環境省水・土壌・地盤環境の保全水環境関係今後の水環境保全に関する検討会

今後の水環境保全に関する検討会(第3回)議事録


1.日時:
平成21年11月20日(金)16:00〜18:10
2.場所:
中央合同庁舎第5号館共用第7会議室
3.出席委員:
浅野直人、池 道彦、石原道男、及川 勝、大木貞幸、太田信介、
   岡田光正、奥村 彰、笠松正広、木幡邦男、須藤隆一(座長)、
   中杉修身、平沢 泉、福岡捷二、細見正明、堀口健夫、森田昌敏
環境省: 
鷺坂水・大気環境局長、伊藤水環境担当審議官、木村総務課長、
森北水環境課長、大友農薬環境管理室長、室石閉鎖性海域対策室長、
是澤地下水・地盤環境室長、富坂水環境課課長補佐     ほか
4.議題
(1)今後の水環境保全の在り方について
(2)その他
5.議事録

【富坂水環境課課長補佐】 定刻となりましたので、今後の水環境保全に関する検討会の第3回を開催させていただきます。
 私、水環境課課長補佐の富坂でございます。
 本日は、総数19名中17名の委員が御出席の予定でございます。福岡委員、細見委員からは多少遅れると御連絡をいただいております。
 前回まで御欠席の委員で今回初出席となられる委員がいらっしゃいますので、簡単に御紹介させていただきます。
 池道彦委員でございます。
 木幡邦男委員でございます。
 続きまして資料の確認をさせていただきたいと思います。
 議事次第1枚でございます。
 それから資料1、委員名簿でございます。
 資料2が検討会の設置要領でございます。
 資料3−1が前回、第2回の議事録の案でございます。
 資料3−2が「第2回検討会までの意見及び課題・論点の整理」でございます。
 資料4−1から資料4−3までございます。「今後の水環境保全の在り方について」、資料4−1が骨子案の構成でございます。資料4−2が骨子案でございます。資料4−3が、横長でございますが、資料4−2の補足資料でございます。
 また、参考資料としまして「水質汚濁防止法等に基づく立入検査の前倒し実施の結果について」というものをお配りさせていただいております。
 資料の不足等がございますでしょうか。
 それでは、資料3−1にあります前回の議事録案でございますが、こちらは委員の皆様に事前にお送りして御確認いただいているところでございます。
 申し訳ございませんが、一部修正漏れがあったとの御指摘を浅野委員からいただいておりますので、そちらについては修正させていただきたいと思います。また、先生方におかれましてお気づきの点がございましたら御連絡いただきたいと思います。
 あわせて、資料3−2において、前回、第2回までの課題ごとにいただいた意見をまとめさせていただいております。資料3−2で、前回検討会でいただいた意見につきましては、斜字体で入れさせていただいているところでございます。こちらについてもお気づきの点がありましたら事務局まで御連絡いただきたいと思います。
 事務局からは以上でございます。
 それでは、須藤先生、議事の進行をよろしくお願いいたします。

【須藤座長】 かしこまりました。それでは、議事の進行役を務めさせていただきます。
 委員の先生方には大変御多用の中をお繰り合わせ御出席いただきましてありがとうございます。また、本日もたくさんの傍聴の方にもおいでいただきましたことを改めて感謝を申し上げたいと思います。
 本日は3回目でございまして、今までの御議論をまとめる方向で議論をしていきたいと思いますので、委員の先生方の御協力をお願いしたいと思います。本日は18時までということでございますので、議事進行にも御協力くださいますようお願いを申し上げます。
 それでは、早速ですが議事に入ります。事務局から本日の議論の進め方及び資料の説明をお願いしたいと思います。

【富坂水環境課課長補佐】 本日の議論の進め方について、まず事務局から御説明申し上げます。
 本日は、前回までに御提示いただきました課題、それから検討会において各委員の皆様から御指摘をいただきました、これらの御意見を踏まえまして、事務局として、今後の水環境保全をどう進めたいのかという方向性について提示させていただいた上で、また御議論をいただきたいと考えております。
 資料につきましては、資料4−1から4−3までにおいて「今後の水環境保全の在り方について」の資料を用意させていただいております。事務局からそれぞれの資料について簡単に御説明させていただいた後、御意見や御提案を承りたいと考えております。よろしくお願いいたします。

【須藤座長】 わかりました。それでは、そのとおりに今日の議事は進めたいと思いますが、本日初めておいでいただきました池先生と木幡先生には、前回の議論まで参加していただいていないので、今日伺う取りまとめの中で別途意見をお持ちでございましたら、このお二人の先生方に限っては新たな意見をくださっても構わないということで、なければ結構でございます。ということで、今のように進めたいと思います。「今後の水環境保全の在り方について」、資料4の説明をお願いいたします。

