環境省水・土壌・地盤環境の保全水環境関係今後の水環境保全に関する検討会

今後の水環境保全に関する検討会(第5回)議事録


1.日時:
平成22年2月17日(水)15:30〜17:30
2.場所:
中央合同庁舎第5号館共用第7会議室
3.出席委員:
浅野直人、及川 勝、大木貞幸、太田信介、岡田光正、木幡邦男、
  須藤隆一(座長)、中杉修身、平沢 泉、福岡捷二、堀口健夫、
  眞柄泰基
環境省: 
伊藤水環境担当審議官、木村総務課長、森北水環境課長、
室石閉鎖性海域対策室長、是澤地下水・地盤環境室長、
富坂水環境課課長補佐 ほか
4.議題
(1)今後の取組の進め方について
(2)その他
5.議事録

【富坂水環境課課長補佐】 定刻となりましたので、ただいまより今後の水環境保全に関する検討会(第5回)を開催させていただきます。
 本日は12名の委員に御出席いただいております。
 まず、資料の確認をさせていただきたいと思います。
 検討会議事次第に続きまして資料1、資料2、資料3、それから横長の資料で資料4−1、資料4−2、それから縦に戻りまして資料4−3。続きまして、冊子になっております「今後の水環境保全の在り方について(中間取りまとめ)」でございます。同じく冊子になっておりますが、番号が付いておりません。「今後の効果的な公害防止の取組促進方策の在り方について(答申)」でございます。それから参考資料3としまして「閉鎖性海域中長期ビジョン(案)」でございます。
 資料の不足等がございましたら、事務局までお申し付けください。
 これからの進行につきましては須藤委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【須藤座長】 かしこまりました。それでは、議事進行を務めさせていただきます。
 委員の先生方には大変御多用の中をお集まりいただきましてありがとうございます。最初に申し上げた検討会よりも急に時間の変更等もありまして、大変御迷惑をおかけいたしました。また、本日は大変多くの傍聴の方にもおいでいただきまして感謝を申し上げたいと思います。
 本日の議題は、今お話がございましたように、「今後の取組の進め方について」でございますが、今後の水環境保全に関する検討会、第5回目ということで、前回までで中間取りまとめをさせていただきました。その後、中間取りまとめについてもいろいろ御意見をいただいたところでございまして、それを踏まえて、来年度に向けて、今後どういう問題について検討していいか、ということについて、本日は主として議論をさせていただくということになっているわけでございます。ということで、よろしく御議論をお願いしたいと思います。
 それでは、早速議事に入らせていただきますが、「今後の取組の進め方について」ということでございます。事務局から御説明願います。森北課長と室石室長からそれぞれ御説明いただきますが、最初に森北課長からお願いします。

