環境省水・土壌・地盤環境の保全水環境関係今後の水環境保全に関する検討会

今後の水環境保全に関する検討会(第11回)議事録


1 日時:
平成23年2月25日(15:00〜17:00)
2 場所:
銀座日航ホテルスカイルーム
3 出席委員:
須藤隆一委員、浅野直人委員、猪狩良彦委員、及川勝委員、大木貞幸委員、
太田信介委員、岡田光正委員、奥村彰委員、笠松正広委員、木幡邦男委員、
田中宏明委員、中杉修身委員、細見正明委員、眞柄泰基委員、
森田昌敏委員
環境省: 
鷲坂水大気局長、関水担当審議官、石飛総務課長、吉田水環境課長
室石閉鎖性海域室長、柴垣土壌環境課長、宇仁菅地下水・地盤環境室長、
西嶋農薬環境管理室長、富坂課長補佐 ほか
4 議事録

【富坂課長補佐】それでは定刻より早いですが、「今後の水環境保全に関する検討会」第11回を開催させていただきます。本日は14名の委員にご出席いただいております。議事に先立ちまして、水・大気環境局長の鷺坂より挨拶を申し上げます。

【鷲坂水大気局長】水・大気環境局長の鷺坂です。本日はお忙しい中委員の皆様にはご出席いただきありがとうございます。また、委員の皆様には日ごろから水環境行政につきまして様々な観点からご指導・ご鞭撻を賜っておりますことを、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。この「今後の水環境保全に関する検討会」でございますが、21世紀は水の世紀と言われておりますけれども、地域の環境汚染問題から地球的規模に関わる問題、水問題については非常に幅広い観点があるということで、一昨年の9月から本検討会は開催されているわけですけれども、11回にわたる検討ということで、委員の皆様にはいろいろな観点からのご意見を承りまして、お礼を申し上げます。この検討会で出されたいろいろな問題点につきましては、法的整備をする必要があるものについては昨年の通常国会では事業者の不適正事案への対応、あるいは水質事故への対応、大気汚染防止法も一緒に、水質汚濁防止法の改正をさせていただいているところでございますし、その後も地下水汚染の未然防止の部分につきましても、現在水質汚濁防止法の改正の準備をしておりまして、今通常国会に法案として出していきたいと考えているところでございます。この検討会での様々なご意見を踏まえて、できるところは具体化すべく我々としても努力しているところでございます。様々な経緯の中で、いろいろな観点が出されておるところでございますが、この検討会につきましてもできれば今日おまとめいただきまして、さらに次につなげて行きたいなと思っております。そういった観点からも、われわれとしては検討会の報告を踏まえ、環境行政に反映させていきたいと考えております。本日の審議におかれましても、様々な広い観点から、あるいは将来を見据えた観点からご意見・ご助言をいただければと思いますので、よろしくお願いします。

【富坂課長補佐】それでは配付資料の確認をさせていただきます。お手元に配布資料一覧を配布させて頂いております。資料1委員名簿、資料2開催要領、それから資料3−1としまして、前回の議事録案でございます。資料3−2は第10回検討会における意見と対応の案でございます。資料4−1「今後の水環境保全の在り方について」という取りまとめの案でございます。資料4−2はその参考資料でございます。資料5は今後の取組の進め方についてでございます。不足等ございましたらお申し出下さい。それでは須藤先生、進行をよろしくお願いいたします。

【須藤座長】委員の皆様には大変お忙しい中をご出席いただきましてありがとうございます。また本日もたくさんの方に傍聴にお越しいただいていることにお礼申し上げます。先ほど局長もおっしゃいましたように11回目ということでございまして、当初は11回目をやる予定ではなかったわけでございますが、いろいろ議論が白熱した中で話題も多くなり、最終的には11回ということになりまして、本日、最終とりまとめに向けて皆様方の活発な意見を頂きたいと思います。それでは議事に入ります。10回の検討会の時に各先生方からいろいろとご指摘を頂きまして、その対応について議論すると共に、今後の水環境保全の在り方について最終取りまとめ、また今後の取組の進め方についてご議論いただきたいと思います。それでは事務局から第10回の検討会における意見の対応について、お願いします。

【富坂課長補佐】資料3−1につきましては前回の議事録の案でございます。皆様方にはお目通し頂いていると思いますので、資料3−2、「第10回検討会における意見と対応の案」こちらのほうで説明させて頂きたいと思います。この資料に関しては、前半は前回の検討会において出された意見とその対応についてということでございまして、後半につきましては検討会終了後に先生方から意見を頂くということになっておりまして、そちらで頂いた意見と対応しております。
基本的に最終取りまとめの中で対応させて頂いていると考えておりますので、その中で特に構成ですとか質問事項とかについて説明します。まず1ページ目ですが、これからの取組についての4つの観点の4番目でございます。前回4つの視点を出させて頂きましたけれども、その位置づけを明確にするべきだというご指摘でした。こちらにつきまして、個々の取組を進めるに当たって念頭においておくべき観点ということで位置づけました。全体の構成としては第2章になっています。1ページの一番下ですが、「生活に溶け込んだ水環境の創出」については、「地域に密着した水環境の創出」という方が良いのではないかという意見でした。また全体的に「水環境の保全・再生」という用語で統一しました。
続きまして2ページ、5番目の意見でございます。生物多様性と地域は裏腹の関係にあるので一つにまとめた方が分かりやすいのではないか。前回の議論の中でもありましたが、生物多様性の観点は新たな観点であり、地域の観点から別の観点として整理をしました。その二つ下、国と地方の環境研究所の役割分担について検討していただきたいというご意見ですが、こちらは今後取組を進めていく中で検討してまいりたいと考えています。一番下の意見ですが、水環境の創出とされているが、その中に保全・回復・強化といった意味合いが含まれているという意識が大切ではないかというご意見でしたが、こちらにつきましては先ほど申しましたとおり、水環境の保全・再生ということを表現しております。
3ページ、2番目の意見でございます。地域の自然へのキーワードは合意形成であるが、環境行政の合意形成には時間がかかるということを示しておくべきではないかというご意見でございましたが、こちらにつきまして、環境用水の導入事例集というようなものを環境省で過去に手がけております。このような形の事例を紹介しようと思っております。3ページ(2)グローバルな観点ということで、わが国の経済発展の一助ということは水環境保全と合わないのではないか、あるいはわが国の及ぼすリスク軽減をしていかなければならないので、こういった経済発展ということは書かないほうがいいのではないかというご指摘でしたが、今後の取組ということで水ビジネスの海外展開ということがありまして、海外諸国の水処理改革を具体的に進めていく中で経済的な面も必要になるのではないかということで、そうさせていただいております。
続きまして4ページをご覧下さい。4ページ一番下のご意見でございます。水環境保全のための今後の取組ということで、「早急に解決すべき課題」ということにしていましたが、そうすると将来の課題が無いように見えてしまうので、整理の仕方を工夫して欲しいというご意見でした。こちらにつきましては「速やかに解決されるべき課題」というかたちで整理をさせていただいております。
続きまして5ページからは検討会終了後に委員の皆様からいただいたご意見でございます。全般的に用語の整理というところも多いですが、まず一点目、タイトルについて「水環境保全」の用語が気になる。「保全」だけでなく、前向きな議論もされたので、「創生・向上」といった文言があっても良いのではないか、というご意見でございます。水環境保全はこれまで保全・再生というかたちで進めてきましたが、その先の創造・創出といったものについては、なかなか良い方向性というのが出てきませんでしたので、この点についてはご議論いただければと思っております。それから前回の四つ目の意見でございます。望ましい水環境像と水環境保全の目標については、一連の流れとして捉えた方が分かりやすいのではないかというご意見でございました。こちらにつきましては、2章まとめて「望ましい水環境像」というかたちで整理させて頂きたいと思います。
これまでの取組でございますが、第一次環境基本計画において水環境を総合的に捉える前に水辺地とか水生生物といった項目を追加するということが、環境基本計画の新記述として打ち出されているというご指摘でございました。こちらにつきましては、環境基本法以前は水質のみについて環境行政が行われておりまして、環境基本計画の4つのキーワードである水質・水量・水生生物・水辺地というかたちで記述させて頂いているという認識でございます。
4つの観点の中の二つ目でございますけれども、連携の観点は地域住民との連携に関する観点とするほうが適切ではないか、というご意見でございましたが、地域住民以外にも自治体とか事業者とか様々な主体との連携が想定されますので、連携の観点とさせていただいております。
続きまして6ページでございます。下から二つ目のご意見でございます。地域ごとに望ましい水環境像とはどのような地域差が想定されているのか、いまいち想像できないというご意見でございます。今回、地域ごとの望ましい水環境像ということで、まず前提としては環境基本計画、あるいはこれまでの水環境ビジョンなどで示されている地域が下敷きにありまして、それに加えて湖沼、閉鎖性海域、事業場対策、それぞれの課題ごとに地域といったものが設定されるものではないかと考えております。合意形成につきまして、その下の意見でございます。主体となる関係者の範囲・手順等が不明確である、というご意見でございましたが、地域住民、関係団体、地方自治体などが主体として含まれると考えておりますけど、合意形成の手順につきましては今後取組を進めていく中で考えてまいりたいと考えております。
7ページ上から5番目の意見でございます。閉鎖性海域の水質改善ということで、連携の視点について、役割分担のイメージができないのではないか、というご意見でございましたが、こちらについても今後の取組の中で検討してまいりたいと思います。7番、病原生物とはどのようなものを指すのか、というご質問ですが、細菌・ウィルス等で、ヒトに対する感染症等を生むものということで、環境省としましても細菌というものを中心に考えておりましたが、ウィルスですとか原虫ですとかいったものが病原生物に入るのではないかと考えております。
8ページ、一番最後でございます。「おわりに」ということで、各地域・分野での取り組みに当たって4つの観点が一種のチェックリストとして活用されることが望ましいのではないかというご指摘でございました。この点についてはご利用いただければと考えております。説明は以上です。

