環境省大気環境・自動車対策大気汚染状況・常時監視関係光化学オキシダント関連情報光化学オキシダント調査検討会(平成23年度)

第4回光化学オキシダント調査検討会 会議録

1.日時 平成23年11月25日(金)13:30~16:00

2.場所 三田共用会議所 C・D・E会議室

3.出席者(五十音順 敬称略)

(委員)
秋元 肇   安藤 研司  石井康一郎  板野 泰之
井上 和也  指宿 堯嗣  岩崎 好陽  大原 利眞
金谷 有剛  坂本 和彦  竹内 庸夫  土屋 徳之
(欠席)
浦野 紘平  下原 孝章  橋本 光正  向井 人史
若松 伸司
(環境省)
山本大気環境課長 山本大気環境課長補佐 栗林大気環境課長補佐
吉崎大気環境課長補佐 芳川係長

4.議題

(1)「今後の対策を見据えた調査検討のあり方」のとりまとめ構成について
(2)科学的知見の活用について
(3)モニタリングデータ等の整理について
(4)その他

5.配付資料

資料1
「今後の対策を見据えた調査検討のあり方」 とりまとめ構成(議論のたたき台)
資料2
科学的知見の活用について
資料3
モニタリングデータ等の整理(例)
参考資料1
光化学オキシダント及び前駆物質(窒素酸化物など)濃度等の現状(第1回検討会 資料2-2)
参考資料2
光化学オキシダント調査検討会委員名簿

6.議事

芳川係長定刻となりましたので、ただ今から第4回光化学オキシダント調査検討会を開催させていただきます。本日は各委員をはじめ関係者の皆様におかれましては大変お忙しい中、ご出席いただきありがとうございます。本日司会を務めさせていただきます環境省大気環境課の芳川と申します。よろしくお願いいたします。
本日は、浦野委員、下原委員、橋本委員、向井委員、若松委員からご欠席のご連絡をいただいております。また大原委員におかれましては少し遅れておりますのでよろしくお願いいたします。
なお、前回同様委員等のご紹介、設置要綱のご説明等は省略させていただきます。
本日の資料ですが、お手元の議事次第の下に配布資料一覧を掲載しております。前回同様に資料の確認は省略させていただきますので、もし資料の不足がございましたら会議中でも結構ですので、事務局にお申し出ください。また、プレスの関係者の皆様におかれましては、冒頭のカメラ撮影につきましてはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
それではこれ以降の議事進行につきましては、秋元座長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

秋元座長それでは早速ですが、第4回の検討会を始めたいと思います。今までは、第1回目にいろいろな問題点の抽出、一般的なご意見をたくさんいただいて、2回目、3回目でそれぞれの専門の方からデータの提示などをいただいたというところでございます。今日は、今年度の「今後の対策を見据えた調査検討のあり方」をどういう風にまとめていくかという骨子の提示で、非常に重要な段階で、次回がこれに基づいて実際の肉付けをして文章を作っていくという、今回と次回の第5回が一番重要な段階と認識しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それでは早速ですが議題に入りたいと思いまして、最初の議題1の「今後の対策を見据えた調査検討のあり方」のとりまとめの構成についてという資料1、それから議題2の科学的知見の活用についてという縦長の資料2のこの2つは関連がありますので、まとめて事務局の方からお願いいたします。

山本課長補佐(資料1及び資料2の説明)

秋元座長ありがとうございました。今のご説明にありましたように、資料2で今までの委員の方、その他の方々からのご意見をいただいたものについて、重要なポイントが上手くまとめられているのではないかと思います。これは今日の議論の中で、資料1の中に上手く組み込まれるものだと思います。ということですので、今日の議論は主に資料1の方のそれぞれを肉付けしていく、補足していくという方向で議論を進めたいのですが、かなり踏み込んだいろいろな解析の手法、コメントがこの中に盛り込まれておりますので、是非より良いものにするようにご協力いただきたいと思います。それではそれぞれについて皆様からのご質問なりご意見を頂きたいのですが、一応この順番に、その1について行い、その後、その2、その3という風に行きたいと思います。

土屋委員意見を言う前に一つ教えてください。この検討会は資料1のタイトルにあるように、今後の対策を見据えた調査検討のあり方を検討するという目的であったと思うのですが、現実に調査や研究を進める場合に、当然ながら予算があって、人手をどれだけかけて、さらにスケジュールがあってというような形で、いわゆる調査研究計画書なるものがあって前へ進むものだと思うのですが、その計画書なるものはこの検討会の任務ではないという話ですね。

山本課長補佐計画書すなわち計画の工程表のようなものは今年度の取りまとめの中で含めたいという考えを事務局は持っておりますが、残念ながら今日はそのたたき台をお示しできていないということでございます。

秋元座長この流れから言いますと今後、どういう調査検討をすべきか、どういうシミュレーションをすべきか、というのは今年度の作業、ということになりますとそれを踏まえて具体的な作業をしていくというのは来年度予算である程度予算化されているのだろうけれど、場合によっては今年度の結論を見たうえでは新たにということになれば、もう1年先ということになりますね。そんな風に理解してよろしいでしょうか。

山本課長補佐秋元座長のお話の通りであります。改めて申し上げますと、今年度は調査検討の今後のあり方を取りまとめていただく、すなわち方法論をまとめるということでございます。本日お示しした資料の中では取りまとめの構成はたたき台としてお示ししておりますけれど、今後の調査スケジュールすなわち土屋委員のおっしゃいました調査計画書のたたき台はお示しできておりません。それは少なくとも次回の第5回の検討会ではお示ししたいと考えております。

土屋委員そういうことはここに書かれているものの1番上に優先解析地域なる設定が書かれていて、今、お話をした資料1や資料2に書かれている項目や知見の活用という話はすべて一般的な話ですよね。優先解析地域に対応した項目ということではないのですよね。もう一つですが、優先解析地域でやるべきという話は決定した話ではないのですよね。この検討会で決定しようとする話ですか。

秋元座長そう理解していただいて結構かと思います。ですからここに書かれていることは今日の議題というか、これから皆様のご意見を頂くことです。

土屋委員分かりました。

秋元座長今の点について補足いたしますと、日本全域でOxの濃度現象に関する問題がありますが、特にその中で重点的に行う地域として東京、大阪、福岡を中心にしたいと、そしてその2に書いてあることはこのような問題は一般的ではあるけれど、実際にこれをデータ解析をすると対象地域というものを見ながらやっていくということになるので、当然その1の優先地域というものは今後、解析の対象になるでしょうという風に理解していただければと思います。
それでは早速ですが、この優先地域について事務局の方から3地域をご提案されているわけですが、これについてこれでいいのかもっと他をやるべきなのか、意見はございますか。

指宿委員言葉の問題なのかもしれないのですが、地域の選択に関東、阪神、九州と書いてありますが、一方で取りまとめに向けた今後の作業というのは地域の設定については云々と書いてあって、まだこれから選ぶような書きっぷりでちょっと混乱しているのですが。

秋元座長検討会としては今日、はじめて提示された事務局案ですので、これでいいのか悪いのかを今、議論していただこうかということです。

指宿委員関東地域という言い方をしており、地域という言葉がついているので、そこを選ぶということなのか、そうではなくて例えば東北地域を選ぶとかそういう選択しかないのでしょうか。3地域は案として出ている、そしてこれぐらいの広さでやるということなのでしょうか。

