環境省水・土壌・地盤環境の保全水環境関係今後の水環境保全に関する検討会

今後の水環境保全に関する検討会(第6回)議事録


1.日時:
平成22年6月23日(15:00〜17:00)
2.場所:
中央合同庁舎第7号館共用会議室1(903)
3.出席委員:
浅野直人、猪狩良彦、及川勝、大木貞幸、笠松正広、木幡邦男、須藤隆一(座長)、中杉修身、平沢泉、堀口健夫、眞柄泰基、
環境省: 
鷺坂水・大気環境局長、伊藤水環境担当審議官、笠井土壌環境課長、木村総務課長、
森北水環境課長、室石閉鎖性海域室長、竹本地下水・地盤環境室長、西嶋農薬環境
管理室長、富坂水環境課課長補佐 ほか
4.議題
(1) 第5回検討会以降の動向について
(2) 今年度の検討スケジュール
(3) 第5回検討会における意見と対応
(4) 望ましい水環境、水環境保全の目標について
(5) その他
5.議事録

【事務局富坂課長補佐】 本日は委員19名中11名に出席をいただいています。今回初出席となられます委員をご紹介いたします。猪狩良彦委員でございます。
 続きまして資料の確認させていただきます。議事次第、資料については資料1,2,3、資料4については4−1,4−2、4−3、追加資料5については5−1,5−2,5−3、参考資料につきましては、1から5までお配りしております。それでは座長の須藤先生に議事の進行をお願いしたいと思います。

【須藤座長】 みなさんこんにちは。
 座長をおおせつかっている須藤です。
 この検討は本日6回です。前回までは「その1」として中間のとりまとめであり、本日は「その2」として後半の審議を行うこととなりました。本日は多数参加いただきありがとうございます。
 本日は第2期ということで委員のみなさんの活発なご発言をお願いしたいと思います。
 それではさっそく議事に入らせていただきます。
 まず事務局から議事の進め方を紹介していただき、その後第5回以降の動向について説明していただきたいと思います。

【事務局富坂課長補佐】 本日の議論の進め方について、事務局からご説明申し上げます。
 今年の2月に第5回検討会を開催させていただきましたが、それ以降様々な動きがございました。
 参考資料をつけておりますので、こちらからご説明いたします。資料3においてこの検討回の最終とりまとめに向けたスケジュールについてご説明いたします。また資料4につきましては第5回検討会でいただしたご指摘、それを踏まえた対応整備についての資料を用意させていただきました。今回各論の議論といたしまして資料5を準備しております。望ましい水環境像またその具体化のための目標設定のためのご議論をお願いしたいと思います。それでは説明につきましては水環境課長からさせていただきます。

【森北水環境課長】 水環境課長の森北です。議題の1ですが、前回の検討会以降これまでの動きにつきまして参考資料をもとにご説明申し上げたいと思います。参考1から参考5までの資料でご説明させていただきます。
 参考1ですが、前回の検討会でもご報告させていただきました「大気汚染防止法及び水質汚濁防止方の一部を改正する法律」についてです。この法律は今通常国会に提出し4月に可決成立し、5月10日に公布されました。この内容について3点ご説明いたします。まず1点目ですが、排出状況の測定結果の未記録、虚偽の記録に罰則を創設するという改正を行いました。これまでは排出基準違反については罰則がありましたが、未記録や虚偽の記録については罰則がありませんでした。次に、汚水の流出事故による水環境の被害拡大の防止ですが、事業場等から汚水の流出事故が生じた場合、応急の措置や自治体への届出を義務づける事故時の措置について、その範囲を拡大するというものです。具体的には、排水規制の対象となっていない有害物質を追加する、排水規制の対象となっていない有害物質を取り扱う事業者を追加するということで、水質事故時の迅速な対応が可能になるというものです。
 次に、事業者の自主的な公害防止の取組の促進ですが、これは事業者の責務規定を創設しております。排出状況を事業者が把握し、汚染物質を抑制するため必要な措置をとるといった改正内容でございます。次のページに新旧の法律の条文をお示ししています。当法律の改正にあたって附帯決議がなされており、関係のあるところを後ほど資料を追加配布してご説明いたします。次に参考2についてですが、これは手順です。来年度からの法律の施行に向けて、政令の改正、省令の改正を今後やっていくということで記載させていただいております。裏面の水質事故時の対応についてですが、事故時の措置の対象となる指定物質の指定等を行っていく必要があります。さらには、事故の未然防止への対策の検討も引き続き行っていくということで、これは来年度以降になります。
 次に、参考3の環境経済成長ビジョンでございます。内容は大きく5項目から成っておりまして、この中の2番目に環境投資とビジネスチャンスというのがございます。(2)で、アジアへ世界へ環境ビジネスを展開を図っていく、その中で水について取り上げられています。7ぺージに日本の環境技術で世界に貢献する、市場を国外に広げ、水環境ビジネスが各国で受け入れられる条件整備を進めるということが示されています。海外における水環境ビジネスの展開ということで、日本が有する排水処理、し尿処理システム等の技術をアジア等へ国際的な普及推進を図るとともに、海外における水環境ビジネスを担う人材を育成していく、こういったことがビジョンとして取り上げられています。
 具体のプロジェクトとして14ページ以降に示されていますが、16ページに海外展開のイメージを示しています。アジアをイメージしていますが、あまり良くない水を水源として利用し、浄化して飲み水にする。さらに汚水の集水システムさらには処理技術を導入して湖沼や河川の水環境を保全に役立たせる。こうした水循環のサイクルを構築するような技術、施設をパッケージ化しトータルシステムとして展開していく。そういったところにビジネスチャンスを見い出していくということです。
 参考4ですが、先般環境白書が発表されまして、その抜粋でございます。22年版環境白書の中で水について1章を割いて取り上げられています。1章を割いたというのははじめてとのことです。それだけ水が大事だという環境省の考えの表れだと思います。
 最後に、参考5の水環境戦略タスクフォースについてです。これは大臣政務官が主宰して水について幅広く勉強し、それをうけて課題を整理したいということでスタートしました。有識者からヒアリングするということで、1月に第1回が開催され、第4回では須藤会長からもお話をいただきました。第6回までヒアリングを行い、第7回ではシンポジウムを開催しました。シンポジウムまで終わりましたので、大臣政務官がこれらの成果を取りまとめて、今後の水環境の戦略として大臣に報告するということになっています。以上ですが、附帯決議については資料が用意できましたらご報告いたします。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。
 附帯決議は重要ですので、資料が用意できたら説明をお願いします。
 それではこれについて意見ございますか。よろしいでしょうか。
 では討論の時間を多くとりたいと思いますので、次の、今年度の検討スケジュールについてご説明ください。