【森北水環境課長】 水環境課長の森北でございます。私の方から資料4につきまして御説明を申し上げたいと思います。
 まず資料4−1ですが、今後の水環境保全の在り方について、最終的には来年の秋に取りまとめていただくということで進めているわけですけれども、次回には中間的な取りまとめを行いたいということで、その骨子案を今回提示させていただいています。
 その骨子案の構成ですが、資料4−1を御覧いただきたいと思います。1.から5.までございますが、「これまでの取組」、「水環境の現状」、「望ましい水環境像」、「水環境保全の目標」、そして「水環境保全のための今後の取組」という5つの柱立てになっています。
 5.の「水環境保全のための今後の取組」の中で(1)〜(11)の取組ということで示させていただいておりますが、前回の検討会でも同様に整理させていただいたわけですけれども、前回のご意見を踏まえまして、さらにこの5.の中で、(4)の「新たな排水管理手法の導入」、そして一番下の(11) の「施策のマネジメントサイクルの確立」、この2つを追加させていただいています。前回は9つでしたけれども、11の取組ということで整理させていただきました。
 全体の構成はこういうものでございます。では具体的にその内容について御説明させていただきます。
 資料4−2が中間的な取りまとめ、今の柱立てに基づいた骨子案ということで、どういったことを記述すべきなのかということについて、骨子だけですが示させていただいております。これと資料4−3、補足資料ですが、この2つの資料を対比していただきながら、パワーポイントの資料4−3で主に御説明申し上げたいと思います。
 資料4−3の1ページをお開けいただきますと、「これまでの取組」ということで、旧水質二法、昭和33年に制定されておりますが、それ以降の水環境行政の特に法制度面での取組について振り返り、表や図で示させていただいております。こういった旧水質二法以降の歴史といいますか、取組の概要について、まず記述したいと思っております。
 その上で、2ページですが、平成6年、環境基本法に基づいて第一次環境基本計画が策定されております。それ以降の取組について詳しく振り返ってみたということです。この資料の上の方は、環境基本計画について、第一次から第三次までの環境基本計画の内容についてポイントを示させていただきました。この間、平成7年に「水環境ビジョン」が懇談会において策定されております。そして、そのビジョンを受けまして、健全な水循環系構築に向けての取組が平成11年、さらには平成15年になされて、第三次環境基本計画につながっています。そして、現在に至っているということですが、環境基本計画では、「健全な水循環」と「水質」、「水量」、「水生生物」、「水辺地」、といったものがキーワードとして取り上げられております。
 次のページを開けていただきまして、そういった中で、現在の状況はどうなのかということで、「水環境の現状」について、第1回検討会のときにデータ等でお示しさせていただいた部分ですが、それを図に示しております。8項目ほどですが、湖沼とか海域における水質改善の遅れ、地下水・土壌の汚染、河川流量の減少と水質への支障、水質事故の増加、希薄な人と水とのふれあい、水圏生態系・生物多様性の劣化、最近の地球温暖化に伴う気候変動による影響、こういったものが水環境の現状ということかと思います。
 次に4ページですが、そんな中で「望ましい水環境像」ということで、前回の検討会において目標の可視化、ゴールを示すべきという御意見がございました。この「望ましい水環境像」というのが、ある意味で目標でありゴールと考えておりますが、第三次環境基本計画では、四角の中に書いてあるようなことがまとめられております。先ほどの現状に対して、「望ましい水環境像」というのを同様の図で示しておりますが、環境基本計画では、水質、水量、水生生物等、水辺地について、緑色のところですが、こういった状況が維持されることが水環境上いいと、そして、持続可能な利用が図られるということが大事だということが示されております。それを現状と対比した形で、どういったものが良好な水環境かということでまとめていますが、青色の枠で囲っています。先ほどとは、ある意味では裏返しのものになるわけですが、例えば湖沼については、良好な水質で景観の調和や親水性のある湖沼、こういったものが望ましい姿ではないかということで記述しています。こういう良好な水環境が確保され、全体として環境保全上健全な水循環が構築されているというのが目標になるのではないかと考えた次第です。
 その中で数値化されているものが環境基準ということになるかと思います。それを5ページ、6ページに「水環境保全の目標」ということで整理いたしました。
 5ページは、生活環境項目についての環境基準ということです。これについての課題、さらには今後の取組ということで整理しておりますが、BOD、COD等の環境基準項目は、激甚な公害の改善を表す指標として、これまで有効に機能してきたところですが、現在は、環境、水質が改善される中で、国民の意識や要望が「より清らかな」、「より豊かな」ものへと移行してきており、そういう中で、COD等の水質指標が水環境の実態を表した指標とはなっていないのではないか。また、国民の実感に合った、分かりやすい指標となっていないのではないかという御意見がございます。
 これに対しまして、実際の利水障害、ここに書いてありますようにいろいろございますが、それを今のような、分かりやすい、さらには実感に合った視点、例えば生物にとってすみやすいとか、美しさ・清らかさ、利用しやすさ、こういった視点から実態を的確に表す指標を検討すべきではないかと。赤で囲んでいますけれども、COD等を補完する指標、例えば河川では透視度、TOC、湖沼・海域では底層DO、透明度といった指標について検討すべきではないかということでございます。その他、衛生指標として大腸菌群数がありますが、こういったものについても測定技術の進展に伴って実態を表す有効な衛生指標の検討を進めていくべきではないか。これが生活環境項目についての課題、今後取り組むべきことではないかということです。
 6ページは健康項目についてです。これにつきましては、平成11年に3項目を追加し、また、近々ですが、公共用水域・地下水について項目の追加、見直しを行うこととしており、科学的知見に基づいて着実に取り組んできているところですが、現状の課題といたしまして、環境基準項目以外の項目、例えば要監視項目等につきましては、利水障害等が生じた場合に対処する手段がない。現状では、環境基準は、排水規制の前提というふうに認識されているところですので、そういった点からこの要監視項目等について、排水規制を伴わない環境基準項目としての扱い、位置づけといったものも検討すべきではないか、モニタリングを主に行う項目としての検討、排水規制以外の方策についても検討すべきではないか、ということでございます。
 化学物質のリスク管理について、他法令との連携ということでございますが、これにつきましては、リスク管理を推進していく、特に毒性情報についての共有化を図るべきといった取組です。
 3点目に、例えば農薬など使用期間とか使用の地域が一部に限られるというような特徴的な排出形態を持つ化学物質の取扱いについて、例えば排出形態を踏まえた評価方法・測定方法、具体的には年間平均値では評価できないものですので、そういったものの評価方法の検討であるとか、モニタリング手法の検討、といった取組が必要ではないかということです。
 続きまして7ページですが、9ページ以降に水環境保全のための今後の取組を示していますが、それと課題との関係を整理したのが7ページ、8ページです。前回、やろうとしている取組はどうして出てくるのかについて整理するべきという御意見がありました。この表の縦のところに課題、これは先ほどの水環境の現状について示させていただいたものを課題として列挙しています。表の横がそれに対する取組ということで整理しました。◎は関係が大、○は関係がやや大というようにして、それぞれの取組が課題の解決、さらには良好な水環境につながるということで整理したものです。
 そのつながりを図に示したのが8ページです。「課題」が一番左側、その次に「取組」、そして「望ましい水環境」とそれぞれの関連を線で結んでいます。複雑になっていますけれども、太い線が関係が大というものです。それが一番右側にある環境基本計画で示されている良好な水環境としての水質、水量、水生生物等、水辺地に最終的にはつながるというものです。さらに、こういった水環境の場で健全な水循環がなされるということが目標になってくるのではないかということでございます。
 次に、個々の今後の取組について、11ありますが御説明申し上げます。
9ページですが、まず1つ目は事業者の不適正事案への対応ということです。これにつきましては、最近、事業者の測定データの改ざんであるとか、排水処理の不備、不適切といった事案が発生しております。このことは、ひいては公共用水域等に対する環境負荷、さらには人の健康や生物へのリスクの増大につながっているわけですし、事業者のコンプライアンス(法令遵守)といった観点からも看過できない問題ではないかということで、これに対しては、事業者による法令遵守の確実な実施、自主的・継続的な公害防止の取組、公害防止管理体制の高度化、公害防止管理の促進と環境負荷の低減等々について、別途、中環審の公害防止取組促進方策小委員会において、現在検討していただいているところです。当検討会としても、こういった事業者の不適正事案に対する適切な処置を早急に講じるべきではないかということでございます。
 これに関連して、参考資料に「水質汚濁防止法等に基づく立入検査の前倒し実施の結果について」という資料を配布させていただいております。これは、先ほども御紹介いたしましたが、今年の3月に製紙工場において水質データの改ざん等が行われていることが明らかになりました。それを受けまして、製紙工場ですのでパルプ・紙・紙加工品製造業に属する特定事業場と、各自治体で水質汚濁防止の観点から重要と思われる特定事業場に対して、立入検査を年度計画の前倒しで実施し、その結果を報告するように依頼しました。その結果について取りまとめた資料です。
 概要は、報告があった事業場数は全体で1,304、うちパルプ関係が222でした。そのうち、改善等の指導が行われた事業場数は166で、うちパルプ等は28です。
 次のページですが、指導の内容を大きく三つに分類し、整理しております。
 [1]の特定施設の設置届出等に関して指導が行われたのが全体で123件ございます。うち、紙・パルプ関係が22件ということですが、内容中身は、無届けの施設があるとか、変更に伴う届出がされていない、。届出と現場に相違がある、。廃止の届出もされていないといった違反がございます。
 [2]の排出水の汚染状態に関する指導ということで全体で41件で、うち紙・パルプ関係が6件ということです。内容は、排水基準超過、立入測定とか自主測定によって排水基準を超過していたということでございます。
 [3]の排出水の測定に関する指導ということで全体で5件、紙・パルプ関係はなかったということですが、内容としては、測定がされていない、測定頻度が不適切、具体的には測定回数が不足していた、といった事例が報告されました。
 これに対して、地方自治体では改善するように指導し、すでに改善済みのものもございますし、また、年内に再度立入してその改善状況を確認するというふうな措置を講じてきているところです。法令遵守の観点からもこういった事例があることについて、適切な対応をすべきではないかということでございます。
 次に、資料4−3の10ページが「水質事故への対応」です。これにつきましては、第1回の検討会でも示させていただきましたが、水質事故が近年増加している中で、事故の原因が多様化しております。水濁法上の特定事業場以外からの流出事故、また、水濁法上の有害物質以外の化学物質による水質事故が発生しております。対応が遅れて汚染が拡散した後の原因究明というのは非常に困難になるわけですし、有効な対応、再発防止が困難になるということから、こういったことへの手当てといいますか、措置をすべきではないかということでございます。
 そういうことで、取組のところに書いておりますが、水質事故時の対応、さらには原因究明の迅速化を図るという観点から、事故時の措置について、対象項目、対象施設等を早急に拡大すべきではないかというということでございます。これにつきましては、先ほど申し上げました中環審の公害防止取組促進方策小委員会において検討していただいているところでございますが、こういった現状認識に立ったときに、当検討会としても、今のような対応を速やかにとるべきではないか、ということではないかと考えております。
 次に11ページ、12ページですが、「閉鎖性水域における水質改善」です。まず閉鎖性水域の中で湖沼について、11ページですが、湖沼の水質はいろいろな取組により徐々に改善してきています。良くはなってきているわけですけれども、先ほどの現状でも述べましたが、環境基準の達成率は約5割ということです。そんな中で、国民の実感に合った、地域の望ましい湖沼の姿には至っていないのではないかという認識でございます。
 琵琶湖の例ですが、真ん中に琵琶湖の水質変化をグラフで示しております。北湖と南湖に分かれておりまして、ブルーが南湖のBOD、CODの経年変化、ピンクが北湖のBOD、CODの経年変化ですが、BODについては、経年的に低下傾向にあります。一方、CODについては、漸増傾向にあるということです。一方で、右の方に総量負荷削減等で琵琶湖への負荷量は少なくなってきているわけですが、このような水質の状況、さらに現象としては、水草が繁茂したり、右上のグラフのように漁獲量が少なくなってきている、さらに利水障害として異臭味とか濾過障害が発生しているというようなことがございます。
 琵琶湖では、下水処理・浄化槽の普及率が90%、高度処理も83%普及しているわけで、さらなる水質改善がなかなか望めないという中で、こういった水質状況のメカニズムを解明する必要がある。特に、先ほどのCODの変化は、難分解性有機物が原因ではないかという意見がございますし、また、プランクトン相が変化していますが、それは窒素/りん比と関係があるのではないかというような指摘もございます。こういった諸々のことについて汚濁メカニズムを解明する必要がある。
 もう一つは、先ほどの環境基準のところでも述べましたが、水質保全目標として実感に合った水質指標ということで、底層DOとか透明度、TOC、そういったものについても検討すべきではないかということ。こういったものも受けて、新たな水質保全対策を検討する。具体的には面源対策、小規模事業場対策といったこと、さらには湖内対策、これは自然浄化機能の回復・活用といったもこと含めてですが、湖沼法の見直しに向けて、こういった内容について取り組むべきではないかということです。
 一方、12ページですが、海域におきましても、汚濁負荷量は総量負荷削減で着実に少なくなってきているわけですが、水質汚濁の状態だけではなく、先ほども述べましたが、望ましい水環境の状態を直接表す指標、分かりやすい指標が必要ではないかということで、現在、閉鎖性海域の中長期ビジョンの検討の中で、底層DO、透明度について環境基準化する方向で検討を進めているところです。底層DOは、広く水生生物、特に底生生物の生息に影響を与える要素ですし、透明度は、良好な環境を景観的な面も含めて表す指標ということで、こういった検討を行っているところです。
 他方、栄養塩の管理方策の検討ということで、海の栄養塩バランスが損なわれて赤潮とか貧酸素水塊が発生する、また、海苔の色落ちといったことが生じている海域がございます。陸域と海域を一体とした適切な栄養塩の循環が形成される必要があることから、栄養塩類の循環量の把握、収支モデルの構築、そして影響評価手法を開発しまして、生物生産力と多様性の高い海域の構築を目指すべきではないかということでございます。
 次に13ページをお開けいただきたいと思います。「新たな排水管理手法」ということですが、科学の進展により、世の中で使用される化学物質の種類が非常に増えてきております。それが水域に出てくるということで、それに対して、排水規制項目を追加してきているわけですが、そういった対応では、個別の事業場ごとに排水管理対応ということになりますので、非常に負担が大きい。また、毒性情報についても分からない部分が多い、生物への影響が分からない間に水環境中で支障が生じているおそれがあります。また、水質事故についてもその原因が分からないケースが多く、何らかの対応手段を考えないといけない。そんな中で、前回、須藤座長から御意見がございましたが、生物応答(バイオアッセイ)を利用した排水管理手法、これはアメリカ等で「WET手法」ということで導入されておりますが、物質を特定しない段階で水環境への影響を把握・評価する方策を今後検討すべきではないか。また、化学物質等に関するリスク管理手法として、使用・排出者の排出段階で自主的な管理を促すようなことなども考えていくべきではないかということでございます。
 その次に14ページですが、「未規制の小規模事業場や面源負荷への対応」ということで、小規模事業場につきましては、排水規制の適用外となっており、排水管理の法的な位置づけはございません。垂れ流しになっている部分があり、そういったものに対しては、排水管理、具体的には浄化槽の設置、下水道への接続といったものを促進するなど、義務づけも含めた何らかの対応が必要ではないかということでございます。
 一方、面源負荷ですが、湖沼等での面源負荷の割合は相対的に増大しており、そういったものに対する対策の現状は、湖沼法の流出水対策地区ということで、例えば土地利用の適正化とか、水田機能の評価、さらには負荷を軽減するような農業等の取組を行っているわけですが、有効な面源対策がまだ十分確立されているわけではなく、こういった取組は地域住民の協力が必要不可欠になってくるということで、なかなか進んでいない。この面源対策についても総合的かつ有効な対策を検討し、よりきめ細やかな発生源対策を実施すべきではないか。これが湖沼法の見直しにもつながっていくと考えております。
 次に15ページの「地下水・土壌汚染の未然防止」ですが、現状としては、工場・事業場が原因と推定される有害物質による地下水汚染事例が継続的に確認されております。これは第1回の検討会で資料でもお示しさせていただきました。規制の対象とされていない貯蔵施設からの漏洩といったものも地下水汚染の事例として報告されています。
 漏洩が生じた原因、構造・管理上の問題等について十分把握されておらず、地下水汚染の実態の解明、構造や管理上の課題等を整理し、効果的な未然防止対策のあり方を検討すべきではないかということでございます。
 続きまして16ページの「気候変動への対応」です。これは前回の検討会でも御意見でありましたが、公共用水域における水温をデータで見ますと、河川、湖沼、海域で、地球温暖化の影響もあり水温が上昇しているという中で、多摩川に熱帯魚が侵入したり、琵琶湖では水の全循環、上層と下層との水の循環ですが不全になったり、また、湖や東京湾でも下層部の低酸素化が進行化するといった影響が一部顕在化しております。さらに、内水面漁業への影響とか、有機物質による溶存酸素の消費量の増加、また、湖沼、内湾等における貧酸素水塊の頻発化、こういったものが懸念されていますので、今後の取組としては、気候変動の影響に関するモニタリング体制を考える。その上で、水質、水生生物、水循環への影響予測手法を検討する。そして、後でまた出てまいりますが、関係省庁・関係機関と連携して、モニタリングデータや予測に関する知見を蓄積し共有することによって、気候変動による影響への適応策を検討すべきではないかということです。
 次に17ページの「地球規模で深刻化する水問題への国際貢献」です。世界の水問題の現状として、安全な飲料水を継続して利用できない人口は、アジアが世界全体の約半分を占めています。世界全体として水問題は非常に深刻化し、地球規模での水危機と言われています。人間の生命の安全、食料生産、経済活動への影響が非常に懸念されるところです。
 そんな中で、バーチャルウォーターの図がありますが、日本は、食料等の輸入を通じて膨大な水を世界に依存しているわけです。世界の水問題は日本の食料や安全の問題に直結するので、日本の水問題でもあるということです。そういったことから、水問題への解決に対して国際貢献を果たすというのは、日本の責務ではないかということです。日本の有する技術と経験による国際貢献ということで、公害を克服してきた技術や知識、経験、さらには先進的な水処理技術、管理経営技術等を技術移転する。特に、前回、平沢委員からもアジアへのという御意見がございましたが、アジア・アフリカ地域の水問題解決に向けた国際貢献ということで、技術・ノウハウの移転、人材育成、水ガバナンスの向上、さらには研修とか人材派遣、ビジネス機会の拡大といった取組を行って、国際貢献を果たしていくべきではないかということでございます。
 次に18ページの「水環境のモニタリング」です。水環境のモニタリングは極めて大事ということで、現状では、各省庁等がそれぞれ実施しているわけですが、モニタリングの効率的・重点的な実施が必要ですし、それを踏まえた水環境の把握が大事です。さらに各省庁で取り組んでいる水環境のモニタリング、水環境関連の情報等について、その内容や所在を情報として一元的に集約する必要があるのではないか。そして、それを各省庁等が活用し、広く国民にも情報提供していく。そのために、水環境に係るデータを、共有のプラットフォームを構築して行政資料や学術研究に活用するというような仕組みを考えていくべきではないかということです。これにつきましては、第1回、第2回の検討会で福岡委員から御指摘をいただいた点であります。
 次に19ページですが、「統合的な環境管理の検討」ということで、これは第1回検討会で堀口委員から御指摘をいただいた点です。環境問題は非常に多岐にわたっており、相互に関連しているわけですので、多岐にわたる環境分野の取組を環境全体として総合的に評価する方策を今後検討していくべきではないか。これは単に水の分野だけではなくて、大気であるとか、低炭素、そういったいろいろな分野とも絡む話ですので、なかなかすぐにというのは難しいという点があるかと思いますが、いずれにしても各分野の取組を数値化して、それを総合的に評価し、環境負荷低減への貢献を可視化していくという手法についても勉強、研究を進めていくべきではないかということでございます。
 下に参考でウォーター・フットプリントについて記述しております。これにつきましては、現在、水量、水質について、水環境への負荷という観点から指標化をする取組が進んでいるところです。
 最後になりますが、「 施策のマネジメントサイクルの確立」です。これは前回の検討会で、これまで実施した施策の進捗状況や効果、問題点等を把握して改善していく。さらには次の施策立案等につなげていくべきではないかという御意見がございました。そこで、計画の立案、施策の企画等の「Plan」から「Do」、「Check」、「Action」のいわゆるPDCAサイクル、施策のマネジメントサイクルをきちっと確立して、実施した施策の効果の把握等を行い、新たな施策につなげていくという取組を行うべきではないかということです。
 その中で「Do (実施) 」の部分でございますが、モデル地域での実証事業等の実施というのがございます。これは前回、福岡委員から御指摘ございましたが、実際に関係者が連携してモデル地域で実証的なものをやっていくということが大事である。太田委員からも、その後、同様の御指摘をいただきましたが、こういった施策のマネジメントサイクルを確立して、施策や仕事の進め方になるかと思いますけれども、取り組んでいくべきではないかということです。以上で資料の説明を終わらせていただきます。