秋元座長それも含めて議論するということで、ここにある案はそうですけれどそれが必要ないというのであればそういうご意見を頂いても良いし、東京・埼玉を中心とする関東地域という案になっていますが、それをもうちょっと変えたいというご意見であればそれを頂いても良いかと思います。これはこの検討会での議論のたたき台ですので、まだこれに決定されているわけではございません。その辺のご意見を忌憚なくいただき、より前向きな提案をいただければその方が良いかと思います。

岩崎委員一つちょっと気になるのは、今までの現象で高濃度地域は比較的減少が見られたり、あるいはそれほど延びていないのですが、今まで低いと思われていたところが意外と高くなってきています。これにはいろいろな要因があって、今までのいろいろな先生方のレクチャーでも森林の影響があるのではなどいろいろあるわけです。そういう意味で、その部分が3つの地域を中心とする地域の中に、今まで低かったけれど少し高くなったというのが入るのでしょうか。それがちょっと心配になっており、少し高濃度地域に偏っていないかなと思われます。最近少し高くなっているとか、森林の部分を持っているところとか、関東地方でも例えば栃木がそうといえるかは分かりませんが、そういう地域も入れて解析をして欲しいということが希望としてあります。

秋元座長ご意見として非常に大事だと思います。確かにおそらく環境省の方のご関心として、高濃度地域、特に注意報を越えるところの回数がどうなのかということに関心が強いので、こういう選び方になっていると思うのですが、日本全域でかなりトレンドとしてオゾンが増えてきたという過去トレンドがあって、それは必ずしも都市域ではない地域でバックグラウンドの影響が増えているということがあるのでそういうところも一つ入れた方が良いのではないかというご意見があったのですが、いかがでしょうか。

山本課長補佐事務局から補足説明させていただきます。秋元座長のご指摘の通り、この3地域を選定した経緯としましては、結果として都市部を中心にピックアップしてしまったということですけれど、別の言い方をすると私どもとしては環境基準達成率を上げたいという点がありまして、すなわち測定局の割合になってしまいますので、例えば日本全国で10年くらい継続して測定を行っている測定局は800~900くらいございますが、この3つの地域の案でいくと7割以上カバーできるので、非常に効率的であるということでお示ししたということがあります。他方、Ox生成現象という観点から見ますと以前より自然由来VOCの影響の重要性ということからするとその寄与がある程度出ているような地域というのも判断基準の一つとして解析エリアの設定を考えるべきというのはおっしゃる通りと思いますので、追加する形で考えていきたいと思います。

秋元座長具体的にどの辺を取り上げるのが代表地域としていいかというご意見がありますか。

土屋委員先程、研究計画書に拘ったのは、普通に民間企業だと予算や人など限られたものを動かさなければいけないという部分があるので、私はどこの地域でも良いと思うのですが、下に書いてある部分でどれだけの人手がかかって、どれだけ時間がかかってということが理解できていないのですが、そうするとこれだけのものをこなすのに人と金と時間をかけてというときに、一番投入しやすいのは関東地域で絞って、山あり谷ありの群馬県の辺りに測定局があるというのならその辺りをひっくるめて、だけどやはり高濃度地域は集中している東京や埼玉というところに、研究者が集中しやすい、そういうところで一気にやってしまった方がいいのではないかという考え方になります。

秋元座長一気にやってしまうというのは、リモートな地域も含めてということですか。

土屋委員あくまでも集中してということです。私は、日本全国でやるべきというのはまったく反対で、例えば埼玉なら埼玉に研究者を集中させる、みんなの関心をそこに持っていくというやり方でやったらどうかということになります。

坂本委員今の話は起こっている現象が地域によって違うから、そういうことができないものが挙げてあるという理解です。関東の場合ですと、東京、埼玉あたりですと比較的反応が早く進行するところ、それに対し栃木や群馬では少し反応が早く進むとNOxの供給が少なくなって、高濃度が維持するなど、そういうような意味で関東ではかなりの部分ができる可能性がある。一方、九州の場合では見ようとしている現象がまったく違う、というようなことで、この3地域ぐらいは必要ではないかと思います。そしてその場合、今の予算の話はこれからどういうものをどうやっていくかを考えて、その段階で優先度をつけざるを得ないと思います。

秋元座長ありがとうございます。

井上委員少し先取りして資料を拝見させていただいたのですが、資料3の1ページを見ますと、地域別に経年変化の推移がまとめてあるのですが、これで見ると東海地方が非常に悪くなってきているというところがあります。そういうところは対象にしていただいた方が良いのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

山本課長補佐今の井上委員のご指摘でございますが、基本、この検討会の取りまとめとしましては、あくまで科学技術的な観点から必要だという点については取りまとめていただいたら結構です。また先程土屋委員がおっしゃいました今後かかる人手やお金についてご指摘自体は非常にありがたいお話でございますが、ただそれは別次元の話でございますので、それは環境省で全部やるのかなどの話も含めて、別の判断材料が入ってきますので、とりあえず本年度の検討会ではありがたいご指摘ではございますが気にしていただかなくて結構でございます。あくまでこの検討会としましては、専門的・科学的観点から解析が必要だとこの検討会でまとめていただければそれで結構でございます。

秋元座長それで今の中部や東海についてのお話についてはいかがでしょうか。

山本課長補佐資料3の1ページ目に地域ごとにまとめておりまして、次の議事でご説明する予定でしたが、本日の資料では関東地域のみの解析をお示ししておりまして、関東地方は重点的に解析を行うべきという認識を事務局としては持っております。中部については今日は1ページものの他の地域との比較のデータしかございませんので、例えばパーセンタイルで見ていくとか一定の気象条件の日だけの比較で見ていくとかそういう傾向が関東地域と同様であれば理論的に同等に取り扱うべきという考えでございます。

安藤委員私も井上委員と同じ感覚を持ったものなので、1点言わせていただきたい。3地域を選ぶ時の考え方というのが岩崎先生もおっしゃっていたように高濃度地域という観点で選んであるように思われます。その高濃度地域を資料3の図-1.1を見ると一番好ましくない関東と、その次の次ということで近畿、というように選ばれていると思うのですが、近畿と関東に関して言うと少しずつ改善しているような地域で似たような傾向に見えます。それに対して東海は2番目に悪いのですが、これを15年度から見ると極端に悪くなっていく傾向に見えます。そうすると今回の検討会では、今後の対策を見据えるので、この悪化していった原因はどこにあるのだろうか、また徐々にではあるが改善していったところはどうであるかという2つの観点で見て典型例をとった方が私は良いのではないかと思います。

秋元座長ありがとうございます。東京と大阪が選ばれているのはご覧頂いても分かるように一番被害というかOx汚染のひどいところだということで、3位が東海・名古屋地域だったのですね。それが最近になると近畿と逆転するということがあるので、ここを見た方が良いというのはその通りだと思うのですが、もう一地域を加えるというのは理論的、作業としてまずいですか。

山本課長補佐事務局としては理論的にはまったくやぶさかではございません。今日のご指摘を踏まえますと、東海地域を加えるという方向でやらせていただきたいと思います。

安藤委員それに追加したいことがありまして、先程、その1のところで地域の設定というところの中で、行政区ではなく地形や気象条件を踏まえようとおっしゃっている時に、東海といった時に愛知・岐阜・静岡という県よりは、愛知・岐阜・三重といった方が地勢学的には合うのではないかと思います。

