環境省廃棄物・リサイクル対策廃棄物処理の現状検討会・懇談会生ごみ等の3R・処理に関する検討会

第2回 生ごみ等の3R・処理等に関する検討会 議事録


(平成17年11月11日開催)

午前10時02分開会

【土井廃棄物対策課長補佐】 それでは定刻になりましたので、これより生ごみ等の3R・処理に関する検討会、第2回目を開催させていただきます。
 初めに、委員さんの出席状況報告をさせていただきます。本日は欠席の委員さんが5名いらっしゃいます。酒井委員、崎田委員、瀬川委員、中井委員、古市委員、この5名の委員が欠席されております。ちなみに山田久委員の代理といたしまして、岩本事務局長にご出席していただいております。
 次に、お配りしております資料の中で委員名簿というものを再度入れてございます。実は第1回目の委員会開催後、委員の方が異動等で交代されましたので、ご紹介させていただきます。
 まず、浅井委員は、11月1日付で施設部から環境都市推進部に異動されました。引き続き委員をお願いしておりますが、今後、後任の方に引き継がれる予定です。
 次に、ライフコーポレーションさんの森内委員が異動で、後任の本間秀二様にかわられましたので、10月29日付で本間様に委員を委嘱してございます。本日は前委員の森内様にもご出席いただいております。
 それと、1回目の委員会で犬伏先生、堀尾先生、ご欠席でございましたが、本日お見えになっておりますので、ご紹介させていただきます。千葉大学の犬伏先生、どうぞよろしくお願いいたします。

【犬伏委員】 千葉大学の犬伏です。第1回目は大変失礼いたしました。よろしくお願いいたします。

【土井廃棄物対策課長補佐】 東京農工大学の堀尾先生でございます。

【堀尾委員】 東京農工大学の堀尾でございます。よろしくお願いいたします。

【土井廃棄物対策課長補佐】 次に、資料の確認をさせていただきます。会議次第の後に座席表、ちなみに座席表、若干環境省側の順番が入れかわっておりますのでご了承ください。あと委員名簿は先ほどご案内させていただきましたとおりでございます。
 次に資料1は、本日は関係事業者さん、委員さんからご紹介いただきました事例を4件ヒアリングを受けることになっております。その順番と内容でございます。
 次に資料2は、ヒアリングの後、当方環境省で行っております生ごみ3Rに関するインタビュー形式の実態調査の説明資料でございます。
 あと、本日ご説明いただく方にご用意していただきました資料が4種類ございます。これは説明順になっております。以上、もし漏れ落ち等がございましたら事務局までご連絡ください。
 それでは石川座長、よろしくお願いいたします。

【石川座長】 おはようございます。それでは第2回、きょうはヒアリングがたくさん予定されておりますで、早速始めさせていただきたいと思います。
 まず最初はサンデリカさんの事例からお願いしたいと思いますけれども、ちょっと時間が限られておりますので、申しわけございませんが、1件10分程度でご説明いただきたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。

【伊藤委員】 サンデリカの伊藤でございます。まず、サンデリカという会社の名前をお聞きしたことがないという方が多分大勢いらっしゃるのではないかと思うので、若干、会社の説明させていただきます。
 サンデリカという会社は、コンビニエンス向けのお弁当ですとかサンドイッチ、おにぎりをつくっている会社でして、山崎パンの100%子会社になっていまして、山崎パン自体がパン、和菓子、洋菓子、弁当事業の4本柱だったんですけども、弁当事業だけはやはりコンビニエンスさんとの一体化ということで毛色が違うものでして、子会社に分社化・統合したという会社でございます。
 現在、全国に子会社を入れて24カ所工場がありまして、この地図の中に伊勢崎というのが先般、小山に統合しております。全事業所で今、食品リサイクル取り組みができておりまして、資料の一番上の日本地図に載っかっているところなんですけども、食品リサイクル法にのっとりまして肥料化、飼料化、メタン、あとフライヤーのオイルが出ますので、それは全工場で全部リサイクルしております。自社でやっているというよりは委託して再生をお願いしているというのが現状でございまして、出ているものは弁当業者ですので、ご飯ですとかパンの部分ですとか、あと麺と野菜、あとおかずのようなものです。サンドイッチをつくるパンの耳につきましては、全量1カ月1,000トンぐらい出るんですけども、これは有償でパン粉に食用として再生しております。
 きょうは、その中から町田と平塚の食品残さ再生をお願いしている農業技術マーケティングさんをご紹介させていただきたいと思います。