【須藤座長】どうも簡潔にご説明頂きましてありがとうございました。検討会の終了後もたくさんのご意見を頂きまして、委員の皆様にお礼を申し上げたいと思います。それでは、前回の10回の時の意見と、それから終了後個別に頂いた意見をまとめてご説明いただきましたので、どこからでも結構でございます。ご意見・ご質問があればどうぞ。

【浅野委員】後から出たご意見の中で、タイトルの水環境保全の用語が気になるという点です。もう少し前向きな議論があったから、文言をなんとかせよ、というご意見がありますが、これはご勘弁ください、という気がします。つまり環境基本法は、環境保全という言葉の中にあらゆる意味を込めています。ですから「保全」という言葉を飛び越えてしまうのはちょっと、という気がします。ただし、かつて、松尾先生を座長とする「水環境ビジョン」懇談会の報告書はかなり派手なサブタイトルをつけました。あれは良かったですね。今回も場合によってはサブタイトルをつけることはありかなとは思われます。そのサブタイトルの候補としては、報告書の「おわりに」というところの最後にちゃんと候補の言葉は出ていまして、「より良い水環境を創生させていくこと」と書いてありますから、「より良い水環境の創生を目指して」とかいうのをサブタイトルにつければと思います。

【須藤座長】単に水環境保全というだけよりはよいということですね。

【浅野委員】という印象を持ちました。ご意見として申し上げておきます。あとは、チェックリストとして活用されると望ましいというご指摘は、ご意見として承っておくことかなと思います。というのは、これをまた更にシステム化して議論をして、となるととても収拾がつきません。要するに「おわりに」のところでこの4つを常に意識しながらやらなくてはいけないと言われているところから、こういうご意見が出てきたのだと思います。これをご議論いただきたいと言っておられますけど、むしろ今後この報告を受けて政策を進めていってそれを展開していく時に、こういうことを常に意識するということでお願いしたいということが既に報告に入っていますから、それでよろしいかと思います。

【須藤座長】ありがとうございました。

【富坂課長補佐】今、浅野委員からご指摘がありました松尾委員会、平成7年に水環境ビジョン懇談会のサブタイトルでございますけれども、「失われた水と人との関係の回復と新たな展開を目指して」というサブタイトルでございます。

【太田委員】今、浅野委員にご指摘いただいた点は、私が意見を出しました。私どもの仕事の世界では「保全」と言うとやっぱり今のものを守るだけだという印象がどうしても強くなるものですから、改良的な、というか、将来の日本を目指したような表現にならないだろうかというのがその理由です。保全を英語で言うとconservationとなるんでしょうけど、それがrestoration再生となり、更にそれをcreation創生とかenhancement向上ということで更に良くしていくイメージが出せないかと考えた次第です。地域ごとにいろいろ考えられていることの中から、かなり先駆的なものが出てきて欲しいとの思いがあるものですから、そういうことを期待していますよというメッセージを含めてもいいのではないかと思いました。「保全」という言葉が一人歩きすると、せっかくこれだけ議論してきたことが矮小化されてしまわないかなという、そういう思いで門外漢かもしれませんが意見を出しました。
それから二つめのチェックリストについては、実は私も行政をずっとやってきた中で、仕事をするとき背中に何を背負うかということはなかなか変わらないんですね。今回議論してきた大きな意味というのは、これまでの環境行政の広さに対し、それを世界に広げていくということと、それからもっと地域に入っていくという、その範囲を広げるんだ、ということだと思います。行政の俯瞰する範囲がずっと広がるという意識をみなさんが共有されると、環境行政そのものが、日本国内だけでなくて、国際的にも役立っていくということが一つありますし、それから今回生物多様性という話が出てきている。これらが基調になった行政をこれからはそれぞれの立場でやっていく。それが常識です、というようにならないと、やっぱり先祖返りをしてしまうんじゃないかということを心配して、あえてこういうことを申し上げております。その中で、どういう仕組みのイメージを、つまりさっき言ったように地域に下ろしていくなら下ろしていく時にこれまであまり対象範囲として考えていなかったところまで、関係者として巻き込んでいくような仕掛けをいろいろ意識しますとか、そういうメッセージが必要じゃないかなという思いで申し上げたわけです。実現性をより高めていくために、少ない資源で、人の力をうまく活用しながら意欲を掻き立てていくことが大事だなという思いで申し上げました。

