環境省廃棄物・リサイクル対策廃棄物処理の現状検討会・懇談会生ごみ等の3R・処理に関する検討会

第8回 生ごみ等の3R・処理等に関する検討会 議事録


(平成18年6月16日開催)

午前10時03分開会

【七夕リサイクル推進室長補佐】 それでは定刻になりましたけれども、電車の関係で遅れている方がありますが、これから生ごみ等の3R・処理検討委員会の第8回を開催させていただきます。
 議題に入ります前に、本日の出欠状況と資料の確認をあわせて行わせていただきます。
 本日、大塚委員、古市委員が欠席しております。もう一方、名古屋市の小島委員の代理ということで、本日、野田さんにご出席いただくということになっていますが、電車の関係で若干おくれております。4名の方が遅れておりますが、時間の関係もありますので、これから開催させていただきます。
 それでは、石川座長お願いします。

【石川座長】 おはようございます。どうも足元の悪い中お運びいただきまして、ありがとうございます。時間も限られておりますので、早速始めさせていただきたいと思います。
 本日用意している、ご議論いただきたい主な話題というのが、生ごみ等3R・処理の目指すべき方向性と政策手段についてご検討いただきたいと思います。ご検討いただく前に、論点整理について前回までにいろいろご意見をいただきまして、事務局の方で整理していただいて修正したものがございますので、まずこれについてご説明いただきたいと思います。それでは、お願いします。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 それでは、お手元の資料1、前回お出ししました論点整理の修正案でございます。ご意見をいただいて、修正をいたしました主要な部分に※印をつけてございます。そのほか、言葉の修正とか詳細の部分もございますが、その点については割愛をさせていただきます。
 お手元、6ページを開いていただきたいと思います。ここは、飼料化・たい肥化について方向性を説明する部分でございますが、6ページの(2)たい肥化の下の部分でございます。もともと原案では窒素需要量のバランスの問題について書いてございましたが、いささかその表現がネガティブな面があるですとか、誤解を招く点がございました。また、いわゆる環境保全型農業ということで、たい肥利用というのが重要であるという、そういった視点も十分でなかったということがございますので、この※印の部分を直してございます。農地に対する窒素需要量は農産物の種類によってばらつきがあり、例えばお茶畑では年間1トン/ha、水田では100kg/haと大きく異なると。これを仮に250kg/ha・年といたしますと、日本の農地に受け入れ可能な窒素の需要量は年間124万トンと。この農地に投入、または投入される可能性のあるものについて、窒素換算量で見た場合に合計いたしますと185万トンということでございます。全国合計で見た場合には、仮にこれらすべてが農地に投入された場合は、先ほどの窒素の需要量を超えた投入となります。このようなマクロ的な状況を踏まえ、実際にたい肥化を計画する場合には、その地域における家畜ふん尿との競合を避け、環境保全型農業との協働を図るなど、需給がマッチングするよう、農業との連携が不可欠であると。農業においては、土づくり、化学肥料の削減と、たい肥の投入を増進する環境保全型農業が推進されており、これと歩調を合わせることが重要である。このような形で修正をいたしてございます。
 また、6ページの上の部分、飼料利用の条件とございますが、飼料原料としての品質確保の点からの収集運搬というものも条件の中に入るのではないかというご意見があり、その点を追加をいたしてございます。
 それから10ページでございます。10ページはエネルギー利用について方向性を説明している部分でございます。(3)の4つ目の○の部分でございます。この部分についてはポイントになりますご意見として、エネルギー利用システムを考える上で、効率がトータルで評価する必要があるというご意見がございました。また、既存のシステムとの組み合わせという点について、もう少しわかりやすく書く必要があるということで修正をいたしてございます。エネルギー利用の方法は、既存のごみ焼却施設などでほかの廃棄物と混合焼却・熱回収する従来システム、あるいは生ごみ等食品廃棄物をほかの廃棄物と分けてバイオガス化する、エネルギー回収利用を行う新しいシステムが、これ選択肢として考えられます。どちらを選択するかは、エネルギーとして利用し得る量、あるいはCO?削減効果などを比較し、総合的に見て有利なシステムが選択されることとなりますが、新しいシステムとしては、実用化されている技術であるバイオガス化が中心になることが想定されます。バイオガス化システム、これについては発酵残さ、あるいは発酵廃液の適正な処理が必要になってまいります。また、安定・確実なエネルギー利用というものが必要不可欠ということでございますが、都市部でバイオガス化システムを既存のごみ焼却システムと組み合わせて、トータルとしてより高効率なエネルギー回収を目指しながら、ごみ焼却システムの既存設備、例えば水処理設備なども含めてでございますが、発酵残さや発酵廃液の処理を完結できるコンバインドシステムが有効ではないか。
 エネルギー利用システムを考える場合には、エネルギーの回収原単位やCO?の削減原単位が重要であり、システム全体で評価する必要があるということでございます。
 それから、11ページの部分でございます。これは5番という章立てで横断的な方向性というものを書いてございます。タイトルのところが発生抑制・リサイクル、エネルギー回収に共通する方向性ということにいたしてございます。この部分で地域コミュニティーとのインターフェースづくり、いろんな部分に部分的に分散して書いておりますけれども、この部分でも総括的に追加をしてございます。
 生ごみ3R等に関係する食品関連事業者、リサイクル事業者、農家、消費者、行政などが発生抑制、循環利用のループ、適正処分などの認識と3R等の取組の情報を共有することが重要であり、地域コミュニティーとのインターフェースづくりが有効ではないか。このような表現を追加いたしてございます。
 それからもう一つ、この点につきましては、多店舗展開する場合の店舗が市町村の区域を越えて存在をしていると。このときに、効率的な収集運搬がなかなか難しいと。これについて、どのようにしていくか考えるべきであるというご意見がございましたので、この点について座長からも法律上の問題、あるいは運用の面からの問題とそれぞれあるのではないかということで、何らかの形で今後議論していくということを明確にする必要があろうかと思いまして、追加を行ってございます。
 事業展開が広域化・多店舗展開し、複数の市町村にまたがって店舗を有するコンビニエンスストア、あるいは外食産業のような食品関連事業者の立場からは、食品廃棄物のリサイクルシステムをつくるため、市町村の区域を越えて食品廃棄物を収集運搬することになり、その効率化が必要となるが、このとき自区内処理を原則と考える市町村の協力が得にくく、また、市町村ごとの収集運搬業許可が必要であることから、一括して収集運搬することは困難であるという意見がある。この意見について、今後議論していくことが必要であると、このような形で追加をさせていただいております。
 以上でございます。