【森北水環境課長】 それでは、まず資料3をお開けいただきたいと思います。これは前回の第4回検討会においていただきました御意見とそれに対する対応ということで整理させていただいたものでございます。御意見を踏まえまして、こういう対応をさせていただいたということですが、それを踏まえまして、中間取りまとめをさせていただきました。この内容につきましては、年末に各委員の皆様方にはお送りさせていただいているところでございますので、御覧いただいているかと思います。
 続きまして、今日の本題に入りたいと思います。資料4−1をお開けいただきたいと思います。中間取りまとめでまとめていただきましたそれぞれの項目につきまして、具体的な取組の内容、さらにはその手順といいますか、進め方をそれぞれまとめさせていただきました。具体的に申し上げますと、1ページですが、水環境保全の目標の人健康に関する環境基準について、[1]で御意見を踏まえた取組内容を5つ書いております。そして[2]で今後の手順、検討の進め方ということで、ロードマップ的なものを示させていただきましたが、こういう手順で検討を進めていきたいということでございます。
 表紙の裏のページに凡例がございます。これは今申し上げました今後の手順に着色しておりますけれども、その色がどんなものなのかというのを示しております。例えば、一番上のオレンジ色につきましては、制度改正の検討、施策・事業の計画、その計画の策定といったもの、緑色につきましては、制度の施行、事業とか取組を実施するというもの、紫色は施行の実施状況を把握するとか、施策の効果や問題点を把握するというもの、青色が施策を見直すというものでございます。いわゆるマネジメントサイクルのPDCAに当たるものをこの色分けで対応させていただいております。必ずしもぴったりでないものもございますが、このように整理させていただいているものです。
 1ページに戻っていただきまして、水環境保全の目標の人健康の環境基準について、取組の内容を簡単に御説明申し上げますと、常時監視を行う必要のある項目、環境基準項目や要監視項目、そういった項目の追加等の見直しを行う。そして「化学物質のリスク管理」と書いておりますが、化学物質の毒性情報の整理、それの情報共有、リスク管理手法の考え方を整理するということでございます。
 3つ目の○の農薬につきましては、使用・排出の形態が非常に特有な物質でございます。一時期に使用されるものですが、そういった物質の環境への影響評価の考え方をどうするのか整理する。また、使用・排出形態に応じた測定方法や評価方法について検討したいということでございます。
 これらにつきましては、検討委員会を作りまして、森田先生に座長をお願いしておりますが、検討していただきたいと考えております。
 また、健康項目について見直しを行っていくということで、中環審の専門委員会、これは須藤座長が委員長でございますが、その中で見直しを行っていきたいということでございます。
 次に2ページの生活環境項目についてです。
 1つ目の○ですが、例えば海域の底層DO、透明度について環境基準項目化に向け必要な検討を行うということで、これは後で閉鎖性海域対策室の室石室長から説明をいたします。また、COD、BODの補完指標、さらには衛生指標について望ましいものを検討するということで、これは岡田先生を座長とする検討会で検討していただいているところでございます。
 2つ目の○ですが、汽水域とか工事のアセスに関する基準の在り方について検討すべきということで、これにつきましては、その方向性を検討したいということでございます。
 3つ目の○ですが、水生生物の毒性情報を踏まえ、環境基準項目の追加について検討を行う。これは須藤座長の検討会で行っていただいているところです。
 また、環境基準の類型指定の新たなあてはめ、見直しを行っていく必要があるということで、これは中環審の専門委員会で検討していただき、国が指定することとしております47の水域について類型指定を終えるようにしていきたいと考えております。その後、これは中杉委員から御指摘がございましたが、水生生物の環境基準の考え方に関するフォローアップというか、見直しについては、一通りあてはめが終わった後に行っていきたいと考えています。
 次に、3ページと4ページですが、事業者の不適正事案への対応、そして水質事故への対応というものでございます。これにつきましては、昨年12月16日の中環審の小委員会で、中間取りまとめを須藤座長から御報告をしていただきました。特に、不適正事案への対応、事故時の対応について御報告いただいたわけですが、それも踏まえまして、1月29日に中環審から答申をいただいております。それが参考資料2でございます。
 その内容でございますが、資料4−2を御覧いただきたいと思います。裏面に、在り方についてということで、6つの提言をいただいております。事業者による法令遵守の確実な実施、意図的な排出測定データの未記録とか改ざんに対して罰則を設けることが必要ということで、現在、法律の改正に向けて作業を進めているところでございます。
 2つ目が、事業者の自主的かつ継続的な公害防止の取組を促進する。そして、インセンティブということになりますが、表彰制度も考えるべきということでございます。
 3つ目が、事業者、自治体における公害防止体制の高度化ということで、公害防止管理者等を対象とした取組を行っていく。
 4つ目が、地域ぐるみでの公害防止の取組促進と環境負荷の低減。事業者による汚染物質の排出削減の取組の必要性を、責務として明確化することが必要だということで、これも法律に盛り込むべく検討しているところでございます。
 5つ目が、排出基準超過時や事故時の自治体の機動的な対応の確保ということです。水質汚濁防止法の「事故時の措置」の対象物質・施設を拡大することが必要ということで、これについても法改正を検討しているところです。
 6つ目が、公害防止法令に基づく事務手続の合理化、簡素化をするということです。こういった答申をいただき、現在、法改正すべきものについては作業を進めさせていただいています。
 資料4−1に戻っていただきまして、3ページのところに、今申し上げましたようなことを書いております。法改正を行い、さらに政省令の改正等の施行に向けた準備を行って、来年度から施行できればということでございます。
 4ページの水質事故への対応、これも同じで法改正の作業を進めているところです。
 一番下のところに、法改正してそれで終わりということではなくて、水質事故の未然防止対策について引き続き検討を進めていくということで、次のステップとして考えております。
 次に5ページですが、閉鎖性水域、湖沼における水質改善についてでございます。取組は大きく3つです。
 1つ目が、先ほども申し上げましたが、底層DO、透明度等の新たな水質保全目標について検討する。
 2つ目が、窒素りん比の変化の影響といったことが指摘されています。そういった知見に基づいて、湖沼の汚濁メカニズムを解明する。
 そして、流出水対策等、既往の水質保全対策の効果を検証、フォローアップするとともに、効果的な面源負荷対策、小規模事業場対策、これは後でも出てまいりますが、新たな水質保全対策を検討するということで、それぞれ検討会等を設けまして、汚濁メカニズムの解明に努め、水質保全対策の検討を行う。そして、それらを湖沼法の見直しにつなげていきたいと考えています。
 次の6ページですが、海域における水質改善ということです。詳しくは後で室石室長から説明申し上げますが、ポイントとして4つ書いております。
 1つ目は、閉鎖性海域の中長期ビジョンを策定するということで、これは今年度中に策定することにいたしております。底層DO、透明度を環境基準化するということを前提として必要な検討を進めていく。
 2つ目ですが、7次総量削減の在り方についての答申が今年度内に予定されております。今後の水質総量削減に向けた検討を進めていくということです。
 3つ目が、里海創生支援ということで、栄養塩類の吸収源管理とか、バイオマスの陸域での利用促進などを通じて、豊かな生態系が成り立つような里海を創生し、それの支援を行っていくということでございます。
 そして、一番下ですが、陸域・海域が一体となった栄養塩類の円滑な循環を達成する効率的かつ効果的な管理方策を検討していくということです。
 7ページですが、新たな排水管理手法の検討ということで、大きくは2つございます。
 米国等で行われております、いわゆるWETについて、実は今日午前中からセミナーを開催しておりまして、米国の取組等について知見や情報を収集し、意見交換を行っているところでございます。また、今年度から「WET手法等による水環境管理に関する懇談会」を設置し、検討していただいております。我が国における将来的な利用の可能性について検討していただくことにしております。そして、導入に向けて、技術的検討を踏まえたモデル的な試行をいくいくはやりたいと思っております。
 次に8ページ、未規制の小規模事業場や面源負荷への対応です。
 小規模事業場への対応につきましては、まず、未規制小規模事業場の排水の実態把握があります。そして、小規模事業場に適した処理方法、地域に応じたものの導入の仕組み等の検討を進めることとしたいと思っています。また、実際の負荷削減に結びつけるべく、水濁法上の特定施設の追加、規模要件の見直し、構造基準の設定、そういったものも含めた制度の在り方について今後検討していく。それと、生活排水重点地域の対策の状況についてレビューを行って、必要に応じその在り方について見直し、検討を行いたいと思っております。
 面源負荷への対応につきましては、これも実態把握を進めるとともに、効果的な面源負荷対策の仕組みを検討する。
 こういった取組を踏まえて、湖沼の水質保全に関する制度の見直しについて検討し、湖沼法の見直し等につなげていければと思っているところです。
 9ページですが、地下水・土壌汚染の未然防止対策についてです。
 効果的な未然防止対策ということで、学識者からなる検討会を現在設置しておりまして、未然防止対策を実施するための技術的な課題、制度的な課題の検討を行っているところです。今後の対策の在り方を検討するということで、検討内容といたしましては、汚染実態の把握、技術的・制度的な課題を検討するということでございます。
 また、地下水に係る調査・対策指針におきまして、自然由来の有害物質が地下水から検出される事例への対応について検討し、明確化したいということがございます。
 次に10ページをお開けいただきまして、海洋環境の保全についてです。
 今年の秋に水環境課の中に「海洋環境室」が新たに設置されることになっております。その海洋環境室で海洋環境保全行政を一元化いたします。具体的には、海岸漂着物の対策、海洋汚染の防止、海洋環境に係る国際条約への対応、バラスト水条約とかロンドン議定書の改定等、こういった課題について、海洋環境室で効果的・効率的に取り組んでまいりたいと思っています。
 続きまして11ページ、気候変動への対応です。地球温暖化の関係ということですが、課題といたしましては、適応策についての取組、検討になります。
 これまでの環境省内での取組の経緯を書いておりますが、環境省のイニシアティブにより、省庁横断的に適応策の指針を策定する取組が、地球局において今年度より開始されております。省内各局一体となった取組がなされております。
 水環境分野の適応策につきましては、先般、岡田委員を座長とする検討会を設置いたしました。評価手法の構築、モデル地域における影響の分析等を行うこととしております。そういったことを踏まえて、水質や水生生物への影響を緩和するための適応策の検討を行い、それを具体化するための制度も含めた在り方について検討したいと思っています。
 次に、12ページをお開けいただきまして、国際貢献についてです。これにつきましては、4つほど書いております。
 まず、水環境に関する国際的な情報を収集・蓄積し、そういったものを踏まえて、我が国の国際協力戦略を策定したいと考えています。国際協力に適する技術開発、人材の確保・育成等について検討を行い、さらに、水処理技術を用いた官民連携での水ビジネス等への展開についての支援といったものも考えられればと思っています。
 国民意識の向上ということで、情報の収集・ツール化、情報発信をしていきたい。
 さらには、国際的にも情報発信するということで、世界水フォーラム、アジア太平洋水フォーラムなどを通じて、専門的知識や経験等を情報発信していきたい。
 そして、4つ目として国際協力事業の推進。アジア水環境パートナーシップ(WEPA)の枠組みを活かしたアジア地域における水環境ガバナンス強化の取組や日中間の水環境協力事業を着実に進めてまいりたいと思っています。
 次に13ページ、水環境のモニタリングとデータの蓄積ということです。
 水環境に係るデータ、広く水に関するデータについては、各省庁においてモニタリングが実施されています。そういったモニタリングを各省庁において的確に実施するとともに、それらのデータを蓄積していく。
 2つ目に、そういった水とか水環境に関係する情報を、それらの所在や内容を整理・集約して、情報を共有できるようにするということで、各省にも働きかけていきたい。具体的には、「水問題に関する関係省庁連絡会」がございます。内閣官房と国交省の水資源部が議長になっている連絡会で13省庁から構成されております。この連絡会に諮りまして、関係省庁がこういったデータの共有化について連携して取り組むことを提案したいということで、実は明後日に幹事会が開催されます。そこで私どものほうから提案したいと思っているところです。平成22年度は、水環境関連情報のリンク集等を作成し、その後、さらなる充実に向けて取り組んでまいりたいと考えています。
 次に14ページですが、統合的な環境管理の検討です。ヨーロッパで行われている統合的汚染防止管理指令(IPPC指令)といった取組について事例の収集・検討を行い、我が国への導入の可能性等について検討を進めたいと思っています。
 あわせてBATやポリシーミックスなどの事例収集等も行い、その有効性、導入可能性等についても検討したいと考えております。
 最後に15ページですが、施策のマネジメントサイクルの確立ということです。
 2点ありますが、まず、PDCAのマネジメントサイクルをきちっと確立していきたい。これは政策評価、施策評価のところでもあるわけですが、こういった取組を行い、さらに、マネジメントサイクルがちゃんと機能しているかどうかという仕組みをビルトインする、そのための検討を進めたいと思っています。
 2つ目に、例えば湖沼法に基づく流出水対策地区などのモデル地域におきまして、関係省庁、地方自治体その他が連携した実証事業を実施し、PDCAも含めた取組について検証していきたいと思っております。
 以上が、今後の取組の進め方ということで考えているものでございます。

