環境省廃棄物・リサイクル対策廃棄物処理の現状検討会・懇談会生ごみ等の3R・処理に関する検討会

第6回 生ごみ等の3R・処理等に関する検討会 議事録


(平成18年3月2日開催)

午前10時01分開会

【土井廃棄物対策課長補佐】 定刻になりましたので、これより第6回の生ごみ等の3R・処理に関する検討会を開催させていただきます。
 まず、事務局の方から、本日の委員の出席状況を報告させていただきます。
 本日は瀬川委員の代理として、三浦様がお見えになっております。あと、古市委員、山田久委員、山田正人委員、お3名の委員様が欠席でございます。あと、本日半蔵門線が事故ということで、伊藤委員、庄司委員が若干おくれるということでございます。また、犬伏委員は所用で30分程度おくれるという連絡が入ってございます。
 それと、資料の確認をさせていただきます。議事次第と座席表。それと、資料につきましては、資料の1、2、それから参考資料ということで一括してとじてございます。もし、漏れ落ち等ございましたら、事務局の方までよろしくお願いいたします。
 以上でございます。それでは、お願いいたします。

【石川座長】 おはようございます。それでは、第6回の検討会を始めさせていただきたいと思います。
 議事次第にございますように、本日は主に生ごみ等のリデュースの現状と課題、論点、ということで、リデュースを中心にご議論いただきたいと思います。もし、一通り議論をした後、時間が余りましたら、余った時間で前回議論したときに、主にコストを中心にご指摘だとかご質問がございましたので、資料を再整理して付けていただいております。こちらもご紹介をして、さらに議論すべき点がございましたら、その時間議論をしたいというふうに考えております。
 それでは、最初リデュースに関して、ご用意いただいた資料についてご説明いただけますでしょうか。

【土井廃棄物対策課長補佐】 それでは、説明させていただきます。資料1でございます。リデュースの資料としましては資料1で、中身が三つに分かれております。一つはリデュースの現状、次に8ページからリデュースの課題及び考え方、9ページから家庭における生ごみ等の排出量の状況ということで、その三つで構成しております。
 それでは、始めます。リデュースの現状ということで、まず、食品産業におけます食品廃棄物等の発生状況と発生抑制割合と。これは、農林水産省の方で調査しておりますデータ等を多く使っております。
 まず、平成16年度の食品廃棄物の年間発生量は、1,135万8,000トンということで、ほぼ前年並みとなってございます。業種別、これは4業種ございますが、食品製造業が489万8,000トンで全体の43%ということで、外食産業が310万4,000トンで27%、食品小売業が260万4,000トンで23%、食品卸売業が75万1,000トンで7%の順となっております。13年から16年度までの4年間の推移を示しておりますが、構成比率もほぼ前年と同じでございます。ただ、13年度と比較しました場合、全体としまして4%増加しておりますが、内訳で見ますと外食産業は3%程度減少しております。生ごみの発生抑制に各業種が取り組んでおるわけでございますが、全体として食品廃棄物の発生量が減少するまでにはなかなか至っていないと。ほぼ現状維持の水準でとどまっている状況でございます。
 次に、2ページでございます。食品産業におけます食品廃棄物等の発生抑制の取組状況ということで、これも農水省のデータでございますが、17年の食品循環資源の再生利用等実態調査報告というものが取りまとめられておりまして、そのデータに基づきましてこの部分を整理してございます。調査の方法、標本数、あと対象等はこの下に細かく書いてございますので、後ほどごらんいただきたいと思いますが、各4業種、標本数はそれぞればらつきはございますが、それを客体として調査した結果ということでございます。
 平成16年度に発生の抑制に取り組んでおります事業所は、食品産業全体で55%ということで、発生抑制に約半分ちょっとのところが取り組まれていると。内訳で見ましても、さほど業種別に開きはなく、低いところでも50%、高いところでも55%ということで、おおむね半分程度ということでございます。
 生ごみの発生抑制に取り組んでいる事業所の取組方法につきましては、業種別、発生過程別に見ますと、これは次の3ページ以降に棒グラフで示しておりますので、それと見比べていただきたいのですけれども、各業種とも全体を通じて取組みされている事業所の半分以上での取組みが見られるのは仕入過程、これは3ページごらんください。それぞれの過程がございますが、仕入れ過程の「製造(販売)量に合わせた仕入れ」というものが一番多く、53%~76%で取り組まれております。
 次いで、同じく仕入れの段階でございますが、「ロスの出ない製品・材料への仕入れの見直し」ということで、4割から6割程度の取組みとなっております。
 これらはいずれも製造、卸よりも流通の下流側である小売、外食で高くなっており、下流側での取組みが進んでいる状態でございます。
 このほかについてでございますが、このコメントは次の3ページの食品製造業のところでございますので、ちょっと見にくいですが、次のページと一緒に見ていただけますでしょうか。
 食品製造業では、製造・調理過程のロスの出ない製品開発が34%と。小ロットの製造が28%となっておりますが、その他の取組みも含めまして約3分の1程度以下の実施にとどまっております。その他の業種につきましてもほぼ同様で、3分の1程度の取組みというのがかなり多いわけでございます。
 次に食品卸売業、3ページの下の図でございますが、2-2でございますが、販売過程のところで、「賞味期限の迫った商品の特価販売」というものが中では高く、31%と。次に、輸送・保管過程の保管設備、これは高性能冷蔵庫等購入なり更新というものが24%となっておりますが、それも含めまして3分の1程度という状況でございます。
 次に、食品小売業でございます。これも4ページの図と見比べてお願いいたします。
 食品小売業では、販売過程の賞味期限の迫った商品の特価販売というものが43%と、半分近い取組みが見られております。これは先ほどの卸と同様、販売に係る部分でございますが、そのほか販売状況に合わせた調理等、販売方法の改善が32%と、量り売りなりバラ売りというところが26%といったぐあいに、こういった業種に応じた取組みの特徴があらわれております。
 次に4ページ、最後でございます。外食産業では、製造過程のところで調理方法の改善による調理くずの削減というものが55%ということで、半数以上の取組みが見られております。また、販売過程のところで、メニューなり調理ボリュームの適正化というものが39%ということで、メニューの食べ残しのないように工夫されている状況でございます。販売状況に合わせた調理等、販売方法の改善というものが、これに次いで30%ということで、業種に応じた取組みとなっております。
 これらのことを踏まえますと、一つとして材料・製品の仕入れ、発注というものを工夫し、ロスを出さないという取組み。二つ目としまして、製造・調理過程の工夫。三つ目としまして、製品(商品)の売れ残りの出ないように工夫して販売をするという取組みに大別されます。発生抑制のためには、業種・業態に応じた、こうした取組みの具体化を進めることが重要であると言えると思います。
 次に、コンビニエンスストア等におけます生ごみ等の発生量と発生抑制の取組みということでございます。
 まず、生ごみ等の発生量、5ページ、6ページに図が載せておりますが、コンビニエンスストア並びにスーパーにおけます、1店舗1日当たりの発生量というものを、ホームページ等に掲載されております各企業様の環境報告書、ここから拾ったデータを取りまとめてございます。コンビニエンスストアの1店舗1日当たりの生ごみ等の食品廃棄物の排出量は、約15キロとなっております。申しわけございません、今、「排出量」と申し上げましたが、これは発生してそこでリサイクルされる分も含まれておりまして、正確に言えば発生量ということでございますので、資料をお直しいただけますでしょうか。発生量は約15キロとなっていると。また、生ごみ等を含むごみ全体の発生量は約60キロであり、生ごみ等は全体の約4分の1というウエートを占めております。
 この表で見ていただいてもわかりますように、ピックアップしました5社につきましては、平成15年、16年分について5社とも調査・報告されておりましたものですから、載せております。多いところでは、1店舗19キロあった年もございます。少ないところでも10キロ以上、平均いたしますと約15キロと。15年度に比べますと、16年度は3.2%抑制されております。
 ごみ全体の発生量は、平均いたしますと57キロが59キロということで、3%程度、これは全体としては逆にふえております。生ごみ等の発生抑制の方が、全体の発生抑制と比べまして進んでいるのかという結果と思われます。
 次、イとしまして、スーパーにおけます発生量。これは6ページ、個別にスーパーの数字を載せておりますが、大手スーパーということで、これもホームページ等で拾っております。発生量は約370キログラムとなっております。生ごみ等を含むごみ全体の発生量は、1,730キログラムであります。生ごみ等は、ごみ発生量全体の約5分の1という数字となっております。これは3社しかございませんのですが、各社とも発生量としましてはおおむね生ごみが330~400ということでございます。これも平成15年から16年の間に若干の抑制が図られまして、375キロだったのが約366キロということで、2.5%抑制が図られております。スーパーにおきましては、ごみ全体の発生量につきましても若干下がって、1,781から1,729ということで、2.9%の削減となっております。
 次に、コンビニエンスストアとスーパーの生ごみ等の発生量の比較ということですが、ただ単純に数字を比較いたしましても規模等が違いますので、1店舗当たりの総売上高10万円当たりの生ごみの発生量を比べております。コンビニエンスストア、スーパーともにこの下の表4の真ん中でございますが、コンビニエンスストア、これは4社でございますが、平均2.8キロ。スーパー、これは1社でございますが、3.1キロということで、ほぼ同数字ということでございます。
 ごみ全体の数量としましては、若干スーパーの方が高い状況となっておりますが、ただ、スーパーから発生します生ごみは、ほとんどが生鮮食品の調理くずと、これは7ページ、に書いてございますが、内訳がコンビニエンスストアから出ます生ごみとは若干違うということでございます。生鮮食品の調理くず、野菜なり果物等のくずと、魚介類の調理くずは内臓・骨、いわゆる魚腸骨であり、売れ残りとなった食品廃棄物が占める割合はコンビニエンスストアが非常に高い状況となっていると。これはなかなかこれだけ細かい部分が載っているデータもございませんでしたものですから、スーパーA社、コンビニエンスストアB社ということで1社ずつでございます。ある程度代表性があるものと考えております。
 スーパーにつきましては先ほど言いましたように、調理くずが80%を占めております。それと魚腸骨10%、これだけでもう90%を占めていると。売れ残りとなった食品廃棄物は4%ということです。それに対しましてコンビニエンスストアは、コンビニエンスストアの状態にもよって一概には言えませんが、この食品の調理くずというのはほとんどないと。ましてや、魚腸骨はなかなかないんじゃないかと。廃食用油はフライヤーということで、やはり10%ほど出ております。残り、売れ残りとなった食品廃棄物ということで、89%。これは注意書きにも書いてございますが、コンビニエンスストアさんから発表されております数字は、廃食用油以外は食品廃棄物と一括して書いてございますので、こちらの方で一括してこの売れ残りということで判断して計上させていただいております。
 次に、生ごみ等の発生抑制の取組みと。取組み内容についてでございます。先ほどのは農林水産省の方で調べられたデータでございましたが、今回これもホームページで環境報告からピックアップしております。基本的には、先ほどの調査結果とほぼ同じでございますが、コンビニエンスストアでは業態の特徴上、「賞味期限の迫った商品の特価販売」は行っていないという状況でございます。取組内容は以下のとおりでございまして、販売ロスを減らす販売方法と発注精度の向上というものが行われております。
 具体的には、コンビニエンスストアでは、実施内容としてデイリー商品の鮮度チェックの回数を増加と。これは、以前ご報告いただいた取組みの中でもありましたように、1日3回のものを9回として、前倒しして売り場から除いていた商品の販売ロスを削減するという効果が出ているということでございます。あと適正発注、適正在庫把握の実施と。
 次に、ファーストフード店ということで、コンビニ・スーパーとは若干また違いますが、ここでの取組みがございます。商品発注サイクルの短縮化というものと、食材梱包の小口化、また、これはハンバーガーとかでよく聞いておりますが、つくり置き方式から受注調理方式への変更ということで、より廃棄食品を削減しようという取組みでございます。
 次に、コンビニエンスストアにおけます生ごみ等発生量の把握につきましては、発生抑制の取組みが重要な要素となりますが、各企業によってこれまで取組みに差がある状況でありました。しかし、食品リサイクル法施行後、近年、店舗から排出されるごみ量を把握する取組みが顕著に進んでいることが見受けられます。これは、次のページにも載せておりますが、調べました7社さん、ごみ排出量を把握している企業は、平成13年の段階では生ごみ、これは左の方でございます。7社中1社が報告されているのみという形でございました。それが、平成16年では7社中5社と。私どもが確認いたしましたところでは、17年度報告にはもうすべての企業さんが報告されるということを聞いております。なお、大手スーパーにおきましては、ほとんどのところが生ごみ等の発生量を把握し、リサイクル率等とともに公表されている状況でございます。一部には、リサイクル率のみで生ごみの発生量を公表されていないところもございました。今後、各企業さんでそれなりの取組みを期待したいと思っております。
 次に、リデュースの課題及び考え方ということで、課題といたしましては、生ごみ等食品廃棄物の3Rの取組みとしては、再生利用だけでなく、循環型社会形成推進基本法の基本原則に沿いまして、発生抑制の取組みに力を入れていく必要があると。しかしながら、食品産業の業種全体で見ますと、外食産業を除き、発生抑制の進展はまだ見られません。
 今後の方向性ということで、幾つかございます。業種、業態別に発生抑制の目標値を設定する等しまして、事業者の取組みを促すことが考えられるのではないかというのが一つ。FC(フランチャイズ)方式の食品関連事業者の場合には、既にフランチャイザー(本部)がフランチャイジー(個店)の取組みをリードする、先進的な方策を講じているケースがあります。フランチャイズ全体での目標値を設定するなどして、フランチャイザーの取組みを促すことが考えられるのではないかということでございます。
 次に、こうした目標値の設定につきましては、業種・業態がそれぞれ異なる、そういう実態がございますことを考慮しまして、各企業の自主的なアプローチにゆだねることも重要ではないかと考えられます。また、トップランナー的な発生抑制の取組みについて第三者的な機関等が評価・認証をいたしまして、名称や表示によって先進的な取組みを行っていることが周知されるようにし、こうした取組みを支援することがいいのではないかと考えられます。
 また、最後でございますが、国や地方公共団体は、発生抑制に関する技術的情報を収集し、中小の食品関連事業者も含め、情報提供することも重要ではないかと考えられます。
 次に、最後でございますが、家庭における生ごみ等の排出量の状況等でございます。これは環境省なり、京都市さんで調べられた調査をもとに取りまとめてございます。
 まず、1番目としましては、家庭ごみに占める生ごみ等の比率とその排出量、これは推計でございます。環境省が行った調査によりますと、家庭から排出される粗大ごみを除いたごみ(可燃ごみ、不燃ごみ、資源ごみの合計)に占めます厨芥類の比率、これは湿重量比でございますが、それが年々減少傾向にありまして、平成15年度で31.2%、11年度では、38.3%という数字でございました。これがかなり減ってございます。この比率を用いて推計した、家庭から排出される生ごみ等の1人1日当たりの量は、平成15年度で226グラムとなっております。これはどういう出し方をいたしましたかと言いますと、一般廃棄物に占めますこういった比率というものが出ておりまして、表9の数字でございます。これは、当廃棄物対策課の方で調査しております、一般廃棄物の実態調査結果をもとにしたわけでございますが、生活系ごみ排出量の数字と、それに占めます厨芥類の比率をここでは使いまして、生活系生ごみの排出量を全体で推計いたします。それを収集人口で割りまして、1人1日当たりの生ごみの排出量ということで推計しております。226グラムと、これは平成11年度同様に計算いたしますと、271グラムからかなり減っておりまして、比率としまして対11年度で見ますと、83.4%という数字になっております。
 次に、厨芥類の組成内容とその推移ということで、これは京都市さんのデータでございます。京都市が平成14年度に実施しました「家庭ごみ細組成調査」によりますと、厨芥類の組成状況は「調理くず」が約56%と最も多く、次いで「食べ残し」が39%近く、「食品以外」、これはティーバッグ、茶がら、コーヒーとか、これは10ページの表にございますが、そういった内容でございます。それが5%でありました。「調理くず」では、「果物の皮」が約16%と最も多く、次いで「野菜のくず・芯」が15%、「野菜の皮」が約10%ということで、「食べ残し」では、手をつけずに捨てられていた食料品、いわゆる「手つかず厨芥」というものが最も多く、約11%でございました。
 また、厨芥類の組成変化は、10ページの表もごらんいただくとわかるように、これは56年、平成4年、平成9年、14年ということで、一定間隔を置いての調査でございます。これで昭和56年と平成9年とを比較した場合、これも京都の調査報告でも書かれてございます内容でございますが、個々の項目ではばらつきのあるものの、「調理くず」は減少しております。「調理くず」、昭和56年で約60%でありましたのが、53%程度に落ちてきているということでございます。しかし、一方で「手つかず厨芥」を含む「食べ残し」というものは、28%程度だったものが36%ということで、逆に増加してきているということでございます。ただ、平成9年と平成14年度では、この間の大きな変化というものは余り見られなかったという結果でございます。
 最後に、家庭・消費者における課題及び考え方ということで、2点ほど書かせていただいております。
 購入後に消費期限を過ぎたため食べずに捨てられる生ごみ、いわゆる「手つかず厨芥」の比率が、京都市の調査では過去の調査結果に比べて最近では増加の傾向となってきており、消費者の食べ物を大切にするという意識が低下してきているのではないかと考えられますというのが課題でございます。
 容器包装リサイクル法の施行に伴い、家庭ごみについては、容器包装が分別・再資源化によって除かれ、焼却処理される家庭ごみに占める厨芥類の割合が高くなってきておりますことから、焼却時の発熱量の低下など、ごみ質の変化が予想され、可能な限り発生抑制を図る必要があると考えられます。
 以上でございます。

