環境省廃棄物・リサイクル対策廃棄物処理の現状検討会・懇談会生ごみ等の3R・処理に関する検討会

第5回 生ごみ等の3R・処理等に関する検討会 議事録


(平成18年2月6日開催)

午後13時31分開会

【土井廃棄物対策課長補佐】 それでは、定刻になりましたので、これより第5回の生ごみ等の3R・処理に関する検討会を開催させていただきます。
 では、委員の出席状況等を報告させていただきます。
 本日はお寒い中ご出席いただきまして、どうもありがとうございます。本日は、酒井委員、瀬川委員、国環研の山田委員、3名の欠席でございます。また、近江委員におかれましては代理ということで、阿久津様にお越しいただいております。
 出席状況につきましては、以上でございます。
 次に、資料の確認をさせていただきます。議事次第のところに書いてございますように、資料1、2、参考資料1、2がございます。資料1としまして、「食品廃棄物系バイオマスのエネルギー利用の現状及び課題等について」ということで、以下、資料2から参考資料2まで同じつづりにしてございます。ご確認いただければと思います。また、委員の方には前回の議事録ということで、別つづりでお配りしておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

【石川座長】 どうもこんにちは。この検討会も第5回になります。これまでフリーディスカッション、それからヒアリングと進めてきましたけれども、本日は、出口としてはエネルギー利用について主にご議論いただきたいと思います。エネルギー利用といいましても、それだけ切り出して議論して済む問題では多分ないんだと思うんですね。食品廃棄物や生ごみをどう処理したり、再利用していったりするかという中での総合的なものの中での位置づけだと思いますので、これまでヒアリングしたりご議論いただいてきたたい肥化とか飼料化との関連も含めまして、ご議論いただければと思います。
 それから、本日は2時間半予定時間をとっておりまして、終了4時の予定です。なるべくなら時間がとれる範囲内でリデュース、発生抑制についてこれまで議論しておりませんので、これは特に資料ということではございませんけれども、残った時間でフリーディスカッションができればというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず資料を用意していただいておりますので、これについて環境省さんの方からご説明いただきたいと思います。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 それでは、食品廃棄物系バイオマスのエネルギー利用の現状及び課題等についてということで、資料1と、それからお手元の資料2の後に参考資料が2つございます。参考資料1と参考資料2、こちらをご説明させていただきます。
 まず、お手元の資料1でございます。「食品廃棄物系バイオマスのエネルギー利用の現状及び課題等について」と題しまして、現状と課題、それから事務局側で考え方といいますか、議論のたたき台にしていただけるような資料をこの中に盛り込んでございます。
 まず、エネルギー利用の現状でございますが、これは前回の資料でもご説明させていただいた部分と重複している部分ございますので、かいつまんでご紹介をしていきたいと思います。
 この食品廃棄物系バイオマスにつきましては、飼料・たい肥などのいわゆる原材料利用に次ぎまして、ガス化・エタノール化などの燃料化、あるいは発電などのエネルギー利用、こういうものが考えられるわけでございます。こうしたエネルギー利用については、地球温暖化対策ということで、有効な対策と注目されているものでもございます。
 このエネルギー利用の方法でございますが、主な技術として3種類、発酵などの生物化学的な方法によるもの、それからガス化などの熱化学的な変換、この中に例えばBDFとか、そういうものも入るわけでございます。それから、通常の直接燃やしてしまうという3つの方法がございます。
 このうち生物化学的変換、これは主に発酵がその方法でございますけれども、含水率の高いバイオマスに適していると言われております。メタン発酵を用いたシステムが、実用化事例が見られてございます。このほかエタノール発酵、これは糖とかでん粉系のものにターゲットを絞ったものでございますが、実用化が進められております。そのほかの研究開発段階の技術も幾つかございます。
 それから熱化学的変換でございますが、これは一般的に含水率の低いバイオマスに適していると言われております。主に木くずといった分野でさまざまな方法が実用化されてございます。このほか廃食用油を対象としたエステル化、バイオディーゼル燃料をつくると、こういうシステムについても事例が多数見られております。
 この図1は、こうした食品系バイオマスの地域別の賦存量、ちょっと絵が細かくなっておりますけれども、それについて非常に地域的にばらついているということが、ご指摘もございますので、既存統計の中で、資料の中でこういうものがございますので、あわせて表示してございます。
 それから次のページでございますが、これは2つの図と表から成ってございます。主なバイオマス系廃棄物の利用用途別のフローというのを図1の方に整理してございます。これ、「図1」とありますけれども、図の番号としては「図2」に訂正していただければと思います。
 それから、表1は「バイオマスの種類ごとに対応する変換技術とその技術水準」ということで、図を表の形で、こういったマトリックスといいますか、そういう形で整理をしてございます。ここでは◎と○を付してあるもの、これは事例が多数あるとか、それから原理的には対応技術として適しているものと、そういうようなものについて◎・○をつけてございます。現実、世界ではこの△が付してあるもの、こういうものについても実用化事例がございますので、そういうものもあわせてこの表には載せてございます。
 上の方の図は、やや煩雑になりますので、表の中で◎を付しているもの、あるいは○をつけているもの、そういったメインの技術のものについて、ここでは便宜的に矢印の線を入れてございます。
 それから、代表的な取り組み事例を次の3ページに抜き書きをしてございます。いわゆるメタン発酵のシステムについては、北海道の空知地域、全部で15市町ございますが、そこのエリアで3ヶ所におきましてメタン発酵システムが平成15年から導入をされてございます。これらの地域では家庭系、それから事業系の生ごみを原料としましたメタン発酵による発電・熱回収が行われてございます。規模は、おおむね50トン未満のものがほとんどでございます。16トンから55トンというような規模、中小規模ということが言えるかと思います。
 それから、バイオディーゼル燃料化システムについては、非常に有名な京都市の取り組みがございますので、京都市におけます、16年からやられておりますが、廃食用油、事業系のものが中心でございますけれども、それに加えて市民の方から回収したものと合わせてバイオディーゼル燃料を製造をされております。これは京都市がそのものを自分の車で使い切るという形をとっております。
 それから工場系のものという観点で、ビール工場における取り組みを書いてございます。これは燃料電池ということで注目をされてございますけれども、技術としてはメタン発酵でエネルギー回収をすると。それを燃料電池で使うというシステムが幾つかのビール工場で既に導入をされてございます。
 それからエタノール化ということで、これは沖縄の製糖産業で、廃糖蜜というものが製糖工程から出てまいりますが、これを発酵させてエタノールをつくって、島の中でバイオエタノールガソリンということで使うと。そういった事業が現在進められてございます。
 それからコストの比較ということで、前回いろいろご意見いただいている中で、コストについても資料を収集することが必要だということで、4ページはコストの現状の情報を収集してまとめてございます。この4ページの左下のところにメタンの発酵施設の建設費、これについてこれまでの事例をプロットした図を載せてございます。おおむね50トン前後のところから、より大きくなっても、ほぼその先は、いわゆるイニシャルコストについてはそれほど低減しないような傾向ではないかと思います。
 そのほか、実際の事例を含めて表形式で整理しておりますのが、その上に書いてあるものでございます。メタン発酵施設と、それ以外ということで、ここはごみ焼却施設というカテゴリーにしてございますが、一応メタン発酵施設とごみ焼却を比較するという趣旨で、この表では整理しております。
 イニシャルコストの欄をごらんいただきますと、最初のa、b、cというのは、これは空知地区の施設についての数字を書いてございます。おおむねトン当たりで見ますと3,000万のオーダーから5,000万という、そういったイニシャルコストがかかるということが言えるかと思います。
 これに対してごみ焼却施設e、f、gということで、規模別にここでは平均値をとってございます。大きな規模のもの、中規模・大規模のものについては、おおむね5,000万程度、さらに小さくなりますと、それよりもう少し高くなると、そういった傾向がございます。メタン発酵施設の方が、それほど差はございませんけれども、イニシャルコストについては、このごみ焼却よりやや安くできるのではないかという傾向があろうかと思います。
 それからランニングコストでございますが、このランニングコストはなかなかデータとしては十分なものがございませんけれども、メタン発酵施設についてはこの空知地区の3施設の経費を教えていただいておりますので、それを書いてございます。基本的には、ここでは減価償却が入っておりませんで、施設の運転・管理の経費を記載をしてございます。空知地区のaとbの施設で、施設の規模が約半分でございますから、その関係もあろうかと思いますけれども、ランニングコストについてこれぐらいの開きがございますけども、その辺の理由というのは、細かいところまではちょっとまだ把握はしてございません。
 このランニングコスト、大体1万円から2万円ぐらいトン当たりと仮にいたしますと、それらと比較するごみ焼却施設の部分、中間処理のコストでございますけれども、減価償却は入っておりませんが、全国を押しなべて収集運搬から最終処分までざっと割ってみると、トン当たり3万円というのが、これが全国のおおむねの平均のところでございます。これをより精密に見まして、例えば名古屋市さんにおけます中間処理の経費、こちらの方には減価償却が実は入っておりますが、トン当たり3万円というようなところ、京都市さんの焼却という部分では2万2,000円というようなところで、ランニングコストについてでございますけども、それほどメタン発酵の場合とごみ焼却の場合とで実態上大きな差がないということではないかと思います。
 それから参考までに、この一番下側に産業廃棄物処理料金ということで、動植物性残さ、これは主として焼却処理をされているケースだと思いますが、環境省で調べたデータでは約6万円というような数字でございます。
 このコストデータにつきましては、まだ系統的に整理もし切れておりませんので、今後ともちょっと精査をしていきたいというふうに考えてございます。
 以上が現状の認識に関するところでございます。
 それから5ページ以降でございますが、それをもとにしまして課題と考え方というのをここでは記述をいたしてございます。まず全体的、基本的な考え方ということでまとめてございます。
 まずはエネルギー利用と原材料利用との関係でございます。この2つの関係でございますけれども、循環型社会形成推進法の基本原則ということで、原材料利用を優先して考えていくというのが基本になろうかと思います。したがいまして、飼料及びたい肥の原材料として利用しやすいもの、あるいは、こういった原材料としての利用が地域ですとか食品関連事業者の方の構築するシステムで成立している場合、こういう場合には、まず当然ながらそういった飼料・たい肥としての利用を進めていくべきということかと思います。これが難しい場合、例えば異物の混入が多いというようなもの、あるいはそうした利用が難しいケース、こういうケースではエネルギー利用をやっていくと、そういう考え方が適当なのではないかというのが最初の第1点でございます。
 それから2つ目でございますが、これはエネルギー利用と飼料及びたい肥利用を複合的といいますか、組み合わせてアプローチしていくというのがもう一つの考え方として適当ではないかということで書いているものでございます。例えば食品製造過程のもの、まずこれを飼料の原材料として利用して、その飼料を与えられた家畜のふん尿、これをたい肥化利用、あるいはメタン発酵してエネルギー利用すると。こういう形で、全体的なシステムの中で組み合わせていくと。多段階でリサイクル、エネルギー回収を行うと。こういうとらえ方も必要ではないかということでございます。この2つを最初の基本的な考え方というところで取り上げさせていただいております。
 それから、2点目がエネルギー利用システムの考え方ということで、前回、委員の方からいただいたご意見を踏まえて書いてございます。エネルギー利用をする場合には、大まかに言って2通りございます。これは従来のごみ焼却施設でほかの廃棄物と合わせて焼却・熱回収するというシステム。それともう一つは、ほかの廃棄物とは分けましてバイオガス化すると、こういった新しいシステム。この2つが選択肢として考えられるのではないかと。この場合に、エネルギーとして利用できる量ですとか、CO2削減効果、あるいはライフサイクル全体でのコスト、こういったものが重要かと思いますが、そういうものを勘案して有利な方を選択するというのが重要ではないかというのが1点目でございます。
 それから、新しいエネルギー利用システムを選択する場合に、これはバイオガス化が現状では中心になるということが想定されますけれども、こういったバイオガス化するプラントを既存のごみ焼却施設に併設したり、あるいは処理のシステムとして組み合わせるということで、バイオガス化施設で出てまいりますような残さ、こういうものについて既存の設備・既存の施設と組み合わせてコンバインドで処理していくと。こういうシステムというのも十分考えられるのではないかということでございます。
 それからスケールメリットでございますが、先ほどの図表の中にもございましたけれども、バイオガス化の場合、メタン発酵する反応槽がございますけれども、その反応槽の大きさにある程度制約がございますので、それを超えて大規模化しても、さほどスケールメリットが働かないという事情がございます。したがいましてエネルギー利用、それから収集運搬の費用と、こういう2つを考えて規模や配置を考えると。いたずらに大規模化・集中化するというよりは、もう少し実際的にエネルギーが取り出せる量ですとか、それから収集運搬の費用、これもふやさないというような形で施設の規模・配置を考えることが重要ではないかということでございます。例えば都市部などでこういうものを導入する場合に、ある程度まとまって発生する場所、業務ビルなどにこういう施設を設置して、ある一定エリア内のものを集合的に処理してエネルギー回収すると。こういうシステムも今後は考えていってもいいのではないかということでございます。
 こういったことをより具体的に検討していくためには、前回ご指摘もありましたが、典型的なパターンあるいはケースというものを少し具体的な設定を行いまして、それで飼料・たい肥の原材料利用、あるいはエネルギー利用との組み合わせ、この辺の特質、それから特徴というのを掘り下げていくことが必要ではないかと考えております。
 それから、やや個別論に入ってまいりますけれども、バイオガス化(メタン発酵)、この技術が中心的なものとして当面想定されますので、ここでは主にこれを整理をしてございます。
 このシステムに伴う問題としまして発酵廃液、残さの処理の問題がございます。それをまず最初に書いてございます。バイオガス化のシステムは発酵廃液、消化液でございますけれども、それから汚泥が発生する湿式のシステム、あるいは廃液はそれほど出ないけれども、含水率の高い残さが発生する乾式のシステム、大まかにこの2通りの仕組みがございます。いずれにせよ、この廃液や残さが出てまいりますので、その処理ですとかリサイクルも含めた複合的なシステムとして計画する必要があるわけでございます。発酵廃液については、特にアンモニア性窒素の濃度が高い廃液が出てまいりますので、この窒素を何とか水処理できるシステム、こういうものが必要になってくると。そういうシステムとのコンバインドなシステムが合理的ではないかということでございます。
 また、出てまいります残さでございますが、これをたい肥利用するということももちろんあり得るわけでございますけども、これについて焼却・熱回収する既存のごみ焼却施設との組み合わせ、こういうものも合理的ではないかということでございます。前回も議論ございましたけれども、このような発酵廃液、あるいはそのほかの残さ、こういうものをまた農地に還元すると、戻していくということは往々にしてあるわけでございますが、そういう場合には窒素過多の問題、あるいはほかのものを原材料としますたい肥との競合関係を考慮して、支障のないような形でやっていく必要があるということでございます。
 それからエネルギー利用でございますが、日本の場合には、このバイオガス化プラントで出てまいります電気でございますが、その発電コスト、これが売電価格を超えてしまうと。売電することが必ずしもメリットにならないというケースがあるということをよく聞いております。このあたりの問題を今後考えていく必要があると思いますが、売電価格を高くするような方策、なかなか難しい部分もございますが、RPF法の見直しというようなシーズンも近づいておりますので、そういった中でも本来は議論していくことが重要なのではないかと考えております。
 それから、現状では売電することによってメリットが小さくなってしまうケースがございますので、そういう場合にはむしろ市町村あるいは地域で、できるだけみずからの施設の中で利用すると。その上で余剰となるものをさらに周辺地域で有効に使っていくというような、そういう形でできるだけ自分の施設の中で使えるようにしていくと。そういうアプローチも重要ではないかと考えられます。
 それからバイオガス化の対象になる生ごみ、それからそういうものの事業形態でございますけれども、市町村側の事情といたしまして、容器包装リサイクルということで、家庭ごみにウエイトの大きい容器包装、こういうものの分別が現在進んでおります。そうしますと、家庭ごみに占める生ごみのウエイトが高くなってまいります。プラスチック製の容器包装などを分けて処理するということになりますと、残るごみの側で生ごみのウエイトが高くなっているという状況でございます。このため、既にプラスチック製容器包装を選別・分別している市町村では、生ごみを従来の施設で焼却処理する場合に、助燃剤を相当入れるというケースもあるやに聞いております。そういった助燃剤を用いてでも焼却処理をしていくのか、あるいは新たに生ごみを分けて別の処理システムで、バイオガス化で例えばエネルギー回収を行うと。これはどちらにするかということが、現実の市町村のごみ処理事業の中で課題になってきております。
 したがいまして、食品関連事業者と市町村のニーズが地域によっては一致する可能性も出てきているということでございますので、家庭の生ごみと地域の外食産業などで出てまいります食品残さを共同で処理するシステム、これを計画するということが考えられるのではないかと。この場合に、食品関連事業者も例えば参画した形で、事業会社が事業を行うというようなPFI方式、あるいはそのほかの公設民営方式とか、そういう形で効率的な事業運営をするという方法が一つモデルケースとして考えられるのではないかと考えております。
 続きまして、バイオディーゼル燃料利用でございますが、これは京都議定書目標達成計画の中で輸送用燃料にバイオ燃料を導入するということが位置づけられておりまして、バイオディーゼル燃料(BDF)、その一角ということで期待をされてございます。こういうものの利用がスムーズに進むようにということで、軽油に混合して利用する場合の規格も検討されているということを聞いてございます。従来から、廃食用油については飼料の原料としてリサイクルされてきておりますけれども、こういう利用がされてないもの、あるいは家庭から回収するものをバイオディーゼル燃料とすることが今後考えられるのではないかということでございます。
 その場合に、京都市のケースにございますように、自治体のごみ収集車、市営バスなどで利用するという、その利用側も含めたトータルのシステムで考えることが必要ではないかということでございます。例えば京都市の例では、BDFを部品交換など改造を行いましてごみ収集車で利用すると、こういうシステムをとられてございます。これは地域からごみを回収するごみ収集車でBDFを使うということで温暖化対策、それから循環型社会形成ということに加えまして、地域のコミュニティーづくりということでも有効な取り組みではないかと考えております。
 そのほかエタノールにつきましても、バイオディーゼル燃料と同様に京都議定書目標達成計画にも位置づけられている対策でございます。廃糖蜜などの食品廃棄物からエタノールをつくって自動車燃料に用いるシステム、こういうものについて今後進んでいくんだろうということが考えられます。
 それから炭化でございます。生ごみなどの食品廃棄物につきましても、炭化の取り組み事例がございます。これは地域によっては、可能性が十分あるシステムではないかと考えております。ただ、この炭化につきましては食品廃棄物を炭化したもの、これは必ずしもその成分から言いましてほかのものを炭化したものと比べてエネルギー利用が特に有利だということはございませんので、エネルギー以外の新用途も含めて、例えば活性炭ですとか土壌改良材を考える方がいいのではないかということでございます。この場合も、BDFと同様に、得られた炭の安定的な利用先の確保、これと一体で考えるシステムということではないかと思います。
 それから一番最後でございます。家畜ふん尿や下水汚泥との関係ということでございます。生ごみ等の食品廃棄物、これは湿重量当たりの発生バイオガス、メタンガスでございますが、比較的大きいということで、そういう意味で、エネルギー回収という点で資源性が高いということが言えると思います。こういった生ごみについて、隣にございます同じ水をたくさん含んでいる家畜ふん尿や下水汚泥、そういうものとの共同処理というのが、地域全体でメリットが得られる可能性というのは十分あると思います。
 このエネルギー回収システムづくりという点で、地域でそれぞれのニーズが一致する可能性も十分にあると思いますし、共同処理することで先ほどございました廃液ですとか残さ、こういうものの処理についても、ばらばらではなくて共同でやっていくと。そういう合理的な方法を選択できる可能性があるのではないかと思います。生ごみなど食品廃棄物分野、その分野だけでの原材料利用やエネルギー回収という、そういう見方に加えまして、地域ではウエット系のバイオマスというくくりで家畜ふん尿、下水汚泥との共同処理を模索すると。こういう考え方も重要ではないかと考えております。
 続きまして、参考資料1をご紹介したいと思います。
 先ほどコストについて資料1の中でも整理してございましたが、この参考資料1はメタン発酵処理についてどれぐらいの経済性があるかというのを、従来の焼却処理と比較をしているケーススタディをやっているものでございます。
 その検討条件が最初の部分に書いてございます。2つの処理方法について比較検討ということで、従来型焼却処理、それからメタン発酵処理して残りのものを焼却処理と、この2つのケースを比較しております。これは中規模と大規模ということで、中規模の場合には、トータルで60トンのごみを処理すると。大規模の場合には300トン処理するということで、メタン発酵と焼却の場合には、そのうちの約3割がメタン発酵に回ると。そういう設定になってございます。メタン発酵後の脱水ケーキ、残さでございますが、これを焼却設備で処理をすると。あるいは、廃液については排水処理をして下水道放流と。そういう設定になってございます。
 検討結果でございますけれども、発電量、これについてはメタン発酵により効率よくエネルギーを回収できるということで、特にこの表2の方をごらんいただければと思いますが、表2の総発電量、全量焼却と、それからメタン発酵と焼却を足したもの、メタン発酵+焼却の方が総発電量が多くなってございます。ちなみにその表1の中規模の場合については、ごみの全量焼却の場合には発電なしというケースでここでは比較をしてございます。
 それから、次のページが運転費の比較でございます。ここでは減価償却などは含んでございません。いわゆるその維持管理にかかる費用ということで、計算をしているものでございます。計算している運転費の項目は、表3にございますようなユーティリティー関係から人件費までという、こういう項目を計算をしてございます。表3が中規模、表4が大規模という場合でございますが、中規模につきましては、合計欄をごらんいただければわかりますように、全量焼却とメタン発酵を取り入れた場合とでほぼ変わりがございません。表4、こちらが大規模でございますが、こちらをごらんいただきますと、メタン発酵+焼却の方が安くなっていると。これは電力の売電処理の増加による部分でユーティリティーの経費が改善されて、トータルではメタン発酵の方が有利になっていると、そういうことでございます。
 それから、CO2についても比較をしてございます。ここでは削減量というのを比較をしております。助燃剤使用量が低下することに伴う削減量、それからメタン発酵施設の売電に伴う二酸化炭素の発生削減量と、こういうことで中規模・大規模、いずれの場合もCO2対策として有効だということをここでは計算をしております。
 それから、参考資料2を最後にご紹介いたしたいと思います。前回の議論の中でも、コストに加えまして、CO2対策とかその環境負荷の面から見たときに、既存のごみ焼却施設とバイオガスとどこがどう変わってくるのかと、そういう点も重要だというご指摘がありましたので、参考資料2を用意しております。これは廃棄物学会誌に投稿されたものの、エッセンスをここではまとめております。
 まず1つが、「京都市における新処理技術を組み合わせたシステムの検討」ということで、これは容器包装リサイクル法の全面施行に備えて、京都市において新しい処理技術、そういうものについて比較検討しようということで、検討された結果が廃棄物学会誌に投稿されているというものでございます。
 その中でバイオガス化技術というのも一つの選択肢となっておりまして、新処理技術を組み合わせたケースと従来型の焼却発電との比較というのが行われております。これはCO2排出量、それから送電可能電力量など、幾つかの項目を比較しております。そして、この組み合わせケースの比較例でございますけれども、従来焼却発電とバイオガス化と高効率発電、そのほか7つのケースについてCO2排出量、それから送電可能電力量、そのほか収支額、埋立処分量などが比較・評価されてございます。
 そして、この結論としては、バイオガス化を組み入れたものが総合的にすぐれているというふうになってございます。主にすぐれている主たる理由でございますが、これがバイオガス化と従来焼却発電との比較での発電電力量が50%アップすると。このあたりが主な理由になってございます。
 それから、最後に2番でございますが、「温室効果ガスの視点からみた厨芥利用システム解析」ということで、これは国立環境研究所において研究されたプロジェクト、その成果の一部が廃棄物学会論文誌に投稿されている、それを引用させていただいたものでございます。これは厨芥類を対象としまして、ここでは燃料電池も含めてでございますが、バイオガス利用を含む4つの処理シナリオを設定してケーススタディを行っております。
 具体的な比較でございますが、これは真ん中より下にこの表がございますけれども、シナリオとしては焼却、それからたい肥化、バイオガス化を組み入れたもの、ガスエンジンと燃料電池と、この4種類になってございます。それぞれ農村部と大都市で各シナリオのCO2排出量を比較をしてございます。この結論でもバイオガス化はエネルギー回収が効率的であるため、CO2排出量が最も低くなっていると。そのような結果が示されてございます。
 以上でございます。