【須藤座長】 森北課長、大変簡潔に御説明いただきましてありがとうございました。また、先生方の意見を適切に資料として、特にこのパワーポイントはよく整理してまとめていただきまして、事務局の皆さん、ありがとうございました。
 本日は、今御説明いただいた部分について、委員の先生方から、こんなものでよかろうか、あるいはここはちょっと取り違えているのではないか、さらに、もう少し深化させた方がいいのではないかとか、いろいろ御意見があるだろうと思いますので、それを伺うつもりでございます。そして、事務局と少しやりとりをさせていただこうかと考えております。しかし、冒頭に申し上げましたように、池先生と木幡先生には全く御意見を伺ってなかったので、もしあれば、それぞれ2〜3分ずつ、なければ一緒で構いませんが、池先生からどうぞ。

【池委員】 2回サボっておりましてすみません。議事録とかを読ませていただいて、非常にしっかりしたやりとりがされていますので、特に大きなことはないのですが、一つ、明確には書いてないかなと思ったのが、水循環の視点とか、水質とかあるのですが、水環境という場が物質循環の場であるというところです。水質で物質循環を表せているような気もするのですが、水環境のもっている代謝のポテンシャルのようなものを考慮していかないといけない部分が少しあるのかなというのが、議論としては出ているのですが、明らかには書いてないかなと思ったぐらいでございます。
 あと、最近の国民というか、市民の水に対する要望が「よりきれいな」という言い方をしているのですが、「きれいだけではいけませんよ」という側面、あるべき環境というのは、ただ単に水が澄んでいるだけではないという側面を主張するというところも必要かと感じました。それぐらいでございます。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。
 それでは、木幡先生、どうぞ。

【木幡委員】 ただいまの池先生とほとんど同じような感想を抱いておりますが、当然ながら皆さんの議論があって、それをベースにまとめられたもので、大体網羅的にきちんとまとまっていると思います。現状であるとか、今後の対応であるとか、それぞれがきちんと整理されていると思いますので、付け加えることは特にないのですが、あえてというところで言いますと、お願いというのですかね。例えば「今後の取組」というときは、やはり法令とか規則とか、そういうものの範囲を越えることはなかなかできないと思うのですが、その前の考え方の整理の段階では、そういうところではない、中間的なところ、境界的な部分を少し踏み込んだ考え方の整理ができないかなと思っています。
 例えば、今ちょうどお話がありましたような、国民の視点から見たときにどうかというと、親水機能というのは意外に大きな部分を占めると思うのですが、その中で、平成18年でしたか、環境省が実施された国民に対するアンケート調査があったのですが、たまたま私どもの研究所で少しお手伝いさせていただきました。そのときに「水辺どうですか」というと、一番大きな問題が出てくるのはごみなんですね。こういったところ、水質とはちょっと違うのですが、親水とか水といったときに、少し境界に踏み出した部分、あるいは生物、生態系というところで、後の方で出てきますような、基準とは違うのだけれども、生態系全体としてどういうふうに評価できるか、みたいな部分も少し考え方としてあったらいいのかなと、それはお願いです。
 あと、区分でいいますと、今、環境基準は川と湖と海域となっていますけれども、そのちょうど中間的な部分、例えば汽水域みたいなものの考え方も、これはすぐに具体的に何をどうするという取組ではないのですが、考え方としてどこかで整理していただけたらありがたいと思っております。
 もう一点だけ付け加えさせていただきますと、一番最後の方に「国際貢献」と書いてあります。これは今後非常に大きな問題だと思うのですが、ここでもしできたら、「行政上の取組の強化」というところが具体にどんなものであるのか。例えば三カ国大臣会合みたいなものがあると思うのですが、そういったものを今後どういうふうに利用していくのか、発信していくのか、というところが整理されたらいいかなと思います。
 以上、簡単ですが、お願いということで付け加えさせていただきます。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。
 それは、これから先生方から御意見をいただきますので、少しは出ていましたけれども、新たな問題、物質循環のところもありましたし、生態系サービスのようなものはたぶん池先生がおっしゃっておられるかもしれません。それから境界領域のところですね。廃棄物問題と水環境の問題あるいは川と海との中間のような汽水域の問題、どこかにキーワードなり何なりで、これから更にまとめて修正版を出していただくわけですので、これからいただくし、他の先生方の意見を含めて、新たに今出していただいたような問題がありますので、そこは付け加えていただきたいということでいいですか。