【石川座長】 どうもありがとうございます。これまで、さまざまな論点についてご意見いただきまして、いただいたご意見を参考にしてつくられた修正案です。挙げられている論点そのものに対するご意見はさまざまあるかと思いますけれども、考えるべき論点としては、これでいいのではないかなと私は思います。時間も限られているので、政策手段の方に入りたいと思うんですが、もしここで挙げられている論点で表現その他何かご意見ございましたら、後ほど事務局の方にご提出をお願いしたいと思います。
 それでは資料2について、事務局から説明をお願いいたします。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 それでは続きまして、資料2でございます。生ごみ等の3R・処理の目指すべき方向とその政策手段について(検討のためのたたき台)ということでございます。今、座長からもお話ございましたように、本日これについて中心的にご議論をいただきたいと思います。これまで長く議論していただいたいろいろなご発言、そのあたりを踏まえまして、本日この資料につきましては、事務局側で政策手段について議論すべき項目あるいはその内容といいますか、そういう部分についてたたき台を事務局側で作成させていただきました。これを議論の材料として、検討会で本日いろいろなご意見をいただきたいと思います。その結果として、どういった政策手段を導入することが適切なのか、またあるいはどういう課題があるかというようなことを明確にしていただくと、そういうことになるのではないかということでございます。
 それでは以下、発生抑制の部分から読まさせていただきます。食品の食べ残し、売れ残りをできるだけ抑制する事業形態、消費形態への誘導・促進策としてどのような手段が考えられるか。
 循環基本法において、原材料、製品などにあっては、廃棄物となることができるだけ抑制されなければならないとされていることや、食育基本法において、環境と調和のとれた食料の生産・消費の推進が期待されていることなどを踏まえ、生ごみなど食品廃棄物の3R・処理の目指すべき方向として、資源消費の抑制と環境負荷の低減の観点から、その発生抑制が第一に優先されるということを、政策の基本としてより明確化することが必要ではないか。
 現在の食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)でございますが、基本方針に示されている再生利用等の実施率、これは発生抑制、再生利用、減量トータルでの目標ということがございますが、ここから発生抑制の目標を切り出して、業種や業態の特徴を考慮した目標を示すことが考えられないか。
 食品廃棄物を大量に排出する食品関連事業者における発生抑制の取組を促すことが重要ではないか。このため、食品廃棄物を大量に排出する食品関連事業者に対する発生抑制の誘導・促進策が考えられないか。
 例えば、次のような方策が考えられないか。
 業種や業態の特徴を考慮した発生抑制の指標をつくり、発生抑制の目標を設定することが考えられないか。具体的には、売上額や仕入額当たりの発生量のように活動指標を組み込んだ発生量の原単位を、業種や業態別に発生抑制の指標とし、業種や業態別にトップランナーの企業の指標値を発生抑制の目標として各企業が参照できるようにすることが考えられないか。
 あるいは、食品廃棄物の発生抑制の取組に関する判断の基準を、業種、業態を踏まえ、より詳細な内容とすることが考えられないか。
 食品廃棄物の発生量や発生抑制の取組の状況について、報告を求め、公表をするという情報公開の手段をとることが考えられないか。
 (2)及び(3)の方策を検討するに当たって、食品廃棄物を大量に排出する食品関連事業者として、どれぐらいの大量の排出を対象とするか、食品リサイクル法の勧告・命令対象である年間100トン以上とするか、あるいはもっと多いものを対象とするか考える必要がある。
 食品関連事業者の発生抑制に関する優良な取組事例を普及するため、優良な取組を第三者によって評価・認証し、認証を受けた者を公表などする仕組みが考えられないか。
 消費者の食べ物を大切にする意識を改めて喚起する普及啓発や、食品の消費形態と生ごみなど食品廃棄物の発生の関係を分析し的確な情報提供を行うことが重要ではないか。
 続いて、肥料化・飼料化利用などのリサイクルでございます。
 生ごみなど食品廃棄物の安定・確実な再生利用(リサイクル)のためには、リサイクルの出口であるリサイクル製品が滞らずに利用されることが必要であり、そのためにはどのような手段が考えられるか。
 生ごみ等食品廃棄物のリサイクルの方向として、一律・一様なリサイクルを目指すのではなく、性状、量や、飼料・肥料などリサイクル製品の需要に応じ、リサイクルの方法を柔軟に選択すべきであることを、政策の基本として明確化することが重要ではないか。
 現在の食品リサイクル法の基本方針に示されている再生利用などの実施率の目標から、リサイクルの目標を切り出して、食品廃棄物の発生量とリサイクル製品の需要に見合った目標を、業種や業態、規模などに応じて示すことが考えられないか。
 リサイクルの中心的な方法としては、飼料化と肥料化が考えられ、これらを促進することが重要である。このため、安定・確実な飼料化及び肥料化を促進するため、次のような方策が考えられないか。
 飼料の原料として利用しやすい食品廃棄物の飼料化を誘導することが合理的であり、このため、飼料の安全性を確保しつつ、どのような種類の食品廃棄物が飼料化に向き、安定・確実な飼料化の可能性が高いかを明確化し、情報提供することが考えられないか。
 飼料の安全性を確保しつつ、飼料の原料として利用しやすい食品廃棄物をリサイクルした飼料原料について、飼料メーカーが配合飼料の原料として利用することを促す手段が考えられないか。
 肥料化については、食品廃棄物と家畜ふん尿などが競合すること、農地の窒素過多とならないようにすることに留意する必要があるため、どのような地域において食品廃棄物のたい肥利用の需要があるかを明確化し、情報提供することが考えられないか。
 食品廃棄物のたい肥利用の需要拡大は、化学肥料などの使用低減により、たい肥など有機質肥料の利用を推進する環境保全型農業にも貢献することから、農家に対して、食品廃棄物のたい肥の利用を促す手段が考えられないか。
 また、食品廃棄物の再生利用の取組に関する判断の基準を、業種、業態ごとの食品廃棄物の種類などを踏まえ、より詳細な内容とすることが考えられないか。
 食品廃棄物を排出する食品関連事業者が、食品廃棄物のリサイクルを飼料化・肥料化事業者に依頼し、リサイクル製品である飼料やたい肥を畜産農家・耕種農家が利用して、農畜産物を生産し、生産された農畜産物を食品関連事業者が購入・販売するという安定・確実なリサイクルが維持・継続できるリサイクル・ループの構築を促進する方策が考えられないか。例えば、現行の食品リサイクル法の「再生利用事業計画」制度の仕組みを改良することや、リサイクル・ループを構築した食品関連事業者などに対する支援策が考えられないか。
 食品リサイクル法のリサイクル手法として位置づけられている肥料化、飼料化、油脂・油脂製品化など以外にもリサイクルが可能な方法があれば、これを促進する方策を考えることが重要。このため、次のような方策が考えられないか。
 全国的、一般的なリサイクルの方法として確立していると考えられるものは、食品リサイクル法で促進するリサイクルの方法として追加することが考えられないか。
 全国的、一般的なリサイクルの方法以外にも、特定の地域においてリサイクル製品の需要があり、安定・確実なリサイクルが可能な場合が存在します。このような特定の地域での安定・確実なリサイクルを促進、育成するため、食品リサイクルのリサイクル手法として位置づけられているリサイクル以外の方法であっても、特定の地域で十分な需要が見込まれるリサイクルについては、現行の食品リサイクル法の「再生利用事業計画」制度で個別に認定できるようにすることが考えられないか。
 次は、エネルギー利用でございます。
 生ごみと食品廃棄物の安定・確実なエネルギー利用は、枯渇性の燃料から再生可能な燃料への転換を促し、地球温暖化対策にもなるため、これを促進することが重要である。そのためにどのような政策手段があるか。
 生ごみ等食品廃棄物のリサイクル・エネルギー利用の方向として、一律・一様なリサイクル・エネルギー利用を目指すのではなく、性状、飼料・肥料などのリサイクル製品の需要、エネルギー利用のしやすさ、地域的な事情に応じて、安定・確実なリサイクル・エネルギー利用の方法を柔軟に選択すべきであることを、政策の基本として明確化することが重要ではないか。
 また、持続可能な社会を実現する重要な要件である脱温暖化社会の構築と循環型社会の形成が我が国の環境政策の柱となっていることを踏まえ、飼料化・肥料化などのリサイクルと、化石燃料に代替するバイオマスエネルギーの利用を効率よく組み合わせることは、環境負荷の低減にとって有効であることを、政策の基本として明確化することが重要ではないか。
 メタン化などの食品廃棄物を燃料製品化とするエネルギー利用の方法は、現在の食品リサイクル法ではリサイクルの方法として位置づけられている。メタン化以外にエネルギー利用可能な方法があれば、これを促進する方策を考えることが重要。このため、次のような方策が考えられないか。
 全国的、一般的なエネルギー利用の方法(燃料製品化する方法)として確立していると考えられるものは、食品リサイクル法で促進するエネルギー利用の方法として追加することが考えられないか。
 高効率化が進み熱回収システムとして進展してきた廃棄物発電のうち、生ごみ等食品廃棄物が寄与する電気は、地球温暖化対策に資する再生可能エネルギーとして位置づけられるほか、電気事業者による新エネルギーなどの利用に関する特別措置法、いわゆるRPS法でございますが、によって電気事業者に基準量以上の利用が義務づけられる「新エネルギー等電気」とされてございます。これを踏まえ、食品リサイクル法においても、生ごみなど食品廃棄物のエネルギー利用の方法として、固形燃料化、廃棄物発電などの取扱いを検討することが考えられないか。
 食品廃棄物のメタン化は、発酵残さや発酵廃液を伴うことから、既存の熱回収システムや水処理システムと連携したコンバインドシステムとすることが適切であり、市町村のごみ発電や高含窒素排水の処理システムであるし尿処理施設などの既存システムを活用することが重要である。このため、家庭から排出される生ごみと食品関連事業者が排出する食品廃棄物をメタン化する市町村施設の整備を支援・誘導することが考えられるのではないか。また、こうした施設の立地を円滑・的確に行うための土地利用上の仕組みが考えられないか。
 最後に、横断的な事項でございます。情報公開が、まず第1点でございます。
 食品廃棄物を大量に排出する食品関連事業者における発生抑制、リサイクル、エネルギー利用の取組を促すため、先ほどの1の(3)ウでございますが、に示すように食品廃棄物を大量に排出する食品関連事業者に対し、食品廃棄物の発生量や発生抑制、再生利用の取組の状況について、報告を求め、公表するという情報公開の手段をとることが考えられないか。
 続いて、フランチャイズチェーン方式でございます。
 フランチャイズチェーン方式の食品関連事業者の場合には、個店単位では、中小零細事業者に当たり、食品廃棄物は絶対量としては大量に排出することは考えにくいが、売上高当たりの生ごみの発生量はスーパーなどの大規模店舗と比べて少ないとはいえず、チェーン全体では、食品廃棄物を大量に排出している可能性が高い。一方、既に、フランチャイザー(本部)がリードをして個店の発生抑制、再生利用などの取組を推進している。これらのことも踏まえ、チェーン全体で食品廃棄物を大量に排出するフランチャイズチェーン方式の食品関連事業者については、個々の個店を総体としてとらえ、発生抑制、再生利用などを算定することが考えられないか。
 広域的・効率的なリサイクルでございます。
 食品廃棄物のリサイクルは、市町村の区域を越えて実施・計画される場合も見られているところであり、全国展開する食品関連事業者の意向として、市町村の区域を越えて多数の店舗など事業所から排出される食品廃棄物を一箇所のリサイクル施設に集約し、リサイクルコストを低減し費用効率的なリサイクルをするため、個々の店舗など事業所から排出される食品廃棄物を一括して収集運搬できるようにする仕組みを求める意見がございます。リサイクルの費用効率性だけでなく、生ごみ等食品廃棄物の適正な収集運搬、リサイクルを確保するためには地域的な行政による監視の仕組みが必要であることも念頭に置き、広域的なリサイクルを安定・確実かつ効率的に行うための具体的な対応が考えられないか。
 次は、市町村システムの形成でございます。
 大規模な食品関連事業者が、自らの多数の事業所をカバーして広域的な独自のリサイクルシステムを構築することは有効な手段であり、これを引き続き促進することが重要である。一方で、中小零細事業者の安定・確実な食品廃棄物のリサイクル、エネルギー回収を進めるためには、食品廃棄物の性状を熟知するリサイクル事業者などが中心となったPFI事業を含め、市町村の施設での食品廃棄物のリサイクル、エネルギー利用を推進することが有効であると考えられる。この場合、市町村が大規模な食品関連事業者とも連携して地域的なリサイクルシステムをつくることはさらに有効であると考えられる。このため、市町村における家庭の生ごみも含めた食品廃棄物のリサイクル、エネルギー回収施設の整備を循環型社会形成推進交付金の枠組みにより誘導・支援し、リサイクル、エネルギー回収のルート拡大を図ることが考えられるのではないか。
 次は、安全性でございます。
 生ごみなど食品廃棄物には、食品としての成分のほか、様々な化学物質が含まれたり、微量な有害物質が混入する可能性もあるため、フードチェーンや農地に食品廃棄物をリサイクルして戻す場合には、化学物質、重金属などのリスク管理をしっかり行うことが重要である。このための具体的な方策を検討することが考えられないか。
 次は、トレーサビリティでございます。
 食品廃棄物について、循環的な利用を標榜した不適正な処理を防止し、安定・確実なリサイクルを確保するため、リサイクル・ループの構築を図るほか、リサイクル製品がどこでどのように利用されているか、トレーサビリティを確保する仕組みを導入することが考えられないか。
 最後に、データベースでございます。
 生ごみ等食品廃棄物は、種類、性状、発生量など多種多様であり、飼料化に向く成分のもの、肥料化に向く成分のもの、メタン化に向く成分のものなど、リサイクル・エネルギー利用しようとする原材料や燃料の用途に応じた組成データが明らかになり、食品関連事業者、リサイクル事業者などが利用できるようにすれば、食品廃棄物のリサイクル、エネルギー利用はより円滑化すると考えられる。このため、種類別の組成・性状・発生源などのデータベースづくりを進めるべきではないか。
 以上でございます。

【石川座長】 どうもありがとうございます。
 かなり豊富な内容がございます。本日、2時間とってございますので、あと90分ぐらいです。90分ぐらいで大きく分けて4つございますので、なるべく発言は簡潔にお願いしたいと思います。順序よく、最初からいきたいと思います。
 最初まず発生抑制の点ですが、最初の(1)は発生抑制を優先するという方向性でいかがかということが書かれていると思うんです。この点は、ご異論のある方いらっしゃいますでしょうか。これは方向性として、皆さん、これまでの議論の中ではお認めいただいているのかなと思うんですが。もしよろしければ、じゃあ次にいきたいと思います。
 (2)は発生抑制、基本的にはこの委員会で議論している一つの理由は、食品リサイクル法で発生抑制が十分ではないんではないかと、もっと進める必要があるんではないかという問題意識があると思いますが、その中で政策手段として発生抑制の目標を切り出して別な目標、個別の目標として別途設けた方がいいんではないかという、かなり具体的な提案ということになるんですが、この点に関してはいかがでしょうか。ご意見いただきたいと思いますが。はい、どうぞ。

【崎田委員】 今の発生抑制に関してなんですが、生活者の側からいくと、やはり大切だと思いながら実際にはどのぐらいやるとどういう効果が出てくるのかというのがなかなか見えにくいもので、そういう意味では非常に目標値をつくるとか、そういうのは大変難しいとは思うんですが、何らかの行動が数値として評価されたり、出てくるようなそういうものがあるというのは大変動きとしてはありがたいものだというふうに感じております。皆さんのご意見、ご検討でそういうものが出てくればすばらしいと思っております。

【石川座長】 どうもありがとうございます。目標切り出しにご賛成というご趣旨のご発言でしたが、ほかにいかがでしょうか。
 はい、どうぞ。

【伊藤委員】 考え方としては、発生抑制を第一にするというのはもう当然のことだとは思うんですけれども、何をもって発生抑制とするという基準がなかなか不明確でありまして、今その事業所で出ているものがその対策をしなかったら、本当はどれだけ出るというような考え方が基本でしょうが、製造過程で出るものや過剰生産品、お店での廃棄の部分、または家庭での問題など、各段階で多種多様な方法がありますので、発生抑制と言葉で言うと簡単ですが、実際の具体例を少し考えていかないと目標の設定はなかなか難しいかと思います。食品リサイクル法の対応においても、発生抑制というより、他の手法で20%を達成していることが多いですから、数値で表すこともなかなか難しいことかと思います。