【石川座長】 どうもありがとうございました。
 ただいま資料についてご説明いただきましたが、資料に関して、ご質問もしくはご意見ございましたらお願いいたします。何かご不明の点ございませんでしょうか。
 ちょっと私の方で、今、ご説明を伺っていて、比較するのが間違っているのかもしれないんですが、参考資料1の1ページで大規模ごみ施設の発電量、売電量を見ますと、焼却だと35MWh、メタン発酵の方だと合計で47MWhですから、1.5倍弱ですね。次のページの運転費の比較のところを見ると、焼却だとマイナス660円で、これ収入ですよね。コストですから。メタン発酵の方は1,367円の収入というと倍ぐらいになっていて、何かちょっとつじつま合わないような気もするんですけど、比較するのがいけないんですかね、これは。売っている電力量を見ていると5割増しなのに、収入がなぜ倍になるんですかということなんですけど。

【小島委員】 参考資料1の2ページですが、例えば中規模のごみ焼却施設の場合のメタン発酵のランニングが3,400円、これはトン当たりですね。大規模の場合は1,100円になっていてかなり差がある。もとの資料の4ページのところに、中空知だとか砂川のランニングコストがトン当たり1万から2万という数字と、かなりこう差が出てきている。
 それと、あと同じ参考資料1の2ページですけれども、この全量焼却の中規模が1万3,000円から1万7,000円ですが、下になりますと、大規模だと2,000円ぐらいですね。ちょっと私どもが考えている数字とかなり開きがあって、何か合ってない部分があるんじゃないかなと思うんですけれども。

【石川座長】 このコストのところがちょっと、何を計算してコストと言っているかの定義の問題かなと。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 申しわけないですけども、資料1の空知地区のランニングコストの欄は、これは運転管理委託をやっておりまして、その経費をここでは書いてございます。実際、この空知の3地区では、売電収入なども別途あるんですけども、それについてはここでは差し引いたりということをやってないので、こういう数字になっております。
 一方、その参考資料1でございますけども、60トンの全量焼却の場合には、最初のところにも書いてあるんですけども、ここではごみ発電はなしということで、したがいまして所内電力とか、そういうものについて全量買電をするということになってます。
 したがって、全量焼却のところのコストは、こういう形で電力が3,600円ほど、そういうものに加えてトータルで1万3,000円ということになります。一方で大規模の方は、全量焼却の場合の電力については、先生からもご指摘ありましたけれども、売っているということでございまして、ここの部分は逆にマイナスになるということで、この中規模と大規模の焼却コストについては、そこの部分が電力を、発電をしているかどうかというところが結果として大きくなっていますので、中と大を比較するときには、その辺を念頭に置いていただく必要があるんだと思います。
 それで、先ほどの石川先生からのご指摘についてですけども……。

