環境省水・土壌・地盤環境の保全水環境関係今後の水環境保全に関する検討会

今後の水環境保全に関する検討会(第7回)議事録


1.日時:
平成22年8月3日(13:00~15:00)
2.場所:
経済産業省別館、各省庁共用会議室
3.出席委員:
浅野直人、池道彦、及川勝、太田信介、岡田光正、笠松正広、木幡邦男、須藤隆一(座長)、田中宏明、中杉修身、平沢泉、眞柄泰基、森田昌敏
環境省: 
鷺坂水・大気環境局長、伊藤水環境担当審議官、木村総務課長、森北水環境課長、
室石閉鎖性海域室長、西嶋農薬環境管理室長、柴垣土壌環境課長、
宇仁菅地下水・地盤環境室長、富坂課長補佐 ほか
4.議題
(1) 水環境戦略タスクフォースについて
(2) 第6回検討会における意見と対応
(3) 水環境保全のための今後の取組について
(4) その他
5.議事録

【事務局富坂課長補佐】 それでは第7回検討会を開催させていただきます。本日は16名の出席予定のところ現在13名の委員にご出席いただいております。
それでは資料の確認させていただきます。議事次第に続きまして資料1、資料2、資料3は議事録、資料4-1としまして水環境保全のための今後の取組について、資料4-2が今後の水環境保全の在り方、水環境保全のための今後の取組が資料4-3でございます。参考資料としまして水環境タスクフォース報告、そして清渓川復元事業の報告と日本河川流域再生ネットワークの資料、また委員の皆様には水環境保全に関する検討会の中間とりまとめの報告書、第5回資料のロードマップをつけてございます。よろしいでしょうか。
それでは座長の須藤先生よろしくお願いいたします。

【須藤座長】 みなさんこんにちは。大変暑い中、またご多用の中、委員の皆様にはご出席いただきありがとうございます。また本日も多数の傍聴者の方がお聞きくださるということでお礼を申し上げます。本検討会の座長を務めさせていただいております須藤です。
6月に第6回の検討会を開催しまして、今回が7回目となります。今後の取組について、また、最終取りまとめに向けて委員のみなさんに活発なご議論をお願いしたいと思います。
それではさっそく議事にはいらせていただきます。
まず事務局から議事の進め方、資料の説明をお願いしたいと思います。

【事務局富坂課長補佐】 先日水環境タスクフォースが大谷環境大臣政務官から報告されましたので、簡単にご説明いたします。次に資料3において前回ご指摘いただいたご意見を整理しました。これについてご議論いたくと共に、資料4について水環境保全のための今後の取組についてご議論いただくことを考えています。

【須藤座長】 最初の議題が水環境戦略のタスクフォースについてでして、森北課長に参考1の資料をもとにご説明をお願いします。

【森北水環境課長】 前回の検討会で、水環境戦略タスクフォースの検討状況についてはご説明しましたが、その後7月13日に大谷環境大臣政務官のほうで取りまとめられ、大臣に報告され、公表されました。
参考1、1ページの「はじめに」には大谷政務官の水に対する想いやご経験、そういったものが書かれております。簡単にご紹介を致しますと、出だしが水には格別な想いがあるということで、25年前ネパール、カトマンズでの経験を書いておられます。居候をされていて、村はずれの水源にバケツ2つ毎日持って水くみをするというのが日課だったという経験談を書かれています。非常に水に苦労したということで、帰国して蛇口からなんなく水が出てくるということに感動と感謝をした。それ以来、衛生的な水へのアクセスというのが近代国家の証であると思ったと、そういうことでございます。こういった想いを踏まえてタスクフォースを省内に設置をしたということでございます。そのタスクフォースで有識者からヒアリングをして、課題を整理し環境省として取り組むべきことを戦略としてまとめたというものでございます。
2ページは経過としては、第1回から第7回まで、タスクフォースが開催されておりますが、そのうち第1回が1月に開催されて、第6回まで有識者からのヒアリングということで、こういった方々からのヒアリングを行っております。第4回では、須藤座長から環境保全の課題ということでヒアリングをさせていただきました。第7回の6月9日に、有識者の方をパネラーとして招いたパネルディスカッションを行うシンポジウムを開催しています。こういったヒアリングなりシンポジウムを踏まえてこの報告書を取りまとめられたということでございます。
3ページ以降が具体的内容について記述をしています。
具体的内容の概要を取りまとめたのが、後ろから1枚目の所にある、カラーのパワーポイントでタスクフォースの概要でございます。これは、タスクフォースの全体を取りまとめたものでございます。日本では水の有り難さが実感されにくい。ネパールの経験を基にそう認識されておりまして、水は大切であるという認識が必要である。一方世界の水問題というのは、我が国が輸入品、農産物等は海外で水を利用して生産されているということから、決して他人事ではない。我が国にとっても切実な問題として捉える必要がある、という認識をされております。
そういう中で、水を取り巻く世界の現状、我が国の現状を認識し、環境省として取り組むべきことを戦略としてまとめたというものでございます。
パワーポイント2ページ目を開けていただくと、今後の水環境戦略として、3つの柱で整理をされています。1つめは水環境に恵まれた社会の構築ということで、身近な水環境の保全再生、この中で川で遊ぶ子どもを増加させることが大事だとか、生物多様性に重要な役割を果たす水田等の保全、こういった身近な水環境の保全体制が必要であると、政務官としてはここが非常に強調したい部分ということで枠で囲っております。
その次に、地域の望ましい湖沼の創出、地下水土壌の保全、この中では、貴重な地下水の保全、更には水源の保全、雨水浸透による地下水涵養等の持続可能な地下水利用が大事だということでございます。気候変動に伴う水環境の変化への対応、これが1点目の水環境に恵まれた社会へのタスクフォース、2点目が水環境面における国際貢献ということで、深刻化する水環境問題への国際貢献、特にアジア、アフリカへの貢献ということでございます。この中で水環境分野でのビジネス展開を図っていくべき、原水の浄水から汚水処理までのパッケージ化したトータルシステムとしての水環境ビジネスを展開していく。ここも枠で囲っておりますが、我が国の経済成長という意味でも大事だという思いでございます。3点目が水環境戦略を展開する基盤づくりということで、4つ掲げてあります。モニタリング・情報共有、人材育成、技術開発・技術普及、環境教育・普及啓発、この3つの柱を今後の水環境戦略として進めていくべきということでございます。
こういったものを進めて行くに当たっては、環境省だけではなく関係者、関係省庁、地方自治体、住民、企業等の協働が必要であるということで、この報告がまとめられているところでございます。
先程のタスクフォースの報告の9ページに戻っていただき、結びの言葉でございます。
今後、これに基づいて着実に施策を展開していく、そして我が国の水環境の保全を図る。世界の水問題の解決に貢献して、国際社会における我が国のプレゼンスの向上につなげる。そして、政府の新成長戦略、7つの戦略分野の中に「環境・エネルギー大国戦略」「アジア経済戦略」が掲げられています。その中で水は大きな柱の一つになっていくということで、タスクフォースの報告をふまえた取り組み、人間にとって必要不可欠な「水」の分野の国内外の問題解決に積極的に取り組んでいくという、こういった結びとなっている報告でございます。これがタスクフォース報告でございます。