【農業技術マーケティング・根来】 ただいまご紹介にあずかりました農業技術マーケティングの根来と申します。私どもは今、お手元の方に資料をお出しいたしましたが、平成12年11月に会社を設立しました。ただ、ほかの処理業者さんとちょっと変わっておりますのは、私どもはもともと産業廃棄物などの処理業として出発したのではなくて、純粋に循環型の農業をやりたいという人間が集まりましてつくった会社でございます。養豚を中心にした循環型農業を考えておりまして、それまでにこういう飼料化、要するに廃棄物をえさ化して、それで豚を育てる。それからもう一つは、糞尿の問題がございまして、それを発酵床方式という方式を鹿児島大学と一緒にいろいろ勉強させていただきまして、そして糞尿の出ない非常に環境にいい、しかもコストのかからない養豚業をやりたいということで実は会社をつくったんです。ところが、皆様もご存じのようになかなか素人が農業に進出するというのは大変なことですし、それから経営的に見ましても、農業はなかなか回収が遅くて大変ですよね。そういうベンチャーにお金を貸すところはありませんで、それでしたら、まず飼料づくりから始めようということで市川の行徳の方に3年前に飼料工場をつくりました。
 ここに農業技術マーケティングの体制図というのが、いろいろごちゃごちゃ書いているのがありますが、私どもの今の仕事はちょうど三つございます。一つは、発電・CDM事業です。最初に申し上げましたように、いろんな人間が集まって会社をつくった中で、その中には商社で海外でずっと発電事業を立ち上げてきたグループがおりました。その人達も一緒に参加しまして、もう化石燃料の時代ではありませんので、バイオマスで発電事業をやっていこうということで海外でやっております。今、タイでパームヤシの実のパームオイルをとった後のヤシの実が投棄されて、ひどいメタンガスを出しているわけですが、それを燃やしてちょうど世田谷区ぐらいのところに電気を供給するという仕事です。2012年までに大体100万トンぐらいのCO2を削減できるものですから、そのクレジットを日本政府の方にお譲りして、そのかわりNEDOの方から事業の立ち上げの建設資金の半分を補助していただくと、そういうCDM事業のNEDOの第1号案件にこの間選定されて進んでおります。
 2番目がこの食品リサイクルというところです。市川の行徳の方でやっております。
私どもの会社の案内がありますが、こういう方式でございます。ここで、私どもは非常に気をつけて会社のコンセプトとしているのは、処理するという考え方から飼料を製造するという考え方へどうやって展開していくかということです。これは非常に実は難しいことでございまして、出す方も廃棄物として出しておりますし、処理するのですと、たくさんの廃棄物を集めてきてできるだけ効率よく処理してしまうと、なくしてしまうということで成り立つわけです。ただ、製造するとなりますと、廃棄物を原料化しなくてはいけない。原料にするということですね。その原料としてどのように扱って、そしてできるだけ一定した、安定した製品をつくって、それを養豚家さんにお売りするというふうに、これは意識もマインドも変えなきゃいけませんし、製造方法も変えなきゃいけません。大変経営的にも難しい点がございました。
 その下に書いてございますが、ポイントが三つほどございます。一つは、まずどんな飼料をつくるのかということです。これは最初にいろいろな方からお話を聞きました。ああでなければいけないとか、こうでなければいけないとか、それぞれのお立場からいろんなことを最初お伺いしました。特に配合飼料メーカーですと小数点以下まで配合がきっちり決まっているという世界の中で、その商品の安定化ということが図られているわけですね。ただ、原料が廃棄物ですと、そういうことはまず不可能です。ですから、自分たちで豚を飼いましていろいろな実験をしまして肉質をどこへ持っていくのか、その肉質に行くにはどのくらいのところに成分を決めていけばいいのか、上下どのぐらいの違いが許容できるのかということから、私どもが今やっております一つは肉豚の後期用飼料、豚には成長段階に沿ってそれぞれその飼料、えさが違うんですが、肉になる豚の最後の2カ月ぐらいに食わせる飼料ということで作っております。私どもの実験の結果では、それを大体配合飼料の30%から50%ぐらいまぜても大丈夫なように設計してございまして、今私どもが出している養豚家さんなんかでは大体30から35%ぐらい、その飼料を使っていただいております。そういう形で、自分たちの飼料がどういう飼料なのかということをまず設定するということがすごく重要、でなければ本当に小数点以下まで厳しい条件が突きつけられて、それは基本的には無理ですね。そういうことでございます。
 それとレシピということを私たちは非常に重要視しております。つまり入ってくるものがいろいろなもの、多岐にわたるわけですが、それを組み合わせてバッチ処理をしております。例えば、今のサンデリカさんですと、パンがまず入ってまいりますね。パン、それから野菜。それからいわゆるサンドイッチとかおにぎりとかの、そういうものと中の具が入ってまいります。それを入荷した中で全部私どもは手で分けます。1立米のコンテナごとにタンパク系のもの、炭水化物系のもの、あるいは野菜と、こういうふうに分けておきまして、それを成分に合わせて、それからもう一つ重要なことは、乾燥するわけですから、乾燥効率がいいように、まぜ合わせてレシピを作り、乾燥するわけです。
 ですから、実はこのパンフレットの上段は工場の機械設備ですね。これはどこのパンフレットにもありますが、すごく重要なのは下段のこっち側の部分、これが私どものノウハウであり、特徴であるというふうに思っております。つまりどういうことかと言いますと、そのように製造工程を非常に厳密に管理する。これはトレーサビリティの問題もございますので、製造工程をきちっと管理をして、そしてできるだけぶれのない商品を出していくと。最初のころは随分失敗もありました。油が強過ぎて固まってしまうとか、お菓子をたくさん、菓子粉は非常にいいんですが、中についていたチョコレートが固まってしまって、フレコンに入れたものから出てこないとか、そういう問題が随分ございました。あるいは、箱ごと途中で水に濡れてしまったとか随分ありましたが、おかげさまで3年たって、かなりもう安定的に出ておりまして、実を申せば需要が供給に追いつかないというぐらいです。大手養豚家さんの方でも30%から35%入れますと、非常に経費が削減されます。私どもは大体養豚農家着で22円ぐらいで売っておりますから、配合飼料が30円近くいたしますので、非常に便利に使っていただいております。
 このほかに私どもがもう一つ着目しましたのは、しょうゆかすです。千葉県はご存じのようにおしょうゆ屋さんがたくさんありますでしょう。しょうゆかすというのは、実は昔はとてもいい豚とか牛の飼料だったわけですが、もうほとんど使う方がいらっしゃらないという状況の中で、例えばキッコーマンさんなんかですと、毎日80トンとか70トンとかというしょうゆかすが出てしまって、大変皆さんご苦労していらっしゃるわけですね。ただ、乾燥いたしますとタンパクが25%あります。もちろん塩分も7%ぐらいございます。それを何とかして飼料化できないかと、随分マーケティングいたしました。なかなか国内ではできないんですね。皆さん、やっぱり「かす」という名前がごみということを連想させるらしくて、牛が嫌うんじゃなくて人間が嫌うんですね。ですから、かすというのがだめでした。
 それで、実はこれは全量を私どもはフィリピンの方へ輸出する、つまりフィリピンの飼料メーカーで買っていただいております。これは全部マーケティングいたしました。マーケティングするために自分たちでフィリピンの方に農場を持ちまして、そこでも自分たちのしょうゆかすをどのくらいまぜても問題ないかということを相手さんの飼料メーカーと一緒に半年ぐらい、2クール豚を育てて検査をして、そして納得して買っていただいて、今は大体月に300トンぐらいそちらの方へ行っております。これも本当に最初は中に入っている細菌の問題とか、本当に細かいことまでいろいろありました。おもしろいのは、日本から輸出するのにはほとんど規制がございません。なぜかというと、飼料を輸出しているところなんてほとんど日本にはございませんのでありません。ただ当然、相手国には非常に厳しい輸入の規制がございまして、これは全部クリアするのにやっぱり半年ぐらいかかりましたが、クリアさせていただいて、そして今はそのぐらいの形で行っております。
 そのように、つまりレシピを非常にちゃんと考えて、まず出口、相手を考えて始めるというのは、この事業の鉄則かというふうに思っております。
 それからこの製造管理、ここをすごく大事にするということです。製造フローは、これを見ていただきますと、私どもは減圧乾燥機というのを使っています。何よりも前処理が一番大事、つまり仕分けですね。これは人間の手を使うしかありませんので、人間の手を使ってやっております。あと、乾燥機は減圧の乾燥機です。大体60℃ぐらいで乾燥いたしますので栄養成分も壊れませんし、非常に仕上がりがいいものができております。あと、ふるいをかけたり何なりしてという形で出荷していると。
 それから、その次のこれが私どもの、ちょっと見にくいですけれども、私どものリサイクルフローです。大体、今、処理能力は62トンで許可をいただいているのですが、日常まだ40トンぐらいでやっております。これがこういう形でそれぞれ出ております。日本国内と国外でございます。
 あと、これからの課題ということなんですが、大きく分けて三つあります。私はリサイクル、特にこういう食品残さのリサイクルはまだまだとても未完成だというふうに思っております。私たちが3年前からこの事業を始めまして、その間に飼料化で例えば登録認定におなりになったところが私の知っているだけで3軒ほどつぶれております。なぜつぶれているのかというのを私なりに見てみますと、やっぱり過剰な投資だと思っています。過剰な投資をした割には思っていたような処理能力が出ない、それから使えるような、つまり製品として使えるようなものができない。これはやっぱり、とてもまだまだ技術的に非常に難しいことなんだというふうに思っております。その中で、なぜ私たちがじゃあ生き残ってこれたのかというのは、幸か不幸かお金がなかったものですから、ほとんど自分たちの手でつくってきたんですね。例えば農業機械を見つけてきて、それを改造して使うとか。一度うちの工場にぜひいらしていただきたいと思いますが、本当に手づくりでできるだけお金をかけない、それからいつでもすぐに自分たちで手を加えられると、つまり問題があれば変えられると。そういう形でこの3年はやってまいりました。おかげさまで何とかやってこれたんだろうなというふうに思っています。
 それともう一つは、処理料がまだ全然そんな高くはないんですよね。特にまだよくわけのわからない処理をしているようなところがありまして、そういうところはやっぱり10円以下でやっているところが多いんです。ところが、私どもなんかは基本的にエネルギーコストかかりますし、リサイクルの方が実際問題お金がかかります。製品が売れるじゃないかとよくおっしゃられるんですが、水分を抜くわけですから100トンのものが30トンに減ってしまうわけですね。売れるものは30トン、だけど処理しなきゃいけないものは100トンあるわけです。ですから、売れたものだけで、売れたお金だけで工場を運営するということはほとんど不可能。したがって、処理料をいただかないと不可能でございます。今のところはですね、そういうことです。
 ですから、私どもとしてはもうちょっと今の技術をもっとスキルアップをしていく、技術を高めていくということが今後の私たちのすごく大きな課題でございます。
 それと次は、この最後のもう一つの事業で循環型農業と。要するに私が一番最初からやりたいと思っていた農業です。これはごらんになっていただけますとわかりますが、これはぜひやりたいと思っております。
 それからもう一つは、廃棄物じゃなくて原料ということを排出事業者様も含めて、もう少し世の中にどうやって定着させていこうかなということが私が考えていることで、これも近々ちょっといろんなアクションをとりたいなというふうに思っています。
 課題というのはそんなことですね。