【土井廃棄物対策課長補佐】 石川先生のご指摘の部分は、この2ページの(2)の上から2つ目の丸のところにありますように、併用処理の方が契約電力の低減と売電収入の増加により用役費が改善され安価となるということで、契約電力の方が……。
【松澤廃棄物対策課長補佐】 名古屋市さんなんか詳しいと思いますが、製造工場でも電気を電力会社から購入されておりますので、そういう場合にどれぐらいの電力を量として購入するかという、契約の際、その電力をあらかじめ決めておくわけですけども、それをたくさん買うという場合と、それから少ししか買わないという場合とで違いが出てくるんだと思いますが、その契約電力のコスト、これがメタン発酵+焼却の場合は全量焼却と比べてここでは低減できると。それを見込んでいるので、マイナス660円という収入が、メタン発酵焼却の場合には見かけとしてはこの倍ほどに、1,367円というふうになっていると。そういう事情があろうかと思います。

【石川座長】 わかりました。皆さん、今のご説明で……。

【山田(久)委員】 データの関係でわからないんですけど、これは名古屋市さんに聞くんですけど、もとの資料の4ページの全国平均で3万円、収集運搬、中間処理、最終処分を含むということなって、3万円になっています。その下で、名古屋市さんが焼却と破砕と、「のみ」という意味じゃないかと思いますが、3万円かかっているということでですね。その上の方に人件費、補修費を除くとか、収集運搬経費は含まないとかという、ばらばらの数字で、それを見ながら、今度は参考資料1の表4の大規模の場合に、300トンで2,174円と。これは2,174円ですよね。このトン当たり2,174円というのは……。運転費の概念は何かということも、人件費・補修費を除いたようなランニングコストはないんですから、減価償却費、保守点検費は含まないとかって、これでは全然比較にならないんじゃないですか。わからないです、全然。

【石川座長】 何か追加の情報ございますか。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 このランニングコストのところはちょっとわかりにくくなっておりますので、また改めて整理をいたしたいと思います。資料1のところでは、メタン発酵施設の部分については、これは運転管理委託をしているお金を計上をしております。したがって、その下のごみ焼却の方とストレートに比較ができないコストになっておりますので、また次回、この辺はちゃんと比較できるような数字にいたしたいと思います。
 参考資料1の運転費のところは、運転費の項目にございますように電力料金、これは電気を売っている場合にはその収入ということになりますが、その経費ですとか、この運転費の表の項目にありますもの、人件費を含めたものの合計になっております。これもできれば資料1のものと比較できるような形で、次回までにはまた整理をさせていただきたいと思います。

【石川座長】 それと関連するんですけれども、結果を伺うと、電力の費用がかなり経済性にきくという話になりそうなので、電力、幾らで売っているという想定をされているか、もし実績値だったら本当に幾らで売っているかと。これは多分、電力会社との相対契約みたいな話になるので、個別に違うかもしれないんですよね。ですから、わかる限りどういう数字なのかというのを表の中に入れておいていただけませんでしょうか。
 あと何かございますか。

【小島委員】 名古屋市も、こういう形で全量焼却と一部生ごみを抜いた形との比較をやって、市民に対する説明責任をきちっとやらないといけないなということで今検討しているんですけれども、私どものやり方が悪いのかどうかわからないんですが、なかなかこちらに出ているほどの有意性が素直に出てきていない。また、生ごみも、どういう性状のものかによって全然発電量も違いますので、そのあたりも明らかにしていただけると助かります。生ごみの場合の消費電力が本当にこれでいけるのかなというのが気になっています。この通りであれば私どもも非常にうれしいんですけれども、そのあたりの理論化をきちっとしたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。

【石川座長】 名古屋市さんの方で、モデル計算されたとか実績があるとかということでしたら。

【小島委員】 ありますが、それが正しいのかどうかが私どもも分からない。それほど有意性が出ないんですね。そういう意味で、全国ベースのデータをきちっと整理していただけると非常に助かるなと思います。

【石川座長】 そうすると、計算の前提条件なのか、それともデータベースが違うのかもしれませんけれども、それでもし結論が大差がないというのと、こちらが有意だというので分かれるとすると、それは困るので。違うなら違うで、どこがどう違うのかというのをはっきりさせることが必要だと思うんですが、もし差し支えなければ、事務局の方と突き合わせていただいて、どこが違うのかというのを明らかにしていただけませんでしょうかね。
 ほかに何か。では、庄司さん。

【庄司委員】 これはこの段階で言うことなのか、どこかで、もう少し先で考えなくちゃいけないことなのか。いずれにしてもちょっと考えなくちゃいけないんですが、例えばここの参考資料2で比較をして、従来焼却発電の比較では発電電力量が大幅に増加するというふうになっています。このことは、それで間違いないと思いますし、これはこれで一つのメリットとして出てくるんでしょうけれども。
 自治体のごみ処理システムとの関係で全体に考えていくときには、これはこれで一つのデータで必要ですけども、もう一つあわせて、例えばバイオガス化をするという形でのごみ処理を、生ごみが現在の市の収集量からここでは30%と言っていますが、30%減りますね。30~40%減ります。そうすると、焼却量そのものが、ごみの量がそのまま減りますから、今度は本体の焼却施設における変化がどうなっていくのか。焼却効率だけの問題でなくて、継続的に今は24時間フル稼働でやっていることを前提に多分こういう効率が出ていると思いますので、そういう点からどういう影響が出てくるのかというのをあわせて示しておかないと、将来的なシステムの選択としては、自治体にとって検討材料がちょっと不足するのかなと思います。

【石川座長】 今のご質問の趣旨は、今ある焼却施設を前提にして、分別して例えばメタン発酵をするとごみ量が減って、運が悪いと連続運転が危なくなるかもしれないと、そういうお話ですね。

【庄司委員】 そういうこともあり得るわけです。

【石川座長】 そうすると、それは短期の話ですね。

【庄司委員】 短期の話です。

【石川座長】 焼却炉とメタン発酵、ここでの資料の用意の仕方としては、多分セットとして新しくしたものと全部焼却を比較していると思うんです。庄司さんのご指摘は現実に……。

【庄司委員】 経過的な一つの。

【石川座長】 経過的な部分ですね。

【庄司委員】 ええ。

【石川座長】 経過的といっても、10年以上あるかもしれませんからね。

【庄司委員】 そうです。だから、それは非常に自治体としては気になるところですから。

【石川座長】 わかりました。

【小島委員】 今、ご指摘されたところは、私どもも一つの問題点としてありまして、運転効率が落ちて発電効率が落ちるのではないかという危惧があります。ただ、将来的には、新しい施設に更新されればそれは変わっていくということを提示していけば良いのではと。10年かもしれませんけれども、一時的なことだと。ちょっと懸念としてあるかなというふうに思っております。
 あと、提言の中に焼却と生ごみのコンバインという一体化という良いご提案があり、同じ施設に生ごみと焼却を設ける、ないしは近いところに設置していくことは非常に良い。ただ将来的な検討で結構ですが、今の建築基準法上でいきますと、バイオマスというか、メタン発酵施設というものを建てられるところが限定がされています。工業か、工業専用地域というところに限定をされておりまして、既存の焼却工場に必ずしもうまく設置することができない。建築基準法上の政令でただし書きの除外規定がございまして、ガス事業者はそれから除かれるという規定がしてあるので、焼却工場と一体であれば設置できるというような改正を環境省さんから国土交通省に働きかけしていただけると進みやすいかなというふうに思います。

【石川座長】 わかりました。そうすると、比較する上で、経過措置であったり、そういうことを考える必要があると。さらに現実的なことを言うと、建築基準法上のバリアがあるかもしれないということですよね。それは別途、念頭に入れた上でということにしたいと思います。
 あと関連のご質問ございますか。じゃあ庄司さん、関連する点について。

【庄司委員】 先ほどのところで、私が先ほど申し上げたのは、施設規模が固定して、今の自治体の焼却施設を固定してということではないんですね。建てかえまでは動かないとか。そういうこともあるんですけれども、将来的な長期計画では、そういう施設規模を縮小していくとかということは考えていかなくちゃいけないんだろうと思うんですけれども。
 ただ、あわせて、今のごみ処理体系、自治体のごみ処理体系そのものも、そういう形で見直していく点もあるのではないかと。例えば極端な言い方をしますと、産廃……、事業系の廃棄物の受け入れ、それらを現在の施設の中で処理をしていくということも選択肢としてはあり得るのかなと思います。そうすべきだということではないんですが、必ずしも施設規模だけを固定的に考える必要はないのかなと。ごみ処理体系もあわせて考えていくということは必要なんじゃないかなと。

【石川座長】 はい、ありがとうございます。
 このことに関連するご質問ございますか。もしよろしければ、じゃあ先にちょっと手が挙がっていましたので崎田委員、それから堀尾先生にお願いします。古市先生も。

【崎田委員】 今、これを拝見していまして、本当に、ここにも既に書いてありますけど、容器包装リサイクル法など徹底して毎日やっていると、残りは生ごみだというのがもう明確になってきますので、そこをどれだけきちんと飼料化をする、たい肥化をする、そして、それに見合わないものはどうやって活用するかというあたりの道筋がちゃんと出てきて、本当に今の社会でここをきちんと情報を出すことが重要だというふうに強く感じます。
 そういう中で、きっと今後私なんかもすごく考えなきゃいけないなと思うのは、どういう地域だと飼料化やたい肥化が非常にうまくいって、その後どういう地域だとバイオガス化と焼却の混合だとよくなるのかという、そういうような地域の特性によっての選択というのが今後物すごく重要になってくると思うんですけれども、その辺、どういうことを基準に考えていったらそれぞれの地域がいいのかというのが、わかっていくような形でいろいろな情報が出ていくと、皆さん整理ができるんじゃないかなという感じがいたしました。
 あと、一番最初のページにバイオマスエネルギーは一次エネルギーの6%のポテンシャルがあると書いてあって、これが本当にエネルギー活用されていったら、今の温暖化対策というのは物すごく画期的に広がっていく話だと思うので、この辺の徹底活用が大変重要だと私も感じます。
 それで、6ページのところで、エネルギー利用をした場合に売電価格が発電コストよりも低いというか、もうちょっと新エネルギーを高く買ってくれる仕組みになっていかないとつらいというような、やはりこの辺のRPS法の見直しに関するあたりの議論というのは、これからかなり強く情報を出していくということが重要なんだと思っています。今、ちょうど資源エネルギー庁の方の新エネの部会の方で、RPS法の課題整理という部会が始まって、そろそろ終息段階に来ておりますので、かなり強く情報発信していくということも有効なのではないかなというふうに感じます。
 あと最終的に、7ページ、8ページあたりの将来展望の中で、例えば食品廃棄物だけではなくて、下水道汚泥や家畜ふん尿などとの関連も考えた方向もあるのではないかというふうに書いていらっしゃいますけど、私はここってかなり大事なんじゃないかというふうに思います。なぜかというと、特に家庭系などの生ごみというのは、もっともっと食を大切にして生ごみの発生を、この後リデュースのお話というのがありますが、いかに食をきちんといただいて、生ごみとして出すものを減らすかという時代ですので、家庭用の生ごみの発生量というのを下げていくというのを熱心にやっていかなきゃいけない時代ですので。やはりそういうことを考えると、生ごみだけの発生だけではなくて、蓄ふんとか下水道汚泥とか、何かこういうようなところとの連携で考えられる地域は、そういうような事例というのも、できるだけ何かモデル事例などを実施して、うまくいくのかどうかという実証実験なども進んでいくといいなという感じがいたします。よろしくお願いいたします。

【石川座長】 どうもありがとうございました。まず最初ご指摘いただいた点は、地域性ですね。家畜ふん尿とかもそうですし、分別収集を考えても、多分、生ごみの分別収集も地域性があるような気もしますし、そういう地域性と、そういう地域ごとに好ましいシステムは何かというふうなことをまず考えないといけない。それは非常に重要だというご指摘で、さらに、最初に多分どういう視点からそういうことを考えるかというのが、まず私は議論が必要なのではないかなというふうに思います。特に生ごみの場合は資源として、2番目にご指摘あったような温暖化対策になるんだという視点はもちろんありますし、ごみとしてどうするのかというのも重要ですし。一方でたい肥化だとか、そういう話をしていきますと、じゃあ窒素はどうするのかという問題も出てきます。さまざまな論点があって、たい肥化・飼料化に関して言うと、食べ物としての安全性をどう考えるのかって非常に多分重要になってくると。そういう視点がたくさんありますから、そういうことをまず整理した上で、地域性とは一体何かというふうな話をしていくのがいいのかなと私自身は思いました。
 あと、それから全体として、これは地域ごとという話なんですが、日本全体として、温暖化対策としてこれは重要なんだというご指摘がありました。新エネとしてということもあります。この点に関して、まず何かご意見とか補足とかございますでしょうか。よろしいですか。
 私自身は、どういう視点でそれを議論していくのかということを、まず考えられるものを幾つか挙げることが必要かなというふうには思います。私が思いついたものを思いついた順に言いましたけれども、何か、崎田さん、追加とか、そういうことはございますか。