【須藤座長】どうもありがとうございました。
次に第6回検討会の意見と対応について森北課長からご説明をお願いします。

【森北水環境課長】資料の3-1が前回第6回の議事録でございます。これにつきましては、事前に各委員の先生に送り確認を得て修正したものでございます。今日ご覧頂き修正する必要があれば、後で事務局へ申しつけて下さい。
資料3-2ですが、前回第6回の意見と対応についてまとめたものでございます。左に分類をしております。望ましい水環境像、健全な水循環、こういった分類につきまして、いろいろなご意見を頂戴しております。1ページから2ページに渡って大事なご意見を頂いておるわけです。ただちに対応できるものばかりではございませんが、基本的にはこの対応案に記述してございますが、今後頂いたご意見を踏まえて、対応すべく取り組んで参りたいと思っています。1ページ目2ページ目のところはそういうことで、前向きに積極的に対応して参りたいと言うことでございます。
3ページ目の所に、環境基準についてのご意見がございました。これにつきましても頂いたご意見を踏まえて今後十分検討を行っていきたいと言うことで記載させていただいています。真ん中のあたりでございますが、大腸菌群数についてのご意見がございました。これにつきましては、指標として大腸菌群数の妥当性、見直しについて現在検討しているところでございます。行政効果のわかりやすい指標が出てくると有り難い、というご意見を頂いておりますが、こういったものについても検討会でもご説明させていただきましたが、わかりやすい指標について検討させて頂いておるところでございます。そのページの一番下でございますが、水温上昇のご意見がございました。それにつきましては現在の気候変動に伴う河川や湖沼の水温変化、それが水生生物等に及ぼす影響について昨年度から検討に着手をしているところでございます。24年度には一定の成果を得るように検討して頂いているところでございます。
4ページを開けていただき、川ガキという表現についていかがか、という質問がありました。ご指摘を踏まえて、行政として使う言葉として川で遊ぶ子供という表現にさせていただきたいと思っています。その次につきましては、普及開発、PR、人材育成、環境教育、こういった点についてのご意見ご指摘がございます。後でご説明致しますが、こういったものについて先程のタスクフォースの報告の中にも基盤づくりとして取り上げられております。今後の取り組みとしてそれぞれ項目として考えていきたいと思っております。下から3つめのところに、当面従来の考え方に沿って淡々とやっていくものと本質的に議論しなければならない、そういったものがあり区別して考えたのではいいのではないか、というご意見がございました。これにつきましては後でもご説明させていただきますが、区別して整理をしたいと思っております。
次の5ページを開けていただきたいと思います。韓国、中国等の環境問題で議論する場を通じて、各地で行われている具体的なプロジェクトについて情報収集をしてそういったものを教えてもらいたいというご意見でございます。それにつきましては、国際的な情報交換、意見交換を行う場がありますので、そういった機会に情報、趣旨を分析して報告をさせていただきたい、というふうに思っております。特に韓国の清渓川についてご指摘が前回ございましたので、参考資料でご説明をさせていただきます。最後に一番下でございますが、水環境という点では各省が絡むので、連携を強化していただきたい。先程のタスクフォースの報告にありましたとおり、ご指摘の通り関係省庁との連携を私も十分に図って参りたいというふうに考えております。
資料3-2につきましては以上でございますが、今申し上げた韓国の清渓川の例について簡単にご紹介致します。一番最後に分厚い資料ですが、清渓川復元事業~50年ぶりに復元された清渓川~というのと、その後にカラーで日本河川流域再生ネットワークからのレターでございますが付けております。分厚いものはあとで詳しくご覧頂ければと思いますので、薄いカラーの4ページをお開けいただきたいと思います。ここに清渓川の復元事業について書いてございますが、4ページの写真は昔の清渓川であったものをその上を高速道が造られて川がなくなってしまう。それが、高速道路が撤去されて清渓川が復活をしたというものでございます。この川は、全体では11kmですがそのうちの5.8kmが事業区間になっていて高速道路を撤去して川を復元したというものでございます。2002年、今の李明博大統領がソウル市長の時にこれを復元するという公約を掲げて当選されて2年3ヶ月の工期を経て復活をしたというものです。その復元されたのが5ページ以降写真がございます。高架の高速道路を撤去して川を復元したというものです。2年3ヶ月の短い工期で川を復元されたということですが、事業費が3,900億ウォン、日本円で当時500億円、円高になっているので300億円くらいということでございます。2年3ヶ月ということで、関係する店舗が6万、関連従業者が20万人、そういった方の合意形成を1年間に4,200回の会合をもって合意形成をはかって着工にこぎつけたというもので、非常にスピーディに復元された一つの事例でございます。

【須藤座長】 どうもご説明ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明に対しまして、資料3-2についてはご意見があるかと思いますので、ご意見があれば出していただければと思います。
よろしいでしょうか。それでは前回の内容はお認め頂いたということで、次の議題「今後の取組について」に入りたいと思います。それではご説明ください。

