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平成17年度(2005年度)「化学物質と環境」(詳細版)
第3章 平成16年度モニタリング調査結果(詳細版)

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  [11] DOT(ジオクチルスズ) 【平成16年度調査媒体:水質、底質、生物】
 
 ・ 調査の経緯及び実施状況
 DOT(ジオクチルスズ化合物)は、ポリ塩化ビニルの安定剤や産業用触媒として使用されていた。
 過去の本件調査においては、昭和59年度に化学物質環境調査で水質及び底質を調査し、平成12年度には化学物質環境安全性総点検調査として水質、底質及び水生生物(魚類)を調査しているが、継続的な調査は実施されていない。
過去の本件調査におけるDOT調査結果(化学物質環境調査)
DOT 実施
年度
検出範囲 定量[検出]
下限値
  検出頻度
検体 地点
水質
(ng/L)
59 nd [500~1,000] 0/21   
12 7.3~72 [5.9] 3/147 2/49
底質
(ng/g-dry)
59 nd [30~140] 0/21  
12 11~100 [10] 27/147 13/49
生物:魚類
(ng/g-wet)
12 0.64~6.5 [0.64] 23/117 12/39
 
 ・ 調査結果
 平成16年度のモニタリング調査において、底質及び魚類から検出された。
 DOTの測定結果は、水質で定量下限値 5.5 ng/L、検出下限値 1.9 ng/Lにおいて不検出、底質で定量下限値 6.0 ng/g-dry、検出下限値 2.0 ng/g-dryにおいて nd~88 ng/g-dry (幾何平均値 tr(2.6) ng/g-dry)、生物媒体では定量下限値 3 ng/g-wet、検出下限値 1 ng/g-wetにおいて、貝類で不検出 魚類でnd~tr(2.5) ng/g-wet(同 nd)、鳥類で不検出であった
 
 ・ 評価
 水質は、昭和59年度調査は、検出下限値( 0.5~1 μg/L)未満であった。平成12年度調査では検出下限値 5.9 ng/Lにおいて49地点中2地点から検出され、検出範囲は 7.3~72 ng/L であった。平成16年度は検出下限値を 1.9 ng/Lにおいて38地点で調査が実施され、全地点で不検出であった。
 底質は、昭和59年度調査は、検出限界値(30~140 ng/g-dry)未満であった。平成12年度調査では検出下限値 10 ng/g-dryにおいて49地点中13地点から検出され、検出範囲は 11~100 ng/g-dryであった。平成16年度は定量下限値を 6.0 ng/g-dryにおいて、63地点中33地点から検出され、検出範囲はnd~88 pg/g-dryの範囲であった。
 魚類は、平成12年度調査では検出下限値 0.64 ng/g-wetにおいて39地点中12地点から検出され、nd~6.5 ng/g-wetの範囲であった。平成16年度は検出下限値を 1 ng/g-wetにおいて調査が実施され、14地点中1地点から検出され、検出範囲はnd~tr(2.5) ng/g-wetの範囲であった。
 
 DOTは、前回調査と比較すると水質、魚類での検出地点数が減少し、底質で多くの地点から検出された。
 
○ 平成16年度DOTの検出状況
媒体
()内は単位
幾何
平均値
中央値 70%値 80%値 90%値 95%値 最大値 定量[検出]
下限値
  検出頻度
検体 地点
水質
(ng/L)
nd nd nd nd nd nd nd 5.5 [1.9] 0/38 0/38
底質
(ng/g-dry)
tr(2.6) nd tr(5.4) 7.8 21 36 88 6.0 [2.0] 81/189 33/63
生物:貝類
(ng/g-wet)
nd nd nd nd nd nd nd 3 [1] 0/31 0/7
生物:魚類
(ng/g-wet)
nd nd nd nd nd tr(2) tr(2.5) 3 [1] 4/70 1/14
生物:鳥類
(ng/g-wet)
nd nd nd nd nd nd nd 3 [1] 0/10 0/2
 
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