【森北水環境課長】 昨年度は、検討会を5回開催し、12月には中間取りまとめを行っていただきました。今年度ですが、5回程度検討会を予定しておりまして、本日は今年度のスケジュールと望ましい水環境像、水環境の目標について議論していただき、第7回、8回では中間取りまとめの水環境保全の取組について、議論を深めていただくことを予定しております。取組としてさらに増えるということもあろうかと思います。そして、第9回には素案を作成し、第10回で最終取りまとめをお願いしたいと考えています。取りまとめのイメージとしては、中間取りまとめをさらに充実させたもので、ロードマップ的なものもまとめていたければと思っています。

【須藤座長】 どうもご説明ありがとうございました。
 それではただいま説明があった今年度のスケジュールについて最終とりまとめは秋となりますが、いかがでしょうか。普通中間とりまとめで終わってしまうことが多いのですが、今回は最終とりまとめまでやるということで期待しております。
 それでは附帯決議について説明をお願いします。

【森北水環境課長】 附帯決議は8項目ございますが、関係するところをご説明いたします。1点目は、測定記録の改ざん等についてですが、事業者に対する適切な検査や指導が行われるよう?、地方公共団体職員への充実した研修の実施等、体制整備の支援に努める。
 2点目は、公害防止管理者制度の充実・活用や事業者への普及啓発等を行うとともに、事業者による測定データの公表・開示の推進を図る。
 3点目は、指定物質について人の健康や生活環境に係る未然防止の観点から幅広く指定すること、また適宜、必要な見直しを行うこと、近年水質事故件数が増加傾向にあることから事業者による事故原因の究明や再発防止について適切な指導を行い、事故の減少を図るため効果的な未然防止対策を検討する。
 4点目は大気なので省略しまして、5点目、地下水汚染対策や水環境における諸課題について、着実に対応を進めること、また水行政のあり方について、総合的に検討する。
 6点目は農薬の関係についてですが、人への健康影響や生態系への影響などに関する調査研究を進め、適切な対策を行う。
 7点目は環境基準についてですが、常に適切な科学的判断が加えられ必要な改定がなされ、対象の追加や数値の見直しを適切に行う。要監視項目等についても対象の追加やさらなる環境基準の設定等積極的な取組を推進する。個別の環境媒体ごとの規制ではなく、環境総体としての統合的な環境管理のあり方を検討する。
 最後に、生物多様性年であることから生物多様性の確保のために、生態系保全に係る環境基準の策定に向けて、関係法制の検討を行う。このような8項目の附帯決議がなされています。

【須藤座長】 どうもご説明ありがとうございました。何かご意見ございますか。

【平沢委員】 附帯決議の位置づけとはどのようなものでしょうか。

【須藤座長】 附帯決議の位置づけについて説明してください。

【森北水環境課長】 法律を成立させるにあたって、今後さらに検討すべきもの、行政として取り組んでいく、努力していかなければならないものと考えております。

【浅野委員】 要するに国会が政府に注文をつけたということで法的に拘束力はないが、政治的には意味がある。
 しばしば国会の附帯決議があるので法律改正や法律をつくるときのきっかけになる。関係省庁が文句をつけても附帯決議があるので拒否できるという材料にもなる。というような位置づけと理解すればよいと思います。