【森北水環境課長】 そのようにさせていただきます。一点だけ、親水性のお話がございました。これにつきましては、パワーポイントの資料4−3の中には入れていないのですが、骨子案では、「水環境の現状」の中で、内閣府が平成20年に世論調査をしております。それによると、水辺に満足している人が少ないとか、水とのふれあい、親水性についての調査結果がございます。そういったものも取り入れて記述したいと思っているところです。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。
 それでは、前は、フリートーキングで順番に御意見を伺って、最後にまとめて事務局ということにしたので、事務局の考えがあまり出ないうちに終了してしまったので、本日は、どちらかというと、御質問なり御意見をいただいて、一つ一つだと時間を費やしてしまうので、三つぐらいまとめて、事務局から、ここはこういう意味で書いたのだとか、今後こう考えているのだということをやっていかないと、次回の取りまとめが不十分になると思います。私が見る限り、二つに大きく分けると、1〜4を前半にしてそれ以降を後半にします。

【浅野委員】 本日は資料4−2を中心に議論をするのでしょうか、資料4−3にはかなりくわしく事務局の思いのたけが記されていて、資料4−2には書いてないことがいっぱい出てくるんですね。そこで、資料4−3を中心に議論していくとまた話が広がってしまうのですが、一体今日は資料4−2の紙をオーソライズすればいいのか、資料4−3で出てきたこともいっぱいあるので、それもさらに仕込み材料として議論の中でとりあげていいのか、それを最初に明らかにしておいていただかないとまずいと思います。事務局の意図はどちらでしょうか。

【須藤座長】 これは事務局で答えてください。

【森北水環境課長】 最終的には資料4−3のパワーポイントの内容を資料4−2で文章化したいと考えております。

【浅野委員】 わかりました。ですから、資料4−2にあまり拘束されないし、4−2の文言のここは表現がどうだこうだという議論よりも、もっと広めに議論をしてもいいということですね。

【須藤座長】 そういうことです。

【浅野委員】 最初にそれをみんなよく理解しておいた方があとの話をしやすいだろうと思いました。

【須藤座長】 わかりました。では、前半の部分で御意見のある方はどうぞ。
 では、石原委員、どうぞ。

【石原委員】 3番の「望ましい水環境像」か、4番の「水環境保全の目標」になるかなんですが、4の「水環境保全の目標」の中で、というふうにとらえますと、生活環境項目、先ほど事務局のほうから丁寧に説明がありましたが、パワーポイントの資料でいきますと、5ページですかね。「国民の実感にあった、分かりやすい指標となっていないのではないか」というようなお話がございました。
 実は私どもの方でも、21年の7月から8月にかけて県民のアンケート調査をやっておりまして、2日ほど前に公表になったものがございます。例にとってお話をしたいと思いますが、環境の質問がいくつかありまして、関心は当然ながら環境の中では地球温暖化の問題が一番になるのですが、その中の水環境については、関心を持っているというのが4割ほど。また、今議論にしております、水環境の問題の中で、先ほど木幡委員からも、ごみの問題が一番水には関係あるんだよねということで御紹介がありましたが、この調査でも満足度からいえば、水辺やその周辺にごみがあるということについて関心を持っていて不満というのが50%以上ございます。その次にあるのが、いわゆる「水のきれいさ」ということについて、半分ぐらいが不満だということなんですが、この「水のきれいさ」とは何か、ということなんですね。
 水環境は、海域も湖沼もありますけれども、恐らく住民が一番目にするところは河川だろうということで見てみますと、本県の河川ですと、環境基準の類型指定しているところではA類型が約70%なんですが、ほとんどの90数%が環境基準を達成している。そうすると、このギャップというのは、BODのA類型の2ppm を満足していても、多くの人たちは、水はきれいだというふうには認識していない。そういうところに、事務局のほうからも御説明がありましたように、BODとかCODで「水きれいさ」の指標としているのは住民の意識とはちょっとずれているのではないか。今までBOD、CODについてやってきたということについては、まちがってはいないし、やめる必要もないと思いますけれども、違った何らかの指標があってもいいのではないか。そういうことを考えています。
 もう一つ、生活環境項目で、大腸菌群と大腸菌の話になるのですが、排出水の大腸菌群の測定方法と環境の大腸菌群の測定方法が違いまして、環境においては大腸菌群というのは恐らくほとんどのところで基準をオーバーしていると思いますけれども、それを達成するために、発生源のほうにフィードバックするわけにもいかない。大腸菌群の対象としているものが違うということもありますし、その辺を整理していただきたいと考えております。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 行政のほうの担当者の方から、今の御発言で何かお答えがありますか。

【森北水環境課長】 BODのお話ですが、認識は同じと思っておりまして、今までの基準に対して補完するような何らかの指標ということで、透明度であるとか、そういったものを検討すべきではないかと考えています。従来の公害を克服するというものから、国民の意識・要望やニーズが変わってきているというのが背景にあると思いますので、そういった点を踏まえた的確な指標を考えていくべきだと思っております。
 大腸菌につきましても、委員と同様の問題意識を持っておりまして、先ほど説明の中では「有効な衛生指標の検討」ということで話させていただいているのですが、大腸菌群数の扱いというのは、技術の進歩に伴って変えていくべきではないかと思っているところでございます。

【須藤座長】 検出方法についても変わってきているということは、前の議論のときにもありましたね。だから、そこは当然持っておられるということで、書き込むようにさせます。
 それでは、太田委員、どうぞ。

【太田委員】 3〜4ページぐらいの関連で申し上げたいのですが、この会議をどういう位置付けにするかということなんです。私は、人々が何となく感じていることを先取りして施策に反映させるということだと思います。そういう意味で、例えば3ページをぱっと見ますと、それぞれの項目が書いてあって、まさにこのとおりだというのは私もわかるのですが、なぜこれが出てきているのかとか、一世代前はどうだったのかとか、そういう説明があるとジャスティフィケーション(理由づけ)が非常にできやすいのではないか。例えば子供の頃は川で泳いでいましたよ、ところが、それがもうだめになりましたと。ただ、それは当然、人口なり産業の発展、経済発展、生活面で暮らし方が変わる。人々の意識も変わってくる。そういうものを縦軸にして、時間的な軸で、今ここに我々は立っています、さて、これからどうしましょうか、そういう展望が必要なのかなと思います。そういう意味で、例えば4ページでは、水質、水量、水生生物、水辺地とありますけれども、これと今の8つがどう関係しているかというのが、ぱっとこれを見ただけでは、問題意識は確かにそうなんだけど、そこの関連性があまり語られていないので、なるほどこういうことなのかという納得感が出にくいような感じがしています。
 それとの関連でいいますと、8ページの方に取組の整理、これも私もこういう整理をしていただいたらどうでしょうかという話をして、いい資料を作っていただいたのですが、この課題も大事ですし、右側も大事なんですが、課題がなぜ出てきたかという、左側に要因的な、いろんな要因があると思うのです。こういうことだったからこういう課題が出てきた。そうすると、その元を断たないと取組の効果が出ないですね。つまり、取組と課題の前の要因とが非常に絡んでくるので、そういうものが少し見えるような形にしてくると、この検討会で、なるほどここが大事で、今こういうことをやらなゃいけないんだなということが国民にも強くアピールできるのではないかという意味で少し御意見を申し上げました。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 ここはよろしいですね。
 では、笠松委員、どうぞ。

【笠松委員】 今の環境基準の議論の中で、先ほど太田委員からの指摘もあったのですが、要は課題に対して行政あるいは我々は何をするかという取組をセットにしておかないといけないのかなと。そしたら、環境基準として「望ましい水環境の指標」として透明度とか底層のDOとかを設定した場合に、じゃあ、行政は何をするのですか、それを達成するために何をしていくのですか、というのが書かれてないんですね。これは後の方で話をしようかと思ったのですが、5以下のところに「水環境の指標」というものが課題に出てきてないからと思うのですが、そこはどうなんでしょうか。

【浅野委員】 つまり、こういうことです。ここに環境基準の新たな考え方と書かれていますが、これは決め打ちで「こういう項目を入れます」と言っているわけではないから、今の段階で言われても事務局は答えようがないと思います。ご指摘の点は環境基準の検討・決定の段階では当然検討しなくてはいけません。環境基準を作る以上は、それをどのように達成するかというのは、制度の仕組みとしてもワンセットで議論しなければいけないのですが、ここでは答えが出ているのではなくて、単にやってみたいなという願望が記されているだけです。こんなふうにさらりとご理解いただいたほうがよさそうで、この段階で事務局に答えろというのはかわいそうですね。
 それから、ついでに発言させていただくと、先ほどの福島県のアンケートで水のきれいさについての県民の満足度が低いという点をめぐって、確かにBOD指標だけではだめだろうというご指摘はよくわかります。土木工事のアセスメントで何が一番問題かといったら、濁度ですね。言われるのはそればっかりです。しかし、そういったようなものが環境基準になじむかと言われると、またきついでしょうね。雨が降ったら急激に悪化するといった具合で変動が激しい。だから、これはいざ本当に取り組むとなると、なかなか難しい問題だろうなと感じますけれども、だから、取り組む価値がありますね。