秋元座長おっしゃる通りだと思います。

安藤委員そこの地域でどこを中心とする県とするかということをもうちょっと考え直していただけたらいいな、と思います。

秋元座長これは資料1の右側に書いてありますが、取りまとめに向けた今後の作業のところに、地域の設定については行政区分ではなく、といったことが書いてあり、必ずしもこの図にあるような岐阜・静岡・愛知ということではなく、ご意見のように整理をしていくという風に考えていただければと思います。
この話と、先程岩崎委員から出てきたもう少しリモートというかバックグラウンド的なところを調査すべきということは、具体的に例えば長野とかそういうものはありますでしょうか。

岩崎委員そういうものはありません。先程、井上委員や安藤委員がおっしゃったような地点を入れれば、今まではクリアされていたけれど、だんだん少し悪くなってきたと、そういう地域が入ってくると思います。ですからそういうものも含めて解析の対象として考えて欲しいということであって、多分、今のいくつかのエリアの中で、東海だとかそういうところを入れてくると今まで低かったけれど上昇している地点が入ってきますから、あえてこの県を入れてくれということでいっている話ではありません。そのような配慮をしていただきたいということになります。

秋元座長ありがとうございました。今の東海という名前が挙がりましたけれど、そのような増えているところを加味して解析していくということで、地域については一つ追加というような形になりますがよろしいでしょうか。それではそういうところを重点地域としまして、具体的に何を見ていくかということがその2になるのですが、これも順番でよろしいでしょうか。上から見ていきたいと思うのですが、モニタリングデータの多角的検証、[1]-1「前駆物質の排出インベントリ」「前駆物質の環境濃度」「気象条件」に着目した基礎的データ整理ということで書かれておりますが、これについてご意見、追加がありましたらいただけますか。

井上委員地域別に整理と書いてあるのですが、これは地域内の分布は見ないということではないのですよね。

山本課長補佐地域内の分布も当然見ていきます。

井上委員ありがとうございます。

秋元座長資料3というのは第1回の検討会のときにいろいろとデータが提示されたのですが、バラバラ見せられても何がいいたいのか分からないというご意見があり、それを踏まえこういうことが分かるように整理をし、まとめていただいたのが資料3で、これは後でご説明があるのですが、そこでのまとめ方とここでいうモニタリングデータの多角的検証というのはかなり関連しており、またここはおそらく資料3の次の議題のところで具体的な整理の仕方などが出た後、反映させてとりまとめて最後に追加というようなこともあるかと思います。ここの文章のところではこのようなことでよろしいでしょうか。具体的なデータを見てからの方が分かりやすいと思いますので。では次の[1]-2、Ox濃度への影響要因に関する既存の知見を、モニタリングデータで検証するためのデータ整理ということになりますが、この案について何かありますでしょうか。
私の方から先によろしければ、このうちの2つ目の、NOx排出削減及び環境濃度低下によりOx濃度が上昇する「逆効果」に関し、この間の濃度推移への影響の程度を検証することについては必要な作業で、ここでやるべきことは先程の資料2で板野委員からのコメントにあります、Ox濃度は増加要因と、減少要因のバランスにより決定され、Ox濃度の変動要因の解明において、ポテンシャルオゾンの変動を調べることが有効な場合がある、というこのことだと思います。ポテンシャルオゾンというのはオゾン+NO2ということなのですが、NOxが減ってたまたまタイトレーションと呼ばれるNOでオゾンが壊されるのが減ったから発生源地域で増えたというような現象を打ち消して、トレンドが見られるというのがポテンシャルオゾンの変動ということなのですが、そういう形の解析というものをきちんとやった方がいいのではないかと思います。その辺を具体的な作業内容に入れた方が良いのではないかと思います。それと逆に、ここに書いてあることで私はあまり適切ではないのではと思うのは、NOx律速及びVOC律速について、各地域において云々と書いてありますが、これは基本的に観測データからはその地域がNOx律速かVOC律速かということは出てこないのですよね。あくまでもシミュレーションみたいなもので言える話であって、データを解析してもこの地域がどちらかということは出てこない話で、この点についてはこういう風なモニタリングデータの解析、データ整理として書かれるのはあまり適切ではないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

井上委員モニタリングで今、常時測定局などで測っているデータだけからはこういうどっちの律速状態だというのは知ることはできないと思うのですが、例えば全硝酸を測ってみますとオゾンと全硝酸の割合である程度判断ができるということは論文にも書いております。

秋元座長ただ全硝酸というのはモニタリングで測られていますか。

井上委員測られておりません。

秋元座長今、対象とするような常監局のデータを考えた時にはちょっとできないのではないかと思うのですが。

金谷委員私もなかなか難しいことではないかと思うのですが、一つできるかもしれないのは休日と平日の濃度差を利用して、どちらかを推定する程度のことはできるのかな、と思います。

秋元座長週末効果の解析というのは非常に面白いし、統計・解析する時にそれを考慮する方が良いというのはその通りかと思います。私が心配するのは、いずれにしてもやさしくはないですね。NOx律速かVOC律速かということは行政的には非常に分かりやすい話なので、どちらと言いたくなるのですが、あまり不確定性の高いものの解析結果をどちらかに位置付けて行政施策に持っていくというのは非常に危険だという考えがありまして、NOx律速、VOC律速というのは特にシミュレーションの中ではそういうことが出てくるのですが、実測データからそこまで言うというのは危険ではないかと思うのですが。

指宿委員モニタリングデータと簡単に言うのですが、どれくらいの時間分解能で連続的に測定しているのか、例えば個別のどんなVOCについて測定しているのかとか、あるいは測られたデータがあるのか、ということを考えると、ある限界というものがあると思います。それを含めた書き方をしておかないとできなかった時に議論が発散してしまうと思います。

秋元座長VOCのモニタリングはトータルVOCでは1時間ごとですかね。

指宿委員個別になると、トルエンなどはあるでしょうけれど。

秋元座長ここの書き方はあとで検討するというか、ここまであらわにNOx律速、VOC律速と書かないような形にした方が良いかと思います。その代わり、先程言ったようなNOのタイトレーション効果を考慮したポテンシャルオゾンであるとか、週末効果だとか、そういう形の解釈をしていくというようなことをここに入れたら良いのではと思います。それ以外のところでいかがでしょうか。

井上委員NOのタイトレーションの効果というのは平均濃度の時で見たら効いてくると思うのですが、ものすごくオゾンが高くなるような高濃度日だとそれほど影響がないのではないかと板野委員のプレゼンでもあったと思うのですが、生成のVOC律速、NOx律速ということが知りたいというところなのではと思ったのですが。

秋元座長一般的にはNOxというのはオゾンの前駆物質だから、NOxが増えればオゾンが増えるというのは、広域である程度反応時間が経ったところではその通りなのですが、実際のモニタリングデータを見たときには逆転していることがままあり、都市部の発生源地域ではそうならないNOxを減らすとオゾンが逆に増えるということが見られ、そこはきちんと抑えておかないと対策をしたらマイナスになるという意見が強くなるのも困るので、そこはきちんと評価しましょうというのがこの趣旨だと思います。場所によって、当然タイトレーションが効く地域から少しずつ離れていくに従ってオゾンがプラスになるという地域があるので、その辺を上手く、地域的な解析ができればいいかなという風に思っています。
ではその次の[2]前駆物質排出インベントリの精緻化に関連したところでいかがでしょうか。