【須藤座長】 それでは次の議事についてご説明ください。

【森北水環境課長】 資料4−1は前回検討会の議事録でございます。本日までに各先生方にお送りして修正いただいたものですが、さらに修正等ございましたら事務局にご連絡いただきたいと思います。
 資料4−2の第5回検討会における意見と対応案をご覧ください。中間取りまとめにそって整理しています。
 まず、望ましい水環境について、希薄な人と水のふれあい、生物多様性の劣化への取り組みが明確に見えないというご意見については、これからの取組として、川で遊ぶ子供「川ガキ」を増やしていくことが、川でのふれあいを深めることにつながるのではないかと考えています。また、生物多様性の定量的な評価方法を検討するということにしています。国交省の河川水質管理の指標などの取組も踏まえ、人と水とのふれあい、生物多様性について取組を今後整理し、次回以降の検討会で示していきたいと思っています。
 2つ目の人と水とのふれあいに関するご意見ですが、身近な水環境や生態系が重要になるということで、これにつきましては、例えば農林水産省で田んぼの生き物調査などが行われており、今後、そういった水の位置づけを含めて地域の水循環モデル事業で具体的に検討したいと考えております。
 次に、生態系生物多様性について、もっと大きく取りあげたほうが良いというご意見でございます。
 これにつきましても、次回以降に取組を整理したいと思います。低炭素社会、自然共生、循環というキーワードがありますが、水環境として持続可能な社会を構築するということから循環の考えを入れてやるべきというご意見です。
 健全な水循環の構築という取組の中で、指標の見直し、水循環計画の策定とか実施状況をフォローアップし、次の第4次環境基本計画につなげていきたいと思っています。
 次に、若い世代の人たちの環境教育が大事というご意見でございます。これについても環境教育、普及啓発を行っていくということで、川ガキを育てていくとか、水環境の普及啓発をいろいろと行っていきたいと思っています。
 その次の二つは、モデルプロジェクトなどをやる中で発想の手がかりとして考えたらどうか、モデル地域で何か実証的にやってみたらどうか、というご意見です。
 これにつきましては、モデル地域で実証的な取組を検討していきたいと思っております。
 具体的にはモデル湖沼を中心としたプロジェクトを考えていきたいと思っています。
 環境基準について、規制を必ずしも前提としない設定とはどういう意味なのかを整理する必要があるというご意見ですが、これにつきましては直ちに排出規制する必要はないが、水環境を常時観測する必要のある項目を環境基準として設定するという考え方について、今後整理していきたいと思います。
 環境基準のあり方について、環境基準というのは住民一人一人が役割を果たさなければならないというご意見ですが、いろんな情報を発信して住民の意識向上につとめ、その中で役割を認識していただこうと考えています。
 3ページですが、水質環境基準を決める時に耐容一日摂取量のどういうものをとるのか明確にしないといけない。その考え方をモニタリングに入れるのか、基準のところに入れるのかというご意見でございます。これにつきましては、飲料水を経由して人の体内に取り込まれる量の他に、環境水から魚介類等を通じて摂取される量も、環境基準値を設定する際には勘案しております。
 耐容一日摂取量との関連性については、個々の物質により媒体中存在状況が異なることなどから、より詳細な検討が必要であると考えています。
 基準を検討する際に こういったことを踏まえて考えてまいります。
 CODについては難分解、易分解に分けたほうが良いのではないかというご意見ですが、これにつきましては、環境基準項目としてはCODを用いていますが、閉鎖性水域の汚濁メカニズムの解明にあたってはご指摘のとおり易分解性と難分解性のCODに分けて検討することが有効と考えており、そのように取り組んでいきたいと考えています。
 その次は水質事故への対応ですが、やるべき事は未然防止だけではなく、事故が起こった後の対応についていろいろ考えるべきことが残されているというご意見ですが、事故時の対応についても検討していきたいと思っています。
 次に、閉鎖性海域における水質改善について、循環型社会という切り口を入れるべきというご意見です。閉鎖性水域の水質改善方策の検討に当たっては、陸域と水域の円滑な物質循環を考慮した栄養塩等の管理方策を検討していきたいと考えています。
 窒素の循環が重要であるというご意見ですが、湖沼の汚濁メカニズムの解明にあたっては、ただいま述べたように陸域や水域の栄養塩等の収支や物質循環を踏まえた検討を行っていきたいと思っています。
 4ページも同様なご意見ですが、河川や湖沼も含めた陸域から海域にわたる健全な水循環を構築するという視点で検討していきたいと考えています。
 次にポリシーミックスについてですが、全体を見た中でやっていく必要があるというご意見でございます。ご指摘の点を踏まえて検討していきたいと思います。
 次は生活排水対策についての記述が少ないのではないかというご意見でございます。汚水処理の在り方については、現在3省(国土交通省、農林水産省、環境省)の政務官による「今後の汚水処理のあり方に関する検討会」において検討されているところでして、その動向を踏まえながら検討していきたいと思っています。
 また、生活排水対策については、汚水処理施設の整備とあわせて、住民に対する負荷軽減対策の普及啓発も重要であり、効果的な対策を検討していきたいと思っています。生活排水対策の啓発が重要であるということで、川に近づき川に親しむことによって取組が持続していく、そういったものが定着していくことが大事であるとのご意見です。環境教育・普及啓発の一環として、川で遊ぶ「川ガキ」を増やすことを提唱し、人と水との関わりを進めるほか、生活排水対策重点地域について効果的な対策を検討していきたいと思っております。
 次に、環境指導員やリタイアした人を使うなど、人材の育成が必要ではないかというご意見でございます。これにつきましては、今年の1月の「今後の効果的な公害防止の取組促進方策の在り方について」の答申の中で、専門知識を有する地方自治体職員OB等を活用するなど人材育成や人材活用を検討するとなっておりますので、それを検討していきたいと思っています。5ページですが、未規制小規模事業場と面源負荷の問題は2つに分けたほうがよいのではないかというご意見です。これについては2つに分けたいと思っています。
 次は、浄化槽が抜けている、生活排水と浄化槽の問題は連携を図るべきではないかとのご意見です。ご指摘の点を踏まえ、従来にも増して関係部局との連携を図っていきたいと考えております。
 海洋環境の話についてですが、NOWPAPなどの既存の枠組みを活用していきたいと考えています。次に国際貢献について、国内の企業は規制があって厳しいのでアジアへ出て行ってしまい、その結果、暫定の業種が無くなったということでいいのか、企業の海外移転に関する問題が出ていないとのご意見です。これは難しい問題ですが、途上国において水環境の保全が図られるようにWEPAで各国連携して取り組んでいます。こうした枠組みを通じて、途上国における制度の構築や執行体制の整備等、水環境ガバナンスの向上に向けた支援を行っていきたいと思います。
 モニタリングについてのご意見ですが、各省庁が所有する水に関する各種の情報、データを内閣官房が集約することとしており、その中で、環境省としてもどのように活用するか検討していきたいと思っています。統合的な環境管理についてのご意見ですが、我が国の現状を踏まえながら、環境保全の観点や行政資源の効率化の観点から検討していきたいと思っています。
 次に、メッセージを出す、行動を呼びかけるといった運動論みたいなものを考えてはどうかとのご意見ですが、公害防止の取組に対する表彰制度や、環境教育・普及啓発の一環として川で遊ぶ「川ガキ」を増やすことを提唱するなどしたいと考えています。
 6ページですが、社会に情報発信しなければならないとのご意見です。さきほどご説明したように、平成22年版環境白書では、水に関して1章を費やして報告しています。水環境に関する取組について、これまで同様、社会への情報発信を積極的に行っていきたいと思っています。
 次は、モデル地域のプロジェクトについてです。PDCAをどうインボルブメントするかというご意見ですが、モデル地域における実証的な取組等を検討することとしています。その中で、PDCAサイクルを適切に取り入れていくことを考えています。
 各府省との連携についてのご意見ですが、当然のことながら、関係府省庁との連携について検討していきたいと思っています。
 「おわりに」で、規制や制度だけではなくもっと積極的に現場の状況を理解していかないといけないとのご意見ですが、モデル地域での実証的な取組なども含めて、現場の状況を十分に理解して対応しなければならないと思っています
 人材についてですが、人材育成、環境教育を含めた人づくりの観点も含めて整理していきたいと思っています。「低炭素・循環型・自然共生」を入れ込むことも検討したいと思います。
 汚濁源として自然由来の扱いをどうしていくのかということも課題として認識しており、今後、検討していく必要があると思っています。
 環境に関わる様々な施設、モニタリング施設が老朽化しており、この更新をどうするのかとのご意見ですが、これにつきましては、高度経済成長期に整備された水環境管理施設等の維持管理・更新は大きな課題と認識しており、十分状況を把握していかなければならないと認識しております。
 最後のページですが、ご意見のとおり技術開発政策は大事な点でございますので、技術開発、技術の活用や普及といった取組について整理したいと考えています。
 現場の水管理を持っている他のセクターがどう考えるのかというのが非常に大きいのではないかとのご意見です。これは関係府省庁との連携ということにもなりますが、現場の状況も十分認識して取り組んでいきたいと思っています。
 最後の2つは排水規制の関係ですが、上乗せ・横出し規制は、自治体が地域の実情に応じて行っており、各自治体における上乗せ・横出しの設定状況について整理し、自治体が条例を制定する際の参考となるようにしていきたい、また、条例との関係も含めて実態を整理していきたいと考えています。
 資料4−3に、課題と今後の取組の関係を再整理させていただいております。
 取組について未規制小規模事業場、面源負荷については分けて取組を整理し、世界の水問題の課題に対して水環境ビジネスの展開を取組として整理したいと思っています。
 こういった取組の横串といいますか、技術開発、技術の応用・普及、人材育成、環境教育といったことも取組として整理したいと考えているところです。
 これらを最終的な取りまとめに向けてさらに深掘りしていきたいと思っております。

