環境省水・土壌・地盤環境の保全水環境関係今後の水環境保全に関する検討会

今後の水環境保全に関する検討会(第9回)議事録


1 日時:
平成22年11月10日(14:00〜16:00)
2 場所:
環境省第1会議室
3 出席委員:
須藤隆一委員、浅野直人委員、猪狩良彦委員、及川勝委員、大木貞幸委員、太田信介委員、奥村彰委員、笠松正広委員、中杉修身委員、平沢泉委員、細見正明委員、眞柄泰基委員、森田昌敏委員
環境省: 
鷺坂水・大気環境局長、石飛総務課長、吉田水環境課長、室石閉鎖性海域対策室長、
森海洋環境室長、柴垣土壌環境課長、宇仁菅地下水・地盤環境室長、富坂課長補佐
ほか
4 議事録

【富坂課長補佐】それでは定刻となりましたので、今後の水環境保全に関する検討会第9回を開催させていただきます。本日は13名の委員にご出席いただいております。続きまして資料の確認をさせていただきたいと思います。議事次第に続きまして資料1委員名簿、資料2開催要領、資料3−1に前回第8回の議事録の案でございます。資料3−2第8回検討会における意見と対応の案でございます。資料4−1折り込みでございます。今後の水環境保全の在り方について。資料4−2今後の水環境保全の在り方についての取りまとめ素案でございます。資料4−3在り方についての参考資料でございます。また委員の先生方には、事前に奥村委員の方からとりまとめに関する意見をいただいておりますので配布させていただいております。資料の不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。それでは、座長の須藤先生議事の進行をよろしくお願いいたします。

【須藤座長】かしこまりました。それでは、今後の水環境保全に関する検討会第9回目を開催させていただきたいと思います。先生方には大変ご多用の中おくり合わせいただき、ありがとうございます。また、本日も多くのみなさんに傍聴していただきますことをお礼申し上げたいと思います。本日は第9回目ということで、水環境保全の在り方といいますか、取りまとめ案くらいはせめて作っておきたいなとこう思っておりますので、活発な討論をお願いしたいと思っております。それでは議事に入りたいと思いますが、事務局から本日の議論の進め方及び資料の説明をよろしくお願いします。

【富坂課長補佐】本日の議論の進め方について事務局からご説明申し上げます。前回第8回検討会で頂きましたご指摘あるいはそれ以前からのご指摘を踏まえました、第8回検討会で頂いた指摘に対する対応・整理について資料3−2で用意させていただいております。これらにつきましてご紹介し、ご意見・ご議論をいただきますとともに、資料4に基づきまして水環境保全のための今後の取組につきまして個別各論についてもご議論いただければと考えております。よろしくお願いいたします。

【須藤座長】それでは議題は最初のページに書いてございますように、その他まで含めますと3つございますが、順番にまいりたいと思います。1番目が第8回検討会の意見と対応でございますが、その前に議事録が3−1に用意されてございます。委員の皆様には事前にお送りし、ご意見を反映させていただいたものでございます。さらに訂正等お気づきの点がございましたら、当検討会終了後に事務局までご連絡いただければありがたいと思っております。それでは、只今申し上げました3つの議題の最初の第8回検討会における意見と対応ということでございますが、事務局より説明のありました第8回の検討会のご指摘を踏まえて今後の取りまとめをやっていくことになります。この取りまとめの説明の後、あわせてご議論をいただきたいと思いますので重複して議論をすることを避けたいと思います。その取りまとめの議論については、次の2番目の議論とあわせて行いたいと思っております。

【富坂課長補佐】それでは、資料3−2に基づきまして、前回第8回検討会における意見及びその対応について説明したいと思います。まず冒頭でございますけれども、須藤座長の方からお話ございましたように対応案につきまして最終取りまとめにて対応している部分多々ございます。これらにつきましては、前回の意見を踏まえまして中間取りまとめからの修正等を加えておるところでございます。この場では、まず前回の意見あるいは取りまとめで対応していない部分についてのご紹介をさせていただきたいと思っております。まず全体的な意見でございますけれども、すべての部分についてものごとを変えていくという動かし方をどうしたらいいのかという発想で戦略を考えていただきたい。また、具体的にそれぞれがどういった役割をするかということについて考えていただきたいということでございます。今回の最終取りまとめ素案を作成するにあたりまして、このような指摘も踏まえて作成したところでございます。次でございます。キーワードとして、日用品由来、医薬品、PPCPsについても記述しておいたほうがよいのではないかということでございまして、こちらにつきまして、最終取りまとめの水環境の現状のパートで対応させていただいております。望ましい水環境像でございますけれども、目標を指標で表し関係性を考えた上で地域の取組にどう落とし込むかということを書いていただくことが必要なのではないか、また地域に対して影響が薄いもの・濃いものいろいろあるので、地域に合わせた目標の立て方といったところを示す必要がある。さらに地域における合意のプロセスについてイメージできるようなものを書き込むべきではないかというものでございました。こちらにつきましては、望ましい水環境づくりのパートで対応させていただいております。
 2ページでございます。水環境保全のための今後の取組でございます。水環境ビジネスとモニタリングの間に繋ぎがあったほうがよい、あるいはいろいろな人にアクセスできるようなネットワークがあったほうがよいというご指摘でございました。こちらにつきましては、今後の取組のところで対応させていただいております。
 湖沼の水質改善についてでございます。環境研究総合推進室という中で湖沼の水質改善技術といったものを水環境改善に関して取り上げられているけれども、湖沼の何をやってほしいかという行政ニーズを明らかにすべきだ、ということでございました。湖沼につきまして、まずより一層の水質改善を進める必要があるという認識でございます。従来の水質改善対策に加えまして、湖沼流域の健全な水循環システムの在り方といったようなもの、あるいは持続性などに考慮した良好な水環境保全をする必要があるという認識でございます。また、湖沼のこのようなシステムの構築によって実際的には日本の川の上流から海までの良好な水環境の保全を図ることが可能になると、このような認識でございます。
 未規制の小規模事業場等からの負荷への対応ということでございまして、社会にうまく受け入れられること・地域がアクションを起こしていくこと、こういったことがなければ何も変わらないのでその部分を含めて検証する必要があるというご指摘でございました。こちらについて、該当のパートで対応させていただいております。
 海岸を含めた海洋環境の保全でございます。地球環境問題と定義しながら、国内の問題を抱えていることもございますので、持って行った先の問題・受け入れた先の条件これらについて整理・検討していただきたい。また、バラスト水が生態系に与える影響についてどう考えるのかということを整理する必要があるというご指摘でございました。
 3ページでございますけれど、同じくもう少し狭い地域の問題・国内の問題という視点が入っているとよいというご指摘、あるいは逆に国際的条約ベースの仕事でありそれを強調していただきたいというご指摘もございました。こちらについては、海岸を含めた海洋環境の保全としておりますけれどもこちらの方で対応させていただいております。
 気候変動への対応ということでございます。気候変動で水温は本当に上がるのかということについて気になっているというご指摘でございました。昨年度から開始した検討におきましては、気候変動以外の要因といたしまして都市化、排水熱、流量の変化などの影響の可能性が指摘されているところでございます。こちらも検討は数年続く予定でございますので、いただいたご意見を参考に今後も検討を続けてまいりたいと考えております。
 水環境分野の海外展開ということでございまして、水問題での国際貢献というものと水環境ビジネスというもの2つ指摘しているということでございますけれども、国際貢献で衛生問題の現状ですとか途上国での問題も指摘していることについて、水環境ビジネスではビジネスチャンスという形で正反対を向いているのではないかというご指摘でございました。こちらについては記述を含めて最終取りまとめで対応させていただいております。水問題の国際貢献ということでございまして、お金をかけた割に成果が見えづらくなっているというところについて戦略を考える必要があるというご指摘、あるいは4ページにございます日本はそれぞれの国の社会経済環境や自然条件にあった環境基準を作ることに関して国際的貢献をすべきであるというご指摘でございました。こちらにつきましては国際貢献のパートで対応させていただいております。水環境ビジネスの海外進出支援でございますけれども、国際援助には人道的援助と経済的な発展を助けるものがあるというご指摘、また日本の国益を大事にするという観点を意識していく必要があるというご指摘でした。こちらについても対応させていただいております。
 水環境のモニタリングとデータの蓄積、情報共有ということでございます。環境アセスメントについて一度も議論されていないので位置づけを明確にしておいたほうがよいというご指摘、あるいは実際の公共水域の水質測定データは実際の解析に使うには使いづらく整理が必要だ、また環境分析について環境分析値の信頼性といった面から実際の調査機能の重要性を再確認いただきたいというご指摘でございました。こちらについても対応させていただいております。
 人材育成でございますけれども大きく2つの趣旨のご意見をいただいております。1つは地方環境研究所の在り方についてということでございまして、人材育成について地方環境研究所の人材をうまく活用していくべきである。あるいは研究所の力が弱まっているので環境省として在り方を考えていくべきである。さらには環境のために各地域で何をすべきか、という観点から考えるべきであるというご指摘、あるいは人材育成について民間にも専門的な人材が存在するのでそういった人をうまく活用していくべき、あるいはまた外国人の方を研修生として受け入れる制度について検討を始めるべきというなによりも人材不足が深刻であるといったようなご指摘でございました。あわせて政策のマネジメントサイクルとの関連についてご指摘いただきました。これらについて、最終取りまとめで対応させていただいております。
 人材育成と技術開発両方に関わってくるご指摘でございます。技術開発・技術活用普及について技術の再生産とそれを担う人材を確保し続けることが重要である。予算面でも頑張っていただきたいといったご指摘、あるいは地方の小規模事業者において地域資源を利用した新しいビジネスを考えているのでこういった地域の環境のコーディネートを含めてやっていく研究所があるとありがたいというご指摘でございました。また技術開発につきまして生物系に関して遺伝子工学的な手法といったものを開発していくべきであるというご指摘でございました。またより効率的な研究開発の在り方についてもご指摘がございました。これらにつきまして人材育成あるいは技術開発といったところの記述をさせていただいております。
 最終6ページでございます。環境教育普及啓発ということでございまして湿地帯の保全、これらについて自然分野と一緒にやっていく仕組みが必要ということでございます。統合的な環境管理の検討こちらの意味を明らかにしていただきたいというご指摘、政策のマネジメントサイクルにつきまして客観的に見られる評価が必要であるといったようなご指摘でございました。それぞれ該当する部分にて対応させていただいております。
 それから全体的なご意見といたしまして排水規制だけでなく、全体について基本的・根本的な考え方を整理する必要があるというご指摘、あるいは水環境を取り戻そうという再生の視点といったもので目標を具体化していく努力が必要であるというご指摘もございました。これらは全体的なご指摘でございましたので、最終取りまとめのおわりのパートで記述をさせていただいております。資料3−2の説明につきましては以上でございます。