【石川座長】 ご説明いただきまして、どうもありがとうございます。
 それでは、この資料に基づきまして、リデュースに関してご議論いただきたいと思います。資料に対する質問、もしくはご意見ございましたらいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。特にご不明の点はございませんでしょうか。じゃあ、酒井先生。

【酒井委員】 最後の家庭ごみのところのちょっと質問をさせてください。生活系のごみの発生量に厨芥類の割合を掛け合わせて総量を出し、そして、収集人口から1日1人当たりと、226グラムという推定をされているわけですが、それが11年度から5年間でかなり減ってきているようだという、こういう解釈でございますけれども。
 この家庭の場合、家庭みずからが家庭の中でコンポスト化する、あるいは自治体が堆肥化に向けて厨芥類を別収集するという、そういう、いわゆるリデュース以降のある種の対策と一緒になった最終の数字として、これが出てきている可能性が高いということなんですね。ですから、純粋にこれをリデュースとして数字を見ていいかどうかということに関しては注意を要するということで、少なくともその堆肥化、コンポスト化等とのデータと総合的に見て、ここのリデュースかどうかということの判断はしていただかないと、間違える可能性があるというふうに思いますので、この点に関しては、無理な話であれば発言はしませんが、ここは少なくとも一定の解析で可能だと思いますので、ぜひお願いをしたいと思います。
 あわせて、ここのコメントであれば減少している方向ということでとどまっているわけですけれども、減少したとはいえ、まだ1,000万トンですね、トータルで、これは先ほどの食品産業のトータルと匹敵する量でもありますので、やはりこの量の多さに関しては、まだまだ指摘をしていっていただいた方がいいのではないかというように思います。その2点でございます。

【石川座長】 どうもありがとうございました。
 まず、最初にデータの解釈というのでしょうか。計算した結果はこうなっていて、20%近く、16.6%ですか、リデュースという表現になっていますけれども、その中には家庭でのコンポスト、もしくは自治体で分別してコンポストにするというふうなものまで、計算方式を考えると入っているはずだということですので、これについては可能な限りその影響がどの程度であるかというのを、次回までにちょっとチェックしていただくということにしたいと思います。
 あとは、この点重要な点だと思うのですけれども、もし、これがコンポストになっているのだとすれば、17%というのはいずれにしても大きな値ですから、どうでしょうね、すべてがリデュースではないのでしょうけれども、コンポストの方に行っているのだとすれば、それはそれで本日の大きな話題、コアの話ではないのですけれども、重要な話ですよね。酒井先生、どの程度行ってそうかという何か情報をお持ちでありませんか。

【酒井委員】 どの程度ということに対しての定量的な見積もりというのは持ち合わせませんが、ここは、ちょっとすみません、これまで余り指摘できずに申しわけなかったのですが、エネルギー利用あるいは資源利用の全体の考え方との関係が出てくるのではないかとも思っております。堆肥化過程での地球温暖化ガスの発生、あるいは最終堆肥化して、その堆肥利用の段階のメタン発生等々、全体をどう評価して、それで全体として温暖化ガス低減というのをどう図りながら、かつ、この生ごみ循環をうまくやるかという、そこの見通しが非常に大事だと思うのですね。そういう意味で今の、単純に家庭からの堆肥化量がふえているということの、量的な評価だけでちょっと済まさない方が多分いいのだろうというふうに思います。
 そういう意味では、行政への見通しに関して具体的なものを持ち合わせているわけではございませんが、全体を考えるコンセプト、今申し上げた視点は必要だというふうに考えております。

【石川座長】 私もその点は同意します。知りたかったのは、この16.6%ですか、これの中身は何なのかということなのですね。すべてコンポストだというふうに考えるには、家庭でそんなにコンポスト化を行っているとは私はちょっと信じられない。一方で、自治体で分別収集してコンポスト化やっていますよというところも、そんなに多くないのではないかなというのが私の印象なのですね。だとすると、16.6%のかなりな部分はそれ以外ということになりますので、それは一体何だろうと。引き算の議論ですので、これをもってイコールリデュースだというのは、ちょっと厳密ではない話だとは思うのですが。それにしてもこれは大きな量が減っているわけですから、何だろうなというふうに考えたわけです。
 一つは、上流で加工食品を買ってくれば家庭で出ないというのがよく言われる説明なのですね。前半の、資料の前の方で産業部門から出てくるような量が数%ですかね。2~3%、若干増加気味であるというふうなことも出ていましたので、それと総合して一体どうなっているのかなというのが私の疑問だったのです。