【須藤座長】 ただいまの説明に対してご意見ご質問ありましたらどうぞ。

【中杉委員】 4ページは私の発言ですが、ちょっと適切でないように思う箇所があるので補足したいと思います。
 ベストミックスが必要ないと書かれています。組み合わせたベストミックスは必要だろうと思います。ただ水だけでやるということではないだろう。大気のほうのベストミックスでも化管法でやっているものと、それとの組み合わせが必要だろうという話で、水のほうで自主管理しなさいよ、水のほうで単純につくるのではなくて、他のものも含めて組みあげていくことが必要だろうという趣旨で申し上げたので説明不足でした。ここに入るのかという問題もあるがどこかで議論しなければならない。これについてはあとでまた発言します。

【須藤座長】 水だけで管理できないという部分があり、そういうところについて検討してほしいということなので、今日の意見として付け加えるよう検討ください。

【堀口委員】 普及啓発で「川ガキ」を増やすという政策が出てきているが、基本的コンセプトは解りますが今の段階で具体的にどういう取組をするのか教えていただきたい。

【森北水環境課長】 どのようにやっていくかはこれから検討することになりますが、問題意識としては、川で遊ぶ子どもが少なくなり、それが川の環境なり水質などに対する無関心を呼び起こし、川の環境を悪くしているという悪い循環になっている。川に目を向けるということが川の水環境をよくすることになるという考えのもとに川で遊ぶ子どもを増やしたいということです。やり方については今後検討していきたいと思っています。