【石川座長】 どうもありがとうございました。大変興味深い内容のご発表をいただきました。10分で説明してくれというのは、こちらの注文は無理なところが少しあると思います。恐らくここでとれる質問時間というのは、もうほんの数分でしかありません。多分ほかのご発表の方も同じだと思うんですけれども、内容が大変豊富で、恐らく哲学的なレベルからテクニカルなところまで本来はいろんな質問があって議論もすべきなんですが、ちょっと時間の制約がありますので、これは提案なんですけれども、許される時間でご質問はいただきますが、多分全く足りないと思いますので、別途メモを出していただいて、大変申しわけないんですけれども、お答えいただける範囲内で結構でございますので、書面で回答をいただいて皆さんで共有するという形にしてはどうかと思うんですが、いかがでしょう。よろしいでしょうか。
 じゃあ、そういう方向で進めさせていただきたいと思います。一つか二つぐらいご質問をいただく時間があるかと思いますが、いかがでしょうか。じゃあ、川島先生。

【川島委員】 会社を成り立たせる上で一番基本的なことなんですけど、その処理コストとしていただく部分と、それから売って収入がありますね。額を聞いていいのかどうかわからないんですけれど、比率はどのくらい、このくらいはお答え……、もし額も。

【農業技術マーケティング・根来】 比率は、大体5対1ぐらいです。処理料が5。

【川島委員】 処理で入ってくるお金が5で、売って1しかならない。

【農業技術マーケティング・根来】 そんなものです。

【川島委員】 そういう感じですか。わかりました。

【農業技術マーケティング・根来】 それでも高い方だと思います。

【川島委員】 売って得られるお金がですか。

【石川座長】 同業の中で高い方なんですね。

【農業技術マーケティング・根来】 はい。

【石川座長】 どうもありがとうございました。これで大体予定の時間なんですが、申しわけございませんが、もし追加のご質問がございましたら、メモでいただきたいと思います。
 それでは、次のご発表をお願いしたいと思います。次はライフコーポレーションさんの事例ということで、ご紹介いただきたいと思います。