【森北水環境課長】 まず資料4-1から4-3についてご説明を申し上げます。まず資料4-1です。これは今後の取り組みについて中間取りまとめの時にまとめさせて頂いた取り組み事項として1番から12番まで、こういったものを取り組むということでまとめさせていただいたところですが、それ以降前回、第6回の検討会で先生方のほうからご意見をいただきました。そういったものを再整理させていただいたものです。右側の今回整理案でございますが、1から21までの取り組みということでご提案をさせていただきたいと思っております。
対応関係は矢印で示しております。1番とか2番は法改正の事項でございます。色をつけておりますもので緑色のもの、これは中間とりまとめから更に2つに分けたり細分化したもので、例えば閉鎖性水域の水質改善ということで、湖沼と閉鎖性海域を一緒にしていたが、それを分けてその水質改善と言うことで取組を整理させて頂くということです。同じように、未規制の小規模事業場からの負荷と面源負荷、これも前々回でしょうか、2つについてはそれぞれ対応が違うので分けて整理すべきというご意見を踏まえて分けて整理させていただいております。
9番の地球規模で深刻化する水問題への国際貢献についても、先程のタスクフォースでの報告にもございましたけれども、特に水環境分野の海外ビジネス展開、今後の成長戦略ということから2つにわけさせていただいています。
黄色で付けさせていただいたもの、これは中間とりまとめになかったものでございまして、 新たに取り組みとして追加させていただいたものでございます。6番の排水規制のあり方に関する検討、これにつきましては今の排水規制について温泉排水のことも含めまして今後至急に検討したいというものでございます。
9番と10番につきましては、ご意見の中で水圏生態系、生物多様性、人と水とのふれあいについては、現状の課題としてはあるんだけれども、取り組みとして受けるものがないというご意見がございました。それを受けまして、この2つは新たに追加させていただきました。そして18から20まででございますが、技術開発・技術活用普及、環境教育・普及啓発、人材育成、この3つにつきましては、中間とりまとめにはなかったものでございますが、タスクフォースの中で基盤として、こういったものがベースになるということでこういった取組について新たに追加させて頂いた。全体として21の取り組みに整理をさせて頂きました。
資料4-2でございますが、今の取組を含めまして全体的な構成といいますか、中身の再整理をさせて頂いております。真ん中付近左の方に、こういった課題があるという認識の基にそれを受ける今後の取組として、従来の12から21についてまとめさせていただいております。そして、各取組の基盤として技術開発・技術活用普及、そして環境教育・普及啓発、人材育成、こういったものについては今後のとりくみとして下に記述をさせていただいております。
全体的なイメージはこういうものでございます。
今回は、21のうちの3番から11番まで、3番の湖沼の水質改善から地下水の未然防止対策の9つの取り組みについて整理をさせていただいて、それについてご議論いただくというふうにしたいと思います。残りの10の取り組みは次回。数が多くなりましたので2つに分けてご議論を頂きたいと思います。
資料4-3が今後の取組の湖沼の水質改善から、地下水・土壌汚染の未然防止対策までの具体的な取り組みの内容ということで整理をさせて頂いております。
開けていただきますと、(1)から(9)までということで示してあります。
まず一つ目の湖沼の水質改善ということです。
これにつきましては、まず各取り組みの内容でございますが、例えば湖沼の水質改善の取組の概要をパワーポイントで示しております。そして、次のページが取り組みの具体的な内容、そして、それぞれの取組内容についてどういう手順としてやっていくのかというのをその次のページに書いております。こういう形で各項目の取組毎にワンセットで整理をさせていただいております。
簡単にご説明をさせて頂きますが、まず湖沼の水質改善の概要の部分でございます。これは中間とりまとめの時から中身を見直して、バージョンアップをさせておるものでございます。現状における課題、問題意識、こういったものがある。目標設定ということで水質汚染目標の設定をする、湖沼の水質汚濁のメカニズムを検討すると、そういったものから水質保全対策の検討をする、こういった流れになっています。その水質汚染対策を検討して、平成23年度湖沼法の見直しがございます。そういったものにつなげていきたい。そして地域ののぞましい湖沼を実現する。
めくっていただいて左が取組内容、右がその取り組み内容の手順ということでロードマップ的に整理させていただいております。これで目標と手順の所、特に水質保全目標では下層DO、透明度、TOCこういった指標について検討していくということ。更には汚濁メカニズムの検討の所では、特に難分解性の有機物、N/P比と植物プランクトンとの関係、こういったことが特に大事になってくるということで、こういう残された取り組みを行っていきたい。
水質保全対策の検討につきましては、流域対策、湖内対策、そして湖沼と流域の健全な水環境の在り方というものを検討し、更に窒素・りん等への物質循環、そういったものへの物質循環を把握し管理手法の確立していく、これをモデル湖沼で実証事業的に最終的にはやっていきたいというふうなことで考えております。湖沼については以上でございます。
次に(2)閉鎖性海域でございます。
左が概要、右が取組内容と手順となっております。左の概要の所では、昨年度今年の3月ですが、閉鎖性海域の中長期ビジョンとか第7次の水質総量削減の在り方答申が出されています。それを受けてやっていくこととしまして、水質総量削減を着実に推進していく、また、新たな水質目標の設定ということで底層DO、透明度の指標について設定していく。栄養塩等管理方策の検討ということで海域ヘルシープランと呼んでいますが、海域の栄養塩、物質循環の健全化計画を検討する。こういった取組を行っていって、閉鎖性海域対策の今の時代にあった見直しを行っていきたいと思っております。閉鎖性海域は88海域ございますが、プラスαも含めて効果的な持続可能な閉鎖性海域対策の在り方を検討していきたい。そして里海づくりを推進し、豊かな生態系を持った里海の再生をしたいということでございます。右のページに具体的内容と取組手順を書いてございます。
次のページ、(3)新たな排水管理手法の検討でございます。
左の方に概要、中身についてはご承知のとおりかと思います。今後の検討ということで、例えば生物応答バイオアッセイを利用した排水管理手法、WET手法についても研究をしていくということでございます。現行の一律排水基準を補完する管理手法ということで、多様な化学物質を相対的に評価するということから、生物応答を利用した排水管理といったものが制度上続けられないかというそういった検討を行う。更には技術的な検討ということで、魚類等を対象水中に曝露いたしまして生物の応答というのを見る。毒性評価を行う必要がありますが、そういったものの毒性試験、技術的な面からの検討を行うということでございます。右の方に取り組み内容とその手順を示しております。WET手法に関しては今年の2月に米国から専門家を招き、セミナーを開設して情報収集を行っておりますし、また須藤座長にお願いしてこれに関する懇談会を昨年度設置しており、その中で検討を行っていくということを考えております。
次に(4)排水規制等の在り方に関する検討、これは中間とりまとめになかった項目でございます。背景として現在の排水規制のやり方を書いております。排水基準を設けてそれを個々の事業者に守っていただく。さらには排水基準につきましては、暫定排水基準といったものも項目によっては設けており、この暫定排水基準を適用して順次一律排水基準に移行する、そういったような取り組みを行っております。その中で今後の検討課題として取り組み内容として3つ書いてございます。1つは現行の排水規制への課題への対応ということで、特に温泉排水規制についていろいろご意見がございます。そういったご意見課題について対応を考えていきたい。必要に応じて制度の見直しを行っていきたい。
また、今後の排水管理方策の検討でございますが、排水基準の設定の考え方、そういったものも改めて検討した上で、必要があれば排水管理、排水規制の内容について検討をしていくというのが2つめ。3つめでございますが、排水規制の推進と言うことで、従来の考え方に基づいて、排水基準項目の追加、具体的に申しますと、現在検討しておりますのは昨年環境基準に指定されました1,4-ジオキサン等についての排水基準の設定ということで検討する。さらには、暫定排水基準の一律基準への移行ということで、亜鉛とかほう素、ふっ素等、こういったものについての一律基準への移行に向けての検討ということを行っていきたいということでございます。ここで手順のところで淡々と従来の枠組み考え方に沿って整理をしたものが網掛けをしたものでございます。新たな議論をしていくというのではなく従来の延長線でやっていくということでございます。
その次、(5)未規制の小規模事業場等への対応というものでございます。概要につきましては問題意識として右の方に円グラフがございます。これはある川におけるBODの負荷の割合を示しています。この中でピンクっぽいところが特定施設を持たない未規制の事業場からのBODの負荷の割合で、ある川では約6割が未規制の小規模事業場からの負荷になっています。下に写真がありますが、こういったことで排水が垂れ流しになっていると、こういうところでも今後対応をやっていかなければならないと、今後の取組を何点か示させていただいています。
次のページを開けていただいて、右の方に色を付けているところが未規制であり、特定施設をもたない事業場、さらに特定事業場であっても規模が小さい小規模なものそういったものについては、排水対策が十分講じる手立てがない。こういうところへの手立てということで、まず排水実態を把握する。そして、こういった所からの汚濁負荷の削減対策を検討していかなければならないと考えています。例えば排水処理にかかる構造基準的なところも検討。また、生活排水対策重点地域というのがありますが、現制度の検証を行い、さらなる効果的な対策を検討する。あとソフト的な対策になりますが事業者の意識向上策、自治体職員OBを活用しての技術的な助言、意識啓発そういったもの、さらには、未規制小規模事業場での浄化槽設置や下水道接続等といったものも取組としてあるのではないかと思っております。
その次、(6)面源負荷への対応。これにつきましては、課題として下水道や浄化槽等、点源負荷による対応が進んできたように見えますが、結果として面源負荷からの汚濁負荷は相対的な割合としては増えています。今後はさらなる水質対策を図るため面源負荷対策というのも必要になって来るという認識でございます。有効な面源対策が未確立であること、森林等の自然系の面源負荷への対応などができていない。こういったことから面源負荷への対応をどのようにしていくかといったことが課題としてあげられます。取り組み内容として土地利用毎の汚濁物質収支、これはCOD、N、Pでございますが、そういったものの収支について検討をする。また、効果的な面源対策ということで、負荷の少ない土地利用策、更には、汚濁負荷の少ない樹種や作付体系への誘導手法の検討、さらには、ソフト的な話になりますが意識啓発、例えば肥料等の流出防止のための意識も含めて、そういった取り組みが考えられるのではないかというふうに思っております。
どういった取り組みを行っていけばいいのか、いろいろご意見を賜ればと思っています。
次に(7)水圏生態系の保全と生物多様性の確保。これにつきましては、水圏生態系の保全、これは環境基本計画にも記述をされています。「場の視点」「流れの視点」での取組、そして、生物多様性の確保については生物多様性国家戦略2010の中で、2050年を目指した中長期目標、さらには2020年を短期目標として取り組んでいくと示されています。一方で水生生物については、生息環境が悪化しているということで、まさに外来種の影響で絶滅危惧種が増えている。こういったことから、大きく3つ取組をやっていこうと思っております。生物生息域の確保、どういうふうに確保していくのかということを検討していく。ハード的なものについては他の省庁ということになりますが、こういったものについても積極的な提言をしていくべく検討をしていきたいということでございます。水生生物に関する生物多様性確保ということで、啓発的なものになりますが、生物多様性保全活動への支援策というものを具体的に取り組んでいくということでございます。また、生物多様性に関する環境影響評価手法、こういったものについても確立していく必要がある。あとは、水生生物保全のための環境基準というのを設定し類型指定をしているところでございます。これについては今行っている全亜鉛に続く環境基準項目の設定ですとか、国指定の47の類型指定そういったものの取組を行っていきたいということでございます。
次に(8)人と水とのふれあいの推進でございます。 
これは普及啓発活動等が中心となる部分でございますが、現在いろいろな背景理由状況から水環境とのふれあいの機会が減少している中で、水環境に関する国民の関心が希薄になっている状況にあります。そこで水環境保全に関する意識啓発とか、行動・実践につなげていくということで、大きくは人とふれあう、人と機会を増やす、さらには水環境活動への参加の促進を増加させていくということを考えております。
取組内容として、これも従来いろいろ普及啓発活動を行ってきていますが引き続き行っていく。具体的には名水100選ですとか、全国水生生物調査、さらには水環境の健全性指標の策定、こういった既存の取組、さらには取組の高度化見直しを含めたことをやっていくということで考えたいと思っております。
その次、(9)地下水・土壌汚染の未然防止対策ですが、地下水地盤環境室長からご説明申し上げます。