【須藤座長】今、趣旨と背景をご説明いただきました。特に何かをしなくちゃいけないというわけではないのですね。水環境保全の部分を最後にそこをどうするか、サブタイトルをどうするか、ということはあるんですが、岡田先生はいかがでしょうか。サブタイトルをつけたほうが良いですか。

【岡田委員】どういうサブタイトルにするかは、あとで議論するということで良いと思います。

【須藤座長】それでは他の委員の方はどうでしょうか。それでは前回までの部分についてはこの程度にしておきます。それでは水環境保全のための今後の取り組みについて、資料4−1、4−2、また今後の取組の進め方について、という資料5が用意されています。順番にご説明いただこうと思います。資料4−1、4−2について吉田課長お願いします。

【吉田水環境課長】水環境課長吉田でございます。資料4−1のご準備をお願いいたします。前回、それからそれ以後もたくさんご意見を頂きました。そういったご意見を踏まえ、修正をさせていただきました。一部、先ほどの議題とダブるところもありますが、主に修正した部分を中心に説明いたします。
まず目次を開けてください。ここで「1.これまでの取組」というものがあります。それを受け、2として「これからの取組にあたっての4つの観点」として4つの観点を前の方に持ってきました。「3.水環境の現状と課題」があり、「4.望ましい水環境像」。以前は4と5の間に「水環境の目標について」というものがありましたが、それを(3)で水環境のための目標ということで中に入れました。そして「5.水環境保全のための今後の取組」です。これは下の節のタイトルを変更しています。5−1が「速やかに解決されるべき課題」ということで、環境基準の継続的な検討から始まり、湖沼、閉鎖性海域、地下水、土壌、海洋環境、国際貢献、未規制の小規模事業場、生活排水対策、面源負荷という課題を挙げています。5−2として「新たな施策の枠組みをつくる取組」ということで、環境基準の今現在、そして底層DO、透明度、大腸菌等の環境基準の設定の課題、そして次のページの排水規制の在り方、気候変動への対応、水ビジネスの海外展開、ということを書いています。5−3として「これからの時代に向けた水環境行政の新たな展開」ということで、生物多様性の確保あるいは水圏生態系の確保、そして地域特性を的確に把握できる水環境指標、を書いています。最後に5−4として「水環境戦略を推進する基盤づくり」ということで、モニタリングから始まり、マネジメントサイクルの確立まで、いろいろなことがございます。ここでご意見を踏まえ、5−4の「(2)担い手の育成」のところは「人材育成」となっていたものを「担い手の育成」に、さらに「水環境マイスター」と括弧で入れております。というのが目次の変更点でございます。
次に1ページになりますが、「はじめに」の部分ですが、ここも大分変更しておりまして、2段落目の「一方」からの部分ですが、少子高齢化に伴う人口減少社会への突入ですとか、あるいはCOP10を踏まえた生物多様性の観点などを書いています。下の方ですが、前回タスクフォースについて触れていましたが、これについては前回のご意見を踏まえて省きました。そして中間とりまとめが行われ、先ほどの局長の挨拶でも触れられていましたが、不適正事案の件ですとか水質事故への対応、これは中間とりまとめを踏まえて水濁法の改正につながったという話。それから先ほど目次のところで触れるのを忘れましたが、前回まで不適正事案とか水質事故対応については「今後の取組」の中に入れていましたが、これらについては既に取組が完了したということで、そこは省きまして、そのことを「はじめに」のところで付け加えました。最後に国民の方々に趣旨をご理解いただいて主体的な取組が広がることを期待する、ということを加えています。さらに、脚注をつけまして、この後もずっとありますが、文章の中でわかりにくい言葉については説明をつけています。
次に2ページ、「これまでの取組」ですが、は前回までの意見を踏まえ、地下水汚染の話や海洋環境の話をここに付け加えました。
そして次に大きな2番として5ページです。「これからの取組にあたっての4つの観点」ということで、「地域の観点」「グローバルな観点」「生物多様性の観点」「連携の観点」というこの4つの観点を念頭において取組をする必要があるということで書かせていただいています。
続いて7ページ、「3.水環境の現状と課題」です。最初は(1)で主に水質の状況について書いていますが、次の9ページからは、主に(2)からですが、地域の観点から見た現状と課題、続いて10ページからはグローバルな観点から見た現状と課題、ということでそれぞれの課題を4つの観点から見た形で整理をし直しました。
続いて14ページ、「望ましい水環境像」ということで、これについてもご意見を踏まえ、「(1)水環境の構成要素に関して」を付け加えていまして、この中に環境基本計画の流れもあります。水質・水量・水辺地・水生生物について、それぞれについて望ましい、という観点からどういったものを考えていくかということで整理しています。15ページではそういう個々の構成要素を総合的に捉え、望ましい水環境像にしていくということで、循環の視点なども加えた形で、そういったものを付け加えました。
そして17ページが(3)ですが、「水環境保全・再生の目標について」ということで、先ほども触れましたが、水環境像の目標として章を空けずにここに入れ込んだということでして、地域ごとに連携しながら水環境の目標を策定していくことが望まれるということで整理をしております。下から4行目ですが、水環境健全性指標や、宍道湖で実施された水環境の評価手法、こういった数値化によらない方法なども参考にしながら進めていくということを書いています。
18ページが「5.水環境保全のための今後の取組」ということで、「5−1速やかに解決されるべき課題」ということで、ここは以前のものとそれほど大きくは変えていません。個々の意見を踏まえ、一部「てにをは」や項目を追加したり、ということはあります。
24ページですが、「(8)生活排水対策」ということで、これは「人と水とのふれあい」というのを前回まで項目にしていましたが、それに合わせて生活排水対策をここに入れ込みました。生活排水対策への取組の問題、さらには人と水とのふれあいを推進するといったような問題について書いています。24ページには誤植がありまして、「(7)未規制小規模事業場」のところに突然「図8」というのが入っています。これは前の23ページの下に入るべきものです。これは最終の段階できちんとします。
次に26ページ「5−2新たな施策の枠組みをつくる取組」ということで、「国民の実感に合った環境基準への見直し」という表現をしまして、底層DO、透明度、大腸菌という指標についての検討の必要性、「(2)排水規制の在り方」、この中ではWETの手法についての検討の必要性、それから気候変動への対応、これはいろいろ兆候が出てきていますので、そういったものについての対応策の検討、あるいは適応策についての検討・調整、それから「(4)水ビジネスの海外展開」これについてはご指摘を踏まえ、あまり経済性について触れないほうが良いということですが、2行目から3行目にあるように、わが国の技術あるいはこれまでの経験、そういったものを役立てようということで、そういったことの中で当然、当該国にとっても有意義ですし、わが国にとっても有意義だというふうに書いていて、それが下のほうにあるように、ビジネス機会の拡大につながっていくという形で整理しています。
29ページが「5−3これからの時代に向けた水環境行政の新たな展開」として、一つ目が「生物多様性の確保と水圏生態系の確保」ということで、生物多様性という点を含めて水環境というものを捉えるべきだとしています。指標自体も水質に加えていろいろな項目、「清らかさ」や「美しさ」ということも含めて水環境指標を考えていくべきだという整理をしています。次の「5−4」が30ページで、ここについてもそれほど大きくは変更していません。ご意見を踏まえて逐次追加させて頂いているところでございます。
34ページが「おわりに」で、先ほどから出ていますように、4つの観点の提案をしたということ、それから、それを常に意識しながら進めていくことが必要ということで、地球温暖化ですとか低炭素社会、少子高齢化社会、そういう近く到来するであろう将来に合わせた施策が、効果的に推進されることが望まれるということで整理しています。
この後ろに参考資料集という形で、必要なグラフですとか表ですとか、あるいは愛知ターゲットの概略ですとか、そういったものについて付け加えました。これ以外にも本文中でも触れられたものについても付け加えています。
それが資料4−1でして、4−2については、頭の方にはこれまでの仕組みとか4つの観点ということも整理していますが、途中からは今後の取組ということで、それぞれの項目ごとにより分かりやすく整理したものです。前回までのご意見等踏まえて修正を行っていますが、大きな構成は変わっていませんので、個々の説明については省略します。
資料5ですが、説明は富坂からいたしますが、資料4−1、4−2がこの検討会の成果で、それらを受けて、環境省として今後の取組についてこういうふうに進めていきたいと考えている内容が資料5の内容です。