【森北水環境課長】 私どもがやってみたいというのとあわせて、やってみるべきだというふうに提言をいただくということで記述させていただいているところです。

【須藤座長】 それでは、中杉委員、どうぞ。

【中杉委員】 5ページ、6ページのところで、特に5ページのところですが、ここでは、やるべきだというのは、指標の検討をしなさいという話なんですが、2回ほど私が申し上げているのは、指標を変えたら、利水障害と現実の水質の、具体的な例でいうと、霞ヶ浦の水を飲んでいるというのは、飲める水というふうになるのか、という話なんです。それは望ましい目標だから、それは達してなくても飲めるのだよと言ってしまえば、それまでなんですが、そこのところも少し検討していただく必要があるだろう。単なる指標を変えればいいという話ではないので、うまく矛盾を解消できるのか。必ずしも解消しなきゃいけないとは限りませんが。
 もう一つは、水生生物の保全の水質環境基準なんですが、これは少し考え方を根本的に議論する必要があると思うんですね。そもそも一番最初に、どうしてあれだけもめたのかということをもう一回考え直す必要があると思うんです。というのは、今の基準というのは、NOEC、魚が1匹も死んではいけない。安全率の見方でどうなるかわかりませんが、そういうところで基準を作っているんですね。それに、特にあれは自然由来だったので、自然由来かどうかという判断が非常に難しかった。そこら辺のところについて基本的な議論はなしに、いきなり項目がぼんと出てきて議論してしまったので、あれもそうしたのだけれども、じゃあ、それについてどうするという合意もなしに次にまたやると、同じようなことが起こるだろう。ここのところをどうするのですか。人の健康だったら、人が一人でも死んだら、これはえらい話ですよね。生物の場合、生態系が壊れるということを考えたときに、1匹なのかどうかというところも含めて、安全率の見方が少し違いますから、今のでいいんだよという議論ならいいです。これは農薬のほうで、例えば農薬は撒いたときの濃度が高く、下がりますから、高いときの濃度に急性毒性でやっていますよね。そういうものとどういうふうに考えるか。そういうことも含めて、ここはしっかり議論してから次にとりかかるべきだろうと考えています。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 それは今、特に御返事はないですね。
 特に中杉先生が前者で言われていることは、生活環境項目の方は、類型があって、水利用との関係で決めていますよね。水利用のところをもうちょっと掘り下げて、再度点検をしておく必要があるのではないでしょうか。それから、その数値ですね。例えば先ほどのような水道で飲める水はCOD3以下であるというようなものですね。そういうことを金科玉条のごとくずっとやってきたので、全然あてはまらないということになってしまっているわけですね。そこの見直しというのはやるべきなので、COD、BOD、いろんな項目も見直すのだけれども、類型と水質値ですかね、それは点検しておく必要があるだろうと思います。
 では、後半の議論に入りたいと思います。御意見のある方はどうぞ。
 では、岡田先生から。

【岡田委員】 前回サボりまして申し訳ございません。ただ、前回の議事録を見せていただいて、浅野先生が大変お怒りになったというところが非常によくわかりまして、その御意見であった水環境ビジョンとか、環境基本計画の話が7ページ、8ページあたりにかなり明解に書かれるようになったので、大変いいのではないかと思いました。私自身、環境基本計画の水の部分をちゃんと理解していなかったことを浅野先生に申し訳ないと思います。
 それはそれでいいのですが、8ページを見ますと、一番右側に「健全な水循環」と「良好な水環境」があって、これを達成するために「望ましい水環境」というふうに少し言葉を翻訳しているのかなと思うんですね。そうすると、その左側になぜ「取組」があるのか。「望ましい水環境」という目標に対して合わないというのが課題であって、それを解決するために取組があるのではないか。むしろ、簡単に言うと、一番左側に「良好な水環境」があって、その次に「目標」があって、「課題」があって、「取組」というふうにする場合と、今みたいにする場合、実は必要条件、十分条件が若干違ってくると思うんですね。
 例えばなかなか見えないのは、非常に細かいことを言って申し訳ないのですが、7ページのグラフの課題のところに「希薄な人と水のふれあい」、「水圏生態系・生物多様性の劣化」と、この課題に対して、「閉鎖性水域における水質改善」、これは確かにそのとおりですね。非常に細かいのですが、じゃあ、河川はどうするのか。どこにも出てないんですね。これは論理が逆になっているから、こういう齟齬が出てくるのではないか。要するに河川の生態系はどうするかという解決策はここでは出てこなくて、これが方針だと言われたら結構ですが、そんなことはないと思うので、それを出すこと。
 それから、水量の視点があまり明解に出てこないですよね。河川水量をどう維持して、それに伴って生態系を維持するか、という視点がちょっと出てこないということで、これは作業の問題ですから、逆にすると、欠落が見えてくるから、すぐできるのではないかと思います。
 あと一つ、17ページの国際貢献の位置付けがどこから出てくるのか。これが非常に大変ではないか。要するに今までの、これは誤解だと叱られたら、教えていただければいいのですが、環境基本計画の水の部分は、国際的な話はあまり見えてなくて、ようやく気候変動の話が出てくるのですが、では、国際貢献はどこから持ってきているのかというのが、これも一工夫あった方がいいのかと。特に国際貢献は、環境省として、どういう戦略で、どういう国に対して、どういうことをしていくか、という選択が求められていると思うんですね。メコン川を頑張るのだったら、WEPAの話をもっとどうするのかとか、いろいろあると思うので、そこの位置付けを作っていただければよくわかるのではないか。
 最後にあと一つだけ。同じようにモニタリングが出てくるのですが、18ページのモニタリングするという話と、生物の生態系の話が、生態系はモニタリングするような雰囲気に、例えば7ページの表を見るとわかるのですが、18ページのモニタリングのところでは、何となく水質の話がいっぱい出ていて、モニタリングはどうするかというやり方は私もわかりませんが、なかなか大変だとは思うのですが、そういう視点もどこかで出てくる必要があるのではないか。逆の論理でやれば、それも当然出てくるだろうと思います。細かいことですが、気になりましたので。以上です。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 岡田先生が今おっしゃった論理の組み立て、それと国際問題の位置付けですか、その2点を事務局、お答えください。

【森北水環境課長】 7ページ、8ページの整理で、今、委員からお話があった国際貢献の部分、さらには統合的な環境管理とか施策のマネジメントサイクルは、他の項目と同じように課題と関連付けるというのはなかなか難しいので、今回の整理から落とさせていただいているということでございます。
 8ページの図については、御指摘も踏まえまして、もうちょっと考えて再整理してみたいと思います。

【浅野委員】 岡田委員、これはちょっと途中経過が飛んでいるので、今のようなご発言になったような気がするのですが、別に環境基本法の考えている水環境像みたいなものから演繹的に問題を引っ張り出したわけではなくて、ここにある問題点というのは、みんなが勝手に言ったことが整理されているだけです。だから、国際というのが環境基本計画とつながらないのは当たり前で、それにしても、あれだけみんなが言いたい放題勝手なことを言ったのをよくも苦労してここまで整理したと感心しているのですが、何となくわけのわからない三題話がいかにも整然と議論されたように整理されてしまったものだから、途中を知らずに見ると、これは論理的には整合性がないという点はいっぱいあるわけです。その点に関して言うと、それはみんなが自由に発言した結果だと考えたらいいのだろうと思うのです。

【岡田委員】 ただ、そうすると、みんなのランダムな思いで、いや、当たっているとは思うのですが、それが本来の目標である環境基本計画とつながってないというか、重要度の違うところまでランダムに入ってくるので、せっかくの基本計画があるので、それに従ってできる限り整理した方がいいのではないかと思って発言させていただきました。

【浅野委員】 私はむしろ逆に考えていて、第四次環境基本計画もどうせ来年検討をはじめなければいけない。だから、ここできちっと議論すると、これが逆に新計画に入ることになるのです。

【森北水環境課長】 若干補足させていただきますと、パワーポイントの資料4−3の2ページのところに第三次環境基本計画の内容を示しておりますが、その中に国際貢献に関しては、「我が国の取組を国際的に発信し、世界の水問題解決に貢献」とありますので、基本的にこういった方向で国際貢献を果たしていくべきということで位置付けられており、先ほどのようなパワーポイントの内容にさせていただいたということでございます。