【山田(久)委員】 食品関連事業者の側の問題としましては、この効率化というのは直接コストに響いてくることだから、日常的に努力しているわけですよね。例えば、食品の商品をつくる場合でも絶えず努力しているんだけども、問題は消費者が食べ残しとかそういうことについて、(6)にあるんですけど、消費者の食べ物を大切にする意識ということをいつも言われるんですけど、テレビとかマスメディアでこれだけこの欲望をあおるコマーシャルを打ちながらね、どうして消費者が食べ物を大切にするということができるのかということが、これ根本的に考えなきゃいけないことですよ。
 それに従って、こういう問題をマスメディアにどういうふうに協力してもらうとか、コマーシャルをつくることについてどう考えるかというようなことも根本的にやっていかないと、これは消費者の意識を、欲望を一方であおり立てておいて消費者に物を大切にするなんてことは根本的に間違っている話ですから、いわば市場原理がすべてだという論議をやっていますと、そういった商品を売る自由があるからいいじゃないかと。そういうふうにやって、教育とか食育とかいって、小さな単位で食べ物は大切だからとやったって意味がないんですね。そこら辺に切り込むようなことをやっていかないと、食品関連事業者の要するに努力というのはもう既にやっている話であって、もう限界に来ているというか、これだけ非常に経済の競争が厳しい中では、ロスをなくすための努力というのは限界までやっていると思うんです。その中で発生抑制をどうするかとなると、もう一歩踏み込んだ違う角度のものをやらないと、どうしようもないんじゃないかと思います。しかし、発生抑制は大事ですから、その辺をどうするかというところで、意見を聞きたいところあります。

【石川座長】 すみません、確認したいんですけれども、ここでは発生抑制の目標を切り出すという案が書かれているんですが、その点に関してはご賛成ですか。それはいいんですか。

【山田(久)委員】 それはいい。いいんですけど、発生抑制、消費者の問題を言われたから、だからその分だけ。

【石川座長】 ここはまだ消費者がというよりは、具体案を見たところ、消費者に対するという視点は具体的には書かれていなくて、企業に対する売り上げ当たりの発生量でどうかというのが例示されているだけですが、それはよろしいですね。
 はい、どうぞ。

【山田(正)委員】 むしろ皆さんのご意見は、ここではどちらかというと、事業者に対する目標が書かれていますが、消費者に対する何らかの目標が必要なんじゃないかということだと思うのです.目標が適当かわかりませんが、啓発などだけではなくて、何か行動の目印になるものが必要であろうと思います。

【石川座長】 はい。どうもありがとうございます。
 先ほどからのご意見ですと、ここは事例が製造業、もしくは産業側だけなんですけれども、消費者に対する発生抑制策でしょうかね。それが目標という形かどうかわかりませんが、そういう視点が必要だということかと思います。あと、ちょっと戻って、伊藤委員のお話は発生抑制、目標を切り出すのはともかくとして、技術的に困難ではないかというご意見だったかと思うんですが、ここに具体的に、例えば売り上げ当たりの発生量ですね、減量とかそういうことやる前の発生量ということなので、数値的にはとらえられると思うんですけれども、それではまだ問題があるんですか。

【伊藤委員】 業種などどこまで細かく考えるかなんですけども、同じ業種でもつくるものによってその発生率というのは変わってきますので、この数字のとらえ方を少し検討する必要があるかと思います。私のところはコンビニエンス向けのお弁当などをつくっているんですけれども、そのアイテムが変わるごとに発生率というのが変わってきます。例えば、サンドイッチでは野菜サンドの生産が増えるとレタスがたくさん出ますし、卵サンドが増えれば既に一次加工されたものを使いますのでほとんど出ないのです。

【石川座長】 はい、わかりました。私もこれ、下の方のもっと具体的な方策のところにトップランナー方式というのが出ていまして、これを調べたことがあるのである程度感触はわかるんですが、多分こういうことをやっていくので一番難しいのは、どの範囲内でカテゴリーを決めて、目標なら目標をつくるかというのが難しいとは思うんです。つくるものはごみと全く関係なく決まっていて、それに対して発生抑制とか減量の努力をするというふうに考えると確かに難しいんですけども、ごみは減らさなきゃいけないって全く別なロジックがありますから。消費者から見てこれは同じカテゴリーと思える。ごみの発生とか見ても、余り変わらないんじゃないのというようなカテゴリーでくくって、目標をつくるというのはそれほど違和感ないんじゃないか。つまり、影響はあるんでしょうけれども、それならその目標にしたがって出すレシピを少し変えていただければ、それでもいいんじゃないのかなという気も私はするんですが、いかがでしょうか。

【伊藤委員】 おっしゃるとおりですが、一律ぽんと売り上げと抑制率という考え方じゃなくて、先ほど言いましたように、どのぐらいの業種に分けて考えるかその区分によって細かく対応するような考え方でしたら、十分いけると思います。余り大ざっぱにくくっても、無理の出る業種も出てくるかと思います。

【石川座長】 どうもありがとうございます。たしかに実際にもしこれやるとなると、そこがかなり難しい、難しいというか手間がかかるところになるかもしれません。ただ、ここは一応方向性で全くできないことかどうか、技術的にできるかどうかという程度ですので、私自身はやってやれないことはないのかなという気は少ししているんです。
 ほかに何かご意見ございますでしょうか。もう議論は、(3)の方に入っていますので、(3)の具体的な話についてもご意見いただければと思いますが、いかがでしょうか。ここに挙がっている方策、例示として挙がっていますから、重なりもありますし同じような部分もあるんですが、主に情報公開、誰に向かってどういうふうにするかということと、その詳細な判断基準をつくることがいいとかいうふうなことが書かれているんですが、このような考え方はいかがでしょう。ご賛同いただけますでしょうか。

【崎田委員】 これは今、この(3)は、例えば具体的に言うと、スーパーとかコンビニなどでいろいろな食品を加工しておいしいものにつくってくださって、でも売れ残りを大量に捨てなきゃいけないとか、例えばそういうところを想定している、そういうことも入っていますよね。そういうことを考えると、もちろん努力されている企業もふえていますけれども、社会全体から見ると、やはり非常にまだむだというのはあると思いますので、そういうところを大切にしなきゃいけないんだよ、大切にしていこうよという明確な意思を社会全体に出していくということは重要だと思いますので、やはり既に取り組まれているトップランナーのいろいろな事業のやり方をきちん生かして参考にさせていただきながら、そういうことを社会全体で教育するというのは大変な重要なことだと思っています。

【石川座長】 はい、ありがとうございます。ほかに。はい、庄司さん、それから酒井委員お願いします。

【庄司委員】 目標を設定するのは非常に大切なことですね。それで、いわゆる食品廃棄物、生ごみ系の廃棄物でも産廃系と一廃系とあるうち、一廃系の方のむしろ問題のことなんですが、やっぱり目標を設定して、ここに報告とか公表とかということとも関連してきますけども、特に一廃系のこういった目標というのは、消費者の動向との関係が非常に密接なわけですね。事業者の方も、消費者の動向を見ながらいろいろ商売上の目標数値をつくってやっているわけです。非常に難しいとは思うんですが、こうした目標、特に事業系の一廃に関しては、システムとしてつくるのは難しいことはよくわかっていますけども、消費者と共有するような目標、そういう設定の方法を何か考えていく必要があるのかなというふうに思います。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございます。目標のつくり方というところで少し新しい視点のご指摘かと思います。
 じゃあ、酒井委員お願いします。

【酒井委員】 庄司さんの意見と同じ種類のことですけれども、山田さんも言われましたが、消費者の指標をやはりちゃんと対で示す必要があるんではないかと。事業者のみにこういう指標をつくって、そして判断基準まで置いて、まして公表までするというシステムを目指すのであれば、やはり消費者側のある種の目標をちゃんと指標をつくるほうがいいということです。ある種の家庭内のマスバランスに対しての一つの物の見方、標準世帯に対するある程度あるべき姿を示して、それが現状に比べてどの程度家計に効果があるのかと、これだけ助かるんですよということを含めて、そういう意味の指標を作成して、ワンセットで示していくべきではないかと思います。
 ちょっと先の話、6番のところで食べ物を大切にするというこの理念、観念論だけでちょっととどまっていては、これは事業者の方もなぜ我々だけがというふうに言われるのはこれはごもっともだというふうに思います。

【石川座長】 はい、わかりました。先ほどからのご意見では、消費者に対する政策手段というのが少し具体性に欠けるということでしょうかね。(6)のところは推進規定みたいになっていますから、もう少し具体的なものを考えた方がいいというご指摘かと思います。対になるような、はい、わかりました。
 ほかの点で何か、それ以降(4)から(6)までいかがでしょうか。よろしいでしょうか。もしよろしければ、一応次の2.肥料化・飼料化利用等のリサイクルに関してお話いただきたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。1の点で発生抑制の方を優先する、それから目標を切り出すと、切り出して政策手段を打つということに関してはおおむねご賛同いただいているかと思います。そういう意味では、ここのリサイクルというのは抑制したけれども、なおかつ仕方なく出てきてしまったと。そういうものに関して、今度はさらにリサイクルを頑張ろうと、そういう趣旨の部分です。この点に関しては、いかがでしょうか。(1)から。まず最初に方向性として、リサイクルもっとふやそうというのはよろしいですよね。今やり過ぎだという方がいらっしゃったら、また別ですが。

【山田(久)委員】 聞くところですね、例えば今、化学肥料から有機性肥料への移行が望ましいと言われているけれども、化学肥料のメーカーはどういうふうに思っているのかですね。それから、例えば農業でも僕聞いたことがあるんですけども、要するに実際に化学肥料を有機肥料にかえようということで農家に話に言ったら、農家の人が有機肥料は臭いで嫌やと、こう言うわけですね。我々は、お百姓さんというものは、もう臭いのは当たり前だと言うんじゃなくて、今はもう既に変わっていまして、本当に農家に従事する人も臭いのは嫌なんですね。ただ、有機肥料は臭いと。ところが、化学肥料は全然臭くないからそっち使うんだと、こういう話なんですよね。
 そういうことで、今度化学肥料か有機肥料ということを我々が供給側がしゃべっているんじゃなくて、農業を実際にやっている、今ループなんかでやっているのだけじゃなくて、大規模にやっている、例えば全農だとか、こういう化学肥料を大きくやっている人たちの意見と、それから化学肥料をつくっている人たちに、あなたたち化学肥料じゃなくて有機肥料に変えたらどうなんやと。そうすると、彼らの中でどういう問題が起きるのかということを考えていかないと、結局こういうことをそういう人たちとリンクしていかないとだめじゃないかなと。それじゃあ、どうしたらいいのかということをちょっと聞きたいんですけど。

【石川座長】 今ご指摘いただいた点は、(4)とかリサイクルループをつくってやっていこうと。これまでもいろいろご議論いただいた中で、ごみ処理としてのたい肥化というんでしょうかね、そういう発想でつくっているだけではうまくいかないという点は、ここでご議論いただきまして、皆さん合意されているんだと思うんです。ですから、そういう意味では懸念はないのではないか。一方的につくって、押しつけようとは思っていないわけですよね。