【富坂課長補佐】では資料5として、「今後の取組の進め方について」ということでまとめたものです。課長からもございましたように、環境省としての今後の取組として整理しております。
1ページ、「水環境保全のための今後の取組」ということで、今回とりまとめとして挙がっております取組に沿って整理をしております。内容についてはこれまでにロードマップという形で示しているものと大きく変わってはいませんが、全体の今後の方向ということで整理しています。
まず「1 速やかに解決されるべき課題」のうち「リスクに関連する環境基準項目の継続的な検討」です。環境基準の見直しとか、基準設定の追加、類型指定の見直し等々を行うということにしています。
続いて「湖沼の水質改善」です。こちらについては現状の湖沼に関する「状況の整理」と、「水質保全目標の検討」として、湖沼での底層DO、透明度、TOCという指標の検討ですとか、利用・保全の目標といったものです。さらには「汚濁メカニズムの検討」ですとか、その上で「水質保全対策の検討」といったものを行っていくこととしています。
続いて5ページ、「閉鎖性海域の水質改善」ということで、水質総量削減について取りまとめてありますけども、こちらの着実な改善、保全・再生ということです。また「新たな水質目標の設定」ということで、閉鎖性海域の中長期ビジョンでの検討を踏まえ、今後の環境指標の設定に向けての目標、また「栄養塩類管理方策の検討」を進めていく。それらを踏まえ、閉鎖性海域対策、現在88海域ございますが、こちらのそれぞれの状況に応じた水環境改善対策の在り方の検討を進めていきます。また、モデル事業として「里海づくりの推進」を行っています。
4番目、「地下水・土壌汚染対策」ということで、実態調査を踏まえて効果的な未然防止対策ということで、水濁法の改正などを取りまとめているところです。また「自然由来の有害物質への対応」ということで、地下水から検出される事例への対応を明確化する、としています。
続いて7ページ、「海洋環境の保全」ということで、海洋環境室が昨年10月にできていますけれども、海洋環境保全行政を一元化して、海岸漂着物対策、海洋汚染の防止、海洋環境に係る国際条約への対応、それぞれについて進めていくということです。条約になっているものと、あるいはバラスト水条約ですとか、海洋肥沃化といったような新たな課題への対応というものも予定しています。
「水問題への国際貢献」ですが、国際協力事業の推進というものを、現在もWEPAの枠組みですとか、中国においての協力事業というものを行なっています。また国際的情報発信とか、国民意識の向上ということで、ツールについての検討を進めていきたいと考えています。
9ページ、「未規制小規模事業場対策」ということで、未規制の事業場においての排出実態、汚濁負荷削減、それから事業者の意識向上策の検討というものを予定しています。
10ページ、「生活排水対策(人と水のふれあいの推進)」です。環境教育資材の開発とか、水とふれあう人数と機会の増進、こちらについては水生生物調査や名水百選といったものも一つのツールとして使っていきます。また水環境保全活動への参加推進ということで「こどもホタレンジャー事業」なども含めて、方策の検討を行なってまいります。
9番目「面源負荷」への対策ですが、土地利用ごとの汚濁物質の検討とか、面源負荷対策というものを、モデル事業を含めて検討していきます。
12ページからは新たな施策の枠組みをつくるということで、「国民の実感にあった環境基準の見直し」ということで、新たな基準項目として底層DO、透明度、大腸菌、これらについては調査項目という形で実際に調査を行なった後、基準化の検討ということを進めていく予定です。その他の項目についても検討していきます。
続いて「排水規制の在り方」ということで、現状、知見の整理として先行的手法の検討とか、これらの導入に向けての検討ということを行っていきます。一方で、現行の排水規制の課題ということで、自然湧出の温泉を利用している事業所においての処理技術とか、制度の見直しといったものも今後検討してまいります。また今後の排水規制・排水管理方策ということで、環境基準の達成状況を整理したうえで、必要に応じ規制のあり方の検討を行う。排水基準の設定方法といったものについての検討もございます。
「気候変動への対応」ですが、適応策の検討に係る現在の知見の集積や適応策の検討なども順次行なっていく予定です。アジア諸国の水環境への影響分析ということで、WEPAを通じた情報収集、支援などを予定しています。
続いて「水ビジネスの海外展開」です。水環境改善モデル事業という形で環境省としても相手国との政府間合意に基づいて技術の実証を行なっていく予定です。「し尿処理システムの国際普及推進」では、環境省が相手国とも連携して進めていくということです。
続いて「3 これからの時代に向けた水環境行政の展開」ということで、「生物多様性の確保と水圏生態系の保全」では、生物生息域の確保手段の検討ということで、現状の評価と対策の可能性についての検討ですとか、「水生生物に関する生物多様性の確保」。現在でもアセス制度等ございますので、どのような方向性が良いかという検討、また環境基準については以下の通りです。
「地域特性を的確に把握できる水環境指標」ということで、環境指標としては水環境健全指標を検討しているところです。また他の省庁でもこういった指標とか指標に使える調査といったものを行なっておりますので、こういった活用事例の収集などを行っていきたいと考えています。
「4 水環境戦略を推進する基盤づくり」、水環境のモニタリングとデータについては「水問題に関する関係省庁連絡会」がございます。既にご報告していますが、こういったネットワークの中で政府が持っている水の情報を一元化していきたいと考えています。
それから「担い手の育成」です。今後の育成手法の選定とか、事業者や自治体との研究成果の共有なども、まだこれから考えていかないといけないものですが、方針として出しています。
それから「技術開発・技術活用普及」です。既存技術の検証とか新技術の開発といったものがございます。
次に「環境教育・普及啓発」です。生活排水対策とか、健全性指標といった形で既にいろいろ取り組んでいますが、こういったものを環境教育・啓発という形でうまく使っていく手法を考えていきます。普及・啓発戦略として、環境省全体として、今後の環境教育、普及・啓発のあり方を考え、水に限らず環境教育全体で取り組んでいきたいと考えています。
「総合的な環境管理の検討」ということで、こちらについてはまた手法の部分を整理・研究することから始めて、導入可能性の検討ということを考えていきたいと考えています。
最後ですが、「施策のマネジメントサイクルの確立」ということで、PDCAの管理体制の仕組みの検討、実施といったようなものを今後検討して行きたいと考えております。以上です。