【酒井委員】 恐らく都市域では今、言われたような現象だろうとは思うのですけれども、地方に参りますとここの積極的な取組みというのは、最近非常に熱心ですし、本当に頭の下がる思いなのですね。そういったところでいけば、やはり一定のここでの量的な効果というのは、かなり出てきているのではないかというように思います。もちろんそういう意味では、物の購入形態とか調理形態は変わってきているというご指摘の部分は、それはおっしゃるとおりだと思いますけれども、やはり都市域、少し地方でその実態というのは大きく違う可能性がありますので、そこを踏まえて把握した方がいいというふうに思います。

【石川座長】 ありがとうございます。私もそのとおりだと思います。これ、データをもう少し中身について調べようと思うと、どういうものがありますかね。全体的にカバーしているというと、全都清さんでやっている調査でしょうか。あれはでもデータが3~4年おくれていますよね。あれだと全部出ていますから、都市域と地方でコンポストに行っている量がどうかというのは、生ごみとは限りませんけれども、一定の傾向はわかりますけれどもね。もう少しアップ・トゥー・デートなデータはどこかにございませんでしょうかね。ピンポイントになっちゃうのですかね。

【崎田委員】 今の減っているということに関して、例えば自治体がやっている量に関しては把握できると思います。一方、家庭の分については、家庭用コンポスト機を購入することに対する補助金というのを、ここ数年各自治体が非常に熱心にやってくださっているので、家庭で乾燥させるなり、消滅型とかいろいろな方法ありますが、家庭の段階でやっているということに関しては、家庭用コンポスト機がどのくらい普及しているかという数字は出ても、どのくらいごみが減ったかという数字には残らないという、そういう状況だと思うのです。でも、そういう助成金制度を実施している自治体の数がここ数年でどのくらいふえているかとか、そういう数字はちゃんと出てくると思います。

【石川座長】 ありがとうございます。確かにそのとおりですね。家庭用のものは把握のしようが多分ないのでしょうね、きっと。
 じゃあ庄司さん、その後お願いします。

【庄司委員】 もう一つ、生ごみの場合に、この量を重さでとらえる限りにおいては水分の問題が非常に影響が大きいと思うのですね。例えば家庭から出る生ごみについても、これは推計ではっきりそう実証されているというものではありませんが、例えば東京の23区部が週3回から週2回に、生ごみの、いわゆる可燃ごみとしての収集を切りかえたときに、大幅にごみが減ったのですね。
 その減ったのが、よく原因がわからないのですが、場合によっては家庭内に保管しておく期間が長いので、水分が蒸発というか、水切れができたのではないか。こういう要素というのは、生ごみの場合にかなり影響すると思います。調理くずが減っているということもかなり大きいですが。ですから、ごみが減ったということを単にトータルとしての重量だけで見ないで、よそのごみの重量表記には注釈のついている、湿ベースか乾ベースかというのは、注意しておく必要があると思います。

【石川座長】 どうもありがとうございました。結局、ここになるとどうなのでしょうね。実態がよくわからないという話かもしれませんね。
 では、中井さんどうぞ。

【中井委員】 今、議論になっていますことを、ちょっと別の観点から申し上げたいと思うのですけれども、今、外食産業のマーケットというのは大体26兆円ぐらいだというふうに言われています。それにテイクアウトとか惣菜とか、そういういわゆる中食という部分が約6兆円ぐらいというふうに言われていますので、大体この合計のマーケットで約32兆円というふうに言われています。外食と中食をあわせて、食の外部化という言い方をしています。要は家庭内調理をしないというふうに考えていただければいいと思うのですけれども、この比率が家計消費の中において、おおよその数字ですけれども、約45%というふうに、今言われています。
 そうしますと、この数字は実は外食産業のマーケットが一番多いときは30兆円ぐらいあって、若干データ的にはシュリンク気味にあるのですけれども、ただ、食の外部化そのものは、実はこの数年見ても非常にふえてきているわけなのです。ですから、消費の実態から行きますと、家庭内調理ということがやはり少なくなっているという現状があるのではないかなと思うのですね。
 ですから、いやそうではなくて、ちゃんと家庭で調理していますよというふうに言われる方も、やはり主婦の方は調理をする部分と、いわゆる外で惣菜を買ってくるのとうまく組み合わせたり、そういう使い分けをしているのだと思いますので、実態としてはそういうことなのだろうなという気はします。

【石川座長】 どうもありがとうございました。生ごみが16.6%、なぜか減っているということに関してご議論いただきましたけれども、どうも決定的な、これはこうだと言えるデータはなかなか難しそうだと思います。ただ、皆さんからいろいろなご意見いただきまして、周辺的な傍証というのでしょうか、決めつけるとここの点が危ないとか、こういうことがあるのではないかというご意見をいろいろいただきましたので、その辺をまた整理していただいて、多分最善の情報としてはその辺かなというふうに思います。
 ほかに何かご意見、ご質問ございますでしょうか。どうぞ、崎田さん。

【崎田委員】 今、減っていることに関して自体は、今後きちんと考えていかなければいけないことで当然なのだと思うのですが、実は消費者側の動きから行くと、やはり容器包装材などが国の仕組みを中心としてかなり徹底してきて、残っている生ごみに関して一体私たちはどうしたらいいのかという、そういう盛り上がりというのは大変強くなっていると思うのですね。そういう意味で、消費者側にどうすべきか、あるいは今回のテーマのリデュースに関して、もっと徹底して情報を出していくということ自体が大変重要だということは変わらないというふうに思っています。
 特に今この10ページで拝見した表で、食べ残しというところの「手つかず厨芥」11.1%を含めた小計のところが38.8%、約4割が食べ残しということで、「手つかず厨芥」プラス調理をしたけれども食べなかったという、食べないでそのままごみになってしまったというあたりが、余りにも分量が多いという……。やはりこの辺についてもう少し情報提供を徹底していただいた上で、今、特に家庭の中では、この問題は生ごみのリサイクルということに意識がかなり偏っているような感じもいたしますので、食品をまず大事にする、そして自分たちの消費行動自体をまずチェックするのだということの情報を、1回きちんと出していただくということは大変重要だというふうに思っています。
 あともう一点、これに関連するかどうかわからないのですが、ことしはたしか教育の世界で食育年ということで、いろいろ頑張っていらっしゃるというふうに伺っていますし、私の身近にもいろいろ取り組んでいる人が多いのです。食育ということになると、食材全体をいかにバランスよくとって健やかになるかとか、このごみ問題だけではない、もっとこう全体像がかかわってきますが、特にリデュースの部分に関しては、この食育という中にもかなりきちんと情報を入れ込んでいただくということが重要なのではないかと思っているのですね。そういう意味で、ちょっとこの部分、こういう食品を大事にしてリデュース効果を出していくということに関する、食育に対する情報発信みたいなことを、少し強めていただくと大変ありがたいかなというふうに感じます。よろしくお願いいたします。

【石川座長】 どうもありがとうございました。きょうご説明いただいた資料の中で、生ごみが減っているというのは議論しましたけれども、次に、もっとこれはリマーカブルかもしれませんね、食べ残しという部分が傾向的に非常にふえている。これは一体何なのだと。どうすべきかという点で、崎田委員からは情報発信、ある種の啓蒙活動でしょうか、そういうのが重要だというご指摘いただきました。まず、これは一体何を意味しているのでしょうね。なぜ、こうなっているのだろうか。
 それから、もちろん啓蒙が重要だということは私もそう思います。その前の段階として、私自身はなぜこうなるのというのを知りたいのですね。何が起こっているのでしょうという話なのですが。実態としては、何となく定性的にはわかるのですが、ひょっとすると、前に議論した生ごみ減っているというところでの議論とつなげて考えると、ひょっとして高齢化したりして、加工食品を買ってくることが多くなると、それを結果として食べなくなって捨てられてしまうという、全体の加工食品に流れたフローが大きくなればロスもふえるのかなというのは、一つの定性的な説明かもしれません。ただし、これ昭和56年と平成14年で比べて相当ふえていますから、それだけで説明がつくとも余り思えないのですが。
 その辺に関して、ご意見もしくは関連するような情報をお持ちの方はいらっしゃいませんでしょうか。

【大塚委員】 データではなく、経験的な話になって申しわけないのですけれども。私もスーパーによく買い物に行くのですが、残念ながら今、特に都市部においては核家族化、少子化がすごく進んでおりますが、スーパーに行きますとやはり4人所帯か、それ以上の所帯の人たちに適応するような形での販売が多いと。したがって、小家族の人たちが買っていきますと、どうしても残ってしまう。毎日同じものを食べるわけにいきませんし、生ものについては賞味期限が早いですから、つい賞味期限が切れたものは捨ててしまうと。したがって、もう少し消費者のニーズにこたえたような販売形態をとっていただくと、その辺は経験的には少なくなるのではないかなという気がいたします。

【石川座長】 どうもありがとうございます。それは小口化ですね。じゃあ、近江さんと、その次、小島さん。

【近江委員】 これも私の経験上の問題なのですが、最近は各スーパーさんにおきまして、午後6時ごろになりますと商品を半額で売ると、そういうのが大分出ておりますよね。そうすると、半額というと安いですから、どうしても余分に買ってしまうと。それが廃棄されるのではないか、そういうふうに思っております。
 それから、全国的にこの家庭ごみというのは今、市町村におかれましても有料化というのが大分持ち上がりまして、三多摩市町村におかれましても約30%くらいは有料化になっております。有料化にした前年度の年と、有料化した年を比較しますと、大体有料にしますと、40%ぐらいのごみの低減の数字が出てくるわけですね。また、人間というものは1年くらいたちますと、これが30%ぐらいになったり、20%ぐらいになったり。大体ごみの有料化によって、今の実績上は大体20%は減になっていると。そういうことがあります。では、1人当たりの排出量は幾らなのかということになりますと、やはり地区地区によって排出量が全然違ってくると。例えば1人当たりの排出量が相対的に1,100グラムくらいのことを指導しておりますが、三多摩におりますと1,000グラムを割って950~960グラム台で済んでいると。そういういろいろな問題があります。果たして全国市町村で無料化のところと有料のところがあるという問題がありますので、これを何とか、全部が有料化だというふうにやっていただきたいなと、私などは思っているわけです。
 それから、事業系においても、市町村によって中間処理料金が全然違うのですね。キロ当たり8円のところもある。あるいは高いところは30円のところもある。平均で、三多摩市町村あたりは大体キロ当たり25円ぐらいになっておりますが、市町村におかれましては、事業系一般廃棄物を焼却するのに、まちまちな単価になっているのですね。そういうところもやはり全国的に統制をしてもらえばいいのではないかなと思うのですが。
 ですから、市町村の料金が高いところのごみは、安いところへ持っていくというような問題が発生しているわけですね。それで、市町村の方はたまったものではないということで抜き打ちの検査をやると。そういうような状態にもなっております。
 それと、コンビニにしてもスーパーさんにしましても、やはり業者間でまだまだ差があり、大きいところは例えば廃棄物の対策委員会なりをつくりまして、例えばセブンイレブンさんあたりはかっちりやっているみたいですが、商店さんに行きますと、お金を払って持っていくというところと、それから一般の廃棄物、家庭の廃棄物の中に入れてしまうと。そういうようなことで、なかなかこれは区分ができないと。殊に、この事業系一般廃棄物というのは商店街のごみですからね。大体14万くらいの人口であれば、事業系と称する、お金を払って処分してもらうというのが大体3,000件くらいになるわけですね。14万人口ぐらいで。その中で、市町村によっては10キロまでは一般家庭で無料だと。10キロを超えれば有料ですよと。そういうような仕組みになっているところもありますので、これはよほど厳重に線引きをしないと、なかなかうまくいかないというのが実態ですね。ですから、一般家庭のごみの量が減っても事業系がふえてしまうと、総合的にやっておりますから、一方が減になっても片方がふえてきますから同じだと。あるいはプラスになると、そういうようなことになっております。