指宿委員今のNOx律速云々と関連するのですが、排出インベントリ、特にインベントリということに関して、定義や受け取り方が人によりバラバラになっている可能性があるので、そこをちゃんと書き込んだ方がいいかなと思うのですが。例えば、インベントリと言うと量だけをイメージする場合もありますし、場所や時間的なことも含めて考える場合もあります。VOC律速とかNOx律速といったときに大事なことはインベントリにおけるVOCとNOxがどうなっているかということが非常に大事で、そういう意味でここのインベントリはどういう風に定義して書かれているのか、モニタリングデータとは決して違うわけですよね。

秋元座長これは排出量の推定のことですよね。だからそれを物質別、季節別、地域別、そういう形のデータのまとめ方がなされているという風に考えてよろしいかと思うのですが。

指宿委員その時にVOCについてはかなり個別に考えるということでしょうか。

秋元座長本日、浦野委員がいらっしゃらないのですが、この前の資料では関東地域の総排出量みたいなものは出せるとおっしゃっていましたよね。

指宿委員それはインベントリというか、浦野先生が委員長をやられているところでそれは把握できるのですけれど、それが例えば群馬県、あるいは群馬県の中である市と町からどれくらいでるかまでは落とせない。このインベントリというのはどこまでそういうものを分解したものなのか、インベントリの精緻化といったときに、どこを目指すのかということです。

秋元座長なぜインベントリの精緻化が大事かというのは次のシミュレーションでいろいろ使っていくためですよね。そういう観点から、大原委員、コメントをいただけますか。指宿委員のようなご意見に対して、どのような空間分解能や時間分解能、成分を想定し、精緻化といったときにどのあたりを目指すべきか。あまり非現実的なことを言ってもしょうがないので。

大原委員インベントリといった場合にいくつかの目的・用途があって、シミュレーションモデルに使うというのもあるし、対策・検討に使う、あるいはそれ以前に大気汚染物質の現況把握に使うといった、いくつかの側面があってそれに応じてインベントリの作り方というのは変わってきますし、もし今、秋元座長がおっしゃられたようにモデルを活用するということであるならば、かなり時空間分解が高い排出データを用意する必要があるということになります。これは都市域の排出インベントリを考えたらよろしいでしょうか。

秋元座長その1で優先解析地域という議論があって、東京・埼玉を中心とした関東地域、大阪を中心とする阪神地域、福岡を中心とする九州地域、それから東海地域というものとなったのですが、そのデータ解析をやっていく時に必要なインベントリと考えていただけたらと思います。

大原委員目標としては多分、日本のインベントリがそうであるように、空間分解能は1km、いわゆる3次メッシュですね。時間分解能は日内の時間変動パターンが把握できること。当然それには季節変動も含むということであります。組成の分解についてはモデルに依存しますが、少なくとも今、モデルでよく用いられている例えばSAPRC-99を想定したようなVOCのグルーピングが必要だろうと思います。

秋元座長イメージとしてはそういうことで、具体的にどの程度だったら望めるかという現実論との、どこか妥協せざるを得ないところがあるのではないかと思うのですが、今回のとりまとめとしてはどういうものがあるべきかという議論でまとめればいいのではないかと思います。

山本課長補佐[2]のインベントリの精緻化でございますが、その2のOx濃度に関する現象解明の3つのステップの中でも一番の難物がこのインベントリだと思っております。先程よりご指摘いただいておりますように、自然由来も含めて精緻に調べるには限界があるということと、第1回より浦野委員を中心にご意見を頂いておりますようにオキシダントの生成の観点から重要な物質を調べていきなさいという、この2つの点に留意してこのインベントリの精緻化に取り組んで調査検討の実施工程を考えていきたいという風に思います。ですので、取りまとめの中ではやはり理論的にはどう頑張っても分からないと言うものはやはり最後のとりまとめとしては分からないという結論になるかと思います。そういう部分も一部想定しつつ、今後の政策展開ということでいきますと、当面、行政としては中期で5年、長期で10年を見越すのですが、その期間でできると期待されるものをとりまとめていくことになろうかと思います。

秋元座長次のOx濃度現象解明の高度化に密接に関連するのですが、要するにこういうインベントリで出されたものをシミュレーションに入れて、計算したものと実測のデータを比べた時にどれだけ合うかと言うことに尽きます。だからこれまでのプレゼンでも、今のところ2倍以上の乖離がある場合が結構多く、それをどう埋めていくかということになっていくかと思います。そういうものを考慮しながらインベントリの方も抜けている部分やミッシングな部分ところを減らさなければいけないということになりますし、その議論に耐えるだけの観測や実測のモニタリングももうちょっと強化しなければならないという話につながっていくかと思います。
それでは次のところとも関係しますので、このシミュレーションを活用したOx濃度現象解明の高度化について、ここはいろいろご意見があるかと思いますが、いかがでしょうか。この中では例えばVOC環境濃度の現況再現に関する検討というようなところに、要するにモデルの検証に使えるモニタリングデータの整備とか、そういった項目があって然るべきかと思います。自治体からいろいろとご発表を頂いたのですが、どうやってシミュレーションの検証に使えるような形でデータを提供していただくかというようなことも具体的な作業内容として重要かと思います。

金谷委員大項目のところに現況再現や感度解析という言葉が出てきますが、小項目のところを見ても将来予測という言葉が出てきません。一つの考え方としては感度解析の中でそういったこと行うという考えもあるのかもしれませんし、第1回の時の資料でありましたように、将来のシナリオを元に、実際、シミュレーションを回して、結果を得て、それについても解析をするという考えもあると思うのですが、特に感度解析の中で行うという考え方でなければ、将来のエミッションなど推計を元に行うという内容が含まれていても良いかと思いますが、いかがでしょうか。

山本課長補佐この委員会の目的といたしまして、今後の対策を見据えた調査検討のあり方ということで行っておりまして、読んでいただいてわかるとおり、過去のデータ解析をシミュレーションに使うということでやっております。これは過去を見るか、将来をシミュレーションするかということでいきますと、重点としてはこの委員会の設置の経緯からしまして、私どもとしましてはこれまでの対策効果が妥当であったのかというところにより関心があるというのが正直なところでございます。私たちの立場やニーズとしてそういうことであるということでございます。インベントリの精緻化に関して方法論については本日ご指摘いただいたので改善するとしまして、また現行のシミュレーションも必要な改善を行うということで地ならしができましたので、やろうと思えば将来の対策がどうなるかということはできますが、それは私どもとしてはニーズとしては必須ではないという風に考えております。やることはできますが、私どもとしてはやったものをどう使うのかというところの位置付けとやったことによる社会的な影響ということを考えなければいけないので、私どもの見地からしますとこれまでの対策の効果がどういうものだったのかということをより正確に評価しますということが行政ニーズとしては高いということでございます。