【須藤座長】 簡潔に御説明いただきましてありがとうございました。その中で特に閉鎖性海域に関する問題について室石室長から伺うということでよろしゅうございますね。

【森北水環境課長】 はい。そういうことでございます。

【須藤座長】 多少は触れていただいていますが、詳細については、室石室長のほうからお願いいたします。

【室石閉鎖性海域対策室長】 それでは、ただいま御指名ありました閉鎖性海域について、資料4−3を使って御説明いたしたいと思います。
 資料4−3は「閉鎖性海域中長期ビジョン」でございまして、先ほど水課長から説明がございましたように、現在作成を進めている中で、そもそもは中環審のほうで総量削減の6次の在り方答申をいただいたときに、新たな水質目標、直感的で分かりやすいものを考えていってはどうか、あるいは将来の閉鎖性海域についてどうなっていくのかという水質の予測であるとか、そういったものについて宿題をいただいていたということにつきまして、およそ3年前から中長期ビジョンの懇談会を立ち上げまして、座長は岡田先生でございますが、審議をしてきたということで、懇談会の下には目標設定ワーキングとか、対策効果ワーキングとか、適用小委員会といったような3つの分科会のようなものも作りました。1月の末に案を取りまとめて、パブコメをかけまして、そのときは、ワーキングでの報告書も全部付けてパブコメをかけたものですから、もし印刷すれば、百科事典より分厚いぐらいの紙の量になるような形で世の中に問うておりまして、現段階では、パブコメをもとに、それについて説明を詳しくするとか、あるいは多少修文をしていくとか、そういったような対応をしなければいけないなということを今検討しているという状態でございますので、今後としては、そういったことを座長の岡田先生と相談しながら、案を取るという次の手続に入っていきたい、そういう段階なのですが、そういう中で、今、案の段階でパブコメをしたという内容について御説明をいたしたいと思います。
 まず、現状の分析をしているということなのですが、これについては、総量削減が始まった昭和53年からずっとやってきているわけですが、そういったこれまでの削減の実績について分析をしております。そこにありますように、着実に削減されておりますけれども、環境基準という意味でいけば、達成率は、海域によってちょっと違いますが、CODでいけば7割とか8割という状況でございます。
 新たな水質目標の提案ということで、従来、CODといったような状態指標としての基準項目というのは、汚れがひどくて、それをきれいにしていくという過程において非常に有効に働いてきたとは思うわけですが、そもそも、CODが2であるとか3であるという領域に来ているというときに、それが生態系にとってどういう意味があるのか、というような実質的なお話であるとか、あるいは国民にとって直感的で分かりやすいような指標であるべきではないかとか、そういうような観点から、新たな手法として、例えば底層DOとか透明度とか、そういったものを検討してはどうかということでございます。
 底層DOと透明度については、既存文献等の知見に基づきまして検討を行ってきております。もちろん、これが即、環境基準になるとは思っておりませんで、まだいろいろと検討しなければいけないことがあると思っております。その辺は、先ほどの資料の2ページ目の「生活環境の保全に関する環境基準」という項目でも、とりあえず底層DO、透明度については、しばらくはまだデータ収集及び指標としての検討が必要という紫色の領域があった上で、赤い「中央環境審議会等での検討」というところに入っていくというふうに少し間があく必要があると思っております。
 指標としての御提案という形で、今のように問い始めている内容としては、1枚めくっていただきますと、表1、表2、表3、次のページには透明度の表4、表5がございまして、一応今の環境基準の書き方を念頭に置きながら、類型指定の区分と「○○の適応性」といった書き方と目標値という3つの列からなっております。つまり、底層DOについては3種類の御提案をしておりまして、透明度については2種類の提案をしているということになっております。
 底層DOについて、魚介類については、生息域の確保、再生産の場の確保、そして無生物域の解消といったような内容で数値を提案しております。値的には、範囲として2〜5といったような値であるとか、無生物のほうは2といったような値が出てきております。これについては、御覧いただくと分かりますように、貝類についての数値がまだないということであるとか、あるいはパブコメにかけました本文の内容を御覧いただけば明らかではありますけれども、まだ評価方法について確立されていないということで、その数値をどのように超えた、あるいはどう守られたかということについて、水域について、例えばこの目標が達成されているというのは、一体どんな状況なのだろうというところの評価方法がまだ十分ではないということでありまして、そういった点を今後は検証していきたいと思っております。
 ちなみに、私、つい先ほどまで東京湾再生会議という行政で作っております連絡会議のようなものに出ていたのですが、東京湾再生会議では、底層DOの目標値として4.3mg/Lというのを既に数年前に提案しているのですが、私どもがこういった値を出したのを受けまして、少し4.3という値をまた見直していくというような、事務局からもお話をいただいているようなところもございます。
 次のページに透明度がございまして、透明度のほうは、海藻草類の生育状況の適応性というものと、親水利用からみたものの2種類でございます。海藻草類の見方としては、アマモ、アラメ、カジメと3つございますが、例えばカジメであれば、それを水深5mのところで立派に生やしたいと考えますと、透明度の目標値としては3mであるというふうにこの表から読み取れるといったような書き方をしております。
 これについては、先ほど底層DOのほうは、評価方法についてほとんど決まってないという申し上げ方をしたのですが、海藻草類の透明度については一応年間平均で見ていこうというようなところまでは議論がなされております。ただ、年間平均で出た値について、水域で例えば4点測定ポイントがあったら、その4点について、例えば4点のうち3点まで達成なら、達成というのか、といったような最後の評価のやり方についてはまだ詰め切られておりませんので、これもまだ今後の検討が残っていると思っております。
 親水利用の目標値については、海中展望やダイビングあるいは釣り・散策、海水浴といったもので値を変えております。これについては、どちらかというと、利用されている水域のみに適応される。かつ、例えば海水浴であれば夏場だけというような、水域的にも季節的にも限定されたような適応のされ方が正しかろうと思っておりますが、透明度については2種類の御提案をしたということでございます。
 底層DOなどについては、10年ぐらい前からと思いますが、水産の先生方を中心にいろいろ御提案があったところだと思うのですが、一応その根拠を付けた形で世の中に問うたというのは、今回がたぶん初めてではないかと思えますので、いろいろな反応を見据えつつ、更に検討を深めていきたいと思っております。
 それから、ビジョン自体は、そういった水質の提案とともに、あり得べき対策シナリオというのを考えまして、その対策シナリオに沿った負荷削減量を計算し、それによったシミュレーションに基づく将来水質予測をしております。
 最初のページに戻っていただきますと、非常に簡単に書いてありますが、将来の人口動態や気象変動、つまり人口問題研究所の中位推計を使って、それから地球シミュレーターなどによって出されております温暖化が起こるであろうという将来の気象状況、温度が上がれば当然蒸発量が増え、あるいは雨の降り方が変わってくるといったような気象変動要因を考慮した上で、1kmのグリッドで、深さ方向では可変型十層で、時間の分解能としてはタイムステップで3〜120秒の設定で、非定常型の解析を実施しております。
 それに基づいて30年間分のシミュレーションを実施したということでございますが、若干さわりだけを申し上げたいと思いますが、資料でいきますと、参考資料3に中長期ビジョンの本体を付けさせていただきました。参考資料3の61ページをお開きいただければと思います。これは東京湾での底質の再現というところですが、水質を見るためには、結局は、海域の場合でいきますと、60ページに水質予測モデルの概念図がありますけれども、底質をきちんと押さえなきゃいけないというのがあるものですから、61ページのほうに6つ図がございます。上の3つは実測でございまして、下の3つが非定常型のシミュレーション、つまり昭和54年の初期値を与えた結果、20年近くたった平成14年8月にどうなっているか、というふうに見ているわけですが、上のほうは国交省のほうでの底質の観測値です。昭和52年9月だと、湾奥部の西寄りに一番赤い濃いポイントがあって、それが平成6年8月だと、少し薄まっているようですが、西側に幅広い領域を持ちながら、二等辺三角形みたいな濃いところが見られて、平成14年8月は湾奥部のどちらかというと東側のほうに濃い部分が移動しているという底質のCODの分布状況が実測で見られた。昭和52年の底質の状況を一応シミュレーションの初期値として与えまして、約20年回した結果が一番右下の平成14年8月のもので、当初、西側にピークのあるような底質の状況が、東側に回ってそういう汚染エリアを作るというような形で、かなり底質について現況に合ったと思われるようなモデルが作れたのではないかと思っております。
 62ページを御覧いただきますと、窒素、りんに関しての底質からの溶出と底質への沈降量のグラフです。3段ございますが、一番下の段が差分といいますか、収支のものになっておりまして、湾口、湾央、湾奥とあって、湾口部は外洋に面しているので、まあまあきれいな、青い棒線はきれいですが、湾口、湾央のところの傾向を見ていただきますと、今まではマイナス側になっていて、それがだんだん時間がたつにつれてゼロに近づきつつあるという傾向があったのではないかということで、結局、総量削減で頑張って努力してきて陸域を絞ってきているわけですが、残念ながら、それ以前に蓄積していた底質からの溶出が、卓越という言い方は大げさですが、溶出のほうがまさっているような状態の中で、それが徐々に陸域の深さというのが効いてきた結果、だんだん収支関係がゼロに近づくというか、改善に向かっているという中で、この傾向が更に将来も続くということが予想されまして、シミュレーション結果は後ほどまた説明いたしますが、海域での水質が改善していくというような結果が今回得られております。
 非常に簡単な形で、左右に並べておりますが、先ほどの資料4−3に戻っていただきまして、先ほどの透明度の表4、表5とあるその次のページに、東京湾の水質の変化というものを左と右に並んでおります。平成16年が現況という値でございまして、30年後が平成46年であります。CODは、先生方よく御承知のように、環境基準の評価としては75%値であるということになっておりますので、シミュレーションの結果を75%値にして46年と16年を比べております。環境基準のあてはめ状況、これも先生方は御存じだと思いますが、Aが2、Bが3、Cが8という基準値ですが、A類型というのは、専ら湾口部にございまして、湾央部、湾奥部になるに従ってB、Cというふうに専ら占める類型が変わっていくわけですね。ですから、一番奥のところではCなりが適応されているという状態になっている。トータル窒素、トータルりんは平均値ですが、横のほうでは1類型を含めて4類型まで全部書いてありますが、東京湾では1類型の指定はなくて、2、3、4の指定でありまして、2が湾口部で、3が湾央部で、4が湾奥部、そういう形で指定がされていて、1という指定はないという状態になっています。
 平成46年のCOD75%値というところで見ると、一番悪いのは湾奥で、それは相変わらずなんですが、色を見ますと、B類型で達成できそうな緑色、青色という色合いになってきておりますので、現況、Cが専ら指定されている湾奥部ですが、そういう意味では、東京湾の30年後というのは少し改善の兆しが見られるのではないかと思えるわけでございます。
 窒素、りんについては、西側に分布が偏ったようなコンター図になっておりますけれども、これもかなりきれいになっていくと。先ほどの底質の関係が更に進んでいくということで、よくなっていくということが予測されます。
 それから、新しく目標を提案させていただいております底層DOと透明度についてですが、底層DOは、残念ながら、先ほどの繰り返しですが、評価方法がまだ決まっていないものですから、一番安全側ということで、年最低値ということで作りました。最低値というのは、つまり、普通、夏が悪いわけですが、8月のある日に一回0.4みたいな値がこのポイントで出たと。7月のある日にこのポイントで出たと。とにかく一回でも0.4という値が出れば、一番赤い色をそのグリッドに対して塗っていくということなので、最低値というのはかなり幅広く赤が広がったような図にならざるを得ないというか、安全側で見ているということで、そういうふうにしているのですが、それだと、平成46年になっても、赤い領域はだいぶ縮まりますけれども、どうかなという感じですが、評価方法がまだ定まっていないということで、一回でも0.4をとったら赤で塗るとか、0.6ならこの色で塗るというふうにやっているものですから、あれですが、ある時間断面で切れば、底層DOについてはかなりよくなるというのが別途見えておりますので、そういう意味では、評価方法をうまく合理的なものに考えていきたいと思っております。
 透明度については、先ほどの繰り返しですが、一応年平均値で見ていくと。ただ、水域で何点達成したら、その水域は達成というか、というのはまだ決まっていないというふうに御説明したと思うのですが、年平均ということでありますので、年平均値で平成46年を見ますと、例えば平成46年で木更津から南側の領域のところが5とか6とか、そういったような透明度の平均が保てるということで、よく羽田に向けてとか、成田に向けて飛行機で来ると、ちょうど木更津から南側に非常に大規模な藻場が見える。逆に言うと、今、東京湾の中で藻場が大規模にあるのはその部分と湾口部における東西の2カ所ぐらいなのですが、一応水深を考慮した上で、木更津以南の藻場というのは、この透明度なら保てそうなふうに思える値が出てきているということでございます。
 残りの海域についても同じように30年後と30年分の比較をしております。
 ということで、先に水質の結論が出てしまっているのですが、その水質のもとになった負荷量削減の対策をどういうものを打つか、というのがロードマップとして後ろのほうに付いております。ですから、ロードマップ自体は、そういう意味では、あり得べき対策、分かっている計画、そういったものを並べていったものでございますので、画期的なところはあまりないのですが、排出負荷量の棒グラフがその下に付いておりますが、従来の総量削減に基づく実績の負荷の落ち方に対しての今後の負荷量の傾きといったようなものを御覧いただいて、対策として、まあまあ、そこそこ頑張っているぐらいの減らし方をするようなものでございます。平成46年においてほぼCODだと3割弱ぐらいだったと思いますが、それぐらい削減するといったような形のロードマップになっております。
 以上でございます。