【石川座長】 どうもありがとうございました。ちょっといろいろなことをご指摘いただきました。最初の点はスーパー、これは今は家庭でのリデュース、その中での食べ残しのことを議論しているのですけれども、その中で、多分次は事業者側の議論をすると思うのですが、スーパーでは売れ残りが重要で、かなりな量になっていますから、一つの処分する手段として賞味期限までの時間が短くなれば安く売って、捨てずに処分をする。自社店舗から出るごみではなくて、買っていただける方に買っていただくと、そういう形でのこれはリデュースですよね。
 ただ、一方で今ご指摘いただいたのは、安く買ったものだから、気楽に捨てているのではないかと。確かにおっしゃるようなことはある可能性が十分ありますよね。ですから、これは二つの対策がある種ちょっとバッティングする、両方足して両方効果がある、そこまで楽観できないというご指摘だと思います。
 それから、もう一つ重要な点、後でご指摘いただいたのは有料化ですね。有料化、それから事業系、それから自治体が焼却施設で受け入れるときの料金、特にこの中でごみ収集料金の有料化の部分は、これはリデュースの一つの有力なツールではあると思います。いずれにしても、これは経済的な手法が関係があるというご指摘だと思います。これはちょっと後で、ほかのご意見をお持ちの方がいらっしゃいましたら議論を続けたいと思いますが、まず最初、もともと議論を始めていたのは食べ残し食品ですか、これが非常にふえていると。一つ、今のご意見では上流側で対策として安く売っているからだというご指摘もありました。
 ほかにご意見ございますでしょうか。

【伊藤委員】 この10ページの排出実態を拝見させていただきまして、食品をつくる側の立場から、よく今の消費者の食生態というか、食生活があらわれているなというのがよくわかります。どういうことかと言いますと、全体の38.8%、約40%が食べ残しであり、飽食で食べ物を大事にしていないという心のあらわれでないでしょうか。あと食べ残しの内容を見てみますと、肉類は0.5%でほとんど食べられていますが、残っているのは野菜関係ですね。あとご飯類、こんなところが残っているわけでして、いかに野菜嫌いという実態があるかというのが伺えます。
 私どもも弁当などで、売れるものをつくっていこうというとすると、どうしても肉類が中心になって、野菜が減ってしまい、ご飯たっぷりという形になりましてね。昨年、農林水産省さんと厚生労働省さんでつくられた「食事バランスガイド」というのがございまして、それに合わせていきますとこれが改善されるのです。ご飯をきっちり食べて、野菜を1日350グラムなりきちんと食べて、肉類の食べ過ぎを是正しましょうという食事のガイドラインですので、これがどんどん普及すると、家庭でのリデュースが推進されてくるのではないかなと思います。今、ちょうど過渡期に入りつつあるのではないかと思っており、食育という切り口で消費者の方に投げかけるものが出てくるのではないかなと思います。
 あとは、下に書いてあります期限表示の問題ですけれども、消費期限と賞味期限と2種類ございまして、消費期限というのは大体5日程度のもので、その期限を過ぎると衛生上危ないというものですから、その期限を超えたものは食べるとおなかを壊してしまうとかいう問題が出てきます。一方、賞味期限というのは、これは字のごとく味わえる期限ということですので、長期のものですね、缶詰なんかもそうですけれども。要はその期限が切れても別に食べられないわけではないということですから。賞味期限が切れたからといってすぐに缶詰を捨ててしまうとか、そういった誤解がまだ生じており、賞味期限、消費期限の使い分けというのがまだ理解されていないという部分があります。これらのことを理解いただくことでも、家庭のリデュースが進むのではないかなという気がします。

【石川座長】 どうもありがとうございました。家庭に対するやはり情報提供、食育でしょうかね、それが重要だという崎田委員のご意見と同じラインのご意見かと思います。
 では酒井さん、どうぞ。

【酒井委員】 この京都市の細組成調査、私の方の研究室も毎年参加させていただいてお尋ね申し上げているのですが、そこで受けている印象も含めてちょっと発言させていただきます。
 今、おっしゃられた消費期限と賞味期限のここの違いですね。これは極めて重要なポイントで、実際この手つかず、11.1%ありますが、これの半分以上がこの消費期限内で捨てられております。すなわち期限が来て、もう衛生的にだめだから捨てているわけではなくて、いわゆるこれは消費者のある種の判断といいますか、どこかでやはりむだに買っているというか、そういう行為のあらわれとして捨てられているということになっているわけですね。ですから、ここの部分で行くと、やはり先ほど小さいロットでもっと売ったらいいのではないかとか、余り余分に買い過ぎているのではないか云々という話がございましたけれども、やはりまずは啓蒙ですね。今のおっしゃられた消費期限、賞味期限のちゃんとした違い等々を含めて、まずはやはり啓蒙の話からここは行くのが原則ではないかなという印象を持ちます。

【石川座長】 どうもありがとうございました。じゃあ、崎田委員。

【崎田委員】 先ほどの販売方法に関していろいろご提案があった中に、つい安くなるのでたくさん買ってしまうという、安くなるというのは、それはその方がうれしいというのがあるのでいいのですが……。たくさん買ってしまうということに関しまして、例えば今、その前に人数が少ない家庭でもたくさん買わなきゃいけないというお話があって、最近そういう意味で非常に個包装が進んできているのですが、そうすると実は包装材がまたふえるとか、いろいろなことにつながってきてしまうので、できればやはりお店の売り方としては、例えば量り売りとか、そういう自分が欲しい分量を買う、その場で分けていただいて買うという、ああいうシステムをできるだけ多様化するとか、そういう売り方の変化というのをお願いしたいなというふうに思っています。
 あと、消費者側の対策としてのその意識づけという意味で、先ほど家庭ごみ有料化という話がありました。実はこの議論に関しては、今こういう方向でというふうに環境省の方も明確に打ち出してくださっていますし、地域社会の中でのそういう有料化議論というのが高まっておりますので、これは私も大変重要なことだと思っておりますが、社会的にはこの方向で今きちんと進みつつあるというふうに思っております。
 あともう一点、この後次の話になると思うのですが、その前の8ページの方に、産業界の方のいろいろな取組みに関して書いてある件に関して、ちょっと飛んでよろしいでしょうか。

【石川座長】 どうぞ。

【崎田委員】 実は、消費者側もかなりきちんとやらなきゃいけないということを前提に、一番最初にいろいろお話しいただいた、この産業界のいろいろなリデュースに関する取組みを拝見していて、やはり業界ごと、あるいは同じ業界でも企業ごとにやはりこう取組みの数値にかなり差があるというふうに思うのですね。そうすると、やはり積極的にやっていただくような仕掛けをきちんとつくっていくということが、大変重要なのではないかというふうに思っています。この8ページの今後の方向性のところを拝見すると、例えば今後業種、業態別に発生抑制の目標値を設定してはどうかというふうに(2)の①に書いてありますけれども、私はこういうことがとても大事だと思っています。
 それともう一つ、自主的にやっていただくというのはとてもいいのですが、それだけだとやる気のあるところだけが頑張ってくださって、全体のボトムアップになかなかいかないということで、業界の皆さんもとても大変だと思うので、やはりある程度目標に対して報告制度とか、それを社会がきちんと第三者評価をするとか、実施を担保するような仕掛けを社会全体で持っていくということが、一つ必要なのではないかなというふうに私は思っています。よろしくお願いいたします。

【石川座長】 どうもありがとうございます。幾つかご指摘いただきました。大口、小口という件に関しては、パッケージが、小口にすれば中身のロスは多分減るのでしょうけれども、恐らく包装材がふえる。これもそのとおりだと思います。そういう視点を忘れるわけにいかないだろうと思います。
 それから、さらに重要なのは、産業界の取組みについて。これは次の論点だと思うのですけれども、重要なご指摘いただきました。産業界での実績を見ている限り、企業によって相当違いがあると。ということは、やりようによってはトップランナーに皆さん追いついていただければ、かなりの問題は解決するという意味でもあるわけですね。それは、じゃあどうすればいいかというのは次のステップで、論点として議論したいと思います。
 その前に、私の方でちょっとお願いなのですが、今は調理済み食品について、幾つかいろいろなご意見が出ています。これの中には、流通だとか外食産業側でかなり違ったご意見、もしくは情報をお持ちの点があるのではないのかなとちょっと思うのですが、もしご意見ございましたらここで、次に移る前にお願いします。

【中井委員】 今の話題に関してなのですが、大体この10年ぐらいに食をめぐる事件といいますか、どういうことが起こってきたかということをちょっと振り返ってみますと、一つはO-157という事件があって、その後に雪印乳業の事件があって、その後、食肉の偽装事件とかというのがずっと続きましたし、この何年かは、やはりBSEの問題でマスコミ等でも報道されているわけです。一連のこの10年ぐらいの間の食による事件ということを考えてみた場合に、消費者のマインドとして非常に食の安全、安心に関する意識が非常に強くなっているということが、大きな一つの原因としてあると思うんです。
 今の、特に若い方を中心に、清潔志向というのが極端なまでに一方でありますですね。先ほど賞味期限と消費期限の話もありましたけれども、それともう一つはテレビなんかの報道で、食に関する番組が非常にふえていますので、マスコミの影響が多分に大きいと思いますけれども、中途半端な知識でもって食に関する決めつけも含めて、関心が非常に高まってきているというのが今の消費者のマインドではないかと思うのですね。
 ですから、簡単に言うと、私はある意味では先ほど中途半端な知識と言いましたけれども、過剰反応を起こしているのではないかなというふうに思うわけです。じゃあどう解決すべきかということになってしまうと、これはまた一朝一夕にはいかない問題ですけれども、やはり先ほどから食育なんていうことも出ていますが、正しい知識をやはりきちんと伝えていく努力をやっていくということ以外にはないのではないかなという気がします。