秋元座長わかりました。今後は将来の削減の感度解析、将来予測をやっていかなければいけないのでしょうが、そこへいくとみんなそちらに関心が移ってしまうので、この検討会の今年度の作業としてはまず将来使うシミュレーションの精度をしっかりするということだと思うので、理解したのですが、そういうことであるとこの中の具体的な作業手法において、現況再現というものがあるのですが、もう少し明確に過去トレンドの再現、VOCがどれだけ削減された、NOxがどれだけ下がった、そういうものがどういう風に再現されているのか、それがそのシミュレーションの中でどれだけ感度を持って反映されているのかというあたりの解析が非常に重要だと思われます。そういう過去トレンドの再現と、前回から言われているいわゆる不確定性の定量的な評価といいますか、その中でもVOCの話はそうだし、それ以外のことでもいろいろこのシミュレーションには不確定性があって、それがきちんと提示されないので良く分からないというご意見をもらうわけです。VOCにしても実測とシミュレーションの間にかなり大きな差があったりすると、そういうものがVOC削減、NOx削減のようなシミュレーションの評価にどれだけの不確定性を与えているのかというあたりをちゃんと評価するという作業が必要なのではないかと思いますがいかがでしょうか。

山本課長補佐ご指摘はおっしゃる通りと思いますので、過去のトレンドの再現というのは取り込んだ形で具体的な作業内容にしていきたいと思います。また不確定性の評価につきましては専門的に難しい部分もありますので、今後、具体的にご指導いただきながら成果のほうに取り込んでいきたいと考えております。

秋元座長お願いいたします。別に不確定性の評価は今年度に行うということではないので、そういうものをどういう風に評価していくかと、どういうものをやるべきかということを専門家の意見を入れていただければ結構かと思います。

井上委員過去のトレンドを見られるということについて、非常に良いと思うのですが、あと週間変動というか、週末効果というか、週末に増えるだけとは限らないのですが、そういう平日と休日の違いが再現されるといったようなことはやられるのでしょうか。

山本課長補佐解析手法の一つとして事務局の理解でも重要性は認めておりますので取り込んでいきたいと思います。

板野委員私はこれまで、NOとのタイトレーションの話を重視しており、プレゼンテーションでも説明させていただきました。モデルにおいてNOxが再現されないかぎり、Oxの1時間値を精度良く再現することは非常に難しいと考えられる一方、NOxのごく局地的な高濃度汚染をモデルで再現することは難しいと思っています。従って、モデル自体もOxの予測値と観測値を合わせるというよりも、ポテンシャルオゾンを再現するという感じですすめていく方が理想ではないかと思っています。ちょっと具体的な話になって申し訳ないのですが、どのような項目を対象としてモデルの精度を上げていくかということも含めて考えていくことが重要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

秋元座長大原委員、何かご意見ございますか。

大原委員私も賛成であります。経緯はよくわかりませんが、ここに1時間値をさらに精度よく予測できる予測モデルと書いてあるのですが、多分1時間値をきちんとモデルでほぼパーフェクトにシミュレートすることはできないと思います。1時間値などよりも目標値ですね、行政施策との関係での目標値でもあるべきだと思うのですが、例えば今、使っている120ppb超過日数というのは、一つの指標であるかもしれないし、そうではなくても日最高値であるとか日最高値の地域最高値であるとか日最高値の地域平均値であるとかいろいろと設定しうるあるいは設定すべき目標値というのは1時間値の中でもあると思うので、それを明確にしたうえでその指標を再現するために、そのモデルをどう改善すればよいかという検討をすべきではないかと思います。漠然と1時間値を再現するというのは絵空事だと思います。そういった意味において、ポテンシャルオゾンで評価するというのも一つの指標として重要ではないかと思います。多分オゾンで評価しようとした場合、特に夜はモデルの方が過大評価となると思われますが、ポテンシャルオゾンで評価することによってタイトレーションの効果が相殺されますので、ポテンシャルオゾンの再現を狙うということは重要でないかと思います。

秋元座長ありがとうございます。シミュレーションの専門家からそういう意見をいただきましたが、私もこの4項目目の「高濃度1時間値の評価に関する検討」ですが、ここのところはもう少し幅広く見直した方が良いと思うのは、「Oxトレンド評価に適した統計処理」ということで統計処理という言葉が出てきておりますが、要するにオゾンのトレンドとNOx、VOCの削減の効果を評価するときの評価指標が1時間値の最高濃度のようなものだけにとらわれたのでは上手くいかないのではないかと。これについてはこの後の資料3ですね、先ほどの図の方ですね、この中での後の方の整理の仕方でももう少し見えてくる部分があると思うのですが、もう少し統計的に安定した指標というものを考えていく必要があるのではないかと思います。この中でもそうですし、今後重要になってくる環境基準の見直しになったときに、例えばアメリカの環境基準というのは8時間値なのですが、3年間の平均で最高値の上から4番目であったかと思うのですが、そういうクライテリアを取っております。統計学者の方から最高値だけを取ったのではロバストではないということから、4番目の値を使うということが出てきていると思うので、そういうことというのはもうちょっと安定的にトレンドがどうなっているということを評価するときに非常に重要だと思います。今回の作業の中にどれだけ入れるかとなると、今回の検討会に統計の研究者が入っていないのですぐには無理なのかなとも思うのですが、少なくとも検討材料としては、何を使って評価したらいいのかという検討ぐらいは作業の中に入れていただけたらと思いますがいかがでしょうか。

山本課長補佐まず先程からの板野委員、大原委員、秋元座長からのご指摘を含めまして、まず1時間値のお話でございますが、私どもは当初、環境基準は1時間値で決められているということで、素直に1時間値ということで、そういう考えをベースに素直に資料を作成したのですが、シミュレーションの精度検証を行う場合に、1時間値の中でもいろいろとあるということですので、これにつきましてはターゲットを明確にしないとアクションが具体的にならないということですので、板野委員のご指摘を踏まえまして、今後各委員のご指導を受けて作業の内容を一部修正しながら煮詰めていきます。また統計処理の必要性でございますが、これにつきましては1時間値を取り扱うという範疇の中で今年度は方法論の取りまとめということで、今後の対策を見据えた調査検討として有効なものであるのか、また今後5年間、10年間の中で、実現可能なものであるかという判断基準で見極めていきたいと考えております。

大原委員今のことと関連するのですが、少し違和感を感じているのは[3]のシミュレーションの中に今、話題になっている「高濃度1時間値の評価に関する検討」というものがあるということです。今行われた議論との関係において言えば測定データ、特にオゾンの1時間値のデータの統計的な解析みたいな項目を[4]といった形で別立てに立ててその中で統計的な解析も行うし、現在のデータを使った統計的な解析も行うし、その中からロバストなOxの指標が出てくるようなことも可能だろうし、それから行政の目標を設定する上でも統計データの解析の結果というのは非常に有効になると思うので、そういった意味からも重要だし、モデルの再現指標を設定する上でも重要だと思うので、私は是非、別立てで観測データの解析といったセンスでの項目を立てていただければと思います。

秋元座長本来は[1]のモニタリングデータの多角的検証の中にそういう指標を使った解析というのは入ってくるべきではないかと思います。先ほどの議論は、特にモニタリングデータをどう見ていくかということに関しては[1]の方で含めることを検討いただければそれを再現するようにシミュレーションの方で比較するという話になると思います。

山本課長補佐まずモニタリングデータが膨大にあるということで様々な要因を見極めていくというのは統計的な考え方で見ていくということになりますと構成の中では[1]のぶら下がりの一つとして落とすということで、構成を一部修正したいと思います。