【須藤座長】どうもご説明ありがとうございます。それでは先ほどの吉田課長の4−1、4−2は我々としての報告書ですね、それから環境省がこれを踏まえての資料5ということでした。本日は先ほども申し上げておりますように最後ですので、どうぞ遠慮なくご意見をお願いいたします。

【浅野委員】よろしいでしょうか。細かいことなので先に発言させていただきます。2箇所ありまして、図9が無いのです。いきなり図10が出てきて、図9が無い。それからもうひとつ、5−4の見出しだけが唐突に水環境戦略になっているのですね。ところが後ではひとつも「水環境戦略」は出てこない。ずっと読んだら一箇所だけ、海外に出て行くための人材の育成のところだけが「戦略的に育成する」と書いてあって、水環境戦略なるものがこの中に何もないわけです。かつて第二次環境計画では「戦略的プログラム」と言ったので、それは戦略なんですけれども、今回はそういう形では触れていませんので、これは、もし全体を戦略といいたいのであればどこかにそういうことを書かないといけないし、そうでなければわざわざここで水環境戦略と言わなくてもいいかもしれない。唐突な感じがしてしまう。これは前回の説明の時に気がつかなかったのでもうしわけないことですが。

【吉田水環境課長】図の番号については消えている可能性があります。確認をした後で、図の番号についてはすぐ修正をさせていただきたいと思います。それから5−4のことですが、よろしければこれは水環境保全を推進するということで修正をしたいと思います。

【須藤座長】では順番に、森田委員から。

【森田委員】いろいろな視点からよくまとまっていて、大変いいだろうと思います。問題はfeasibility、要するにいいことはあるんだけれども、どういうスピードでこれが実現するのか、その辺が弱いかなという感じはしました。良いことだと思うのは、政策を決定する上での目標になるんですが、その目標にどういうスピードでどういう風に到達するかというのが不明です。「非常に早くやりますから」とだけ書いてくれればいいんですが。

【真柄委員】34ページの一番最後からその上の「また」からの段落です。議論を『始める』段階という部分です。私は要するに環境の問題というのはマネタリーリフォームをしなきゃならない、というのをしなきゃいけない瀬戸際に来ているという認識を持っていまして、その瀬戸際に来ているという認識からすれば、水質二法から今日までおよそ50年たっています。議論を始めるというのは50年先のことを考えて議論を始めましょうというのならそれでいいかもしれないけども、10年、15年くらいのタームで考えるなら、議論を始めるなんて話はもう遅すぎる。現に、環境行政は、例えば下水道で言えば、33兆の債務があって、下水道料金のコストの半分は一般会計から繰り上げしていて、料金の75%は社会保障費が入っていて、それで今日本の水環境を支えている下水道は、これからどうやって再構築・更新していくかというのは、まさに喫緊の課題のわけです。水に関わるほかの社会インフラが危機的状況にあるときに、その原因もまさに人口減少や少子高齢化社会が、それを厳しくしているわけで、そういう状況にあって環境のほうがこれから議論を始める、っていうのはちょっと…。もうちょっと前向きにやっていかないと前の方に書いてある、水に関わる関係も、政府として進めるということもありますので、できればスピードアップするようにお考え頂きたい。

【須藤座長】ありがとうございます。それでは細見委員どうぞ。

【細見委員】色々な観点を踏まえて整理していただいて、基本的にはこれで充分だと思いますが、実際これを踏まえて環境省の方で、資料5の方でおやりになるというときに、少し失礼なことを申し上げると、分量が多いところと少ないところがちょっと。「担い手」のところとか、「技術開発・技術活用普及」、このへんのところは将来持続可能性ということを考えても、もうちょっと拡充するというか、単に地環研の人たちを活用するということだけではなくて、グローバルな視点も必要になるのではないかと思うんです。特にアジアの水環境ビジネスといったところで。そういうような担い手を育てていくということはもう少しここに追加して欲しい。それから「技術開発…」のところでは、今回、生物多様性という観点が入っていますので、サブテーマを考えるという時に、水環境というのは大気とかと比べると命を育むというような特徴を持っているのではないかと思いますので、「技術開発…」のところで生物多様性をふまえたような、もっと分かりやすい指標だとか、それを確保するための技術を検討するとかっていうのがここに入ってもいいのかなという気がします。

【中杉委員】直すような意見はありませんが、資料4−1で、今後のところで、水環境の今後の取組で私が申し上げたことも反映されていて、速やかにやるべき問題と今後の問題とが整理されているんですが、私が思うのは、それぞれの項目の中で速やかにやるべき問題と今後の問題があるんだろうと、そういうつもりで申し上げたんですが、これを直して頂いて、これで結構なわけです。
一つだけ、資料5の方で、検討して頂きたいところがあります。16ページのところで、生物多様性の確保ということで、生物保全の環境基準の策定ということが入っています。おそらく水生生物保全の今の環境基準と生物多様性の確保というものは合わない、同じではない。生物多様性の確保という観点からの水生生物の保全の環境基準というのは、その考え方を整理しないといけないだろう。これはなぜかと言うと、今の水生生物の保全の環境基準というのは人間に関わるものです。希少生物というのは生物多様性を確保することで非常に重要なんですけれども、一律にやろうとすると、ものすごく厳しくなってしまって、場合によってはどうにもならないことがある。そこらへんをもう少し、どうするのかということを検討して頂く必要があるだろうと思います。

【田中委員】だいぶうまくまとめていただいて、いろんな意見を入れていただいて非常に感謝しております。この本編の資料と、資料4−2とか資料5との間の関係がちょっと整理しきれてない。片一方には書いてあるのにもう片一方には書いてない、ということがいくつかあります。例えば、本編の方の、4−1の衛生微生物の関係については、26ページの左下の方に入れていただいていますが、以前はインディケーターの問題だけですという文言だったものが水利用、特にレクリエーション利用での水系感染症、というものがあったんですが、そのリスク管理を適切に行なうためにこれから基準そのものについての考え方をまとめる必要があると、これは非常にいい部分に書いている。ところがそれを反映している後ろの方の資料が、4−2の18ページとか、さらっと書かれていて、あまり関係が良く分からない。それから26ページの水系感染症の定義なんですけれども、その中の「直接摂取することを原因とする」、確かにそれが一番なんですが、例えば一旦体についた後で口に持っていくとか、あるいはこれは微妙な問題なんですが、一般的な言葉として、微生物を蓄積するような魚介の問題。ここの表現をちょっと気をつけていただきたいというのが一点です。
それからもう一つが本編の方の29ページ、あるいは28ページくらいの水ビジネス海外展開からの話なんですが、特に29ページは、確かにこれは書かれているのは処理技術、特に従来型の技術の問題があるんですが、モニタリング技術とか、工場排水の直接的な対応技術、ここの話しがこちらのほうには入っているんですが、本編の方に入ってないんです。モニターの展開の問題とか、それから直接的な前処理技術、そういうものを書いたほうがいいんじゃないかという気がします。
それから、地域の環境を、水環境指標としてこれから考えていくのは非常に良いということが言われている。その中で実は、琵琶湖の水辺利用、これが10年間で劇的に減っていまして、10年間で3分の1くらいの利用者に減っているんです。和歌山県とか福井県なんかと性格が全然違っていて、和歌山県はむしろ増えている。福井県は若干1割くらい減っているんです。どういうことかというと、地域の産業に水辺の中の競争性、これが従来のインディケーターで充分計れていない、ということが出始めている。そういう問題が実はいろんな湖の改善の問題とか、あるいは閉鎖性水域の改善の問題とか、と書かれているんだけれども、そことこういう地域の活性化の問題とをつなぐような、本編の方では書けませんけども、絵の中でいろいろ関係しているということを少し取り上げていただいたほうがいいのかなという気がしています。