【須藤座長】簡潔にご説明いただきありがとうございました。前回の意見については概ね後の説明である取りまとめ案の中でお答えをいただくというか、対応いただくことになっております。それ以外のところのご説明もいただきましたの、で取りまとめ案に含まれていない部分のところを中心にご質問あるいはご意見ございますでしょうか。たとえば湖沼の問題、それから、気候変動の問題とかいくつか今回の取りまとめ案で対応していない問題もありますので、どうぞ。なければ全部一括してやってしまったほうが分かりやすいと思うので、それでは今後の水環境の保全の在り方について、取りまとめ案として整理をいただいております。これが本日の中心の議論でありますので、熱心な御討論をお願いします。まずは吉田課長のほうから環境保全案について御説明ください。

【吉田水環境課長】それでは資料4−1、4−2、4−3とありますが4−1は全体を示したものです。4−3につきましては説明用の参考資料ですので、本日は4−2で説明をさせていただきたいと思います。これまでご議論いただきましたことを取りまとめ素案という形で整理をさせていただいております。なお事前に送らせていただきましたが若干変更した点がありますので、その点ご容赦いただきたいと思います。それでは最初から、ポイントだけになりますが説明をさせていただきます。目次については中間取りまとめの段階と変更はございません。ただ今後の取組のところを5−1、5−2、5−3というように3つに分類しています。それから次に1ページ、はじめにでございます。ここでは取りまとめる上での全般的な課題、それから、今年まとめました水環境戦略タスクフォース報告これを踏まえたものにしております。それから2ページからがこれまでの取組ということになります。2ページ目は旧水質二法の取組から近年にいたるまでの主に水質改善の話を書いておりまして、3ページは第一次環境基本計画以後ということで、水質に留まらず総合的な水環境といった観点でとらえていこうといったような取組を記載しています。4ページからが水環境の現状ということでして、(1)公共用水域における水質の現状、これは公共用水域全域では徐々によくなってきておりますけれども海域ではまだ横ばい傾向であるといったことです。5ページが水環境の現状と課題、どちらかというと課題に力点を置いていますが、まず水環境について世論調査でどれだけの人が満足しているかということで、以前に比べて増えた感じはありますが、まだ満足している方が4割にとどまっているといったような状況。それから図3のグラフでは、一方で水環境に対する関心が薄らいできているというような状況があります。文章のほうでは6ページの一番上ですが、水質の安全性に関してということに関して多種多様な化学物質、最近では医薬品・パーソナルケア用品というような物質が検出されているといった実態が報告されているということ。それからグラフの下になりますが1行目の右端です。一部事業者において不適正な事案が見られるということ。その下には水質事故の話、あるいは地下水の汚染の事例を書いております。一方、下の方の段落ですが、世界の環境問題あるいは海洋環境問題について記載させていただいております。7ページが気候変動ということで温暖化についても懸念があるという話を、そしてそのような現状と課題を踏まえまして8ページが望ましい水環境像ということで、ここでは場の視点・循環の視点これが重要だということ。それから水環境の構成要素として、中段ですが、水質・水量・水生生物・水辺地、これらを総合的に考えていこうということ。具体的な水環境像としましては、良好な水質で適切な水量・土砂移動、あるいは湖沼、次の9ページには海域ですとかそういった水環境のイメージを記載させていただいております。 
 9ページの下の部分ですが、こういったことを踏まえてそれぞれの地域特性に応じた水環境像を作り上げることが重要だと。地域固有の話ですとかあるいは地域の住民が誇れるものにするとかいったことが望まれるということで、またその作り上げるに当たって住民の声を反映するなど様々な工夫が期待されるということを指摘してあります。10ページからが水環境保全の目標といったことになります。今申し上げた望ましい水環境像の実現に向けましてどういう指標・目標を設定していくか。現在、環境基準がありますが、この課題を含めた記述とさせていただいておりまして、ここの前段部分は環境基準の性格といいますか位置づけ的なものを書かせていただいております。その下(1)で健康項目、ここでは健康項目含めまして要監視項目の扱い、それから今後考えられます化学物質といったものへの対応、こういったことが課題と書いております。11ページは生活環境項目ということでありまして、ここでは中段の特にから下でございます。底層の溶存酸素量あるいは透明度といった新しい指標の検討、その下には大腸菌等の衛生指標、そして一番下には水中生物保全に関する環境基準これもまだまだ十分とは言えない状況だといったようなことを書いております。そして12ページにはもうひとつ総合的な指標が求められているといったようなことを書いておりまして、今まで名水百選ですとか、快水浴場百選といったいろいろ評価項目をいただいております。そういったことも取り入れた水環境指標と、昨年、2009年版、下から5行目ぐらいでしょうか、水辺のすこやかさ指標といったものも取りまとめておりますが、これのさらなる改善に向け河川管理者の方でも検討されておりますので、そういったものとの連携をしていくことも重要と書いております。そして13ページからが今後の取組ということで、5−1では水環境に恵まれた社会の構築として順番に説明をさせていただきます。まず(1)が湖沼の水質改善といたしまして、現状としては環境基準の達成率は低い一方で外来種・漁獲量の減少あるいは利水障害ですとか親水機会の減少、求める湖沼像も多様化してきたような課題があります。そういう中でこのため以降ですが、先ほどありました底層DO、透明度という新たな指標を設定することが重要。一方、のところで湖沼の汚濁メカニズムの解明、それからまた以下ですが、現在の水循環の保全を視野に入れた自然浄化機能を活用した湖内対策や流域対策。そしてその下、なおのところでは2行目の右端からですけれども、窒素、りん等の栄養塩を含む物質循環の管理についても留意としておりまして、一番下にはこれらの要素を踏まえまして湖沼法の改正等に繋げていくべきと書いております。14ページからは閉鎖性海域の水質改善ということで、ここも環境基準の達成がいまだに不十分ということで中段のこのためからですが、第7次水質総量削減の在り方、これを含めた水質総領の削減を着実に推進していくと。これは湖沼と同じでございますけれども、底層DOなどの環境基準化の検討。さらには、また以下で窒素・りんの排水規制が適用される閉鎖海域が現在88ありますけれども、これをすべて見直していこうといったことが重要。15ページではさらに進みましてそういう栄養塩の管理など加えて里海の創生の推進、こういったことを様々な主体の参加で進めていくべきだということです。(3)が未規制の小規模事業場等からの負荷への対応ということで、これは規制対象の負荷削減が進んでいますので、結果的に未規制事業場からの負荷の割合が増えてきたということで、これは地域の問題としてとらえるべきであろうということから、その下に、そういう意識を浸透させる中で個々の事業場についても検討を進める。あるいは事業者のインセンティブといったこと、さらにはアドバイザーの活用といったことが考えられるということです。また16ページのほうに移りまして次は生活排水対策でございます。これもまだ下水道等の接続がなされていない家庭もありますので、そういったことがかなりを占めているということです。引き続き普及活動を行っていくということが重要ということです。(4)は面源負荷への対応ということで、結果的にこれが占める割合が増えているわけですが、その1行目の段落にありますように実行できる処方箋が確立していないという状況があります。そういったことからまずは状況の把握ですとか、あるいはこれまで行った効果の検証、効果的な対策の検討ということと、下にありますような地域住民の協力を踏まえて今後の協働の在り方を検討することが必要だということにしております。(5)は新たな排水管理の検討ということでこれまで排水規制は順次拡大しておりまして、中段にありますように有害物資で27、その他で15という項目がございます。今後そういう物質がますます増加していく、さらには毒性情報についても未知の部分が多いといったことで、バイオアッセイといったものも活用しようといったことでございます。これは17ページですが、WET手法の有効性の検討さらにはその下のPRTR情報、こういった情報の積極的な活用ということを書いております。