秋元座長よろしくお願いします。

指宿委員先程からちょっと話題となった1時間値をさらに精度良く予測するという表現について、精度といった時に大原委員の話を聞いていると、現実のオゾン濃度を再現できるという点での精度という風に聞こえるのですが、普通、精度というのはモデルではそういう風に使うのでしょうか。精度良く予測できるようにモデルを改善するということは、例えばインベントリなど関係なくモデルとして改善できるというところがあるという意味なのかどうかを教えてください。

大原委員当然、入力データに依存する部分はあるし、モデル本体に依存する部分もありますので、両方だと思います。そういった意味ではモデリングシステムといった言葉を使うと良いのかもしれません。

指宿委員独立で項目が動いているように見えて、モデルの中身を変えれば精度が上がるという風に読めるのです。現実はそうではなくて、いろいろなインベントリも含めて精緻化してやらないと精度というかオゾンについての再現性が上がらない。そういう風にきちんと書いておいた方が良いと思います。それと同じように、VOCの環境濃度の現況再現と書いてあるのですが、この場合にOx生成寄与の観点から重要なVOC成分と書くともとのVOC成分しか指さないようにみえるのですが、例えばトルエンならトルエンしかないのか、そうではなくて現実ではそういうものが反応して、例えばホルムアルデヒドになるなどですね。そういうものが現実の大気中の一つのVOC濃度、VOCとしてその濃度がモデルで矛盾なく再現できるかどうかといった書き方にしておかないといけないのではないかと思います。

秋元座長おっしゃる通りだと思います。特にホルムアルデヒドは重要ですね。ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドは光化学生成に非常に効いてくるので、その辺をちゃんと作業できなければいけないのですが、モニタリングデータがあまりないですよね。

指宿委員今後やらなければいけないところの中にそういうものが入るというためには、ここに少し誤解を与えるような書き方はよくなくてちゃんと書いておいた方が良いと思います。

秋元座長今後行うべき調査検討の中にホルムアルデヒドの観測、モニタリングというものがレコメンデーションとして入ってくるということでしょうかね。
よろしいでしょうか。よろしければ一番下の段のこれまでの対策効果の評価手法、これは今までの議論ともかなり重なってきて、過去トレンドなどはこの中にも入ってくるかと思うのですが、この辺のところで特に何かございますでしょうか。ここは事務局としてはより具体的にVOC、NOxが下がってきたことの効果の評価というようなかなり具体的なことと考えてよろしいでしょうか。

山本課長補佐その3の部分は事務局の位置づけとしましては、かなり現実的な行政的な部分に近づいてくる話でございます。座長がおっしゃいましたように、このインベントリがその2のプロセス、ステップの中で行い、不可能なものは最後に残るでしょうが、現実的に実施できることはやり尽くして精緻化される、またシミュレーションにしてもターゲットを明確にして、それが最も効率よく予測できるように高度化をはかるという中でこれまでの対策評価をより適切に評価できる手法というものが提示できるという順番で考えております。こちらの方はそれをどう使うかということはこの検討会の射程から離れていきますが、この検討会の取りまとめとしましてはあくまで手法としての評価手法を取りまとめていただくということで、その1、その2と比べるとあっさりとした書き方になっておりますが、そういうこともございます。

秋元座長現実的にはその2の先ほどの議論の中に出ましたけれど、過去トレンドといった時に過去の削減効果がどの程度反映されるか、感度解析、そのあたりが上の方でもし議論されるのであれば、それが即、その3の方に反映されるのかといった気がします。ではその2を整理する中で、その2とその3をどういう風に報告書の中で比べるかということを議論していただければと思います。

石井委員対策の効果という風におっしゃいましたが、VOCを削減することも対策なのですが、さらに対策の効果としてOx濃度が下がっているかということは当然目標に入ってくると思うのです。この中でそういうことに対する評価も入っているかなという気もするのですが、VOC削減だけではなく、VOC削減も含めOx濃度に対してどうだったのかという対策の評価をちゃんと意識して解析をしていただけないかなと思います。

山本課長補佐事務局としては当然、そのつもりでございます。それが本日の資料の書き方としてもし表われていないとしたら私どもが十分な記載ができなかったということでそれは適宜アドバイスをいただいて今後、評価手法の取りまとめの中に反映していきたいと考えます。

秋元座長石井委員のお気持ちとしてはVOCがOx削減にどう効いてくるかという解析は要るのだけれど、Oxがどこまで下げるのが目標なのかとかそういうあたりが今回の作業では見えないということなのでしょうかね。

石井委員そうですね。当然、これから、駄目だったらまた減らすという話も入ってくるわけですね。やはりVOCを3割減らしてOx低減効果はどうだったのかということは結論として必要だと思うのです。

秋元座長その辺は先程の将来の話につながってくるわけで、今回は将来予測はやらないということになりましたので、少なくとも過去において下げたVOCがOxの削減に関わったのかということはきちんと検証した方が良いかと思います。

井上委員VOCのことが今まで結構出てきておりますが、Oxの生成という観点で見たらNOxも重要な物質で、それに対する感度解析というものはやられるご予定ですか。関連する発生源というものにNOxも入っているかということです。

山本課長補佐もちろんNOxを除外する考えはまったくございません。

秋元座長その3についてよろしいでしょうか。今日のこの議論をもとに取りまとめ構成を再構成していただいて、具体的に次回までに進めていくということになると思います。それでは次の議題に入りまして、議題3のモニタリングデータ等の整理について、これを事務局の方から説明をお願いいたします。

山本課長補佐(資料3の説明)

秋元座長ありがとうございました。こちら、冒頭に申しあげましたが、第1回検討会の時にいろいろなデータがたくさん出されたのですが、ただ羅列されても意味が分からないということである種の目的意識を持って整理していたいただいたものになりますが、非常にわかりやすくなって面白いデータと思います。これについて、ご意見、コメントがあるかと思いますので、何ページからでも結構かと思いますのでよろしくお願いします。

安藤委員非常にわかりやすくなったと思っているのですが、このデータはまだ値付けと言われるような校正されたデータではないということでしょうか。この資料はデータのまとめ方としてこういうスタイルで行くということだけであって、中のデータの変動のところというのは校正したものであるとか、値付けをし直したものであるとか、標準化されたものではないということでしょうか。

芳川係長データにつきましてはキャリブレーションをする前のデータ整理となっております。

板野委員提示された資料では、Oxの昼間の測定時間とか昼間のデータに注目された解析結果になっています。私はC型共同研究というものをやらせていただいて、他の自治体の方とも良くお話をさせていただいておりますが、Ox濃度は必ずしも昼間に注意報レベルを超えるということではなく、夜間に超えるようなケースがみられることもあるようです。例えば九州ではそういうケースが良く報告されていると記憶しております。今回、解析対象地域に九州を含める、かつ大陸の影響をみるということになると必ずしも昼間のデータだけに注目するということではうまくいかない可能性もあるのではないかと思います。

山本課長補佐本日は主にデータ整理のスタイルでご意見をいただくということでお示ししましたので、今後、今、板野委員がおっしゃったようなことは例えば越境汚染を見るのであれば国内生成と関係ないので、昼間にこだわるべきではない、とそれは理論的に全くおっしゃる通りでございます。また目的意識としましても私ども、資料1のたたき台で今後、有効な調査検討の柱の一つとして越境汚染に着目したデータ整理を考えておりますので、そういう中で夜間もターゲットの中に入りますので、今後作業をしてくつもりであります。