【本間委員】 初めまして、ライフコーポレーションの本間と申します。きょうは私、初めてこちらの検討会の方に出席しまして、ちょっと説明の方がつたなくなると思いますが、そういう部分に関しましては隣におります森内の方から回答の方をさせていただきたいと思います。
では、早速ですが、手前どもの、弊社の食品リサイクル取り組み事例の方を発表させていただきます。
 弊社におきましては、食品のスーパーマーケットを中心としまして、現在、首都圏、近畿圏で192店舗展開している企業です。今回につきましては首都圏におきまして、首都圏で今86店舗展開しているわけなんですが、その中でスーパーマーケットから出る食品の生ごみについて三つに分けて考えています。
 まず一つが生ごみで、2番目としては魚腸骨、3番目が廃油という三つに大別されます。まず1番目の生ごみにつきましては、今現在86店舗のうちこの9店舗において収集運搬業者様の三起産業様から入りましてフジコー様、飼料あるいは堆肥等につきましては養豚業者、あるいは近隣農家に無料提供しているというシステムをとっております。
 現在、店舗名につきましてはそちらに記載してあるとおりなんですが、月間排出量につきましては8,600キログラムという形で、2,000から8,000キログラムの排出量を今のところそちらの方でリサイクルされております。
 ここで2枚目の資料というか、最後の写真の方にありますとおり、株式会社フジコー様の生ごみリサイクルの写真があるんですが、一般的に食品系廃棄物処理施設という形になりまして、各店舗からの残さ、生ごみにつきましてはこちらの方に1カ所に集められまして破砕かけて醸成されまして、堆肥あるいは飼料という形で分けられまして、各農家あるいは養豚業者に販売という形で提供させております。全店の中の9店舗だけなんですが、月間排出量合計といたしましては3万8,490キログラム、生ごみに対してのリサイクル年間排出量合計といたしましては46万1,900キログラムという数字となっております。
 2番目におきましての魚腸骨、これは全店86店舗賄っております。収集運搬業者につきましては、三幾飼料工業株式会社様に委託しております。それを経まして、リサイクル処理といたしましては、同じように三幾飼料工業様が魚粉あるいは油脂、そういう業務用マーガリン等に加工されまして飼料会社、油脂会社に卸しているという形をとっております。こちらの魚腸骨につきましては、月間排出量27万3,900キログラム、年間におきましては328万7,000キログラムの排出をされております。
 3番目の廃油。これにつきましては、お惣菜のフライド物をつくる際にその廃油あるいはベーカリー等のドーナツを揚げる際の廃油、そういうような廃油がスーパーから出ると思います。その廃油を全店規模におきまして、こちらの収集運搬業者様の笠間商事様に委託しまして、それを経まして深山油脂工業様に処理をお願いしていると。飼料、石けん、ディーゼルエンジン燃料という形に変えまして、そちらの方を販売しているという形をとっております。月間排出量は8万6,800キログラム、年間におきましては104万2,000キログラムとなっております。
 続いて、資料の2ページ目になりますが、その生ごみはどういうふうにやっているかということにつきましては、ちょっと図がないので恐縮なんですが、文章になってしまいますが、まず1番の野菜くずにつきましては、つまり農産物、青果部門におきまして野菜をカットしたものを、腐敗物もありますが、そちらの方を[1]といたしまして専用容器に仕分けいたします。もちろん野菜くず等生産者から直接来ますんで、その際のビニールとか紐とかテープを分別してその専用容器に回収いたします。その回収したものを3ページ目の一番最後の写真ですね。こちらの方にまとめるわけなんですが、同じような形で2番の畜産物、あと惣菜調理残さ、それから先ほどのフライ物ですね。てんぷらとかフライ物、あるいはすしとかトマトとかあるいはサラダ類といったものの調理かす等を分別していると。ごみ袋で収集しまして、ごみ袋から専用回収容器に収納しております。
3番目は、これは廃棄ロス商品、つまり売れ残りです。販売期限を過ぎたもの、これにつきましては、各お店におきましてはお店の閉店後に容器と商品を分別。つまりトレーあるいは袋にそのまま包装されてますので、それを分別しまして、生ごみについては専用容器に収納、これも後ろの写真にありますが、こういう排出状況となっております。トレー等はごみ袋に収納という形になります。
 4番目の魚腸骨。これについては、毎日毎日水産物で発生するあらですね。これについては、分別回収という形で専用箱に入れまして一時ストックをしておきます。それにつきましては、ちょっと写真はないんですが、たるというのがありまして、直径1メートルぐらいのたるですね。その専用容器に入れまして廃棄置き場に保管しまして、毎日委託している業者様に回収していただくという形をとっております。
 最後の5番目におきましては廃油。これは先ほど見たベーカリーあるいは惣菜のフライヤーから出た油を回収するやつなんですが、これも廃油の専用容器に移しまして、一時的には熱をとるために専用容器で保管しておきます。その後、各お店の廃油、ドラム缶なんですが、そのタンクに保管しておきまして月2回ペースで委託された業者様の方で回収していただくという形をとっております。これについてもちょっと写真はないんですが、以上の形でスーパーマーケットにおきましては、生ごみ、魚腸骨、廃油という三つの食品リサイクルにつきまして現在このようにリサイクルを取り組んでおります。
 簡単ではございますが、以上で説明の方を終了させていただきます。

【石川座長】 どうもありがとうございました。今回はご質問をいただく時間10分ぐらいできるかと思いますので、どうぞご遠慮なくご質問いただきたいと思います。じゃあ、庄司さん。

【庄司委員】 まず、分別回収をされている、これ三つのもの、かなり異質のものだと思うんですが、これ確認なんですけれども、いわゆる家庭ごみの分別排出というのは、排出者が分別をして、その分別されたものを回収しているということですが、ここでは排出する事業者さんの方である程度、ここに書いてあるようなところまでは一応分別されたものを回収されているというふうに理解してよろしいのか、ちょっと確認です。
 それから、このそれぞれの回収業者に委託をされているということですけれども、この委託内容としてですね、その配送の選考基準は当然のことだから別として、収集運搬にかかわって何か特別な、例えば時間だとか、夜するとか昼間するとか、そういった意味なんですが、特に通常の輸送とは別な廃棄物の特性に応じた何か特約があるのかどうか。それと、野菜くずとか三つはかなり異質のもので特に2番目、3番目はかなり廃棄物としては扱いにくいものなんで、この辺は特にそういう点で特約条項にかかわることでしょうけれども、何か特定の特別な条件があるのか、お伺いします。

【本間委員】 ご質問ありがとうございます。今、分別された輸送というか、分別につきましてはお店の方で、これは本社からの指導にもよるんですが、店の方ではこういうリサイクル取り組みをやっているという意識を持ちまして、生ごみあるいはそれ以外のビニールとかひもとかというのはちゃんと区別して別の袋に入れて回収するようには指導はしております。それができているというふうに思っております。
 あと2点目の輸送時間に関して、輸送というか、委託されている業者様の方の時間なんですが、大体閉店が10時あるいは店によっては夜中の12時ということがありまして、その閉店後に回収をしていただくという形で委託条約とした感じで結んでおります。
あと特約ですね。これについてはちょっと森内の方から。