(6)排水規制の在り方に関する検討について、これは今までの排水基準とそれが難しい場合の暫定排水基準の設定ということですけれども、場合によっては、今後その項目がさらに増えていくということになりますと、改めて考えるべきということで、下から2行目ですが、社会全体を考慮しながら水環境全体のリスクを低減させるという観点で、排水規制の在り方について検討を行う必要があるということです。次に人と水とのふれあいの推進ということで、水問題に関する関心があまり高くないという話を先ほどさせていただきましたが、ふれあう機会が少なくなったのではないかということで、下から4行目ですがとりわけ子ども時代の体験が貴重だということで、水を大切にという気持ちを育んでいただくためにもそういうふれあい活動を支援する。あるいはそれらの活動を広げていく、それらの政策の展開が必要ということであります。18ページは(8)で水圏生態系の保全と生物多様性の確保ということで、中段5行目6行目にもありますように、先般開催されたCOP10でも、愛知ターゲットが採択されております。そういう生物多様性の確保といったことが重要ですので、それらを視野にいれた取組ということで、流域全体を視野にいれながら水辺を含む流域にふさわしい生態系の環境保全に取り組むことが必要というふうに書いてございます。18ページは(9)事業者の不適正事案への対応ということで、下から5行目にございますように今年の5月に水濁法一部改正、この制度が着実に施行されるように取り組むことです。(10)水質事故への対応、これにつきましても同様水濁法の改正が行われておりますので、着実になっていくかと思われます。19ページ、11に入る手前2行ですね、地方公共団体に設置されています地方環境研究所、ここにおいて水濁法に対する的確な役割、例えば事故時の対応で通報をするわけですが、通報がなくて原因がはっきりわからないような場合の対応といったケースに、どういった役割を果たしていくかということをこれからも考えていくべきであろうといったことでございます。(11)は地下水・土壌汚染対策ということで、次の20ページをご覧いただいたほうが良いかと思います。20ページ上から4行目、現在中央環境審議会で地下水汚染未然防止小委員会というところで審議が行われているところです。この審議結果を受けまして必要な制度など具体的な検討を加えていくということであります。(12)は海岸も含めた海洋環境の保全です。これにつきましては2つ目の段落にありますように、バラスト水管理条約の採択、その下にあります海底下地層への二酸化炭素の貯留、その下、二酸化炭素の越境移動、こういった条約関係あるいは議定書関係を踏まえた対応ということで、具体的には下から8行目・9行目あたりですが、外来生物導入対策ということで、バラスト水管理条約の早期批准・早期発行へ向けた取組を行っているということです。またあわせまして一番下の行です。海岸漂着物、これが全国の海岸で問題になっているということで次、の21ページですが、昨年7月に新しい法律が制定されたところです。その円滑な処理と効果的な発生抑制を図るといったことが不可欠だというふうに言われておるところですが、一方で海岸漂着物は外国由来のものも多いので、これの対応ということで、北西太平洋海域においては日中韓ロがNOWPAPといわれる活動あるいは活動への参加の支援、これを含めましてこういった海洋汚染・海洋ゴミの問題に連携しながら対応していくことが重要だと記載しております。(13)は気候変動への対応ということで、水温上昇が見られておりますので、そういった諸データの蓄積、それから将来の気候変動に伴う変化の予測、想定される影響への適応策の検討といったものが必要であろうということです。22ページ目からは5−2といたしまして、水環境分野の海外展開といたしております。まず1つ目が水問題への国際貢献。ここでは1行目右端にあります、国連のミレニアム開発目標、それから同じ段落で下から4行目・5行目ですが、我が国は食料の輸入を通じて膨大な水を世界に依存しているということ。従って日本国民の生命・食料の安全保障に直接する問題。さらにはその水がつながっておりますので海洋汚染等の水問題、これについても我々として率先して取り組むべきであろうといったようなことから、国際貢献というのが我が国の役割として必要なものだとしております。あわせまして次の段落の4行目にありますように、そういった国際間の調整、制度づくりでイニシアティブを発揮することで、我が国が不利益を被ることはリスクを軽減させることにもつながるといったようなことも想定されます。
 具体的には下から2行目です。アジア水環境パートナーシップWEPAと言っておりますが、ここを通じまして施策・技術情報の共有、それから政策担当者の資質や水環境ガバナンスの向上といったものを図っていこうということです。さらにアフリカの湖沼における総合的管理計画の策定支援を行っていこうということも重要だとしておりいます。24ページが水環境ビジネスの海外進出支援ということで、そういう国際貢献を行っていく一方で、近年急な経済発展を遂げているというアジア諸国で、水質汚濁などの環境問題、これは日本が過去に直面してきて克服してきた課題というのを抱えながら成長してきておりますので、こういう技術や制度を導入することで、そういう水環境を改善していこうということは当該国にとってのみならず、我が国の経済成長という観点からも有意義だというふうに考えております。ということで制度づくりあるいは計画策定に早期から関与することでビジネス機会の拡大を図るということが重要であろうということでございまして、具体的な例としましては、中国の窒素・りんの高度処理施設の輸出、あるいはアジア諸国への多様な水管理政策、運営面を含めたパッケージ化した技術の展開をしていくことなどが考えられるということであります。
 それから中段以降5−3水環境戦略を推進する基盤づくりであります。これは着実に実施すべきものとして整理させていただいております。まず1点目が水環境のモニタリングとデータの蓄積ということで、これは表題どおりですが、下から5行目以下にありますようにいろんな所にデータが蓄積されているということ、あるいはアセスメントに伴う調査も存在しているということで、そういったデータを一元化することも重要であろうというふうにしております。 
 次に25ページが人材育成です。貴重な人材が大量定年期を迎えているということを踏まえまして、2段以降ですが大学・企業・地方公共団体こういった方々との連携、それから地方環境研究所の活用、これらも視野にいれて人材育成の場を増やしていこうということにしております。それから3点目が技術開発と技術活用の普及ということで、これはやはり先ほど国際貢献のところでもお話しましたが、我が国が取り組んできた課題こういう技術を活かしていこうということと、あわせまして下から3行目にございますように、国内においても、水質に限らず広く環境改善に資するソフト的なものも含めた技術開発や活用が求められるということであります。4点目が環境教育・普及啓発、少しダブる部分ございますけれども、一人一人が水の大切さ・ありがたさを認識することが重要ということで、下から4行目でございますけれども、環境教育の題材としての干潟・湿地等の活用、あるいは川で遊ぶ子どもを増やすといったこともこれから進めていく必要があるということです。26ページ5点目、総合的な環境管理の検討ということで4行目にありますように、環境保全に関する取組や水質保全だけでなく、資源循環や温暖化など広範多岐にわたって考える中で総合的・効率的に進めることが望ましいであろうということで、そういう企業の自主的な管理も含めて総合的な方策を検討すべきだと示しております。最後の6点目が政策のマネジメントサイクルの確立ということで、全ての項目に共通することでございますが、PDCAのサイクルを回しながら政策を展開していこうということです。そして27ページにおわりにということでまとめをさせていただいております。3行目からですが今後の取組のとりまとめにおいては現在の検討を踏まえて早急に行うべきこと、それから施策の方向性に従って議論を進め具体的な成果を得ること、これを明示すると。さらに中長期的に考えていくことも重要であるということで、これまでの水環境行政、これも大きな成果をあげてきたわけでありますけれども、近年の生活様式の変化あるいは今申し上げた生物多様性の視点、それから地域性の重視そういったニーズや考え方の多様化といった中で、総合的あるいは多様な取組を可能とするようなよりよい仕組みの構築ということについても、議論を始める段階になっているとしておりまして、いわゆる仕組み論も書かせていただいております。最後にということで、この取りまとめは第4次環境基本計画に反映することによりまして、他の省庁あるいは地方公共団体と連携を図りながら政府全体の水環境行政を改善することが必要であるということでまとめをさせていただいております。