【宇仁菅地下水・地盤環境室長】 現状ですが、事例として2点あげています。これらは中間とりまとめで指摘されたことでございますが、工場・事業場が原因と推定される有害物質による地下水汚染事例が毎年継続的に確認されている。地下浸透規制の対象とされていない有機溶剤等の貯蔵施設からの漏洩による地下水汚染の事例等も報告ということでございます。
対策でございますが、現在の水濁法による規制の状況を説明しております。意図的、非意図的にかかわらず、有害物質を含む特定地下浸透水の地下浸透を禁止するということです。特定地下浸透水の定義を下に書いてあります。有害物質を製造、使用又は処理する特定施設に係る汚水等を含む水でございます。その有害物質使用特定事業場ですが14,272事業場ございます。もう一つは意図的に地下に浸透させるものに対して、事前の届け出制を取っています。しかしこういった届け出の事業場は9事業場となっている状況です。
その下の実態調査結果についてご説明いたします。中間とりまとめで、汚染事例について汚染原因、汚染行為が行われた時期、原因施設等の構造・管理上の問題点を解明し、具体的な未然防止対策を検討すべきだと指摘されましたので、それを受けて、今回環境省で実態調査をした結果の一部でございます。
左側の円グラフですが、調査の対象は地下水の汚染原因施設等が特定された事例、606事例につきまして原因行為等の終了時期を示したものです。原因行為等の中には人の行為だけではなく、施設からの漏洩等も含まれております。その結果でございますが、水質汚濁防止法により地下浸透規制が導入された平成元年度以降も原因となった行為が認められる事例というのが41%、平成元年度より前が20%、不明が39%となっています。
続きまして真ん中の原因施設等の種別ですが、これは平成元年度以降も汚染が継続している事例248事例ございますが、これにつきまして原因と推定される施設を調査した結果でございます。そうしたところ、水濁法の規制対象である特定施設が61%、特定施設以外の施設については33%、施設以外が6%という結果でございました。
さらに図3汚染原因行為等の内容ですが、先ほどの248事例について調査した結果でございます。大きく分けて主に施設・設備に係るものが4つ、施設・設備の劣化や老朽化による漏洩等でございますが、これらが合計で33%あるということでございます。さらに作業工程に関するものが合計で26%ございます。その他が5%、不明が36%でございました。
さらにその下に、二重丸で示しました届け出対象である9事業場でございますが、これらが原因と推定される地下水の汚染は確認されなかったということでございます。
こういった調査結果を踏まえ、効果的な未然防止対策の在り方を検討、また新たな対策に対応するための技術的な手法等を示した調査・対策指針を作成するということにしています。さらに自然由来の有害物質が地下水から検出する検出状況や対応等の実態を把握し、対応を調査・対策指針で明確化するということにしています。 
最後のページですが、取組内容といたしまして、効果的な未然防止対策として工場・事業場が原因と推定される地下水汚染事例1,234事例について実態調査を実施しました。この結果を踏まえ、今後効果的な未然防止対策を検討するとしております。自然由来の有害物質への対応の明確化につきましても、同様の内容を記載しております。(3)目的の手順についても同じ内容でございます。効果的な未然防止対策、自然由来の有害物質への対応の明確化の2つに分けて整理してあります。

【須藤座長】 どうもご説明ありがとうございました。それではただいま説明があった9項目について、先生方のご意見、ご質問等ございましたらお願いします。

【浅野委員】 一つ一つの項目についていろいろと議論しなければいけない事項があろうかと思いますが、多少得意なところに限ってコメントいたします。最後の地下水・土壌汚染の未然防止対策ですが、今後の取組にはガイドラインを作りましょうという程度の取組が記されているにとどまっております。しかしこの問題については、すでに法制的にはかなり行き詰まっている気がする。つまり、地下水の地下浸透規制をかけた時はあまり深く考えてなかったといったら申し訳ないという気もいたしますが、水濁法の構造上、まず特定施設が念頭にあり、そこから出てくる廃水が公共用水域に行くことへの規制を考えていた。しかし、地下水汚染をおこす可能性があるからこの点についても考えなくてはいけない、ということになったわけですが、法律の構造上、その特定施設から土壌に浸透するものを規制しましょうということで制度をつくったわけです。ところが、現実には、今日のこの状況からも分かるように、特定施設以外の施設や事業場で地下水汚染もしくは土壌汚染の原因となる行為が行われてきていることあることがはっきりしてきたわけです。ですからそれならばやっぱり水濁法そのものを見直す以外にない。今年の改正で、特定施設とは別の枠での規制のシステムを作っていますから、おそらく先例ありということになって、法律の構造の点での問題もクリアできると思われます。それから有害物質には当てはまらない有機溶剤等もありますから、汚染原因物質についてももう外枠を作らなければならないかもしれません。そんなわけで法改正の検討にとりかかるべきではないかと思います。
それからバイオアッセイの手法を取り入れるというアイデアは面白いなと思いましたが、制度的に考えた場合にはどういうふうにしていくのだろうか気になりました。つまり、一般的に測定をさせられる自治体の負担が重すぎる。おそらくこんな方向でチェックしなければいけないのは、特定施設が存在する地域に限られるのではないか。そうすると悪臭防止法を改正して地域指定制度を導入するような発想でいかざるを得ないのではないか。環境基準的な考え方をするにしても全部を自治体にやってくださいというのは無理なんじゃないか。この辺をどう考えなければならないかということがあります。仮に地域指定的なものになった場合狙い撃ちになりますから、それならいっそのこと、企業・事業者に自主的に取り組んでくださいというほうがすっきりするかもしれない。つまり、有害化学物質による大気汚染については事業者の責任で、自主的取組みをきちんとやってもらい、それで効果がでてこないようだったら規制をかけるという仕組みを取り入れることによって結構効果をあげている。そのへんをどう考えたらいいか。これは須藤座長のご意見をお聞きたいと思います。
もう1点は面源負荷について、適切な原単位等の設定を行うというのがありますが、これでは意味がよくわからない。なんのために原単位を設定するのか。この説明だけでは理解しがたいので説明を補足していただきたいと思います。