【須藤座長】 簡潔に御説明いただきましてありがとうございました。
 主として今後の水環境保全の在り方の今後の取組の進め方について今日は議論したいと思います。といいますのは、来年度に入ってから、後で御報告があると思いますが、数回検討いたしますので、その課題として抜けてあるものがあってはいけないと考えております。先ほど一通り事務局のほうで考えた案をお示しいただいたわけでございまして、その案に、主として資料4−1を見て、そのうちの閉鎖性海域の少し詳細な部分を室石室長に御説明いただいたので、この1個1個について、ここがいけなかろうとか、これはこういう考えがあるのだとか、そこを議論しだすと、そこばかりに集中してしまうので、課題で抜けているものが、私が見ても結構あるので、本日は、一通り先生方から御意見をいただきますので、課題を中心に、この中で非常に重要なことで、この項目、例えば透明度とDO、海域ではもっと他の項目を、窒素の形態だって入れるべきではないかとか、そういうぐらいのことはいいのですが、一つ一つ、75%はいけなくて、年平均であるべきだとか、こういうふうな細かい議論に入ってしまうと、そこに集中してしまうので、できれば項目でおっしゃっていただいて、抜けがないことを確認した上で、後でまた先生方に宿題にいたしますが、それを整理して来年度に1個1個議論していきたいと考えているので、事務局、それでよろしいですね。
 ですから、本日は、あまり細かいことをおっしゃらないでください。
 前に4回やって、左右から2回ずつやりました。最後5回目なので、真ん中からいこうかと思います。岡田委員からずっと回っていって、眞柄委員のほうから、最後に木幡委員、そういう順番で一通り御意見を伺います。では、お願いいたします。

【岡田委員】 コメントというか、申し上げたいと思います。4−1の資料を見せていただきまして、今度は具体的に個別項目、どういう順番でやるというのも分かってきたので、全体としては大変よろしいかと思います。
 テクニカルに若干気になるのは、今後の手順の一番左側は現在なのか、ちょっと過去なのか。一番右側は5年くらいではないかと思うのですが、書けとは言わないのですが、どこかに何となくのイメージが共通であったほうがよろしいかと思います。

【須藤座長】 現在と将来のほうですね。

【岡田委員】 将来ですね。そうすると、これを、例えば5年だったら、5等分すると、こんなものだという、それとなくのイメージが分かるのではないか。これは予算とか、いろいろ、役所の仕事ですから、書きにくいことがあるかもしれません。ただ、感想として申し上げたいと思います。
 それから今度は、座長から厳しい要求を突きつけられて、全体としてどうかということですが、一つだけ感想を申し上げたいと思います。この1〜10のテーマ、これ自身は大変結構だと思います。ただ、前の在り方の取りまとめの最初のほうに「現状の課題」というのがあるわけですね。そこで多くのものは1〜10に対応しているのですが、必ずしも明確に見えないのが「希薄な人と水とのふれあい」という課題と「生態系・生物多様性の劣化」、この2つが目につきます。よく見れば、この内容は1〜10の中に入っているのですが、将来に向けてということなので、そこが見えるようにしたほうが、1〜10の中のふれあいの部分だけ取り出すとこうなるというような整理の仕方もしておいたほうが分かりやすいだろう。図では線が引っ張ってあって確かにあるのですが、一応整理してみると、ひょっとしたら、座長がおっしゃった抜けがあるかもしれないということが見えてくるだろうと思います。
 それに関連して、ちょっと細かいことで今日恐縮ですが、「希薄な人と水とのふれあい」となると、身近な水環境とか水の生態系というのが重要になると思います。いわゆる公共用水域ではないので何とも難しいところですが、例えば公園の池の水とか、ため池の水、場合によっては休耕田に水を張って云々、そういう生態系とか水質とかはどうなっているかという議論を最近したことがあるのですが、よく分からないと。それはできるかどうかは分かりませんが、そういう議論をふっかけるのはこの会ではいいのではないかと思いますので、その3点を申し上げたいと思います。

【須藤座長】 どうもありがとうございます。
 一通り聞いていただいた後のほうがよろしいでしょう。お答えしたいことがありますか。

【森北水環境課長】 手順のところの年次的な話ですが、一番左は現時点と思っていただいて結構です。スケジュール的なものは当然あるわけですが、それは先ほどおっしゃいました予算的なものとかがあり、なかなか明示しづらいところがございます。ただ、こういった取り組みを数年程度で行いたいと思っております。

【須藤座長】 それと、私が前提のときに申し上げたのは、抜けがないということなのですが、この検討会は、水環境課に設置されているから、水・大気環境局なのですが、自然環境局であれ、廃棄物・リサイクル部であれ、よその部局、よその省庁に関わる横串を入れるような水の問題であれば、当然対象にしていきたいと思いますので、どうぞ遠慮なさらずに、あるいは厚生労働省の部分でもいいのですが、水環境課に限るということではなくて、ぜひ水に関わることはおっしゃっていただいて結構だと思っております。
 次は太田委員から。

【太田委員】 前回欠席したのですが、いい中間取りまとめをしていただいたと思っています。
 私が言いたいことは、岡田委員が話されましたものですから、それ以外に一点だけ申し上げます。農地やこれに関連する水環境を扱おうとするとき、このまとめの項目に沿って整理していくと、どうしても分析的というか、分割型になっていくので、それをどこかで時々束ねるというのですか、そういう作業が大事だと思うのです。それをこのまとめの中では、例えば15番でやるのでしょうか。そのあたりが、どの議論にしても深くやるためには、項目毎の議論がある程度進んだ段階毎にもう一度全体を俯瞰できる立ち位置に戻るような作業のやり方を、来年についてもぜひやっていただければと思います。

