1.日時 平成25年3月22日(金)15:00~17:30
2.場所 一般財団法人日本気象協会 第一・第二会議室
3.出席者(五十音順 敬称略)
- (委員)
- 秋元 肇 石井 康一郎 板野 泰之 井上 和也
指宿 堯嗣 岩崎 好陽 浦野 紘平 大原 利眞
金谷 有剛 坂本 和彦 紫竹 益吉 下原 孝章
竹内 庸夫 土屋 徳之 向井 人史 若松 伸司 - (欠席)
- 橋本 光正
- (事務局)
- 環境省水・大気環境局大気環境課 後藤課長補佐、山口技官
一般財団法人 日本気象協会
4.議題
(1)データの多角的解析結果について
(2)その他
5.配付資料
- 資料1-1
- データの多角的解析結果について(追加解析結果)
- 資料1-2
- データの多角的解析結果について(まとめ)
- 資料1-3
- 今後の調査の課題整理
- 資料2
- 植物起源VOC環境調査結果について
- 参考資料1
- 平成24年度光化学オキシダント調査検討会開催要綱
- 参考資料2
- 平成24年度光化学オキシダント調査検討会(第3回)議事録
6.議事内容
議題(1)データの多角的解析結果について
- 事務局より資料1-1「データの多角的解析結果について(追加解析結果)」の説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- 光化学オキシダントの8時間値の解析においても、ポテンシャルオゾンを用いた解析も行う必要がある。
- 前駆物質と光化学オキシダントの関係の解析では、光化学オキシダントが高濃度になるメカニズムを解析するために、前駆物質濃度も高濃度日の濃度に着目するような工夫が必要である。
- 前駆物質と光化学オキシダントの関係の解析については、来年度の作業で実際にモデル計算する際に、モデルと組み合わせながら解析し、メカニズム解明を進めてはどうか。
- 平成2年度の排出量が、基礎データより大幅に増えている。
- 資料の説明では、考え方、仮定、手順の説明が不十分である。
- 事務局より資料1-2「データの多角的解析結果について(まとめ)」の説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- 行政としては、全国的な光化学オキシダント対策の効果について、数字で定量的な結果が必要とされる。
- モニタリングデータの解析だけでは、光化学オキシダント対策に対する効果を定量的に示すことは難しく、業務報告書での表現も慎重に扱うこと。
- 報告書ではグラフだけでなく数値も示して定量的な変化量を整理すること。
- これまでの年間統計値では年々変動が大きいため、対策効果が把握できなかった。8時間値の3年平均を用いた指標により対策の効果が見えてきた。また、この指標により越境汚染や国内汚染などの影響の度合いが地域により異なることもわかってきた。今後、光化学オキシダント対策を地域別に考えていく必要がある。以上を踏まえ報告書に記載すること。
- 光化学オキシダントの校正法の変更は、光化学オキシダント濃度の平均値が上昇している結論を変えるものではない。この点についても記述すること。
- 事務局より資料1-3「今後の光化学オキシダント調査の課題整理」についての説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- 資料として、今年の解析結果から得られた課題として整理されていない。
- 排出インベントリの課題には、中長期的な課題と短期的な課題がある。中長期的な課題としては、ナショナルインベントリが整備されておらず、それを作成・管理する体制もない。一方、短期的な課題として、光化学オキシダントの定量的な対策検討を早急に進める必要があるために、ナショナルインベントリの整備を待つことはできない状況にある。従って、オキシダント対策検討を進めるために、既存のインベントリの活用を検討する必要がある。
- 従来のインベントリ整備は、対策に対して削減量をチェックすることを目的にしており、シミュレーションで活用することまでを十分に考慮できていない。インベントリ整備の目的に、「シミュレーションへの活用も視野に入れて充実すること」を明確にする必要がある。
- インベントリは、様々な仮定により推計している部分もあるため、不確実性は必ずある。その仮定がシミュレーションに与える影響についても考慮が必要。
- 現在の光化学オキシダントの緊急対策である事業者に対するNOx排出抑制の要請について、その有効性ついても検討が必要。
- 統計的な指標とは別に、特異的な高濃度の改善は健康被害を低減するためには重要である。
- 政策目標の考え方を整理していくことが必要。
- インベントリ整備は、光化学オキシダントだけでなくPM2.5などの汚染物質も視野に入れて整備していく必要がある。
- 健康影響からの視点では、高濃度域の暴露時間を減らす考え方は正しく、今回のデータ整理は役に立つ部分がある。
- 大気環境行政の方向性が見えるようする必要がある。個別の汚染物質に限らず総合的なアプローチが重要。光化学オキシダントの環境基準も40年前の科学的知見によって決まったもの。科学的知見は飛躍的に進んでおり、最新の知見も考慮して改定することも必要である。
- 来年度シミュレーション解析を進める上で、不確実性とその影響を踏まえた解析が必要。複数のモデルも扱うなど、不確実性の幅を把握したうえで対策検討を進める必要がある。
- 今後、8時間値の解析をさらに進めて、特性を理解していくことが重要で、その中にはポテンシャルオゾンの解析も合わせて行うべきである。
- ポテンシャルオゾンでの解析を進める上では、窒素酸化物測定値は重要になる。窒素酸化物の測定の校正法の変遷が濃度測定に与える影響についても検討していく必要がある。
- 課題整理では、課題の位置づけが不明なものがある。オキシダント対策全体に係る課題や本検討会で扱う課題を分けて整理すること。
議題(2)その他
- 事務局より資料2「植物起源VOC環境調査結果」についての説明を行い、議論が行われた。主な意見は以下のとおり。
- P-シメンの濃度が高いが、あまり扱われてこなかった。P-シメンの発生源などは今後、把握していく必要がある。
- 今回の調査結果については、植物VOCの専門家に相談する必要がある。
以上