【池委員】 湖沼の水質改善のところで、地域の望ましい湖沼像というのがありますが、望ましい姿という表現は非常に難しいと思います。産業用の利用とか生活上の場とか含めて、いろいろな側面があるので、(各地域に任せてしまうのではなく)やはり国としてのガイドラインとまではいきませんが、視点の提供を具体的には進めなくてはいけないのではと考えます。
(3)の排水の管理手法の検討ですが、確かに規制の手法としてはなかなか難しいことと思います。おそらくは、しばらくこういうことを国として試行していきましょう、また、どういう手法が(規制にも)使えるようなものになるのか見ていこうという段階かなと理解しています。ここで出てきているのはWET手法のような毒性評価のアッセイだけで、これは健康項目に対応するものですが、一歩進んで、生活環境項目に対応するような、総体としての水の健全性を測るような包括バイオアッセイについても別途検討できればと思います。日本オリジナルとして、こういうものに対しても意欲的に取り組んでいければと思います。
それから(4)の排水規制等のあり方に関する検討で淡々と進めるところ、べきところにあたるのかもしれませんが、気になったのは、暫定排出基準についてです。暫定基準は、まだ実用的技術が間に合っていない部分と、もう一つ、技術はある程度あるが経済的適用が難しいという、2つの側面を含んでいます。暫定基準も実は意味が違うので、今後は、こういう両視点に注目して、おのおのの意味での適用の範囲などについてもう少し明確にしてもよいのかなと思います。

【及川委員】 最初のページ(1)水質保全対策の検討のところで、流域対策の中に面源対策と小規模事業場対策とあり、中小企業の立場からするとこういった小規模事業対策は有難いのですが、一方、(1)から(9)へ少し横串をいれて、小規模事業対策ということで全体的にとおしたときにどうなるか私なりにみていきたいと思っている。
もう一つは、最後の(9)のところですが、図3のところで環境省さんの調べで汚染原因行為があり、色分けされてよくわかりますが、3の図は青いところ19%が施設設備の劣化、老朽化いわばハードについての問題。一方で15%が作業工程というマンパワーについての問題となっている。ハードとマンパワーそれぞれソフトとハード2つあって、中小企業対策からしますと、できることからやっていただきたいなと思います。ハードのほうはなかなかお金がかかりますが、人材含めて作業工程、運営改善といったところを竹串の形になるように入れ込んでいただくと、よりわかりやすい今後の取組になるかなと思います。

【太田委員】 私はこれまで農業、及び農業用水に関わってきましたので、湖沼の水質改善、面源負荷への対応、水圏生態系の保全、人と水とのふれあいの推進、この4つくらいの項目により深い関わりがあります。
まず、全体の記述ぶりですが、例えば湖沼の水質を見ますと、「湖沼の水質は徐々にではあるがよくなっているものの、・・・地域の望ましい湖沼には至ってない。」とあります。実際は、比較的いいところとかなり悪いところがモザイク状になっている。それらをできるだけうまく書き表していただきたい。これまでの対応でいいところもあるけれども、ここのところはピンポイントでより深く対策していくのだという、総論的になり過ぎない配慮も必要かなと思います。この「何処で」と同じく、「誰が」、「どのような方向でやっていくのか」ということも重要なポイントですので、検討の中で、これら3つくらいの視点をうまく網羅していただくといいかなと思います。
そこで「誰が」なんですけれども、地方分権が相当進んでおりますので、環境省や省庁全体で全て対応するのも無理がある。最初に私の申しあげた4つくらいの項目については地方をどう巻き込んでいくのか、国と地方がどういう役割分担をしていただくのかが重要になると思います。食料・農業・農村基本法をつくったときに、国は何をする、地方は何をする、農家は何をする、国民は何をするというそれぞれの役割を整理しました。やはり責任というより役割分担を自覚いただくようなまとめ方が大事だと思います。地方分権の流れがありますので特にそういう感じがします。
もう一つは現状認識との関係も含めてですが、課題ばかりではなくてよいところは良いわけですから、それをぐんぐん引っ張りあげたらいいのではないでしょうか。ここにも既に表彰制度などを多用すると書いてありますが、もっともっと取り上げるといい。新聞に取り上げてくれればPRに一番効果的だと思います。
もう一つは課題の捉え方についての意見です。今日の資料には「社会の変化」をうまく捉えた課題が主に整理されているような感じがします。そうはいっても、これまでの視点から見た課題もある。これらに加え、これから予想される「社会の変化」を課題に関連付けて少し触れておく必要があるのではないでしょうか。例えば、運動論を実行に移す場合には、高齢化のような「社会の変化」も視野に捉えておくとよい。お年を召した方たちの役割分担が出てくるかもしれない。若い人達のボランティアへの積極的な参加など、年代階層毎の意識を把握することも必要かと思います。
最後に「どのような方向でやっていくのか」に関連した意見です。対策自体をまとめる際に、普通は課題があってそれをこの方法で解決するのだという整理をされるのでしょうが、今回は、生態系でよく言われるアダプティブマネジメントの考えを取り入れるべきではないでしょうか。まず少しやってみて検証して修正をするという形、答えがはっきり出るものでないとやらないのではなくて、やれるところまでやって見直して次の段階にいくという方法論をもう少し詰めていただいたほうがいい。そういう場合には国が言うからやるのではなくて地域の発意というのが大事ですから、地域発の取り組みにうまくインセンティブを付けていただければ、徐々にそういう方法が普及・定着していくのではないかと考えます。