【崎田委員】 実は全体の新エネルギーの目標値というのが、もっと高めに設定して、高めに設定しながら、できるだけそこをきちんと使っていくような仕掛けにしていって、それでそれなりにこういう新エネルギーをきちんと、今、日本は固定価格ではないシステムをとっているわけですけれども、目標値を高く設定することできちんとですね、もう少し高い料金を出していくような状況にするとか、少しそういう政策的な誘導というのも必要なのではないかというふうに感じています。

【石川座長】 ありがとうございます。それはRPS法の関連の話ですよね。

【崎田委員】 実はRPS法の関連でそういうふうに強く思うんですけれども、RPS法の議論をしていきますと、RPS法は規制的な措置ですので、新エネルギー全体の熱利用とか、バイオマスのこういうポテンシャルなどを考えて、全体の目標値を高く設定することでもっとRPS法がうまく回るんじゃないかという議論もかなりあるものですから、ちょっと両方を考えてお話をいたしました。

【石川座長】 わかりました。ありがとうございます。
 それはここの検討会でご議論いただいている話と非常に関連の深い話だと思います。一方で、それはエネルギー政策みたいな話になりますから、もう一つ別なところでやっているという話で、こちらからだと多分こういうことができるとかというふうなことを出していくというようなところかなと一つは思います。目標ということからいくと、より関連が深いのは、例えばの話ですが、埋立量をどうやって減らすかとか、食べ物のリスクをどうやって下げるかとか、そういうのは割合とこの検討会と直接の関連がむしろあるかなという気も少しします。いずれにしても、かなり関連が深い話ですので。
 あと、関連のご質問とかございますか。はい、どうぞ。

【山田(久)委員】 庄司さんに確認したいんですけど、先ほどのお話は、あわせ処理の問題なのか、一廃・産廃の区分の問題なのか、廃棄物の体系にかかわることということで、ちょっとそこら辺整理してお話ししていただきたいと思います。

【庄司委員】 産廃のことも含めていずれは考えなくてはいけないと思うんですが、「産廃」という言葉を続けて言わなかったのは、産廃・一廃の区分の見直しまでいくと非常に大きな問題になりますので、私は当面、事業系の廃棄物、一廃、例えば食品リサイクル法なんかでも、今、事業系でやっているのは大半が自治体から出て外で行われていますので、将来的に今20%がそれをもっと上げていけば対象が多くなっていきますし、処理施設、あるいは単にたい肥化とかコンポスト化だけでは到底間に合いませんから、そういう意味での自治体の処理責任とのかかわりでの廃棄物の処理体系を、もうちょっと見直すということも含めてやるべきじゃないかなと。産廃は、将来的な課題だと思います。

【石川座長】 よろしいですか。もし、特にご意見ないようでしたら、先ほどから先に手が挙がっています、古市先生の方が先だったですかね。堀尾先生ですか。

【堀尾委員】 私、下水道との結合というのがやはり非常に重要だろうというふうに思っております。あくまでも試算ですけれども、下水量に対して、生ごみをもしディスポーザーで直接下水に流したとしましても、1%ぐらいの水量増加しか見込めないんですね。汚泥量になりますと、もう少しふえて10%弱ということですから、現在の下水道に対する負荷が著しく大きくなるというふうに受け止められる向きがどうもあるようなんですけれども、必ずしもそうではないのではないかと思います。歌登町の実験も終わりましたし、かなり条件が整備されておりますので、ぜひ省庁連携の中でそういうことを検討していただけるといいですね。また、農水省さんの方でも、集落排水の方でその条件が今、整いつつあると聞いています。
 それから、コストについてですけれども、きょうはこの4ページの表がございますが、これを見ますと、電力の方のコストという点では、キロワット当たり大きいものでは800万円ぐらいになっていますね。このままでこの資料がひとり歩きしてしまうと、これをよしとするというふうに理解されかねませんので、できれば何らかの疑念もつけた文章にしていただけるとよろしいのではないかと思います。
 実は2004年に、経済産業省の資源エネルギー庁の中の研究会で、新エネルギー産業ビジョン研究会というのがありまして、その報告書にメタン発酵、これはあくまでも畜産ふん尿のメタン発酵でございますけれども、諸外国の例と我が国の例の比較の図が添付されております。その図には、明らかに我が国のメタン発酵施設はもう少し価格破壊が必要なのではないかというニュアンスが含まれています。その辺を、ぜひ今後検討していく必要があるのではないかと思います。
 以上です。

【石川座長】  はい、どうもありがとうございます。関連したご質問、ご意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 多分、下水道の問題って重要ですよね。システムとして比較すると、これはまだ資料その他には明確にはそこまで出ていませんけれども、じゃあ、実際に生ごみを分別収集して何かの処理をするというと、分別収集のシステムというところで、恐らく市民の協力という点でかなり違ってくるような気も多分するんですね。分別された生ごみを収集するというのは、余り一般的な話じゃないですよね、少なくとも都市部では。それがどのぐらいできるかという話と、一方でそこのところを簡単にするんだというセンスからいけばディスポーザーという話があるわけですね。ディスポーザーにいくと、システムからいくと、要は下水汚泥になって戻ってくるという話ですよね。その下水汚泥をだれが処理しますかというと、焼却炉で燃しているわけですから、そこのところをどうするんだという話で、それはここの我々が今まで議論した範疇に入ってくるわけなので、それも含めて議論をしていくことが重要かなというふうに、確かに私もそう思います。

【堀尾委員】 もう一つ、生ごみの問題は、生ごみだけの問題じゃないと思います。残ったごみが非常に質がよくなるということ、そこをやはり一般の市民の方によく認識していただかなければいけないのではないかと私は思っております。

【石川座長】 あとはコストの問題をご指摘いただきました。これは最初データその他についても幾つか質問が出ておりますので、それもまとめて、また資料をリバイズしていただいて提出していただこうと思います。
 関連する点、何か……。じゃあ、犬伏さん。

【犬伏委員】 コストでは、ランニングコストのことがかなり議論され、そこに減価償却が入らないというふうに書いてありましたけれども、イニシャルコストの方で何年ぐらいもつのかというような、焼却の方はかなり高温がかかるので早くだめになってしまうけども、メタンだったら長持ちするとか、そういうようなデータがもしあれば示してください。
 それから、あと地域差にもかかわることですけれども、どうしてもメタン発酵は温度が結構必要なものですから、北海道の例でどうかわかりませんけれども、ある程度出てきた熱をまた利用して、温めてみたいなところがあると思うので、それが例えば西南日本とかというところではもっと安くなると。もしこれが一番厳しい例だというようなデータがあれば、それも見せていただきたい。
 あと細かいことですけれども、ごみ焼却の方は、当然ダイオキシンの処理なんかの、それもつけた形の新しいコストでしょうか、その点も確認していただければと思います。
 よろしくお願いします。

【石川座長】 今の3点は計算の根拠みたいなご質問かと思いますが、すぐお答えになれますか。もしあれでしたら、調べて。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 焼却年数、耐用年数のようなものについても考慮して、それで耐用年数を考慮した形でイニシャルコスト、トータルコストで評価する際には耐用年数を考慮することが必要だと思いますので、それは次回、資料をリバイズするときにきちんとしておきたいと思います。
 ちょっと地域差がある、発酵するための温度維持の話を先生されたかと思いますが、これはそういう実態があるかどうかちょっと調べてみます。ここではちょっと何とも言えないと思います。
 それから、ごみ焼却でございますけども、一応、今回出しております参考資料1のような資料では、基本的にはダイオキシン対策を含めた最新鋭のコストということになっているかと思いますので、それは一応確認した上で次回までに整理します。

【石川座長】 よろしいですか。ほかに何か関連する点。はい、中井さん。

【中井委員】 ちょっと関連ということから離れるかもしれないんですが、ちょっと2点申し上げたいと思います。
 1つは、バイオマスのエネルギー利用の課題と考え方ということなんですけども、全体としてどういう形で排出元から回収をするのか、あるいは言葉を変えて言えば収集運搬ということになるかもしれませんし、さらに言葉を変えれば、どういう形で原料を確保するかということになるかと思うんですけど、その辺の視点がちょっと欠けているのではないかなという気がします。
 例えばということで申し上げますと、7ページのBDFのことを例で申し上げますと、最初の丸のところに、「外食産業・小売・卸売等流通過程」から3行、「家庭から回収する廃食用油をBDF化することが考えられる」というようにさらっと書いてありますけども、現実的には、これ、実際にどういう形で回収をしていくのか、余っているのかどうか、十分リサイクルされているのかどうか、それから家庭から本当に回収するということが可能なのかどうなのか。京都市の例というのは、極めて例外的なのではないかなと思いますので、この辺さらっと書いてありますけども、これはBDFに限ることではありませんけども、どういう形で原料を確保していくのか、回収していくのかということの視点がやはり検討の中には必要ではないかなと思います。
 それからもう一点は、例えばということで例を先に申し上げますと、次のページの炭化になりますけれども、「炭化を成功させるためには、炭の品質もさることながら」という次の行までですね、「システムとする必要がある」と。まさにこのとおりだと思いますけども。炭は非常に、建築資材も含めて用途はたくさん、農業よりもあると思うんですけども、我々の業界、外食産業の立場で申し上げますと、実は現状の食品リサイクル法でいきますと、委託をして炭化処理をした場合は、これは実は食品リサイクル法の対象とされておりませんので、そういうことの検討もやはり必要ではないかと。インセンティブといいますか、炭化の需要をふやすためには、こういったことも含めて検討していく必要があるのではないかなというふうに思います。

【石川座長】 どうもありがとうございました。まず収集というんでしょうかね、分別収集の問題と、それから炭化の問題、ご指摘ありました。これは大事なことですので、議論したいと思いますけど。まず最初に古市先生から手が挙がっていましたので、古市先生にまず。

【古市委員】 全般的な議論になっていますので、全般でよろしいんですね。いや、個別の議論かなと思ったけど、全体にもう行っていますので、全体でよろしいですね。

【石川座長】 結構です。

【古市委員】 もともと、この経済性の参考資料1のところで感じましたのは、条件としては売電価格が日本は物すごく安いですよね。売り電と買い電と比べてね。そういうところのアンバランスというのは自覚されている。
 それからごみ質の話。それから収集形態。これも生ごみだけ分別するとしても、それで数がふえるのかふえないかなんて全然1クルーで違いますからね。そういう収集形態の話。
 それから、併設するかしないかで水処理費用のコストが全然違いますよね。これがあるのかないのか。いやいや、家畜ふん尿の方ですと、圃場にまくという話もありまして、利用できるわけですし。
 それから、処理費用がこれは取れるか取れないかという話。これはもうある意味で有料化のところはかなりあるんですよね、生ごみの場合については。それと、生ごみだけでなく、家畜ふん尿にしましても、そういう処理費用を取れるか取れないかというのは大きな話なんですね。
 そういう意味で、今申し上げた売電価格、ごみ質、収集形態、水処理費、有料化、この辺、非常にきいてくる条件なんですけれども、特に今、事業として成り立たない大きな条件は、売電価格と処理費用と水処理費なんですね。この辺のところをどう改善するかというのが、システムが成り立つという大きな話だと思うんですね。
 それは参考資料1のお話として、全般的な話にちょっと転換させていただきますと、もともと生ごみのお話ですと、生ごみを集めようというのは、これはリサイクルすること、ガス化にしても炭化にしてもたい肥化にしましても、これによってプラス効果が出てくるだろうと。その結果として、残ったごみが扱いやすい、ステーションで生ごみが出てこない、ごみ汁が出ないとかですね。それから、収集形態のところでほかにいろいろメリットありますけれども、今度処理の方にしましても、生ごみ、含水率が非常に高いものを燃やすことを避けられますから、非常にコストが浮きますよね。そういう意味で、生ごみのこの処理の部分だけというのは、先ほど庄司さんもおっしゃったですけど、ごみ処理全体の中でどうあるべきか、それぞれ収集にも関係しているし、中間処理にも関係しているし、場合によったら、これはヨーロッパなんかでは最終処分への負荷にかかわってくるんですね。削減量を5%以下にするためには、どうしたらいいかという議論にやっぱりつながっていくんですね。だから、トータルで考えるべきなんですよね。
 システムでやるということなんですけれども、システムというふうにとらえるならば、私はインプット・アウトプット、それから、そこの装置としてのボックスの話。それはだれがやるのか。そのシステムがどういう背景の中で成り立っているのかという、こういう要因をトータルで押さえないと、話が全部断片的になってしまうんですよね。その前に大きな目的もありますけれども。そういう意味で、インプットですと、先ほどの生ごみの話、それから家畜ふん尿、それから下水汚泥なのか、また、これを混合するのかという、そういうインプットの質、対象ですよね。それと、それがどういう形態で集められるのか、その品質がどうなっているのかとか、定量的に常に一定、コンスタントに集まるのかどうかとかね。インプットだけでも、いろいろ考慮しなければいけない要因がいっぱいあるわけです。
 アウトプットにしましても、これはニーズをとらえるというのが一番重要なんですよね、需要量。ニーズがないところでいくら効率を良くしても意味ない。これはたい肥化が一番大きな問題ですよね。肥料がもう余っていると。余っているところで肥料をつくってどうするんだという話もあるわけです。
 エネルギーにしましても、これは使ってくれるところがないとだめなんですよね。だから、ある程度以上の規模のところでそれぐらいしないと。売電まで行かなくても、システム全体と共存するシステムでともに使うという使い方もありますから、現状の中での改善も考えられると思いますよね。RPSで上げるというのが一番大きい問題ではあるんですけどね。
 そういう意味で、アウトプットのところのエネルギー化、たい肥化、飼料化、それか炭化かという、この違いはやっぱり大きいと思うんですよね。
 それからもう一つボックスの問題、装置の問題ですね。これはもう技術システムの問題だと思うんですよね。これはそれぞれどういうものをどういう形態でリサイクルするかによって、装置は全部変わってくると思うんですね。
 生ごみに関しましては、もう技術というのはし尿処理と非常に形態が似ていますので、技術としてはある程度あるんですよね。それをどう組み合わせていくかという話だと多分思うんですね。
 それから主体の話なんですけど、これもPFIでやっていく話もありますし、自治体がやるという話もあるし、また全くの民営化でやるという話もあります。それによって収支のとり方が全部違ってきますよね。
 それから背景、これ一番大事なんですけど、そういうシステムを自治体のごみ処理の方で大変ならば、地域特性に頼っとかなきゃいかんのですよね。これはもう全部違いますよね。それぞれ広域化でやりなさいということで、今、地域計画を立てなさいというようになっていますけど、ここでどういうシステムを組んでいくかというときに、やっぱり広域化の話と必ず絡んでくるんですよね。そこで本当に、そういうようなうまいシステムが組めるのかどうか。また、各自治体が連携して広域化ができるのかどうか。既存のものを持っているところと新設のところをどう組み合わせるのか。いろいろあるんですよね。
 だから、一体こういう話をどこから始めてどこに落とすかという問題があると私は思うんですよね。私、ちょっと用があって出られなかったので、今までどういう議論をされているか、ちょっと知らずに失礼なことを申し上げているのかもわかりませんけど、やっぱりトータルで、システムで考えられるのだったら、その要因要因をしっかり位置づけて議論すべきだというふうに私は感じました。
 以上です。

