環境省水・土壌・地盤環境の保全水環境関係今後の水環境保全に関する検討会

今後の水環境保全に関する検討会(第10回)議事録


1 日時:
平成22年12月3日(10:00〜12:00)
2 場所:
環境省第1会議室
3 出席委員:
須藤隆一委員、浅野直人委員、及川勝委員、大木貞幸委員、太田信介委員、岡田光正委員、奥村彰委員、笠松正広委員、田中宏明委員、中杉修身委員、平沢泉委員、細見正明委員、眞柄泰基委員、森田昌敏委員
環境省: 
関水環境担当審議官、石飛総務課長、吉田水環境課長
室石閉鎖性海域室長、柴垣土壌環境課長、宇仁菅地下水・地盤環境室長、
西嶋農薬環境管理室長、富坂課長補佐
ほか
4 議事録

【富坂課長補佐】それでは定刻となりましたので、今後の水環境保全に対する検討会第10回を開催させていただきます。本日は14名の委員がご出席予定でございまして、只今12名の委員にご出席いただいております。事務局側の出席者でございますが、水環境課長、急遽所用が入りまして遅れている状況でございます。続きまして資料の確認をさせていただきたいと思います。議事次第に続きまして資料1委員名簿、資料2開催要領、資料3−1としまして議事録案を配らせていただいております。資料3−2第9回検討会における意見と対応の案でございます。資料4−1折り込みで、目次の案でございます。資料4−2水環境の4つの視点でございます。それから参考資料としまして、前回お渡ししました取りまとめの素案でございます。また席上、猪狩委員、それから笠松委員から事前に御意見いただいておりますので、お配りさせていただいております。資料の不足等ございませんでしょうか。続いては須藤先生、議事の進行をよろしくお願いいたします。

【須藤座長】みなさんおはようございます。大変、悪天候の中、早朝からおくり合わせ御出席をいただきましてありがとうございます。また、本日も大変多くの傍聴の方にもおいでいただきましてお礼を申し上げたいと思います。本日、事務局からお話いただきましたように第10回目でございますが、本来10回目で終了しようと議論してきた訳でございますが、前回の議論を考えて、10回でやめるのは非常に不十分であろうという風に相談いたしまして、11回目をやらせていただきたいと思います。しかしそうだといって12回13回という訳にもなかなか行きかねるようでございますので、とりあえず本日は前回の議論を踏まえて御意見を出していただいて、次回11回目にはまとめができるように御支援・御協力をいただきたいということを、あらかじめお願いをしておきたいと思います。 
 それでは議題に早速入らせていただきますが、前回の検討会における意見と対応ということで、議事録までも含めてご説明ください。

【富坂課長補佐】前回検討会の意見と対応について説明させていただきます。まず、資料3−1議事録案でございます。委員の皆様には事前にお送りし御意見を反映いたしたものでございます。更に訂正等、お気づきの点がございましたら、本検討会終了後に事務局にご連絡いただきたいと思います。続きまして資料3−2でございます。意見と対応の案ということでございます。前回、検討会の取りまとめ素案について御議論いただいたところでございます。最終的な取りまとめにおいて対応させていただきますが、本日はその中で特に御議論いただきたい水環境の4つの視点ということをお示ししてございます。
 まず、1ページ目でございます。全体の御意見と致しまして、取りまとめの柱となるものがわかりにくい、第4次環境基本計画のベースにもなるので、問題を絞り込む必要がある。あるいは住民・市民の視点、グローバルの視点といったようなものを出していく必要がある。水環境をとらえる上で、グローバルという視点と、人口減少社会における持続可能性という視点が必要ではないか、このような御意見をいただいております。御指摘を踏まえまして、本日、水環境の4つの視点ということで、案を策定させていただいたところでございます。本日はこれについて御議論いただきたいと考えております。
 続きまして、水環境基準の在り方をどのように考えるかということについて、項目があったほうが良い。また、これまでの取組の評価が少ない、という御意見がございました。今回は、今後の水環境保全の在り方について取りまとめさせていただいているところであり、これまでの取組の評価ということにつきましては、別途考えていきたいと考えております。
 水質のことが書かれているが、水量のことがほとんど書かれていない。量的な面からのアプローチを、頭だしでもしておくべきではないかと御指摘をいただいております。今回、地域の視点として、環境用水の位置づけなどをあげさせていただいております。
 2ページでございます。NPOやNGOの位置づけについても、触れるべきではないかという御指摘でございました。4つの視点の中では、連携の視点として反映させていただいております。
 続きまして、はじめにということで、水環境戦略タスクフォースについては、検討会で議論されていないので引用すべきではない。また、バーチャル・ウォーターの図も誤解を招くおそれがあるため、削除した方が良いのではないかという御意見でございました。タスクフォースについては、最終取りまとめにて対応させていただきたいと思っております。 
 また、バーチャル・ウォーターの図に関しましては、どのような文脈で使われているかということについて、誤解を招かないよう説明を添えるという形で対応したいと考えております。水環境の現状ですが、こちらも最終とりまとめにて対応させていただきたいということで、省略させていただきます。
 水環境保全の目標についてでございます。健康の保護に関する環境基準について、未然防止の観点からは十分な目標となっていないとあるが、健康の保護に関する環境基準は、そもそも健康被害を未然防止するための基準であり、未然防止の目標は達成しているのではないか、という御意見でございました。こちらにつきましても、最終取りまとめにて提示させていただきたいと考えております。生物保全のための環境基準についても、最終取りまとめにて対応させていただきたいと考えております。
 続きまして、水環境保全の今後の取組につきましては、最終取りまとめにて対応させていただきたいと考えておりますが、一部、環境基準や排水規制の在り方について、市民とともに決めていくような発想が必要ではないのかという御意見についてです。これにつきましては、今回、4つの視点の中で、地域にふさわしい水環境の目標について、地域の合意形成を図る、といった視点をあげさせていただいております。
 次に国際的な面について、韓国など近隣の国では、ダイナミックな水環境政策が展開されている。近隣の国々の取組について、政府間レベルの協議だけではなく、別の形でもコミットする必要があるのではないか、という御意見でございました。今回、4つの視点の中の連携の視点において、環境省以外の主体との連携をあげさせていただいております。水環境ビジネスの海外進出支援に関して、日本での事例や今後成功しそうな例などを、記述できるとよいのではないかということでございます。最終取りまとめでは、今後の在り方について方向性を示したいと考えておりまして、具体的な事例等につきましては、それぞれ個別の施策の中で検討してまいりたいと考えております。
 4ページでございます。可能であれば省庁を超えた取組が必要だということを出して、そういうメカニズムを作っていくべきだ。あるいは施策のマネジメントサイクルの部分について、生態系に係る取組については、順応的対応についても触れると良いのではないかという御意見がございました。生態系に係る取組の進め方については、施策のマネジメントサイクルについての検討の中で、対応していきたいと思います。
 世の中をどう変えていくのか、次のステージは何かというメッセージ性が足りない。公害問題もある程度安定状態になり、地域主権という社会で環境行政をどう回していくかということの具体例が、施策のマネジメントサイクルの中で記述されるとよいという御指摘がございました。これにつきまして4つの視点の中で御議論いただきたいと思います。
 施策のマネジメントサイクルについて、これまでの施策や現在進行中の施策についても検証が必要ではないか、という御指摘がございました。これにつきましては、それぞれのPDCAサイクルにそって検証を行ってまいりたいと思っております。
 5ページ以降、前回検討会終了後に頂いた御意見でございまして、ご紹介させていただきます。水環境保全の目標についてという中で、利水目的と水質レベルの関係についても再検討が必要ではないか、当面の検討課題として底質DOなどの話は記載されているが、BODやCODからTOCへの移行は長年の議論でもあり、本質的な部分の議論が必要ではないかという御意見でございました。こちらにつきまして、BODやCODの環境基準設定の考え方など、個々の検討の場について検討してまいりたいと考えております。
 また、水生生物保全のための環境基準については、設定の考え方の議論を改めて行う必要があるということでございました。こちらにつきましても、個々の検討の場がございますので、そちらの方で検討してまいりたいと考えております。
 続きまして今後の取組としまして、湖沼の水質改善は長年の課題であり、それを踏まえた解決に向けての提言が必要ではないかという御意見がございました。こちらは今後の課題として認識してございまして、湖沼に係る施策の検討の中で進めてまいりたいと思います。WETは化学物質が共存することを考慮したものといえないのではないか、単独物質を対象に、未知のものも含め、規制対象外の多くの化学物質のリスクを、包括的に管理する方がよいのではないか、という御意見でございました。こちらについて、複数の物質の影響についても考慮していくと考えております。WET等の手法による水環境管理に関する懇談会において、WET手法の有効性を検討していくところでございます。
 それから、排水規制の関係で、水域の利用形態や対象物質の環境中での挙動を考慮した排水基準設定の考え方を、整理する必要があるのではないか。また、硝酸性窒素汚染は場所によっては、環境基準を達成することが困難なケースもあり、環境基準の達成のみを目標とするのではなく、健康リスクの有無や、程度と合わせて対応を考える必要があるという御意見をいただいております。排水基準の在り方については、課題として認識しておることでございますけれども、本日、更に御議論をお願いしたいと考えております。
 生活環境項目の事故時の流出とは、どのようなものが想定されるのか、事故の定義も関連するが、雑排水の排水とは区別する必要があるという御意見がございました。今回、水質汚濁法改正を行いまして、生活環境項目の事故時の流出、例えば酸性廃液を貯蔵するタンクが破損して流出した場合など、事業場の設置者が、流出によって生じた水質の汚濁により、浄水場における取水の停止とか水田作物に対する被害、漁業被害等といったような恐れがあると判断した場合には、届出等の事故時の措置が必要となると考えております。 
 続きまして、海洋の定義が不明である、食品、魚介類の安全を確保することも、海洋環境保全の重要な目的ではないかという御指摘でございました。海洋環境保全につきましては、海洋が有する浄化機能を上回る海洋環境の保全の推進が重要であると考えておりまして、海洋汚染防止法に基づきまして、油や有害液体物質対策を進めていくと共に、廃棄物の海洋投棄の規制を行う対策を行っているところでございます。以下、最終とりまとめにて対応ということで省略させていただきます。