【須藤座長】 どうも吉田課長、簡潔にご説明いただき有り難うございました。それでは先生方からご意見をいただきますが、今年になって21項目の取組を挙げて、それを3章に分けて今回整理をしたということです。昨年度の中間取りまとめの分も全てここに入っているということですし、先ほど省略をいたしました質問に対する対応というのは、一個一個については、今課長からはありませんでしたが、先生方それぞれに質問された方、この中に含まれて記載されているということです。これから議論に入りたいと思います。本日は16時まででございます。1時間少々ありますので一通り先生方からご意見をいただいた後、相互の議論も可能であればしていきたいということです。どこからということではなく、どこでも結構でございます。浅野先生の方から順番にお願いします。

【浅野委員】最初からこういうテーマでこんなまとめ方をすればしようがないことですが、何でも書いてあるけど何にも書いていないということです。何を目玉にするのか、私が担当課長ならまずそれを考えますが、何を目玉にプレスリリースするのでしょうか。

【吉田水環境課長】正直申しましてこれが目玉だというふうにはまだなっていません。そういう意味では今日のご議論も踏まえながら我々としてはどういう整理をつけていくか考えたいと思います。次回に向けての話になってしまいますが、この取りまとめにあわせまして環境省としてロードマップ的な物をお示しさせていただきながら、ご意見をいただきたいと思っております。

【浅野委員】積極的に何かこれに絞り込めと言う気はないが、これが第4次環境基本計画のベースになっているということを考えますと、例えば現在これだけの課題・問題があるということはわかるが、次の第4次環境基本計画でどこを重点的にきちっと解決しなくてはならないのか、これまでの基本計画では水循環というキーワードで水環境政策の課題を比較的わかりやすく説明してきたが、今回のペーパーはそういう意味でのわかりやすさが無くなってしまい、もう一回原点に戻ってあらゆる課題・問題を掲げているという意味では視点が広がり過ぎているのではないか。これだけさまざま問題があるという指摘は当然ですが、それをもう一回きちっと絞り込むとしたら何が重要なのか。例えば、今の環境基準のようなやり方はもはや耐えられない、そこに決定的にフォーカスを当てて、良い水環境を確保するためにはどういうことを基準として考えるか。そしてそれを実現するためにはどういうふうに新しい水環境を保護するか。もう一つは、循環だと低炭素社会、循環、生物共生というキーワードがいつも使われているが、水環境のほうもそういう意味では他の分野との関係みたいなものを整理したほうがよい。少なくとも生き物とのリンケージはわかっているし、気候変動とのリンケージもわかってはいる。何かそういう意味で一言で言うという見せ方がやや足りないと思います。

【猪狩委員】気付いた点を前からお話しします。1ページのはじめにですが、水生生物の生息環境への変化の懸念は、影響への懸念と直した方がいいと思います。あとは、下から2行目のところですが、このような状況と「水環境戦略タスクフォース報告」の内容を踏まえとなっていますが、水環境戦略タスクフォースというのは、その上に載っておりますのでこの水環境タスクフォースの内容は削除してもよろしいのかなと思っております。次のページになりますが、しかしの所、地方公共団体におけるとなっていますが、水質汚濁防止への独自の取組に追加して下さい。3ページになりますが、上から4行目のところで、水質、水量、水生生物、水辺地となっていますが、並び方の問題ですが下から6行目、水質、水量、水辺地、水生生物になっていますので、同じような形で水生生物を前に持ってきた方がいいと思います。
 11ページになりますが、生活環境の保全に関する環境基準(生活環境項目)という項目でございます。古い資料で話していますので行数が合わないかもしれませんが、DOや水素イオン濃度など評価方法が定まっていない既存項目の評価方法とあるが、これについては既にこういった生活環境項目を定めて、水質測定の結果においては有効な水質指標として用いられている。特にCODについては評価の対象にしています。DOや水素イオン濃度などは評価の対象としていませんが、重要な項目になっている。評価方法が定まっていないというよりも、ここではより有効な評価方法の確立という表現のほうがよろしいと思う。次のページですが、水環境の総合的な指標の下から3行目ですが、「管理指標として指標の」となって指標がダブりますから、「管理指標としてその目標水準」にしたほうがよろしい。
 15ページになりますが、(3)未規制の小規模事業場等からの負荷への対応ですが、これについてはお手元の資料の4−1も同じ並び方ですが、4−3を見ますと並び方が違う。4−3では新たな排水管理手法の検討、排水規制等の在り方に関する検討が先にきている。要するにここのところで、順番として優先順位として未規制の小規模事業場のものが一番重要なものと位置づけるのではなく、4−3と同じような並びで最初にまず排水規制についての新たな排水管理手法の検討が先にくるような並びの方がよろしいのではないかと思います。今の(3)でございますけれども、2行目のところに汚濁負荷削減が進んでいるが、“いるが、そのため”というのはちょっと表現的におかしいので、進んだ結果、そのためは除いた方がいいのかと思う。その下の行で、小規模事業場が集中している河川ですが、河川に小規模事業場が集中しているわけではないので、集中している流域の河川と、流域を足してほしい。
 18ページになろうかと思いますが、(9)の事業者の不適正事案への対応でございますが、さらに事業者や地方公共団体の…となっているが、2つ合わせて書いてありますのでどっちがどうなっているのかわかりません。地方公共団体において的確な遂行が困難になりつつあるというのは非常に誤解を生じますので、事業者と地方公共団体を分けて書いた方がよろしいと思う。
 次のページになりますが、(10)の水質事故への対応でございます。一番下に適確とありますが先ほどの(9)の的確な遂行が困難になりつつあるというのと意味は同じだと思いますので、的確を使った方が良いと思います。この中で地方環境研究所などにおいて、水質事故に対して的確な役割を果たすための体制維持、向上にも留意すべきであるとなっていますが、今回は地方環境研究所の在り方についていろいろな形で盛り込まれている箇所が後にも人材の育成のところで出てきますが、この地方環境研究所における研究機関としての役割からしますと、事故への対応だけではないので、もうちょっといろいろな意味で地方に置かれている地域的な水質における問題における研究や、研究についての課題解決とかそういったところに役立てるという書き方をしていただきたい。ここに書いてもいいですし、他のところにもう少し散りばめてもいいです。
 21ページになりますが、細かいところで申し訳ないですが、19年には二酸化炭素の海底下地層貯留に対応する…となっていますが、その下のおこなったは漢字にした方がいい。次の(13)の気候変動への対応ですが、前述のとおりと言っていますが、前述の文章が無いのでコメントがどこを指しているかわからない。表現を変えた方がよろしい。
 25ページですが、(3)の技術開発・技術活用普及というところだが、技術開発を促進させる仕組みを検討していくとあるが、そのため、表彰制度…を後に持ってきて、仕組みとして表彰制度等を検討していく…とした方がいい。後に入れた方がいい。おわりにのところですが、真ん中のこれらの変化にも適切に応えるべくとあるが、迅速に応えるということにもなるが、その下に徐々に施策の展開をしていくようなので、適切に対応と徐々には合わない。本当は着々とか、そういった表現がよろしいと思う。最後になりますが、委員の名簿が前任者の名簿になっているので、私の名前を入れていただけたらと思う。

【須藤座長】文章を丁寧に見ていただきまして、たくさんのご指摘を有難うございました。続けてお願いします。

【及川委員】中小企業の方に読んでいただきたいと思っております。そういう時にカタカナですとか難しい言葉については注釈を付けていただくと大変有難い。在り方ということを見たときに、今後の取組ということで13ページ以降書いていただいているが、在り方の時に、哲学的な大きな次の目指すべき道しるべみたいなものを入れていただくと、企業家にとって有益な取りまとめ報告になると考えています。