【石川座長】 どうもありがとうございます。全般に関して、大事なご指摘いただいています。
 先ほど崎田委員からのお話で私感じたのとちょっと似たようなところがありまして、全体をどう考えるかという視点が多分すごく大事なんですね。古市先生から、前半でごみ処理の視点から見たときの生ごみ、生ごみだけ見ていてもできなくて、堀尾先生からもご指摘ありましたけど、分けることによって、残ったごみはごみ質が変わるわけですから、それも含めて考えないといけない。さらに、それをシステムとして考えると、じゃあアウトプットという話になるんですけども、生ごみを炭化するとかエネルギー利用するとかすれば、アウトプットとして炭が出たりエネルギーが出たりするんですけども、そこでまた外の世界と関連ができてきて、マーケットがあるかとか、ということが絡んでくるんですね。
 最初のころ、たい肥化・飼料化について議論をしてました。そこでは、一つの問題意識としては、ここにも書いてあるんですけども、飼料化できるような質の高いものだとか、それがたい肥になってしまっているのではないだろうかとか、それからたい肥化してもニーズがないものがたい肥化されてしまっているのではないかとか、これはアウトプットとして出したところでのマーケットがうまく動いてないという話なんだろうと思うんですね。そうすると、そこまで広げて考えないといけないという話になります。これはごみ処理の技術システムだけの話ではなさそうな気もしますね。
 先ほど崎田委員から最初のご発言として、容リ法などがだんだん普及してきて、これを徹底するともう残るのは生ごみであるというふうな話になりました。それをこうするんだということを議論しているという話がございますよね。それと関連して、じゃあ、事業系と同じようなものが出てくる。これは範囲としては食リという話になるんですけれども。だから一緒に考えましょうという話があるんですが、一方で、ごみ処理している側から見ると、生ごみを分けると、残りは燃やすと電気がいっぱい出るいいごみだという話もあるんですよね。電力をつくろうという話になると。これを多分、この検討会では一体として議論しないといけませんよね。ばらばらにこう議論していると、多分最後すれ違っちゃうような気がします。
 いかがでしょうか。全体的な検討の視点というふうな話かなという気もするんですが。私の理解では、これまでの議論では、飼料化しようと思えばできる。ただし、主体にとっての私益から見ると、コンポストにしてしまった方が得になるからということでそっちへ行ってしまっている。そういうのはコンポストとして質は悪くはないんでしょうけども、もったいない。一方で、コンポストをつくったところで、少なくとも余り農地に使えそうもないものがたくさんつくられているのではなかろうかと。それが結果としてコンポストの相場を下げてしまっていて、ひょっとすると非常に悪影響を及ぼしているかもしれないと、そういう懸念が一方であると。そういう話というのは、恐らくごみ処理の話じゃないんですね、多分。むしろ食べ物とか、ごみ処理というより、何か循環型というふうな感じの、もっと広い概念でニーズが設定されていて、だから何かもったいない感じがするわけですよね。えさになるものをコンポストにしている。どっちでもごみにならないわけですからね。
 そういうふうな観点と、じゃあ、ごみ処理システムを議論していく、というふうなときの話というのは、すり合わせないといけないと思うんですが、いかがでしょうか。これまでのここの資料の用意のされ方とか、これまでの議論ですと、一つには3Rとかいうと優先順位だという話になるんですけども。この生ごみ「等」の3Rですと、一応飼料化、それからたい肥化、それからエネルギー利用その他という、そういうふうなことが前提になっているような、正面切ってそれでいいかという議論はしてないんですけれども、いかがでしょう。その辺は何かご意見ございますでしょうか。

【大塚委員】 ちょっとずれて、また初歩的な話になるかもわかりませんが、先ほどから家庭の生ごみというのが大きなテーマになっていますが、私が住んでいる市では、容器包装と、それから生ごみとは分別しなさいということになっていますが、汚れた紙、それから付着して洗うのが大変なプラスチックは生ごみと一緒に入れることになって、それを許容されております。
 それからもう一つは、テレビで見たんですけれども、小さな小さな村で生ごみ、純粋な我々が想像する生ごみですが、それの分別をされているところがありましたが、地区の人たちがみんなバケツを持って、そのバケツの中に入れていくと。それで、役場の人がそれに対して個別的にきめの細かい指導をしていると。都市部ではおよそ無理なようなやり方をされていて、都市部では、容器包装と生ごみとをきちんと分けるというのは建前ではあるんですが、今の分別の仕方で果たして肥料化、それとかバイオガスの方へ持っていけるのかどうか。
 私は産業廃棄物処理業界の人間ですから、ふん尿なんかは同一性状のものが大量に出ますので技術的にどうってことはないかもわかりませんが、生ごみの場合には、そういう問題をですね、出す方としていつも見ていまして、そのことからいくと、生ごみも純粋な分別をされておれば、あとのルートは比較的技術的にはスムーズに進むんですが、その前提としての分別をどうされていくのか。技術的に果たして可能なのかどうか。特に都市部においては、それはどういうふうに見たらいいのか。ちょっと、そこがずっとしこりになって残っておりましたので、ちょっとあわせてお聞きしたいなと。これが1点目です。
 もう一点は、ちょっと京都市さんの方にお聞きしたいんですが、これも非常に単純素朴な疑問で申しわけないんですが、軽油に比べてどちらがどうなのか。コスト的なことをお聞きしたいなと思っております。軽油の方が高いのか安いのか。

【石川座長】 バイオディーゼル。

【大塚委員】 はい。京都のね。燃料としてですね。

【石川座長】 2つ目はご質問なんですが、お答えになれますか。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 最初の生ごみの分別の方法というのは、先ほど中井委員からも回収という点についての視点が欠けているというようなお話と同じだと思います。そういう意味で、今回用意いたしました資料の中では、具体的な回収システム、果たして分別するのかどうか。堀尾先生からはディスポーザーの話もありましたけども、その辺はまだ書いておりませんので、それはきょういろいろとご議論いただいたのを参考にして引き続き我々も考えていきたいと思いますので、いいご提案があれば、むしろ議論していただければと思います。
 それから、京都のバイオディーゼルですけれども、京都市の担当課長さんにお聞きしますと、軽油に比べてまだ高いということで、軽油に税金がかかって、バイオディーゼル燃料に税金がかからないということであれば、十分比肩し得るというレベルだそうでございます。

【石川座長】 よろしいですか。話が大分全体になっていますが。

【川島委員】 今の話というのは本当なんですか。大体、軽油って、税金かけないと、リッター40円とか、そんなもんですよね。大体、税金が半分ぐらいかかって、その辺で80円ぐらいで売っていますよね、リッター。そうすると、恐らく半分税金だというと40円ぐらいですよね、原価が。そうすると、比重を1と仮定すると、トン当たり4万円くらいのものですよね、軽油って。そんな額で5トンくらいのものがつくれているんですかね。日に5トンですよね、ここに書いてある数字が。ですから、やはりかなりのコストがかかっているんじゃないかなと思うんですね。要するに量のマスプロダクションをやっているわけではないから。だから、いろいろな、こう目に見えないコストですね、例えば公務員が働いたのは、それは除外するとか。そういうのがかかって、ネットでかかったのがそのくらいなんじゃないかというふうに私考えたんです。
 これ、関連するんですが、何でディーゼルに持っていかなきゃいけないのかも、いつもよくわからないと思って見ているんですね。というのは、油ですよね。車のような精密な機械に持っていくためには、かなりのリファイナリーしているわけですね。そこでは触媒を入れたり、何かいろんな研究しているんですね。実は農学部にいるので、そういう研究をしている人たちもいるんですが。そうすると、恐らく触媒をつくるのだってエネルギーがいるわけですし、それから高温高圧下で何とか反応させるみたいなことも言っているんですね。そうすると、そこでもすごくむだな熱を使って出てきているものなんですよね。どうして廃油のようにかなり夾雑物が多くなってしまったものを単純に熱回収のようなもので使わないで、非常にこう精密なディーゼルのようなものに使わなきゃいけないのかと。
 ディーゼルオイルというのも、よく大気汚染のときに悪者にされましたが、原油をリファイナリーしてくると、ガソリンをつくるとこっち側でディーゼルができちゃうわけですよね。そういうようなことを考えると、なぜそこへ持っていかなきゃいけないのか、よくわからないんですね。その辺、やっぱりもう少し突っ込んで聞いていただかないと、何か京都市の宣伝をまたここで聞かされても、余りおもしろくないなと思って今、聞いていました。

【石川座長】 じゃあ、関連する話ですか。

【山田(久)委員】 今の先生の話に関連してですけれども、今、私どもでやっている実験で、いわゆる今のBDFですと鉱物油が混じってもだめ、例えば市町村が集める段階で、いろんな油を間違えて入れちゃうと。そうしたら全然使えないというようなことで、今やっていることで、単純にどんな油でも持ってこいということで持ってきて、それをろ過しまして、ろ過した残さはですね、石灰を混ぜて固形燃料にするということで、完全にすべて燃料になって、何の残さもできずに100%補助燃料に使えると。こういうことは実際にできるんです。こういうのは特許も申請してやっているんですけれども、そういうようなことで、ぜひ今の先生の話で、もっと柔軟に考える必要があるんじゃないかと思います。

【崎田委員】 今のバイオディーゼル燃料の件なんですけれども、私の身近に一生懸命こういうのを集めてやっているメンバーがいるんですけれども、やはり一番最初は素朴に、自分たちの家庭で使ったもの、出るものをやはりきちんと利用する仕組みを、できるだけ自分たちの目で見える形でそういう場をつくっていくということが、非常に自分たちも役割を果たしているということにつながるので、そういう選択肢の中で、例えば家庭の廃食油を地域の中で集めて、それをどうにかして生かす。それを例えば石けんとかそういうのではなく、もう少し違うエネルギー活用にきちんとしていくというようなことで、そういう意味で非常に市民の間でも夢が膨らみ、定着してきている部分だというふうに思っています。
 もう一つ、こういうふうに大きくやってくださっていることに関して、かなりエネルギーやお金をかけ過ぎているんじゃないかというお話があったんですが、一つの要素として、石油が将来的に、化石燃料としては40~50年で枯渇すると言われている中で、今、分散型のエネルギー源の開発がずっと進んでいるんですけれども、発電のエネルギーはかなり分散化が進んでいるのに比べて、自動車のエネルギーというのが余りにも石油に依存している率が高過ぎる。特に日本は高過ぎるということが世界的にかなり問題視されていますし、日本の近未来にも非常に重要なところになってきますので、そういう意味で、自動車燃料に関してもう少し幅がないかというのが今、社会の大課題ではあると思うんです。そういう意味で、このバイオディーゼル燃料と、その下のエタノールという、この辺が今、非常に重視されているという面はあるというふうに感じています。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございます。BDFだとか、酸素を加えた燃料ですね、エタノールだとか、幾つかありますけれども、そういうものは、かなりな部分が脱石油というんでしょうかね、そういう石油依存度を下げるという戦略で導入され、どこの国でも大抵それがまずメインの目的ですから。そういう意味では、日本においても同じような位置づけで考えていいんだろうとは思います。
 また、BDFは特にそうかなと思いますけれども、市民運動の中から出てきて、成功モデルですよね。元気が出ているという意味では、もう圧倒的な成功モデルで。ただ一方で、川島委員からご指摘あったのは、コストが怪しいんじゃないのという、どこからか隠れた補助金が入っているかもしれないよというお話ですね。政策目的があれば、補助金自体は否定すべきものではなくて、ちゃんと明確にして意味がある補助金ならそれでいいんだろうと思いますけれども、ただそれは、ご指摘の点は、ここにおられる方、追加のコメントなかったということは、詳細情報をお持ちの方いらっしゃらないので、可能な範囲内で、京都市さんのおっしゃっていることが、どういうコストを……、コストと言う場合、範囲が多分問題なんですね。何をコストと考えているかによって随分話が違ってきちゃいますよね。最初、この資料をご用意いただいたことに関するご質問も、主にそういうご指摘だったと思いますので。それも含めまして、できる限り何か比較できるようなベースになるように。自分たちでやっていることでないですから、わかるかどうかわかりませんが、ちょっと事務局の方で確かめていただけませんでしょうかね。