【須藤座長】ご説明ありがとうございました。第9回の検討会における意見と対応ということでご説明いただきましたが、最終取りまとめで対応したいという部分がかなり多いわけでございまして、本日お配りしている資料は、前回の取りまとめのままでございます。 
 いくつか修正した方がいいかなというように事前には考えたのですが、本日御意見をいただくであろうと思いましたので、あくまでも前回のものを添えて、どこをどう修正していくかということを今日議論していただき、この1カ月くらいの間に修正、あるいは加筆をしていきたいということです。只今の資料3−2についていろいろと御意見なりいただきたいと思います。

【奥村委員】最終取りまとめにて対応と書いてあるところと、最終取りまとめにて整理させていくと、これは何が違うのでしょうか。

【富坂課長補佐】最終取りまとめにて対応という部分は、御意見いただいたものをそのまま取り組むような形で提示したいと考えております。最終取りまとめにて整理というところは、事務局の方で案を提示する、あるいは視点を盛り込むということで対応させていただきたいと考えております。

【須藤座長】2段階あるということですね。

【中杉委員】ちょっと補足して申し上げておきたいのがあります。5ページのところで、BOD、CODについては検討します、というのはその通りで結構だと思うのです。ただ本文の中では、底質DOの話しかでてこないですよね。その他の問題もあると、将来的な課題というお話をしたが、その部分が全部抜けている。そこを入れていただければよい。全体としてそういうところが当面の課題としている記述があるので、そこを検討していただければ結構だと思います。

【富坂課長補佐】どのようにするか、最終取りまとめで入れ込んでいきたいと思います。

【平沢委員】この前の発言の中で、須藤座長が最後に発言された生活排水のことをもう少し書いたほうがいいというのは、是非反映してほしい。あまり追加されていないという気がしたのが一点。もう一つは、先ほど水生生物の御意見で個々に対応されると書いておりましたけど、それももちろんそうなのですけれども、やはり環境基準自身の在り方というか、全体を議論すると共に個々に、としたほうがいいような気がします。

【須藤座長】ほとんどの問題は次の議題でまた再度お願いしたいと思いますので、それでは本日の主要な議題になるわけでございますが、今後の水環境保全の在り方についてということで、先ほど申し上げましたような趣旨で事務局からご説明ください。