【須藤座長】 そのようにしたいと思っております。

【大木委員】 前回欠席いたしまして失礼いたしました。大変よくまとまったものだというふうに読ませていただきました。3点ほど自治体の立場からお話しさせていただきます。
 1つは、健康項目の関係、水環境保全の目標の関係なんですが、未然防止の観点からの設定というふうなことが中間取りまとめのほうにございました。要するに規制を前提とした設定ではないものということなのですが、これまで自治体も、国民というか、県民のほうでも比較的規制を前提とした環境基準の設定というのがわりとインプットされているというところがあります。環境基準全体の考え方について、今後そういう見直しの中で分かりやすく十分説明いただければありがたいというのが1点目であります。
 それから、未規制の小規模事業場あるいは面源の対応ですが、また、水質事故対応も含めて、水質事故に関しては法改正が間もなくということですが、小規模事業場規制は、埼玉県でもそうですが、かなり横出しというか、裾を下げたというのはかなりのことをやっております。それぞれそれがどこまできちんと運用できているかというのは、いろいろあり得るのですが、そういう意味で、水質事故対応でも埼玉県の場合、かなり細かい、ほとんどのものについて一応条例で対応できるという形になっております。そういう意味で各都道府県の条例との関係を、調査もなさるということですが、十分整理いただければと思います。
 3点目が同じく未規制小規模あるいは面源の部分ですが、生活排水対策についての記述が比較的少ないのかなという印象を持ちました。その中で、重点地域における、どういったことがやられ、どういった効果が出て、必要に応じて見直すという記述はございましたが、前にも申し上げたのですが、生活排水処理率というか、汚水衛生処理率ですか、下水道との未接続などを考えますと、恐らく2割以上の国民が雑排水を未処理の状態であると。これを100%に持っていくには少なくとも15年とか20年の話になろうかと思います。これについては、生活排水処理の都道府県構想の見直しという形で各都道府県が現在進めているところで、そのもとになっているのは3省の通知ということですが、これについて、でき得れば環境省のほうで水環境全体の立場から、こういった生活排水対策の進め方について考え方を示していく必要もあるのかなという感じを持っております。
 一方で、この対策がかなり長い時間かかるという中で、生活排水対策の場合、啓発というのが非常に大きな要素になっていると思います。埼玉県の紹介になるのですが、いわゆる生活排水対策、油を流さないとか、いろいろ細々としたことを一斉取組のような形でかなりの地域でここ数年実施しております。そういうものと河川の浄化のボランティアの方々、これもそういったことをやっていく中で、ここ数年で団体数が3倍にも増えて500近くになっている。そういった一斉取組的な対策を進めながら、一方で川に近づいて川に親しむ、そういうことによって逆に取組が持続していくということも現在進めております。そういったものが定着していくことが大事なわけですが、それは一例ですが、生活排水対策の場合には、なお啓発の要素というのは非常に大きいのではないか、というのが3点目であります。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。1番目の問題は、環境基準があっても、排水基準がなくてもいいじゃないか、要するに環境の目標だから、必ずしも排水規制を伴わなくてもいいじゃないか、という御意見ですね。そういうのもあってもいいという意味ですか。

【大木委員】 逆に、これまで規制を前提として環境基準という考え方があって、それが、我々もそうですが、国民の方にもかなり浸透している。逆に未然防止の観点からの設定、規制を必ずしも前提としない設定を行う場合には、それはどういう意味なのだということを分かりやすくということが必要ではないか、ということです。たぶん学問的には分かるのだと思うのですが、それをブレークダウンして、県民、国民の方に説明していく必要もあるのかなということです。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 では、及川委員、どうぞ。

【及川委員】 環境ビジネスについて国際貢献のところで入れていただいていますし、横串を刺す話も、13ページのモニタリングのところで各省連絡会議を作るというところで進めていくということで、大変よろしいのかなと思っています。
 私が御検討いただきたいのは、人の観点から、人材ですね。特に社会貢献での日本の果たす人材と国際貢献とか、各章ごとに人の観点から言えるものがあるのではないかということが一つと、今出ましたが、今後の取り組み方ということですから、地方主権というところでそういう意識をもう少しされてもいいのではないかと思っています。
 あと、未規制の小規模事業場のところは、書いていただいていますが、実態把握に努めるということで、まずデータで今後の対策をしていただけるということで、その点はこれでよろしいのかなと思います。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。

【森北水環境課長】 今、横串ということで各省の連絡会の話がございました。これについてはこれから設置するということではなくて、既に13省庁で作られておりますので、そういったところで私どものほうから提案していきたいということでございます。

【須藤座長】 では、浅野委員、どうぞ。

【浅野委員】 今まで議論してきた中で、今後の取組ということとして、テーマを掲げたものをアジェンダとして整理されているわけですし、それを前提としての中間の取りまとめをした以上、これに文句をつけるのはフェアではないので何とも言いようがないのですが、とはいうものの、アジェンダとしては議論したのですが、その議論の仕方についてはまだ議論していないわけです。それにもかかわらず、非常によくまとまっていると思うし、ここまで水環境部で将来課題をきちんと整理いただけたのは画期的なことで、すごいなと思います。あれほどわけの分からないことをみんなで言ったのに、整然と議論が行われたかのように見事な整理というほかはなく、評価したいと思います。ただし、アジェンダとして議論してきたのでこうなってしまっているのですが、次の議論はアジェンダの議論だけでは済まない。ですから、そこをどうするかということがありそうだと思います。
 さっきの御意見の中で、大木委員のおっしゃったことや及川委員のおっしゃったことを含めて考えると、例えば各主体がどう関わりを持つのか、そういう議論の柱立てはこの中に入っていない。しかしそれを入れておかないとたぶん議論はできないだろうということが言えるような気がします。それが一つです。ですから、議論の仕方についての工夫をもうひとつしておかないと、これがアジェンダの議論だけで終わってしまうという心配があります。それから、例えば政策実現手法としてはどんなものがいいのか。例えば経済的手法をどう入れるのか、そういう政策実現手法的な発想法を入れ込まないとうまくいかないかもしれないという気がしますので、これはまたもう少し考えさせてください。
 それから、大きな項目の中で、中間取りまとめまでの段階で議論してきて、さっき岡田委員が言われたように、生物多様性との関わりが少し分かりにくいという点は、そのとおりですが、このほかにあまりちゃんと議論してこなかった点は、アジェンダ議論の中では入ってこないのだけど、循環型社会という切り口、つまり持続可能な社会としての低炭素・循環型・生物共生社会の同時実現といっているわけですから、そうすると、26階の片方のフロア(廃棄物・リサイクル対策部)でやっている問題をそこだけに閉じ込めておくのでは困るわけで、それが23階(水・大気環境局)の施策の中でどう反映されるのか、ということが全く出ていないですね。実は来週、循環型社会形成推進基本計画の点検の報告をまとめますが、そちらのほうにもあまり水環境という視点はない。ようやく生物多様性、生物共生と循環のつながりを何とかしなきゃといって苦労していますけれども、水環境の話と循環型社会の話しとは今のところつながりがない。ところが、よくよく見れば、つながりがないはずはないので、この中にもいっぱいつながなくてはいけない課題があるわけです。
 例えば、アジェンダ的にあがっているものでいうと、閉鎖性のところでも家畜飼料の話などが出てくるわけです。ですから、それはあくまでも閉鎖性のほうの対策として考えられているにとどまっているのですが、それを対策として発生・負荷抑制ということだけではなくて、循環型社会という切り口をもうひとつ入れていくと、もっと効果的だし、無駄なく施策が進められるという気がするので、これをアジェンダとしては入れにくいので、個々のアジェンダを取り上げるときに視点として「低炭素・循環型・生物共生」という考え方を必ずきちんと入れ込むという発想法が必要だろうと思います。
 環境基準に関しては、環境基準の在り方そのものを全体として総合的に考えるべき、ということは何度も言われています。今の環境基準が規制を前提としてというお話は、そもそも基本法の発想を十分に理解できていないからそうなっているので、それが定着しているとすれば、定着している実情をむしろ変えていくべきだろうと思います。それはおかしい。環境基準というのは、政策を実現するための目標を示しているものです。それを規制だけで実現しろとは一言も言っていないわけですから、規制のための基準だというふうに思い込んでいるとすれば、それは誤解そのものということになります。それを住民もそう思い込んでいるというのは、全くおかしいわけです。環境基準というのは、住民の方々お一人お一人に直接響いてくるものです。自分たちもその中で役割を果たさなくてはいけないのです、ということを強調していかくてはいけない。幸い先ほど大木委員から、埼玉県で家庭の台所の廃油の話をされましたが、家庭の流しは海につながっていますから、油は流さないでというようなキャンペーンは、多くの自治体でやっているわけですが、このことが環境基準と結びつけての議論になっていかないからおかしいわけです。そういう点ももっと工夫すればいいだろうと思います。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。動的なそういう問題、個々の問題、今のつながりのような問題、人との関わりの問題、これはどういうふうにテーマを挙げられるか分かりませんが、後で今度の項目を立てるときに考えましょうね。お願いいたします。
 それでは、眞柄委員、どうぞ。

