【事務局】資料の確認、会議公開、資料公開の説明、検討会の設置要項(参考資料1)の説明、検討委員の紹介(石光委員、武委員が新規参加)、検討会開催定員の充足確認及び座長の選任(昨年度に引き続き中杉委員が座長に選任された)。
(1)平成14年度化学物質環境汚染実態調査結果及び平成15年度化学物質環境汚染実態調査実施状況について
【事務局】議題1について、資料2に基づき平成14年度化学物質環境汚染実態調査結果について説明。資料3に基づき平成15年度化学物質環境汚染実態調査実施状況について説明。
【河瀬委員】PFOS、PFOAについては、分析機器に使われているテフロンからの汚染が生じやすいので、精度管理に注意が必要である。
(2)平成16年度化学物質環境汚染実態調査実施方針(案)について
【事務局】資料4に基づき、平成16年度調査の概要、調査の実施方針(案)、候補物質の各調査への分類(案)の考え方について説明。
【村田委員】暴露量調査の対象物質について、環境リスク評価を実施、または実施する予定の物質とはリスト化されているのか。どのようなプロセスになっているのか説明して欲しい。
【事務局(リスク室)】環境リスク評価の流れについて説明。
【環境安全課長】環境リスク評価をする物質のリストが予めあり、これを示すというしくみとはなっていない。個々の物質については資料5-3の要望理由のとおり。
【座長】モニタリング調査の対象物質について、「POPs条約候補物質」とあるが、候補物質の定義がなく、誤解を招くおそれがあるので、「候補になりうるような性状(有害性、)を有する」など表現を改めてること。
【白石委員】暴露量調査の分析法について、初期環境調査と同様の表現となっているが、これと色分けする意味で、「暴露量調査に必要な感度の分析法」としてはどうか。
【座長】以上の意見を踏まえ、資料の修正をした上で、案を了承する。
(3)平成15年度化学物質環境汚染実態調査物質選定について
【座長】基本的には昨年とほぼ同じであるが、初期C及び暴露Cは検討対象としないことが前回と異なる点である。第二回検討会までに、候補物質について各委員に点数付けをしていただき、第二回検討会ではこれに基づき検討することになる。調査候補物質について各提案部署、委員より説明していただくが、Cに分類されたものは特段の理由がなければ検討対象とならないことに留意して説明してください。
【事務局】資料5-1、資料5-2、資料5-3、資料5-4、資料5-5、参考資料3及び参考資料4に基づき資料の構成を説明。
【座長】資料5-4について、9番o-ジクロロベンゼンは化学物質審査規制法第一種特定化学物質ではなく指定化学物質であると思われるので確認して欲しい。
【事務局】確認したい。また、資料5-2に基づき初期環境調査候補物質について説明。資料5-4に基づきモニタリング調査候補物質について説明。28番PBDEs、34番ハロ酢酸、36番クロロベンゼン類及び臭素化ベンゼン類について、個々の物質について未調査のものの実施、一斉分析の可能性について検討していただきたいことを説明。また資料5-2の38番アジピン酸エステル類については、「環境ホルモンに指定されているが」は適切な表現ではないことから正確な表現、すなわち「内分泌攪乱化学物質負荷量調査において水系が測定されていることから」に訂正することとしたい。
【座長】38番アジピン酸エステル類については事務局の訂正案とすることが適切であると思うので、訂正されたい。
【化審室】改正化学物質審査規制法について説明し、各物質を要求理由別に説明。Cとなった物質について、43番1,1-ビス(tert―ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンは高濃縮性が判明している物質であり環境中に相当量存在が確認されればリスク評価を行う必要がある。50番o-ジクロロベンゼンから56番クロロエタンまでは相当量の製造・輸入量であり、検討対象としていただきたい。
【座長】前の調査時と現在で製造・輸入量が大きく変わったなどの状況がなければ、量が多いという理由だけでは不十分ではないか。