【須藤座長】おわりにの中でまとめた方がいいということですね。

【及川委員】そうです。

【大木委員】全体として何点か感想等を含め申し上げさせていただきますまず、10ページの目標の中の人の健康の保護に関する環境基準ですが、ここでリスク管理という言葉が出てきている。このリスク管理の中にリスクコミュニケーションの視点のようなものも含めてもいいのかなと。というのは住民自身がさまざまな化学物質を使っているという現状がある。そういったことも含めた方がいいのではないか。
 13ページになります。本題が5の今後の取組になりますが、タスクフォースの骨組みから項目分けをしているということで5−1から5−3と分かれていますが、その5−1に入る前に文章があるが、ここのところに5−1から5−2、5−3の体系的なことについて簡単に記述すると、個別課題にすっと入っていきやすいのではないかと思いました。
 15ページの閉鎖性海域の関係ですが、その中で最後の方で人と海との復縁を進め、という言い方がされている。ここはつながりの回復と言った方がいいのかと思う。
 17ページの(6)で排水規制の在り方に関する検討の中で、直接は関係ない話ですが感じたことがあります。一律排水基準の中に()で都道府県において必要に応じ上乗せ基準の設定が可能と非常に小さく書いてありますが、改めて水濁法を読んでみますと、それが上乗せ基準というのが一種の流域管理の考え方という気がいたしました。埼玉県でも当初汚濁状況等から言って全県を一区域で上乗せ基準をやっているが、河川水質の改善に伴って現状で改めて見直す必要があるのかと思っております。そういう中で、この水濁法の上乗せ基準の考え方はそのまま現在でも使えるというふうに感じました。そういう意味で、上乗せ基準の制度、仕組みの再評価のようなことを書いておいた方がいいのかなという気がいたしました。関連して、全体にわたってこれまでの取組の評価が控え目なのかなという感じがいたしました。(7)人と水のふれあいの推進ですが、これに関連して(3)の未規制小規模事業場等からの負荷への対応の最後のところに、「気づき」「見える化」というような工夫と入っているが、この「気づき」「見える化」というのはむしろ人と水のふれあいの推進の方のキーワードになるのかなと思いました。
 18ページ(8)の水圏生態系の保全と生物多様性の確保、ここで冒頭従来、水環境保全は人や生活の観点からのみであり、とのみが強調されている感じがしました。例えば水生生物保全環境基準とか、生態系保全に一歩踏み込んでいるということが言えるわけあり、その辺についての自己評価といったことも必要だと思いました。
 24ページですが、(2)水環境ビジネスの海外進出の部分ですが、ここのところで水環境分野の専門家、実務者でしょうか、の派遣等により…とあるが、埼玉県でもこういったところでの取組を始めているところですが、自治体レベルで海外での活動に耐える人材の発掘、あるいは育成の観点からもこの部分は捉えられるのかなと思いました。人材育成で次の5−3につながっていくのかと思いました。この5−3のソフト基盤づくりということなのでしょうが、キーワードとして地方環境研究所の話がたくさん出てきます。自治体によって環境研究所の位置づけ、役割は少しずつ異なると思いますが、行政に対する提案、つまり行政に役立つ研究ということではなくて、一歩踏み込んで行政に対して提案とか提言をしていく実績がある場合、あるいは啓発活動でも研究員が現場に入って啓発活動を行っているということ、海外研修生、研究生の受け入れや交流等が積み重ねられているということがあれば、ここでの課題にぴたりとはまるのではないかと思います。特に行政と比べて研究機関ですと連続性が保てていると、一つの基盤づくりの拠点になるのではないかと思いました。最後ですが、26ページのマネジメントサイクル、PDCAサイクルですが、ここに議論の中で指摘があった生態系を対象にした場合は順応的対応が必要ではないかというご意見が確かあったかと思いますが、ここのマネジメントサイクルの中に順応的対応とか、そういった記述があるとまた違ってくると思います。

【太田委員】全体的な話と個別の話をしたいと思います。まずは個別の話です。資料4−2の15ページ「未規制の小規模事業場からの負荷への対応」の第2文節の「このため」以下の記述についてですが、資料3−2の「第8回検討会における意見と対応」の2ページにあるおそらく私の意見に関連してお書きいただいているのだと思いますが、所謂テーマと対応について若干ストンと落ちない感じがします。私が申し上げたのは、いろいろな取組の提案が社会の様々な活動主体にうまく受け入れられないと、アクションにつながらないのではないですかということでした。そういう意味ではこの項目でなく、最後の「マネジメントサイクル」につながる意識で申し上げたつもりです。もちろんこの項目での記述も大事だと思いますけれども、若干違和感があるということを申し上げておきます。
 次に17ページの「人と水とのふれあいの推進」ですが、実務的な意味合いでは、水とのふれあいを水の意識を高めてもらうために進めるというという考え方は、私も行政にいた立場からよくわかります。しかし、国民の視点から言うとむしろ水とふれあう場が増えれば、それはそれ自体で意味があるわけですから、むしろここのロジックとしては、国民にそういうことを理解してもらうために場を増やすんだというのではなく、まずはそういう場をたくさんつくっていきましょうとするべきではないでしょうか。そうすれば結果的に理解も深まっていくというロジックのほうが、この報告を読まれる方にすんなり受け入れられると思います。行政から教えられるまでもなく、水とのふれあいをすれば自ずと意識が高まっていくという自然なイメージが出るのではないでしょうか。むしろこの項目でのそうした記述を受けて、後ろの方の環境教育とか普及啓発とかの項目の中でただ楽しんでいただくだけではなくて、そういう場を活用して普及啓発をうまくやっていったらいいというふうに記述すれば両項目の位置付けがはっきりすると思います。ここのところは、水環境に恵まれた社会をつくるための方法を述べているので、もちろん意識の高い人たちもおられる社会ではあるのでしょうけれども、手段と目的が若干前後しているのではないかと思いました。
 それから全体的な話については、冒頭に浅野先生がおっしゃったことと共通していますが、この報告書から出されるメッセージは何なのかが分かりにくいということです。行政の立場から言うと今取り組んでいる、あるいは喫緊に取り組まなければならないことがしっかりこの中に位置づけられている、これもよくわかります。ただ、世の中をどう変えていくのか、次のステージは何なのかというメッセージが少し足りない。実行されなければ意味がないということから言うと、実行の旗振りを担う環境行政というのはいま難しい状況になっている。公害問題がきつい時は国民の応援もあるが、対策が進んで安定状態になってくるとそれが当たり前になってくる。もう一つは地方分権があって、地方でしっかり対応してくださいとなるが、組織的にもそんなにたくさんのスタッフがおられない。そういう中でどう回していくかということが、最後の施策のマネジメントあたりのところでもう少し具体例を含めて述べていただいたらどうかと思いました。なぜメッセージが足りないのかというと、例えば全国各地で抱えている問題はそれぞれ違うからだと思うのですね。各県ごとに対話をしていって、対話の中でここの県ではこの項目を中心に対策をやっていこうとか、そういうものをマトリックスにでも整理してみてもよいのではないでしょうか。そういうことを通じて問題意識を共有するとか、前回も議論があった人材とか情報とかの共通基盤をつくるような作業が進めばよい。行政だけに依存できないとすればそれを支えるような体制をどう構築していくか。NPOの役割も含め、構造化と言いましょうか、しかもそれが持続的に動いていくようなものを、環境省さんに考えて頂くべきだと思います。まさにそれを運用するのがマネジメントサイクルかもしれない。そういう意味で、マネジメントサイクル自体が国レベルのサイクルもあれば、流域やプロジェクトレベルのサイクルもあって、それらが相互に行ったり来たりの情報で全体がコントロールできているという状態が望ましいわけです。情報の共有とか目的意識の共有あたりは、非常にこれから重要になってくると感じますので、その点の工夫をいただければと思います。