【ライフコーポレーション・森内】 回収ですけれども、基本的に個々の業者との個別の契約になりまして、時間帯につきましては、生ごみ等につきましては特に時間で、通常の朝の時間帯、8時から10時ぐらいですね、そういう時間帯での回収。廃油につきましても毎日じゃございませんので、これも通常の月2回ぐらい日中の回収ということになります。魚腸骨につきまして、これは回収状況が夜間という形になりますので、夜8時から翌朝の9時ぐらいという夜間から深夜にかけての回収という形で、この辺がちょっと一部地域との、住民さんとの夜間回収等で問題になる可能性があるところです。ただ、業者等の回収効率の問題で、現状としては問題があるところについては早目の回収という形で今、取り組んでおります。
 生ごみにつきましては今、これ以外の店は基本的には市町村の処理工場で焼却というのが基本になっております。今、生ごみの処理の問題点は、やはりコストの問題が一番大きくて、今お話が出ましたように、回収費というのが当然通常の収集運搬で市町村に持ち込むときの料金と生ごみとして別便で回収しますので、当然コストが、極端に言いますと、約倍近いコストがかかるというのが今、我々としては非常にリサイクルは基本的には進めていかなきゃいかんのですけれども、焼却と対リサイクルという部分でのコストの差が余りにもまだ現状としては激しいと。そういう大きなコスト的な問題も抱えながら、なおかつ取り組んでいかなきゃいかんということですね。という現状がございます。
 もう一つは、こういうフジコーさんが、先ほどのお話もございましたように、そういうリサイクル工場のインフラという問題でまだまだ数が少ないという部分で、これからどんどんどんどん堆肥とか飼料とかというようなものもある程度こう、需要という部分ではこれからどんどんリサイクルを進めるうちに頭打ち状態で、要するにもう詰まりかけているわけですね。出口が詰まってますから、幾ら我々が原料だ、原料だと持ち込んでも、こういうフジコーさんも今のレベルでかなり厳しい。処理はできるんですけれども、能力的にはできるんですけれど、出口が出ないものですから、一部持ち込み制限とか、そういう部分にも入りかけているということで。さらに、こういうリサイクルができる業者さんが、やはり首都圏でインフラとして増えてこないと、リサイクルというのはなかなか、コストもありますけれども、もう一つはそういうのが増えてこないと、我々としては非常に持ち込み増やしたいんだけれども、持ち込めないという現状が今あるということをひとつご理解願いたいというふうに思います。

【石川座長】 どうもありがとうございました。ほかにご質問ございますでしょうか。はい、どうぞ。

【浅井委員】 ちょっと質問なんですけれども、この例を見ますとちょっと一方通行的な感じがしたものですから。先ほどの農業技術マーケティングさんですか、トレーサビリティといいますか、ライフコーポレーションさんでは、例えばできた飼料で育った豚を購入するとか、そういう何か循環の輪をつくるような取り組みをされているのかどうかということと、もう1点、ちょっとこの写真を見ますと、フジコーさんでやられているということなんですけれども、周辺環境の問題というのは、例えば発注元として契約なんかで配慮されているのかどうか、そういうことをちょっとお聞きしたいんですけれども。
 要するに、周辺環境の問題について契約の中でうたっているかどうか、フジコーさんに対する処理委託の契約ですね。それともう一つは、一つ目の質問としては、できた食品等についてのその買い取り、要するに循環の輪をつくるような取り組みをされているのかどうかと。先ほどインフラ整備が必要というのですけれども、お客さんがつかなきゃいけないものですから、みずからがお客さんになるというような形をとっていらっしゃるのかどうかをちょっとお聞きしたかったものですから、お願いします。

【ライフコーポレーション・森内】 商品的な問題はですね、一部昨年の事例で横浜の方でやってるお店で、神奈川県でこの商品をそのまま堆肥を使っていただいてつくっている農家から一部ですけれども。商品戦略上の問題あるいは季節によって我々の基準とするニーズのものが入ってこない場合は、なかなか仕入れるということができないものですから、あくまでも各企業さんごとにいわゆる仕入れ基準というのは持ってますので、その品質のレベルとか、あるいは季節的に例えばナスビを売りたいんだけれど、この時期にこの地域にはナスビがないとか、いろんな制約がございますので。できる限りその地域でとれる品質のものについては、我々が出したごみについて堆肥になった商品でつくっていただいたキュウリを売るとか、あるいはその地域だけでも、例えば横浜のお店でそういう努力は一応いたしておりますけれども。いかんせん、こういろんな制約、運送の制約等々もございますので、あるいはライフの、我々の販売者の販売基準に合った商品を売らないといけないという部分もありますので、そういう部分で季節的に合う商品につきましては、あるいは基準に合った商品につきましては、できるだけ販売していこうというふうな努力をしております。
あと環境というのは、すみません、私どもの店の環境という意味ですか、ではなしに。

【浅井委員】 申しわけないです。その委託先の、要するに廃棄物の処理になりますので、そのことについてまで、先ほどのお話にもあった特約といいますかね、この処理工場なんかで何か問題が起きると工場自体がストップするというような問題も出てくるかとは思うんですけれども、そうするとその処理ができないと思うんですけれども。そのことについて、例えば自分のところの出した生ごみについてきっちりと処理をしてくださいよとか、そういった規制といいますか、契約内容がうたってあるかどうかということですけれども。要するに、処理する側の周辺環境ということです。

【ライフコーポレーション・森内】 いわゆる最終排出業者として、収集する業者とそれから最終で製品化する部分に対して我々の意識が入っているかどうかという意味ですね。もちろん契約書の中で収集運搬と、それから最終の段階の中で我々としてもこういう意思で契約します。周りの環境とか、そういうものよりもその製品としてきちっとリサイクルしなさいよという内容のレベルは入っていますけれども、ただ地域の環境というレベルまでは、まだ現状としてはそこまでは相手さんに要求は現在しておりません。ただ、リサイクルとしては、きちっと我々の持ち込んだ商品についてはこういう形でリサイクルしなさいよという内容の契約にはなっております。

【山田(正)委員】 2点あるんですけども、1点は確認なんですけども、ここでご説明された分別回収という意味は、例えば野菜くずだったら野菜くずと異物を分けるという意味の分別回収でしょうか。それとも野菜の種類まで分けているかどうかということが1点。
 2点目は、これはどっちかというとフジコーさんの話なんで、ご存じだったら教えていただきたいんですが、飼料は養豚業者に販売とありまして、その他のものは無償提供ということで近隣農家に配っていると。それぞれどれぐらいの分、歩留といいますか、売れるものがどのくらいできて、配るものがどれぐらいなのかというのをもしご存じでしたら、お教えいただきたいと思います。

【ライフコーポレーション・森内】 すみません。ちょっと飼料的な販売量とか、ちょっとすみません、押さえてないものですから、申しわけありません。
 お店の作業場で分別する場合は、特に種類ごとには分別いたしておりません。作業段階で、基本的には発生時段階で分別するというのが基本になっていますので、調理しながらきちっとそのくずが出た場合はそのくずを分別すると。要するに事後で分別するんではなくですね。ですから、当然キャベツの皮とか大根の葉っぱとか、そういうのは当然まざった状態で野菜くずという一つのカテゴリーといいますか、中で専用かごに入れるというふうな形になると思います。

【山田(正)委員】 つくっている最中に、ビニールとか余計なものが入らないというふうに分けているということですね。

【ライフコーポレーション・森内】 はい、そうです。

【石川座長】 どうもありがとうございました。それでは大体時間ですので、もし何かご質問ございましたら、メモをいただきたいと思います。
 それでは、次に日本フランチャイズチェーン協会さんの方から事例の紹介をいただきたいと思います。