【富坂課長補佐】資料の4−1、4−2に基づきましてご説明させていただきたいと思います。今後の水環境保全の在り方についてということでございますけれども、前回、取りまとめ素案に対しまして非常に多くの意見をいただきました。個々の話はともかくとしまして全体としての目玉がない、メッセージ性がわからないという、そういうご意見が強かったという風に受け止めさせていただいております。更に、委員の皆様方の意見を整理させていただきましたところ、特に全体を貫いているポリシーというのがどのようなものなのか、どういう観点で水環境保全というのを見ていくのかという御意見もいただいているところでございまして、水環境全体に関わるキーワードといったものを幾つか頂戴しているというそのような受け止めをさせていただいております。
 これらを整理し直して、かつ、これまで環境基本計画の中で、場の視点、循環の視点、物の見方というものを整理してまいりましたけれども、これまでの検討会での議論を踏まえまして、今回、4つの視点という形で事務局としてまとめたものを、提案させていただいているということでございます。この水環境の4つの視点、副題として水環境保全の取組にあたってとさせていただいておりまして、今回、こちらについてご議論いただきまして、全体取りまとめの方向性について、この4つの視点を基に全体構成を再整理させていただき、最終的な構成にまとめさせていただきたいと考えております。しだがいまして、先ほど須藤座長からご紹介ございましたように、取りまとめの素案につきまして前回配布させていただきましたものを今回改めてお配りしておりますが、本日の議論を踏まえまして、再構成させていただきたいと考えております。
 再構成の案といいますか、全体このような形で構成し直すことになるのではないかということで、目次案をお示しさせていただいております。全体の構成としまして、これまでの取組、それから水環境の現状と課題という形で提示させていただきまして、次に水環境の4つの視点、水環境保全の取組にあたってという形で、ここに全体の方向性を入れてはどうかということで考えています。以下、望ましい水環境像、水環境保全の目標について、水環境保全のための今後の取組、おわりに、という形で構成を考えていることでございます。また、水環境保全のための今後の取組でございますが、いろいろ取組のステージが違うとのご指摘もいただいております。今回、早急に解決すべき課題ということで、これまで進めてきた水環境行政について、引き続き取り組んでいくものといった課題についてまず提示させていただき、それから現在検討を進めている取組、昨今の状況を踏まえた上でよりレベルの高い水環境を目指して、具体的な成果を出すべく現在取り組んでいるものを、2番目に提示させていただいております。それから3番目でございます。これからの時代に向けた水環境行政の展開ということで、新しい仕組みといったものを、これから考えていかなければならないと考えております。6−4、水環境戦略を推進する基盤づくりについては、これまでどおり、横串の施策を整理させていただいております。
 続きまして資料4−2水環境の4つの視点をご説明させていただきます。今回、事務局としまして、4つの視点、すなわち地域の視点、グローバルな視点、生物多様性の視点、連携の視点を整理させていただいております。まず、地域の視点としましては、これは生活に溶け込んだ水環境の創出ということで、今まで特に水質の面からとらえてきておりますけれども、人の健康・生活環境といったものと密接な部分について、柱としてはどうかという提案でございます。項目としまして、例えばこのようなものが柱になるのではないかということで、4点あげさせていただいております。
 まず、1点目でございます。人の生活に密接に関連した水の再発見と繋がりの再認識を通じて、水環境に対する関心を高めるという点でございます。人と水とのふれあいの推進でございますとか、そういう水環境の発見というものの理解を助けるための、水環境指標の総合化といったものが挙げられるかと考えています。
 2点目でございます。地域固有の水環境との関わり方、水にまつわる歴史・文化など、それぞれの地域にふさわしい水環境の目標について、地域の合意形成を図るということでございます。これまで生活環境項目につきましては、地域の実情に合わせてオーダーメイドな基準というのは想定されていなかった訳でございますけれども、そういう生活環境項目の設定の見直しなどが挙げられるのではないかと考えています。
 3点目でございます。こちら水量の話にもつながる点でございますけれども、生活用水・工業用水・農業用水等に加え、身近な環境や生態系の保全・再生等を図るために、地域にふさわしい水辺空間や水量を備えた用水の利活用などについて、検討を進めるという視点でございます。例えば、水圏生態系の中で、環境用水と用語自体はございますけど、このような概念を改めて位置づけまして、活用していくということを掲げたということでございます。
 4点目、従来の施策でございますけど、使用した水はきちんと排水処理をするという、影響がないように環境中に戻すということの原則の再確認をうたっております。
 続きまして、世界につながる水の重要性と戦略的活用法、グローバルな視点でございまして、この観点につきましては、これまでの国内での取組ということだけでは水環境問題は収まっていないという部分ございます。水環境は世界とつながっているということ、国外の水環境の悪化によってわが国の水環境、あるいは生活に対する悪影響というものが生じる恐れがあるという観点から、水環境問題を考えていく上で、グローバルな視点というものを考えていく必要があるのではないか。またその際に水量をどれくらい使うかということだけではなくて、どのように上手に、あるいは賢く水を使っていくか、といったような視点が必要なのではないか。今、ウォーターフットプリントについて例示をさせていただいていますが、水の使い方がどれだけ良いかという、物差しといったようなものを視点として位置付けたらと考えました。2点目としまして、我が国の役割、我が国のリスク軽減、経済発展の一助等のためにも、海外展開に関する必要な取組を推進するということでございます。日本が海外から被害を受ける、あるいは日本から海外へ対して被害を与える恐れがあるということで、海洋汚染でございますとか、海岸漂着物といったものがあげられます。また、水ビジネスのための国際基準といったようなものを整備していくことが考えられます。
 3点目、健全な水循環を通じた生物多様性の確保ということで、生物多様性の視点でございます。生物多様性条約の議定書が本年度できたといったこともございますが、従来から水圏生態系の保全、生物多様性の確保といったようなものは、視点として水環境保全として含まれております。水循環の構成要素としまして、水量、水質、水生生物、水辺地等といったものが入っているという訳でございます。これら構成要素が適切に確保されることによって、水循環が健全化されるということ、生物多様性の確保につながるという視点を、改めて設けるべきではないかと思います。例えば水循環という考え方に生物多様性の概念を取り入れる、といったようなことが必要なのではないかと考えております。また、具体的な取組としまして、生物多様性ですとか、あるいは生物の生産性の確保といったような観点から、海域における栄養塩管理などは、既に検討しているところではございますけれども、そういう取組について、視野にいれる必要があるのではないかということです。水圏生態系や生物多様性を表す指標といったようなものを作れないか、あるいは水環境指標の総合化といったようなものが、視点としてあるのではないかと考えております。
 4点目でございます。水環境の保全・創出を担う組織・人材の継続的発展ということで、連携の視点ございます。これまでの議論の中でも横串の施策ということで、示させていただいたところでございます。例えば、水環境への関心の高まりに向けての対応が必要であると、水環境がどのようになっているのかというコミュニケーションツールとしての指標といったようなもの、あるいは環境基準とうものが現在ございますので、見直しといったものがあげられるのではないかということでございます。2点目としまして、継続的な水環境保全の取組の仕組みづくりが必要である。マネジメントサイクルですとか、技術開発、人材育成といったようなものがあげられると思います。また、これらの中で、環境省としての役割、環境省が何をすべきか、あるいは環境省から他に対してどのように働きかけていくのかといった役割の再認識等とか、他省庁・地方公共団体との連携・役割といったようなものが挙げられるかと思います。更にはNPO等との連携でございますとか、水とのふれあい運動を広げるといったようなことが、連携の視点の中で全体の取組を広げていく上で重要かと考えております。
 今回、この水環境の4つの視点ということで示させていただいておりますけれども、今回、ある程度例示という形で示させていただいております。個別の具体的な施策については、報告書の中の目標の考え方、取組といったような中で、記述すべきとは考えております。今回、議論を進めていただくなかで、例示していく方が望ましいかと思い、このような形で提示させていただいております。特にこの視点についても方向性への御意見ですとか、考え方をいただければ幸いでございます。

【須藤座長】どうもご説明ありがとうございました。それでは、これから委員の方から御議論をいただきたいとは思いますが、本日は御意見をうかがったあとに、先生同士、それから事務局とのやりとりをしたいと考えております。先ほど申し上げましたように、まだ報告書は前回からいじっておりません。そういう意味では4つの視点は重点的な取組、重点的なものは何なのかということについて、浮き彫りにするために作成していただいた訳でございます。これを中心でもよろしいのですが、前回の分で言い残されている部分もあるし、また在り方の中でおっしゃらなかったこともあるかもしれない。両方含めて結構でございます。本日がおそらく議論できる最終回になるし、時間が足りなかった場合は、これから一か月位の間、先生方から意見をいただいて最終案を取りまとめ、そのうえで先生方に御議論いただく機会を最終回に持ちたいと、こういう風に考えているところでございます。それでは真柄委員から順番に御意見願います。