【須藤座長】奥村委員ですが、事前にペーパーとして出していただいています。

【奥村委員】はじめにのところですが、タスクフォースの報告が引用されています。私はこれには賛成しかねます。なぜならば、当日私は体調不良で欠席しましたが参考資料としてご提示されていて、その時既に報告書は出来上がっていました。そのご紹介があったと議事録から理解していますが、中身について議論されたかどうか私はわかりません。仮に引用するとしても報告書を見て最初に驚いたが、4ページ目に食糧自給率云々なんたらと書いてありますが、これはそもそもイギリスのトニー・アランという人が開発した、経済学者だと思いますが、要するに水の取り合いがなぜ無くなったかと言う事を示す経済モデルです。これは「アラビアのロレンス」という映画を観られた方は覚えてらっしゃるかもしれませんが、ロレンスがガイドを連れて目的地へ向かっているときに、ガイドと共に井戸の側で休みます。そこへ向こうからラクダに乗った人間がやってきてガイドは驚き慌てます。ライフル銃を発射されガイドは殺されます。ロレンスに近づいて、その人が言うにはこれはなんとか族の井戸である。無断で使用したらその場で殺されても文句はいえない。ただお前は外国人だから掟の適用外として殺さなかった。それで旅は続きますが、要するにそれくらい水の取り合いがひどかった。それが90年頃無くなったことに気づき。なんでか。それでこの人がモデルを作ったんですが、結局それは当たり前であって、水を必要としていた資源を外から買ってきた。もっと分かりやすく言うと水と油を交換したと言ってもいいが、そういうことから発生しまして、英語でrivalという言葉がありますがこれは川の水の取り合いから発生した言葉で、つまり世界各地で水争いがある。日本でも江戸時代から続いていると思いますが、要するに水が豊富な場所の資源を活用して、それでビジネスをやっている事を示すに過ぎない。現地においては、資源の有効利用なわけですね。それをなんか相手に負荷をかけているという表現があったかと思いますが、非常に一面的な見方であると私は思っています。さらに、TPPでいろいろ政治的に動いていますが、農産物の輸入に直結しているような話で、これこんなふうに書いていたらちょっといろいろ具合悪いんではないかなという危惧をちょっと持っています。従ってこれを引用する必要は何もないんじゃないか、なかったらこれ困ることがあるのかと思っています。そういう理由によって、図11は削除すべきだと思います。 
 非常にミスリーディングだと私は思います。9番の7ページで、水環境の現状についてここでは水環境が良好でないと、これ何に基づいているのか記入してもらえると、何かのアンケートかと思います。それから更に健康の保護に関する環境基準、健康項目ですが、私の頭では意味がわかりません。もともと人健康の環境基準というのは、そのレベル以下であれば一生涯健康被害が起こらないということで決められていると理解していますが、それが未然防止でなくて何なのかということで意味がわからない。未然防止というのは他に意味があるのか。どうも人の健康被害の未然防止はちゃんと達しているのではないかと思っています。
 後は細かい話なので事務局の方でご覧になって下さい。最後ですが、PDCAサイクルというのが後ろに出てきますが、これまでの施策、あるいは進行中の施策の検証について、PDCAサイクルをやるということが触れられてないような気がするので、今やっている施策もPDCAをやるべきと思います。

【笠松委員】大きく2つなのですが、8ページ望ましい水環境と書かれているところで、下から2行目、良好な水質で適切な水量の河川と書いてありますが、水質のことをずっといっぱい書いてあるが水量のどうあるべきか、望ましい河川はどれくらいの水量があるかということは、何も書かれていないように思えます。唯一19ページのところにこれくらいの水量がありますと書かれていますが、例えば12ページの総合的な指標のところでもいいですから、量的な面からのアプローチを書けないのか、少し頭出しだけでもしておいてもらえないかなと思っています。大阪のような都市域では、水は河川に流れていますが使いにくい。最近使えるかなと思っている水に地下水があるのですが、これはなかなか使えない面があります。河川水を汲んで捨てるというのは、水利用面でなかなかできない。可能であれば地下水を使いたいなと思ってもなかなか使えないというのが現実的にある。今後の街の望ましい水環境の一つとして、適量の水が近くにある住みよい街を考えたときに、新たな資源として利用できる水として地下水はあるのかなと思います。使いたいなという意味で、地下水を汲み上げて勝手に川に流せとまでは言いませんが、水が流れるような川にして欲しいなという想いでどこかに入れて欲しい。
 もう一つは、24ページに水環境ビジネスの海外進出支援というところで、下から4行目にパッケージ化して展開させることが考えられると、これはよく新聞等でも見られるところです。こうやって海外はやって成功していますよと、逆に言うと日本はそれできていませんよと取れる。日本でこういうパッケージ化するとした目で見た時に、今ある事例はこれとこれをつないだらサクセスストーリーになりますよというようなことが、どこかに書けないかなと思います。現状でもいいですし、今これをやっているけれども、こういう連携をすればパッケージ化してその後海外展開するときのモデルとなるネタはあるんですよ、ということが表現できないかなと思います。

【中杉委員】先程浅野委員が言われたこと、何も光ってこないということですが、前の中間報告取りまとめの時と同じ議論をしているのですね。この中で何をすぐにやらなければならないところと、そもそも根本的に考えないといけないところの見極めがついていないのではないか。浅野委員が言われた環境委基準自体の在り方をどうするか、いろいろな矛盾があるわけです。この中に、細かく見ると入っている。しかし、もっと大きな意味でどうするか議論をする必要がある。そういう議論をする時期にきているのではないか。それに絡んで、人の健康項目で言うと、自然由来についてどう考えるかということがあります。利用の形態に応じて基準値を設定しているが、水道利用の基準を満たしていない霞ヶ浦の水を何年も水飲まされ続けるのは何なのだ、何年も飲まされているけれども、飲まされ続けるのは何なのか、そういうことも含めて見直す必要がある。COD、BODについてもTOCに変えてはどうかという議論はずっと前からある。すぐできる話ではない。そういうことの検討をやりますよ、というのを一つ出すだけでもいい。それはすぐに答えが出るわけではない。今すぐに取りかかってやらなければならないこともある。例えばDOの問題はそうです。そうではなくて、もう少し複雑にとらえていくのは何なのかっていう整理が見えてこないとメリハリができてこないのではないかと思います。
 もう一つは、水環境の現状のところで公共用水域ほとんどが大丈夫だよ、という話なのですが、でも残っている部分がいくつかあるよ。1%残っていますよ、それをどういうふうに考えるかなんです。1%を問題ないと整理をする考え方もありますが、残っていることを考えないと今年の環境基本計画の見直しもそうですが、私が同じ指摘をしたのですが、残っていますと強調しなさいと申し上げたのだけれど、これはそういうふうに書いていかないと次にやるっていう意味合いが出てこない。すべての健康項目に関しては、次の手を打つ必要がないという議論になりかねない。そういう意味で表現を考えてもらう必要がある。他にもいくつかありますがまたそれは文章で事務局へ渡すようにします。

【平沢委員】私も2点ございます。1点目全く一緒でございます。環境基準の在り方、20世紀、21世紀になった時に、環境基準をどうするのだというところで、例えば持続可能なというキーワードを意識した環境基準、それから地域特性も入っていますが、利用形態に応じた環境基準とか、そういうふうに考えれば達成はしてくるかもしれないと思うので、どこかに書いておかないと、個々には入っているような気はしますがなんか見えない。
 2番目は、10ページの排水規制の在り方のところで、これは実は大きな資料にはキーワードが温泉排水とか入っていますが、ここには温泉排水も何も書いていない。もう一つ気になったのは自然由来です。自然由来の物、あるいは自然由来に相当するもの、そういうのをどうしていくんだというのはいつも委員会で悩ましいところなので、それは是非10ページのところにキーワードを入れておいてほしいなと思います。

【細見委員】元々この在り方について検討されたときに、旧水質二法の問題から50年経ったということで、相当新しいというか、相当新しい取組があるのだろうなという、みんな期待をして、尚かつ我々委員としてもそれを提案すべきだったと思いますけども、ひとつひとつ上がってきた課題はみんなそれぞれ各個別の中ではそれを正しいというか、みんな合意されると思うんですけれども、優先順位をどうするかという議論は無かった、あるいは少なかったのかなという気がします。おそらく、昭和30年代後半の劣悪な条件を考えると、50年たった今、ある程度の環境レベルまではもう達成してきたのではないかと思います。タスクフォースの報告書を載せるかどうかは別としても、ただここで言いたかったのはおそらく、グローバルな社会に置かれているということを記述すべきであって、昭和30年代頃の水環境の置かれている状況とは違うということで、一部の国内の問題だけ取り上げるのではなくて、グローバルな視点でこれからの水環境を捉えていかなければいけないという視点をここに入れるべきだろうと思います。それと同時に我が国の問題に限って言うと、人口は減ってきているという状況の中で、どういう風に水環境を保全していったらいいかということ。キーワードとしては持続可能という意味を含む言葉をどこかで入れていかないといけないんじゃないかと。例えば、従来の環境基準というのはある種の最低限を満たす要件で、これが一段進めようと思うと地域独自の上乗せ、特徴のあるような見方、資源が限られた中で何を優先順位に、限られた資源をどう利用して保全していけるかという取組が必要ではないか。今までやってきてこれは足りない、まだまだ足りない点については、何とかある種時限を区切ってでもやるぞということを表明するのもひとつかなと思いました。

