- 概要
- 目的
- 野行地区の準備宿泊の事前住民説明会において、放射線に対する不安の声が挙がった。住民向けの勉強会を開催することで、今後の特定復興再生拠点避難指示解除へ向け、放射線について正しい知識を身につけ、放射線について理解を深める。
- 開催日
- 令和4年1月16日(日) 10:00 ~ 11:40
- 開催場所
- 恵下越集会所
- 参加者
- 野行地区より避難している住民 8名
- 講師兼ファシリテーター
- 坪倉 正治(福島県立医科大学)
- 開催内容
- 講演「放射線について」では、放射線に関しての基本的な内容や健康影響について、葛尾村の食品検査体制、検査結果、村内の空間線量率、食品に含まれる放射性物質等について説明した。質疑応答では住民が日頃より疑問に感じていることや野行地区の現状に対し解説を行った。
質疑応答
- 野行地区で井戸を深く掘ると、そこに地面に落ちた放射性物質が沈んでいないのか。
- 地面に落ちた放射性セシウムは土に吸着するため、地中深くに沈んでいくことはない。チェルノブイリの事故調査結果からも1mも沈んでいないことが分かっている。
- キノコなどは調理すれば、放射線の量は減るのか。
- 塩ゆでや湯むきすることで、水に放射性セシウムが移動するため放射線の量は減る。反対に乾燥させたものは重量が軽くなるため、放射性セシウム濃度は高くなる。
- 広島、長崎の原爆と福島第一原子力発電所事故による被ばくの違いはなにか。
- 広島、長崎の原爆と福島第一原子力発電所事故による被ばくの違いは、一瞬で大量の放射線を浴びたか、放射線を長期間浴び続けるかである。同じ量の放射線を浴びた場合、短時間で被ばくするほうが危険であり、長期間であれば体には修復機能があるため、影響は半分から 1/8 になる。
- 日本では自然の放射線を年間約 2mSv受けているということだが、それは蓄積していくのか。
- 体には修復機能があるため、放射線を受けても日々修復されていく。例えば、化学物質が体に溜まっていくという感覚とは異なる。
アンケートより
食事で取り込む内部被ばくと、100mSvの外部被ばくとの、
被ばく量の違いを更に話して もらいたかった。
講演前より少し安心できたが、
生活するにはまだ不安が残る。
屋外活動が野行地区で
行えるように
なるのかが気になる。