【真柄委員】いくつかの点があるかと思います。やはり地域の視点という点を明確にしていただいて、ある意味では全体として最低仕事しなければならない環境と、地域の方々がその地域のしかるべき、あるいはあるべき姿として環境を設定するというのは、今後の水環境保全にとって非常に大事なことであると思っています。湖沼に関していいますと、生活排水のことも関係する訳ですが、湖沼といっても実質的には前からお話しているように我々が作った新しい水環境であるといことです。それはなんで作ったかというと、地域の様々な活動を支えるために、必要な水資源を確保するためにダムを造ってきた訳です。もしその地域で利用された水を、産業排水なり下水道なり浄化槽などで処理をして、その水をダムに戻してダムをどう保全するかというような、ある意味ではユニットで対応していけば、地域の責任で地域の水を保全するということにもなる訳です。そういうような考えかたを醸成するような、地域の視点を踏み込んでいただきたい。今書かれていることは上流のものを下流に渡して、下流が使って下流にまた渡すというチェーンになっています。そういうところに踏み込んでいただけたら面白いのかなと思います。
 なぜそういうようなことをいうと、1996年に埼玉県の越生(おごせ)町で人口1万3000人の町で、8000人強の方がクリプトスポリジウム症になりました。いろいろ理由はありますが、原因は浄水場の上流に下水処理場ができて、その下水処理場の排水の中にクリプトが入っていて、水道で除去できなくて、また、下水処理場に行ってとそういう悲劇だったわけですが、それはやはり地域の水の管理の考え方が、96年の段階で不十分であったということだろうと思います。それはクリプトという感染性の生物・微生物のスタンスでお話しておりますが、例えば富栄養化ということも、起きている現象はまったく同じことをやっている訳ですから、そういうような考えかたもあっていいんじゃないかと思います。
 今の水濁法の環境基準は環境基準の10倍原則というような形で決められているわけです。1970年代の段階で10倍希釈が成立する河川、湖沼が非常に多かったのですが、今関東地方では工業用水と都市用水で水資源量の30%以上使っている。関西圏では20数%使っている訳ですから、10倍希釈は成立しない訳です。そういう意味でやはり地域単位で環境管理を考えるときに、ここでは水量を備えた用水とか、あるいは地域単位の環境用水というふうな位置づけがあるわけですが、もう少し排水の量、水資源量との関係を考えた環境目標の設定の仕方というルールを、少しでもいいですので書いていただけると将来への展望が出てくるのではないかと思います。基本的にはそういう視点において、もうちょっと踏み込んでいただければということであります。

【細見委員】今回、目次案として望ましい水環境像の手前に、メッセージを伝えるということで視点を掲げることに関しては賛成でございます。視点の内容ですけれども、さきほど、真柄先生もおっしゃいましたけれども、地域の視点ということで、従来のシビルミニマムから地域特性に応じた新たな文化だとか、地域に触れ合う指標を作っていく、合意形成を図っていくというやりかたは、今後求められるだろうと思います。そこに関してはこの通りで結構かと思いますが、私は多様性というところで、健全な水循環を通じたというところの関係でまだ十分理解していないですけれども、こういう多様性を確保しないといけないと思います。もう一方、先ほどクリプトの話もでましたけれどもノロウィルスだとか、そういうウィルスであるとか、鶏インフルエンザであるとか、微生物に関するリスクへの対応を、どこかでうたっていただきたいなというのが唯一のコメントであります。

【須藤座長】ありがとうございます。細見先生は生物多様病原性のことを含めて生物多様性といっている意味ではないのですよね。

【細見委員】そうではないです。

【須藤座長】真柄先生のところの部分の追加のような話としてよろしいですね。

【平沢委員】4つの視点ですが、よくできていると思います。私はこの1番目の地域のところ、生活に溶け込んだ水環境の創出というよりは、地域に密着した水環境の創出のほうがよい気がします。それから先ほど言いましたように、生活排水対策のところは是非一番目のところに排水規制、生活排水対策、このへんは明記していただきたい。それから2番目のグローバルのところですが、意味はわかるのですが、「また我が国のリスク軽減、経済発展」、これは日本の経済発展のことですよね。それはそうなのですけれども、水環境と合わないような気がします。他国の水環境改善のための一助とか、あまり経済発展と書くのはどうかなと思います。我が国のリスク軽減及び他国の水環境改善などと、書いていただいたほうが良い気がします。

【須藤座長】どうもありがとうございました。

【中杉委員】主に2点です。1つは資料4−1の目次の下の方6で、現在の対応と将来の対応ということで整理をしていただいたのですが、実は私が申し上げた主旨はそれぞれの課題についてここでやらなきゃいけないことと、将来やらなきゃいけないことがあるのではないか。こういう風に分けてしまうと、早急に解決すべき課題のところに将来の課題がないようになるので、こういう分け方を私はしていただきたくない。こういうことについて、当面やらなきゃいけないことというのは必ずある。そういう意味において、それぞれ当面やらなきゃいけないことに関しては、当面やらなきゃいけないことに関して書く。そのことについてつけ加えておいていただければいいだろうと思います。これについてご再考いただければと思います。
 それから4つの視点ですけれども、この視点で結構だと思うのですが、そもそも水環境保全とはこれまでどのような目的でやってきたのか、これまでの視点というものはどこにあったのかということ。地域の視点の最後のところ、あるいはその他なのかもしれませんけれども、この4つの視点というのは、生物多様性とか人の生活・健康をどう守るかという視点は、地域の視点という中で読めるのかなと思いますが、そこら辺の整理をしておいていただければと思います。これまでの視点というのはしっかりしていて、それにくわえて新たな4つの視点という整理なのか、それともこの中でそれを書き込むのか。もう少し細かいことを言うと、地域の視点の最後のところで「原則を再確認する」と言っても、全然変わらないということにならないかなと思います。

【須藤座長】ありがとうございました。

【田中委員】だいぶよくまとめていただいて結構です。3つ大きな点、4つの視点に絡めてお願いしたいことがあります。それと本文との絡みも含めて言いたいのですが、まず一点目。先ほどから少し出ていましたが、地域の視点の中で、いろんな水環境との関わり、人といろんなふれあいをさせていくことが明確に書かれているのですが、その中でたとえば水に親しませていって今大丈夫かといったことが、日本では評価されていないと私は認識しています。それは例えば前回出していただいた本文の中の11ページのところに、生活環境項目の話として、こういった形態が大腸菌とかのインジケーターが不適切で見直しますよと書いてあるのですが、そのバックグラウンドにあるものは、レクリエーションとしての水環境の安全性評価です。ヨーロッパ・アメリカは一所懸命やっているのです。影響調査までやってどれくらいの安全性が保てるかということをやっているのですが、日本は全然そんなところまで行っていないのです。データは蓄積されているのですが、数字の評価は全くされていないのですね。こういう意味ではこの部分は現在極めて遅れている部分である。レクリエーションとしての目標はどれくらいにしなければいけないのか、というところが極めて遅れていて、そこの部分をもっと明確に書かなきゃいけないのではないか。
 そういうことで今の4つの視点の地域の視点の中の2つ目のところ、いきなり「歴史文化」とあるのですが、今後の水環境の中で水の親水利用だとか、レクリエーション利用といった言葉が全くなく、それについての目標をどういった使い方をするのか。ちゃんと挙げていかなきゃいけないなと思います。
 それから2つ目は、地域の流域の件もあるのですが、 “水をもう少しうまく使いましょう”ということだろうと思うのですが、そのイメージを受けて、なぜ処理だけの話になるのか。つまり水というものは、使用した水をどうしようかということもあるのだけど、水は人と生物にとって不可欠なのです。そういった水というものは水道の利用ということもあるし、レクリエーション利用もあるし、それから水産のようなものもある。そういった人が使っている水の利用、それから水環境、生物多様性ですけれども、それをできるだけ避けるように適切に利用して、必要であれば処理をし、さらに水を元の状態に戻すという発想がいるのではないか。つまり、水は自然の循環系の中で人は使わせてもらっていて、適切に利用して適切に戻す視点が必要なのではないかという気がします。それくらいまで大きな視点を持ってほしいということです。それから生物多様性の視点のところ、これは新しい概念で非常に重要だと思います。基本的に賛成なのですが、まるの2つ目のところ何が入っているのか分からないのですが、私が今感じているものの中に、化学物質関連の中に水環境管理上はあまり生物多様性が十分対応していないのではないか。どういうことかというと、水生生物の基準はあるのですが、この水生生物基準のベースとなっているのが有用生物、つまり人に役に立つ生物、具体的に言うと水産生物。他の生物は餌生物という扱いなのです。つまりそれを支えるための餌だ。確かにその有用生物の敏感性・多様性についてはある程度評価されているのですが、餌生物については多様性が十分考慮されていない。物質管理の方では水辺のことも少し考えられていると思うのですが、基準となると不十分な考え方になっていると思うのです。 
 したがってここのところは、やはり明確に「化学物質管理」という言葉を入れておいてほしい。生物多様性について書かれている18ページにも書かれているのですけれども、そこに水生生物の課題をもう一段階進めるかというところ、国際スタンダードに比べて日本の考え方は遅れていると思うので、そこのところを長期的には何とかしてもらいたい。この3つです。