【眞柄委員】 今、浅野先生が言われたことをもう少し違う表現をしたいと思いますが、関係省庁の連絡会議が発足してもうそろそろかなりの年がたつのですよね。先ほど室石さんが総量規制の話で平成46年というお話をされましたね。そして今、このアジェンダを見ていくと、当然、従来のやり方でいえば、各省協議でやっていたことをまたやらなきゃならないわけですね。各省協議というのは、我々が見えないところでやられるわけで、それでその法律や規制が決まっていくというようなことをこれまでと同じようにやってきていいのかどうか、というのがやはり私もすごく気になります。
 しかも、先ほどの循環型社会でも、環境省の中でも全然話が通ってないわけですから、そういう意味で、この際、水環境の在り方を考えるとすれば、従来の行政の構造をかなり評価し直して、その上でこういう様々な斬新なアレンジ、アジェンダに立ち向かわないと、一つ一つ個別解決的な行政のことになってしまうのではないか、という印象を強く受けました。
 それで、地方分権がどれほど進むかどうか分かりませんけれども、例えば北海道のことを言いますと、たぶん開発局が道と一緒になって、河川管理は道がやるようになるのですね。そうすると、道の中には環境もあれば、水道もあれば、河川も入り、港湾も入ってくるということになると、地方自治体、都道府県のほうは、県のレベルで横断的に条例や何かを決めるようになるのですが、国は相変わらずばらばらだということになりかねないので、浅野先生がおっしゃったように、私もそこがちょっと気になります。
 もう一つは、今後の水環境保全の在り方のところで、時代と社会が変わってくるということが書いてあるわけですから、時代と社会が変わってくるということは、例えば環境に係る様々な施設といってもいいと思いますが、あるいはモニタリングの施設もそうですが、1970年からもう40何年たっていますから、当然、更新その他が出てくるわけです。そういうものに対して資金需要を満たすことができるかどうか、そういう観点からの解析も並行して行わないと、このアジェンダの一つ一つが本当に目に見えて決まらないという可能性があるので、そういう政策的な判断もこの仕事の流れの中でやっていくべきではないだろうかと思いました。
 あと2つだけ言わせてください。この検討する課題は、確かに環境政策のネックを決めるもので非常に重要なのですが、例えば、先ほど言いましたように、平成46年まで見通すとすれば、我々が持っている科学技術が現在のものではなくなる可能性がある。あるいは現在のままであってはいけないわけですから、そういうものに対する支援というか、政策を、つまり技術開発の政策をどこがとるか、という問題は、環境省としても考えておかなければいけないのではないかと思います。
 それからもう一つは、これはかんなり深刻な問題なんですが、生活環境項目に関しては環境サイドでいわば自由に決める。ところが、口に入るものという観点から言うと、これは食品安全委員会にがっちり縛られているわけですね。食品安全委員会は、一日耐容摂取量は出してくれます。しかし、一日耐容摂取量を環境の健康項目あるいは水道の水質基準の項目を決めるときに、一日耐容摂取量の何をとるのか、これが明快にならないと、科学的に全ての人が納得する基準にならないわけですね。そういう観点の考えをこのモニタリングのところに入れるのか、基準のところに入れるのかというところは、あらかじめ態度というか、意を決しておかないと、従来と同じような基準になってしまうので、そこはかなり深刻に考える必要があるのではないかと思いました。
 いろいろありますが、とりあえずそれぐらいにしておきます。

【須藤座長】 特に健康項目、人の口に入るものの取り扱いについては、今後留意したほうがいいですね。今のように、モニタリングに入れるのか、あるいは健康項目に入れるのか。ADIを算定していくときにいろいろ問題になると思います。
 では、堀口委員、お願いいたします。

【堀口委員】 前回は欠席いたしまして大変失礼いたしました。私からは2点申し上げたいのですが、1つは、資料の読み方のことでして、今後の手順の表の読み方が分からなかったもので、ちょっと細かいですが、例えば1ページの今後の手順、これは時系列で並んでいるのだと思いますが、例えば上から2番目の化学物質のリスク管理のところで「毒性情報の整理」が一番左側にあって、このずれというのは、厳密性はあまりないのかもしれませんが、それなりに時系列的に意味があると考えてよろしいのか、ということを確認したいというのが一つ。
 もう一つ、中身についてですが、これも恐らくこの中に含まれているのだと思うのですが、統合的な環境管理のところですが、統合的環境管理というのは、環境全体を保護するという観点からもちろん意味があるわけですが、もう一つ、限られた行政資源を効率的に活用する、より効率化していく、そういう観点からも意味を持ち得るものだと思いますので、この観点から現在の日本の状況は果たしてどうなのか、ということも考えていったほうがよろしいのではないかと思っております。
 簡単ですが、以上です。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。
 それでは、福岡委員、どうぞ。

【福岡委員】 気付いたことをいくつか申し上げます。まとめとしてよくできているというのは、皆さん言われたとおりと思います。私は環境の専門家でないので、間違えていたらお許し下さい。資料4の(5)番目までの未規制の小規模事業場や面源負荷への対応までと、それ以降の地下水・土壌汚染とか、海洋環境、気候変動というものは今後の取組みの進め方がだいぶ違うのではないかということをまず感じます。すなわち、先ほどからお話を聞いていますと、水環境行政というのは、何か基準を作って、制度を作って、これでやるのだと、これでやればうまくいくよ、ということのように聞こえてくるのです。ところが、水に関わる他のセクターは、現場を持っていますし、管理業務を持っていますから、そういうことだけではなくて、いかに環境も含めて総合的に水行政を考えていると思うのです。そうなってくると、最初の5つ、6つのところぐらいは、今までの環境省の水環境行政の流れの中で相当のことができて、実際そのように進められてきています。だけど、例えば気候変動、海洋環境の保全、その他、水問題への国際貢献なども含めると、現場の水管理を持っている他のセクターがどう考えるのか、というのが非常に大きい話なんですね。水環境行政は、他の省庁が管理しているから、あとはそれに乗っかって規制と制度を作るのか、というふうに読めなくはない。もちろん、環境省の仕事はそういうことをやっていく、所掌事務からそういうことをやるというのは十分分かっているつもりなのですが、これからもそういうやり方で新しく拡げている水環境行政をしっかりとやれるのか、ということについて、私はいささか疑問を持っています。
 環境基本計画に書いてあれば、それができるということではないはずだと思います。それ以前の問題として、水環境問題というのは、いろんなことがあって、環境基本計画に書いてあるから、それにのっとってやればいいのだというのは、環境省のよって立つスタンスであって、そうでないところは、もっとそれ以前の原始的なところでいろいろ考えなければならないところもあるだろう。そうすると、私が申し上げたいのは、今までのようなやり方、すなわち規制や制度でだったらどうこうだけではないというところをどう考えるか。それは、関係省庁連絡会議とか、こういうのがあるから、ここでいろいろイニシアティブをとってやりますよと、これはそのとおりで結構なんですが、もっともっと積極的に現場の状況を理解していかないと、難しいよということを私は申し上げたいのです。
 例えば内閣府の会議に出ていくと、地球環境問題について全ての省庁が出てきていろいろ議論しています。水環境の切り口だけではうまくいかないということをみんな理解しながら、どうやって統合的に見ていくことが必要かということを議論するわけです。水環境の取り組み、在り方も今後は少しそういうふうにやっていただきたい。前から申し上げているように水環境についてリーダーシップをとってやっていただきたいというのは、そういうことです。この中間報告の最後のところで書いてあることは非常にいいと思うのですが、少し言葉が上っ面に流れているように思います。すなわち痛みを伴うところがいっぱいあるということをどういうふうに環境省はとらえて、全体の上に立って統括していくかということが大事なので、その辺をぜひ積極的に入り込んでいくぐらいの議論をしたほうがいいと思うのです。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。先ほど私が冒頭に申し上げたのは、先生のようなことを考えていたので、個別のそういう問題よりも、全体として積極的に総合的にやれるのかということを申し上げたかったので、今、先生がおっしゃっていただいたので、そのとおりだと思いますので、後でまた審議官なり課長なりに「それでいきます」と言ってくれれば、私も大変安心をするわけでございます。
 では、平沢委員、どうぞ。

【平沢委員】 抜けていると思われたところだけ言わせていただきます。水環境保全の目標のところでDO、透明度が出てくるのですが、改めてCODの中身というか、難分解、易分解の切り分けという項目が、以前入っていたように思うのですが、今回は入っていないから、あったほうがいいのではないかと思いました。
 もう一つは、そこに関係して、いろんな委員会に出て気になる、自然由来を今後どうしていくのだろうというところは全然どこにも入っていないので――

【須藤座長】 汚濁源としての自然由来ですね。有害物質について、自然由来のものがよく議論になりますよね。そこの問題をどう取り扱っていくかということ。

【平沢委員】 どこかに入っていたほうがいいのではないかと思います。
 3番目、小規模の対応ですが、今、畜産の関係をよく見ているのですが、装置はあるのだけど、きちんと運転しなくて、窒素、りんがとれないという状況があるみたいで、そこをきちんと管理できる環境指導員のような人とか、あるいは会社でリタイアした水処理をやっていた人を使う人材育成ですね。人材の有効利用といっては失礼ですが、そういうようなところがないなと思いました。
 それから、これは余計なことかもしれませんが、国際貢献の話ですが、水ビジネスという意味で非常にいいと思うのですが、私が非常に危惧しているのは、国内で規制があって、暫定をもらっているところが、厳しいからといって、アジアに移転して、それで日本はいい、暫定を満足した、暫定の業種がなくなったというのでいいかどうか。そういう企業の海外移転に関する問題は出てないような気がしました。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 それでは、中杉委員、どうぞ。