【浅野委員】 これは外にすでに発信しているのか、それともまだ内部の議論ですか。

【森北水環境課長】 まだ内部の議論です。

【浅野委員】 そうだったら、「川ガキ」という表現は直していただきたい。
 行政として使う言葉としては不適当だと思う。

【須藤座長】 埼玉県での活動の中でも、「ガキ」という表現は良くないと指摘をうけたが、昔からがきはがきだということで、がき大将という表現もあり、がきがもどってくることが必要だろうと、埼玉県の中では、川にがきがもどってくることが必要だろうと理解されました。大木委員これについて何かあれば。

【大木委員】 埼玉県では、確かに庁内や議会でもこの言い方はいかがなものかという意見がありました。ただ、がき大将という言葉は大きい子が小さき子を面倒みていくということも含めたネーミングであるといことを理解いただき、この言葉の持つイメージとは違うのだということを説明しながらやっています。
 具体的には、子ども達の川がきの養成塾という形で川でも遊び方、親子で集まっていただき、子どもといっしょに遊ぶ。今の小学4〜6年生の子を持つ親は川での遊び方を知らない。それで一緒に川に入ってもらい専門家の指導を受けながら川で遊ぶ。実際に生き物を捕ってみて、汚い川でもこれだけの生き物がいるということを、漁協の人に手伝ってもらって実際に水辺で見てもらうということをやっている。人数は安全管理の面から沢山は集められないが密度の濃い事業を行っている。

【浅野委員】 失礼ですが、内容を問題にしているのではない。内容のことはよく解っている。子どもという言葉も「供」という字を書くこともいけないということでひらがなで表記すべき、といわれるような時代なのであり、そのことを言っているのであり、中身について悪いとは言っていない。

【須藤座長】 これを議論するときにもう少し表現方法について、字として悪いということなので検討の必要がある。内容についてのコンセプトは受け入れられていると思っている。

【平沢委員】 最近若い子の環境教育が気になっていまして、スウェーデンについて聞いたのですが、すごく若い頃から良い教育をされていて、日本でも水環境のあり方というのであれば一般の方、若い方にきちっとわかりやすく、どういう意味があって、これからの21世紀日本がどう生きていくのか、人材育成を含めて力をいれていただきたい。

【須藤座長】 ありがとうございました。この点は最後の部分にも入っているので、その時に議論したいと思います。時間が余りありません。最後の議題「望ましい水環境像、水環境保全の目標について」が最も重要なので、事務局から要点を完結に説明してください。

【森北水環境課長】 これまでの検討会でも、望ましい水環境像について議論していただきましたが、福岡委員から、水質、水量、水生生物、水辺地などの良好な水環境が環境保全上健全な水環境とどうつながるのか見えないとのご意見をいただきました。その時は最終とりまとめの課題とさせていただくとしたので、今日はそこを議論していただきたいと思います。
 資料5−1ですが、これまでの取組を振り返ったもので、水環境ビジョン懇談会や水循環の確保に関する懇談会等を行い、環境基本計画が第1次から第3次と策定されてきました。
 3ページは水循環に関する取組状況を整理したもので、流域での健全な水循環の構築に向けた計画の策定について、平成21年で106の自治体で取り組んでいます。しかし、その内容に関しては十分把握しているところではありません。そこで、4ページに水循環に関する取組の課題と今後の取組の方向性を示しています。
 まず、水循環計画策定の意義や目的を明確にしていく必要があるということです。
 具体的には、関係者の意思疎通、目標の共有、個々の計画とか取組の役割が明らかになるのではないか、さらには健全な水循環を構築したらどういう効果があるのかを明らかにする。例えば、水質の向上とか河川流量の回復、水害の減少、水利用の効率化、生態系の回復、また枯れていた湧水の復活、そうした具体的な効果を明らかにしなければいけないというのが1点目です。
 2点目は、関係省庁、関係主体の連携ということで、流域住民、事業者、民間団体等が協力して水循環計画を作っていくということです。そして、取組の評価ということで、PDCAサイクルを確立し、フォローアップをやっていく必要があります。
 また、気候変動の影響を踏まえた将来像の設定が必要ではないかと考えております。
 他分野との関係の考慮ということで、生物多様性、地球温暖化、物質循環の確保などとの関係を考慮していく必要があり、今後の目標や指標の設定では、こういったことも視点として盛り込む必要があると考えています。
 水循環に関する計画及びそれに基づく取組の実態把握ということで、これまで策定された計画について実態を把握し、フォローアップしていく、効果の把握を行っていくということです。
 策定された水循環計画を一覧にして関係者がそれを共有し、意識を高めることも重要であり、水循環に関する計画の策定やそれに基づく取組の実施へのインセンティブとして、優良事例を表彰することが考えられる。具体的なイメージを6ページの図に示していますが、現状では、各省において○○川流域循環協議会等に対して取組支援を行っており、環境省でも事例集を作成している。また、計画の作成に対して支援を行っているわけです。各省で行われている取り組みをweb上で一覧できるよう、○○川水循環計画について、策定のプロセス、目標・指標、内容を整理し一覧できるようにしたら、それがいろんなところで参考になるのではないかと考えています。
 具体の登録票のイメージはその下に示しています。一つの例ですが、水循環計画の概要、インデックス的なものを作って一覧できるようにしたいと思います。
 水循環計画の中で目標・指標について、資料5−2で今までの目標・指標とか今後の方向性を示しています。資料5−2に良好な水環境の目標を示し、それに対してこれまでの目標ということで、美しさ・清らかさ、利用しやすさ、水生生物の多様性、生物にとってのすみやすさ、こういうものでもって指標を整理しています。今後のさらなる方向づけとしては、美しさ・清らかさでは常時監視する必要のある項目について環境基準を設定するとか、底層DO、透明度等の指標の検討とか、水生生物保全環境基準の項目追加、衛生指標では大腸菌や病原性微生物とか、また水生生物の多様性では、水生生物の生息種類数、象徴的な生物の生息状況などを考えています。そして、これらについて達成手段の検討とか、さらには目標達成状況をどうフォローアップしていくか、PDCAサイクルをどう確立していくかを考えていくということでございます。裏のページに、平成15年当時の「健全な水循環系構築のための計画づくりにおける数値目標の設定例」を示しています。
 最後に資料5−3ですが、水環境保全の目標の環境基準については、前回ロードマップ的に整理させていただいており、それを見直しております。手順の中で○印をつけているところはすでに終わったものでございます。
 裏面の生活環境の環境基準につきましては、いろいろな取組を予定していますが、同様に○印をつけているところはすでに終わったものです。引き続いての取組をその右の方に書いております。こういった手順にしたがって検討していきたいと考えています。