【須藤座長】どうもありがとうございました。

【笠松委員】4つの視点ということで、今回の検討のポリシーをまとめていただき、きれいにまとまっていると思います。水環境としての保全を考える構成要素を、従来は水量とか水質を中心としていたわけなのですが、今回、生物多様性も含めて生態系が入ってきた。その入ってきた生態系を含めて水環境として考えているのだということを、明確に書いたほうがいいのではないかなと思いました。もう1つ、地域ですが、生活環境項目も含めて水環境の目標を考えるときに、都道府県などの行政境界の概念で考えるのではなく流域全体で考える、地域で考えていくべきではないかというふうに思ったところです。その上で、最初に事務局の方で配っていただいた資料に書かれた生物多様性の話、いわゆる3つ目の○と地域の視点というのは、ある意味裏表の話ではないかと思ったのです。つまり生物多様性でなにを保全するかは、その地域によって変わるはずです。そうするとそれを一つにした方がいいのかなと。1つのアイディアとしてそういったほうがわかりやすいのではないのかなと思って私案を書きました。カッコ書きの中でちょっとローカルと書いたのは、下にグローバルとあったので、同じカタカナで合わせただけでございます。それから、本会議の冒頭1回目でしょうか、浅野先生がおっしゃっておられたように、今回、今後の水環境を考えるときに、少子化・高齢化、それから地球温暖化が水利用にどう影響をおこすかとういうのは、新たな視点として絶対入れるべきであろうとおっしゃっておられたと記憶しております。この視点の中に出ていないのは、ちょっと残念だなと思いますので、地域というところで一つに書いたところです。それから先ほど、経済発展のグローバルな視点の中で、リスク軽減と経済発展というところですけれども、我が国が世界とつながっているのだということで、世界に貢献する必要があるのだということを言って、それぞれのリスク軽減、我が国が被るあるいは及ぼすリスクの軽減をしていかなくてはならない。それはビジネスでも良いと思います。そういう意味で「経済発展」というのは書かない方がいいのではないかと思った次第です。最後に是非検討していただきたいのですが、大阪府でも環境研究所に相当するところは独法化という動きがあります。国と地方の環境研究所の役割というものを、はっきりしておいたほうが、我々も何を担うべきか、地方として何を担うべきかということにも繋がりますので、是非明確にしていただきたいなと思います。

【須藤座長】どうもありがとうございました。

【奥村委員】気になった点を申し上げたいと思います。最初の地域の視点なのですが、水は人間が生きていく上で必要であると、水の重要性を認識しているとは思います。また、その水環境に対する関心のある方がここに集まっている訳ですからもちろん認識は高い。 
 ではここで書いてある水環境に対する関心を高めるというのは、対象はだれのことかと思う。それぞれいろんな分野があって、それらの関心の高い人が全部同じことを言いだしたら国民は忙しくて仕方がないと印象がしますので、ここは理解を求めるというべきではないかなと気がします。それから2番目のグローバルの視点ですけれども、前回申し上げたつもりですが、自由貿易というのを阻害するような一面的な見方というのは、あまりして欲しくないなと思うのが一つです。我が国がどっかから持ってくるという話で、非常に鎖国的発想といいますか、グローバルな視点といいながら非常にドメスティックな発想なので、それをここにいれといてもいいのかなという感じがします。それから3つ目。これは単なる昔を思いだしたのですが、30年前だったと思うのですが、ある民族学者、フィールドバーンというのですが、サウジアラビアかなんかの砂漠地帯に行って村人といろいろやってみた。そこでどっから来たといわれて日本から来たといったら、相手の答えはなんでそんな汚いとこに住んでいるのだという。つまり向こうの人からみたら、緑の多いとか水の多いとかというのは、何が住んでいるのかわからない。生物多様性をどう思うかおおいに結構ではございますが、同時にいろんな病原菌などとか、何がいるのかわからないという考え方の人も世の中にはいる。
 人材の育成ということで2つあります。皆さん就職口がなくて困っていて、化学物質かなんかの会の時にも同じように人材の育成、育成と言われました。では、育成したらいいのではないかといいましたら、では育成したら企業としてひきとってくれるのかといわれました。経済的メカニズムでいったら別に育成しなくとも勝手に出てくる。人材育成というのはどこでも出てくる言葉なので、なんとなくマンネリ化しているのではないかという気がします。もうちょっと言葉を工夫していたけたらいいと思います。

【須藤座長】どうもありがとうございました。

【岡田委員】前回欠席したのでなかなか理解しづらいところがあるので申し上げます。まず4つの視点、ここに書かれているそのものについては、他の先生もおっしゃっていたようにそんなに反対はございません。ただこの4つの視点がどこから、なぜ出てきたのか、なぜ4つなのかという理由があまりよく分からない。この視点を踏まえてこれが後ろの文章なり、例えば「これからの取組」にどう生きていくのか、つながりもなかなか見えづらい感じがします。例えば目次でいいますと3のところが今の「4つの視点」で、4が「望ましい水環境像」ですよね。そもそも視点というのは何を言いたいのか。目標を達成するための1つの切り口としての方法論として言いたいのか、その辺のところがよく分からない。 
 さらに若干混乱しやすいのは、次の「望ましい水環境像」のところで「水環境に関しては場の視点と循環の視点が大事である」。ここにも視点という言葉が使ってありまして、この場の視点と循環の視点と4つの視点がどうなるのだろうか、というようなことが非常に気になります。細かいことは別として、例えば4つの視点の中で「健全な水環境を通じた生物多様性の確保・生物多様性の視点」と書いてあるのですが、これはほとんど同じようなことが「望ましい水環境像」のところでも出ているわけです。そちらの方は明らかな目標として掲げられている。これについては内容よりも全体の構成が非常に気になるところでございます。それであともう少し、別の言い方をすると、全体のトーンがフォアキャスティングというか徐々にやっていこうと、しかも今までの水質行政のトーンがずっと残っていて、水質の目標、たとえば環境基準、あくまでも水質汚濁に関する基準ですね。決して水質・水量・水生生物といった目標になってないわけですね。そこのところが相変わらず混ざっている気がいたします。そう意味で本当にバックキャスティングみたいなことが言われているわけですから、やるのだとなれば本来は望ましい水環境像をきちんと定義して、それに向かう方法として例えばこういう視点があるとか、こういうやり方っていうのがあって、最終的にここの目次の6に書かれている「今後の取組」というものがある。文章として「今後の水環境保全の在り方」の中で、将来の水環境保全への説明責任・整合性が分かりづらいという感じがします。