【山田(久)委員】 いや、これは単に化学肥料メーカーとか全農の人たちも入ってくるというふうになるということ。

【石川座長】 それは、いらっしゃればよかったかもしれないんですが、今さらもう遅いんで仕方がないかと思います。総体的にフィールドが近いという意味で、犬伏委員に。

【犬伏委員】 化学肥料メーカーはかなり厳しいんですね、今。ですから、少しでも売れればいいというふうに思っているだけじゃなくて、そもそも構造を改造しなきゃいけないということはあると思います。だからといって、たくさん化学肥料をやりなさいというふうな形では、もうまかり通らないということもよく知られていることだと思います。
 それからもう一つ、農家の側で化学肥料か有機質肥料かという、もう置き換えられないということもかなり浸透していると思います。つまり、化学肥料というのはあくまで養分的な供給、重点的ですので、それ以外の土づくりですとか、生物性、物理性に関しては化学肥料では絶対できないということもよくわかっていると思います。そういう意味で、農家とのリンクということで、例えば具体的においがするから嫌だというようなことであれば、においを抑えるような、あるいは扱いやすいようなペレット化にするとかそういうような技術もありますので、そういったものをうまく組み込んだ形で従来型の単なる押しつけではなくて、やはりうまく使えるようなものにしていくというようなシステムを全体を構築することが重要ではないかと思います。

【石川座長】 どうもありがとうございます。よろしいですか。ほかにこの点いかがでしょうか。はい、どうぞ。

【川島委員】 方向は私はいいと思うんですね、使っていくと。ただ、現実の方向で見たときに、1の方の論点整理でも124万トンは最低受け入れがあるというような論点整理になっているんですけど、これは日本の農地が500万ヘクタールぐらいあるという資料から推定したものなんですね。ところが、現実に作付面積という方で推計していくと、私は300万ヘクタールぐらいと思っているんですね。要するに、もう休耕田もあるし耕作放棄もあるしということで、日本の農地の6割ぐらいしか現実には使われていないというところなんですね。この方向が次の10年、20年を考えたときにどうなっていくかというふうに考えれば、私はやはりシュリンクしていくんだと思うんですね。それはいろんなことで自給率を上げようとか、政策手段をもちろん打っていますよ、そのことについて。だけれども、冷静に考えればやはりその担い手がいなくなるという、昭和一桁がいなくなるという状況も次の10年で起こっているんで、なかなかそう簡単に今、農水省の方でも4ヘクタール以上持っている人に集中的に補助金なんかを入れるというふうに制度を変えていくというのを今やっているんですけど、私は劇的に効くとは思わないんですね。徐々に政策手段で変わっていくというふうには考えていますが。
 そうすると、ヘクタール当たり、例えば100キロから200キロとしても、窒素として必要な量というのは60万トン、70万トンだと私は思っているんですね、次の10年、20年を考えたときに。それで、先ほどから犬伏先生もおっしゃったように、化学肥料メーカーも今40万トンぐらい出していて、それでもなかなか苦しいよと、先ほど意見がありましたが。それで、なおかつ農家は高齢化が進んでいくわけですよね。そうすると、なるべく重いものは持ちたくないし、臭いとかいろいろなことでもなるべく簡単にやりたいわけですね、もう。そうすると、なかなかここで、方向としては土づくりとかいろいろなことはあるんですけど、なかなか現実にはそうは進まないと。これは現に犬伏委員なんかもよくご存じのように、リサイクルのものをつくっても大体そこでとまっちゃっていて売れないわけですね、余っちゃっているというのが現状で、なかなか市場のメカニズムにこれを乗っけていこうとすると、恐らくこれ補助金でも大量につけるか、何か妙なことを考えなきゃいけないようなことになっていくと思うんですね。私は決して水を差すわけではないですけど、現実はなかなか、かけ声と理念だけでは進まない方向に、違う日本の経済の方は私は動いているんだという実感を持っています。そういう認識にいます。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございます。川島委員からは今マクロの視点からどのぐらいできるんだろうというお話をいただきました。かなりたくさんをここで処理すると、流すということは難しいんではないかというご指摘かと思います。
 ここの資料の方に戻りますと、飼料化・肥料化を今以上に方向として伸ばすという点に関してはご賛同いただいていると思うんですけれども、次のクエスチョンとして、じゃあ何十万トンやれると思っているのという話になると、これ実は農政ですね、日本の農業政策と基本的な肥料ですから、骨絡みになっているわけですね。それをこの場で、ここをこうするというふうにもできることではありませんし。一方で、これまでご議論いただいた中ではその点に関しては、それを利用するサイドとちゃんとループをつくって、後ほど出てきますけども、顔の見える関係でやってくださいという趣旨のご提案だとかがあるわけです。
 ですから、議論の全体としては、ここで議論してきたことは整合性はあるのかなと思います。川島委員からのご指摘で重要な点は、整合性はあるんだけれども、それでかなりな量が解決できると思うのは楽観的過ぎるんではないかというご指摘かもしれないと思います。ここでは、まだ関係してくる点とすれば、リサイクル目標の設定かなというふうに思います。切り出すという話も含めてなんですけれども、リサイクル目標を切り出して、かつそれを非常に高いハードルに設定すると、供給側はどうしてもリサイクル、発生抑制をしてからリサイクルしなきゃいけないんですが、生産される飼料とか肥料、飼料にならないものは肥料ということになりますが、たくさんできてしまう。一方で、受け入れが困難になるんではないか。顔が見える関係で、受け入れる量には限界があるんではないかと。特にリサイクル目標との整合性の問題でしょうね、きっと。そこで問題が起きるんではないかというご指摘かと思います。そうすると……、はい。

【山田(久)委員】 先ほど言い忘れたんですけど、前に川島先生でしたか、畜産ふん尿の問題が非常に大きくなっていて、この畜産ふん尿を何とかしなきゃいけないんだと。これ産廃指定になったけど、実際の処理実態というのは非常に怪しい実態が続いているわけですね。これについては、これを何とかするということが、農水省の方でこれを、今の現在の畜産ふん尿を何%、何トンたい肥化するという政策がもしあったとすると、先ほど座長がおっしゃったようなリンクをきちんとやっていかないと全く破綻を来すというような事態になってくるんで。以前あったのは、1つの例で言いますと、農水省は間伐材を炭にするという政策を一方でやると。これ環境省の方が解体木くずを炭にするという話をすると。これは環境省がやったわけじゃないけど、都道府県の段階で。そうすると、全然ちくはぐでそれぞれがやるものだから、両方とも破綻しちゃうみたいな話が実際にあるんで、そこら辺のリンクも合わせてきちんとやっていくべきじゃないかと、それだけでございます。

【石川座長】 どうもありがとうございます。この委員会は農水の方とも事務局同士では話をしながらやっておりますし、委員も重なっている方いらっしゃると思います。そういう意味では、多分もしリサイクル目標を切り出して設定するということになると、農水の政策とも当然整合性を必要ですから、話はできるんだろうと思います。ただ重要なご指摘は、川島委員からのご指摘はリサイクル目標を設定するときに、受け入れ側の都合もかなりきくんではないかと、そちらの制約が大きいんではないかというご指摘かもしれません。目標を設定するということ自体はいかがでしょうか。

【川島委員】 方向性は私も間違ってないと思うんですね。でもなかなか、先ほどから何回も申し上げましたが、うまくいかないんだと。それは山田委員からいいご指摘だったんですが、生ごみをたい肥にもっていくというのは結構大変なんですね。分別もしなきゃいけないし。それで、畜産ふん尿がここでも書かれていますが、70万トンぐらいあるんで、あちらの方がはるかに均一なものが出てくるんですね。まずそちらの方がより安全であろうと。生ごみの場合、例えば乾電池なんかが入っていることだって可能性はゼロではないですよね。そうすると、それが水銀汚染とか何とかということを考えると、やはりそちらは優先した方がいいんじゃないかというふうに私は考えます。
 もちろん、だからといって、生ごみの努力をされている方の水を差すわけではありませんが、一律的に国が号令で進めるというのは余り適切ではないだろうなと、全体の趣旨を考えたときには考えております。

【石川座長】 そうすると、それは目標をつくらない方が、むしろいいということですか。

【川島委員】 いや、そこについては、やはり何か目標があった方がいいんでしょうけど。よく慎重につくらないと、妙な目標になっちゃう。

【石川座長】 食品リサイクル法の目標は減量、乾燥、脱水でもいいというふうな話にはなっているわけですよね。そこのところを最初つくったときはいろんな手段があって、脱水まで含めて20%というふうに現在なっているわけですが、発生抑制は別にこれにさらに発生抑制最低幾つで出しましょうという話にはなりました。じゃあ、リサイクルについてどうするかですね。出したときに、それがかなり受け入れ側の問題であるとか、どうでしょうね、目標としてかなり低いものになってしまう懸念があるということなんでしょうかね。特に都市ごみからのものが低くなるかもしれないということですか。これは一応法律では関係ないですよね。事業所サイドから出るものであれば、現行もやっていますし、個別の問題はわかりませんけれども。

【川島委員】 いや、肥料に持っていく場合は、私の意見ですけど、かなりモラルの高いグループがやらないと、やはり妙なものが紛れ込む可能性が高いわけですね。それはお百姓さんもすごく嫌がるわけですよね、自分の土地に例えば水銀とか妙なものが入ってくると。ですから、そういう非常にモラルの高い消費者グループなんかが自主的にやるのはぜひ進めてほしいけれども、何でもかんでも一律にやれということで、それがある意味で事業化されていくと、妙なものが混じって後で妙な問題を起こすというようなことはあると思うんですね。その辺は非常に柔軟な対応を私はとるべきだと、この問題については思っています。

【石川座長】 はい、わかりました。それはこれまでも議論してきたことだと思うんですね。ですから、顔が見える関係でやってくださいという話をしているわけですので、多分そういう意味では余り問題ないのかなと思います。一方で、消費者サイドの話は、先ほどからそちらに話が行ってるんですけれども、食リ法ということからいくと関係のない話なんですね。スコープの外側なので必要なことですけれども、ここで書かれているのは食品リサイクル法みたいなものを考えたときにどうするかということなので、一応話はちょっと違うということになるかと思います。はい、どうぞ。

【山田(正)委員】 たい肥化や飼料化は、量的にはそれほど取り扱えません。その原因の1つは、受け側の都合もございますが、もう一つは供給側の都合もあって、そもそも生の状態で,そんなにたくさん動かせるものではないです。都市ごみのたい肥化は、いろんなところで明治からずっとチャレンジしてきたんですけども、結果的にそんなに大量には動きませんでした。使えるところしか動かなかったというのが歴史です。ですから、何%とか出す側の数値目標を立てるとおかしくなります。例えば受け側で何%ぐらい使ってくれるというような、目標にしなければいけないのじゃないかとい思います。
 もう一つは、情報提供という話について.実は最近ごみを飼料化する研究などをしています.いろいろ実情を聞いてゆくなかで、ニワトリに卵の殻を食わしてはいかんと言われました。昔よく食べさせていたのにどうしてかというと、狂牛病の流れで共食いは絶対にいかんということらしいです。要するに、つくる側のクオリティの情報というのはどんどん移り変わっているので、出す側で幾ら情報をつくっても、追いつけないなというようなことを感じています。この辺の、誰が情報提供をするのかというところを,もう少し論点や政策の中に考えていただきたいなと思います。

【石川座長】 それは(3)のたい肥事業を明確にするという意味の情報提供ですか。

【山田(正)委員】 そうですね。

【石川座長】 わかりました。ちょっと議論が拡散しつつあるんですが、どうぞ。

【中井委員】 リサイクル目標値を設けるかどうかということについての件なんですけども、ここにさらっと書いてあるように、全体の中でリサイクルの目標を切り出すという、そしてまた、目標を設けるということなんですけども、私がこれは大変現実には困難なことが予想されますけども、方向として目標を設けるという方向性は賛成だと思います。ただし、現状で肥料・飼料化あるいはメタン製品というのは非常に限られた食リ法の中でのリサイクル手法ではなくて、例えばエネルギー化も含めた新たなリサイクル手法全体の中で議論していかないと、それが安易に、今皆さんから発言されていますような肥料化・飼料化というところに行ってしまうのでは問題があるんではないかと思います。