【須藤座長】 ご説明ありがとうございました。大変幅の広い内容ですが、本日は出席の委員一人2〜3分の時間で残った時間ご発言いただき、浅野先生、環境基本計画に大変お詳しいので最後にまとめていただくこととして、 眞柄先生の方からお願いします。

【眞柄委員】 まず1つは、平成15年に紹介がありました数値目標の設定例を各省がお話しになって以来、一歩も進んでいない。これはある意味では関係省庁の方々がもう一度集まっていただいて、今環境省が考えていることを具体的に進められるように努力していただきたいと思います。
 いくつかありますが、一つには河川管理で水利権の問題と水利権とセットの形で取水地点が河川管理で行われていますが、さきほど紹介があった水循環ということからすると、排水の排出地点を水環境管理の枠組み中で明確に位置づけないと水循環を効果的に管理できない。この点についてそろそろ環境と河川管理者と協議を進めることを初めていただきたいと思います。
 その場合に環境サイドで問題となるのは、もう一度環境基準点をどこにおくか水環境を前提に考えておくべきだろうと認識しています。
 もう一つはこれからは国の政策でダムはできないかもしれないが、現に神奈川県の相模湖や宮ヶ瀬川では相互運用するような隧道ができている。かってのように1本の河川の中でダムを造ったり利水者が入ったりというようなことだけでなく、流域をまたがった運用が行われている。典型的な例は利根川かもしれません。広域的に運用されている流域や水環境をどう扱うか、小さな水系はそれで結構ですが、そういうことを考えていただきたい。
 先ほどの数値目標の資料5−2に設定例がありまして、河川水質、アンモニア性窒素○○r年間95%値とある。その下にはBOD75%値というのがあります。私は理解しているのですが、なぜ95%値なのか、なぜ75%値かということを考えていかないと、まさに河川の流量との関係が鍵になっているのだから、そう意味ではその数値と精細なシステムをつくろうとすると、やはり濃度の出現頻度分布、あるいは確率という情報をためていくことが必要だと思っている。

【須藤座長】 ありがとうございました。続いてお願いします。

【堀口委員】 一つ環境基準には位置づけ、環境基準の性格づけ、特に排出基準との関係についてご検討いただきたいと思っています。また利用可能な最善の技術基準(BAT基準)を考えていくのであれば、それと環境基準をどう考えていくか、環境リスクをどう考えていくかということも関係しており検討していただきたいと思います。
 もう一つは、私としては目標に対してどうアプローチしていくか、どのような考えに基づいて目標を達成していくかという指針のようなものがどこかに入っているとわかりやすいものになるのではないかと思います。例えば発生源の予防だとか、生態系を全体として管理していくとかそういった指針がいまの段階で見いだせればと思っています。

【須藤座長】 ありがとうございました。

【平沢委員】 私は3つだけ話します。循環型社会というキーワードが出てきて、水環境ということで気になるのは、泥が出てきてその泥の問題をどうするのか、泥をエネルギーで利用するのか、水といいながら資源、汚泥の循環がからんでくる。この点も考えておいたほうがいいのではないかと思います。
 2番目、PDCAの流れでいろいろとシミュレーションして予測する訳ですが、それをきちっと精査して妥当かどうかをやってほしい。
 3番目、省庁連携でいろいろやられていてたいへんいいと思うが、水環境という点では各省庁が絡むので、是非連携を強化していただきたい。

【須藤座長】 ありがとうございました。

【中杉委員】 循環の話についてはいうまでも無いことですが、相模湖の窒素の件はまさに水循環を促進していることであのようのことが起きたのだという視点が重要だということをもうしあげておきたい。
 資料5−3ですが、当面やらなければならないことと、本質的に議論をしなければならない、あり方を議論しなければならないことが混ざっている。区別してやっていただく必要がある。例えば海の基準は飲料水にしているが、本当にそれでいいのか、窒素やホウ素は基準をこえているからというわけだが、この点も考えていかなければならない。そうした意味では、堀口先生の言われた排水基準、排水規制とどういう関連を持つのかという点も必要だろう。環境基準はそもそも環境基本法の考えでいくのか、という点を踏まえて議論しなければならない。
 そういう風にみていくと健康項目は化学物質のリスク管理というように定義ができる。リスク管理のあり方に関する方向性のとりまとめというのは大分先になってしまう。これは優先的にやらなければならない話ではないか。さきほど話した化管法等についての整理もそちらの方が優先的にやらなければならない。そうはいいながら、本質論的な部分とは別に、当面たんたんとやらなければならないのはこういうものがあってという整理をしていただくことがよろしいのではないだろうか。
 生活環境の保全についても、私は水生生物の保全目標を何回か申し上げたが、保全目標の項目を増やすことはそれで結構でやっていかなければならないことですが、今の水質保全目標の基準の設定がいいのかということがあります。たんたんとやれる部分と、本質的な議論をしていかなければならないことがある。そういうものが生活環境の水生生物保全のところにない。そのへんの議論とたんたんとやれる部分を区別して書かれた方がよいと思います。