【須藤座長】ありがとうございました。

【太田委員】私もこの4つの視点、よく整理していただいたなという感じはしたのですけれども、まだ少しモヤモヤとしたものがありました。今、岡田委員がおっしゃっていただいて、ああそういうことだなという感じがしております。そういう流れの中でいくつかお話したいと思います。
 まず、これは国民に対するメッセ―ジだという大きな意味でとらえようとすると、例えばこれを頭から読むか、どこから読むかは別にして、4つの視点を突然こうだ、と言われてもなかなか理解しにくいかなという感じがします。これを読まれた方が、そうだそうだ、と理解していけるものであるかどうかが大事かなと思います。そういう意味で、ここには議論の結果は全部書いていただいていますが、その結果に至るプロセスをもっと書いていただけると相当違うのではないか。例えば今まではこうだったけれどここを強化して変えますとか、こういうところは改めますとか、それがメッセージじゃないかなと思います。この点をまず全体を通した意見として申し上げておきたいと思います。それに関連して4つのことについてお話させていただきます。
 まず最初の視点では、「創出」と「地域」という言葉に若干引っかかります。この委員会でこれまで議論してきた内容には、コンサベーション(保全)あるいはリカバリー(回復)、エンハンスメント(向上)といった要素が全て含まれていると思うのです。例えばこれまでの施策は現状の保全が中心だったのが、これからより良くする取組を強めますとかを含めてですね。ここで「創出」という言葉でひとくくりにしないような意識が大事かなと思います。それから「地域」について言うと、先ほどの循環といった議論もありますが、面的広がりの側面ということもローカリゼーションと言いましょうか、地方分権という面と合わせてやはり大事な話になると思います。特に農業用水とかになりますと、流域に広がる農地に河川の水を用水路網によって面的に広げているという役割もありますし、そういう面的なフィールドを水環境のために活かして使っていくのはある意味では大事ですし、それに関わる人達のいろんな努力も求められるということがあると思います。ここのところは各省でもそれぞれの政策目標の中でやっている、あるいはすでに意識してやっていて先駆けとなっていることを書きこんでいただけると、だいぶイメージが膨らむのではないかといった感じがします。
 それから2つ目。これも国民の視点と関係します。説明の冒頭で「水環境は世界とつながっている」といきなり来るのですが、どういう風に私達の暮らしとつながっているのか、かかわっているのかといったところを少し書きこんでいただけると納得しやすいと思います。例えば「私たちは公害などを含めて水環境で苦労してきた。」というと、国民の皆さんはすぐに実感されますよね。そういう苦労を水という場で世界に向けて発信しようじゃないかと。それは水という方法を通じて世界とつながる1つの方法ですよね。ただ国民の皆さんにそういったことが大事だと思っていただける流れを、文の中で書いていただけるとだいぶ違うかなと思います。それが経済発展にもつながっていくというのは、書くか書かないかは別にして当然だと受け止められると思います。もちろん他の環境の問題やリスクの問題も含めてですが、そこは若干丁寧に書かなければいけないと思います。
 それから3つ目の生物多様性のところは、水の利用をもうすこし持続可能なものにするためにも、生物多様性の確保にまで踏み込んで行かないといけないのだということを、国民の皆さんに理解いただくのがベースかなと思います。
 最後のところについては、ここでいろいろお書きいただいている環境省の役割を再認識する内容となっていますので、良いと思います。どういう役割でいくか、おそらくそんなに体制を強化することは難しい状況だと思います。そこで1つキーワードとして、情報というものをこの中に書いてはどうでしょうか。私の仕事の農村振興を例にとりますと、これにはNPOが多く関わっておられます。たとえばNPOの人達が集まっていただく会を催すと大変喜ばれる。つまり、インセンティブとか情報の面で、「ここでこのようなことが起きている」ということをつなぐ機会を設けるだけで、かなりいろいろなことが起きる。水環境についても、地方にも現役、OBを含めていろんな技術者がおられる。そういった人々の一覧表を作って「この分野では私が協力しますよ」という情報提供をしていけば人材をより有効に活用できる。情報がつながっていないために、せっかくのポテンシャルが生かされていないという実態を書いていただけるとよい。新しいものだけではなく、既存のものをどう活用するかという視点も、一つ加えていただければなと思います。

【須藤座長】どうもありがとうございました。

【大木委員】気付いた点、何点かお話したいと思います。4つにくくった中で「地域の視点」というのは、環境基本計画の参加・共生・循環、それから国際的な取組について、最初の参加・共生・循環を大きな目標の中から具体的にくくりだしたという印象を持ちました。キーワードとしては、やはり地域の合意形成ということだと思います。この4点の中で、環境基準の生活環境項目の設定方法の見直し、環境用水という新しい言葉というか、この検討会の中でも出てこなかったものが出てきたというか、そういう感じを持ちました。特に環境基準の生活環境項目の設定方法の見直しということは、地域の合意の中で環境基準が部分的には行政目標から地域目標というか、そういったものに変わっていく方向を示すということになるのかなと思いました。
 それから環境用水についてはここで書かれていませんが、まさに合意形成の話でありまして、例えば埼玉では、利根川大堰からの農業用水の冬期通水が試行されておりますが、その合意形成には長い時間がかかる、ということを強調しておく必要があるのかなと思いました。それから4ポツ目の排水規制、生活排水対策ということ。これもやはり地域住民あるいは地域の事業所等という観点からのものだということを、示したほうがいいのではないかと思いました。

【須藤座長】どうもありがとうございました。それでは及川委員よろしくお願いします。

【及川委員】中小企業の経営者がこの取りまとめを読んだときにどう思うかということで、メッセージ性ですとか、そういうようなものが欲しいなというようにいっておりましたけれども、今回の4つの視点ですが、縦的な発想を横的な発想にできるものとして評価をしたいという風に思っています。あと、4つの視点を見ると点的な意味から面になるような視点がありますので、中小企業の経営者が見ると大変ありがたいと思っています。4つの視点というのは大変重要な項目だと思います。その点にして細かいのですが若干申し上げたいと思います。グローバルな視点のところなのですが、大陸に進出した中小企業の経営者が、四川大地震であるとかハイチの災害などがありまして、ここで中小企業が災害地の水の重要性というのを思い知らされて、地方に非常時の浄化施設を作ったということがあります。海洋汚染とか水の重要性というのは書いてありますが、ここに是非災害の観点を入れていただくとありがたいなという風に思います。人材もこれはある意味ではグローバルかもしれませんけど、外国人を含めた高度人材というところも事業者からすると重要な視点だと思います。
 最後にこの4つの視点の下から3行目ですけど、他省庁地方公共団体との連携、ここだけ見ますと役所間だけの連携ととらえられるような気がしますので、役割を再認識するということではあるかと思います。NPOとか事業者とか、もっと多様なとこが水について関わることが、今後の水環境に重要なのだと入れていただけるとありがたいと思っています。