【岡田委員】 最初にお願いしたいのは、この資料4-1、4-2の21課題ありまして4-2を見るともう少し構造化してほしいと思う。どういう関係でどうなっているのか、この21個は並列では必ずしもないわけであって、これからの仕事でいいがやっていただきたいと思う。まず4-2を見ると、現状における課題から、問題認識をスタートするというのはたぶんいいだろう。本当は将来のあるべき姿を出して、それから現状における課題を出したほうがいいというのは前から申し上げているが、取り敢えず現状における課題が良いと仮定します。その右側に今後の取組みがあるのですが、一応つながっているようですが上から5番目、新たな排水管理手法の検討WET、これがなぜ必要なのか、今の資料では全くこの構造上見えない。それから排水規制のあり方に関する検討、未規制小規模事業場、面源負荷、すべて直接左側とつながらないわけです。もちろん裏では閉鎖性水域の水質改善の遅れとかその辺つながっていると思うのですが、それはやはり明確にしておいた方がよい。この21課題のどれが本当に重要か、重要な中にも今までの行政の施策上積み残しのものと今後すべきものとかいろいろウエートづけがあると思う。そこがやはり必要でないかと思います。次に、せっかく今後の水環境戦略というのが出されたわけですが、それとの関連が若干曖昧である。例えば資料4-2の下の方に技術開発・技術活用普及、環境教育・普及啓発、人材育成、この視点と右側の3つの水環境のモニタリング、統合的な環境管理など、これは明らかに水環境戦略の影響を受けているだろうと推測されます。それはそれでいいのですが、そうすると今度は今後の取り組みの水環境に恵まれた社会の構築というものと、水環境における国際貢献これがまだ必ずしもぴったり合っていない。国際貢献はいいのですが、水環境に恵まれた社会の構築の中には身近な水環境、地域の望ましい湖沼、貴重な地下水土壌、気候変動、一部だけが取り上げられている。これが重要だって言うなら今後の取組みの21の中に重点があるのか、たぶんないと思う。ということでやはりわかりにくい。 それからあと一つ、閉鎖性水域の水質改善の遅れという問題認識から湖沼の水質改善というふうになっているのですが、その遅れとは何か、たぶん環境基準が思ったとおり100%、90%達しないということを遅れと言っているが、その原因として例えば新たな排水規制のあり方など未規制があるのかないのか。それとも面源があるのか。実は違っていて望ましい湖沼という像が必ずしも明確でない。
かっての望ましい像と今思っている望ましい像がだんだん変わってきている。これを遅れというのか、その辺のところも整理していかないといけない。例えば湖沼の水質改善のところでダブっているが、湖沼の水質改善なんかにも人とのふれあいの話が入っていたり、それから景観の悪化とか、例えば湖辺植生の話がいつのまにか抜けていたり入っていたりするようなところもあり、これから整理していただければありがたい。
あと水圏生態系の保全と生物多様性の確保、これ大変結構だと思うが、生物多様性の確保というとすぐレッドリストの話になって特殊な制度の話になる。一方で今後の取組みで、水生生物保全の環境基準の亜鉛とかなんとかという全然違う話。例えば、場をつくるというような干潟藻場の話も海と湖と全部係わってくると思う。例えば国土交通省が干潟藻場、農水省も含め作っているのですが、どのくらい失われたという話はどこにでもある。機能がどのくらい損なわれたかは殆どわからない。損なわれたけれどもどこまで回復することが必要かというのもほとんどわからない。1haつくるのに何億かかけて、それがどれだけの生態系の多様性なのか、量としての保全になるのか、そもそも何のためにするのかということを環境省がきちんと指針をだすべきだろうと思うがどうもレッドデータと亜鉛なんとかというところに陥っているという印象を受けます。

【笠松委員】 資料4-3でお願いしたいのが、閉鎖性海域の水質改善のところで、栄養塩類管理方策の検討が書かれている。岡田委員からあったように、望ましい像が変わってきている。海なんかの場合は全部一つにできるわけがない。栄養塩類をどう管理するかは、場所によって変わってくるだろうから対象区域を区切るのがいいのか、別の目標設定がいるのかなと思っています。それと栄養塩類管理方策の検討の中で円滑な循環を達成するというのですが、ここで底質からの溶出を検討の中にいれていただきたい。大阪ですから瀬戸内海が対象海域ですが、N、Pの環境基準は達成しても下からどんどんできてくる。流入を減らしても下からできてくるのでCODが達成しない。ということで、ある程度管理しながら砂をまくのがいいのか、管理手法を考えなきゃいけない。地域でいろいろ議論していると要望が出てくるのですが、これも入れておいて頂きたい。
地下水土壌の観点で、事例という形で中間とりまとめの中に入れていただいているが、有機溶剤による、水濁法の特定施設から排水口までの経路に入っていないところからの漏洩が、地下水汚染あるいは土壌汚染につながっているというのが現実に大阪でもわかっています。それをどうするかというので対策にも書かれているが、現在の法制度では特定地下浸透水という汚水等を含む水を対象としているために有機溶剤の貯蔵施設は規制対象に入っていない。浅野先生がおっしゃったように、そこが今漏れているので制度上外れているので、そういうものを概念として入れていただきたいと思います。どういう形で入れたらいいのか、設備基準になるのかちょっとわからない。今漏れているのは実は現場で困っている。
最後に自然由来のことで温泉の水を概念として捉えておりますが、今回自然由来の対象にしようというのは水濁法の範疇で考えるのか、地下鉄とか地下街で必ず湧き水が出ています。それを仕方ないから下水道に放っているが、有効活用しようと思ってもできないものもある。それからトンネルの湧水、山の中なので出てくることがある。それは今回対象にするのかしないのか、規制対象にすると大変なことになる。そういうのはトンネル掘ったために出た湧き水を上水道の水源のところに入るのを避けて流すよう指導している事例がある。その辺アドバイスがあればありがたい。

【木幡委員】 今の自然由来というのはどう考えるかというのを整理しないといけないかなと思います。いくつか質問ですが、面源負荷のところ、原単位の再検討に関連して、降水、雨の影響というのは以前と変わっているが、これをどの様に捉えるのか。具体的にうかがいたい。例えばこれは昨年度調べたが、都市近郊では、森林からだいぶ窒素濃度の高い水が流れている。これは、降水の窒素濃度が増加したためと考えられる。原単位から計算されるよりも高い数値の水が流れてくる。これをどう考えたらよいか。あと、昨年指摘したが、陸の問題と海の問題が一緒になったらいいかなと思う。例えば、(8)で人と水とのふれあい、ここでは、陸の問題だけ書いてあるのももどかしくて、里海の考えを組み入れてもいいかなと思う。特にゴミ、海岸で出るもの、海岸漂着物のゴミは地球規模なのでその辺も考慮して頂けたらと思う。岡田委員ご指摘の湖辺、湖の岸辺とか、本来、陸上は水質課の対応ではないのかもしれないですが、ここでの議論に含められるかどうか。 
あともう一つは個人的な質問ですが、(4)の排出規制等のあり方に関する検討で、これまでは環境基準と排水基準がかなり密接な関係にあったが今後これを継続していくのか、あるいはそれも含めてあり方を議論するのか、できたら教えていただきたい。

