1.日時 平成26年2月28日(金)15:00~17:32
2.場所 一般財団法人日本気象協会 第一・第二会議室
3.出席者(五十音順 敬称略)
- (委員)
- 秋元 肇 板野 泰之 井上 和也 指宿 堯嗣
岩崎 好陽 金谷 有剛 紫竹 益吉 下原 孝章
竹内 庸夫 橋本 光正 八田 拓士 星 純也
若松 伸司
(欠席者)
浦野 紘平 大原 利眞 坂本 和彦 向井 人史 - (事務局)
- 環境省水・大気環境局大気環境課 後藤課長補佐
一般財団法人 日本気象協会
4.議題
(1)光化学オキシダント調査検討会報告書について
(2)シミュレーションモデルを用いた検討について
(3)VOCモニタリングデータの整理・検証について
(4)その他
5.配付資料
- 資料1
- 光化学オキシダント調査検討会 報告書(案)
~光化学オキシダントの解析と対策へ向けた指標の提言~ - 資料2
- シミュレーションモデルを活用した調査フレームの検討
- 資料3
- VOCモニタリングデータの整理・検証について
- 参考資料1
- 平成25年度光化学オキシダント調査検討会開催要綱
- 参考資料2
- 平成25年度光化学オキシダント調査検討会(第3回)議事要旨
- 参考資料3
- 平成25年度光化学オキシダント調査検討会(第3回)議事録
6.議事内容
議題(1)光化学オキシダント調査検討会報告書について
- 事務局より「光化学オキシダント調査検討会 報告書(案)」の説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- 今年度調査では、20年間の長期トレンドの解析を重点的に行っている。評価フロー内で記載した解析項目の内、今年度調査で実施した項目と実施していない項目について整理する。
- ポテンシャルオゾンを算出するうえでは、αの値の不確実性やモリブデンコンバータを用いた化学発光法によるNOx自動測定の問題もあることから、定量的な解析は慎重に行う必要がある。
- ポテンシャルオゾンの算出に用いるαの値が増加しつつある可能性を示す資料としては、排ガス中のNO2とNOの比率を整理した表を用いる。
- 域内最高値と域内平均値のどちらが高濃度域の改善状況を把握するのに適しているか整理する。
- 光化学オキシダントの平均的な濃度が上昇した主な要因の一つとして考えられる「前駆体物質排出量の減少に伴う光化学オキシダント生成の《変化》」の《変化》については検討が必要。
- NOxとVOCの排出量が減少したことにより、光化学反応によるオキシダント生成が低下し、オキシダントの高濃度域の改善につながったことが示唆される旨を記述することが望ましい。
- 高濃度域の解析においては、ポテンシャルオゾンを用いた解析から新しい結果が導き出せないことから内容を整理して分かりやすい報告書にまとめる。ただし、ポテンシャルオゾンによる解析も実施している旨は記述しておく。
- 光化学オキシダントの平均的な濃度が上昇した主な要因としてあげた3要因を定量的に考察するためにシミュレーションによる解析が必要だという流れが結論として望ましい。
- 7章のまとめでは、結論を導き出した図を入れるなどしてより分かりやすくする工夫が必要である。また、データ解析結果だけでなく、他の文献やシミュレーション結果なども参照したうえでこのような結果が示唆されるといったまとめ方が望ましい。
- 光化学オキシダントの環境改善効果を示す指標として、日最高8時間値の年間99パーセンタイル値の3年平均値が適切であるということを示すことができたのは本調査の大きな成果である。これらの成果が行政の施策や対策に反映させることが望ましい。
- 本調査では、測定値を用いた解析によってオキシダントによる汚染の全体像が明らかになった。この成果は、次年度以降のシミュレーションによる解析や、対策による効果を提示する上での土台になったものと考える。
議題(2)シミュレーションモデルを用いた検討について
- 事務局より「シミュレーションモデルを活用した調査フレームの検討」の説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- 日本の国内のエミッションの影響を受けないところ(EANETの離島局)で、オゾンとかほかの幾つかのものを季節変化が再現できるというのが最初の前提で、それに今度は国内のものが入ったときにそれぞれの地域の中が再現できる。その2ステップで検証しないとモデルの検証にならない。モデルのバリデーションに用いる遠隔地モニタリングデータについては具体的にどの測定地点を対象とするか検討しておく方が良い。
- 境界条件の不確実性についても検討項目対象としてはどうか。
- 境界条件として用いるMOZARTについて、東アジアにおけるオゾンの季節変化を確認することが望ましい。
- 平日と休日の排出量の差が大きいことから、平日休日で分けた解析を行うことが望ましい。
- 発生源寄与解析における地域区分として、中国や朝鮮半島以外に日本も区分の一つとした方がよい。
議題(3)VOCモニタリングデータの整理・検証について
- 事務局より「VOCモニタリングデータの整理・検証について」の説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- 個別VOC成分の測定について、高時間分解能(例えば1時間毎)での測定例や長期的な連続モニタリングの事例は非常に少ないことを課題にあげている。国設局ではVOCの連続測定を行っていたところもあるため解析資料として参考にできる可能性がある。
- 大気中のVOC濃度を排出強度と大気中の寿命をもとに推計した場合、現実の値と大きく異なることが考えられる。
- NOxを下げたりVOCを下げたりしたときにどういう効果が出るかという評価をするときには、アンノウン・リアクティビティを入れないと実態と違う答えが出るおそれがある。どちらを下げることがオキシダントの低減に効いてくるかというようなな議論をするのであれば、絶対にそこは避けられないところだと思う。また、BVOCのuncertaintyをどういうふうに入れるか。その2つは両方パラレルに考えたほうが良い。
議題(4)その他
- 事務局より第5回検討会の日程について説明した。
以上