【中杉委員】 福岡先生が言われるように、大所高所全体をここで議論するのか、というのは、一つ考え方だと思いますが、少なくとも水環境に関わって全体像がどうなっているか。日本国として、政府として全体どういうことをやるのか、ということが前提にあって、その中で環境省はどういうふうに役割を果たしていくのか、という議論をしていかなきゃいけないのだろうと思います。
 そういう意味でいくと、これは環境省が、というだけではなくて、水部がどうするか。ポリシーミックスというのはあるのだけれども、ある意味でとると、水部の対策としてポリシーミックス、大気がやったように、規制と自主管理を組み合わせたベストミックスだよ、そんなのは必要ないのです。実は大気のベストミックスについても、自主管理のところは化管法でもやっている話で、屋上屋を重ねるような話になっていますね。そういう意味で、全体像の中でどうして、水のほうでは何をやっていくか。水の中で、例えば自主管理と規制を組み合わせるにしても、ほかでやっている自主管理のものと水でやる自主管理というのは何なのだ、今、大気のほうでそういう話をしています。整合をうまくとろうと。ある意味では、二重の規制ではないですが、二重のことを事業者に求めることになるので、そういう意味では、ポリシーミックスという考え方を見るときも、全体を見た中でやっていく必要があるだろうというのが一つ。
 同じようなことで、一つだけちょっと気になるのは、海域での栄養塩の循環の話をしています。ところが、陸域といいますか、地域での窒素の循環というのが非常に重要な話で、これは例えば地下水の硝酸性窒素の汚染を考えるときも、湖の富栄養化の問題を考えるときも非常に重要な話ですね。前にも申し上げたと思いますが、九州では畜産廃棄物からできる窒素が農地に投入する窒素を上回ってしまっている。そういう問題をどうするかという、窒素の循環みたいなものを、これは海の問題だけでなく、考えていく必要があるだろう。これは地下水のところでやる話でもないし、湖沼のところでやる話でもないし、そういうものをどういうふうにとらえていくかというのが一つ。
 それから、モニタリングの話のところでも、眞柄先生が言われたように、モニタリングという話があるのですが、データを集めるだけではなくて、モニタリング調査はいろんなところでやっているわけです。それぞれ役割があるので、水部の中で、自分たちがこれ必要だと言って全部やる必要はないわけで、全体の中でどうだ、それをうまく整合をとった形で集めて統括して使っていく、そういう意味での整理が必要だろうと思います。この3つが大きな点。
 もう一つ、細かいところでいくと、事故時のところで、前にも申し上げた話ですが、今後の対応は未然防止だけになっているのだけど、やるべきことは未然防止だけではないだろう。事故が起こった後の事後の対応というのが、いろいろ考えるべきことがたくさんある、残されていると私は思っています。だから、未然防止対策だけをやればいいという話ではない。事故対策についてはやるべき項目が残っていると思いますので、検討していただく。前に私が申し上げたというのは、もしあれでしたら、また後で細かく申し上げます。

【須藤座長】 木幡委員、どうぞ。

【木幡委員】 もう既に多くの先生方がおっしゃったことの繰り返しになると思うのですが、これは非常によくまとまっているのですが、ある意味、現状の施策をまとめたという感じがあって、これを離れて、全体としてどうなのか、総合的な管理というのはどうなのか、という視点があってもいいのかなという気がします。
 ちょっと気になった点を3つくらい述べさせていただくと、1つは、陸と海の施策が分離している部分があるのかな。陸は陸でやって、海は海でやる。今ちょうど中杉先生がおっしゃったとおりだと思うのですが、陸から海へという全体をひっくるめた考え方があってもいいような気がします。
 例えば、資料4−1で8ページには未規制小規模事業場で「湖沼の水質保全」と書いてありますが、これは実は総量規制のところで同じようなことが言えると思います。
 それから6ページの閉鎖性水域、海域のほうでは「里海」というのが書いてありますが、こういう取組は、これは海で今、事業が始まっているからこういう書き方なのだと思いますが、実際には陸のほうでもそういった視点があってもいいのかもしれない。先ほどどなたかがおっしゃったように、生物共生だったか、自然共生、そんな考え方があってもいいのかという気がしました。それが1点です。
 2つ目は、既存の枠組みをもっと活用するようなこともあるかなというところで申し上げますと、10ページで、今後の話ですが、「海洋環境室」という名前があがっていますが、こういったものが水・大気局に入ってくるとすると、そこでやっていた事業は、例えばNOWPAPとかPICESとかいったのがあるので、それを少し視野に入れて、融合する。ただWEPAだけではないというところを考えたらいいのかなという気がいたします。ほかにもあるかもしれませんが、そういったものが一つ。
 3つ目の話は、座長が他の省庁の話をしてもいいとおっしゃったので、あえて言わせていただくと、ここでは水の質の話だけが重点的に扱われていますけれども、水の量の話があってもいいかなという気がします。例えば温暖化の影響とかを議論するときには量の話が出てくるでしょうし、あるいは水の大循環みたいなものが考えられます。特に身近な問題では再利用水の在り方みたいなものもあるのかもしれない。あと、環境水というのですか、そういったものもあるのかなという気がいたしました。

【須藤座長】 先生方、ありがとうございました。まだ思い付かれたことがいっぱいあると思いますが、私も一言、二言コメントを言った後、特に意見のある方に伺おうと思います。水環境というのは、環境なので、人のためだけにあるわけではなくて、生き物のためにも当然あるわけで、それは人が大切か、生き物か大切か、同等だと思いますので、もう何人かの先生が言われているのですが、生態系の問題とか、多様性の問題とか、そういう問題はもっと大きく取り上げたほうがよろしかろうと思います。
 それから、順不同ですが、思い付くまま言うと、面源の問題と未規制の小規模事業場の問題は一つに括られているのですが、発生源がかなり違う。同じ部分もなくはないけれども、これはすごく大きい問題なので、今の湖沼の問題、海洋の問題を取り上げると、それは一つ一つの項目に取り上げるよりも2つに分けて課題にしたほうがいいのかなという気がいたします。
 それから、私は、浅野先生と御一緒にさせていただいている地球環境部会で、低炭素社会をどう構築していくかというのを議論していて、先生もおっしゃっておられたのですが、低炭素社会と自然共生と循環というのがこれからの持続可能な社会で2050年までに何とかしようとしているわけで、そういう時代の中で、水というのがあの中でほとんど論議されていないんですね。水道も下水道も川も、要するに道路や森林や田んぼや畑、そういうことは議論されているのだけれども、水については全く議論されていないので、私はあのときそう申し上げたのだけれども、水のことはよく分からんということです。持続可能な社会についての中で、水が持続可能な社会をどう構築していくのか、ということについては触れられていないし、これからもあまり触れられないのだろう。それぞれの省庁はそれぞれ水道の立場、下水道の立場、いろいろあるからやるのでしょうが、水環境として持続可能な社会を構築していく中でどうあるべきなのかということは、先ほどの循環の問題とか何かを入れてやっていただきたいと思います。既に何人かの先生がそういうことをおっしゃっておられました。
 もう一つは、循環の中で、浅野先生がおっしゃったように、廃・リ部の問題が全然入っていない。特に、水で一番かかる浄化槽の問題が全く抜けているのですね。浄化槽問題というのは、今、900万基ぐらいあって、概算ですが、600万基ぐらいが単独で、300万基ぐらいが合併ですが、単独が一番汚濁源になっている。雑排水が一番汚濁源になっているということで、生活排水と浄化槽の問題は、同じ省内でありながら全然別な方向を見ているかどうか知りませんが、何となく私はそんな印象を受けるのです。よその省庁に行く前に、まずは自分の省の中でもう少し連携を図っていただいて、浄化槽こそ循環とか低炭素型とか自然共生とか、放流水域のところで自然共生などと書かれると思うので、もう少しその辺が工夫があってもいいし、岡田先生、身近な水辺のことを言われたので、私はここへ来るまで皇居の濠の問題の検討会の事前打ち合わせをしたのですが、皇居のほうは公共水域ではないのですね。しかし、水局がどうやって浄化するか今考えているのですね。こういう問題は全然入っていない。皇居の濠の話は全然出てこないでしょう。これは千代田区もいっぱいいろんな意見があるのです。これをどうしようかと言っているのですね。埼玉県も同じですね。あの辺の何とか沼、何とか池と言っているんですよ。この辺は湖沼では取り上げられないので、身近な水域をどうやってこれから、それからさっきの人のふれあいもそうだし、自然共生もそうでしょうし、循環型社会もそうでしょうし、様々な問題を残しているのですね。こういう問題の取り上げ方をこの中で考えていったらいかがでしょうか。
 私もちょっと舌足らずの部分もありますが、ちょっと気が付いている点を座長なりに申し上げまして、あと、御意見のある方は挙手をなさってください。
 太田委員、どうぞ。