【木幡委員】今までの先生方のご意見とほぼ同じで、大変よくまとまっていて私の意見もうまく取り入れられていると思うんですが、やはり同じように資料4と5で違うところがあるなと。私の申し上げた部分を取り上げさせていただくと、一つは本編の方の22ページで海洋環境について、この本文の中ではGMAやPICESのような国連の機関あるいは多国間の協定ごとというようなことが入っているんですけれども、資料5のほうではそういった記述が見られなくて、条約に関わるところが少し足りないかなと。国連に関わるところについて何らかの取組を入れていただけるといいかなと。
もう一つは本編で言うと26ページになります。新たな環境基準というところで、(1)の三つ目の段落の最後です。「達成方法についても別途検討していくことが必要である」という記述があります。これは結構重要なところだと思うんですが、今までの環境基準と排水基準というのはそれなりに対応がつくような形になっていますが、今回検討していること、例えば底層DO、これはどういうふうに達成していくかという部分は簡単ではない。それをどういうふうな形で具体的に進めるかというのは、やはり資料5の部分でもそれなりに書いておく必要があるのかなというふうに思います。具体的にどう書くかが私にも分かりませんが、例えば排水基準の在り方に即して書いて頂きたいなと思います。
それから、これもやはりどこに該当するかわからないんですが、担い手の育成なのか、それともさっき言っていた国際的なものなのか分からない。海外ビジネスを展開する時に日本から技術を移転するということも大事なんですが、もう一つ大事なのはキャパビルをきちんとするということだと思います。実際に、先ほど申し上げたような国連の機関で議論されることも、半分以上の時間をキャパビルにかけるので、これはどういうふうに対応するのかちょっと分かりませんけども、そういった観点を書いていただきたいという希望です。
それからもうひとつだけ希望を言うと、資料5の6ページ、「自然由来の有害物質への対応の明確化」で、これの施行は何年先になるか分かりませんけれども、もう少し前倒しして何らかの検討がしていただけないかなという希望です。

【笠松委員】メモでも送らせていただきましたけれども、書かせていただきました。13ページを見ますと、生物多様性のところで、「水環境をより良いものとしていく上で、生物多様性の観点は極めて重要な要素」であると。これはその通りなんですが、それだけでいいのかなと思いました。要は生物多様性を守るための環境にしていくというのなら水をきれいにしていく、昔のようないろいろな生態系を考えていくということになるんですけれども、今現在水域の中にあっては栽培漁業ですとか養殖漁業をやっている状態で、その人たちにとっての望ましい環境というのはちょっと違うので、そういう地域の観点から見た生物生産性ということについても併せて考える必要があります。水産関係の、というと語弊がありますが、そういう一面も課題として書かれておくべきかなと思います。大きく変える必要は無いと思うんですが、そういうことも念頭においているということを入れたらいかがでしょうか。

【奥村委員】特にいうことは何もないんですけれども、これは英訳されることはあるのでしょうか。それがあるのであれば、一箇所気になるところがありまして、それは「担い手」のところなんですけど、「水環境マイスター」と書いてあります。目次にカタカナがあるのはちょっと、と思うんですが、このまま英語に訳したら、マイスターというのは歴史的には事務屋が技術屋を馬鹿にしたような言葉でもあるんです。もうちょっといい単語が無いかなという感じがしました。

【岡田委員】今までの委員の方々と同じ意見ですが、一つ気がついたことを申し上げます。資料5の10ページを見てみますと、生活排水のところで、名水百選と書いてあるんですね。名水百選を選定すると書いてあるんですが、ご存知の通り、かつては昭和の名水百選が40年かかって、平成の名水百選になった。資料4−1の資料は何年くらいのタームなのか、要するに最後にマネジメントサイクルの確立と書いてありますから、それなりの期間で見直すべきだと思うんです。少しずつ時代に合わせてヴァージョンアップすべきだと思うんですが、そういうところが書いてあるといえば書いてあるかもしれませんが、若干見えにくいかなと。もしこれが例えば10年タームだと、名水百選、それから海水浴場百選の選定ではなくて、そういうものを今後いろいろ検討していくということになると思うんです。資料の本文は名水百選を選定するということを書いていなくて、名水百選にあったような地域の住民と水のふれあいとか、そういうものを重視した環境像を考えていく、と書いてあるので、本文はいいと思うんです。資料5を見ると違和感を感じて、そういうことに今気がついた、ということです。

【吉田水環境課長】誤解と言えば誤解なのですが、資料5の位置付けは、先ほども少し申し上げましたが、資料4−1と4−2は委員会としての資料で、資料5は環境省が現時点でこう考えているということでございます。資料5についていろいろご意見を頂いて、大変ありがたいと思っておりまして、それを受けてこれからどうしていくか、我々として取り組んでいきたいということです。位置づけとして、この検討会の報告として資料4−1と4−2はできれば一緒に印刷することを考えておりますが、資料5については、今はそれは考えておりません。

【須藤座長】当方の報告としては、資料4−1と4−2ということです。

【岡田委員】では資料4のほうに戻りまして、ひとつだけ、きちんと議論しておいた方がいいかなと思うのが、最後の34ページで、新しいキャッチフレーズとして「より良い水環境を創生する」という言葉がありますが、創生するという言葉を使うかどうか。創生という言葉は今までは単なるイメージとしては使っていましたが、環境なり生態系を創生するとか、再生するとか、回復するとか復元するとか、それなりの定義があるような無いような、必ずしも一致しないところもあると思います。創生というと新しいものを作るということになって、本来ある自然とは違うものを人間が勝手に作るという悪いイメージが伴う場合もあると思います。これはどこかできちんとしておいた方がいいかもしれません。ここだけでさらっと使うのであればいいかもしれませんが、サブタイトルにするのであれば議論が必要かと思います。