【須藤座長】 わかりました。
 では、浅野委員、今度は御自身の意見をどうぞ。

【浅野委員】 まず、課題についてこの資料4−2は、事務局の気持ちを率直に表していると思います。前回、優先順位のお話をさせていただいたのですが、資料4−2で、(1)と(2)は「早急に」とか「速やかに」と書いてあって、(3)から後は「検討する」と書いてあるわけです。ちゃんと優先順位を意識しておられるなというのがよくわかる。だから、これはこれで良しとするという感じがします。
 その上で、視点としてこれまでの議論の中で、これだけの顔ぶれが議論した割には欠けていたなと思うのは、自治体がどういう役割を果たすのだろうかということについてです。どこでどうというふうにということになると、なかなか言いにくい面もあるのですが、例えば面源負荷削減というのは、どう考えても、お上が法律を作って、何かどこかで規制をかぶせてなどという方法でうまくいくと思えない。当然、どの自治体でも環境基本計画などを作ろうというときには、面源負荷についてはかなり重大な関心をもってやるわけです。ですから、ただこの問題は単に閉鎖性の湖沼だけではなくて、そうでない水域に関しても考えなきゃいけない問題なんだろうと思います。そういう目でみれば、「自治体の計画的取組」とか「自治体との連携」といったような言葉がちょっと欠けているなという感じがしました。
 あと、(9)、(10)、これもずっと議論があったことが書かれているわけですから、これはこれでよろしいのではないかと思いますが、気になりますのは、実は私は総合政策部会で環境情報戦略専門委員会の委員長をやらされていて、環境情報の体系化という政策課題をとりあげてきていますので、まるで整理・工夫がないかのごとく言われると、ちょっと困るのです。もっとも現行の環境情報政略はあまり十分なものではないので、不断に手を入れなきゃいけないというので、今年度またフォローアップをやっていくのですが、その中にむしろちゃんと入れるものは入れていただくということが必要だろうと思います。
 同様なことは、(10)の「統合的な環境管理の検討」という点は、よくよく資料4−3を見ると、水環境分野だけの話ではない、もっと環境政策全体への統合という話ですから、これはここから発信をすることによって、さっきも言った第四次環境基本計画の中ではこういったような視点をしっかり出せということが出されることによって、総合環境政策部会にフィードバックをかけることができると思われます。そういった他の部会や環境省の他の施策とのつながりみたいなものを意識しておくべきで、あまりこの水環境の分野だけで独立王国をつくってしまってもしょうがないという面がありますから、その点が若干この整理の中ではまだ欠けているかなという気がしました。

【須藤座長】 ありがとうございました。特に最後の点は大事ですよね。ここから発信してほかへも波及させるという観点もあっていいわけですよね。ぜひその辺のところは忘れないようにしてください。
 では、中杉先生。

【中杉委員】 浅野先生が今、1番と2番はこれでよろしいというお話がありましたけれども、私は不十分だと思います。というのは、全体の流れが、遠い将来の話と緊急にやる話があるのですが、緊急にやる話は、緊急にやる話しか書いてないんです。だけど、これはそこでとどまる話ではたぶんないだろうと思うんですね。それは少なくとも書き込んでおかなきゃいけない。例えば水質事故は、届け出の促進をすれば、それで問題は片づくのか。そんな問題ではない。その先のいろいろな手当てをしていかなきゃいけない。これはいろんなところで突っ込んできていますから、それはどう仕分けをするかというのは非常に難しいのですが、例えば土壌・地下水対策のところで、床面の構造上の、というような話は、事故時の話で入ってきてもおかしくないわけです。そういう意味でいくと、ここだけで、当面はこれだということはあるのだけど、もう少しこの先は何なのかというのを全体書いておかないと、ここはこれで止まってしまうように思います。だから、めりはりはいいのだと思うのですが、全部について短期的なものを出してもらってもいいですが、その後に長期的なものはちゃんとあるのだということを書き加えていただかないと、そこは止まってしまうだろう。そうすれば、全体のバランスがそうおかしくなくできるだろうというのが一つです。
 もう一つは、7ページのところ、これが今の話につながるかもしれませんが、この中で、取組と課題との関係でマトリックスを作っているけれども、丸が付いているのに全く触れてないところがあるんですね。例えば「不適正事案への対応」のところで、一番上は今対応しますよと言っているけれども、閉鎖性水域については、どういう問題があって、どうだという話はあまり出てきてないし、特に地下水・土壌汚染について、不適正事案が本当に絡んでいるのか。確かに昔の話は不適正事案がたくさんあった。不適正事案というのは、法的な規制に違反したかどうかということはともかくとして、不適正な事案があったので、それが土壌・地下水汚染に絡んでいるというのは、確かにそのとおりなんだけれども、今後の取組として何が必要なのか。そこら辺も少し全体の縦、横がうまく合ってないのではないか。こう作るならば、何か少し書いておかないといけないだろうと思います。
 もう一つは、13ページのところですが、WETについては、これは個人的な感想ですが、一つの方法としてやるのだろうけれども、例えば規制基準を作ろうとしたときに、どこに基準を打つか。目盛りをどう付けるか。物差しは作れるけれども、目盛りをどう打つかというのも非常に難しいだろうと思います。これはよっぽど議論が必要になってくるだろう。これは技術的な問題だと思います。
 その下の「化学物質等に関するリスク管理手法として、……自主的な管理を促すようなことなども検討すべきではないか」、これはPRTRでやっているわけですよね。それに関して、じゃあ、それとどこが違うのか、ということを議論しなきゃいけない。今、大気の方は、有害大気汚染物質についてそういう議論をしています。PRTRの方でやってもらって、それでできない分野は大気の汚染の方でやろうと。そういう視点が必要なので、水の方もそういうふうな視点で見ていかなきゃいけない。これは前の方の基準のところも同じような考え方で整理をしていく必要があるだろうと思います。
 全体を見ていくと、同じ項目があっちとこっちに一緒に出てくるようなところがあるので、しょうがないかなと思いながら見ていました。これは地下水・土壌汚染のところもそうなんですが、地下水・土壌汚染のところは、「継続的に確認されている」というのは、確かに確認は継続的にされているのだけれども、地下水・土壌汚染が継続的に発生しているか、ここのところは一つ大きな議論なんですよね。今も地下水・土壌汚染が次々と起こっているのか、これはよっぽど検証しなきゃいけないので、これは残念ながら見つかっているから、新たに起こったということでは決してないので、そこを少し考えなきゃいけない。
 それからもう一つだけ。地球規模での水環境問題の話なんですが、この話に海洋の話が入ってこない。海洋の話が入ってきていいと思うんですね。海洋の話だけではなくて、一つ大きな視点は、我が国の国民が食べる食糧の安全保障なんです。これは、モーリタニアの海が汚れれば、日本に入ってくるタコが汚れる。穀物を輸入している国の河川が汚れれば、当然、日本に入ってくる野菜等が汚れる。そういう視点がかなり必要だと思います。これとぴったり合うのかどうかわかりませんが、そういう視点も入れて考えるべきだろうと思います。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 今いくつか問題点を指摘されましたが、お答えというか、対応ありますか。

【森北水環境課長】 それぞれの取組の中で相互に関連しているものがあるものですから、どうしても重複しているといいますか、そういうことはあると思っています。どう整理したらいいかわからないこともあり、重複する部分があってもやむなしかなと今は考えているところです。
 地下水につきましては、委員のご指摘のように、まず、今発生しているのかどうかも含めて実態を把握するといいますか、そういったことが必要ではないかということで、ここでもそういうことを書いているものでございます。

【須藤座長】 それでは、池先生、どうぞ。

【池委員】 各論に入る格好にはなるのですが、まず11〜12ページの閉鎖性水域における水質改善のところなんですが、「新たな水質保全対策の検討」で、湖内対策の部分についてです。自然由来の汚染もあるので当然のことで、「自然浄化機能の回復・活用」は必要になるとは思うのですが、もうちょっと積極的に、里山管理的に人が使う水辺という視点をもう強調した方がいいのかなと考えます。単に自然の浄化機能をどうにか使いましょうというのではなくて、琵琶湖などの場合も、ヨシ刈りをして、工業作物としてヨシを刈っていた時代は比較的窒素の除去があって、使うことによって強制的な水環境が保全されていったというところがありますので、そういう意味で、「自然浄化機能の回復・活用」の「活用」のところは、もっと「水環境を使うことによって、人が使う水環境としての健全性を保つ」という形で書いていただく方がいいかなと考えます。あるいは含まれているのかもしれませんが、そういう視点を明確に書いていただければと思います。というのは、12ページの海域の方では、物質循環量把握のところに「バイオマス利用促進について検討」と、今申し上げたようなことの例えが書かれているように思いますが、それが湖沼の方にはない理由はわからないのです。湖沼、海域共通でそのように考えていただきたいというのが、ここに対するコメントでございます。
 それから13ページで先ほどWET法があったのですが、これは確かに排水の管理手法としてはなかなか難しいなということは間違いありません。逆に、水環境をモニタリングする指標としての、つまり環境側の評価の指標としてのバイオアッセイ値という考え方を少し考えていくというのはどうかなと思います。つまり、何か健全ではないことが起こっているということが、各項目を測っているだけではなくて、バイオアッセイを使えばわかりやすいという側面がありますので、排水処理としてはなかなか難しいのですが、そちら側でこういうのを生かしていくというところを取り入れていただくのはどうかという御提案でございます。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 WETについては、これを中心にやるという意味ではなくて、例として取り上げたのです。その進行役を仰せつかっているのですが、私も大体似たように思っていますので、これを排水の規制の対象に加えていくというほど積極的にはまだ先生方の意見も固まっていませんので、勉強します、というぐらいのところなので、ここはちょっと書きすぎかなという気もしなくはありません。それは後で相談します。
 それでは、及川委員、どうぞ。

【及川委員】 14ページでございます。5.の「水環境保全のための今後の取組」ということで、一番下の段落の「今後の取組」の下から2番目の○で「事業者の自主的な取組を支援する取組についての検討」については、自主的な取組の支援ということで、ここは大変結構だと思っております。
 一方で、課題の[3]でございますが、「小規模事業場等に対する排水処理の何らかの義務づけ」という表現になっておりまして、ぜひここは「何らかの対応」ということにしていただけないかと思っています。特に小規模事業者ということになりますと、単なる中小企業よりかなり違った、いろんな複雑な面もございます。多種多様でもございますし、業容も大変ですし、働いている方が従業員であって経営者である。家族経営であるということもございますので、ここでの「義務づけ」という「義務」という言葉はお避けいただければと思っております。以上です。