【庄司委員】 それに関連して、データはとれるかどうかわかりませんが、あるいは事務局側でもう既にご存じかどうか。島根県のですね、ちょっと今正式な名前を覚えていませんが、出雲市に隣接した、宍道湖に面している自治体なんですけども、そこで全世帯を対象に廃食用油の回収をやってBDFをやっている。もう既に3年ぐらい前から実施していて、初年度実験的にやってかなりうまくいって、2年度拡大していって、私の記憶がちょっとあいまいなんですが、かなり全世帯的に広げてやった。その段階では、1つの自治体のある意味での啓蒙的な意味も含めて成功事例としてあるんですが、その後どうなったかちょっと確認していません。かなり大規模に一つの自治体単位でやっていますので、参考に、もしデータがとれればと思います。

【石川座長】 ありがとうございます。
 話が全体的な話になっておりまして、本日、2時間半ということで、あと1時間ぐらい予定はとってあります。このあたりでご提案なんですが、一度ブレイクをとってはどうかなと思いますが、いかがでしょう。
 じゃあ、10分ほどブレイクをとって、15分再開ということで、全体的なお話と、もし時間が残りましたら、発生抑制のフリートーキングも含めて行いたいと思います。
 それでは、3時15分にお席に戻られるようにお願いいたします。

 ( 休  憩 )

【石川座長】 そろそろ時間ですので、議論再開したいと思います。
 また、別途用意していただいた資料があるかと思いますので、それは事務局の方からご説明いただいて、総合的な議論に入りたいと思います。それでは、お願いいたします。

【土井廃棄物対策課長補佐】 それでは資料2でございますが、前回、第4回の際に、飼料化・たい肥化の現状及び課題等に関する資料をお出ししました。それに関しまして出されました主要な論点といいますか、それらを取りまとめてございます。ご紹介させていただきます。
 4点に分けてございますが、一つとして窒素をめぐる指摘についてでございます。まず窒素過多問題についての事実関係を記載した事項につきまして、1に事実誤認等あったということでご指摘いただきました。「窒素の供給過多が続くと、過剰な窒素は硝酸態窒素という形で地下水に蓄積されるか、野菜に吸い上げられることになる。そういった水や野菜を摂取すると……」、と書いてございますが、これは地下水にたまったもので野菜の窒素過多がふえるというのではなく、現在の野菜の栽培方法に問題があると。要は肥料の与える量といいますか、そういったのに問題があると考えられるというご指摘でございます。また、「食料貿易の自由化が進み、海外依存度が高まった場合の窒素収支の悪化が懸念される」というのは事実誤認であり、むしろ100%海外から輸入依存した場合には、窒素の問題は全くなくなるのではないかということでございます。
 次にエネルギー利用と窒素につきましては、窒素過多問題を記述しているところで、「たい肥化できない生ごみ・家畜ふん尿はエネルギー利用等を考えるべき」とあるけれども、エネルギー利用しても窒素は残さとして残ると。こういった点、窒素を処理しなければならないことに変わりはなく、エネルギー利用が即窒素問題解決するというわけではないということでございます。
 また、地域レベルでの窒素問題につきましては、都道府県レベルでもかなりその窒素収支が課題になっているところがあると。宮崎、鹿児島などはそういった状況だと。また、水田は窒素を浄化する機能もあるということで、地形連鎖をうまく考え、地産地消の中でそういった窒素の浄化というものが何らかの形で考えられるのではないかということでございます。また、酪農地帯は家畜ふん尿のたい肥化を行い、酪農の少ない農村地帯は生ごみのたい肥化を考えるといったように、単純に割り切るのではなく、複合的にバイオマスをどうしていくのかという観点で考えるべきではないかというご指摘でございます。
 次に、地域に密着した循環利用の一連のサークルというものをめぐるご指摘でございます。
 1つ目としましては、太平洋ベルト地帯に人が多く住んでいると。その中で消費するものにつきましては、農村部とそれ以外の地域で生産していると。そうやって生産と消費が離れている中で、地域に密着した循環利用の一連のサークルというものをどうやっていくのかというのをもうちょっと詰めていかないと、単純にいかないのではないかということでございます。
 次に、現実の食品・食材の流通というのは極めて広域流通になっているということで、地産地消がすばらしいということだけで、地産地消を廃棄物の処理に関しても同じように進めるべきだと安易に行くべきではないんじゃないかということでございます。
 次、小さな規模での地域循環での地産地消というものはなかなか難しいのではないかと。都市と周辺近郊地域での連携の仕組みが理にかなっているのではないかということでございます。具体的には、都市部の店舗等が排出するものを合理的に収集し、都市部近郊で処理・加工、例えば飼料としてその近郊の農村地帯で利用し、その生産物をできる限り商品供給工場に戻すというような仕組みが理にかなっているというご指摘でございます。
 次に、「地域に密着した循環利用の一連のサークル」というものは、必ずしも市民活動の規模だけのものではなく、企業ベースでも現にありますと。市民活動的な流れのものと2つあるということで、要はそれぞれの主体が顔の見える信頼関係をきちんとつくって、次に使う人がどういうものを欲しているかということを把握して対応することが重要であるということで、企業ベース、事業化した中でも顔の見える信頼関係をつくって、生ごみの循環をすることは可能であるというご指摘でございます。
 また、こういった主体同士の関係、輪の中には品質の安定、飼料やたい肥とかございますが、品質の安定や信頼性へ貢献できる大学などの専門研究家の参画が非常に重要ではないかということでございます。
 また、次に地産地消はそもそもはっきりとしたイメージがないという中で、それがすなわち地域の町内なのか、また市町村内なのか、県内なのかということはなかなかできないけれども、地産地消がうまくいっているならば、それを否定する必要はないと。ただ、全国を一つの地産地消でやるという話でないのではないかということでございます。
 「顔の見える関係」は非常に大事なことであると。ただ、具体的にはどういうものをつくり上げていくのかということを煮詰めてほしいという点でございます。
 次に3点目、トレーサビリティーに関するご指摘でございます。
 飼料化・たい肥化を進めるに当たっては、食物連鎖による体内濃縮の問題がどうなのかが大事であると。検査体制、追跡調査というものを国などの機関が担保していく必要があるのではないかということでございます。
 一般的に、農地に、フードチェーンに食品廃棄物を戻すことのリスク、前段とも関連しているんですが、そういったリスクを検討する必要があるのではないかということでございます。
 次に、実際狭いところで顔が見えるような地産地消で信頼関係を担保するのは一つのアイデアだけれども、違うシステムや有害物質の混入を防ぐということを考えるのであれば、生ごみの側にトレーサビリティーというものをきっちりとつくり、だれかがその品質保証をする仕組みを構築していくことが重要ではないかということでございます。
 次も同様でございますが、たい肥化には、中には不適正に近いような非常に怪しいものがあると。そういったものを排除する意味でもトレーサビリティーをとる必要があり、情報管理と検査システム体制をどうつくっていくかが論点ではないかということでございます。
 あと、飼料・たい肥の価格設定についても透明性が必要であるとか、また生体濃縮ということでは重金属の問題、こういったことを考えていく必要があるんじゃないかと。
 次にまた、原料が来たときに、必要なときにその原料がどこからどう来ているのかという意味でトレーサビリティー、マニフェストですか、管理伝票のようなものも必要ではないかということでございます。
 また、個別の主体同士の関係の輪の中に、先ほども出ましたが、そういった大学等の研究者、専門家が品質を研究し、表示できるようにするのと同じように、トレーサビリティーという組み合わせの中でも、このような専門性がちゃんと入ることが必要ではないかということでございます。
 最後に、関係者の役割分担の点についてでございますが、行政が生ごみを普通処理するときにかかる費用が、再生利用により浮いてくるという部分があると。その一部を地域の住民のそうした活動に回すことも必要であるということで、要は行政のコーディネーター役というのを言っておりましたが、精神的なものではなくて、そういった支援すべき点もあっていいんじゃないかということでございます。
 次もよく似ておりますが、市民・事業者が社会的な費用を下げる活動をしているのに、もう少し補助があればもっと下がるにもかかわらず、それができないというのはハードルとして認識すべきではないかと。
 最後に、再生利用した飼料・たい肥の利用者もメリットを受ける人であるということで、これは記述としましては最もメリットを受けるのは食品関連事業者というふうに書いてございますが、それ以外の者もメリットを受けるのであり、この表現は偏った表現ではないかというご指摘でございます。
 以上、第4回の際に出ましたご指摘でございますので、これらも振り返りながらご議論いただきたいと思っております。

【石川座長】 どうもありがとうございました。それでは、中断前から引き続きまして、全体的なお話の中で、エネルギー利用をどういうふうに考えるかという視点で議論を続けていきたいと思います。
 前段の議論の中では、まず全体で考えないといけないと古市先生からご指摘がありました。その中で、また特定の、資料の中で少し欠けている視点として、回収というところがご指摘がありました。これは崎田委員からお話あったような地域特性の中にもあるんじゃないかなと思うんですね。現状で家庭系の生ごみをコンポストにして、フードチェーンに戻してうまくいっている事例というのは、小規模で、大都会ではないところですね、大体。そういう意味では、何か地域性というのは多分重要だろうと。大塚委員からも、大都市ではなかなかそういうのは困難ではないかというふうなご指摘もありました。
 そういう意味では多分、ここでの議論の結果がどういう形になるかまだわかりませんけれども、いずれにしても、日本全体で一つの答えというのはどなたもお考えではないんではないかなというふうに思います。そういう意味での、地域性というのは一体何なんだろうと。地域性の中で考えるべき要因というのは一体何かと。その中で、例えばフードチェーンに戻せるような原料を集められますかというふうな話は、例えば私にとっては非常に重要な問題かなというふうに思います。じゃあ、それがもしできないようなら、できるところはやれる可能性はあると思いますが、できないんだというふうに割り切ってしまったような地域であれば、じゃあどうするかというのは、いろんなオプションがまた別に出てくるとか、そういうふうな考え方もできるのかもしれないなと少し思います。もちろんそれだけじゃなくて、ほかにもいろんな要因があると思いますね。
 途中で堀尾委員からご指摘あったようなディスポーザーの問題というのも、それはフードチェーンに戻すような3Rのある意味では対極にあるかもしれません。出すときの手間は最小にして、電力費用だとか経済的にはかなりかかると思いますが、手間はかからないというふうなやり方ですよね。それはそれで向いている地域あるかもしれませんが、ここではまだ議論していませんけれども、技術的にそれがとれない、できない地域もたくさんあるんじゃないかと思うんですね。早い話が、下水道がなければ絶対できない。それから、下水の水路の勾配が浅ければ詰まる危険があるかもしれないとか、懸念されている点は幾つか個別にはあると思います。これは地域によって事情が違う話ですから、そちらの方を何かどういう地域ならそういうオプションがあり得るか、そういうのを検討するときにはどういうことを考えることが必要かということも考慮すべきではないかというふうに思います。
 そこでは、崎田委員が途中でご指摘あったような、市民に対する啓発効果であるとか、またごみが減るということではなくて反対側のこれだけ、例えばバイオディーゼルなんかですと2つ多分あると思うんですね。1つは化石燃料を節約している。脱石油という方向の価値があるという話と、もう一つは温暖化対策になっているという、2つの価値が多分あるんだと思います。これは全然別な視点ですから、それを評価するという意味では、啓発効果は難しいと思いますけども、脱化石燃料であるとか、温暖化効果というのは、これは資料の中でもCO2とかコストを出していただいたり、いろいろ努力していただいていますから、そういうものを例えば、じゃあディスポーザーについてどうかというふうなことを考えてみれば、割と比較としてはしやすいのかなという気もいたします。
 これは私が前半聞いておりまして感じた点をちょっと述べさせていただきましたが、皆さんいかがでしょうか。何かご意見。はい、どうぞ。

【伊藤委員】 座長がおっしゃった、回収という観点での意見なんですけれども、今、議論されていたのは、何に使うかということで、つまりえさにするか肥料にするかエネルギーにするかについてですが、もう一つの考えは、何を使うかという切り口もあろうかと思います。例えばえさ化について、これが一番難しいと思うんですけども、でん粉系のものに限って回収するなどの工夫により実現性が高くなるかと思います。容器包装の回収ではスチール缶、アルミ缶、ガラス瓶、ペット、その他プラ等に分かれているように、生ごみについても、分けられるものについては分けて回収すれば、全部をどうにかしようじゃなくて、一部でも、何か地域性とかでできるのではないかという考えもあるのではないかなと思っているんですけども。

【石川座長】 今、伊藤委員からは出てくる側、何をどうするのかと。どうするのかという話ばっかりだったんですが、一体、じゃあ何をどうするのかというところですね。前半の議論では、ほとんど家庭系からの生ごみというのが大体主に念頭にあって議論していたんですけれども、生ごみ等の「等」のところを見れば、もっと大量に均質なものが出ると。食リの対象になっているものというのは全然別な扱いという話になりますから、そういう視点も重要だというご指摘かと思います。
 いかがでしょうか。何かご意見ございますでしょうか。じゃあ、小島さんどうぞ。