【須藤座長】 ありがとうございました。

【木幡委員】 中間報告から大分まとめられ、方向としては理解しました。私のコメントも的確に採り入れられそれについては賛成です。
 2点だけ気になったことですが、環境基準についてはまだまだ検討する点が多いと思いますが、附帯決議の最後のところに生態系への影響をきちんと評価しなければならないとあります。これが今まできちんとできてなかった。これについては今後期待していきたい。
 もう一つは、今まで海の話は沿岸や閉鎖海域が多かったのですが、今後はもう少し広がるのではないかなと思います。それについて検討していただければと思います。

【須藤座長】 ありがとうございました。

【笠松委員】 資料5−2で水環境保全の目標の方向性で新たな生活環境項目について検討していただいており、結果的に総量規制をやってきてCODが横ばいになったままということに対して、行政効果がわかりやすい指標が出てくるのであればありがたい。その中で測っているわりには評価されていないというものに水温があります。大阪湾の水温が異常に上がっている。結果として朝夕の前後の風が吹かない。これはどこか他に水生生物にも何らか影響しているのではないかなと思っている。水環境を考える上で、どなたか調べ方や注意点をアドバイスしていただければありがたいと思っている。
 もう一点、資料4−2で都道府県の役割を書いていただいている。従来府県は基準を作って工場を規制するという運用をしていた。今後(国から府県へ、府県から市町村へと)権限委譲の中で、府県が両方を一緒にやっていたものが(基準作りを府県が、規制を基礎自治体がと)分かれることになるかもしれない。現に、政令市では分かれている。
 水循環や流域管理を考える上で広域的な立場と基礎自治体の立場を分けていただくとわかりやすいと思います。

【須藤座長】 ありがとうございました。

【大木委員】 水量の問題が大きいと思います。埼玉は流域下水道が進んでおり、下水道100%になると中小河川は水がなくなる。水がなくなると川の役割は終わったのかと、あるいはやはり水は欲しいという議論がローカルに行われています。新河岸川水系のように湧水などの固有水源がある都市河川では、下水道100%近くになると本当に川の水が綺麗になります。どこでも、子どもが遊んでいる風景が見られます。地域で水量についてどのように考えるか、地域に応じた目標の立て方が必要ではないかと思います。

【須藤座長】 ありがとうございました。

【及川委員】 中小企業も地域で個別ないろんな取組をしています。表彰制度もインセンティブになるのかなと思います。資料5−2ですが、目標、指標の検討の方向性ですが、この3本でいいのかどうか考えていましたが、まだ整理されていません。3つのまとめ方でいいのか疑問に感じています。
 中小企業にとって環境技術の開発、環境を担う人材については重要と思っており、方向性がもう少しわかるとありがたいと思っています。

【須藤座長】 ありがとうございました。もう少しあったほうがいいという点は、例えばどんなことを考えていたんですか。

【及川委員】 これまでの目標が真ん中にあるものだから、利用しやすさとか住みやすさがどのように収斂するのかなと比較の関係で疑問に思いました。

【須藤座長】 それでは猪狩委員どうぞ。

【猪狩委員】 私のほうからは方向性について特に意見はありません。福島県においても、水環境保全基本計画の見直しを行っておりますので、参考にしたいと思っています。
 今回示された指標の中で大腸菌についてですが、本県の猪苗代湖は14年から17年まで日本一綺麗な湖水とされてきたのですが、大腸菌群数が環境基準値を超過したために、18年度と19年度は評価対象から外された。これまでも大腸菌群数は、環境基準としてどうなのかという議論が当該検討会でもなされたところですが、早急にとりまとめ修正していただきたいと思います。
 「川ガキ」について、近づくことで川への関心が生まれ綺麗になっていくと話されましたが、それは進め方として逆なのではないかと思います。今は川に近づかなくなっている。親の世代にもそういう気持ちが浸透している。それを払拭するために行政として努力してこういうことをやっているということ、例えば、行政が合併処理とか下水道整備などを進める中で、水質が良くなっているので、入ってもいいですよ、とPRするような進め方をしなければと思っています。
 汚水処理施設の整備状況についてですが、資料4−2でも浄化槽についてあまり触れられていないという話がありましたが、本県は県土が広く、下水道整備に適さない地域も多い。これまで全県域を対象にした「福島県全県域下水道化構想」として汚水処理人口普及率の向上を図ってきたが、県内59市町村のうち、16市町村が将来にわたっても、下水道の導入がないことから、今年同構想を見直しした際に、「ふくしまの美しい水環境整備構想〜適正な生活排水等の処理に向けて〜」と構想名を変えている。そういった中で、浄化槽の果たす役割が大きいので、農水省、国交省、環境省の3省通知の「汚水処理施設の効率的な整備の推進について」はあるものの、市町村レベルでの分かりやすいコスト比較とはなっていないので、環境省として、浄化槽の整備がコスト的に有利であることの分かりやすいものを具体的に示して欲しい。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 それでは浅野先生、環境基本計画、特に健全な水循環等を含めてまとめてほしいと思います。