【リスク室】要求理由のパターンを説明。化学物質専門評価委員会で評価を行う優先物質との評価を受けたものであることを説明。
【環境安全課(PRTR)】候補物質はPRTR法対象354物質の平成14年度排出量データから、モデル計算により媒体別に上位100物質を抽出し、有害性の面から発がん性評価のあるもの、有害性項目にクラス1評価のあるもの及び複数の有害性項目にクラス評価があるものを抽出し、さらに過去に調査実績のないものであることを説明。
【有田委員】昨年度の各部署から説明などを参考に候補物質をあげたが、Cに分類されたものについては取下げる。フェンチオンについては情報不足と聞いているので食事媒体をあげている。また65番N,N‘―ジメチルドデシルアミン=N=オキシドと74番テトラフルオロエチレンは私も気にしている物質である。
【石光委員】6番オクタクロロジプロピルエーテル、7番3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバメイトについて説明
【及川委員】PRTR排出量があり、開放型用途である物質を候補とした旨を説明
【河瀬委員】事前に候補物質はあげていなかったが、N-(1,3-ジメチルブチル)-N‘-フェニル-1,4-フェニレンジアミン、略称6-PPD、CAS No.793-24-1をあげたい。先日のOECDのSIAM18の審議において、日本のHPVとしてあげられ、さらに情報が欲しいとされた。用途はゴム薬品である。
【環境安全課長】提示いただいた物質については、河瀬委員より資料をいただき、シート番号75番として追加し、各委員に早急に資料を送付することとしたい。
【日下委員】特に候補物質はあげていない。資料5-2及び資料5-3の人有害性評価について資料作成時の評価方法とPRTRでの評価方法とは異なる。
【白石委員】特に候補物質はあげていない。暴露量調査候補物質についてCに分類されているものは要求感度不足でなかったか確認して欲しい。Cに分類されている化審室からの候補物質では要求感度が高く、調査実績も不検出なので、要求感度の検討が必要ではないか。また、34番ハロ酢酸の一斉分析については、可能と考えられるが、36番クロロベンゼン類及び臭素化ベンゼン類では低塩素化物で感度が悪くなるおそれがある。
【中杉委員】化審室での審査が終わったもので、NOELが非常に低く、生産量が多く、かつ開放系用途であるものを選定したので、リスク評価し易く、リスクが高いと思われる物質と考えられる。Cに分類された23番2,4-ジクロロニトロベンゼンは、要求感度の見直しが必要と考えるので、検討対象に残して欲しい。
【鈴木(茂)委員】PRTRデータで大気排出量が多いもの、かつ大気からの検出可能性があるものを選定した。ヒドラジンは水と激しく反応するので、環境中にはヒドラジンとして存在しないと思われる。
【鈴木(規)委員】19番テトラブロモビスフェノールA及び20番ジンクピリチオンについて説明。19番テトラブロモビスフェノールAはモニタリング調査で整理して欲しい。
【武委員】昨年分析法開発に着手した物質をあげており、これらは開発され次第調査を行うとのことなので、特段の追加意見はない。
【田辺委員】特に候補物質はあげていない。6番オクタクロロプロピルエーテルについては家庭用殺虫剤の共力剤として使われており、調査が必要。23番2,4-ジクロロニトロベンゼンはAまたはBとすべき。36番クロロベンゼン類及び臭素化ベンゼン類は最近の調査がないので実施してはどうか。
【村田委員】WWFとして気にしている物質をあげた。28番ポリブロモジフェニルエーテル類については最近の調査例がない臭素数のものがある。29番1,2,5,6,9,10-ヘキサブロモシクロドデカンはWWFがヨーロッパで体内暴露の調査を実施し、50人中1人ではあるが検出例があった。
【座長】調査候補物質の要望理由を説明いただいたので、初期C及び暴露Cに分類されたものをどうするか議論としたい。
【座長】3番フェンチオンについて食事媒体は原則として暴露量調査の対象としており、他の媒体の調査結果に基づきリスク室で調査対象とした際に必要に応じ候補とすることでどうか。
【有田委員】それでよい。