【石川座長】 ありがとうございました。それでは、本間委員。

【本間委員】 今のご意見の食育とか健康に関するガイド等、あと表示、賞味期限等を踏まえまして、最近食べ残しが多いというのは、昨今スーパーさん、大型店がふえまして、まちづくり三法とかでどんどん抑制はされていますが、それにしても大型店が多いと。核家族がふえまして、週末まとめ買いをすると。1週間に1回買い物をするとすれば、大量買いをしてしまう。最近の家電におきましても、白物冷蔵庫も大分大型化されていますので、大量に買い込んで冷凍保存、あるいは保存して、賞味期限等過ぎたらぱっと捨ててしまうといった現象が続いていると。昔のように商店街で毎日買い物して、その日の買ったものを調理するというのではなくて、まとめ買いをして、1週間の献立あるいは10日の献立で余ったものを捨ててしまうのではないかと。そういうアンマッチ的な大型化の冷蔵庫と、その辺のミスマッチが起こっているのではないかというふうに考えます。
 今、商店街の空洞化もありますので、戦後大型店の出店等も関連しているのではないかというふうに考えています。
 以上です。

【石川座長】 どうもありがとうございます。今、多分重要な仮説が出てくるかもしれないことをご指摘いただきました。消費者の消費スタイルというのでしょうかね、購買行動というのは、これはそれなりの調査結果が、探せばあるのではないかなと思うのですけれども、マーケティングそのものですから。多分大型店で買い物の頻度がもし減っていれば、大型店に車で行けば多分まとめて買うというのが自然な推測なのですが、普通に考えればストックが多くなれば置いてある期間が長くなって、そうすると、その間に初期の予想とは違う事態が発生することが多分ふえてきてロスはふえる、というのが普通の推測ですから、定性的には納得できる話なのですね。これがどの程度説明できるかとかいうふうな話は、あんまり厳密にやられたのは見たことがないので、可能であればちょっと関連情報を調べて検討してみる価値はあるのではないかなというふうに思います。
 もしそうであれば、具体的な対策として幾つか、もっとはっきりした対策が出てくるのではないでしょうか。啓蒙する対象とかやり方も、まとめ買いはまとめ買いでいいかもしれませんけれども、注意してやればロスが減らせるかもしれませんね。
 ほかに、もしこの関連のご意見ございましたらいただきますが、いかがでしょうか。

【崎田委員】 実は今の部分というのは、消費者側にとっても、大変大きな問題だというふうにかなり自覚しながら、というか、問題にはなっているところだというふうに感じています。それで、特に働いているお母さんというか、主婦もふえてきましたので、週に一度週末に家族みんなで買い物に行って、1週間分まとめて買ってくる。そういうときの行動から言うと、例えば5日分買うときには大抵怖くて6日分か7日分買うという、そういう選択行動をとりますので、必ず残ってしまうと。そういうような悪循環を実は繰り返しておりますので、その消費行動のときにかなり明確な視点を持って買うのだというところは、非常に重要だと常々思っています。
 実は、いろいろなところでリデュースアイデアコンテストみたいなのを行政の皆さんと共同してやったりするのですが、去年かおととし、富山県の方のそういう協会でやらせていただいたときの地域の大賞をとったのが、買い物に行ったときに、そのレシートを全部冷蔵庫の上にぽんと貼っておいて、そのレシートをもとに在庫管理をしていくという、自分がどれを使ったか、何が残っているか在庫管理をして、そうやって食べ残し食品を少なくしていくと、そういうのが大賞をとったのですが。買い物をするときにきちんと、できるだけ日にち分から減らして買い物をするとか、1日分減らして買い物をして、最後の日に余ったものでおなべにするとか、非常に細かい話なのですが。
 でも、そういう綿密な、自分たちの消費行動、消費選択のときの気持ちがすごく大事なのだ、その後の生活パターンが大事という、その辺のきめ細やかな話というのが、すごく重要なところだと思っております。

【石川座長】 どうもありがとうございました。具体的なアイデアまでご紹介いただきましたけれども。実際この問題は、そこが私は重要ではないのかなというふうに個人的には思っています。
 ほかに何か、特にございませんでしょうか。じゃあ、大塚さん。

【大塚委員】 それの一連の話なのですが、地方へ行きましても大型店というのがほとんどございますね。それで、皆さん車持っていますから車で行かれると。そこでちょっと疑問というよりも、これはどうなっているのかなと思うのは、今、循環型のときに大量生産、大量消費、大量廃棄の構造を変えましょうと言っていますが、一方では大型店がどんどん出てきて、そして消費者側の方では先ほども皆さんからご指摘がありましたように、核家族、共稼ぎ家庭がいっぱい出てきていると。
 それがつながりますと、そこの中にいわゆるもったいないという気持ち、抑制作用が働くのかどうか。やはり1週間まとめ買いというのは、ほとんどそういう核家族及び共稼ぎのところがなされると思いますけれども、売るところが大型販売店であれば、お互いにもったいないということが抑制作用として働くのかどうかという、ちょっとその辺を疑問に思っていまして。だけど、これはどんどんどんどん、これからも経済現象から行くと進んでいくのではないかなと思いますので、我々のやらなければいけない方向性と逆の方向性へもっと進むのではないかなという危険性を持っていますので、その辺のところをちょっと申し上げたいなと思っています。

【石川座長】 どうもありがとうございました。郊外型立地の大型店の話になりましたけれども、これはどちらかというと、一時解禁されましたけれども、また逆な方向で、そう簡単には立地できなくなったのではないかなというふうに思っていますが。

【大塚委員】 既にそれででき上がっていましたね。

【石川座長】 そうですね。全体として、論旨としてそっちの方、そういうふうになるということは私もよくわかりますけれども、この場では欠席裁判になってしまうような気がするので、余り突っ込むのもちょっとどうかなという気が座長としてはしています。
 それでは、一通りご意見いただいたかと思いますので、先ほど崎田委員から一つ重要なご指摘いただいておりまして、供給側ですね。産業側に関しては企業ベースで見ると、取組みに相当ばらつきがあると。これは自治体、市民を見てもそうなのかもしれませんが、企業ベースの方がわかりやすいですよね。そこのところは、何か施策を打てばもっとよくなるのではないかと。具体的にはトップランナーを目指して頑張るような仕組み、しかもそれがいわゆる自主的な取組みの中でも、どちらかというと強制的に近いというのでしょうかね、頑張らないと置いていかれるというペナルティーが強いシステムということかもしれませんが、そういうふうなものが望ましいのではないかというご意見をいただきました。
 これは、恐らく最初に供給側の委員からご意見をいただいて議論をすればいいのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。現在の取組みの評価でも結構ですし、崎田委員のご意見に対する反論、もしくは同意のご意見でも結構ですが、いかがでしょうか。

【山口委員】 今、2000年以降、食品残さ等を含めた、いわゆる厨芥類等も含めて、各生産あるいはその販売という形で、小売業については事業者としての、いわゆる食リ法による削減ということが進められてきて、既にそれについての対応というのはそれぞれの企業ごとに進めていると。基本的な対象が、一応年間の排出量のいかんにかかわらず、それぞれの事業者が進めていくということで、その中で特に100トン以上の排出をするところについては厳格な規定がされていると、こういうルールだと思うのですけれども。
 一つはこの凡例と、それから、それに伴っての精度の高い発注という、これを追求することがこれらにとっては非常に究極の技術というか、小売の技術になるわけですけれども。それにおいていわゆる発注量、これは予測になるわけですが、予測される発注量と、それからそれを販売し切っていく、売り切っていくという、これで兼ね合いができても、いわゆる気温であるとか天候であるとか、いろいろな条件の中でばらついてきて、結果的にこの数字のように、特に小売の場合には可燃の廃棄物のうちの9割ぐらいがいわゆる製品のロスということになっていると。これはどうやって、どう有効的な活用をして減らしていくかという中では、例えばどうせ時間で廃棄をしなければいけないというのであれば、お客さんに店内で例えば試食販売をして、販促につなげるというような試みも一つ今、始まっています。
 それからまた、今、私どもはできるだけ外に対しても積極的に出ていくという、今までにない小売の考え方を取り入れ始めているのですけれども、まだ賞味期限がきちっと残っているという前提ですが、廃棄が予想された部分については、新商品の案内であるとか、そういう活動をするときに一つの販促の手順、物としてそれを使っていくと。いわゆるサンプルとして1回食べてもらうとか、そんな形でやっていくというようなことが取り組まれているわけで、それぞれ先ほどから出ている大型店が、じゃあ大量に売っているかというと、実はそうではなくて、私どもの関連のスーパー等々を見ても今、野菜も葉物の野菜とか、例えばキャベツとか、そういうものも含めてかなり小分けで、そして無包装で売るという努力を実はしています。イモ・タマ・ニンジンとよく言われる非常に高い頻度で使われる野菜ですけれども、これらはすべてばら売りがされているというようなことがありますので、やはり今度は家庭内での消費の仕方のところでのその行動の変化というか、そういうところに対する啓蒙が一番なのかなというふうに思っています。
 我々業界としては、減らすということと同時に、やはりそういう販売利益を、販売機会を追求すると。機会喪失を防止するということと、ロスを防ぐという面は両方とも経営には非常に重要な課題でございますので、熱心に取り組んでいるということは間違いないことだと思いますので。あと、そこを技術的な部分と、それから、新しい販売政策等でどういうふうにリデュースにつなげるか。また、結果として出るものについてはどう対処するかということに対して正面から取り組むということではないかなと、こんなふうに思います。

【石川座長】 ありがとうございました。具体的に幾つかおもしろい取組みについてご紹介いただきましたけれども、いかがでしょうね。山口委員の所属されているところは、多分トップランナーでおやりになっているのだろうと思うのですけれども、企業の実績を見ている限りだと、環境報告書での実績を見てもかなりばらつきがあるわけでして。全体として量を減らそうというふうなことを考えたときに、崎田委員のご提案、ご提案とまで言っていいかどうかわかりませんが、例えばトップランナーが、一番強烈なのはきっと省エネ製品のトップランナー方式みたいなことが想定されると思うのですけれども、何か業界の取組みを企業ベースで評価をして、トップランナーは何であると、平均値は何であるといって、あなたの成績はこのぐらいであると公表をして、場合によっては達成できなければペナルティーだというふうな話にまで行くかもしれません。そういうふうなことについてどうお考えかという点について、ちょっとお考えがございましたらいただきたいと思うのですけれども。
 まず山口委員からは、その点に関しては食リ法で各企業が個別に縛られているのだと。それはそれとしてやっていくのだからという前提としてのお話いただきましたので、それはそのとおりだと思うのですが、多分、崎田委員の趣旨は20%なんかじゃなくて、もっとやれるところはやっているのだから、もっと頑張る仕組みをつくったらどうかというご趣旨だと思います。いかがでしょう。

