下に掲げた本審議会としての関心事項にも十分な配慮が払われることを期待したい。また、これらの事項についての国際的なルールに関する協議・合意の動向に即応し、遅滞なく、国内における総合的な制度を整備していく必要がある。このためには、いわゆる共同実施等の国際的に連携した対策に習熟するため、試行などを通じ、必要な経験を早い段階から蓄積しておくべきである。 さらに、地球温暖化問題の解決のためには、京都議定書以降の課題とされた途上国の対策強化に関し、橋本総理大臣が国連環境開発特別総会において提唱した21世紀に向けた環境開発支援構想(ISD)やグリーン・イニシアチブ、COP3に向けて提唱した京都イニシアチブなどの具体化を通じて、我が国としての支援を強めるとともに、国際的な合意形成に向けて積極的な役割を担うことが必要である。


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