【須藤座長】ありがとうございました。では浅野委員どうぞ。

【浅野委員】教科書をつくっているのではないと思います。論理的に整合性を必要としているのは望ましい。学生の論文を書くのだったら、こういったものは絶対に通しませんけれど、これは役所の文章を作ろうとしている訳で、今何が大事かということをコンパクトに示せという話をしている訳です。なぜこの話になったかというと、本文にあまりに沢山書いてあるのでわからないじゃないか、もっと一言で言えというご意見がだされたことをうけてこの文章がまとめられた訳です。教科書を書くのなら、最初から丁寧に説明し、これが最後にでてくるという筋道なのでしょうが、そんなことやっても誰も読んでくれません。これでもまだ長すぎる訳で、もっと大きい視点とか、目の悪い人でも読める位な文字にしないと意味がないと思うくらいです。
しかし各委員がこれまでに言われたことについてはもっともだと思う点もあります。
 後の方との整合性がまだできていない。一応後ろから進めてきたけれど整合性がなく、その結果後ろを変えなければならない。しかしまだそこは変えられていないという御指摘であって、その点はこれから事務局の方にがんばって修正してほしいということだと思います。
 いくつか気になる点だけ申しますと、この4つの視点というよりも3つがいいというご指摘は理解できます。環境基本計画でも3つ、あるいは4つでも5つでもやるわけですから。しかし生物多様性は新鮮なテーマですし、名古屋のCOP10でもこれから頑張ってやっていこうということになったのですからここに書いておきましょうというくらいのつもりでいいのではないかと思います。環境基準に関して、田中委員のおっしゃることもごもっともと思ってお聞きしておったのですけれども、今の環境基準の作り方そのものを、根本的に考え直さなくてはいけないということが入っていますから、問題提起として受け止めたいと考えます。といいますのは、ご指摘の点は生活環境項目に無理矢理押しつけている訳で、構造上このやりかたしかなかった。生物のための環境基準についても前から作るべきということを須藤先生ともども言い続けてやっと取り入れることになったのですが、よくよくかんがえると制度的には入れる場所がない。そこでやむなく生活環境項目として位置づけた。その結果有用生物という切り口からしか入れられなくなった、という経緯があります。問題ではありますが、そこはもういっぺん環境基準そのものを根本的に考え直さなくてはいけないという話に繋がってくるので、それほど簡単には答えは出せないなという気がしました。
 それから奥村委員の人材養成についてのご意見ですが、別に企業の要員養成といったことを言おうとしているわけではないのであって、やってくれる人、担い手という程度のことをいおうとしているのですから、そういう意味では人材養成と大げさな言い方はしないで担い手養成位にすれば、奥村委員の御意見に応えることができるのではないかと思いつつお聞きしておりました。
 場の視点、流域の視点ということもずっと言ってきたけれども、どうしてもそこに人の臭いがしないというような話が出てきて、いろいろ議論した挙句、これが案として仕上がってきたということです。地域というキーワードはとても重要であるというご意見がありましたが、一言で言えない要素でもあります。あとの方でも場の視点、流域の視点と言われてきていますので、それをどう処理するのかということを、後の方で考えるときにもういっぺん考え直してみてください。

【須藤座長】ありがとうございました。それでは、森田委員。最後になって申し訳ございません。よろしくお願いします。

【森田委員】いろいろ考えてきたのですが、視点を含め全体の構成は、技術的な要素についていろんなことが組み込まれて、現在の問題意識などが入っている感じがします。全体を通してみたときに、なんか国民の感じる夢みたいものが出てきてない気がします。それをどうしたらいいかなと考えていたのですが、適切なキャッチコピーがないと元気が出ないのかなという印象です。例えば美しい農林国家をつくるとかですね、みんながそれはいいよねと思うようなものをどこかに入れて、そういうアプローチとして4つの視点であるとか、その下にあるいろいろな政策展開の方向性というのを入れるのかなという感じがします。しかしキャッチコピーを作るのは簡単な問題ではないのですが、こういうコピーを作るのがうまい政治家の先生もいることでしょうし、あるいは、議論に関係するなかでもいろんなことが考えられるということです。例えば山紫水明の国をつくるとか、そういう言葉を通して生態系の保全を考える。美しい国をつくるというのは、結果的には水の保全、さらには有害物質にも役立つと、それを少しお考えいただければと思います。

【須藤座長】ありがとうございました。今の森田先生の意見は、本来だったら望ましい水環境像というかそういうところに、将来そういう姿を望むということですね。

【森田委員】そうですね。

【須藤座長】水環境像は、今日書いていることは違うのですけれども、多少のことは加筆、修正もちろん入れられます。

【森田委員】望ましい水環境という言葉はあるのですが、もうちょっと一段上のキャッチコピーがいるのでないかなというそういう感じです。

【須藤座長】わかりました。どこでそれを取り入れるかが、先生の御意見からすると不十分ですよね。

【森田委員】全体の在り方については具体的にやることがいっぱい書いてあるのですが、見ていても夢を感じられない、そこをどうしようかということです。

【須藤座長】わかりました。

【浅野委員】これまでのドラフトのうち望ましい水環境像の中に大事なことが出ているなと思うのですが、生物多様性国家戦略の中での全ての命の存続基盤を整えるということを引用していないので、むしろ、それと結びつけて水の話をしようということですね。本日の話、あるいは先ほどの田中委員・太田委員のお話を聞きながら、これまで命と結び付くということをあまり認識していなくて、単にケミカルなものとか物理的なものと、そこにある物質として水をとらえてきたことに、水環境行政のある種の限界があったという気がしてきました。ですから人とは言いましたが、命でもいいですね。人ばかりではなくあらゆる生き物、そんなようなことを少し意識しながら、考えたらいいのではないかなと思います。

【須藤座長】大変貴重な御意見をいただいたのですが、このあたりで何か事務局の方としてこれからの取りまとめの方針、あるいは先生方の御意見をうかがってそこはこうしたい、ああしたいというのがあれば、ちょっと先に出していただいた上で、もう一回議論をしたいと思います。

【富坂課長補佐】猪狩委員からペーパーとして御意見いただいておりますので、紹介させていただきます。これまでの場の視点、循環の視点、4つの目標がどのように関連するかについて、望ましい水環境像の中で記述する必要があるのではないか。それから、4つの視点の生活に密着した水環境の創出で、閉鎖性海域や湖沼について書き込んではどうか。 
 また、4つの視点については、世界につながる水の重要性と戦略的活用は、健全な水環境を通じた生物多様性の確保の次に記述してはどうか、というご指摘でございました。それから、早急に解決すべき課題は、引き続き深化させるべき課題と修正してはどうかという御意見をいただいております。
 これからの時代に向けた水環境行政の展開では、2つの項目しか入っておらず、今後実施すべきことはこの二つだけといった印象を与える恐れがあるのではないか。住民参加型の目標設定では、そういう表現ではなく住民目線とか、わかりやすい、親しみやすい、共有しやすい表現にしたらどうか。それから今後の取組の具体化に向けたスケジュールについて記述したらどうか、このような御意見をいただいているところでございます。
 続きまして今までの御意見に対して御説明させていただければと思います。今回、4つの視点の中で地域の視点、生物多様性の視点ということで、笠松委員、浅野委員からもコメントいただきましたけれども、事務局としましては水環境という目標、媒体自体は一つなのでございますけれども、そこに対してどのようにしてどのような観点から取り組んでいくか、あるいはいくべきかということで、今回、視点という言い方で整理さしていただいたものでございます。そういう意味で対応として地域の保全、地域の視点というものと、従来の発想とは違う別の観点として生物多様性の保全の視点というものを、最初の第一歩で考えるべきではないかということで、分けさせていただいているところでございます。
 それから、御意見としてうかがえればと思うのですが、真柄委員、笹松委員の方から水の管理といったようなことで御指摘いただいております。今回、特に地域の視点という形で、どちらかというと非常にローカルなところから出発点にしまして、ある意味、地域合意のとれる範囲での地域の水環境、あるいはそういったものを目標形成ということで整理させていただいております。それまで循環の視点で言いますと、大循環、中循環、小循環という形で、それぞれの循環について望ましい姿というのを創ってきた。どのようなあたりを着目すべきか、ということについて御意見等いただければと考えております。
 それから、岡田委員、太田委員のほうから、望ましい水環境像とかこれまでの取組と評価といったようなところについて、どういった点を改めてどういう風に変えていきますといったことを、記述すればいいのではないかという御意見がございました。今回、マネジメントサイクルというものを提示しまして、今までの政策についてのチェックとか、今後のアプローチと解決策というようなことを進めていくべきかなと考え、まとめさせていただいております。この段階でここについては間違っているとか、方向修正すべきだという御意見があったら、うかがえればありがたいと思っております。