【石川座長】 はい、じゃあ山口委員どうぞ。

【山口委員】 ちょっと前に戻るかと思うんですが、発生抑制に関しまして一つこういう切り出しをされるということに対して、賛成だという前提で意見申し上げたいんですけど。現実の問題を見てみますと、発生抑制を考えていくときにも、流通の仕組みそのものをもう一度見直すような根本的な問題もある。例えば現実の問題として、リサイクルセンターなり廃棄物の処理の場所にどういう条件で物が返ってくるか。牛乳なんかですと、大体製造日から3日ぐらいで返ってきます。それから、パンについても大体製造日から3日ぐらいで返ってくる。逆に言うと販売する、例えばスーパーでもコンビニでもほとんど変わりないと思うんですが、大体2日間ぐらいの販売というものを製造からめどにしてやっていくと。こういうことが現実の問題としてあるわけで、そういうことをもう一度考え直さなきゃいけない。消費期限というものをきちっと、どのように日常の食生活の中で考えていくかというようなことを、消費者に対する教育もし直さなきゃ多分いけないだろうということがあるんだろうなというふうに思います。
 ですから、切り出しをして発生抑制を売り上げ対比、どれぐらいの数値に今後設定をして、それに対して取り組むかということを考えていくと思いますけども、具体的にどのように進めていくかといった場合にはそういう点を考えなきゃいけない。これは食品のメーカー等の場合でもかなりある。例えば今ちょうどお中元のシーズンに入りますが、お中元のシーズンが終わると物流センターには大量の返品が返ってくると。ですから、生産の現場では動脈の生産に伴って出てくる副産物である食品残さ等々は比較的うまく計画的にリサイクルなり商品化されていっている、再利用されている。しかしながら、コンシューマー商品として出ていったものが返ってくると、これは最終的には鮮度があろうがなかろうが、全部産廃として一括処理をされていると。こういうような現実があるということを踏まえて、発生抑制ということをきちっと考えていかなきゃいけないと思います。
 それから、リサイクルの問題に関しましては、1つは例えば食品残さというものが、先ほどから出ている農林省の飼料化行動会議等でもかなり内容的に区分されているというか、分析がされてきています。ですから、先ほど川島先生がおっしゃいましたけども、肥料にするのであれば単一の素材原料で分析がきちっとできているようなもの、例えばふん尿ですね。大量に出されている養豚家のところで、ふん尿をベースにきちっとつくるとかという方がはるかに品質も安定するし、品質もいい。そうなれば、いわゆる利用が生まれてくるし付加価値も高くなるから、実際に経済的な効率という点からも、流通の仕組みの中に乗っていくと。
 えさについても、多分同様だろうというふうに思うんです。廃棄される残さ等々を改めて整理を分析をして、実際にえさになる可能性のあるものがこれぐらいあるんですよと。こういう出方をしているものをこういう管理をすれば、えさになるんだろうなと。それからまた、肥料になるという可能性がある部分があると。その一方で、受け皿としてこういう形のいわゆるネットワークが組めるというような形で目標をつくっていくべきじゃないかなと思います。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございます。具体的な目標設定作業を想定されたご発言だったかと思います。流通業、製造業でそれぞれ問題があるということを例示していただきましたけれども、恐らくこれは目標をつくるというのは、たい肥に関しては受け側の問題もあるということをご指摘いただきましたけれども、かなり手間のかかる作業であるということは皆さんご認識いただいているかというふうに思います。ただ、ご発言いただいた方は、方向性として目標を持つことは重要であるということでは皆さんご同意いただいているかと思いますので、もしよろしければ、ご意見なければ次に進みたいと思いますが、いかがでしょうか。また何かございましたら、戻ってきても大丈夫だと思います。
 それでは、3番のエネルギー利用に入りたいと思います。この点はいかがでしょうか。最初の方向性としては、生ごみ等の食品廃棄物の安定・確実なエネルギー利用はというところで、地球温暖化対策にもなるということでこれを推進しようというふうに書かれている点が重要な点かなというふうに思います。以下、3つに分けて書いてございますが、この点に関してご意見いかがでしょう。はい、堀尾先生。

【堀尾委員】 先ほどから来の議論にも関係するんですが、そこの最初の3行の中に、飼料化・肥料化とのバランスというような意味のことも書いておいてもいいのかなという気がいたします。そうしますと当然、前の2のところの(3)リサイクルの中心的な方法としてはというところで非常にそこへウエイトを置かれているんですけれど、いいんでしょうか。私はそちらの方の十分なサーベイをしておりませんのでわかりませんけども、ある程度フレキシブにやれるようにしておいた方がいいんではないかという気がいたします。
 それから(2)のところで、2行目の下の方、メタン化以外にエネルギー利用可能な方法があれば。これは「可能な方法」という意味がもう少しあいまいにならないように、例えば「メタン化以外に効率のよいエネルギー利用を促進する方法があれば」といったような書き方をされた方が、いろいろな技術的な可能性はございますので、ある程度目標をはっきりと示すことになるのではないかと思います。
 それから、ついでにエネルギーに関連しまして、固形燃料化が提案されているわけでございますけれども、安全性のところで、これは次の議論になるんですけれども、燃料製品化の安全性の問題も入れておかなければいけないのではないかと思います。ここでは次の4の(5)のところに、農地あるいは食品廃棄物をリサイクルしてという項の中に入っているのかもしれませんが、固形燃料の重金属というのは結構今後問題になると思います。それからもう一つは窒素ですね、窒素自身も、分散型でいろいろ利用される場合には、窒素酸化物が出ることも予想されますので、その辺をご検討いただきたいと思います。

【石川座長】 はい、ありがとうございます。幾つかご指摘いただきましたが、最初の点が大きな問題ではないかなというふうに、まず思いますので、この点に関して皆さんのご意見いただきたいと思います。どうぞ。

【酒井委員】 肥料化・飼料化とのバランスを考えようと、これはごもっともだと思いますが、このエネルギー利用のところに特出しでそのバランスを主張するのは少しやっぱり場違いであるというように思います。入れるべきところとしては、横断的事項の一番頭に全体の統合、インテグレーションの必要性を明確に1つ起こしていただくというのがいいのではないかなというように思います。地域の全体システム構想を的確につくること、そして柔軟な各方法の調整を図ることといったような視点で、4の横断的事項の頭に書くのであれば賛成です。エネルギーのところだけそういうバランス論を入れるというのは、そこはふさわしくないというのが私どものご意見です。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございます。この点は、多分根本的な問題を含んでいるんだと思うんですね。リサイクルって何がリサイクルなのかといったときに、エネルギーであろうが、ここで書かれているものだとすれば、えさ、たい肥、エネルギーと大別するとこのぐらいあるんですけれども、それを全く横並びにして、何かある種の指標で優れているものなら何でもやっていいんだよというふうなスタンスなのか。もしくは、手法別に優先順位をつけているのかと。この席では、さらに上位概念として発生抑制は優先するということに関してはご同意いただいていますけれども、残ってどうしても出てきたリサイクルと、この中で幾つか手法があるわけです。大別して、えさ、たい肥、それからエネルギー、ほかにもあるかもしれません。おおむねこの3つぐらいかと思います。これの取扱いという意味かなというふうに思います。
 堀尾委員からのご指摘は、エネルギー利用でも効率の悪いほかの手段、その効率って何で測るかって問題があるかもしれないから、何か統一的な手法をつくって、そこまでのご指摘ないんですけれども、バランスということからいけば、そういうふうに解釈できるのかなというふうに思います。
 今、酒井委員からのご指摘はエネルギーのところにそれを書くのはおかしいというご指摘で、それは私もそのとおりかと思います。ただ問題は、えさ、たい肥に関しては好ましい優先順位はあるだろうというのがご同意いただいていると思うんですが、エネルギーをどう扱うかという点についてはまだちゃんとした議論はされていないんじゃないかなと思います。いかがでしょうか。まずエネルギー利用に関して、3番目の優先順位であるというふうな形で別扱いとするのか。それとも、ほかで悪いものよりはよいエネルギー利用があり得るんだから、そういうのをつぶさない方向の方がいいという、堀尾先生のご意見はそうかなとちょっと推測したんですが、そういうスタンスをどこかに残すのかということだと思うんですが、いかがでしょうか。いずれにしても、書くとすればもっと前の方に書いた方がいいと思います。じゃあ、伊藤委員。

【伊藤委員】 エネルギー化を含めたリサイクル手法の関係についてなんですが、たい肥ですと土壌における窒素過多の問題があることと、いきなり食品残さをたい肥化するのは、もったいないものがあると。先ほど山口委員がおっしゃったように、えさに向いているものはこういうものがありますという分析結果を公表いただき、まずえさに持ってくものは持っていくと。家畜がそれを食べてふん尿が出ると、それがたい肥に行くわけでありまして。あとメタン発酵にしても、発酵残さを固液分離して個体の方はたい肥に行くわけで。ですから、飼料化、メタン化した残りのものはたい肥に行くわけであります。つまり、自然の流れから考えますと、いきなり生ごみに入っている糖質ですとかの有効成分をたい肥として分解して、水と二酸化炭素にするよりはメタン菌でエネルギーへ変えると。あとはえさにして、家畜の体に変えるということが効率的であり、私としては飼料化・メタン化でそれで残ったものがたい肥化というのが、何か全体としては自然の流れのような気がします。

【石川座長】 はい、ありがとうございます。今のご指摘は、エネルギー利用の中でメタン発酵を前提にしたお話かと思いますけれども、ですから、一般的エネルギーということとはちょっと違うかもしれないんですが、飼料、メタン、たい肥のプライオリティーであるというご提案かと思います。ほかにこの点に関して、ご意見いかがでしょうか。プライオリティー自体をつけた方がよいというお考えですか。
【伊藤委員】 全体の流れからしたら、そういう方向性があってもいいかなと思います。今はその地域ごととか会社の経営上の問題とかで、やりやすいリサイクル手法が優先的にやられているだけであって、全体の整理がされていないため、たい肥の方にしわ寄せが出たりとかしているのではないでしょうか。