【山口委員】 日本フランチャイズチェーン協会でございます。きょうは、セブン-イレブンの廃棄物の対策の状況ということで概要をお話ししたいと思います。資料がとじていただいたものが一つと、それからあと別途1枚ちょっと写真をお配りしましたので、確認をいただきたいと思います。
 まずレジュメといいますか、こちらのとじてある方の資料の1枚目ですけれども、最初のページはコンビニエンスストアの事業のスキームといいますか、フランチャイズシステムという、こういう共同事業の形で店がなっていると、こういうご理解をいただきたいと思います。現在、32都道府県にセブン-イレブンの場合には1万984店ぐらいということで、きのう現在だそうです。
 次のページに行きたいと思うんですけれども、コンビニの事業の範囲ということですね。特にセブン-イレブンの場合には、全店の売り上げとしては約2兆5,000億程度ありますけれども、その約半分ぐらいが実は専用の取り引き先といいますか、80社、約190から200ぐらいの工場、この80社が日本デリカフーズ共同組合、一番左の「製造」というところに書いてありますけれども、組合をつくっていただいていますから、その組合員の工場から製品が店舗につくられて届けられると。こんな形で、全体の売り上げの約5割強をいわゆるオリジナルの商品の販売をさせていただいていると。そういう視点から、製造、配送、それから店舗における販売というのを全体の事業のスキームとして考えている。そして、環境問題に関しても、製造、配送、販売、この三つのところを中心に対策を進めていくと。そして当然、消費者の消費後の廃棄ということに関しても考えていくということで進めているところでございます。
 3番目の食品廃棄物のリサイクルの取り組みということですが、97年から具体的にはいろいろな活動を始めております。97年に新潟県で弁当工場、惣菜工場からの食残の発酵乾燥方式による飼料化の実験をいたしました。翌年に、それを1工場でゼロミッション事業として推進しようということで、約1トンの処理能力を持つ発酵乾燥機をつくりまして、茨城県の龍ヶ崎の調理パンの工場、サンドイッチの工場に設置をしております。それが今現在、1日大体800キロから1トンぐらいの処理をして、地元の農家さんに飼料として購入いただいているという実績があります。その辺の実験を踏まえて、大きな流れとして3番の絵の左側、工場のものは各工程管理の中で分別がしっかりされているということが一つと、それからすべて冷蔵管理がされていると。こういう条件がございますので、これを毎日回収をして、そして飼料化を目指そうと、こういうことで進めてきております。
 それから店舗の方、これは非常に小口であると。1店舗当たりの排出量が大体1日15キロ前後ということになるんですけれども、それから種類が多い。この一番のネックは、すべてが完全に容器包装に入っているということでございますので、販売期限切れ商品に対してはなかなか対応が難しいということですが、今、東京23区を一つモデルとしてリサイクルのシステムへ搬入するという仕組みをつくっております。
右の方の日本地図にばらばら書いてありますのは、私どもが地域単位でそれぞれ廃棄物の処理事業者さんをできるだけ一つに取りまとめをさせていただいて、一括して一定の量を集めてそこでリサイクルの方向性を出そうということで、一緒に取り組んでいただいている業者さんが進めていただいている個別の例が右の地図の中の事例でございます。
その次の4番のところですけれども、まずお店の方の例として右側に、店舗の下に排出量が書いてあります。可燃物として仕分けがされる部分では約38キロございまして、このうち実は廃棄商品、販売期限切れの商品が約15、6キロ、「生ごみ」というふうに小さく書いてありますけれども、あります。そのほかの22キロは何かというと、実は家庭ごみの持ち込みが最近非常に多いということで、これは非常に悩みが大きい問題でございます。
 それを右の表のように6・2・3・3という回収方式、1週間に廃棄商品、販売期限切れの商品は6回回収、月から土と。その他については2回、2回は可燃物。それから3回・3回は段ボール、ペット、ビン、缶という、いわゆる資源ごみと言われるもの、これらを3・3の回収で展開をしていると。ですから、お店に対して分別された廃棄物を回収する車が6回来る、それから3回来る、3回来る、2回来るということで、多いときは1日に3台車が分別したものの回収に来ると、こういうことでございます。
 そういう中で、今この写真の上にあるのは、回収の状況とそれから商品の状況ですけれども、店舗からはこの販売期限切れの商品がすべて冷蔵車で回収をしております。そして、リサイクルセンターで分別をして、その分別後、現状は堆肥に生産をしておりますけれども、いろいろ話がありましたようになかなか堆肥では付加価値がつかないということで、将来的には飼料の方にきちっと製造ができるように体制をつくっていきたいということでございます。
 5番目に工場の排出状況ですけども、ちょっとこれ古いデータで申しわけありませんが、現状は大体これの7割ぐらいまで、特に生ごみの部分は減っております。そのためには、今現在はお店からの発注の仕組みを変えたりして発生の抑制をやっているということでございますけれども、例えば米飯工場の場合で生産量が11万食程度のところでは、やはり1トン程度は出るということでございます。
 それから次の6番ですけれども、これは工場の仕組みのモデルでございまして、現在、九州で展開をしておりますけれども、九州地区、福岡中心に950店舗ぐらいのお店がございます。そこを対象にした工場が16工場、今現在稼動しておりまして、そこのものを専用の保冷車で回収をして、そして処理をすると。処理をしている状況をこの別添につけさせていただきました、この紙の1枚の写真の内容でございます。今現在日量、ここでの処理は大体受け入れを15、6トンやっておりまして、生産高、えさとして生産されたものが大体5トン前後、月間で120トンから130トンぐらい生産ができるんだと。先ほど根来さんからもお話がありましたけれども、えさの場合はそれなりの付加価値がきちっとつくということで、私どもも大体トン当たり2万円前後の販売価格で取り引きをさせていただいていると。これについては需要の方が強いと。もっとあればどんどん使っていただけるという状況ですので、しっかりしたものをつくれば回るのかなと。
 それから、私どもの一つの特徴としては、えさを使っていただくと同時に、養豚家の方が糞尿処理で行われております堆肥をつくっておられますが、これを同じ地元の九州管内、鹿児島ですが、ここにある私どものおでんの大根の農場で引き受けをするように2000年から体制をつくっておりまして、今、年間約400トンの養豚家のつくられる糞尿ベースの堆肥を使っております。400トン使うのに大体220町ぐらいの面積で使っておりまして、大体生産高としては年間大根の本数で約1,200万本ぐらい、これぐらいのところでございます。そんな形で、できるだけ循環を進めていくということで今、対応をしているところです。
 この写真の方の設備機器の状況等でございますけれども、ここは大体、ここにも書きましたけれども、総投資が約3億円ということで、これは設備機器と建屋で土地代は入っておりません。ということで、今現在はまだ15、6トンの搬入ということで。問題は、質のいいものをどうつくるかということでございまして、その部分については、この中にも書きましたけれども、今、宮崎大学の動物生産学科の先生方にご指導いただきまして、管理をしていると。これは成分の分析、衛生的な面、それから特に構成の基本になるものを何にするかということで今は主力をパンにしていると。パンの素材が3分の1あるいは半分ぐらい入ったものが、非常に養豚家にとっては有効に利用されるという点がありますので、その辺のところを、若干そういう点で中のものに関してどれぐらいの構成比になるかということで、当然価格も変わってくると、こういうふうに考えております。これはまだまだモデルで、九州とそれから飼料化は北海道というところだけでございますけれども、今、関西地区でも立ち上がりが始まっておりまして、将来的にはお店からの廃棄商品と販売期限切れと工場のものを一括して処理していきたいということで検討をしているところでございます。
 以上でございます。