【須藤座長】 今の問題はいかがですか。これから検討していただくけれども、それほど強い意味ではなかったですね。

【森北水環境課長】 御意見を踏まえて考えたいと思います。

【須藤座長】 それでは、大木委員、どうぞ。

【大木委員】 2点ほど感想のようなことでありますが、一つは、14ページ目の小規模事業場対策あるいは面源対策の関係で、先ほど浅野先生がおっしゃったように、今後の取組の中で「生活排水のみならず水環境保全の努力をすべきことの普及・啓発」ということ、これは実際、埼玉県でもかなり大規模に一生懸命やっているところでありまして、そういうふうな形で、これは当然、自治体との絡みがとても多い話になろうかと思います。
 そういった関連で、これは感想なんですが、浄化槽について、設計基準でBOD20、それに対して埼玉県の事業所の上乗せの排出基準が25という状況が、私いつもちょっとどうなのかなと思うのですが、かつ、住民の方は一生懸命対策をとってくれたり、あるいは河川浄化活動をやる団体もたくさんある。そういう中で、もちろん実際には事業所も25ではなくて、はるかに低いレベルで排水管理していただいているのですが、そういうときに、事業所も地域の住民であり、地域の事業所であって、地域の川に水を流している。そういう視点が大事なのではないかと思います。これまで水濁法自身が特定施設、特定事業場を中心に、生活排水対策もありますが、そういうふうなことで、単なる規制だけではない、そういった地域の事業所としての在り方のようなことも一つの理念のようなものとして入れていく必要もあるのかなという感想でございます。
 もう一つが、地下水・土壌汚染の関係ですが、これについて、中杉先生がおっしゃいましたけれども、継続的に確認されているという。我々の方でもほとんどが過去のもの、それこそトリクレンがザブザブ使われていた頃のものが今になって莫大な費用をかけて調査し、また、対策がとられているというふうなことがございます。ですから、こういったことについて、過去のもの、要するにその物質自体について規制がなかった時代のものと、これから管理が不十分で現れてくるであろうものをしっかり分けて考えていくべきではないかと思いました。以上です。

【須藤座長】 私から大木委員に質問するのもよろしくないのですが、先ほど自治体の役割というか、自治体のことをもう少し書き込んでほしいという部分もありましたよね。これをずっと読んでいただいて、今いくつか例を挙げていただいたのですが、もう少し自治体の貢献というか、役割というか、そういうことを書き込んだ方がよろしいですね。

【大木委員】 私は書き込んでいただいた方がいいのではないかと思います。もともと水濁法がいろんな形で都道府県の上乗せとか横出し基準とか、そういった形で流れてきている。そういう中で、そういった考え方の延長のような形で自治体の役割のようなものを、法律上どう表現するかは別にしまして、こういったところでは入れていただいた方がいいと思います。

【須藤座長】 今おっしゃった浄化槽の問題もそうですね。

【大木委員】 はい。

【須藤座長】 わかりました。
 では、太田委員、どうぞ。

【太田委員】 3点お話ししたいと思います。まず簡単な方からですが、16ページの気候変動のところの認識ですが、右の「今後の取組」のところで「水循環」とありますのは、これは水量を中心にという認識でよろしいのですか。
 要は何を申し上げたいかというと、左下の方に「水温上昇・水量減少による影響拡大の懸念」とあるので、恐らく水温と、水質も水温と関連するのでしょう。明確に気候変動との関連を意識してもらうという意味では、その3つが、例えば三題話ですという感じで、それを把握しないと、あるいは将来予測をしないとなかなか対応できませんよ、というメッセージが必要かなと思います。そういう意味で、「水循環」と言われても、それが気候変動とどう関係するかというのがちょっとわかりにくいイメージがありますので、水量の要素は結構大きいのははっきり水量と書くべきではないか、そういう意識で申し上げました。それが1点です。
 あとの二つは関連するのですが、今の大木委員の話とも関連して、一番最後の20ページですが、これは非常にいいサイクルを描いていただいたと思います。特に「施策・事業等の実施」のところで、「Do」のところで「実証事業等の実施」とあるのですが、実はこれは「Do」と「Check」と一緒にやらないと次のサイクルをやるのに意味がないですね。そういう意味では両方にかかるイメージかなと思います。
 それから、これは環境省の皆さん方に申し上げたいのですが、所帯もそんなに大きくなくて大変で、地方の行政にかなり依存しているところが多いと思いますが、直轄調査的に、東京から近いところでもかまいませんので、濃密な調査なり、実際に、例えばどこかのリードしていただく市町村なりで、そこに年間を通じて入り込むような、そういうことをおやりになったら、こういうことを書くときにも、だいぶ肉厚なものになるのではないか。これは提案です。それができるかというのはあると思いますが。

【須藤座長】 モデルを地方自治体にするわけですね。

【太田委員】 そういうように、本当にそこで皆さんが一緒に入られると、書くことの内容の深みが出ますよね。規制的な感じではなくて、こうやらんと物事は進まないのではないかという話が。だから、これは本当の現場レベルの話です。そういう意味でこのサイクルも、現場レベルの小さなサイクルと、環境基本法を含めた大きな施策のサイクルと、ミニサイクルと渦が二つあると思うんですね。大きなサイクルの方も同じで、これは14ページに関係するのですが、例えば面源負荷対策はなかなかできていません。農業もその原因の一つだと、場合によっては相当かもしれませんが、言われています。
 そして3点目、これは何回も皆さんからも意見が出ていますが、各省と一緒になってやらないとなかなか効果が上がらないというときに、リードしていただく方法として、例えばこういう施策を打ってもらったらどうですか、という提案を出されたらどうでしょうか。例えばこういうことです。何らかの計画を各流域なり、あるいは都道府県で作りますね。その計画に含まれていれば、その何らかの事業採択なりを行うときにメリット措置があるというか、採択の条件の一つになるとか、点数が付くじゃないですが、何かそういうクロスコンプライアンス的な施策をやれば、両方ウィン・ウィンの関係になりますね。各省もそれによって水質がよくなる方にも貢献しているという事業の別の効果が出るし、環境省さんの方は、自分がリードすることによって、そういうことが本当に進んでいくということで政策が実施されていく。そういう霞が関でのチームワークを作るような施策が生まれてくる。それをやるにつけても、現場で何が起きているかというのが、最後、各省の施策は全部現場に集約されますから、そういうものがあると、両方の関連がうまく出てくるのではないかという印象を持ちました。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。
 では、木幡委員、どうぞ。

【木幡委員】 面源負荷というお話が出たところで、一つだけキーワードとして「森林域の負荷」というのがあると思うんですね。特に都心の近郊の森林で現在「窒素飽和」という現象が知られていて、それで、例えば渓流の水質が窒素が高くなるとか、あるいはダム湖で水質基準が非常に妙な値になってしまうようなことがある。そういったところも、どういうふうに触れるかちょっと難しいと思うのですが、多少検討していただきたいと思います。キーワードとしては「窒素飽和現象」といいますかね。

【須藤座長】 特に森林がですね。面源負荷によるわけですね。

【木幡委員】 これは難しい。対策をどうするか、全然先が見えない話なので。

【須藤座長】 では、福岡委員、どうぞ。

【福岡委員】 私が期待していたものは今回の資料でほぼ出てきたと思うので、細かいことは今日はなしにしたいと思います。先ほど太田委員が言われたこととも近いのですが、まず16ページの気候変動への対応と、18ページの水環境のモニタリングとデータの蓄積、20ページの施策のマネジメントサイクルの確立、こういった課題の中に共通して言えることは、データをどういうふうにとっていって、水環境問題について地に足のついた行政を進めるのかということで、大変結構なことだと思います。しかし、私が環境行政に期待していますのは、環境省の仕事の枠組みの中での水環境行政をおやりになることは、書いてある仕組みでできると思うのですが、16ページの気候変動への対応の適応策の検討ということになると、水問題について事業をやっている官庁は多く、自分のところの事業をやろうとすると、それなりのことはできるのですが、最後に合意形成等住民との接点の問題になると、これは困難な環境問題に特化されてくることが多いわけです。前回も申し上げたように水環境行政の範囲は広いことから、水環境問題のヘッドクオーターは環境省水環境部なんだという視点と心構えで、全体をよく見たやり方をしていかないと、国全体としてやらなきゃならないことが頓挫する心配があります。そのためには水環境のデータの蓄積が非常に大事になってきます。ここ数年見ていますと、データに基づく説得度が高まってきているということを私は申し上げたい。
 そういう意味で、先ほど太田委員が言われました18ページに「水環境に係るデータの蓄積、共有プラットフォームの構築」と赤で書いてありますが、これは非常に重要なことですが、これらにはどんなものを考えているのでしょうか。どんなものを対象としてやるかによって、○○省のデータ、○○庁のデータの持っている意味、その使い方とか、何を目指すかということは、共通のプラットフォームをつくっていく上で非常に大事になります。環境行政の中でやっていただくのはいいのですが、国全体に関係する問題であるということを、まとめられるときには認識して書いていただきたい。
 そういう意味で、先ほどの「Do」のところを具体的にどうするのか。「Do」は実証事業でやるんですと言うけれど、環境省だけの実証事業ではないと私は思っています。もっと広い水環境が関わる実証事業で、各省庁が関わるところについてデータ収集に力を出していただきたい。こういうものでやったデータをとりなさいとか、こういう目的でとりなさい等いろいろ提言していただきたいということです。
もう一つ「水循環」だけでなく「物質の循環」もあるだろうというお話があったと思うのですが、これからやっていく気候変動の適応策の中で今問題になるのは、雨が降ると土砂が大量に川を経由して出てくる。それが河川や湖沼の生態系等の支配要因になる可能性が高い。土砂がいろんな有機質を運んできますから、河川だけを考えても生態系に関わる問題となります。「物質循環」というものの中の泥の話というのは大変大事になる。先ほど森林の話題が出ましたが、それらを含む一連の課題の中で泥の話をどう取扱っていくのかということです。
そういうことを考えますと、第三次環境基本計画に書いてある「環境保全上健全な水循環」という話と「良好な水環境」というのは必ずしもうまくつながっていないように見えます。「良好な水環境」というのは、それぞれのところでいろいろやっていますから、これはいずれはできると思いますが「環境保全上健全な水循環」という目標にどのようにつながるのかが見えづらい。この辺は書き方の問題かもしれません。健全な水循環の問題解決を図ろうとしたときに、これとリンクしているものをどう連携させて具体化していくのかを意識されてまとめていただきたいというのがお願いです。全体としては書かれていることで結構でございます。