【石川座長】 わかりました。じゃあ、崎田委員。

【崎田委員】 今、エネルギー利用のところに入ってはきたんですが、そのプライオリティーのお話などがあって、先ほどからどういうふうにお話をしようかと思っていたんですが、やはり一律にプライオリティーを考えるというよりは、やはりこの食品廃棄物は非常に地域の特性とか、物による特性というのが非常にいろいろあるんじゃないかなというふうに強く感じています。
 それで、先ほどたい肥化のところで一瞬発言を迷ったことが一つあるんですが、例えば最近大手のスーパーとかデパートとかチェーンで、自分たちのところから出てくるものをたい肥化をして、それを農家で使ってもらってそのお野菜を実際に販売をする。そういうようなチェーンをつくっているようなところも出てきておりますが、先ほど顔が見えるというふうにおっしゃってくださいましたが、顔が見える、あるいは様子がはっきり見えてくるものというのは非常に消費者にとっても信頼感も出てきますし、あるいはみずからもちゃんと暮らしを考えなきゃいけないというふうに考えるのには、非常に重要な要素を持っていると思っています。
 あと、市民自身もそういう輪に自分もかかわっていく、あるいは土づくりにみずからもかかわっていくということも、そういうふうな方向に持っていくのが今、実は社会の流れの中で非常に市民がそういうふうな自然と共生する生き方をもう一回取り戻そうというふうな印象が非常に強く出ておりまして、そういう流れの中で結果的にもっと食料を大事にするとかですね、そういうこととも十分つながってくると思うんで。そういうたい肥化ということに関して、単なるエネルギーであったり、個別のもの以上の有効性があるんだということをちょっと考えといていただければありがたいなというふうに思っています。
 その部分とですね、もう一つ、やはり地域できちんとこう、地域の活性化した状況をつくっていくということにも、非常にそういうたい肥化であったり、飼料化であるエネルギー活用というのが非常に重要なんだということをもう少し、そういう視点もちゃんと強く入れといた方がよいのではないかという気がいたしました。
 あと、エネルギー活用のところなんですが、私今、国土交通省の下水道委員会の方に実はちょっと出させていただいていて、下水道100年ビジョンの中でどういう施策を優先するかというところの話し合いの中で、資源の道をきちんと活用していくというところ大変今重要なテーマになってきていまして、いわゆる下水道汚泥のエネルギー活用というのも非常に、下水道政策ではプライオリティーのトップランクのところになってきておりますので。こちらのエネルギー活用を考える場合に、新しい何か施設を独自にこちらの分野でつくるとかですね、そういうのだけではない省庁連携とか、あと都市再生の新しい方向性とか、そういうことも見据えることがこのエネルギーのことのときには重要になってくるんじゃないかなというふうな感じもいたします。
 ちょっと話が広がりましたが、よろしくお願いいたします。

【石川座長】 はい、ありがとうございます。重要なご指摘をいただいたかと思います。これまで何度もたい肥化、えさもそうかもしれませんけれども、顔が見える関係でループをちゃんとつくって確かなところでやっていこうということに関しては、皆さんご同意されているんだと思います。それを前提にした場合、伊藤委員のご提案というのは、えさ、メタン、それからたい肥という形のプライオリティーということですので、場合によっては、規模はともかくですよ、川島委員から盛んにマクロ的にはたくさんは期待できないというお話があるんですけれども。ですから、少なくとも当面はものすごく大量に流れるとは想定していないんですけれども、それは芽としては非常に重要だというのが崎田委員のご指摘かと思います。私もそう思うんですね。直ちにこれで何かマスとしてすごい改善が行われるとは思いませんけれども、いろんな外部性があって、それは社会にとって重要なことだと思うんですね。それがプライオリティーづけでメタンの後ろになってしまうと、一般論としては、伊藤委員のおっしゃることも首尾一貫していると思うんですが、芽をつぶしてしまう懸念が少しあるんですね。そういう意味ではどうでしょうね。メタンを上にするとなると、これまで顔の見える関係ができればいいねという議論がちょっと悪影響があるかもしれないんですが、何か。

【山田(正)委員】 エネルギー利用のところを見ていて、やや私が違和感を感じるのは、メタンと焼却が一緒になっていることです。これはかなり質が違う利用の仕方じゃないかと私は思います。メタンの場合は先ほど言ったような残さの利用や適正処理を考えなきゃいけないシステムです.また,焼却については,私はいつから生ごみが燃えるようになったんだと、さっきからずっと考えてました.もともと燃えないものを焼却するというのが、エネルギー利用なのかどうか.すなわち,メタンと焼却はかなり性格が違うんじゃないかということです。

【石川座長】 はい、ありがとうございます。それも非常に重要な点でご議論いただきたいと思います。まず最初に、伊藤委員からメタンのプライオリティーを挙げて、えさ、メタン、それからたい肥というふうなプライオリティーを一般的につけたらどうかというご提案があったんですが、この点に関していかがでしょうか、フォローされる方。じゃあ、まず酒井委員、それから中井委員。

【酒井委員】 優先性を変えた方がいいという点をフォローするわけではございません。どちらというと、座長の意見に賛成であります。循環基本法の中で抑制、リサイクルですね、それと適正処理、エネルギー活用を含めた、そういうはっきりとした階層性がもう十分に認知されているわけでありますし、このものに関して、現段階で例外を設けるべきでないというふうに思っております。ただ、循環基本法の中でも、むやみなマテリアルリサイクルを進めることで、温暖化、エネルギー消費等との齟齬があってはならないということは、これは十分認識されて議論されてきた経緯がありますから、そこに注意をするということは絶対忘れてはならないと思います。しかし、抑制、リサイクル、エネルギー活用という、こういうところは、この問題に関しても、原則はこのとおりでいいんじゃないかというふうに思っています。先ほどメタン、たい肥というこういう情報をあえて言われたのは、結局メタン発酵することが後のたい肥のクオリティーにとってもいいという側面も確かにあるわけでして、メタンとたい肥化のところは統合できるんですね。また統合した方が多分いいだろうという方向というのは出始めているわけでして、だからそういうところはマテリアル利用とエネルギー利用というのは統合的活用することでもってうまくいくという側面が出ているという理解をしておけばいいのではないかというふうに思っております。個別の物質フローで原則となる階層性を、優先プライオリティーをぽんぽんと変えるようなことはやらない方が、原則としてはいいのではないかというふうに思います。
 山田さん言われた焼却の違うというのは、ここは確かに現在の文章でも少し違和感があるのが、(2)の(ア)ですか、一般的なエネルギー利用の方法(燃料製品化する方法)という、こういう書きぶりなんですね。ここは少しちょっと誤解を与える部分で、やはり今は燃料製品化ということを考えていくと、移動可能な燃料をつくっていく意味でメタンガスがそれに確かに当たるという側面は少しはあると思うんですが、主にやはりバイオディーゼル燃料とかですね、バイオエタノールといったような、そういう再生可能燃料を目指していくという方向で燃料を製品化、それと別のメタン発酵ガス利用というのがあって、それでまた別の括りを残さ系の熱回収焼却系というのがあるというような技術の整理を、ここで1回しておいた方がいい、それをしておけば先ほど山田さんが言われた指摘にも耐え得るんじゃないかなというふうに思います。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございました。じゃあ、中井委員。

【中井委員】 このプライオリティーということに関してなんですが、伊藤さんは恐らく安易にエネルギー利用という方向に走るのは好ましくないという観点からおっしゃったのかもしれませんけど、リサイクルというのはそもそもやはり地域の特性とか、あるいは業種、業態によって取り組みやすい方法でそれぞれ工夫をしながらやっていくというのがリサイクルの基本だと思いますので、プライオリティーをつけるということについては、私は余り好ましくないんじゃないかなというふうに気がいたします。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございます。そうすると、最初の問題に戻る前に、まず伊藤委員からご意見いただきたいんですが、いかがでしょうか。

【伊藤委員】 皆さんのおっしゃることはわかりました。大きな理念としてのプライオリティーが必要かと思ったのです。実際は、中井委員がおっしゃったように、地域でやりやすい方法がとられるのが現実でしょうから、スタートはそういうやりやすい方法ということになると思うんですけど、4番に広域的・効率的なリサイクルという(3)がありますが、私は、収集運搬の効率ということ意外に、エネルギーの循環として、物質の循環としてどういう手法を組み合わせていくと効率的に社会全体が動くかという大きな理念も1つあっていいんじゃないかなと思いまして申し上げたわけです

【石川座長】 はい、どうもありがとうございます。そうすると、ご議論いただいている中ではかなり話題が広がっているんですけれども、最初堀尾委員からご発言あった点を私がかなり推測して広げてしまいましたけれども、それに戻ってきているような感じも少しするんですね。焼却とメタン発酵を同じに扱うとか、それを整理するためには技術自体を分類する必要があるという酒井委員のご指摘もありました。そうすると、じゃあ何を軸に考えるかという話になると思うんですね。
 エネルギー利用だけを限って言えば、エネルギー回収効率がいいものがいいと。ライフサイクルでの全体を考えて、なおかつエネルギー効率のいいものがいいというふうに考えていいと思うんですけれども。そのときに、じゃあたい肥だとか飼料になっているものとどう比較するか、もしくは比較しないのかというふうな話があるんじゃないかなと思うんですね。この点に関しては、中井委員はなるべく幅が広い手段で選択できる方がよいというご指摘で、最後のご指摘ではプライオリティーは余りつくらない方がいいんじゃないかというふうなご指摘だったかと思います。その点の幅の広い話についていかがでしょうか。多分前提としては、エネルギー利用の中で順位を効率ではかる、これCO?とエネルギーと両方あるんですけれども、それぞれこのぐらいとかというふうなことを計算するのは、これは割合とできることかなと思うんですが、じゃあそれと飼料化だとかたい肥化と比較するとなると、なかなかこれは簡単にはいかないですね。視点としては非常に重要だと思うんですが。

【瀬川委員】 私も中井委員と同じような形で、プライオリティーはあえてつけることはないと思うんです。といいますのは、やはり地域で生ごみをたい肥化して、それを野菜農家のところに持っていって、栽培し、また地域で消費するという循環をしていただいているところもあります。また、例えば藁でございます。これはメタンに向かないといいますか、メタンガスがなかなか出にくいものであります。やっぱりものによって、いろんな処理のやり方が出てまいります。メタン発酵させた後の残さ物、これはまたたい肥になるというようなこともありますし、処理方法にもいろいろな組合せが出てまいります。幅広に見ておいた方がいいんじゃないかなと思います。あえてプライオリティーをつけると、例えば施設をつくるときに、優先順位の高いものから先につくれというふうな話も起こってまいります。あえてそういうものをつくらなくてもいいんではないかなというふうに私は思っております。

【石川座長】 はい、わかりました。この点に関して、いかがでしょうか。はい、じゃあ。

【崎田委員】 プライオリティーをつけないというよりも、私は循環型社会形成推進基本法のもとにある法律だと思っておりますので、大原則というか、大枠としての3Rの徹底と熱回収というか、エネルギー活用というこの流れをきちんと踏まえた上で、この法律も考え、ただしその地域の特性などに合ったときには、また先ほど酒井先生がおっしゃったように、いろいろな皆さんのご検討もあると思いますけれども、そういう今まで培ってきた流れで考えればよろしいのではないかというふうに私は感じております。

【石川座長】 はい、わかりました。それはほかの委員からもご指摘ありましたけれども、循環基本法があって、その中にプライオリティーが書かれているわけですね。具体的には順番が書いてあるだけで、それを具体的にじゃあどうするのかというのが問題になってくるわけですけれども。私がちょっと堀尾委員の発言を勝手に推測して広げた、話題を広げたんですけれども、それの意図はプライオリティーというのは記述するのは簡単なんですけども、じゃあ具体的に政策にするときに、いかなる収率であってもマテリアルはいいとはだれも思っていないんですね。
 そうすると、マテリアルリサイクル、飼料化とか肥料化の歩どまり、もしくは廃棄物の発生率でもいいんですが、そういうので最低限をつくっておいて、これさえ超せばいいんだと、そのときに一番いいのはこれだっていうふうな考え方もあるでしょうし、マテリアルリサイクルは肥料化、飼料化が優先するんだから、そちらの側だったら少々一見効率が悪そうでもいいんだというふうな形で換算計数で調節するとかいろんな考え方はあり得るんじゃないかなと思ったんですね。エネルギー利用もバランスを考えて書いた方がいいというご指摘はそういうこともあるのかなとちょっと思ったので、その点に関しては、ある程度の合意をいただきたいと。どういうイメージなのかというふうなことは合意をいただきたいなと思って、ちょっとあえて敷衍して発言してしまったんですけれども、この点はいかがでしょうか。はい。