【石川座長】 どうもありがとうございました。それでは、ご質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 私の方から一つ伺いたいんですが、大変、おでんがそういうものでできている、東京では買えないかもしれませんのでわかりませんが、私知らなかったんですね。マーケティングとか、そういうふうなことで消費者に対する情報提供みたいなことはされていますか。

【山口委員】 環境報告書等に、仕組みとしてこの流れになっているということはご報告はさせていただいていますが、よくおでんのコマーシャルをテレビでやるんですけれど、そういうところにそういう話をまだ取り上げるところまでは行ってないです。

【石川座長】 わかりました。じゃあ、庄司さん。

【庄司委員】 そこまで出さないというのは、理由としては想像はつくんですが、念のため確認したいんですが。

【山口委員】 出さないというのは。

【庄司委員】 そういうことを情報を出す、積極的にこれは当社のいわば食品リサイクルからつくった肥料としてできたものですというのは、積極的に店頭等でお出しにならないということは何かあるわけですか。

【山口委員】 いや、環境報告書等で公表はしております。

【庄司委員】 店頭や何かで、特に購入のところはあえて積極的にされてないという理由は何かあるのか、特に理由はないのか。

【山口委員】 特にその理由はないですけれども。

【石川座長】 ほかにいかがでしょうか。じゃあ、犬伏先生。

【犬伏委員】 最初のところの期限切れの弁当というのはこれ大問題だと思うんですけれども、よくスーパーだと何か少し安売りをして減らすなんていうことがあると思うんですが、コンビニでは余りそれをなさってないように思うんですが、やはり商品の価値みたいなこと、あるいはそれを少しごみを減らすということと全体のリサイクルとの兼ね合いだと思うんですけれども、そこら辺はいかがなんでしょうか。

【山口委員】 まずご指摘の、なぜ値下げをして売り切らないのかということなんですけれども、私どもの場合には、1日3回の生産をして3回の配送をするということで売り場では常に二つの製造時間のものが共存する時間があります。そういう点で、例えば1便という時間で生産されたものと、2便で入ってきたものが一緒に売り場に並ぶ。そのときに1便は安いですよと、30円引きですと、2便の方は通常価格ですと、非常に混乱も当然招きますし、当然販売期限、消費期限というのはしっかり設定がされてありまして、その中で管理をされていますので、そういう形で売り場の混乱を招くということで値段を下げるということはしておりません。
 それから、できるだけこの発生抑制をきちっとしていかなきゃいけないということで、今現在、対応している問題が二つありまして、6月ぐらいからシステムを再整備してやっているんですが、一つは工場の発生抑制をするためには発注の確定をして生産に入ると。これは非常に一つのポイントになっているということで、今までは当日発注をして当日に商品が入るというような、かなりぎりぎりまで小売店側の要望、要請を受け入れた形で状況を見て数量を決めてもらって発注を受けるという形をやってましたが、すべて前日の確定発注ということで変えております。それが一つ。
 それから、お店においては今までの販売のいわゆる最終期限、賞味期限の数時間前で商品の売り場からの撤去をしていったのですが、それを2時間前までに延長をしてぎりぎりまでと言うと変ですけれども、賞味期限を最終2時間残したところまで売っていこうという形にいたしました。まだ数カ月ですから大きな実績になってませんが、大体5%程度廃棄の量が減るという実績は見えてきております。

【石川座長】 5%というのは絶対値なんですか。それとも今までの廃棄量が5%減ったということですか。

【山口委員】 今までの廃棄量が5%減ったと。絶対量としては、販売の総枠に対して発生しているものそのものが大体5、6%というところになっていると思います。

【石川座長】 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【大塚委員】 つかぬことをお聞きしますが、廃棄物問題は大体モラルの問題に直面している、背中合わせなんですが、先ほどちょっとおもしろいことをおっしゃったんでお聞きしたいんですが。実は、各店舗に家庭ごみを持ち込まれているという話で、これは非常に興味がありますので、大体1日、ここのデータでいきますと70キログラムぐらいが1日の店舗の排出量とありますが、全体の中の家庭ごみは、よそから持ち込んでこられるというのは、黙って捨てていかれるというのはどのくらいの割合なんですか、平均で。推定で結構ですが。

【山口委員】 地域によって当然違いがあるんですが、この可燃物38.2キロございます。そのうちの16キロがいわゆる販売期限切れの商品というくくりなんですけれども、残りの22キロ程度のもののうちの少なくとも3割から4割ぐらいが朝、出勤時間についでにほうり込んでいっちゃうというような形でたまるというので困っております。今、ごみ箱のところに家庭ごみの持ち込みはお断りしますというふうに、厳しく文言をステッカーさせていただいているんですけれども、それでも余り効果がないかなというのが実態でございます。

【石川座長】 ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。

【山田(正)委員】 コンビニエンスストアさんは非常にすごい物流を持っているのでご質問するんですけれども、ごみを回収する便がございますよね。これは商品の方の物流の空便を利用されているのか、それとも全く別個に契約されているのかということです。

【山口委員】 現状は全く別個です。同業者で回収するというのは、納品の便とそれからいわゆる納品のときに店から回収したらいいんじゃないかという、当然考え方はあるんですが、今のところ衛生上の問題とかできちっと区別をしようということで、現状はそれぞれ専用の回収でございます。

【石川座長】 ほかにいかがでしょうか。大体時間ですが、もし何かあれば。どうもありがとうございます。それではよろしければ次に移りたいと思います。
 次は、食品リサイクル機器連絡協議会の事例の紹介をお願いします。