【小島委員】 大都市でどうやって回収するのかという話がございます。今、名古屋市では、2学区で生ごみを分別して回収しております。かなり意識の高い地区ですので、今の段階では非常に分別化がうまくいっていますが、もっと都心部に拡大されたときはどうかというようなことが懸念されます。
 その中で、たい肥とメタンということになりますと、やはりいろんなものが将来的には混入する可能性が高くなるので、都市的な利用としては、メタンが有効で、有意性を持っているのではないかなというのが私どもの考え方です。ほかの利用を否定するわけではないんですが、家庭系のごみであれば異物が混入することを前提に扱うべきだろうと考えております。今のところは、発生抑制効果や市民の意識の高さもありますので、分別するということを前提に考えていきたいと考えております。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございます。大都市で生ごみを分別することを前提にすると、処理システムとしてはメタン発酵が比較的、割と頑丈というんでしょうか、一気に崩壊しないという意味ですよね。というご指摘がありました。この点、ほかにご意見ございますでしょうか。
 多分、処理システムによってそれぞれ違うんだと思うんですね。フードチェーンに入れるとなると、相当、物すごく高いレベルの安全性を要求されてしまうので、今想定されているようなシステムだとなかなか難しいかもしれませんね、入ることを前提にしてしまうと。そこは一つ重要な違いになりますよね。
 あと、そうではなくて、きょう議論しているようなエネルギー利用というふうなことになると、心配すべき異物というのは大分違ってきますよね、性質として。

【崎田委員】 最初のフードチェーンに戻せるかというお話のところで、今、大都市部では分別を徹底したいけれども、メタンが主流だろうという話で、結果的に行政単位で考えると、例えば東京では区とか、そういう行政単位で考えると、そのような選択肢というのがやはり必要になってくるんだと思うんですが、既に地域の中では都市農村交流で、そういう地域の中で、少し小さなクローズサイクルですけれども、フードチェーンに戻せるような形でやっている事例とかですね。
 あと、いわゆる事業者の方が何軒か一緒になって近隣の農村地帯とつながって、フードチェーンに戻せるような形できちんと仕組みをつくってらっしゃるという、そういう先進的なモデルは幾つか出てき始めているわけですので、そのような少し元気のいいというか、そういう取り組みが壊れないようなことも配慮していただきつつ、やはりある程度行政単位で考えた場合には、私も分別はできると思っているんですけれども、本当に飼料になるか肥料になるかというあたりは、そうじゃない選択肢というのも考えてもいいとは思っております。ただ、今お話ししたように、既に先進事例としてかなり元気に取り組んでいるというのも全国的にふえてきておりますので、やはりそういうところからいいところはちゃんと取り入れるという形は残してほしいなという感じがいたします。よろしくお願いします。

【石川座長】 崎田委員のお話は、同じような構造の話はほかにもございますよね。一生懸命やっている小グループが非常にいい事例を、例えば3Rだということになると、いい事例をやっていると。一方で、全体的に見ると、それが直ちにあした全員ができるとは到底思えない。そのときに、じゃあ行政どうするかというと、答えは大体はっきりしてしまうんですけれども。そうすると、それができないことを前提にやること自体が、先進事例に対して足を引っ張る可能性があるわけですよね。やらなくてもいいという道を用意すること自体が、そういう人から見るとやってほしくないなということもあるかもしれませんし、そこのジレンマみたいなものをどう考えるかってなかなか難しいですよね。多分、小島さんも名古屋市でやられていて、そういうことあるのかもしれないなとちょっと思うんですが。
 この辺はいかがでしょう。

【山田(久)委員】 全く崎田先生のおっしゃるとおりなんですけれども、先進的に頑張っている市民運動とか、取り組んでいる人たちが、トレーサビリティーということをきちんとその運動の中に位置づけて、化学物質汚染問題なんかも意識してやっていただければ結構なんですけれども。その辺の情報公開というのも運動している人たちにわかっていただいてやっていただきたいと思います。

【石川座長】 トレーサビリティーについても随分議論をしましたけれども。

【崎田委員】 今のお話を伺っていて思うのは、そういう地域の主体でやっていたとしても、やはりそこに、前回もお話ししましたけれども、大学の先生とか、そういう専門性のある方にきちんと入っていただいて、ある程度の質を確保しながらきちんとやるとか、そのくらいできるところじゃないと。やっぱりそれは、そのくらいはやろうよ、そういうふうなことはちゃんとやっていくべきだ、というふうに私も思っております。

【石川座長】 そうすると、どうでしょうね、先進的な試みをやられているところ、志のあるところかもしれませんね。そういうところの元気を失わせないように、かつ全体で、社会全体としてリスクを負わないようにしないといけないというのもありますから、そこでは先進的にやられている元気のいい事例に関して、何か崎田さんがおっしゃるような専門的知識を持ったグループですかね。専門家というんでしょうかね、ある種、客観的なサポート、データとか分析とか、そういうサポートをしなければいけないということかもしれませんね。
 だとすると、そういうグループは必ずしも別にビジネスでやっているわけでは、大抵のケースは違いますから、お金も多分余りないので、何かそういう助成みたいなのが必要なんでしょうかね。すぐ補助金というわけじゃないんですが。じゃあ、大学の研究者がやれという話になっちゃうかもしれないですけど。

【崎田委員】 私、地域で活動している側からいくと、余りすぐに補助金とか助成を欲しいという話ではなくて、できるだけ、規模は小さくてもそれがコミュニティービジネスになっていって、自分たちがみずから活力を持って動いていけるかというふうになっていくというのが、今、大事な視点だというふうに思っています。ですから、もしそれが少し大きな枠でやっているグループであれば、この資料にもありましたけども、例えばその分を、本当に生ごみの焼却とかごみ処理の方に入っていくのがはっきり減るというデータが出るくらいにきちんとやっているのであれば、その分、よく地域の集団回収はその分報奨金が出るというシステムがあったりとかしますから、そういうような行政を補完するシステムになるくらいきちんとやっているのであれば、その分少しそういう費用が出ると。それで立ち上げを支援するとか、そのくらいの支援はあってもいいかなとは思います。それとともに、例えば事例の中では、やはり市民の思い込みだけでやっていたりとか、その辺の検証もなくやっているという事例もあると思います。
 それで実は今、佐賀大学と伊万里市の地域団体が連携して、できたたい肥の専門性というか、質を確保するような、そういう共同の事例というのを熱心にやっているんですけれども、そこはたまたま国立大学がですね、地方の国立大学は、地域社会の発展に寄与するという視点を持とうということで、大学の方がかなりそこに予算をつけてくださっていて、地域連携ができるような形になっているという、そういう事例もありますので、いろいろ方法はあるかなというふうには思います。

【石川座長】 どうもありがとうございました。じゃあ、中井さん。

【中井委員】 今、話になっています優良な事例をですね、一つの優良な事例にとどめないで広がらせるためには、やはり、先生のおっしゃった専門的なサポートということも必要で、大事な視点だと思いますけれども、3回目のこの検討会のときに私どもが取り組んだ一つの事例ということでお話をしたと思うんですけれども、やはり必要な視点としてリサイクルを行うのにどういう阻害要因が現実にあるのかということも検討しなくちゃいけないと思うんですね。例えば循環基本法が新たにできたわけですけども、その前に実は廃掃法という法律があって、結局、後からできた循環基本法が廃掃法の優先になってないという現実があるわけですので、やはり廃掃法の見直しといいますか、法体系の見直しという視点といいますか、論点をぜひ入れていただきたいというふうに思います。

【石川座長】 はい、ありがとうございました。じゃあ、古市さんどうぞ。

【古市委員】 先ほど座長が地域特性が非常に重要であるというようにおっしゃったので、これに関連しまして、ちょっとコメントしたいと思います。
 どういう結論に持っていきたいかというと、ネットワークを形成することが必要じゃないかというところに行きたいんですが。地域特性と言い出しますと、結局、いわゆる今までのごみ処理のお話、全部がそうなんですよね。ごみ処理をうまくやっていく新システムを導入する、既存のシステムの改善をするのは、みんなその地域特性に応じてやっていかないといけないというのはもう大原則ですよね。そういう話の中で、いろいろトレーサビリティーだとかコミュニティーの話だとか地域振興の話だとか、いろいろ出てきているわけですよね。
 やはりこれ、私、基本的にはやっぱりシステムとして把握してやっていくべきだと思いますし、大原則として、この資料1の方で、原案としまして循環型社会形成推進基本法の原則にのっとって、原材料を有効に使うということで、飼料化だとか肥料化を優先して、その後バイオガス化、これでいいと思うんですね、基本的に。あと、既存の焼却施設とバイオガス化施設なり、いろいろバイオマス処理利用システムですね、組み合わせていく、コンバインシステムに持っていく、これも正しいと思うんですよ。
 だから、あとはそれをどう組み込んでいって、それが根づくかというところの仕組みの問題ですよね。そこの仕組みをどうするかというお話で、いろんな側面、コミュニティーという面でいろいろトレーサビリティーという話があったんですけれども。住民協力だとか意識の啓発だとか成功事例のお話だとか、こういうのは非常に重要だと思いますけれども、それと同時に、やはりバイオマスとなりますと、もともと大きな話として循環型という話もあります。それから温暖化もあります。それと同時に、地域振興というのが、農漁村ですね、林産も入れまして、そういうところ、日本の農業を元気にしようだとか、それから、そういうのを踏まえて産業を日本から発信する、産業も活発化しようという、そういう議論もあるわけですよね。だから、やっぱりそういうのとも組んでないと、見込んでないと、非常にシュリンクするというか、どんどんどんどん沈んでいくというようなイメージになっちゃうんですね。
 そういう意味で、都市の連携だとか、工畜連携とか、先ほどホテルとかコンビニなんかのフードチェーンの形成とか、いろんな仕組みというのが考えられると思うんですよね。それはそれぞれのシステムの中の要素技術ではあると思うんですよね。ですから、そういうようなトータルのものをまずどう発信していくか、どう起動するかという、全国ベースでのネットワークみたいなものを組んでいく必要があるんじゃないかなという気が私はしているんですね。
 手前勝手で恐縮なんですが、北海道においては、全道的には北海道バイオマスネットワーク会議というのが道庁の主催でやっているんですね。これはもう庁内の農林水産も経産も環境も国交も全部連携してやっていこうとしているんですね。もう一つ、地域に根づいたものとしては、石狩バイオマスネットワーク研究会とか、そういうので、地域でどう地域振興していくなり、ベンチャーで結びつけていくなりと、そういうやはり元気になる仕組みですよね、産業が。そういうのを踏まえながら、そういう成功事例を回していくという、ハブをいっぱいふやしていくというようなイメージですよね。だから、そういうことをちょっと考えています。
 それで、もしくは技術的な議論をするのでしたら、地域特性を議論するのでしたら、先ほどのインプット・アウトプットで、インプットのところの条件、どういうごみをどういう形態でというのは、全部地域特性によって違います。アウトプットという議論もやっぱりすべきなんですね。どういうニーズがあるのか。エネルギー需要なのか、それとも肥料なのかね。だから、そのアウトプットの議論もやっぱり細かくやっていかなきゃいかん。これは技術論としてのやっぱり地域特性だと思うんですね。だからトータルで、技術システムと社会システム、トータルでやっぱり考えていかないといかんのじゃないかなという感じがします。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございました。じゃあ、ちょっと堀尾さん。

【堀尾委員】 関連するかもしれませんけれども、大学の専門性を地域の中に入れなければいけないということについて、その委員会には私はいなかったと思いますが、非常に大事な点ではないかと思います。
 その理由ですが、実はついこの間、私、大学はなぜ地域連携を目指すのかという小さな文章を書いて、学内の関係者に配ったりしたのですが、通常そういった活動は地域奉仕だと思われるんですね、これまでですと。そうではなくて、今の循環型社会の実現、あるいはバイオマス利用ということを考えますと、非常にケース・バイ・ケースで、それぞれの問題が新しい。だから、大学がもし学問の先端に立ちたいのであれば、循環型社会をつくるときに地域との連携をしないでどうやって研究するんだということになります。この点は非常にはっきりしておかなきゃいけないと思います。
 ただし、その場合に研究のスタイルが非常に大事でして、地域から何か一般的なものを持ってきて、何かどこかの学会で発表すれば、それで終わりというような形ではなくて、地域の問題のソリューションをきちんとやるという、方法論的にもきちんとそのことを表明して研究をされるような大学の研究者がもっと出ないといけないですね。ただ、何でも大学の先生がいればいいという話でも必ずしもないのです。そういう新しい大学と地域の連携を、環境省のいろいろな施策の中でもプロモートしていただけるといいと思います。