【山田(久)委員】 循環基本法と個別リサイクルの方の場合に、この食品廃棄物のあれは口に入るものなんですね。だから特殊なんですよ。だから、これは今バランスを考えてということがあるんで、いわゆる循環基本法の中で優先順位を保ちながらも、食品廃棄物の特殊性というか、口の中へ入るというですね、またフードチェーンの中で動いていくという非常に微妙な問題があるので、それを配慮した取り組みでなければいけないということで、そして、その中で柔軟に取り組むというふうに考えた方がいいんじゃないでしょうか。

【石川座長】 はい、ありがとうございます。それもフードチェーンに戻す場合は、顔が見える範囲内でやってくださいというところで、一応担保されているのかなとは思います。ほかにご意見いかがでしょうか。はい、酒井委員。

【酒井委員】 座長、あえて議論を広げられたというふうにおっしゃいましたけれども、今のこの政策手段のこのペーパー自身はその発生抑制から飼料化ですね、それで利用というこういう立て方にちゃんとなっていますから、そこでちゃんとそこの意図はもう出ているというように読めばいいのではないでしょうか。あえてこの1種類のものに対して、プライオリティーセッティングをどうするという議論のまとめをする必要はないというように思います。ただ一つ書くとすれば、先ほどの地域の事情ですね、そういう意味で利用の方の事情とか、そういうことを考えて統合的にデザインをすることというのを横断的なところに書けばいいと、そういう整理でいいのではないかというふうに思います。

【石川座長】 はい、わかりました。今のご指摘は具体的にじゃあどうするかと。ここでのまとめという形ではおっしゃるとおりでいいのかなと思います。具体的に、じゃあ食品リサイクル法の見直しになったときに、減量も含めて個別企業で20%という非常に単純化して言うとそういうことなんですが、それに発生抑制の目標を別途つくってはどうかというのが1つ、これは合意いただいています。さらに、リサイクルについてはどうするか。また、その中の手段についてどうするかということに関して、今ご議論いただいているわけですが、その点に関しては、深入りする必要はないということですか。それとも別な何か表現というんでしょうか、ございますでしょうか。政策手段ということなので、何かご提案がございましたら。原案の記述に幾つかご指摘いただきましたけれども、でよろしいですか。

【崎田委員】 小さな話なんですけど、すみません。今、最後に座長がおっしゃったときに、ふと気になっているんですが、私は食品リサイクルの今後の展開を見ると、私はその20%という数字は非常に少ないと思っているんですね。それはなぜかと言うと、取り組んでいらっしゃる事業者さんを拝見すると、頑張ってシステムをおつくりになると、やっぱり年々ふえていくというか、ちゃんとこうできていくようになるわけですよね。ですから、逆に20%という数字がどこかが途中から足かせになっていくというかですね、マイナス要因になっていくように私は感じることがあるんですね。ですから、その20%という数字をもう少しちゃんと段階的に上げていくなり、何か私は考えた方がいいなと将来的には思っているんですが、まだそういう議論ではないと思ってあえて申し上げなかったです。すみません。

【石川座長】 ここでは、数字をどうするというところまでは議論するつもりはありませんから。おっしゃる点はそのとおりだと思います。それと、構造的な問題が多分あるんだと思うんですね。個別企業で20%なので、ある意味では非常に厳しいんですね、個別企業から見ると。そうすると、企業ごとに対応が非常に違いますから、対応することができて積極的にやっている企業から見ると、20%なんてもう論外に低いですね、一たんやり始めると。業態によりますが。一方で、やれないもしくはやっていないで、やれない事情があるような企業から見ると、20%でも非常にきついと。だから、個別に責任を置いてしまっているので、なかなか執行は難しい。ただ、全体にしたらできるかというと、また別な問題があるんですけれど。
 エネルギー利用に関して、いろいろご議論いただきましたけれども、特にプライオリティーについて深くこれ以上突っ込んで表現するとか変えるということは要らないということでよろしいでしょうか。もしよろしければ横断的な事項について、これさまざまなことが書かれているんですけれども、そちらに移りたいと思います。こちらに関してご意見、はい、中井委員。

【中井委員】 2点申し上げたいと思います。まず1番の情報公開というところなんですが、ここの文章を拝見しますと、やはり食品関連事業者がリサイクルに取り組むようにというですね、余り取り組んでないのを取り組むようにというふうなニュアンスにどうしても見られますので。要するに、性善説じゃなくて性悪説のように思いますので、こういうことも一面では必要かと思いますが、逆に言うと、きちんと取り組んでいる、いわば優良事例のようなものをきちんと情報公開して紹介していくということも、また一方では必要なのではないかという気がします。
 それからもう一点なんですが、2番のフランチャイズチェーン方式のところですが、下から2行目に個々の個店を総体としてとらえというふうな、以下算定するというふうな表現になっていますけども、これは実は今の食リ法の中でいきますと、実はフランチャイズ方式というのは外食産業もそうですし、コンビニもそうなんですが、実はいろんなスタイルがあって、必ずしもフランチャイズシステムとしてきちんと一体感があるところ、また極端に言いますと、ブランドだけあるいは看板だけ同じだというところも実はあってですね、これを一律にブランドが同じだから総体として算定してしまうということについては、これはちょっと問題があるんではないかというふうに思います。したがって、全体としてこういうふうに算定をしてもよいというのであればわかるんですけども、こういうふうに全体として算定しないといけないというふうなニュアンスであると、これはちょっと現実には大変問題のある内容ではないかなというふうに考えます。

【山田(久)委員】 今、中井委員の関係でお話をしたいんですけども、今のフランチャイズチェーンの食品関連事業者について個々のケースがあるということをちょっと確認したいんですけども、排出事業者責任というのはそれぞれ違ってくるという意味ですか。要するに、ブランドだけとかですね、フランチャイズチェーンとかコンビニチェーンってよくわかんないんですけど、排出者が経営権を持っているとすれば、排出事業所はその店舗にある。ところが本部があって、その本部は一体何をもってそれを排出事業者総体として、これを言ってるのか、それは違うよとおっしゃっているのか。本部は、排出事業者責任はないけれども、仲介あっせんをしているということでおっしゃっているのか、その点ちょっと説明をお願いします。

【中井委員】 今おっしゃったこととですね、全然違う観点で実は申し上げてまして、フランチャイズの形態あるいはその経営の形態がどうであっても、基本的には排出事業者責任というのはこれは認識をしないといけないというのはもう当然のことだと思うんですね。ですから、それを前提としての話なんですが、私が申し上げたのは、例えばフランチャイズ方式の中に、例えばフランチャイザーとフランチャイジーとの関係の中でいきますと、例えばエリアフランチャイジーがあって、その下にまたフランチャイズの個々の店があるとか、それから個々の店が個人で経営する場合、あるいは企業として経営する場合、いろんな実は形態がフランチャイズ方式の中にはあるわけなんですよ。それを一切無視をして、同じブランドであれば一律に全体で算定しますよということについては、ちょっと今の現実の食リ法の運用の中でいきますと、相当ちょっと違うんでないかなというふうなことで申し上げたわけです。

【山田(久)委員】 排出事業者責任そのものは、どういう見解ですか。

【中井委員】 だから、それは先ほど申し上げたように、個店であろうとフランチャイズであろうと、排出事業者責任というきちんとした認識を持つということは、それは当然のことですから。それはもちろん個々に排出する、営業している店舗が負わないといけないし、また企業全体としても持たないといけないということだと思います。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 このフランチャイズチェーン方式は、一般的には本部があって中井委員からいろいろなスタイルがあるということで、実際いろんなスタイルがあると思うんですが、代表的には個々の個店、これは例えばオーナー店をお考えいただければいいと思うんですが、本部とは別にオーナー店があると。ですから、廃棄物処理法で言う排出事業責任について多分、今山田さんはお尋ねになっていると思うんですが、それは当然個店にあるわけですけれども。しかし、その中井委員が言われるように、本部も個店に対して、いろいろとこのフランチャイズチェーン方式ということで、物の売り方ですとか、そういうところをアプローチをしてですね、お互いの関係の中で利益をお互い分け合ってきていると。こういうことから、本部も個店の廃棄物の出し方については、法律上の責任ということではなく、社会的に一定のコミットメントといいますか、そういうことをやっていかなきゃいけないと。これが中井委員の言われたことだと思います。

【石川座長】 いかがでしょうか。フランチャイズチェーン方式のところに論議は集中しているんですが、中井委員からは実態を踏まえると、こういう形で一律に全体をまとめて把握して計算するというのは問題が起こり得るというご指摘ございました。この点に関して、フォローされる意見もしくは反対の立場からのご意見いただければと思いますが、いかがですか。はい、じゃあ山口委員。

【山口委員】 フランチャイズの実際の展開というのは今、中井さんおっしゃったように、例えばコンビニの場合でも加盟店と本部という関係だけで展開をしているところ、それから先ほどお話があったように、エリアの企業にエリアフランチャイズ権をフランチャイズして、そしてさらにそこがその地域の加盟店を募集するなど、さまざまな形があると思います。ここでの問題というのは1店舗当たりということで考えると非常に排出量も小さい。1店舗当たりそれぞれが、個々の店が仕組みづくりをしてリサイクルに取り組むというようなことが非常に難しい。
 こういうときに、エリアフランチャイザーである地域の本部であっても、あるいは全体を取りまとめている本体の本部であっても、そこが中心となって全体をきちっと仕組みをつくり込んでリサイクルを進めていくということを手法として認めていこうということであれば、それは問題がないことではないかなと。逆にですね、例えば店舗数が一定の地域で一定の店舗数があるというふうに全体を把握すれば、例えば10トンとか20トンとかというのは対象の量になるから仕組みがつくれると。あるいは設備が運用できる。あるいは廃棄物業者さんとの取り組みができるというような形になれば、いい結果が出るんではないかなとこんなふうに考えます。

【石川座長】 どうもありがとうございます。フランチャイズの実態に関していろいろな問題が起こり得ると。それから山口委員から、こういう場合うまくやれるようなら、そういうふうにした方がいいんじゃないかというふうなご指摘というか、ご提案だと思いますが。共通するのは、多分全体に、一律にフランチャイズだからといって合算すると決めるのではなくて、全体として対応したいと。個店ではできないけれども、本部ならできるというところがやるのなら、それは許すというか、促進するんでしょうかね、むしろ。その方向がいいんではないかというご指摘かと思います。
 この点に関してご意見いただきたいんですが、私自身はこれ読んでいて思ったのは、フランチャイズであるかないかというのは消費者から見ると何の関係もないんですね。それは供給側の都合でありまして、消費者側から見ると物が、相対的にいいものが安く買えるからその店に行っているだけの話でして、オペレーションの形態が違うからといって、それぞれの店舗でのある種の何か社会的な責任のあり方が区別されていると非常にわかりにくい感じがするんですね。一方で、対応される側がそういうことを想定していない契約関係になっていますから、いろんな形が現実にあって、ここでまとめて合算するとつらくなる人も余りつらくならない人もいろいろあるんだよということもよくわかります。
 ただ、解決しなきゃいけない問題ではあるんじゃないかなという気はするんですね。全体で足すと相当な量出ているんですから、何らかの形でそれはやっていただきたいなという気はします。それがいきなり全部これを合算した形でやってくださいという形なのか、ほかのやり方なのかというのはいろいろ考え方あるのかなと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
 今の形態で私ちょっと矛盾を感じるのは、フランチャイズという形、消費者から見て何にもわからないので、同じようなビジネスやっているのが、直接展開している大規模チェーンとフランチャイズで展開しているところとですね、何かある種法的な位置づけ違っているわけですよね。食リ法の対象になっちゃうか、公表の対象にならないというんですかね。義務はもちろん負っているんですけれども、罰則規定が違うというのが何か気持ちが悪い、感じが悪いんですね、何となく。努力はされているんだと思うんですけどもね。