【眞柄委員】基本的な問題としてここに書かれていることの多くは、水環境の状態としてのことを記述している訳ですね。環境庁の設立された1970年から国土は大きく変化をしている訳ですね。国土の変化と人の変化、産業の変化、国民生活も変わってきている。水のことで言えば、ダムを日本の国土の中で沢山作ってきた。これは我々が作った新たな水環境なのです。新たな水環境に対して対策が全く進んでこなかった。手段を持っていなかったということだと思います。なぜダムを作ってきたかという、いわゆる水環境を、質だけじゃなくて量の問題もあわせてもう少し議論されるべきではないかということを感じました。水ビジネスもそうですけども、これから途上国でいろんなことがなされるであろうが、やはり日本が歩いてきたように、開発途上国の多くはエネルギーの問題がありますからダムを作っていくだろう。そうした地域に我々は何をするかということを、もう少し量と質とを一体化したアプローチが必要ではないかなと認識しました。
 それからもう一つは、それぞれのテーマに対して、NPOやNGOはいろんな意味で意見を言うようになってきています。このペーパーの中で、NPOとNGOの位置付けをほとんど触れられていないので、やはりこれからの問題を解きほぐすために入れておくべきじゃないかなと思います。さらに欲を言いますと、これまでの環境省の行政、他の行政もそうですけども、環境の問題に関して必ずこれはやるよということが明確になっていなかったのではないか。我が国政府は温暖化も含めていろんな意味で基金を拠出しています。国際機関に基金を拠出していながら、国内の水環境の活動に基金を拠出してきませんでした。そういう意味で基金的なものを整備して、いわば足腰を持続的に支える仕組みを作らないと水環境をどうするかということもできない。
 そういう意味で、基金などのように標準予算的にできるような、そういう努力も書いておくべきであると思います。

【森田委員】とりまとめの素案を拝見しますと、だいたい現在置かれているいろんな問題なのですが、個別に全部取り組める形で出されているということで非常に良いと思います。議論のひとつは従来の環境行政の中で何ができるか、こういう委員会に出ている専門家の立場からすると、もうちょっとそれを踏み越えて環境省にそれをやって欲しいなと思うところが少なからずあるのですが、しかしそうは言っても、なかなかそういう仕組みになっていないということから、何となくそういったことも取り扱えるように、頭出しがされている形で表れているかなと考えています。今各先生方がおっしゃいましたけども、水はいったいどうなっていくのかと考えた時に、水の量は国土交通省であり、ある種の水の質の一部は厚生労働省の管轄、自然に関わる要素として農水省も関わってくる、そんなたくさんの省庁が関わっている中で、何ができるかという現実の問題としてはありそうな感じがしますし、そういったことを含めてつくられている点では、主旨はこれで良いかなという気がします。元気の良い話を書けば元気が出ますし、しかし実現不可能だったりして、まあいろんなところがありますので、非常にいろんなことを考えながら、バランスよくまとめられている。 
 バランスを崩そうとするとフリクションも起こるという、これを機に新しい仕事も始めて下さるといいかと思います。

【須藤座長】有り難うございました。座長があまり意見を言うのは良くないのですが、ちょっと抜けている部分がありましたので、2、3申し上げて総まとめに移りたいと思います。先ず、網羅的に大体のものはあげていただき、21項目残ったというのは考えて当然ですが、なぜこれだけ上がってきたのかという背景を言いますと、一昨年辺りから考えたことでございますが、あの頃は、環境省全体が地球温暖化問題に対応するために水環境の問題とか何だとか影が薄れてしまいまして、環境省全体が地球温暖化のことを中心に取り扱う状況になっている中で水の問題が非常に潜在的に、あるいは顕在化しているにもかかわらずですね、どっかで言わなくちゃいけないという事からスタートしたのが、実際の水局での位置づけなのだろうと理解をしております。ということで、あと何が抜けているかと言うと生物を守る環境基準が実はないのです。例えば、蛍だとかメダカとかは環境基準がありません。流用しているだけです。私はやはり生物を生物多様性の時代にそれを評価する環境基準というものについて言及しておくべきかなと思いました。これが1点目。
 2点目はですね、生活排水とか、生活排水の重点地域とか、生活排水にかかわる問題というのがほとんど触れてない。雑排水などの垂れ流しの人口は約2,000万人と言われています。そういう中で生活排水の問題は公共用水域の問題であったり、非常に古い問題なのですがあまり解決していない問題なのです。これは環境省だけで解決できるものでなく、国土交通省あるいは農林水産省のお力を借りなければならない。3省庁で生活排水をどうやるかということについての議論を始めだしているところですが、この水環境の在り方の中で生活排水問題を全く抜きにしてしまって本当にいいんだろうかなと思いますし、浄化槽というのは環境省の水環境施策をやる唯一のツールなのです。
 それが全く触れられてないのは少し問題があるのではないかなと思います。もう少し触れ方を考えれば、よその省を刺激しない書き方というのがあるのではなかろうかという気がいたします。水環境課として触れるとあとで困るかなという気がしないでもないのですが、生活排水問題を全く抜いてしまって在り方を考えて本当にいいのだろうか、というのが私の意見です。それだけは座長ですが、言わせていただきたいと思いましてあとは順番にいきます。

【浅野委員】最初に文句をつけたのですが、実はその理由がある。中間取りまとめは、喫緊の水濁法改正に繋ぐためにとにかく報告をまとめなければならないということだったので、全体の体系はいいからということで割り切ってまとめている訳です。その中間報告に赤で加筆された案がだされたのを見て、これはまずいと思いました。前の中間とりまとめのどこかに文章加えてそれで最終報告だと、そんなつもりで中間とりまとめ作っていません。残念ながら途中で担当者が替わっているものですから、その辺が全然伝わっていない。いってみればあとできちんと書き直すという了解のもとに、中間とりまとめは妥協し我慢してまとめたものです。ちょっと加筆されただけでは納まらない。それが第1点。
 それから、環境基本計画を考えるとどうなるかというと、ここに書いてあることは環境基本計画の各論の方にしか入ってこない。今度は基本計画策定にあたっても各論をきちんと審議会で議論しないといけないと思っています。今まで役所任せにしてて、審議会は総論の方だけに力を入れていましたから、そういう意味では、この取りまとめは有意義である。しかし総論の方はどうするのかという事です。水循環はもうたねは今までにもう2回使いましたから、同じたねを使っても何か進歩がなければいけない。今日の各委員のお話の中から、グローバルな視点がこれまであまり水環境に関して環境基本計画の中で言っていなかったので、それは入れなきゃいけないという点ははっきりしました。それともう一つは松尾先生と一緒に昔作った水環境ビジョンで、水と人の関係―失われたつながりを回復するようなこと書きましたが、もしこれをジャーナリスティックに言うなら、本当にこれ回復したのか、というのが今度の見出しになってもいいぐらいだと思います。やっぱりそこに市民とか住民とかという目線があって、それと水との関係というのが、前の水環境基準の時にも考えてはいたけど、そんなに明確には言ってない。これまでは技術や管理という観点での水環境行政をやってきていますから、そこをどうするかが課題です。
 知事会で実は優秀な地方公共団体の施策についてコンテストをやっていまして、今年環境部門で  第2位になったのは島根県の施策です。島根県が何をやったかというと、宍道湖の水質について徹底的に県民の協力のもとでCODやBODなどだけに頼らないで、五感を活用した環境指標に挑戦しておられた。 かしそれをやったことによってみんなが宍道湖についての関心が高くなった。なおすごいのは、中海については鳥取県も巻き込んだ取組が展開された。これはすごいなと思いました。そういうものが随所に出てくるのだけれど、ひとつの大きな柱にできるかもしれないと思っています。住民との繋がり、人々と水との繋がりをどうするんだと、先ほどNGO、NPOというご指摘がありましたが、水環境行政についての主体は行政と事業者、つまり汚染者、このふたつだけを中心に考えてきたことがそもそもおかしいんじゃないかという気がする。
 そのようなこととグローバルという二つぐらいをもっと大きく前面に出して、次の環境基本計画の総論の所には、今までやってきたことの延長でそれをきちっと入れることのできるように頭出しをしておかないといけない。若干時間もあることですから、可能な限り書いたことは生かしていいから手直しをすべき。先ほど本当に親切なご提言がありました。5の頭のところはたった5行ですね。5を10にしなさいというご指摘があった訳で、そのようなご意見をもふまえた手直しをしながら環境基準にしてみても、現状こうですということしか書いてない訳です。やや踏み込んでいるとすれば、総合的な指標というのがあるけれども、ここでもこんな取組が既に行われていますと書いてあるだけで、それで止まっている。もっとここに踏み込んで書いていけば、何かそれは次の環境基本計画を作るときの種になると思います。個々のご発言についてもっともだと思う発言はいっぱいありましたが、これはいちいち取り上げてコメントしません。