【阿久津委員代理】 代理の身で失礼いたします。先ほどの中井委員さんの方でしょうか、廃棄物処理法の見直しもというお話が入っていましたが、廃棄物処理法そのものも安全の確保はじめ非常に重要な役割を果たしています。具体的に今どういうお気持ちで、循環基本法との関連でどういうものをイメージされたご発言なのかを確認したいのが1点ございます。
 さらにエネルギー論とか、いろいろ大切な話をされておられるところでありますが、やはり私どもの考えは、文面にも顔の見えるという非常にすばらしい表現も入ってございますが、どのようなことをやっても、最後に返ってくるのは国民の安全の確保だと思っています。いろいろな角度のご審議は非常にすばらしく拝聴しているわけでございますが、今後の課題の中でも、もう一度、安全という視点から、環境保全を確保するというお話も随所に織り込んでいただきたいと思っています。
 もう一点ですが、これは環境省さんにもう一度お調べいただくのが筋だと思いますが、京都の例でBDF化の話がありましたけれども、私どもが調べたところ、京都市でのBDFはリッター84円でした。その当時ほかの軽油が非常に上がってございまして、全国調査をいたしました。なぜかといいますと、私ども委託業者は限られた厳しい予算の中で懸命の事業経営をしているわけですが、非常にオイルが高騰しまして、当時、去年の1月の時点と7月に時点を比較集計いたしました。それによると、全国平均でリッターが93.5円ぐらいに非常に上がりまして、高いところはもう106円を超えた時期、そのときで、たしか84円だったと記憶しております。ただ、これもまた調査の時点もありますので、環境省さんでお調べいただくのが正しいと思います。
 ただ、国民の安全の確保が最重要と考えておりますので、この廃棄物処理法の改正ということが出てまいりましたので、一言確認したいと思いました。以上でございます。

【石川座長】 じゃあ、これは中井さんから。

【中井委員】 じゃあ、今のご質問にお答えしたいと思います。
 廃掃法の中で、特に全体的な見直しとか、廃掃法が悪いとか、別にそういうことを申し上げているつもりは全くありません。3回目のヒアリングのときに、私どものつたない事例からの報告ということで申し上げていたかと思いますけど、例えば私どもの業界のように、いろんな地域に多店舗展開をしていくようなレストランチェーンがあったとしますと、これは具体的な法律の条文にないと思うんですけども、自区内処理という原則がですね、どうしてもこれが結果的には阻害要因になって。例えばコンポストのプラントがある市町村にあった場合に、周辺の地域から生ごみをそのコンポストプラントに搬入をしたいというときに、やはりどうしても、先ほどの自区内処理の原則からいきますと、市町村の環境セクションの窓口の担当の方はなかなかそれをオーケーを出さないということが現実にあって、それを我々の方では例えばということできょう申し上げましたけども、大きな阻害要因ではないかなというふうに感じております。

【石川座長】 よろしいですか。
 それでは、あと残された時間わずかになってきましたので、ちょっと発生抑制の議論は次回以降にさせていただきたいと思います。
 先ほどまでの議論の中で、私が新しく出てきたのかなとちょっと思ったのは、古市先生からのネットワークが重要だというお話と、それからもう一つは、そういうネットワークそのものから情報発信をして、動かすということじゃないかと思うんですね。社会を動かすということを考えなければいけないのではないかというご指摘がありました。これは、この検討会では、そういう視点では特には議論を多分してきておりませんから、新しいご指摘かなと思います。
 それからそのご指摘は、崎田さんだとか何人かの方からご指摘があったような、生ごみを収集してきて価値あるものにするというふうなことをするときに、大学だとか学識経験者であるとか、専門的知識がある人の協力が必要だとか、それから、さらに言いますと、そういうことをやること自体、分けている人と、フードチェーンに戻したらその野菜なり食品を食べる人との間で顔が見えないといけないと。これはもうこれまで何度も議論をしてきました。こういうのは全部今までのごみ処理では必要のなかったことなんですね。それぞれ切り離してやっていても、別に自分は自分の仕事をちゃんとやって次の人に渡せばオーケーとか、聞かれたことに答えればいいというだけの話だったんですが、どうもこの議論をしておりますと、生ごみの場合は、それで済まないのかもしれないという気が少しいたします。
 そういう意味で古市先生、ネットワークとおっしゃっているんじゃないかなと思うんですね。そうすると、今まで必要のなかったものがもし必要であるとすれば、そのこと自体、非常に重要ですよね、きっと。そういうことを指摘しないといけないし、もちろん次のステップでそれをどうやって社会に広めるかと。北海道さんは既に活発にやられているそうですから、そういうことがほかでも、同じものではないんでしょうけれども、ネットワークが必要だという点に関しては同じような気もするんですね。そういうところが新しく出てきたことかなと私は思いました。
 この点に関していかがでしょうか。じゃあ、山口さんが今までご発言ないので。

【山口委員】 今のお話のところで、どういう点でそういう部分が非常に重要かということを感じているところで1つだけお話ししたいと思いますけども。例えば私どものような業態の場合でも、工場とか店舗とか、排出物はたくさんあるわけですけども、例えばたい肥にする、あるいは飼料にする、あるいはバイオマスのエネルギー化の取組みをすると。さまざまな場面があるんですけども、例えばアウトプットという表現になると思うんですけれども、例えばえさにしたといった場合、今、お話が出たような専門家を含めたネットワークがきちっとできて、そして、いわゆるでき上がったものに関しては、例えばトン当たり2万円の付加価値で生産物ができ上がると。また、その飼料の評価も非常に高いものが得られると。
 ところが、廃棄物の処理として単に考えて、でき上がったものについては、ほとんどいわゆる飼料価値が認められないものに結果としてなってしまうというような部分があると思うんです。そういう意味合いではインプットと、それからアウトプット、アウトプットでどれだけの付加価値の高いものがうまく生み出せるかによって、インプットする排出側の最終的には利益にもつながるし、また、いろんな技術とかシステムとか、ネットワークのところのコストの負担というものもうまく吸収ができて、本来の循環の仕組みに持続的になっていくと。こんなふうに感じます。

【石川座長】 どうもありがとうございます。それでは、庄司さんと崎田さんですかね。

【庄司委員】 ネットワークの関係なんですけど、具体的にそれがどういう形がいいかというのはまだ思いつかないんですけれども、少なくとも自治体のごみ処理という点から見た場合には、これ、いずれにしても自治体単独ではもう生ごみのリサイクルというのは絶対できないと思いますよね。収集とリサイクルと処理は、もうかなり広域的に連携をしなくちゃいけないし、収集自体も単独の自治体でできるというのは大都市のある程度量的に確保できるようなところは別として、多分、広域的に連携していかないといけないと。そうすると、自治体サイドからこういったものをやっていこうとした場合に、なかなか現状を踏まえたら、自治体単独ではそれだけのネットワークを組んでいくようなシステムって難しい。たまたま小規模にですね、例えば姉妹都市を結んでいるところの農村部と都市部の自治体が協力してというのは現にありますけれども、例えばある学校の学校給食だけとかという、非常に限られた連携ですね。それはそれとしてモデルとしてはいいんですけど、もうちょっとシステムとしてネットワーク化していく場合には、やっぱりそれをコーディネートしていく、あるいはそれを支援をしていく何か機関というと大げさなんですが、何かそういう存在が必要なんじゃないのかと。
 それは行政的な枠組みとしてやるというのは非常に難しいと思いますが、例えばNPOだとかそういったことも含めて、そういったコーディネート組織を何かつくっていくようなことも考えていかなくちゃいけないんじゃないかと。あるいは、それは市町村の枠を超えた、ある意味での行政的な広域調整は都道府県というようなことも考えられますけども、必ずしも都道府県の枠の中でもとどまらないことですから、もうちょっと広げた形でのそういったものを何らかつくっていく。制度としてつくることは難しいにしても、例えばNPOを育てていくとか、そういった視点も必要なのかなと思います。

【石川座長】 どうもありがとうございました。ちょっと時間もございませんので、ご発言だけいただいて、最後古市先生、次に崎田さん、お願いします。

【崎田委員】 私も古市先生のネットワークをつくって情報をきちんと伝え合っていくことが大事なんじゃないかというご提案に大賛成です。実は全国各地にいろいろと先進事例がありますけれども、やはり壁にぶつかるとか、もっとよりよくしていくためにどうしたらいいか、ビジネス化するにはどうしたらいいかとか、いろんな壁に皆さんぶち当たっているわけです。それの一番大事なのは、やはりいろんなところとの情報を共有しながら、お互いが学び合っていくというあたりが非常に重要だというふうに感じています。
 たまたま私は、仕事はジャーナリストなんですけれども、今、全国各地で循環型地域づくりをしている人たちを応援する全国ネットというのを運営しているんですが、そこは生ごみだけではなく、いろいろなリサイクルであったり、3Rの消費生活であったり、地域の未利用資源を活用したエネルギーづくりであったり、視点が非常に広いんですけれども、共通して、例えば子供たちに伝える教育の話とか、継続のために行政の皆さんやほかの大学の方と連携するためにどうしているかとか、あるいはコミュニティービジネスにして継続するためにどうしたらいいかとか、割に出てくる問題というのが同じような、共通項が出てくるんですね。そういう意味で、きちんとみんなで現場を見るとか、学び合い情報を共有し合うという、緩やかなものは必要だというふうに感じています。余り無理やり何か組織をつくってしまうとかというよりも、少しそういう情報を交流させるような状況設定をしていくという、あるいはそれを応援していく状況をつくっていくということでも、私はスタートとしてはいいのではないかなという感じはいたします。
 あと今、生ごみにこだわった全国の市民グループとか、そういうネットワークも幾つかあったり、そういうところの非常に熱心な方たちのグループがたくさんあったりするんですが、そういういろんな方たちと専門性のある方たちの情報をつなぐとか、少し広く緩やかな形で情報が共有できるような場づくりというのを仕掛けることができればいいんじゃないかなというふうに思います。全国ネットワークの枠を超える大きな、緩やかな情報共有システムがあればいいんじゃないかなという感じがいたします。ご検討いただければと。

【石川座長】 どうもありがとうございます。それでは、古市先生。

【古市委員】 ネットワークと申し上げた意味は、大きな意味が2つありまして、1つ目はIT社会に今なっていますよね。そうすると、情報というのはネットワークでリンクしてばあっと広がる、これは平面的な仕組みなんですよね。今までの仕組みですとヒエラルキーがあって、上から順番に、わあっと階層化されているんですね。そうすると、情報の伝達は遅いし意思決定も遅くなるし、範囲も限られていると。そういう意味で、これからはもうそういうヒエラルキー構造というのは限界があるだろうと。そういう意味で、ネットワーク構造に持っていくべきでしょうというのが1点目なんですね。
 2点目は、私、情報だけのネットワークと言っているわけじゃなくて、一般的によく言われますけれども、人・物・金・情報なんですね。だから、人のネットワーク、ちょっと崎田さんのおっしゃる、全国ネットワーク、NPOも含めてですね、これは人のネットワークなんですよ。物は、ごみがどう流れていくか、例えばリサイクルできて、その製品にどうニーズがあるか、物ですよね。金って、やっぱりどこか出してくれるところ、いろいろな、これはベースとして重要なんですね。情報はもう広く、そういう意味で。だから私、そういうすべてのものがうまくリンクしていくような仕組みづくりが大事じゃないかなと。特に私は人だと思っていますけども、人がどうつくっていくか。そのハブになるような人がいるかどうかですね。こういう仕組みづくり、成功事例みたいなのを集めると、またいいかなという気がしますね。
 以上です。

【石川座長】 どうもありがとうございました。最後になって、白熱したご意見が出てきて、しかも最初、そもそも多分余り想定していなかった方向に議論が行っていますので、事務局がはらはらしているんじゃないかなと思うんですけど。
 本日は、発生抑制の方の議論をできればと思っておりましたが、主にネットワークだとか、じゃあ、具体的にここで検討だけじゃなくて、何か動かせるようなことまでというご指摘もありました。これ実は発生抑制の話をすれば、これも同じようにそういうネットワークだとか、そういうことがないと、多分、恐らく解決できないんじゃないかなというふうな気もしますから、そちらでの議論でも多分役に立つんじゃないかなというふうに思います。
 きょうはちょっと時間が過ぎてしまいました。座長の不手際で、大変申しわけございません。ここで質疑は打ち切らせていただきたいと思いますが、この議論はまた続けて行いたいと思います。何かございますでしょうか。

【土井廃棄物対策課長補佐】 次回の開催のことで、委員の皆様方のご予定をお聞きした上で若干絞り込みたいと思います。2月の最後の週、27日の月曜日から翌週の終わり、3月10日までの間、今、ちょっとお手を挙げていただきたいんですが、今、決まってない方につきましては、また後日ということで結構でございますが、よろしいでしょうか。それぞれの日にちの午前・午後でちょっと順次言いますので、ご都合の悪い方、お手を挙げていただけますか。よろしいでしょうか。
 2月27日月曜日の午前中、ご都合悪い方。はい、ありがとうございます。午後……、はい、結構でございます。
 28日午前中、28日の午後。
 1日の午前中、1日の午後。
 2日の午前中、よろしいですか。

【古市委員】 1日から5日まで海外出張でいませんから。

【土井廃棄物対策課長補佐】 1日から5日まで。
 2日の午前中は、古市先生以外はよろしいですね。2日の午後。
 3日の午前中。3日の午後。
 翌週の6日の午前中。6日の午後。
 7日の午前中。7日の午後。
 8日の午前中。8日の午後。
 9日の午前中。9日の午後。
 10日の午前中。10日の午後。
 それでは、今、確認させていただきまして、3月2日の午前中。石川先生の方……、はい。
 じゃあ、3月2日の午前中ということで、とりあえず押さえさせていただけますでしょうか。
 きょうご欠席されていらっしゃいます委員さんもいらっしゃいますので、早急に確認した上で詰めたいと思っております。場所、時間等につきましては、後ほど日にちが確定した上でご連絡させていただきます。どうもありがとうございました。

【石川座長】 じゃあ、どうもご苦労さまでした。

午後16時06分閉会