【田中委員】 今日は9つの点に絞って話したい。4つくらい気になっている。まず、(1)湖沼についてはごもっともですが、ここで言っている湖沼は非常に狭い意味での自然湖沼だけしか書かれていないが、実は湖沼的な所であっても湖沼と呼ばれていないところ、いわゆる川の区間であっても似たことがおきる。例えばダム貯水池の問題とか河口堰、特に利根川の河口堰付近というのは実は川の環境基準を保っていない。その辺の部分が、この湖沼と言われている言葉のだけであらわされるといつまでたっても解決しない部分がある。この概念を入れていただきたい。
キーワードで少し入っているが、汽水湖の汚濁メカニズムとは書いてあるけれども、湖の中でも汽水湖って非常に特殊で、栄養塩管理だけではうまくいかないことはおわかりかと思う。例えば、塩分の確保の問題、それをどれくらいに維持しなきゃいけないのか、逆にどう成層化しているのか、そういう情報管理も含めた概念がいる。生物多様性の部分に非常に関わってくる。そこのところにも一段階踏み出すべきじゃないかと思う。今後というのがどれくらい先かわからないが、今後の40年間行われないとするとそういう言葉も残しておくべき。
それから面源負荷の対応、この中で一般的な話をしてどこからでてくるのかと、下水道や都市的なところもなんとなく入っているように書かれている気がするのですが、今後の取組の所をみると、とたんに窒素、りん、CODの話になっていて、実は面源対策として必要なのはそれだけ?というところですね。その辺誤解がないようにしておかなければならない。例えばそれは農薬の場合もあるし、畜産系からくるいろんな薬の問題、都市であっても亜鉛なんかは、面源としての都市の排水、集めている雨水からのもの、工場の敷地の雨水排水の中に非常に溜まっているケースがある。そういうものは今の法体系だと対応していない。そういうようなところまで、概念を少しいれておかないと、窒素、りんとCODの問題で全て解決?ということが疑問に思うところです。
その次に(7)水圏生態系の保全と生物多様性の確保の問題だが、この中で今書かれているのが、化学物質の問題が主に出ているような書き方をされているように感じる。今の議論の中にも出ているとおもうが水温の問題とか、水温以外にも濁りの問題、いわゆるSSの問題、この辺が実は生物多様性の確保には必要な面がある。それからさらに、先程の湖沼のところ、閉鎖性海域のところで述べられていた栄養塩管理は、今アメリカで新たな判断基準が湖沼についてあり、当然閉鎖性海域はもちろんあるのですが、ストリームつまり河川についてもある。それはある程度の生産性に押さえておかないと生物の多様性が守れないというところの概念から10年以上前から始まっている。これをもとに河川であっても栄養塩管理が必要だろうという、そういう概念に入り始めている。そういう概念はたぶんこの中には入っていないのかな。この1、2年でやらなければならないことかわかりませんが、都市の中で、例えば多摩川なんて見ていると鮎が釣れてある意味ハッピーなのですが、生物の多様性からいって必ずしも望ましくないような姿がある。下水道は東京湾のためには栄養塩を減らすのですが、河川のことはまだ考えてない。長期的に言うのであればその辺の概念まで必要で、川であっても栄養塩管理というのは必要じゃないかというべきではないか。既に韓国や中国でも栄養塩管理をやっている。
それから、人と水とのふれあいの推進、ごもっともなのですが、水に人を入れて本当に大丈夫か。例えば琵琶湖はもともと泳げた。藻がはえてしまって見通しが悪いということがあるが、大腸菌群数も環境基準を満たしていないが、実はレクリエーションユースが行われている。サーフィンしたりしている。その辺の水の利用、今までは水道の利用が前提にあったが、レクリエーションとしての利用としてのあるべき姿、どれくらいの安全性を持っているのかなとか考えなければならない。この辺の問題をちゃんとどこかに書いておいて頂けるとありがたい。短期的にやらないといけない話と、もう少し長期的にやらないといけない話をいろいろ織り交ぜて頂けると有り難いと思います。

【中杉委員】最初に前回の中で私が申し上げた話で、淡々とやらなければいけないこととすぐに議論をすることという表現は少し誤解があるといけない。淡々とやらなければならないことというのは、今の流れの中から言えば今の話をほとんど持って行けばいいが、根本からやらなければいけないこともいくつかあると。そういうものを2つ分けてくださいと申し上げた。今回の(4)の排水規制のあり方についてが、ぽんと入ってきたのでよくわからなかった。排水管理手法なんかは、排水規制を今後どのようにやっていくのか、今までと全然違う考え方でやっていくのか議論が必要だろう。例えば、特定施設制度というのをやめてしまうというのは大がかりな変革ですね。これは地下水の特定施設じゃないところに手を広げる、それをどうするかというのは、大きな議論だと思う。
もう一つ大きな議論というのは、自然由来というのがなんなんだろうと。どう付き合っていくのかというのは大きなポイントなのです。温泉水の話もそうです。地下水も土壌の排水もそうです。もう一つ重要なのは、前にも申しあげましたが生物生態系を保全するという意味では、自然にもともと存在するというのをどういうふうに考えるか。もともと自然由来の汚染が存在するところにはその汚染物質に耐えられない生物はいない。それに対してどう考えるのか、こういうことも考えていかなければならない。そういうふうな基本的に考えなければならないことはこういう個別課題ごとにぶつぶつ切った議論では出てこない。共通問題として議論しておかなければいけないものはこういう場で議論しないと今後も議論されないだろうと思う。是非そういうものを抜き出していただきたい。共通の問題として勉強会でいいと思う。そういうことで議論して考え方を整理して、次の段階にいく。全体に共通するこういう議論が必要だということを抜き出してやっていただくと、今後の水環境保全のあり方ということを議論したなという気になる。

【平沢委員】 (1)湖沼の水質改善ということで、こんなに漁獲量が下がっているのに驚きまして、こういうことを解決するのに面源とかかな、要するに、海域と同じように栄養塩の管理手法とかそれから対象水域の状態に即した状態の管理手法とか、そんな表現が湖沼にも入るんじゃないかなと思いました。
それから、(2)海域の水質改善ですが、言葉の問題で、事前に読んでいて気になったのが、閉鎖性海域対策の時代と呼んじゃうと変な感じなので、時代にあった閉鎖性海域対策の見直しに直していただければと思います。
(3)の新たな排水管理手法の検討のところで気になる言葉で、課題の所の3番ここだけ支障という言葉が出てきてきついなと思う、課題とか問題とかではいけないのか。水環境の支障というのも変な表現だなと思いました。
(5)未規制の小規模事業場等の対応の所で、今後の取組の技術的助言体制の検討という言い方ですが、これは技術的支援体制のほうがいいのではないかな、助言だけかなと気になりました。

【真柄委員】 個別のこといろいろありますが、一般論を述べさせていただきます。今この夏だけではなくて、あちらこちらでアナベナが出て、障害が出ているんです。例えばアナベナがいなくなるような湖沼管理というのがこのテーマの中に入っていない。春先の淡水赤潮で生ぐさ臭がでていますし、一般論としてN、PやCODというのはいいですが、実際に障害が起きているものに対してターゲットは本当にあるのかなと考えています。そして地下水汚染も硝酸性窒素の問題はほとんど変わっていないし、現にあちらこちらで困っている。全体としてこういう取り組みが必要だと思うが、もう少し具体的な障害事例を対象にした取組も一方で必要じゃないかなと思いました。それから、未規制の小規模ですが、これは環境庁ができた1970年代、下水道の整備がずいぶん遅れていたので小規模に関しては整備できなかったわけですが、今日下水道の整備区域は70%くらいきているわけなのですから、そういう今日の状況から下水道をどう規制、小規模の対策の中で位置づけていくかということを考え直した方がいいと思いました。これは環境省だけではないわけで健全な水循環の枠組みの中で議論していただいた方がいいのかもしれない。その中でやはり浅野先生がおっしゃったようにそろそろ地域指定の問題は環境基準もそうですし、水濁法の排水規制のことであり、地域指定のことは真剣に考えていかないといけない。何でもかんでも一律だというのはやはり苦しくなってきているので、地域指定を考えていくべきだろうと思います。その上でやはり環境基準の達成率が75%でいいのか、95%にしなきゃいけないのか、50%でもいいのではないか、いうようなことを考えていくと、やはり環境基準点だけではなくて、かなりの規模の特定施設について言えば、やはり排水を排出する場所と量と質について、規制をするかしないかを別にしてもインベントリを作っておかないと次の制度の間に合わなくなるという認識です。