【座長】8番ペンタクロロニトロベンゼンについては農薬登録抹消されていたと思う。実績の検出感度では不足していると思われるのでAまたはBとしてはどうか。11番クロロ酢酸は34番ハロ酢酸に含めて検討する。14番1,3-ジクロロ-2-プロパノールの室内空気は暴露量調査候補とすべきである。17番ジフェニルアミンは要調査候補で実施しているのでCでよい。19番テトラブロモビスフェノールAはモニタリング調査候補として整理する。23番2,4-ジクロロニトロベンゼンはBとする。28番ポリブロモジフェニルエーテル類は個々に見るとA,B,Cとなるが、全体として検討する。
【事務局】28番ポリブロモジフェニルエーテル類については、平成15年度に5臭素化物について分析法開発を実施している。
【座長】35番臭素化フェノールも全体として残す。43番1,1-ビス(tert―ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンは要求感度を見直すこととして残してはどうか。50番o-ジクロロベンゼンは36番クロロベンゼン類及び臭素化ベンゼン類に含めて検討する。51番二硫化炭素、52番りん酸トリブチル、54番クロロメタン、56番クロロエタン、60番りん酸トリス(2-クロロエチル)は十分な実績がある。63番ジエチレントリアミンはどうか。
【事務局】63番ジエチレントリアミンは、資料3に掲げている N-(2―アミノエチル)-1,2-エタンジアミンと同一物質であり、平成15年度に調査を実施している。
【座長】69番n-ヘキサンはどうか。海水データがないというが、河川で出ないものが海水で出るのか。以上の議論の結果を事務局から再度確認して欲しい。
【事務局】3番フェンチオン、4番アクリル酸ニトリル、5番ホルムアルデヒド、14番1,3-ジクロロ-2-プロパノール、17番ジフェニルアミン、33番クロロピクリン、51番二硫化炭素、52番りん酸トリブチル、54番クロロメタン、56番クロロエタン、60番りん酸トリス(2-クロロエチル)、63番ジエチレントリアミン及び69番n-ヘキサンはCとして検討対象からはずす。8番ペンタクロロニトロベンゼン、23番2,4-ジクロロニトロベンゼン、35番臭素化フェノール、43番1,1-ビス(tert―ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンはAまたはBとする。11番クロロ酢酸は34番ハロ酢酸に含め、50番o-ジクロロベンゼンは36番クロロベンゼン類及び臭素化ベンゼン類に含めて検討する。19番テトラブロモビスフェノールAはモニタリング候補物質として検討する。28番ポリブロモジフェニルエーテル類は物質群として残し、そのうち何を調査すべきか検討する。
【有田委員】69番n-ヘキサンについて、用途として船舶に使われることはないか、河川からの流入を考えるだけでよいのか。要望を出されている若林委員の意見を聞くまで保留してはどうか。
【座長】揮発性が高いので、水に入っても直ぐに揮発すると考えられるが、若林委員の意見を聞けなかったので検討対象の物質とする。Cから変更することとされたものについてAとするかBとするかは、白石委員、鈴木茂委員に検討いただくこととしたい。資料を修正し委員へ送付して欲しい。
(4)その他
【事務局】資料6に基づき評価方法を説明。評価結果の返送期限は5月12日(水)とする旨を説明。議事要旨については、事務局で作成し次回検討会で確認いただく、議事録は公開し、環境省のホームページに掲載する、第2回の検討会を5月19日(水)13:30より環境省第1会議室で開催する予定であることを説明。
【座長】今回の資料には、一部誤解を招く表現があるので、修正した資料または差し替えをつけて公表すること。
【環境安全課長】本日ご指摘いただいた点を確認し、改定した資料を公表版としたい。
【座長】調査の流れとして、平成14年度からの対象物質について、候補となった時期、分析法開発の状況及び調査実施状況をまとめた資料を作成して欲しい。連休期間をはさむので、事務局は至急資料を改定し、各委員へFaxまたは電子メールで送るようにして欲しい。
以上