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 ○分析フロー図

1. 生物中の飽和直鎖脂肪族炭化水素 2. 生物中のバナジウム、ニッケル 3. 生物中の非イオン界面活性剤

1. 生物中の飽和直鎖脂肪族炭化水素(n−パラフィン類)、ベンゾ(a)ピレン、 ジベンゾチオフェン

┌──────┐ │ 試料の採取 │ 20〜50g [還流冷却器付フラスコ] └──┬───┘ │←1N 水酸化カリウム・エタノール溶液 50 mL ┌──┴───┐ │アルカリ分解│ 加熱還流 1.5 時間 └──┬───┘ │← n-ヘキサン 50mL ┌──┴───┐ │ 振 と う │ └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 遠心分離 │ 3,000 rpm  10分間 └──┬───┘ ├───────────────────┐ ┌──┴───┐ ┌──┴───┐ │ヘキサン層 ├──────┐ │ 生 物 層 │ └──┬───┘ │ └──┬───┘ │ │ ┌──┴───┐ │ │ │ 振 と う │ │ │ └──┬───┘ │ │ ┌──┴───┐ │ │ │ 遠心分離 │ │ │ └──┬───┘ │ │ ├─────────┐ │ │ ┌──┴───┐ ┌──┴───┐ │ └─────┤ ヘキサン層 │ │ 生 物 層 │ │ └──────┘ └──────┘ ┌──┴───┐ │ 水  洗 │ 15% 塩化ナトリウム含有精製水で数回 └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 脱  水 │ 無水硫酸ナトリウム └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 濃  縮 │ 1mL (KD濃縮器又はロータリーエバポレーター) └──┬───┘ ┌───┴────┐ ・無水硫酸ナトリウム 3g (上層) │シリカゲルカラム│ ・ワコーゲルS−1 3g (下層) └───┬────┘ ┌──┴───┐ │ 溶  離 │ n-ヘキサン 200 mL └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 濃  縮 │ └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 定  容 │ └──┬───┘ ┌──┴───┐ C8〜C28の n-パラフィンの定量 │ GC/MS測定 │ ベンゾ(a)ピレンの定量 └──────┘ ジベンゾチオフェンの定量 ○ガスクロマトグラフ質量分析計の測定条件 測定質量数 : C8〜C28の n-パラフィン   57, 71, 43  ベンゾ(a)ピレン   252,250    ジベンゾチオフェン    184,139 内標準   : n−パラフィン    クリセン d12  ベンゾ(a)ピレン d12   アセナフテン d10 フェナントレン d10   ベンゾ(a)ピレン クリセン d12  ベンゾ(a)ピレン d12   ジベンゾチオフェン  アセナフテン d10 《ベンゾ(a)ピレン、ジベンゾチオフェン》 注入方式  : スプリットレス 注入量   : 1μL  イオン化法 : EI カラム槽温度: 40℃(3min) → 150℃ → 250℃ → 280℃ → 310℃(3min) 10℃/min 8℃/min 5℃/min 20℃/min カラム : SGE BPX−5 25 m × 0.22 mm (膜厚)  0.25μm  キャリアーガス  : ヘリウム 測定モード : SIM 《パラフィン類》 注入方式  : スプリットレス 注入量   : 1μL  イオン化法 : EI カラム槽温度: 40℃(3min) → 310℃(3min) 5℃/min カラム : J&W DB−1 30 m × 0.32 mm (膜厚)  0.25μm  キャリアーガス  : ヘリウム 測定モード : SIM         参考:平成2年版 化学物質と環境         沿岸環境調査マニュアル[底質・生物編]

2. 生物中のバナジウム、ニッケル

┌──────┐ │試料の採取 │ 1g  └──┬───┘ │←硝酸 20 mL ├────────────────┐ ┌──┴───┐ │ │ 加熱分解 │ 時計皿でふたをする │ └──┬───┘ │色が薄くなり、油膜などが認められ │← n-ヘキサン 50mL │なくなるまで3〜6回程度繰り返す。 ┌──┴───┐ │ │ 加熱濃縮 │ 約180℃ │ └──┬───┘ │ │←硝酸 10 mL │ ├────────────────┘ ┌──┴───┐ │ 定  容 │ 100 mL ○ICP質量分析計測定条件 └──┬───┘ │ 内標準  :スカンジウム ┌──┴───┐ キャリアガス :アルゴン 1.13 L/min │ 希  釈 │ 2倍 RFパワー:1280W └──┬───┘ │ ┌──┴─────┐ │ICP−MS測定│   └────────┘ 参考:JIS K0102 5.1 