【山口委員】 今の石川先生のお話を受けたところですけれども、まず一つは、食リ法でいわゆる20%というのがどういう形で設定された数値かという点が一つあると思うんですね。実際に食リ法に具体的に取り組むということになりますと、当然経済的な条件というもの、例えば排出側が負担ができる、そのリサイクルにかかわるコストというものが適正でないと進めないわけで、そのためには一定の量を一括して処理をして、そして、さらにリサイクルされる商品が、でき上がったものが、それなりの付加価値のあるものに、再利用されるという付加価値のあるものにならないといけないと。こんなことがあると思うのですけれども。
 その場合に、実際にリサイクルを具体的に進める場合には、発生したものに対して、いわゆる再製品化される対象のリサイクル製品の原料になるものは、すべてリサイクルになってしまうのですね。ですから、それは当然最終的にその素材として、これはどうしても外さないとリサイクルできない、例えば飼料にしても堆肥にしてもつくれないというようなものが2割だとしますと、逆に2割ぐらいは最終的に処分というか、焼却なりしなければいけないけれども、8割は使えると。
 あと問題は、地域単位あるいは企業のやる規模の大きさによってやりやすいところ、できるところと、できないところがあると。やはり、その辺がいわゆるチェーンのネットワークをうまく活用して収集して、一定の経済ロットというか規模にして、それによっていわゆる経済性の整った形での処理にしながら、リサイクルをきちっと進めるということではないかなと。そういう点について、今お話があったように、さらにそういう制度がつくられて、トップランナーであればいいということも必要かとは思いますけれども、私どもとしては現状のいわゆるリサイクルの推進ということを中心に、徹底をしていくという要素をもう少しこう考えてもいいのではないかなと。場合によっては今の20%というリサイクル率を、今お話ししたような形で現状に合わせて、もう少し高い数値に目標値をまず上げてみるというような形でよろしいのではないかと、こんなふうに思います。

【石川座長】 どうもありがとうございました。例えばの話だったのですが、トップランナー方式に対して、食リ法の目標を上げるという選択肢もあるのではないかというご指摘だったと思います。いかがでしょうか、この点に関して。じゃあ、庄司委員。

【庄司委員】 今、崎田さんなり山口さんの方からお話あった、それぞれの企業あるいは消費者サイドから問題、課題が出たと思うのですが、やはり自治体という立場で見た場合にこういう問題、これは容リ法の審議なんかでも同じく共通すると思いますけれども、こういった消費行動なり販売形態なり、それぞれにいろいろ取り組んでいただくということをしてもらいたい、社会的にそういう方向へしていきたいというときに、自治体というのは非常にもどかしさを感じるわけですね。つまり具体的に、そこへ持っていくための方法というのを非常に考えあぐねているというのが実態だと思います。自治体もこれからその辺ものすごい努力をしていかなくてはいけないと思います。ただ、その努力することは当然として、やはりここで自治体の役割というのを少し考えていかなければいけないだろうというふうに思いますね。
 特に、いわゆる事業者というよりも、むしろ今、話題になっているような形、広い意味で食品なりそういったもののむだをなくしていくことでその発生抑制をしていこうといった場合には、消費者サイドから言えば消費者意識の高揚ということが問題になっていますし、それから、販売事業者の側からもやはりむだをなくさせるという形で発生抑制をしていかなくてはいけない。しかし、販売事業者としては、やはり売り上げを減らすということは目標にはならないと思うのですね。ただ、損失を少なくするという意味では、先ほど山口さんの話でもロスをなくしていくというのは、これは絶対事業者の方にも共通することで、ここのところをつなげていくような形の仕組みというのをつくっていくことなのだろうと思うのですね。
 その場合に、やはり個々の消費者の発生抑制というのは、行動として見た場合には非常に地域での販売、買い物というところからスタートする。日常の生活の買い物というところからスタートしますので、こういった地域的な仕組みづくりというのは、全体の、例えば容リ法のシステムのような全体的な枠組み、そういう全体的な枠組みが一方で必要だとは思いますけれども、やはり地域的な枠組みというのを考えていくことが必要なのではないか。その場合にやはり自治体の役割というのが、最近の言葉で言えば「コーディネーター」とかいろいろな言い方がありますけれども、そこに役割がある。ただし、役割があるからやれと今言われても、自治体も、具体的にその役割を進めていこうとする場合の「権限」と言うとちょっとまた語弊があるのですけれども、そういう位置づけがきっちりとされていないので、この辺を自治体がもう少しその役割を発揮できるような環境というか、条件整備をしていく必要が多分あると思います。
 この場合、事業者の方で作られる仕組みも、むしろ製造メーカーのリデュースということは別として、これはむしろ国全体の枠組み、資源有効利用促進法とか、食品リサイクル法、まさにそうだと、容リ法だとかで作られる仕組みだと思いますけれども、もう一つは、事業者の中でも、どちらかというと販売事業者が非常に重要な役割を担うのですね。ですから販売事業者というのは個々のお店としては、もう地域の周辺の住民の方はお客さんでしょうから、お客さんとのパートナーシップでやはり地域単位という形で考えていくことが求められます。そうなりますと自治体の役割があるよということより、そういった条件整備を一方で考えていく必要があると思います

【石川座長】 どうもありがとうございました。
 リデュースに関して、さまざまなことをご議論いただいてきました。何かございますか。じゃあ、崎田さん。

【崎田委員】 今、たまたま産業界の方のお話として、販売店の皆さんからのご意見を伺って、そこが中心的に話題に出てきましたけれども、実際に地域で販売店と消費者がともにいろいろやるときには、情報連携しながらやっていかなければいけないということがもちろんありますので、そういう消費者とお店の連携というのは非常に重要だというふうに思っています。
 あともう一つ、とりあえずトップランナー的に頑張ってくださっていることの情報提供と、コミュニケーションだけではやはり社会全体のすべての業界、業界というかお店の底上げというか、こういう取組みの進展に、それだけではつながっていかないのではないかというのがあって、先ほど申し上げました。現実には、やはりそれぞれの中小事業者であるとか、逆に生ごみが大変多いという数字としては、食品製造業が半分生ごみを出しているわけですので、そういう全体のことを考えて、いろいろな方法をきちんと考えていくことが必要なのではないかというふうにも感じて、発言させていただきました。

【石川座長】 わかりました。そうですね、事業者の方といっても、流通の方からリプライいただきましたので、議論としては多分まだ製造事業者、それから、大きさからいくと中小事業者というところでしょうね。食リ法でもオブリゲーションがやや緩いと。100トン以下だと公表というふうにいきませんから、縛りが少し違うカテゴリーがあります。もちろん山口委員がご指摘されたように、コスト構造が多分違う、同じコストでは多分対策ができないとか、いろいろなことはあるのだろうとは思うのですが、量的にたくさん出していることもまた事実で、それに対する対策が現行食リ法があるからいいのだということで、一体いいのだろうかというのが一つの論点ではないかなというふうに思います。
 崎田委員からは、一つの例なのでしょうけれども、情報を提供しているだけでは多分不十分であるというご意見をいただきました。さらに、もう少し強い制度はどうであろうかという問題提起だったのですけれども、この点多分重要な点だと思いますので、ご意見ございましたらいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 じゃあ、伊藤さん。

【伊藤委員】 ここの議論では小売さんの一般廃棄物と、私ども製造業の産業廃棄物の違いがございますので、その処理責任が異なるというものです。製造業の場合、産業廃棄物ですので、排出者責任であり、しかも収集運搬費や処理費などが一般廃棄物に比べ結構高いわけです。ですから、食品残さの発生抑制というのは、直接利益にかかわってくるものでして、発生抑制イコールロス削減という形で製造業は取り組んでおります。ですから、どこの会社もそんなやたら食品残さを出すということは考えられないのです。
 あと、リサイクル推進の障壁になっている課題も若干あります。私どものグループ内に大なり小なりの会社があるわけなのですけれども、一つネックになっているものに収集運搬効率の問題がありまして、例えば出てしまったものをリサイクルしたいと思っても、中途半端な規模の工場ですと運ぶのにトラックの積載効率が悪く、例えば100キロ、200キロのものを運ぶために2トントラック使うのかと。周辺に同じような考えを持たれた事業者さんがいれば、抱き合わせで運べるわけなのですけれども、そうでなければリサイクルをやりたくてもコスト的に非常に高いものになってしまう場合があります。大きな工場ですと、食品残さがトン単位で出てしまうわけでして、そういう場合はトラック1台で十分成り立つのですけれども、このように収集運搬の問題がネックになって進まないという現状もあることが、最近少しわかってきました。
 ですから、リデュースは経営に直結してくる問題ですから、これはもう真剣にやっているはずです。あとはリサイクルについては、やりたくてもできないという事情に、リサイクル業者不足に加え収集運搬のコスト的なものがあるということをご理解いただければと思います。

【石川座長】 ありがとうございました。今のご指摘は、大事な点が二つ多分あるんだろうと思います。崎田委員の問題提起というのは、ある目標があって、法律には書いていないかもしれませんが、社会的に一定の、何となくの合意がある目標があって、それから見ると、あるセクターは不十分と言わざるを得ない。そうすると、もっとやってもらいたいと。
 一方で、法律に書かれていることであるとか、現状を見ると食リ法では20%になっていますし、製造業も現場のお話を今、伊藤委員からいただきましたけれども、経済合理性からいくと非常にコストが高いので、規模が小さいと非常に難しいというふうなことがありました。これは、伊藤委員のおっしゃっているのは、市場の中では自然にほっといたら進まないとおっしゃっているわけで、そういう意味では崎田委員のご意見と全く同じではないかなと思います。高いターゲットから見ると動いていないと。だから、もっと何か手段が要るんじゃないかとおっしゃっているわけで、そういう意味では伊藤委員も、いや、一生懸命やってこれなんだとおっしゃっていますから、同じものを両側から見ているわけですね。このままほっといたら、高いターゲットに行かないという認識では同じなんだろうと思います。
 その中で、伊藤委員からご指摘いただいたのは、一つはロジスティックスの問題ですよね。収集運搬、これが現状では一定規模以下の工場だと単独のロジはとても考えられないというお話なんだろうと思います。これに対する解決というのは、普通に考えれば何カ所か束ねてできませんかというのが一つの答えでしょうね。現状はどうしているかというと、廃棄物として近くの産業廃棄物を収集しているんでしょうから、それを、じゃあ、収集したものがリサイクルされるようなロジができないとは思えないですよね、少しは高くなるんでしょうけれども。単独で何かをやるよりは、はるかに安いソリューションがありそうな気もする。
 これは多分余りこれまで検討されてなかった可能性があるので、例えば環境省さんなり関係省庁で研究プロジェクトでもやってみて、どのぐらい可能性があるのかというふうなことをやってみれば、このご指摘からいけばひょっとするとこのままでも効率的なロジスティックスがある、できるということになるのではないか。庄司委員からもお話があったような自治体がコーディネートすれば、それから私は多分多少の、多少じゃだめですかね、規制緩和も必要かなと思いますけれども、そういうことをセットにすれば、市場のままでももう少しは進むんじゃないかと。問題はそれで十分かどうかなんですね。崎田委員のご意見は、多分それでは十分ではないのではないかというご懸念だろうと思います。
 いかがでしょうか、ほかに。じゃあ、近江委員と大塚委員、お願いします。