【須藤座長】特に字句の修正は、そのへんは妥当だと座長としてそう思っておりますので、削除すべきだという、削除していいのか、トーンを下げるのか、いろいろあると思うんですが、良いところをみなさんご指摘いただいていると思います。あとはどうでしょうか。まだ時間ありますので。眞柄先生どうでしょうか。

【眞柄委員】前にも他の所で申し上げたかどうか分かりませんが、要するに日本の国の中だけで見るのではなくて、近隣の国、韓国の4大河川プロジェクトが本当に行われたら韓国の水環境はものすごく回復します。そういうようなことを隣の国は一生懸命ダイナミックにやろうとしているのに、日本は全然進んでない。隣の国でダイナミックな水環境の政策が展開されている。そういうことを我々はもうちょっと真剣に学ぶというかどうか、政府間レベルの協議だけでなくて、違う形でそれをコミットするといったほうがいいのかもしれません。それがここに書いてある国際的な水展開という中にも考慮していかないと。日本だけがいいと思っていたら、実はそうじゃなくて、2番目3番目になっているのだというようなこともある訳です。フランクに柔軟に考える姿勢というのが必要だろうと思います。

【須藤座長】有り難うございます。

【細見委員】できれば24ページ以降の水環境戦略というふうに、今回、戦略という言葉使われたわけですので、例えば持続可能な環境戦略だとか、ここのところもう少し新しいいろんな意見を反映していただけるのではないかと考えます。その際に従来の環境施策プラス、先ほど行政と事業者だけではなくて市民との関係、よくパートナーシップとかっていうことで使われていますけれども、それを保証するための、何か口先だけではない実効性のあるものを目指すのだということも、戦略ではないかと思いますので、このあたりに集約していろんなアイディアを埋められるんではないかと思いました。

【須藤座長】他の先生、何かありますか。

【中杉委員】浅野先生の言われたことも含め、先生方の話その通りだと思います。基本的に市民の目線と言った時に、今の環境基準は基準でみればよくなっていると書いてあるのですが、市民の感覚で見た場合のひとつなので、科学的にこれは少しおかしいのじゃないかと言っている基準の作り方とか、それから派生する排水規制の仕方があるんです。それをちゃんと直さないといけない。自然由来についてももういいじゃないかという話もあるが、市民と共にこれをどうしますかっということを決めていくような発想が必要ではないか。霞ヶ浦の水質保全計画を作ったのですが、もういい加減いやになってくる。ほとんど同じことしか出てこない。これは何だろう。それはやっぱり目標とするところが何かおかしいのです。本当にそれでいいのかどうかということです。そういう意味で、今までの水質保全行政にいきづまりを感じている。ではなぜそうなったのか、そのひとつのキーワードは、目標としているところを見直すこと。これがひとつの突破口になるのではないかと思っています。環境基準というのはそういうことなのだということです。

【奥村委員】私の言いたかったことを見事に中杉委員に喋られて有り難うございます。それと、先ほど太田委員がおっしゃったと思うのですが、人の水辺環境云々というところでですね。そういう場を作ってね、こうやっていこうと、ええことおっしゃるなと思って聞いていたんですが、民の立場から言うと、何か子どもの遊び場までお上が指導しているのかなと、変な感じがしました。魚釣りやったり、流行の波に乗ってサーフィンで遊ぶ人が多くいます。私の子どもの頃は水辺に行ったらいけません、溺れたらどうすんやと言われ、それがいまだに泳げない原因でもあるんですけど、そういう観点から、立ち入り禁止や遊泳禁止という場を作るだけでいいのではないか。何か啓発とか遊び方まで指導するというのはやりすぎではないか。

【太田委員】先程メッセージが分かりにくいということを述べさせていただいたのですが、目次で言うと5章の「水環境保全のための今後の取組」の中に13も項目がある。おそらくみんなこれで目がちかちかするのじゃないか。しかし、もう一度よく見ると、結構論理的に整理されているなと思ったのです。1から4は、これまでやってきたことはまだ十分にやれていないので、しっかりやりましょうということです。5、6は、検討と書いてある訳ですから、まだ答えが出ているわけではなくて、これまでのやり方が良かったかも含めて見直しましょうと。7、8と10ですが、人と水との触れあいを含めた、我々とのつき合い、あるいは、生物とのつき合いみたいなところ。9、10、11は、問題があるので、現下の課題に的確に対応しようということですよね。13は気候変動なので別です。
 今後小見出しをつけるとか、あるいは最後のまとめの時にそれぞれをこういう方針でやっていくのだと再整理して説明されるだけでも、大分意図は伝わるのではないかなと思います。ここがポイントですよと、メッセージを出していかないと誰も関心を持ってくれないと思いますし、これは大事だけどなかなか答えは出てないのだなというのもあれば、自分等はこれは具体的にやらなきゃいかんなというのもありますし、そういう整理をしていただいたらよいのではないでしょうか。
また、国際的な話とNPOの話というのは、天と地というか、マクロとミクロという、今までの取組の抜けたところをカバーしていこうということですね。だとすれば、この検討会を機に施策の対象範囲を上下に広げる、それがこの報告の大きなメッセージになるのかもしれません。これまでの守備 範囲を乗り越えて、これからは国際的な所まで拡げて対応する、市民レベルまで更にしっかりやるようにしますというパラダイムの転換を、目的と成果というようなことも含めて記述いただいたらと思います。

【須藤座長】最後になりますが、森田委員どうぞ。

【森田委員】いろいろな議論が出て、限界みたいなものを指摘されたのですが、たぶん環境省が所管する法律の中で、一生懸命努力したことがなかなかうまくいきませんでした。だけど引き続き討論しますという、そういうトーンが強いのだろうと思うのです。これを超えようとすると、我々の社会そのものをどうするかということになってきます。従って、中央環境審議会のような総理大臣が座長をやる。そういう仕組みを作って各省庁含めて全体の仕組みがいるのだろうと思います。
 もし可能であれば省庁を超えた取組が必要だということを出して、そういうメカニズムを作っていくことかなと思います。

【浅野委員】その点に関して言えば、環境基本計画は閣議決定で、各省が全部それに縛られる訳ですから、その環境基本計画の中に水の部分をどう書き込むかで、勝負がつく面があると思います。

【森田委員】それは勿論そうなのです。総合科学技術会議の座長が内閣総理大臣であるとか、それぐらいのことを考えてもいいのではないか。

【須藤座長】先生方の意見をうかがっていると、今までやってきたことを網羅しているので、この内容についてはそれなりに評価をしていただいたけれども、大分修正をしなきゃならないところとか、書き込みをしなければならないところとか、重点的に表現や書き方を変えるとか、さまざまな工夫もいるのかなと言う気がします。ですから最後の第10回の時には議論いただいて、その後、また集合もできますので、もう一回やった方がいいということもあります。今日のところは、次回までに今日の委員の意見を取り入れて修正をしていただいてお持ちいただきたいということで、この辺でまとめにさせていただきます。

【富坂課長補佐】次回でございますが、今座長の方からお話がありましたように、最終の取りまとめの案につきまして、事務局の方で整理し議論していただきたいと考えております。宜しくお願いします。事務局としましては、水環境保全の為の今後の取組に関するロードマップ、それについてもお示ししてご意見いただけるようにしたいと考えております。日程につきましては、12月3日に開催しますので宜しくお願い致します。尚、委員の方に配っております中間とりまとめのファイルは、机の上に置いていただくようお願いします。

【須藤座長】有り難うございました。ちょうど時間となりましたので、先生方のご協力を感謝して、本日第9回の水環境保全に関する検討会を終了します。お疲れ様でした。