【太田委員】資料4につきましては、意見を申し上げて入れていただいたので特にコメントはありません。ただ、わかりにくい言葉に関しては脚注を入れていただいたんですけれども、例えば3ページのCCSは英語だけ書いてあって訳がなかったり、19ページの溶存酸素に説明が無かったりして、せっかく他のところはとても分かりやすいのでそのへんもしっかり説明して頂けるとありがたいです。
それから、担い手の育成のところで、いきなり育成手法が来るんですが、まず潜在力、そういうものをどう活かしていくかということが一番大事です。これは環境省に限らず、各省にいるとか、市町村におられるとか、あるいはNPOにいるとか、たくさんの人を巻き込んでいろいろなことができると思います。そういう方と一緒に現地に入ることで、活動の質を高め、量を増やすということも考えられると思います。
最後のマネジメントサイクルのところで、これも巻き込む、という話ですが、例えば定点的に観測するために民間でモニターなどに関わっていただける方を指名するなど、人を巻き込んでいくということを考えていくといいと思います。

【大木委員】4つの観点でよく整理されていて、かつ強調すべきところが強調されていると思います。一点だけ表現の問題で、6ページの「(4)連携の観点」の中の2段落目で、「環境省は事業主体ではなく」というネガティブな表現をしているんですが、ここのところを、例えば「連携の中心として」とか、「連携のコーディネーターとして」とか、そういう言い方にすることもできるのではないかという気がします。

【及川委員】4つの視点の方は、読み返してみても非常に良くまとめていただいたなと、中小企業の今後の経営観点を見るような示唆を与えて頂いたような気がします。7・8ページのところで、7ページは色がついて観やすいのですが、8ページのグラフなど、色がついているものとついていないものがあって、ぜひ色をつけて頂きたいなと思います。色がつくとグラフは見やすくなりますから。
今日もかなり資料5の方に議論がいっていて、今後の取組に期待が高いということだと思います。当事者の一人として、今後どうするかということを考えなきゃいけないことですが、その時にご検討いただきたいのが、資料5の4ページ目などは、ぜひ「調査」の後はどうなる、ということを今後入れていただけると事業者側が見たときも、自分たちの事業領域あるいは経営方針を考える時にも参考になるかと思います。

【猪狩委員】私は先任者の引継ぎで今年から参加したのですが、そういう状況での発言としては、細かいところを除きまして中央環境研究所のあり方について、と、大腸菌のお話をしたんですけど、中央の環境研究所の役割分担につきましては資料3−2の2ページに書いてあるような形で今後取りまとめていく中で検討してまいりたいと思います。踏み込めないのはやむをえないかなと思います。
もう一つ、いわゆる大腸菌数の扱いですけれども、26ページの溶存酸素のところ、特に海域の底層のところの中で、最後に「環境基準項目とするよう検討すべきである」という表現を使っているのに対して、大腸菌のほうについては「大腸菌等に関する水質環境基準を検討する必要がある」と書いてあり、表現としてトーンダウンしているような感じもしますし、先ほどの4−2のほうの資料の中でも大腸菌の扱いについてどうするのか、ということは触れていないようですし、それから資料5の5ページ「里海作りの推進」のところの「新たな水質目標の設定」といったところでも触れていないです。12ページの衛生指標のところでも、衛生指標というだけしか触れていないということで、この点についてはどう取り扱うのかということをお聞きしたいなと思います。
それから細かいことなんですけど、資料4−1の1枚目ですが、「今年名古屋で開催されたCOP10」ということになっていますが、「そのような将来を」の後は「昨年」という表現になっており、その点も統一されたらいいのかなと思います。
それからまた細かいところで、3ページの「(2)環境基本計画…」のすぐ上の文章で「…事業とする取組が推進された」とありますが、「…事業となる仕組みが確立された」という表現の方がいいような気がしますが、それについてはお任せしたいと思います。
それから12ページなんですが、「(4)生物多様性の観点から見た現状と課題」の3行上の、「琵琶湖等の湖沼における全循環不全」「下層低酸素状態の進行」となっておりますけど、ここは「琵琶湖等の湖沼における下層低酸素状態の進行など、湖沼における全循環不全」といった方が素直なのかなと思います。
あとは先ほどご指摘がありましたが、24ページの脚注のウォーターフットプリントについては32ページにも同じ脚注がありますが違う形になっていて、これは直された方がいいのかなと思います。それから24ページの下から6行目になりますが、「下水道への接続や合併浄化槽」これは他のところで「合併処理浄化槽」という表現を使っておりますので、その点も修正したほうがいいかと思います。

【浅野委員】笠松委員が言われた「生物生産性」というのは一箇所ちゃんと出てはいるんだけれども、どうやって位置づけて強調するかという点はかなり慎重に扱わないと危ないですね。今、国家戦略2010を見たのですが、一箇所だけ出ていて、前の方では生物多様性のくだりではほとんど出てこない。海洋のところにちょっと出てくるだけです。ですから国家戦略ではそのことを前面に出して、ということにはなっていないし、もともと生物多様性が産業に資する概念であるという大前提にしていますので、そこだけ強調してしまうとやや矛盾をきたす可能性があります。だから私はさらっと前のほうに入っている5文字だけで、それ以上深入りしないほうが賢いのではないかと思いました。

【須藤座長】ありがとうございます。他に意見はございますか。今いろいろご意見を頂いたので、全体として、吉田水環境課長、ここはこうしますというのがあれば、大体私はいいと思っていますが、何か特にご発言があれば。

【吉田水環境課長】真柄委員からご指摘があった「おわりに」のところの、これから始める、という文言ですが、ここについては例えば「より良い仕組みを構築していくことについての検討を行っていくべき」という表現でよろしいでしょうか。

【浅野委員】もう検討すべき時期にきている、と直したらいかがでしょうか。

【吉田水環境課長】では、今の御意見の通りに修正をさせていただきます。

【浅野委員】ただ、サブタイトルの方は、私はここに「創生」という言葉があったので言ってみただけなんですが、むしろ中杉委員が言われたように「命」を強調した方がいいというお話もあったので、ここは賢明な須藤座長にお任せするということでどうでしょうか。

【須藤座長】色々表現がありますが意味が違いますからね。ですからそのままでどうでしょう。岡田先生はどうでしょう。

【岡田委員】ただ、サブタイトルにしないのであれば、ただキャッチフレーズで文学的な表現だと思えば。このままならいいと思います。

【吉田水環境課長】では、サブタイトルはつけないと。

【真柄委員】この保全のあり方について、何年後のことなのか、これからの10年間なのか、というところは環境省からご発言いただいて、記録に残して頂きたいと思います。非常に膨大なものでもあるんですけれども、それなりに期限を切って覚悟を。我々も参加している以上、明快にして頂きたい。なんとなく書いてあるだけになってしまうのが怖いので、時期に来ていることは認識していると思いますが、どれだけの期間なのか、これから10年ということなのか、そこをはっきりして頂きたい。

【浅野委員】まず、直近の話としては、4月から環境基本計画の見直しが始まって、それがまた更に5年間の計画ということになっているのですが、ベースにこれが使われることは間違いありません。ただ既に第三次計画が5年単位のことを考えることはやめましょうということになり、中長期と言っています。あれは温暖化のことを考えて「中長期」と言っている節がありますが、これも中長期のターゲットの中に入れなければいけない問題ですから、四次計画でそういうような発想も取り入れてやりますということになったのではないかと思います。今この最後の方にあるマップはやや無責任な感じで何年とは書いてないのですが、とりあえず部長に10年、20年やりますという決意を述べていただいたほうがよいと思います。