【浅野委員】 各委員の話をきいておりますと、今日の資料が実に良くまとめられているということを反映しているのだろうと思いました。
 つまり今日話題にしたかったことについてはほとんど各委員のご発言の中でふれられていないということです。
 ただし目標、環境像については人によって理解が違っているようで、哲学を考えるのか具体的指標を考えるのか委員によって異なる理解のもとでのご発言であったように思われます。
 実は平成7年水環境ビジョンを策定したときの気持ちが、そのままその後の環境基本計画に反映してしまってきたなということを反省したいと思います。
 それはあの当時、建設省が治水と利水しか考えない。環境庁は水質しか考えない。この状況を何とかしなければならない。川は治水だけじゃだめだし利水のためにあるのでもない。こういう点をことさら強調した面がある。そのビジョンでの提言が発展していって水循環の懇談会になり、そのあと第1次環境基本計画から現在に至るまで一環して「健全な水循環」という水環境政策のテーマを掲げてきておりますが、伝統的な河川は利水治水という思想に対してもの申すという色彩が強かったので、森林地域の整備や都市地域でのまちづくりをも強調することによって水循環を全体を通じての総合的な地域づくりと結びついた政策課題としなければならないという点を強調したわけです。その結果環境基本計画で言っている水循環は地域政策に傾斜したもの、そちらの方を強調するということになったことを少し反省しています。
 改めて考えてみますと、利水という言い方をするからよくないので、総量としてその地域に水がどのくらい賦存していて、どのくらいのものは本来利用可能なのかということがベースにある話です。しかしそのベースにある視点が水循環議論の中で少し軽視されてしまっていたのではないかなと思います。少なくとも中央環境審議会の議論の中からは落ちていたと思われます。しかしこうして資料を見ると、具体的に各地で作られている計画や、平成15年の報告には環境審議会では考えていないことが出ている。やはり利水を中心とする思想が厳然としていて、そのことが全体として水循環という政策をまだストーリー性のあるものにしていない。ここで改めて今回の我々の仕事として利水ではないが、そこに全体としてどのくらい水があるのかということを把握し、地域の特性に応じてどう循環させるのかということを考えなければならないのではないだろうか。
 大木委員がおっしゃったが小河川の場合、流域下水道を整備すると水がなくなってしまう。それならば、下水処理施設から浄化した水をポンプアップして上流にもどす。それが水循環だということになりかねない。ダムを横につなぐ導水路を作るなど地域によって様々な施策があり全国同じやり方でくくれないが、水循環の政策には地域政策的要素と水そのものに着目して作業を進めなければならないという点があることを感じました。
 その意味では、資料5−2の方向性でまだ欠けているものがあると言われた及川委員のご発言に私も賛成です。
 及川委員は利用しやすさということがあるのなら、それがどう住みやすさとどうつながるのかとを考える必要があるというご指摘をされたと思いますが、これは入れておかなければならない視点であったと思います。他方では、環境基準についての方向性の議論では、そもそも環境基準とは何かということを明らかにして重層構造的に書かなければならないが、全て同じに並んでいる。もう少し工夫が必要だろう。我々もこの点を考えなければならないと思います。

【須藤座長】 今指摘されたように、従来のものを粛々とやっている部分と新たに出たものを付け足している部分があるので、全体としてスマートな目標なり指標を論じることができていない。ということなので、一度過去のことを考えないで議論することも必要なのでしょうね。
 今の浅野先生の意見に対して反論や、あるいは何か意見がありましたらどうぞ。

【中杉委員】 昔、国立環境研究所で水特別研究の中で消えたテーマがあります。水の環境容量ということで霞ヶ浦がどのような容量をもっているのかが対象だったのですが、水にはいろんな利用の仕方がある。一方で水は汚れを薄めてくれる。これも水の機能だろう。それを全体として霞ヶ浦をどう管理していこうというテーマだったのですがつぶれました。人口や産業の張り付きが多すぎたので霞ヶ浦ではそれを減らさなければならない。そのために研究対象にならないということだったと思いますが、そのような発想があってもいいのかと思いました。

【眞柄委員】 今のテーマを考える上で参考になるのが、韓国の水政策です。チョンギョソンです。地方都市でチョンソギョソンのようなプロジェクトを進めれば自然と国民は水辺に戻ってくる。そういう意味で国内だけで考えるのではなく、環境省は韓国や中国等と環境問題で議論する場をもっていると思うので、具体的なプロジェクトや国民とどのような熱いディベートがあって成立したのかを教えていただきたい。外国ではうまくいくのになぜ日本では難しいのかなどの点を配慮していただきたい。

【須藤座長】 沢山の意見をいただきました。事務局として今後どのように進めていくのかをご説明ください。

【森北水環境課長】 いただいたご意見は、今回同様に意見とその対応という形で整理したいと思います。その中で次回以降の個別、各論の中で反映していきたいと考えております。

【須藤座長】 その他何かありますか。

【事務局富坂課長補佐】 次回の予定として8月3日を予定しております。

【須藤座長】 それではだいたいの議論が終了しましたので、議事を整理して皆さんにお配りしていただき、今日の議論は次回以降の各論に反映させていこうと思います。
 以上をもって本検討会を終了いたします。