【浅野委員】 環境基本計画の本体を読んでいただくと、この部分はかなり丁寧に書き込んであります。そして、環境省の行政では手に負えないことがいっぱい出ています。もう一つ、機能しているかどうかは別として、環境情報については、既に各省の連絡協議会を持っていて、環境省の総合環境政策局が所管していますので、申し上げておきます。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 では、堀口委員。

【堀口委員】 1点だけ感想といいますか、質問がございます。先ほど国際性の話が出ていたと思いますが、私はこの骨子案を読ませていただいて、むしろ国際的視点が不十分ではないかというような感想を持ちました。
 その理由は二つありまして、一つは、先ほど、例えばごみの問題が出ていましたが、ごみに関しては漂流ごみという問題もございまして、要するに日本の水環境を守る際に国際的に解決しなきゃいけない問題があるというのが第1点です。ただ、この点につきましては、まだ現実にそうした問題はそれほどほかにあるかと言われますと、それほどないかもしれませんが。
 もう一つ理由がございまして、それは、水問題を広く考えていきますと、いろいろな環境条約が引っかかってくるかと思います。例えば生物多様性条約とか、ラムサール条約、バラスト水条約であるとか、そういったいろいろなものが関わってくるかと思いますが、そういうことで水環境問題を広く考えていきますと、いろいろな条約の縛りというのが出てくる可能性がございます。
 こういうことを考えていきますと、要するにそういう国際的な制度の形成というものと国内的な環境政策の調整という視点と戦略といいますか、そうしたものも非常に重要かと思われるのですが、調整といいますが、単に条約から縛られるというだけではなくて、いかに日本にとって有利な国際制度形成を働きかけていくかという二つの意味があるのですが、こうした視点といいますか、戦略も重要かと思われるのですが、この点についてどうお考えかお聞かせいただければ幸いです。

【伊藤水環境担当審議官】 大変耳の痛い、貴重な御指摘だと思います。確かに海洋の問題につきまして、実は昔、環境庁の水質保全局時代は一緒にやっていたのですが、今は地球環境局のほうでやっている。そういうことで、我々の水・大気局の中でそういう意識を持った仕事は現在されていないのではないかという問題意識は強く持っています。
 海岸漂着物の問題につきましても、実は前の通常国会で議員立法ですが法律ができたということであります。海岸漂着物については、完全に今、私どもでやろうということで、それは全然ここに入っていないのではないかと言われると、確かにそうだったなという気もしていますが、それも一体的にやりたいと思いますし、海洋の問題についても、また私どもの中で所管していきたいと考えております。そういったこともありますから、もっと国際的な目で見ていかなければならないというのは、おっしゃるとおりで、今回のこの資料についても確かにそこは弱かったなと思っております。そこは十分強化していきたいと思っております。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 それでは、森田先生、どうぞ。

【森田委員】 政権が変わりまして、役所と政権の中枢との感覚のずれも少し表面化しているかなという感じがあるのですが、それを踏まえまして、こういう政策を考える上でもう少し市民感覚の発想を埋め込んだ方がいいかなという感じがするのです。市民感覚というのをどういうふうに考えるかというのは、いろいろあるのですが、とりあえず私の感想では、まず市民は、見た目がきれいかどうかとか、においがするかどうか、これが一番直接感じるという。したがって、BODとかの数値よりももう少し直接的な数値で水をきれいと思うかどうかということがまず一つあるかなという感じがします。そういう意味の指標をもう少しきれいに作った方がいいかなと。
 第2番目は、見た目は透明だけれども有害物質が入っているのではないかと。これは潜在的な感覚として皆お持ちだろうと思うのです。そこの部分は健康項目とか、あるいは生態系についてもそこのところをどうやってコントロールするか。これは依然として重要な問題であり続けるだろうと思います。特にいわゆるリスクアセスメントというのは、実は非常に不完全なサイエンスというか、サイエンスでないかもしれませんが、そういう状況で、あそこで評価されているのが後でうまくいかなかったということが本当は山のようにあるんですね。それでもまだ健康項目についての化学物質のリスクというのは、動物実験なんかは相当ちゃんとやられてきているので、たまってきているので、使えるという部分はあるのですが、生態系の魚とかその他の生物に対する毒性情報というのは極めて貧弱で、それをもう少しため込まないと前へ進めないというぐらいの状況です。したがって、それは一方の側から見ると、有害性が証明されてないということになるかもしれません。しかし、それはないということではなくて、観察されていないというか、そういう毒性試験そのものが十分にやられていないということでもありますので、その部分をもう少し、見てもわからないけれども、有害物質の影響というのはずっと関心を持っている必要があるだろうという感じがします。
 第3番目に市民感覚で感じるのは、各省庁の縄張りを越えろということだろうと思うのですね。先ほど来御説明がありましたが、非常に極端なアプローチだとすると、水庁というものをつくって、各省庁にある水を全部そこに一元化して対策をとるとか、あるいは考える。そのぐらい水は大事だという、そういう視点はあるかもしれません。だから、消費者庁をつくったように、水庁をつくる。そのぐらい劇的なことを考えないと、水は、例えば水量の部分とか、あるいはそれを飲料水として利用する。それから、環境は全体を何となく見ているのですが、利水から水を資源として考える部分を含めて、膨大な、各省庁に分散されていて、それが一元化されないと、うまくコントロールできないかなという感じもありますが、これがそういうことを考える一つの政治的な時期であるかもしれない。それもちょっとお考えいただければと思います。
 最後に一つだけ付け加えると、国際貢献です。これはいろいろな意見があると思います。つまり、国内の水だってまだ問題が解決してないのにそんなことをする余裕があるのかという議論が一方であり、そうは言いながら、しかし、例えば一番典型的な東シナ海とか、あるいは日本海なんかそうなんですが、例えば東シナ海に某国が長江のヘドロを全部フラッシュアウトしたときに相当大きなインパクトが起こるだろうということもあり、したがって、水は海を介して世界につながっているという意味で、国際的に対応するというか、そういう仕組みを作っていく。それは通常ヨーロッパが提案することが多いのですが、ひょっとしたら、東京コンベンションとか何か、そういう機会に一つ枠組みを作られてもいいかなと、そんな感想を持ちました。

【須藤座長】 どうもありがとうございました。
 笠松委員、どうぞ。

【笠松委員】 時間がないので1点だけお願いします。先ほど浅野委員からおっしゃっていただきましたが、自治体の役割ということで、非常に大事なことだと受け止めております。その中でお願いが一つありますのは、資料4−2の5の(1)の「事業者の不適正事案への対応」の中で、今まで公害対策をやってきた経験豊かな事業者や自治体の職員が退職していると。これは現場ではかなり混乱が生じています。その人がいたら簡単に終わったのがぐしゃぐしゃになっているというのが結構あります。何が言いたいかというと、そういう人たちがそのまま退職して、ひとりでボランティアされている方もいますが、何かそれを制度的に使えるものができないかなと。例えば温暖化でいえば、推進員制度を作っていろいろ地域の核になっていただいているのがあるわけです。面源の対策として小規模事業場とか生活排水対策をする上において、地域でこういうことをやったらいいんじゃないですかと言って回るような人になってもらったら、それは結構な戦力になるのかなと思います。ちょっとお考えいただければと思います。

【須藤座長】 ありがとうございました。
 まだいろいろ御意見があるようですが、ちょうど時間になりましたので、私がまとめなくてはいけないのですが、先生方の御意見を一言でなかなかまとめにくいのではありますけれども、これ全体としてはそんなにおかしくはないけれども、論理の組み立てをどう考えるとか、あるいはクロスメディアというか、他の分野との関係をどうするか。それから、省庁でいえば、他省庁とも一体とした一元化、統合化、総合化、連携、こういうような問題も含めて、あるいは自治体との役割の関係、それから市民感覚と先ほど森田先生がおっしゃったような、市民の理解を深めるためのそういう問題をどう取り扱っていくか。まとめていけば切りがないほどあるとは思いますけれども、一応キーワードとして、私がずっと伺っていて、この辺のところをもう少し強化していただいて、次回に向けて整理をしていただきたいと思います。事務局、それでよろしいでしょうか。

【森北水環境課長】 貴重な御意見をたくさんいただきましてありがとうございました。 次回は、本日いただいた意見を踏まえて、中間的な取りまとめを行うということで資料4−2を文章として書き下したものをお示しして御議論いただきたいと思います。来年秋に最終の取りまとめを目指しており、更なるバージョンアップといいますか、内容の充実は引き続き行っていきたいと考えておりますが、とりあえず次回は中間的な取りまとめをお願いしたいと思います。

【須藤座長】 本年度としては、まずは次回で一回整理しておくと。特に先ほどの公害の問題については、別の小委員会の方にここの部分を持っていって、一回通してやっていただくということが必要ですよね。それから以後は、来年度に向けてもう少しバージョンアップする努力をしてくださると。こういうことでよろしいでしょうか。

【森北水環境課長】 そういうことでよろしくお願いします。

【須藤座長】 わかりました。ということで、今日は大変熱心な御討論をいただきましたことを感謝申し上げて、これでお開きにさせていただきたいと思います。どうもお疲れさまでございました。

【森北水環境課長】 どうもありがとうございました。
 次回は12月9日ですが、場所等の詳細については、また後日御連絡を申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

――了――