【近江委員】 食リ法で、100トン以上なければ申告しなくてもいいのだと。その100トンという数字を決めたということもね、これは取っ払った方がいいのではないかと思うんですよね。例えば全部対象を問わず、もう全部そういうリサイクルをするんだと。リサイクルをする前にまず選別をするんだと。そういうような位置づけをしないと、ただリサイクル、リサイクルと言ったって、リサイクルの前には徹底した選別があるわけですから。そこのところも100トン以上は20%のリサイクル、減量をするんだといっても、これは自己申告なんだから、果たして、100トンあってもないと言えば、それでしなくて済んでしまうと。こういうことではちょっと、片手落ちになっているところがあるんじゃないかなと思うんですね。ですから、例えば20トンでも30トンでも、そういうような選別あるいはリサイクルをするんだということもやらないと、ただ口先でリサイクルがこうだ、ああだ言ったって始まらないのですよ。
 私も各市町村のごみ減量審議会なんかの委員をやっておりますが、これもあんまりわからないことを言うから、私も来年80歳になる老人ですからこれを言ってもしようがないんですが、こういうことを言いました。おまえたちはコッペパン1枚、あめ玉一つのありがたさがわかっていて物を言うのかということをね、私は頭にきちゃうものですから怒鳴り飛ばしてやったら、やはり今の若手はそういうことを言うと古いおじさんだと、こう言うんですね。だから、そこはやはり教育から始まっていかないと。企業が何だかんだ言ったってやはり、企業というものは金をなるべく払わないようにやる。我々業者側としましては、いろいろ法律も変りました、リサイクルするにはお金がかかりますから、幾らかお金をあげてくださいと言うとね、君たちそんなことを言うんなら、ほかに業者は幾らでもいるんだから断るよというような、まだまだそういう状態なのですよ。
 だから、大手はそれなりのごみの減量、リサイクルを徹底してやっておりますけれどもね、まだまだ中小におきますと、値上げするなんていうことを言うと、ほかに頼むよと。我々業界としては、殊にこの一般廃棄物の我々業界というのは中小が多い、零細が殊に多いものですから、そういうような現状、現場でそれでも頭を下げながら何とかお願いしますということでやっているのですがね。やはり僕らは100トンというものはもう取っ払って、もう大小を問わず全部やるんだというふうに持っていってもらった方がよろしいのではないかと思うのですがね。
 以上です。

【石川座長】 どうもありがとうございました。食リ法の100トンの区切り、義務は全部にかかっているわけですけれども、ペナルティの部分が若干違うという点に関して、それを取っ払ったらどうかというふうなご提案をいただきました。このことは、ここでの議論とはちょっと違うので避けたいと思うんですけれども、恐らく100トンという一つの大きな理由は、実際同じペナルティーにしてもいいんですけれども、監視ができるのかということだと思います。現状でもまだ、100トン以上の中でも達成できていないという部分があるわけで、これを取っ払って本当に監視ができるのか。もし監視するとしたら、恐らく膨大な政府の費用がかかるんだろうと。どの程度が適切かという議論は、別な場でやらなければいけないのではないかなというふうに思います。
 じゃあ、大塚委員どうぞ。

【大塚委員】 先ほど産廃の世界が出ましたので、特に収集運搬コストが高いと。これは改善する部分があれば、やっぱり改善しなければならないとは思っておりますし、小口の収集運搬の合理化というのはやはり我々にもう突きつけられた世界ですので、今その辺についても検討しております。ただ、この世界におきましては、産業廃棄物の世界で生ごみもしくは相対的なコンポストの世界というのは一番弱いのです、正直申し上げて。なぜかというと、これは収集運搬だけではなくて中間処理、それから販売と、特にリサイクルなんかでしたらそういった一つの流れがあるんですけれども、その経済市場がほとんどなされていない。
 したがって、この世界に手をつけると赤字になってしまって、倒産を招きかねないという現状が今までありましたから、ほとんどの業者がこれに対しては手をつけなかったと。特に地方におきましては、地方の製造業の方々がそういったものを出された、それに対する受け皿としてのリサイクル施設がほとんどない。したがって、収集される方は焼却炉に持っていく。そのために、生ごみ等を運ぶための専用車をつくらない。一般に、何でも積める車の中に積んでいくと、こういう構造があるわけです。それを何とかこう経済市場の中で一人前にやっていけるような方策があるかどうかということを、学ぶためにこうやって参加させていただいているというので、これからの世界です。
 なぜそうなってしまうかというと、一つには一般廃棄物は地方自治体が扱っておられまして、そこにはかなり税金等が補てんされておられますけれども、産廃の世界はそれが全くゼロであると。したがって、収集運搬費用もそれだけ高くなる。それから、リサイクル施設も自前で全部つくっていって、自前で利益を出さなければいけないという宿命がありますから、どうしても高くなる。そして、売れなければ企業としては存続できませんから、手を出さないという悪循環。これを何とか取っ払っていただければ、排出者の方の食品製造業と我々とがうまくマッチして、スムーズに進む方向へ行けるのではないかと。むしろ、そういう意味でこの検討会に期待させていただきますので、よろしくお願いします。

【石川座長】 ありがとうございます。今、大塚委員からは生ごみ等という、その「等」のところも含めてなんですけれども、収集して焼却以外のリサイクル、再資源化をするというところはどうしてもコストがかかる。これはある意味で技術が開発されていないということもありますよね。収集運搬で、1社だけだとできない現実があるとおっしゃったのも、ロジスティックスのシステムができていない、マーケットがないと。
 今、大塚委員からマーケットがないから、怖くて専用車投資ができない。だれも投資できなければ、市場なんかできるはずがないわけですよね。そういう構造があるのだというご指摘をいただきました。この点は一方で、場合によっては政策的な何かやってみせるというふうなことであるとかが多分必要なところかもしれませんし、どのあたりに改善の可能性があるのかと。こういうのは、個々の事業者ではとても調査研究だとか情報収集が難しいということであれば、それは中央政府か地方政府かわかりませんが、政府の役割でもあるかもしれません。研究機関の役割でもあるかもしれません。そういうところに、ポテンシャルがあり得るというご指摘をいただいたというふうに思います。
 いかがでしょうか。これまでリデュースに関して、はい、どうぞ近江委員。

【近江委員】 今、大塚委員の方から産廃の方が出ましたけれども、一廃の方も全く同じなんですよね。我々は全国組織でございまして、市町村の委託業務を受けているわけですよね。それで先ほど言った零細の集まりですから、あまりでかい支出はできない。せめて5トン未満ぐらいで堆肥化であればやっているんですがね。つくったものは売れないのですね。ですから、地元の農家の方に、とりに来れば無料であげますよと、そういうようなシステムですよね。
 それと、先ほど言ったとおりのお話、市町村には条例がございまして、例えば事業系一般廃棄物はキロ20円とかあるいは15円とか、高いところで25円とかありますけど、その範囲でやらないと意味がないのですね。市町村の方は、25円なら25円持っていけば焼却してくれるわけですから、当然排出する方はその25円以下でなければ持ってこないと。それで、できたものは売れない。農家の方に無料であげますよと。運搬までやって無料でやるのではないのですがね。せめて施設まで来れば無料であげますよと、そういうような状態なのですよね。
 ですから、我々団体としましては、都市か農村かを問わず、やりたいものはやりたいのですけど、そういうような状態で果たして商売になるかっていうとやはりいけないと、ボランティアではございませんのでね。そこで何とか国としましても、大手には補助金というか、お金が若干出るみたいでございますけれども、たとえ細かいところでも、そういうような地方で貢献するのであれば、若干なりとも幾らかあげようというような制度をつくっていただければ、この5トン未満といったって、数をやれば相当の量になるわけですからね。生ごみというのは広域化問題でそこまで絶対できないんですよ。やはり自区内でやらないと、腐敗するものですから。やはり地元、細かいながらも数が多くあれば、それなりのリサイクルはできるのではないかなと、かように思っているわけです。
 以上です。

【石川座長】 どうもありがとうございました。今ご指摘いただいた中では、市町村の持込み料金ですね、ここに持ち込まれたときの、いろんな市町村によって呼び名がありますけれども、そこの料金が委託事業者、リサイクラーサイドから見ると上限になってしまうと。恐らくその上限では、とても成立しがたいという現状があると。そこでの受入れ料金というのを、自治体が設定しておりますから、これはそもそも本当のコストというのを計算することも難しいのですが、推計したコストより私の知る限りではかなり安いところが多いですね。ある種、これは政治的な選択としてそうしているわけですけれども、それがこういうふうな生ごみを収集してリサイクルする、それを市場とつないだところ、そこのちょうど接点のところに、近江さんとか大塚さんたちおられるわけですけれども、そこで矛盾が一気に表面化しているという点が、非常に重要なご指摘かなというふうに思います。
 ただ、これ自身は大変大きな問題になってきますので、ここで議論を続けても多分結論が出るような話じゃないだろうと思います。大変重要なご指摘をいただいたということで、もしよろしければ資料を用意していただいておりますので、前回ご質問だとかご指摘がございました、コスト関係のデータについてご説明いただいて、もし何かご議論いただきたいことがございましたら、後でまたいただきたいと思います。
 では、よろしくお願いします。