【関水環境担当審議官】ロードマップで普通は大まかな時間軸が入るものですが、それぞれが重い課題でありますので、今私が言えるのは環境基本計画を全省をあげて、政府をあげて議論しますので、今回頂いた結論というのは当然、その中に入れ込んでいきたいと思います。文量の関係で圧縮することはあるかと思いますけれども、中長期の中で、という感じで、5年でこのことをやろうと思うと、職員の数が10倍くらい必要になり、とてもできそうもないと思います。これだけ多方面で貴重なご検討を頂きましたので、無駄にすることなく全力で頑張っていきたいと思います。

【岡田委員】私が申し上げた趣旨は、5年で完成しろということでは必ずしもなく、5年、10年の間に定期的に見直す仕組み、PDCAが働く仕組みを作っておいたほうがいいのではないでしょうか、ということですので、それはそんなに問題ないのではないかと思って申し上げたのです。

【浅野委員】これから議論しなければならないことですが、環境基本計画のこれまでやってきた計画の作り方の最大の問題点は、各論の部分を全く審議会で議論していなかったということです。第一部の総論だけやっているわけです。各論は全部事務方にお願いして、それを綴じてあるだけです。各論の部分はちゃんと関係する審議会に持っていってフォローアップしてもらわないといけない。今フォローアップのような話は、従来は第一部の重点項目についてだけやっていますけど、後のほうもフォローアップの対象にするということを責任を持ってやらないと、と考えております。

【須藤座長】関水環境担当審議官と岡田部会長がきちんと5年内に完成させるということではなく、次期の環境基本計画の中で推進させていくということで、PDCAサイクルをきちんとさせていくということであればよろしいでしょうか。決意を言っておいてもらえれば、議事録に残っていますから。それから、資料5と乖離している部分とか、そこをどうするかという部分だけご意見いただきたい。

【吉田水環境課長】では、ご発言を順に整理させて頂きます。細見委員からは、資料が多いところと少ないところがあるということ、それから「担い手」のところで、世界戦略を考えた上での担い手ということに。それから生物多様性という観点を技術開発の中に入れるべきではないかというご意見をふまえて、それぞれ考えてみたいと思います。
中杉委員の方からは生物多様性を踏まえた環境基準ということ。そういう意味ではまだ法律という点も含めてこれからやっていかなければいけない部分もありますので、その点も含めて考えていきたいと思います。
田中委員のほうから出た水系感染症の文言の修正については、またご相談させていただきたいと思います。それからモニタリング技術のことについては、これは本文に入れ込むべきだという意見ですね。それから琵琶湖の水辺利用を含めて、水辺利用を地域の活性化の観点から取り組むということについてですが、これについても考えさえてください。水辺利用自体と地域の活性化ということが、まだ結びついていないところがありますので。

【田中委員】湖沼の保全の問題のリンケージですね、バラバラになっているものが実は一緒の問題なんです。そういうつながりの視点が欲しいと思います。

【吉田水環境課長】木幡委員からは資料5の関係で海洋環境のことと、達成方法の話、それからキャパビルの話、それから自然由来の有害物質への対応の話。資料5については検討して行きたいと思います。
笠松委員が指摘した、13ページの生物生産性については触れないほうがいいだろうということでよろしいですか。
奥村委員のマイスターという表現についての指摘ですが、これは私の記憶では平沢委員のご意見だったように思いますが。

【須藤座長】これはこういう制度を作るわけではないので消してしまっていいのではないでしょうか。

【吉田水環境課長】岡田委員の話で、名水百選の選定の部分は修正をさせていただきます。
それから、脚注のところをいくつかご指摘を頂いています。これについては修正させて頂きます。それから、担い手のところも検討に入れていくよう考えています。
大木委員のご指摘の、6ページの本文のところですが、連携の観点のところの上から6行目のあたりの「環境省は事業主体ではなく」というところですが、環境省はコーディネーター的な役割として、ということでよろしいですか。ここについてはもう少し検討させて頂きます。
及川委員のほうからは資料5に対するご意見、それからグラフに色をつけたほうがいいのではないかというご意見を頂きましたので、そのようにさせていただきたいと思います。
猪狩委員のほうからは、まずは大腸菌については資料5の方ですね。

【猪狩委員】これは、直した方がよいと言うことではなくて、要するに26ページの前の部分は「環境基準項目とするよう検討すべきである」とあるのに対し、大腸菌についての言及はニュアンスが違う、ということです。それと資料5については大腸菌について言っていないので、それはどうなんですか、ということです。

【吉田水環境課長】では、26ページの大腸菌の部分については、「検討を進めるべきだ」などというように修正をさせていただきます。他にも、本文の3ページでしたか。

【猪狩委員】3ページの「(2)環境基本計画及び水環境ビジョン」の上のところの「講じられた事業とする取組が推進された」というところが、「事業となる仕組みが確立された」というほうが分かりやすいのかなということです。

【吉田水環境課長】わかりました。その辺も踏まえ文言の修正を検討します。12ページについてもご指摘を頂いていたので、そこも検討いたします。それから太田委員からも脚注についてのご指摘を頂きました。CCSについても確認を取って、正確にさせていただきます。

【関水環境担当審議官】CCSは海洋環境室の関係で私どもの担当ではないので、国際的な議論をやっている者に確認して、追加が必要であれば追加します。

【細見委員】2ページの脚注5が抜けています。

【須藤座長】最終的にはきちんと確認しましょう。それではその他として事務局から何かありますか。

【富坂課長補佐】このあと、また座長と相談しまして最終的にとりまとめをさせていただきたいと思います。

【須藤座長】今回の議事録につきましては事務局で調整後、発言委員との確認等よろしくお願い申し上げます。それでは本日は委員の皆様には長時間に渡るご議論をありがとうございました。また、11回にわたる長い議論で、大変有意義な、将来の水環境像について検討することができたことにお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

【富坂課長補佐】須藤座長におかれましては議事進行ありがとうございました。最後に水環境担当審議官の関から挨拶申し上げます。

【関水環境担当審議官】たいへんありがとうございました。1年半にわたる11回という長い期間、この間、お陰様で様々なご意見を頂きました。この検討会が始まってから私どもの部門が大変忙しくなって、法律の制定や政令改正、省令改正、環境基準等々でかつてないほどに賑わっております。今日もこのようにまとめていただきまして、これもさらに詳細に検討すると2倍・3倍のボリュームになると思います。私どもも国益・国民のニーズにかなうことはどんどんやっていきたいと思っておりますので、先生方におかれましてもぜひお声をかけさせていただきますので、それぞれの分野の責任の一端とは申し上げませんが、可能な限りご参加いただいて、個別具体的な検討で力を貸して頂ければと思います。これで終わりにさせて頂きたいと思います。

【富坂課長補佐】以上を持ちまして本日の検討会を閉会させて頂きたいと思います。どうもありがとうございました。