【太田委員】 先ほどお話ししたかったことを補足させていただきます。要はテーマ、項目を分析・検討するということと、その結果を受けて物事を動かすという話があって、両方それがミックスされた議論が大切だと思うのです。物事を動かすためには、それに関わる役者とインセンティブというか、動機づけがあって、例えば規制というのは、どちらかというと北風的な手法ですが、太陽的な手法も当然ある。つまり、メッセージを出すとか、何らかの行動を呼びかけるとか、具体的なメリットを与えるとか、何か賞をあげるというのもあるかもしれません。何を申し上げたいかというと、運動論みたいな部分を、つまり水環境の分野で旗を振るようなことも考えてはどうかということです。その意味で、一つ質問なのですが、「水環境白書」というのはあるのですか。
 ないとすれば、先ほどPDCAをやると言いながら、その進行状況を社会に情報発信しないと、結局、関係者たちだけのものになってしまいますよね。したがって、地域レベルのPDCAでもいいし、国レベルのように大きくてもいいのだけど、そういうものをどう社会と関係させながらやっていくか。ここで言えば、例えばモデル地域でやるなら、モデル地域のPDCAみたいなところをどうパブリック・インボルブメントというか、人々と関わってやっていくか、みたいなことをモデル的にやるとか、こうやれば何となくいけるのだという形を実際に見せていくという作業が必要だと思うのです。また、例えば文科省あたりとの連携についても、さっきの平成46年か47年でしたか、その頃のことを考えると、今の若い世代の人たちが今から水環境のことをよく理解してもらわなきゃいけない訳ですね。その意味で、今の教育の現場では一般的な環境の問題は扱うけれども、水についていうと、水辺の生き物という点で触れられる程度で、水環境全体についてはちょっと弱いような感じがします。
 もう一つ、インボルブメント(関係者を巻き込んでいく)の話でいうと、パブリック(国民の皆さん)もインボルブメントするのだけど、ミニストリー(各府省)もインボルブメントするという意味で皆さんいろいろとお話されましたね。この点については、例えば先ほど触れました白書という形がいいかは別にして、あるいは何年ごとにやるのがいいかは別にして、環境省が各府省の取り組みを取りまとめて発信されるようなことも重要ではないでしょうか。先ほどの生き物の話で思い出したのは、例えば河川では「河川水辺の国勢調査」をやられていますね。実は農水省でも「田んぼの生きもの調査」をやっているのです。例えばそういうものを束ねて、まさに各省が、俺が、俺がではなくて、こちらの部局でそういうことを情報発信されると、日本国土全体がそうなっているのだと国民の皆さんにも分かっていただけると思うのです。そこは役割分担ですから、他の府省の力をうまく使う、それこそ立っているものは何とかですから、人のふんどしで相撲をとる方法というか、各府省でうまくいったことをつないでいくような作業というのは、皆さん方が一番得意な分野なのではないでしょうか。ですから、各省の協議会もそういうことが話題にのぼるような場にしていけば、いい意味での政策競争が進むことになっていくのではないかと感じています。つまるところ、施策のマネジメントサイクルの確立ということが目的ではなくて、確立されたものをどう動かしていくか、といった議論も一つの検討テーマになったらいいのではないかという感じがしてあえて申し上げました。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。
 ほかにどなたか御意見ございますか。
 浅野先生、どうぞ。

【浅野委員】 地域循環圏づくりという施策を今、一生懸命やっているわけです。地域循環圏で地域循環権モデル事業を今年は何とかやるという話になっていて、そういう発想法が今の御意見にもあったとおりつながってくるのですが、何かうまく何とか圏モデル事業、水循環というのはもちろん大きなものがあり、流域の話と重なってしまうので、はなはだ単独にはやりづらい面があるでしょうが、水環境部のプロジェクトとして何かモデル○○圏プロジェクトみたいなものを発想法の手がかりとして考えてみたら、意外とパッケージでうまく知恵が沸いてくるかもしれないと思います。

【須藤座長】 水循環圏、そういうことですね。

【浅野委員】 でもいいし、「水循環」という言葉はどうも他省庁でいっぱいあるのだけど、それでも構わないのだけど、どこかモデル地域を作って、そこで何かプロジェクトを実証的にやってもらうみたいな発想法を循環型社会形成のほうの施策では考えてこれをやろうとしているのですが、これはわりあい地域を切りやすいからやりやすい面もあるのだけど、考えてみたら、水の場合も似たようなところがあるので、少々大胆に割り切ってしまえば、一定の地域の中で何かやれそうな気もするわけです。水環境課長はそれらの実務経験を十分お持ちですから、しっかりお考えいただいて、そういう発想法もちょっと入れてみてはどうかと思います。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 では、眞柄委員、どうぞ。

【眞柄委員】 今のことと関係するのですが、要するに国で設定する一律基準、一律規制というものが、地域によっては全く不必要なものもあるし、なじまないものもあるわけですね。そういう意味で、ただ、制度的には横出し・上乗せの仕組みがあるわけですから、上乗せ・横出しの仕組みを積極的に導入した都道府県は表彰してあげるとか、あるいはそういうことを奨励するような、しかも地場の産業というのはかなりあるわけですから、上乗せ・横出し、そもそもの環境行政の原点はそこにあると思って、それを活用していないのが、いろいろな意味で、軋轢というわけではないですが、議論を招いていることが多いので、積極的に上乗せ・横出しを活用する、上乗せ・横出しはどうやってやるのだというマニュアルを作っていただくのがこれも一つ重要なポイントではないだろうかと思います。

【須藤座長】 その整理も環境省のほうではあまりされていないですよね。どこに何が横出しされているか、あるいは上乗せされているか、あるいは裾下げされているかも御存じないのではないですかね。

【眞柄委員】 それに関して言えば、例えば滋賀県はアンチモンをたしか横出しでやって
いましたね。だけど、それはアンチモンを横出ししたときの社会背景と、今、アンチモン
を違う観点から基準化しなければならないという問題が起きているので、要するにレビューがあまりされてないということは、須藤委員長がおっしゃるとおりなので、そこら辺はこれから工夫していくべきだろうと思います。

【須藤座長】 ありがとうございます。
 ほかの先生、何か御発言ありますか。
 もしなければ、課長なり審議官なり、叱咤激励も含めていろいろ注文もありましたし、もっと積極的に環境省は取り込んでいくべきだ、もっと情報を発信していくべきだ、様々な御意見をいただいていますので、水環境課長のほうから。

【森北水環境課長】 いろいろ貴重な御意見をいただきました。福岡先生から、きれいにまとまりすぎて字面だけではないか、前回も、文章に書いただけで、実際にやるつもりがあるのかという御意見もありました。私どもといたしましては、このように書いて、それを実際にやっていくということが大事だと思っておりまして、そういう意味で、今回、具体的にロードマップ的なものをお示しさせていただきました。実際、このように進めていく中で、いろいろ障害といいますか、問題が出てくるかと思いますので、そういったものも一つ一つ解決しながら取り組んでいきたいと考えております。その一つとして、環境省だけではできない部分もございますので、各省との連携をどういうふうにやっていくかということが、非常に大事になってくると思っておりまして、今日お示しした中でも、各省との連携、協力といったことをかなり意識して書かせていただいたわけでございます。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。
 私が全部をまとめてなくてはいけませんが、非常に多様な意見でございましたので、議事録をとっていただいていると思いますので、そういう中で、新たな項目起こしをしたり、あるいは項目整理をしまして、次の検討会のときには、最初にこういう整理をいたしまたということを事務局からお話しいただいて、順番に議論していくと、こういうことになろうかと思います。少し時間がありますので、先生方、思い付いたことがございましたら、もう少しここら辺言ってくれというのがあれば、水環境課のほうにどうぞお申し出ください。
 では、その他の議題、何かあるのでしょうか。

【森北水環境課長】 次回の予定ですが、今年度はこれで最後ということにさせていただきまして、第6回の検討会は来年度に開催させていただきたいと思います。今日の御指摘も踏まえまして、今後検討すべき課題について更に整理したいと思っております。日程等につきましては、追って調整させていただきますので、よろしくお願いいたします。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。
 来年度も引き続きこの検討は続けられると思いますし、回数とか、いつ、何月までというのは、最初のときにスケジュールを示してくれると思いますが、たぶん何回かやらないとこれだけの議論はできませんので、来年度中には、普通、中間取りまとめというと、それで終わってしまうのだけど、今回は中間取りまとめではなくて、もう一回中間取りまとめがあるか、あるいは最終取りまとめになるかということで、来年度も続いて取りまとめをさせていただきたいと思います。
 それでは、先生方、いろいろ貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。
 では、進行を事務局にお返しします。

【富坂水環境課課長補佐】 皆様、熱心な御討議ありがとうございました。また、須藤座長には議事進行につきましてありがとうございました。
 本日の議事録につきましては、これまでのとおり、事務局で作成しまして、その後、委員の皆様に配付しまして、御確認をさせていただきたいと思っております。御協力をよろしくお願いいたします。
 以上をもちまして本日の検討会を閉会とさせていただきます。
 ありがとうございました。

――了――