秋元座長非常に面白いデータがありまして、例えば9ページをご覧いただけますか。気象条件をある一定の幅のものだけを抽出した時の経年変動というものが非常に面白いと思いますが、この中で平成14年というのは非常に特異ですよね。つまりこれは今までの気象条件によって均されない、何か別のファクターあるということですよね。ここは非常に面白いというか、かなりの部分が日積算日射量と気温と風速の3つのファクターでノーマライズというか幅を限定するとかなり滑らかになるのですが、そういうことをやってもそのファクターでは取れきれない何かがあったということですよね。これは非常に面白いので、しかもこれは東京が非常に顕著で、埼玉がその次、群馬になるとそれが消えてしまうというかなりはっきりした物理的な理由があるはずなので、これは研究レベルの話かもしれないけれど、理由がはっきりすれば今まで見落とされているもので環境中のOx濃度レベルを決めているファクターというものが目に見えてくるので、非常に面白いと思います。そしてこれを消さないと、5年間の前後の平均を取った時に、後の方が減っているといっても平成14年に平均値が引っ張られていますよね。これを消すと、多少は最近減っていることが見えますが、それほど大きな差が出てこなかったりするというようなこともあり、これは研究者の方にお願いした方が良いのかもしれませんが、解明していただくと一歩前進するのではないかと感じました。
それともう一つ、それとも関連するのですが、5ページにある、先ほどご説明があった120ppb以上のランク別出現頻度の推移という高濃度日の推移の経年変動と、13ページにある60ppb以上120ppb未満の経年推移を見てみると、これも非常に面白いのですが、例えば今、話した特徴的な平成14年度では高濃度日が突出して多かった、何らかの捉えきれていない原因があった。ただこのときは逆に60~120ppbというのは減っていますよね、前後の年と比べて。これは高濃度が増えて中濃度が減っているというそういうパターンなのですが、その次の平成15年度とか平成21年度を見ると、これは両方(120ppb以上、60~120ppb)減っているのですよね。特に平成15年度は非常に顕著で高濃度日も減っているし、中濃度日も減っている。21年度も高濃度日も非常に減って、中濃度日もそれまでの数年間に比べてかなり減っている。それはなぜかということなのですが、両方減ったということは60ppb以下の日が増えたと考えてよろしいですよね。環境基準を超える日ぐらいのところでも減っているという風に見てよろしいのですよね。例えば解析された方。上が増えて真ん中が減っているというのはそれなりに分かりやすいのですが、両方が減っているということは全体的に濃度が低くなったということですよね。

芳川係長そこのところはデータを整理していないので、次の検討会に60ppb以下のところもお示しいたします。

秋元座長その辺のパターンの理由がある程度分かると、先ほどの平成14年度のことと関連して、少しノーマライズされた議論ができるのではないかと思います。

坂本委員今回、光化学オキシダントのことだけを整理されているわけですけれど、NOxについては整理されないのでしょうか。また、多分120ppbを超えるところと60ppbと120ppbとの間については、比較的NOx濃度に高濃度のところは依存するだろう。それから少し遠くへ行ったところについてはNOx濃度というよりはNO2、ただしそれは発生してからの時間によって、ポテンシャルオゾンにしても問題があるのですが、要は沈着して少し消えていく部分において発生源に近いところとローカルな方へ行ったところでは多分違うものがあって、そういったところもNOxの組成とポテンシャルオゾンとOxを一緒に見ていくと何かわかってくるのかな、という気がします。

山本課長補佐資料1でも書かせていただいた通り、前駆物質の関連も含めて濃度を多角的に見ていくという風に事務局の方で考えておりますので、ご指摘いただきました通り、NOxとの反応ということを考えますと、地域ごとにということでございますが、地域においてもどの測定局が特に高いとか、そういう話も多分出てくると思います。方向性としてはそのような考えでモニタリングデータを見ていく作業をしていきたいと思います。

安藤委員先程、秋元座長がおっしゃった平成14年度のデータが気になるところではあるのですが、火山の爆発であるとか、大規模火災とかそういう災害的なもののトピックがあったのかといったところと兼ね合わせてみると何か見えてこないのでしょうか。

秋元座長それはシベリアの火災とかそういう話でしょうか。日本の中ではそういうものはないですよね。

安藤委員三宅島の爆発があったのはこのころではないでしょうか。

大原委員三宅島は2000年(平成12年)の夏ですね。

坂本委員多分、典型的な気圧配置の違いがそこに関わっているのではないかと思います。

秋元座長日射とか気温とか風速に反映されない何か気象条件というものがあるのかなという気がします。

指宿委員東京都がトラックの規制をしたのは何年ですか。

秋元委員平成15年ですね。だけどそういう効果というのは1年だけぱっと表われるものではないですよね。それを契機にずっと続くものであって。

指宿委員そのはじめ、すぐくらいにPM濃度が下がったのですよね。

秋元座長しかしその次からまた増えたのですか。そんなことはないですよね。単年度で下がっているのですから、そういうことではなく気象条件だと思うのですが。

大原委員先程、坂本委員から指摘があったことと同じようなお願いになるのですが、NOxとNMHCの解析を是非Oxと合わせてやっていただきたいと思います。20年前くらいに出した研究結果によりますと、NOxとNMHCの比率がその頃、経年的に大分変っていて、それに伴ってオゾンのその日のピークの発生地域がだんだん内陸へ移動する、つまり発生時刻も遅くなって内陸へ移動するといった解析結果が得られています。最近のNMHCとNOxの比率の変化はそれほど大きくないので、明確に出るかどうかは分かりませんが、何らかの兆候が関東地域一円に出ている可能性もありますので、そういった側面から掘り下げた解析をしていただきたいと思います。

竹内委員ここでのデータは頻度の関係で出ていて、私も頻度との関係を見ていなかったのですが、濃度で見ると平成14年度や15年度のようにきれいに出てこなかったので意識していなかったのですが、座長がおっしゃるように見てみたいと思っています。これで見ると確かに高濃度が減っているという感じで、対策の効果が出ていると感覚的に言えるのであればそれは良いことであると思うのですが、このことから資料1のところで一貫して最近濃度が減っているという表現だと思いますが、濃度の平均を見るとやはり上がっているというのがあるので、戻って恐縮ですが、一貫して下がっているという形の表現はまずいのではないかという気がします。

秋元座長私も少し気になりました。あまりそういう先入観を強く整理されてもちょっとまずいかなと思います。
私の方から一つ、資料3の4ページの図-2.2の説明でYamaji et al.という論文が引用されていますが、誤解を招くといけないのですが、「夏季には日本付近では太平洋からの南風が強くオゾン濃度が非常に低い気団の影響を受けることにより、アジア大陸からの影響が小さくなることがシミュレーションモデルにより示されている」と示されていますが、相対的にそういう風に言ってしまうとそうなのかもしれませんが、大陸からの越境輸送の影響というのは2つ分けて考えなければいけないのは、頻度の問題と絶対濃度の問題と2つ別個になります。大陸から来るものはそのときの気象条件により、来る日、来ない日というものがはっきり分かれていまして、来ない日はほとんどゼロ、来る日は20~30ppbやってくるという、日によっての違いが非常に大きくて、越境輸送の影響が大きい、小さいという時に、そういうものが来る頻度が大きいという場合と頻度が少ないけど絶対量が大きいという場合を分けて考えなければならなくて、確かに夏は春に比べると頻度は少ないと思うのですが、決してないことはないです。その証拠として夏の時期でもだんだん高濃度日が増えてきたということが過去10年くらいのデータからあって、それは越境の分の下の方の値が増えてきたということがあって、それはそういう夏であっても来るときは結構来ている。ただそのことと絶対量として中国から来る発生量と日本での発生量の比率を見た場合に、夏の方が日本自身の発生量の寄与が大きいですね。だからそういう意味で相対量はそうなのですが、絶対量は来るときはむしろ夏の方が高いのではといえます。というのも中国の中でのオゾンが夏は非常に高くなりますので、来るときは春よりも高いものが来るときがあります。だからそういうケースバイケースをちゃんと見ながら解析しないと、一概にやってはいけないといえます。ただ日本の対策効果を見るという意味では先ほど申し上げたように、夏は自分のところから出ているOxの生成量が多いので、その削減効果が夏に表れやすいというのはその通りなので、そこに注目して対策の効果を見ていくということは結構ではないかと思います。この書き方が気になったもので。