【山口委員】 容器包装リサイクル法に対しましても、食リ法についても、法律的な文言の読み込みでいけば、独立した地域で税金を払ってご商売されている、そういう位置づけでいわゆる加盟店に当たる個店個店が主体ということになるわけです。ですから、例えば本部会社が、例えば100店舗あると。100店舗あるがゆえに、例えば食料でいえば100トンを年間超えますというと、本部会社の直営店だけを対象にして本部会社は食リ法の履行責任を負うと。ところが加盟店は、例えば1日10キロ出ていても3,650キロ、約4トンですから、これはそういう氏名の公表とかの履行の義務はありますけど、対象にならない。こういうことがあるんですけれども、今座長がおっしゃったように、消費者の側から見るとみんな同じ看板じゃないかと。たくさんあるんだから、ちゃんとそろってやれよという声も当然あるというふうに思いますんで、そういうことに対して、本部企業側がきちっと全体を取りまとめて取り組もうという考えのところと、それから個店個店の問題である法律的にそういう問題であると。ですから、個店に任せるというか、ゆだねるというところと出てくるかなというふうに思います。

【石川座長】 幾つかご議論いただいていますが、ちょっと時間が迫っているんですけれども。はい、じゃあ崎田委員。

【崎田委員】 今のフランチャイズチェーンのところのお話なんですが、やはり座長のお話のように、できるだけこういうことが進むことを目指しているわけですので、やはりそれぞれが同じ一つの仲間として全国展開をして利益を上げている団体として、一緒に同じように取り組んでいただけるような方向で出ていければいいなと思っています。そのときに、その前の情報公開のところなんですが、話が通り過ぎてしまいましたが、私はこういう情報公開のシステムをきちんともう少し徹底させることできちんとやっていらっしゃるところを消費者も理解し応援する、そういうお店に買い物に行くような消費行動をとる、そういうようなことにもつながりますので、こういう情報公開などもきちんとやるようなことと連携しながら、きちんと取り組んでいらっしゃるところを評価するような社会になればいいなというふうに感じております。

【石川座長】 はい、ありがとうございます。情報公開が重要だということと、フランチャイズチェーンに関してはなるべく今よりももっと進むような方向で考えることが必要であると。私も全く同感だと思いますし、また中井委員も山口委員も別にその点に関しては同意いただけるかと思います。いかがでしょうか、ほかの点も含めて。じゃあ、まず山田委員、それから堀尾委員お願いします。

【山田(久)委員】 先ほどから論議になっていることとして、この飼料化と肥料化について非常に高いモラルが必要だということで、今ここに来られている中井委員だとか山口委員のやられている実際の取り組みというのは、すばらしいというふうに僕は思っているんですけども。じゃあ果たしてこの塊として、フランチャイズすべてがいいのかという点は全く疑問なんで、その点をきちんと押さえておいていただきたいと、よろしくお願いします。

【石川座長】はい、ありがとうございます。堀尾委員お願いします。

【堀尾委員】 情報公開のところに絡むんですが、7番の(7)のデータベースですね、このデータベースづくりを進めるべきではないかと、それは結構な話だということになっちゃうと思うんですが、どういうデータベースなのかということについて、できれば限定していただきたい。例えば、まずデータベースをある年つくったと。翌年その年、その次の年というのは、どう対処するんだということになりますよね。ですから、まずそのデータベースというのは持続可能なものでなければいけない。それから、つくったけれども、だれが見れるんだということになりますから、やはり公開されるようなデータベースですね。情報公開に資するようなデータベース。特にこういう食品となりますと、いろいろな主体が関与してきますので、できれば書き込みができるとかですね、相当新しいことを考えていかないといけないんじゃないかと。ちょっとこの文章だけだと、わからないなという感じがしましたので。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございます。データベース、これ多分成分とかいうことを想定したやつなのかなと思うんですが、それでよろしいですか。国環研の山田委員がご説明あったような、かなりテクニカルな話かなと私は思っていたんですが。ちょっと別な話ですよね、情報公開。

【犬伏委員】 5番の安全性ですけれど、よろしいでしょうか。ちょっとここのところは化学物質とか重金属に限定されていますけれども、横断的な事項ということではずっと議論してまいりました、例えば窒素の問題、これ飲み水の安全性にかかわりますので、ここにぜひ入れるべきかと思います。先ほど、どなたか固体燃料であるNOXの関係もあるということです。
 それからもう一つは、炭素ですね。やはり炭素バランスがどうなってくるのか。温暖化防止でどれぐらい寄与できるのか。エネルギー利用のところでもあると思いますけれども、もう少し全体についてきちんと。ですから、安全性から少し踏み出しちゃうのかもしれませんけども、それに関連することでここに入れられるんではないかと思います。お願いします。

【石川座長】 ありがとうございます。じゃあ、山田委員。

【山田(正)委員】 全体のところでぜひ入れていただきたいのは、適正処理処分です。リサイクルすることはよろしいのですが、どうしても余ってしまうものはありますし、何しろリサイクルしているものが生ものですんで、適正の処理と処分というのを最後にちゃんとするとしておかないと、危ないような気が私はします。

【石川座長】 はい、わかりました。幾つかご指摘いただいていますが、じゃあ、崎田委員。

【崎田委員】 別のことでよろしいですか。すみません、横断的なところの中で、(3)なんですが、広域的・効率的なリサイクルというところがあります。ここでいろいろこういう食品廃棄物の運搬をやっている業者さんとお会いする機会があると、本当に1つのチェーンから何か頼まれて、ほかの市町村に持っていくとかですね、そういうときの信頼性を担保するのに大変難しいという話をまだかなり伺うんですね。仕組みはあるはずなんですが、そういうふうに聞くことも多いですので、少しきちんとやっていらっしゃるということを担保する仕掛けをきちんと整えた上で、やはりこの(3)などがきちんと進むことは大事だというふうに思っています。
 (4)のところで、ここで初めて家庭の生ごみというのが出てですね、少しきちんとまたこの辺のこともお話をできる時間があればいいなというふうに思っています。地域の中で、やはり家庭の生ごみというのが残された課題として大変多くなっておりまして、そういう中で市民もどういうふうに自らがかかわりつつ、違う手法をとった方がいいエネルギー回収とかですね、やはりそれなりに今考えられていると思うんですが、そのときにどのぐらいの地域でそれをやった方がいいのかとか、やはりかなりきちんと話していかないと、建物ばっかり全国にまたたくさんできちゃっても大変だと思いますので、少しじっくりとお話をする時間を設けながら、でも家庭の生ごみをきちんと検討に加えていくというのは大事なことだというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

【石川座長】 じゃあ、庄司さんで、すみません、時間がありませんので簡潔にお願いします。

【庄司委員】 今のお話ともちょっと関連しますが、ここのペーパーで言えば、(4)の市町村のシステムの形成のところにかかわるものです。ここに書いてあること、基本的にはこういう形になるんだろうと思いますが、ただもうちょっと細かく市町村の一般廃棄物処理行政に対する、ある種の方向づけを出すという意味ではもうちょっと丁寧に整理をする必要があるのかなと思います。といいますのは、市町村の一般廃棄物の生ごみという点では、家庭系から出た生ごみとあわせて、個々の小さな飲食店、店舗から出るものとがあります。こういったところから出る生ごみというのは、フランチャイズ系の店舗やチェーン店のレストラン系から出る生ごみのように、ある程度の効率的リサイクルシステムをつくれるものとは異なり、そう簡単にシステムはつくれません。市町村で受け入れることも含めて市町村が関与する部分が必要です。
 市町村がこうした地域内の小規模事業者と一緒に効率的なリサイクルシステムをつくるうえでの指針となるような、少なくともその方向性を示すものとなる必要があります。それからあともう一つは、例えば地域なんかの場合、必ずしも効率ということはないけれども、循環型社会づくりというか、環境教育という視点を取り込んだ環境づくりをしていくという意味でのいろいろなシステムが例えば学校単位で農村と連携してリサイクルの輪をつくってやっているとかは大切です。廃食油を地域なりでやってかなり有効にエネルギー化しているとかというようなこともあります。ですから、そういう個々的な小さな、必ずしも効率性という点では適合しないかもしれませんが、そういった非常に小さなものについても1つの自治体としては選択肢がある。また違った意味で、そういったこともあるんだよということを、やっぱりきちっとこの自治体のシステムの中には入れとく必要がある。
 それともう一つは、自治体が他の自治体との連携をやっぱりせざるを得ないと思いますので、ここは地域的計画が、かなり広域的なことができるシステムにはなっていますし、都道府県がこれに関与をしていますので、そういう意味では多少広域的なシステムもこの中では考えていく機会はあると思いますが、もう少し市町村自身がやっぱり連携をしていくという視点が必要なのかなと思います。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございます。予定した時間をもう過ぎてしまったんですが、いかがでしょうか、ここで崎田委員から(4)をこれは一つの事例として挙げられたのかもしれませんが、もっと丁寧に議論することが必要だというふうなご提案があったのかと思います。実は、多分事務局の方としては、今回で一応議論は閉めて最終にしたいという意向があったようなんですが、一応議論は議論ですので、やってみてその成り行きということで判断するというふうなことでした。これで一応一通りは議論はしたんですけれども、ぜひとももっと議論が必要だということであれば、どうしたもんかという話になるんですけれども、いかがでしょうか。ご意見としては一通り最後まで出していただいたかなと思うんですけれども、確かに時間の制約があったので、個別に見ていくと不満が残るところがあるかもしれません。

【崎田委員】 今の庄司委員のご発言、私非常に雰囲気で申し上げましたが、庄司委員非常にきちんとご発言いただきましたので、ああいうご発言だとすると、議論の中に残っていけば大変よろしいのではないかというふうに思っております。あとは、すいません、バイオディーゼルオイルなどの単語がどこにも出てこなかったんで、どこかにそういう最近のそういうのも入ってくるといいなと思っております。よろしくお願いいたします。

【石川座長】 ありがとうございます。それでは、どうでしょうか、限られた時間でしたので、まだ言いたいことが少しあるとか、あとでよく読んでみるとここの表現がとかいうふうなことは幾つかあるかもしれませんが、それは事務局に別途お知らせいただくということでいかがでしょうか。大事なことは、これで一応議論はしたというふうに私は思うんですが、よろしいですか。もしよろしければ、次回最終回ということで、あと事務局から日程調整その他、ご説明いただきたいと思います。お願いします。

【七夕リサイクル推進室長補佐】 次回の日程調整ですが、7月の下旬に行いたいと思います。まことに恐縮です、こちらの都合で7月28日と7月31日、午前、午後でお聞きしたいと思いますので、ご都合の悪い方恐れ入りますが、挙手でお願いいたします。
 28日の午前、都合の悪い方。はい、ありがとうございます。28日の午後、ご都合の悪い方。はい、ありがとうございます。それでは31日月曜日、ご都合の悪い方いかがでしょうか。はい、ありがとうございます。午後、ご都合の悪い方。はい、ありがとうございます。それでは、8月の1日いかがでしょうか。8月1日の午後。2日はどうでしょうか。わかりました。31日の午後、再度確認のために、ありがとうございます。
 皆さんの都合で31日の午後2時から4時に次回を予定させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。また変更等ございましたら後日お知らせしますが、とりあえず2時から4時で押さえていただきたいと思います。よろしくお願いします。

【石川座長】 それでは、どうも時間過ぎて大変不手際で申しわけございませんでした。どうもありがとうございました。

午後12時07分閉会