【森田委員】 たくさんの項目挙げてもらっていて、おそらく水に関する課題を羅列されており、これが全部できればいいのだろうが、その中には難しいものもあり、悩むところもあるのだろうと思います。
 生活環境としての水をよくするという点で、湖沼の水質改善と書かれていますが、この中には水とのふれあいをよく感じてもらってという議論もあるのですが、まず湖沼の水質改善、閉鎖性海域の改善だと、基本的にどうしても下水の整備をさらに強めなければいけないという要素が大きいかなという感じがする。そういうアプローチを抜きにして、なんとかして辻褄が合わせられるような構造じゃなさそうな感じがします。それからもう一つ気になっているのが、湖水浴なんて書いてあるが、湖では泳いではいけないのではないのかなと、個人的な考えです。湖の横にプールでもつくってもらって管理された所で泳いでいただく。人が入るというのは、日本のように人口密度が高いところで観光客が飛び回る、そういう世界では泳ぐこと自体が非常に大きな負荷である。そういうことを打ち出した方がいい気がする。
2番目に有害化学物質対策ですが、確実に広がってきていますので、したがって有害化学物質と言われる品目そういったものの管理も普及をしていますし、また、ある場合には生産量その他が入れ替わったりすることにフォローしていけばある程度うまくいくのかなという感じはする。
例えば事故時の対策も含めて、取り敢えず有害物質は環境に出さないのだというある種の生活スタイルを国民の皆さまに(事業所だけではなくて)そう思っていただいて、それに向かって進んでいくという気がします。
3番目、生物多様性への議論があります。生物多様性の議論はつきつめていくと誰もわかっていない。多様性が必要かどうか誰も分からない。水規制との論理的な道筋を示すということは無理っぽい。
道筋は問わないくらいの漠然としたアプローチの方が現実的な答えかなという感じがする。最期に、もう一つ水の循環と関係するが、森林の破壊が相当進んでしまったために暗い局面がいくつも出ている。森の衰退で山から土が流れ出し、水生生物を痛めつけている。これも国家全体の重要な施策の中で、森林を大事にしましょうという文脈の中に水の環境保全の問題というのは明確に打ち出していただきたい。

【須藤座長】 私から排水の管理手法についてお話します。実際に日本で可能なのか、といった質問だったと思います。
アメリカの排水規制のWET等については、排水の規制をしているわけではないのですが管理をしています。生物バイオアッセイを使った手法を日本に入れて、もし実施したら二重規制になるのではないかとか、立ち入りにして地方自治体にバイオアッセイをやらせるのか、という問題が指摘されていますが、今よりももっと複雑になって規制も厳しくするということを念頭においているわけではございません。
まずは、生物の持っている機能情報というのは、科学分析以上に鋭敏でございますから、それを使って未知の化学物質の毒性なんかもわかりますので、一言で言えば予備試験です。排水についてバイオアッセイやってくださいよ、バイオアッセイにはこんな方法がありますよと、とりあえずやってみて、規制と言うよりも自主的に後方支援して、大手の企業などに対しては、自主的にやった上で実際にデータを提出して頂くとか、そんなことを手始めにやろうとしています。あと3年間の検討期間がありますので、一言で言うと、バイオアッセイをもう少し排水規制及び公共用水域の水質管理の中で導入して、規制というよりも管理の中でそれを使って頂こうと、このような検討をやっています。
それではこれまでの意見に対する回答をまとめてください。

【森北水環境課長】 まず21の取り組みについて、構造化というお話がありました。これにつきましては、課題と取り組みをきちっとリンクと言いますか、それを整理すべきというご指摘、これは中間とりまとめについてもそれぞれつながりを整理させていただいておりますので、今回数が増えておりますので改めて21の取組について課題との整理をしたいと思っています。
太田委員のほうから、湖沼の水質改善で、どこで誰がどのような方法でという運動論の話がございます。これはなかなか議論していてもおそらくイメージが膨らまないので、モデル湖沼なりで実証的に取り組む中で、誰がどんなことをどのようにやっていくのか、今後やっていきたい。その中でもっと具体化されていくのではないかと思っております。それと併せて池委員の方から望ましい湖沼についてガイドラインというお話がありました。これにつきましては、個々の湖沼によって望ましい湖沼像が違うと思いますので、それは地域の中でいろいろ議論をして頂く。水循環計画をつくるなりモデルの実証的な取組の中でそれぞれ地域に合った、望ましい湖沼像が設定されていく、そういう現地におろした形での取組を進めていきたいと考えております。その中で具体化されるのではないかと思っています。
(4)の排水規制の在り方のところですが、これは木幡委員からありましたが、特に今までの排水基準の設定の部分、そういったものも含めてどういうふうな考え方がこれからの在り方としていいのかどうか、この中で検討していきたいと思っています。
面源負荷の関係で原単位のご質問がありました。これについては、面源負荷の現状を整理して、先程木幡委員の方からもありましたが、やはり降水からの影響、窒素飽和という話もございますが、 昔と変わってきているのではないか。そういう意味で原単位を改めて整理したい。その上でどういったところからの負荷の割合が多いのか知った上でどう手を打っていくのかを検討したいと思います。汚濁負荷の原単位を今の時点でどうなのかということを整理する必要があるのではないかと問題意識でこういったものを考えたわけでございます。
自然由来についてはまさに問題意識は同じでございまして、いろんなところが課題としてございます。前回も相模ダムの窒素の問題等ございまして、地下水だけではなくてダムの負荷の問題、更には温泉の自然害とか、いろいろございますので、そういったものは自然由来の課題として当然認識していまして、今後考えていきたい。それを最初からと言うのは難しいので、個々の具体のものを検討する中で、最終的に自然由来を全体としてどういう扱いをしていくのかということを考えていく必要があると思っています。

【伊藤水環境担当審議官】非常に広範にわたるご意見を頂き有り難うございました。
我々自身、水環境行政の全体図がどうなっているのかということが、先生方に御議論いただいてだんだんわかってきたというところでございます。
全体像がわかって初めて個々の施策はどういう位置づけになるのかということを、力の入れ方とかそういったことも当然異なってくるわけです。
この検討回、あと数回ですけれども、非常に有意義な議論をいただいてまず感謝を申し上げます。それからいろんな課題が出たわけですが、自然由来の問題は非常に大きな問題でして共通事項にしたいなということでございます。これは特に最も行政的にしんどいのが温泉排水の問題でありまして、ここが最も自然由来の所の先鋭的な議論になるのだろうと思っております。今後検討会を発足させていろいろ検討を深めていきたい。
それから、地下水未然防止の問題、浅野先生からも従来の水濁法ではカバーできない問題だというご指摘もありました。実は前国会の水濁法の改正の国会議論もそうですし、その前の土壌汚染対策法の国会議論でもそうですが多くの議論がありました。それらと今日の議論を踏まえて、しっかりとした議論を早急にやる必要があると思っております。
別途しっかりとした検討をしたいと考えております。

【事務局富坂課長補佐】次回の検討会ですが、今回9つ議論していただきましたが、残り10項目について進めたいと思います。次回9月2日で調整させていただきます。

【須藤座長】ありがとうございました。それでは議事録は事務局で調整後、発言委員等への確認をよろしくお願いいたします。それでは本日は委員の皆様には長時間にわたり熱心なご意見賜り有り難うございました。以上をもちまして本日の検討会を終了させていただきます。