大原委員今の点に関係するのですが、例えば同じような解析を八方尾根のデータを使ってやられてはどうでしょうか。同じ関東の抽出された気象条件のときの八方尾根のデータを使ってバックグラウンドの状態がどのように変化しているかということをチェックしておくと越境汚染との切り分けということで少しは参考になるかもしれません。

秋元座長そういう目で見てみるといろいろ面白いこともあって、先ほどの9ページの図ですが、例えば群馬・栃木などや他もそうなのですが、平成12年度から14年度までずっと増えているのですね。これは何なのかという。このときの日本自身のエミッションが減っていなかったのかもしれませんが少なくとも増えている状況ではなかったと思うので、越境してもこんなに急速に増えたのかなということもありまして。何か捉えきれていない要素が加味されているのかなという気がしないでもないですね。

岩崎委員気温との影響が非常に大きいのではという面を考えると、データ的にはないのですが、平成22年度、23年度というのは非常に面白く、平成22年度というのは非常に猛暑で、注意報の発令回数は各県発表されておりますので、それを見るとかなり増えています。平成23年度は結構暑かったのですが、逆にかなり落ちているというところもあって1時間値のデータはないのですが、注意報の発令回数は各県全部発表しておりますので、その辺も注意報の発令回数を見るだけであれば、その部分も検討に入れると面白いかと思います。

秋元座長以前、東京都の解析の際にも、日射量と気温と平均風速のどれが効くのかという解析を行いましたが、多変量解析を行うと日射量が一番効いて、2番目が風速で、3番目が気温となりました。気温というのは確かに効くのですが、25℃以上になると、25℃でも30℃でもあまり違いがない。それ以下になるとがたっと減るということです。ただいずれにしてもこの3つのファクターが完全に独立変数ではないですよね。ある天気のいい日は気温も上がれば風もどうなる、日射も強くなるということがあるので、完全に独立ではないのでちょっと解釈が難しいのですが、単純に多変量解析を行うと日射が効いて、風速が2番目、気温が3番目という結果になりました。ちょっと頭に入れていただけると、と思います。

指宿委員この資料で議論をするにはちょうど良いサイズだったのですが、こういうことだから関東地域を選ぶという言い方をしていますが、同じような作業を関西とか先ほど少し東海の話がでましたが、そういう風なバックデータを作るのかどうかということを教えてください。

秋元座長是非、やられてみると面白いと思いますね。

山本課長補佐データ解析につきましてはいろいろご意見ご指摘を伺いまして、まず事務局の考え方としまして、今年度できる作業はどんどんやっていきたい、時間と労力の許す限りやっていきたいと考えております。そしてお見せできる状況になったものは適宜、例えば次回の検討会でお見せするなどやっていきたいと思います。今、指宿委員がおっしゃいました同じような解析を近畿や他の地域でも当然やっていきたいと考えております。

坂本委員今のようなデータ解析をして我々がそのデータを見る場合、どれだけのサンプル数があるかということを同時に考えてみないと、同じような変化が得られても群馬とか栃木では精度というかサンプル数が違いますので、その辺も考慮すると最後は関東になるのかなという気もしないでもないですが。その辺も考えていく必要があるかと思います。

秋元座長それでは長時間ありがとうございました。これで本日の議事についてはこれで終わりにしたいと思いますが、今後の進め方に関して何か、全体的なご意見やご質問がございますか。

大原委員先程、資料1の議論のところで言いそびれてしまったので、ここで発言させていただきたいと思います。この資料1の下から3行目の[1]これまでのインベントリの実績値の更新ですが、具体的な作業内容、手法としてシミュレーションに活用できるように云々と記載されていますが、片やその3では対策の評価手法と書いてあります。インベントリの目的として当然シミュレーションに使うということもあるのですが、同時に対策効果を把握する、あるいはこれから何か対策をしようとする場合に削減できるのかという検討を行うあるいはその可能性を検討するという要素、役割もあると思います。そうしますと少なくとも書き方としてはシミュレーションあるいは対策に活用できるようなというようなセンスでインベントリを作るということが大事だと思いますし、具体的にVOCの排出規制を一層強化するのかはわかりませんが、何かやろうとした場合にどのプロセス、どの施設からどれくらい出ているかというテクノロジーベースといったら良いのでしょうか、詳細なインベントリを作る必要があるかもしれません。対策の効果を把握できるような形のインベントリというような面も大事だと思いますので、その点を忘れるようなことがないようにどこかにきちんと書いていただいた方がよろしいのではないかと思います。

山本課長補佐大原委員のご指摘につきましては、インベントリの位置づけなどの面からは理論的には理解しているものであります。これまでの対策の効果を正確に見るためのインベントリと今後の対策というのはある意味表裏一体のようなものがありまして、ちょっと書き方は検討させていただきますので、後々見ても読めるような形で残したいと思います。

秋元座長全体よろしければ、今日の議事録、議事要旨は委員の皆様にご確認いただいたうえで公開するということです。

山本課長補佐本日、資料1を中心にとりまとめの構成のたたき台を示しましたところ、いろいろご指摘を頂きまして、これにつきましてはかなり修正をしなければいけません。修正した内容でこの検討会の委員の皆様のおおよその合意が得られないと効率的な作業が今後できませんので、本日の議事要旨に基づきまして資料1につきましては修正後の部分は各委員の先生方に見ていただくようなステップを踏んだ上で、事務局個別のデータ整理であるとか、本日いろいろいただいた宿題の作業を進めるという形にいたします。また進める中におきましては、各分野ごとでご専門の先生、委員がお揃いですので、各分野ごとに適宜、私どもの専門知識に不十分なところがありますので、ご指導・アドバイスを頂きながら個別の作業を今年度残りの期間に方法論の樹立に向けて作業をしてまいりたいという形で事務局は考えておりますので何かご指摘・ご意見がありましたらよろしくお願いいたします。

秋元座長本日はこれで議事を終了ということにいたしますので、事務局から何かご連絡がありましたらどうぞ。

芳川係長ありがとうございます。次回の検討会の日程についてでございますけれど、現在、日程調整中でございますので、決まりましたら改めてご連絡させていただきたいと思います。なお、傍聴者等のみなさまにおかれましては10日ほど前にホームページ等でお知らせさせていただきますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上でございます。これで第4回光化学オキシダント調査検討会を閉会させていただきます。委員の先生方・関係差の皆様、お忙しいところご出席いただきましてありがとうございました。

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