3. 生物中の非イオン界面活性剤

┌──────┐ │ 試料の粉砕 │ ミキサーでホモジナイズ └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 試料の採取 │ 10〜30g [還流冷却器付フラスコ] └──┬───┘ │← エタノール:水 (1+1) 50 mL ┌──┴───┐ │ 加熱抽出 │ 30分間 2回繰り返す └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ ろ  過 │ No.5C のろ紙でろ過 └──┬───┘ ├─────────────────┐ ┌──┴───┐ ┌───┴──┐ │ ろ  液 │ │ 残  さ │ └──┬───┘ └──────┘ ┌──┴───┐ │ イオン交換 │ 陰イオン、陽イオン交換カラム Dowex 50W-X4 10cm 1-X4 10cm └──┬───┘ │← エタノール (1+1) 100 mL │← クロロホルム  50 mL ┌──┴───┐ │ 振 と う │ 5分 [分液ロート] └──┬───┘ ├─────────────────┐ ┌───┴────┐ ┌───┴──┐ | クロロホルム層 │ │ 水  層 │ └───┬────┘ └──────┘ ┌──┴───┐ │ 遠心分離 │ 4000 rpm 10分 └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 脱  水 │ 溶媒ろ紙(1PS) └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 溶媒揮散 │ 40℃程度 [ロータリ-エバポレーター] └──┬───┘ │ ←クロロホルム 2 mL ┌──┴───┐ │ 溶  解 │ └──┬───┘ ┌───┴────┐ │カラムクロマト │ S-1 3g └───┬────┘ │ ←クロロホルム 50 mL ┌──┴───┐ │ 展  開 │ └──┬───┘ │ ←メタノール 50 mL ┌──┴───┐ │ 流  出 │ └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 溶媒揮散 │ 40℃程度 [ロータリ-エバポレーター] └──┬───┘ │ ←メタノール 1 mL ┌──┴───┐ │ アンプル │ └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 乾  燥 │ 60℃ └──┬───┘ │ ←臭化水素酸−酢酸(1:1) 0.5 mL ┌──┴───┐ │ 密  封 │ └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 加熱分解 │ 150℃ 5時間 └──┬───┘ │ ←水洗 5 mL ┌──┴───┐ │ 放  冷 │ └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 分 解 液 │ └──┬───┘ │ ←二硫化炭素 0.5 mL ┌──┴───┐ │ 振 と う  │ 1分間 └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 遠心分離 │ 2500 rpm 5分間 └──┬───┘ ┌──┴───┐ │ 静  置 │ └──┬───┘ ├────────────────┐ ┌──┴───┐ ┌──┴───┐ │ 水  層  │   │二硫化炭素層│ └──────┘ └──┬───┘ ┌────────────────┘ │メタノール転溶し水を加えて5mL ┌──┴───┐ │ GC/MS測定 │ └──────┘ ○パージ&トラップ−ガスクロマトグラフ質量分析計の測定条件 ≪パージ&トラップ≫ パージ パージ     :室温で4.5分間 ドライパージ  :室温で3分間 トラップ トラップ管充填材:2,6-ジフェニル-1,4-ジフェノキシドポリマー 脱着温度    :230℃ クライオフォーカス 吸着温度 :−130℃ 脱着温度    : 180℃ ≪ガスクロマトグラフ質量分析計測定条件≫ 注入方式     :スプリットレス イオン化法    :EI カラム槽温度: 40℃ → 80℃ → 125℃ → 250℃(1.75min) 10℃/min 5℃/min 20℃/min カラム : J&W DB-1301  60 m × 0.25 mm (膜厚)  1μm  キャリアーガス  : ヘリウム 1mL/min 測定方法  : スキャン 測定質量数 : 55〜550 内標準 : フルオロベンゼン

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