【須藤座長】ありがとうございました。まず、最初にこれはいつまででいいですか。それだけ先に約束事ですから御意見いただいたほうがよい。今年いっぱいでいいですか。

【吉田水環境課長】私どもとしてもできれば今年いっぱいで作りたいと考えています。

【須藤座長】10日くらいですか。

【吉田水環境課長】そうですね。それくらいでできましたら。

【須藤座長】15日の夕方までに、新たな御意見があったら事務局に提出していただくということでよろしいですね。新たな意見があれば15日までに出していただく。それでは残った時間もう一回議論を致します。先生方の御意見をうかがって、目玉を出していただいたのはよろしいのですが、これをどこにはめ込むかですね。これについてはもう少し工夫した方がよいかなという印象を受けました。例えば今後の取組はその前に持っていってしまうとか、直前に持って行くのか、あるいははじめにではないけれど最初の方で言ってしまうのか、ある場所にはめ込むことで整合性がない印象を受けてしまうので、はめ込み方を考えることが大事かなと思います。

【浅野委員】たぶん一番の問題は、ドラフトの2ページ・3ページがきちんと要約してあるのだけれど何をやってきたかよくわからない。例えば第一次環境基本計画はこういう流れになったのでこういうことを言った、さらに水循環が大事だということになって、場の視点、循環の視点と言ってきて、そのことを中心にとらえてきたけれども、しかしそれにくわえてもう一度考えてみると、こういう視点が必要になってきた。そういう風にしていけば話がつながる。過去の総括がないという批判にもこたえることができる。 
 要するにコメントなしに客観的に書こうとしている。私なら視点はこういう風に変わってきているのですよ、と書きます。さらに新たに視点を加えなければならないという風に書きます。

【須藤座長】ありがとうございます。それではどうぞご自由に。

【太田委員】私も浅野先生のご発言に大賛成です。そういうまとめにすれば私が最初に申し上げたコメントも入ると思います。背景説明的なことはこれまでの経過で述べられているので、4つの視点の話をする少し前に、なぜそうしなければならないかということを少し入れると理解しやすいと思います。
例えば国際化がさらに進んでいるとか、日本がさらに成熟したとかいうのが、国際関係のキーワードになると思います。それから場の話ですと、ある程度対策ができてきて、次の段階に行くためには、地域のイニシアティブが大事だということが出てくるのではないかといった感じがします。ですから、全体の流れとどういうふうに述べて行くかということを中心にお考えいただくとよい。その中で、もし「○○などの・・・」といった例示がされていると、メッセージのイメージが膨らむのではないかという印象をうけました。

【須藤座長】ありがとうございました。それでは中杉委員お願いします。

【中杉委員】ここにいれるかともかく、資料4−2これをこのまま単に入るわけではないので、この前に説明が入って、それでこれがあがってくるのだということですね。だからその部分でいろいろと書きこまれるであろうと期待しています。そういった点でこの4点は、他とどのような関係があるのかは検討していただくので、独立させてもいいのではないかと思います。

【須藤座長】ありがとうございます。

【吉田水環境課長】説明が冒頭あったのかもしれませんが、この資料4−2はこのまま文章化するわけではございません。もう少し工夫したいと思います。それとは別の点で、2ページ・3ページのところを膨らませる必要があるというのは、我々としてもそうしようと考えています。そのあとに現状と課題がきますので、4つの視点の前にこれから考えなくてはならない課題的な話がどうしても入ってきます。分かりにくくなりますので工夫したいと思っています。

【須藤座長】さっきも申しあげた通り、最初に作ったものを修正する、後から新たなものを入れるというのは大変なことです。一回論理を作っていますからね。それと、はじめにとおわりには、あまりたいしたことを書いていないのですが大事ですよね。これから一緒に2050年に向けてどうしようかとかですね、いろいろあると思います。

【浅野委員】自治体でこの手のものを作る時に、現況というものは後の方に回せと言います。というのも本当に読んでもらいたいところを誰にも読んでもらえなくなるからです。 
 ですから現況というのは最後に資料的に付ければいい。それをもっと簡単に要約して書いて、本当に読んでもらいたいところを最初に書くべきではないでしょうか。現況を書いてからでないと課題が出てこないと言われますが、そうではないと思います。

【須藤座長】そうですね。論文ではないのでそういうことだと思います。

【真柄委員】英語で言うのは変ですが、パワフルマウンテン・クリスタルウォーターというのは我が国の国土でどこでも成立することはありえない。温暖化ガスの抑制の問題はこれからの水環境行政を考えていく上で不可欠の要素で、今日の議論も、この視点で書いてあるといえば書いてありますが、もう少し入れるべきではないかと思います。それから温暖化ガスと同じことですが、これまで日本の国政というのは成長だったのですが、これからは減少していくわけです。減ってくる中で毎年毎年国民全体として、活用可能な資源をどうやって分配し、最低の満足感を持つことになるかといったことは、世界的政策ではないか、というふうに私は思っています。そういう意味で、国全体の政策の中で、環境をどう、あるいは環境を保全するために我々にとって資源をどう分配し活用していくか、そういった時に、地方がイニシアティブを取るのであろう。拡張の時代から安定の時代に入った中で、どう環境行政を実施していくか、排出ガスの抑制ができるか、そこの調和が一番大事なのだと思います。できればその辺のところも少し書いていただけると嬉しいです。

【須藤座長】例えばはじめにのあたりでね、そういう時代なのだから。そういう動機付けの部分も、この部分にいれていただくのもいいのではないでしょうか。

【平沢委員】浅野先生の意見に賛成でございます。森田先生が言っていたとおりキャッチコピーなのですが、豊かな水の国を創生とか、そういうのはどうかなと。豊かな水の国日本を創生するとか、ちょっと大き過ぎるのですけど、メッセージがあると国民が見ればいいのかなと思います。

【須藤座長】在り方のところに、何かそういう創生とか加えるということですか。

【平沢委員】そうです。

【須藤座長】もし必要なのであればみんなで考えましょう。それでは先ほど申し上げましたとおり、事務局の方に新たな意見があったら提案していただく。それから事務局は大変でしょうけども、それを踏まえて先ほどの御意見も活かす形で、国民に呼んでいただけるような、水の在り方を整理していただけるということにしていきたいと思います。それでは議題としてその他なにかありますか。

【富坂課長補佐】今回、お聞きしたご意見を踏まえまして、これから事務局のほうで最終取りまとめの案を作成したいと考えております。先ほど須藤座長からお話ありましたように、今回、この席上だけでなく、12月15日までに委員の方から御意見いただきたいと思います。また、次回はこの検討会の最終回としたいと考えておりますけれども、日程調整につきましては追って連絡させていただきたいと思います。

【須藤座長】他に御意見がなければ、以上をもって本日の第10回目の在り方の検討会を終了させていただきます。どうもお疲れ様でございました。