【土井廃棄物対策課長補佐】 それでは、資料2と参考資料ということで、資料2は一枚表裏の紙でございます。時間も余りございませんので、資料の2につきましてはメタン発酵施設・BDF等をめぐる指摘ということでそれぞれございます。この辺はちょっと省略させていただきますが、よろしいでしょうか。この辺につきましては、議事録等を踏まえまして整理させていただいておりますので、もし不明な点、こうじゃないかという点ございましたら、後ほどまた事務局までお願いいたします。
 それでは、参考資料としまして、このご指摘の一番最初にありましたように、コスト比較の前提を整理して再度提示し直すということでございます。前回の資料の整理は、若干比較するにはばらばらな整理でございましたということで、再整理しております。
 それで、1番としまして、メタン発酵施設と焼却施設のコスト比較と。2ページ以降に個々のコスト、それぞれ内容を整理しておりますが、まず処理コスト全体ということで整理しました。メタン発酵施設につきましては、実績値とメーカー試算値、焼却施設につきましては実績値ということで表1、次のページの図に示してございます。メタン発酵施設の処理コストは実績値で、ごみt当たり2万9,000円~4万1,000円と。試算値で1万3,000円~2万9,000円となっております。実績値に比べ、試算値の方が安くなっておりますけれども、これは実績の施設につきまして、当初予定した定格能力での処理ではなく、処理能力の約6割程度で稼働していましたために、人件費、契約電力、点検・補修費、減価償却費等のごみ処理量にかかわらない費用が割高になっていることで、こういったことになっております。
 メタン発酵施設の実績値、試算値を比較しました場合、メタン発酵施設の方が試算値の場合を含め、やや高くなっておりますけれど、これは用役費によるところが大きいと考えられます。用役費につきましては、後ほどご説明させていただきます。
 次、人件費、3ページでございます。メタン発酵施設の人件費は、実績値でごみt当たり5,200円~1万3,200円。試算値で、約1,500円から6,700円となっております。実績値がかなり高目になっておりますのは、これも定格能力に対しての6割しか処理していないという点が影響しております。定格能力での処理を想定した場合には、3,000円から7,800円ということで、先ほどの試算値に近い数値となってございます。
 飛ばしますが、メタン発酵とごみ焼却の比較では、人件費はややメタン発酵施設の方が低くなっております。これは表3の人件費の真ん中あたり、メタン発酵施設試算というところですね。人件費の部分と、ごみ焼却施設(実績)のところ、3,000円、6,000円、8,000円とございますが、それと比べたメタン発酵施設の3,000円、2,000円ということで低い状況になっております。
 また、メタン発酵と焼却処理を両方やった場合のメタン発酵につきましては大規模、中規模とも人件費がメタン発酵施設の試算値よりも安い状況になっております。これは、表3の試算例(中規模)のメタン発酵でいいますところの人件費2,131円と、大規模では636円ということで、かなり低い額になっておると。これは、メタン発酵と焼却処理の併設の場合は、業務は兼務できるというメリットを考慮して試算しているためでございます。
 次に4ページ、用役費でございます。メタン発酵施設では、用役費において排水処理にかかる薬品類費用の占める割合が大きい傾向にございます。内訳としましては、次の5ページを開いて見比べていただきたいんですけれども、メタン発酵施設では全体の半分以上がそういった形で占めております。当然、薬品類を使わないでいいところはその比率は低いわけでございますが、排水処理という形でそういう薬品代が要るということでございます。
 メタン発酵施設の電力費は、施設規模が大きくなるほど売電の電力量がふえて、低減される傾向にあります。焼却施設では、用役費におきまして電力費の占める割合が大きいということで、一定規模以上の施設になりますと売電の電力量が増加し、用役費はかなり低減されてまいります。
 最後のところでございますが、全量焼却処理とメタン発酵と焼却処理の組み合わせを比較すると、中規模では同等であり、大規模ではメタン発酵との組み合わせの方が発電電力量、売電電力量が多くなり、用役費が低くなってございます。
 次、6ページでございます。電力の点でございます。メタン発酵施設とごみ焼却施設における買電の単価は、kWhあたりで9円~13円。売電は6円~8円でございました。メタン発酵施設では、使用電力の約6~7割を発電で賄っております。施設では、発電をずっと続けることは可能でありますけれども、売電単価が低いために発電をあえてしていないという運転期間もあるように聞いております。大規模な焼却施設では、通常発電で使用電力を賄い、かつ売電もしてございます。細かい数字は、後ほどごらんいただきたいと思います。
 次、7ページ、点検・補修費。これは、また先ほどと同様でございますが、前提を同じにすればほぼ変わらないということでございます。定格能力での処理を想定すると2,200円~3,300円ということにメタン発酵施設もなってございます。
 次、すみません、飛び飛びで。8ページ、汚泥処理費。これはメタン発酵施設についてでございますが、汚泥処理費についてはメーカーによるシステムの違いはありますものの、ほぼ実績及びメーカー試算とも同程度ということでございます。1,000円~1,500円までの範囲内ということでございます。
 次、9ページの収集運搬コストでございます。生ごみを分別収集することによります、収集運搬コスト及び収集量の変化事例を下の表にあらわしてございます。生ごみの分別収集に伴いまして、延べ収集回数が2~3回から4回ということに、実例として増加しております。それにしたがって、人員、車両とも増加し、その三つのいずれも、トン当たりの費用は分別収集前に比べて分別収集後の方が増加しております。ただ、分別収集を行うことによって、約3分の1の減量が図られております。これは分別収集だけではございませんで、これまで処理費が定額制だったのが従量制になったとか、無料だったのが有料になったということも働いております。そういうこともありまして、減量がかなり図られたと。トータルで見ますと、F市が3割増しとなっているほかは、同等または1割減になってございます。あと、この棒グラフには、積み上げでそれぞれの比較が見やすい形でやっております。
 次、最後のページ、3番としまして、BDF施設コスト。BDF施設のコストを下に示してございます。これは二つ、I市、J市ということで、二つの市の実例でございます。廃食用油1リットル当たりの処理費用につきましては、人件費、用役費、点検・補修費等、減価償却費を含めまして、約93円~94円という金額になっております。生成のBDF1リットル当たりでは、約97円~101円という数字が出てございます。
 以上、ちょっと時間がないものではしょりましたけれども、もし何かございましたらよろしくお願いいたします。

【石川座長】 どうもありがとうございます。余り時間がございませんけれども、残った時間で、はい、どうぞ。小島さん。

【小島委員】 詳細な資料をどうもありがとうございました。ちょっとお聞きしたいのですが、企業さんの試算の数値が20トンと50トンのケースがあって、規模が大きくなれば効率がよくなるというのはよくわかりました。これは、例えば50から90というように、また規模が大きくなると、さらに効率がよくなるということになるんでしょうか。その辺が、メタン発酵の場合はある程度の規模以上になるとそんなに変わらないというお考えなのか、そこら辺をちょっと教えていただければ。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 私どもが、メーカーの方との意見交換の中でお聞きした話なので、実際定量的に比較をした数字をいただいているわけではありませんけれども、メタン発酵漕の大きさが設計上幾らでも巨大にできるというものではございませんので、あるサイズに、最適なところがあると。そこのサイズがやはり一番コスト的には、特にこの減価償却に係る部分が中心になると思うのですけれども、最適なところに行くと。したがいまして、それより大きくなりますと1系列、2系列という形で多分ふえていくことになるので、もちろん1系列、2系列ということで共用できる設備もあるので、そういったところでコストカットというのはある程度きいてくるとは思うんですけれども、そういう意味で、だんだん規模が大きくなってきますと、サチュレートといいますか、そういう傾向にあるという話はメーカーの方からは我々も聞いております。
 そのラインが50トン前後だったように聞いていますので、50トンと90トンとでは、そういう意味では90トンになると圧倒的に規模のメリットがきいてくるかというと、余り50トンと変わらない、多分2系列目を追加をしてつくるという、そういうスタイルになるんじゃないかと思います。

【石川座長】 どうもありがとうございました。いかがでしょうか、何か。時間もありませんから、ご質問ということになるかと思いますが。
 今ご説明いただいて、すぐに質問しろ、議論しろといっても無理な話ですので、お持ち帰りいただいて、検討していただいて、もしご不明な点だとかございましたら、別途ご連絡いただければというふうに思います。
 いかがでしょう、事務局の方で何か……、はい、どうぞ。

【庄司委員】 この単価が高いのは定格能力に対して6割しか処理していないということが原因だというんですが。この6割しか処理していないというのは、計画していたよりも結果としてごみが集まらなかったのか、それとも、多少規模を大き目につくっていたのか。計算上6割だったのか、結果的にこうなってしまったのか、その辺の情報をお持ちでしょうか。

【土井廃棄物対策課長補佐】 実際のところを聞きますと、この施設をつくった当時に、有料化なり、定額制から従量制にしたことによって、思ったより集まらなかったということでございます。

【石川座長】 いかがでしょうか、ほかに何かございますか。もしなければ……、じゃあ、酒井さん。

【酒井委員】 前半のリデュースのちょっと議論、ちょっと言い忘れたことがあって、それでもよろしいですか。

【石川座長】 はい。

【酒井委員】 すみません。今回は製造と販売と、そして消費段階でのそのリデュースの方向性について、個別にはそれぞれまとめていただいていることで、方向はまず間違いないのだろうというふうに思っているんですが。
 一つだけ、ぜひマクロで見たときの見通しを十分に、特に政府としては頭に置いてお考えいただけないかなという点が一つございます。すなわち、一生懸命減らしていったときに、その余りはどこで発生するんだということなのです。それが純粋に輸入量の削減につながるのであれば、これは原則として受け入れていっていいのだろうと。すなわち、輸入量にあるむだがなくなるような方向を目指すということで、それは結構だろうと思うのですが。そうではなくて、国内で下手にどこかの場所で余ってしまわないかという、そういう視点をぜひ置いておかないと、結局今の、特に温暖化ガスの方から見ていきますと、やっぱり放置メタンですね、放置物からのメタン発生、これはやはり一番悪さをする可能性が高いというふうに認識をしておりまして。そういった意味で少しマクロの見通しを、定量的には極めて難しいと思いますので、国内で変に余らないでしょうねというところの見通しをぜひ立てていただきたいというふうに思います。特にトップランナー云々ということでやっていきますと、その減量量というのは極めて大きなものになっていくと思いますので、それが全体としてのバランスがとれていないということになれば、何をやっているかわからないということになろうかと思いますので、その点をよろしくお願いします。
 そういった意味で、やはり出てくる方のデザインはしやすいのですけれども、こういう減った方のデザインは極めてしにくいですので、そういうことを少しマクロの意味では認識をしていく必要があると、これはリデュースの一つの課題だと思います。

【石川座長】 今のご指摘は、温暖化の観点から行くと、生ごみ3Rをある種の政策で押していったときにコンポストに流れて、そのコンポストの中の一定部分が、いわゆる放置されて有効活用されず、かつ管理も適切でなく、メタンがそのまま出ていくと、いうふうなことになると、温暖化の観点からすると問題であるということですよね。

【酒井委員】 それともう一つは、いわゆる発生現場の方で結局売れなくなったものが単に放置されると、たい肥にもならないと、そういう状況というのもやはり……。

【石川座長】 堆肥化すら行われないというケースというやつですね。

【酒井委員】 はい。となると、その間の放置メタンたるや、それは調子が悪いということになるかと思います。

【石川座長】 放置されるというのは、どういうのでしょうね。現状は一応焼却に行ってるんだろうと思っているのですけれども、現状放置というのがあるのですか。

【酒井委員】 農地で放置というのはあるのではないですか。

【石川座長】 そうすると、そこのコンポストも焼却もされない放置というのは、どちらかというと廃掃法の対象の話ですよね、きっと。

【酒井委員】 どうでしょう、それはわからないですね。

【石川座長】 生ごみですか。そうすると、重要なご指摘としては、多分温暖化の視点から行くと、コンポストなりメタン発酵なり、ここで議論している幾つかのオプションがありますけれども、かなり性格がそれぞれ違う。それをよく考えて行わなければいけないというご指摘だろうと思います。
 いかがでしょうか、そろそろ時間なんですが。特にご意見ないようでしたら、この場はこれで閉めたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 では、事務局から何かお知らせございますか。

【土井廃棄物対策課長補佐】 それでは、事務局の方から2点ばかりございます。
 本日は、欠席されております委員さんも多いものですから、後日、次回の委員様のご予定を確認させていただきたいと思います。おおむね3月の下旬から4月の中旬までの間、次回7回目の開催ということで考えさせていただいております。よろしくお願いいたします。
 もう一つ、前回第5回の議事録を本日お渡しできませんでした。後日メールなり郵送等で送らせていただきますので、ご確認方よろしくお願いいたします。
 次回は、今までの議論を踏まえまして、生ごみ等の飼料化・堆肥化並びにエネルギー利用、処理のあり方及びリデュース、いわゆる検討会すべての項目を、全体的な方向を明確にしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございました。
 それでは、今回はこれで閉じたいと思います。どうもありがとうございました。

午後12時03分閉会