【食品リサイクル機器連絡協議会・久野】 食品リサイクル機器連絡協議会の久野と申します。食品リサイクル機器連絡協議会と申しますのは、パンフレットを皆様のお手元にお届けしておりますけれども、業務用の生ごみ処理機をつくっている業界団体でございます。現在30社程度が在籍しております。ここでは業務用の生ごみ処理機、小型のものが主でございますけれども、実際の食品でいろいろ残さが出ているところに設置して、そこで発酵乾燥、あるいは乾燥だけをするというふうな機械でございます。
 そういうふうな機械を販売しております中で、なかなかそれから出てきました生成物、これがリサイクルに回ってないという悩みを会員各社が持っておりまして、リサイクルを積極的にするための組織としましてNPO法人を設立いたしました。資料は2枚物でカラーでお手元に届けてありますけれども、この機器連絡協議会の中でNPO法人を設立してございます。ここでは、農家へ適切に肥料あるいは飼料として流れるようにコーディネートをするという機能を持っております。設立は16年8月、昨年の8月でございます。実際にこういうものが回り始めましたのは本年の春でございまして、まだ非常に緒についたばかりというふうなシステムでございます。
 それでは、現状というこの1枚目の表で説明をさせていただきます。私どものシステムは、特徴といたしまして先ほどの3事例と異なるところは、一つはオープンなシステムということで、特定の会社さんのシステムということでなくて、いろんなところが参入できるシステムと。それから、小規模な食品残さ生成物がうまくリサイクルできるようにしようというもの、それから基本的に小型の生ごみ処理機を使いますので発生源のところで保存、移動ができるように水分含有率を14%以下に処理する生ごみ処理機を使った生成物をリサイクルしていると、こういう三つの特徴がございます。
 現在、11事業所で参加していただいておりまして、まだ年が1年回っていませんけれども、推定で年間50トン程度の生成物、生ごみにしますと250トンぐらいになると思いますけれども、そういうものが処理されております。
 それから、農家の方は今現在は2団体ございまして、横浜の湘南地区、それから栃木県の那須に二つございます。どちらも農家としては20農家ぐらいの団体でありまして、那須の方は米とか花、園芸とか、そういう農家が多うございます。かなり農地も広うございまして、大規模な米作で1農家で20ヘクタールを耕しているというふうな、耕作しているというような農家さんも入っておられます。湘南の方は、近郷野菜、野菜農家といいますか、非常に狭い土地で野菜を中心につくっているという農家さんでございます。ここを、事業所と農家との間を結びつける役としまして、真ん中の私どもの日本食品リサイクルネットワークがコーディネートをしているという姿でございます。
 まず、食品関連事業者さんから発生しました生ごみは、農家が1カ月単位ぐらいをめどに集めておりまして、これを農業で堆肥あるいは飼料というふうに使うというふうなことであります。これでできました作物を企業に買ってもらうというふうなことで、一応リサイクルを回していくということでございます。現在は2事例ほど農作物を買い取っていただける事業所さんがおられますので、そこで大体年間24トンほどの米を買い取ってもらっていると。これの帰り便で、食品残さの生成物を引き取っていくというふうなリサイクルが回り始めたというところでございます。
 おおむね、24トンのお米は4ヘクタールの農地で生産されます。4ヘクタールの土地に食品残さの堆肥を使いますと大体年間に40トンぐらい、あるいはこれの倍はいけるよというふうに農家の方は言ってもらってますけれども、少なく見積もって40トンぐらいというふうなところで、ほぼお米の買い取りで今現在の発生量が賄えるということのレベルで回っているという状況であります。
 我々としては、農家の方はまだ耕地面積、今現在の2団体でございますので、この5倍ほどのキャパシティーがあるかなということで、11事業所をどんどん増やしていくというふうなことを考えております。これが概略のシステムでございます。
 ここで、やはりいろいろ私どもコーディネートしていますと、いろんな課題が出てまいりますけれども、2枚目の方に簡単にまとめてございます。一つは、食品関連事業者さんの側の問題、それから農家側の問題、それから流通・販売にまつわる問題、これダブっている部分もございますけれども、おおむねそういうことかなということで書かせていただいております。
 時間の許す限り説明をさせていただきます。廃棄物としては、なかなか食品関連事業者さんがリサイクルをし出すきっかけがつかめないと。従来どおりでやっていれば何も不自由なく処理をしているわけですから、きっかけがつかめない。今現在、いろいろおやりになっているところは、ISOの14000取得というのがきっかけというのが非常に多うございます。したがいまして、農産物も買うよというふうなことで、農産物につきましては現在、米を非常に保管性といいますか、輸送性がいいものですから、米を中心に行ってますけれども、野菜も持ってこいよというふうに言われて、農家の方に頑張ってもらおうとしているところであります。
 それから、食品関連事業者さんのお悩みは2番目に書いています肥料・飼料としてリサイクルをしたいんだけれども、なかなか農家さんとの接点がないというふうなことであります。これについては、我々サラリーマンOBなんですけれども、企業側には接点ございますので、農家さんとの接点をつくってこれを回していくと。私どももよくわからずに始めたことでございますけれども、結局は人的なコミュニケーションがとれることが一番早い道であるなという感じでございます。非常にお互いの役割を尊重しながらコミュニケーションをとり、それと同時にリサイクルの輪が回っていくというふうなことになっているのかなというふうに思います。
 それから農家側の課題は、先ほどの裏返しはもちろんでございますけれども、実はここでリサイクルの輪が回っているというふうに申し上げましたけれども、実際はまだ集め始めて緒についたばかりですから、肥料をまく時期までそれを置いておかないといけないと。肥料をまく時期に大量に農家さんは欲しいわけですから、それをまいて今度は米になってくるまでにまた1年かかるわけですね。ですから、今年始めましたので、今年集めた肥料が米になってくるのは来年の秋というふうなことでリサイクルと言いながらも実際は現状の米を買っていただいてリサイクルを回すきっかけにしていただいて協力していただいていると、こういうことであります。
 それから、もちろん食品残さ生成物の引き取りというのは買い取りでございますけれども、運搬はやっぱり農家の負担でございますので、農家さんの農閑期は非常にいいんですけれども、農繁期はどうしても定期的に集められないとか、そういう悩みをどう解決していくかというのは今後の課題かというふうに思います。
 それから、肥料・飼料として使うことに対してでございますけれども、やはり農家さんも頭ではわかっていただいていますけれども、生成物堆肥は効果がなかなかあらわれません。化学肥料はすぐに効果が目に見えてあらわれますけれども、そういうこともありましてやはり3年間使ってみないとわからないのでという、そういうような非常に長い時間が要るというふうなことで、これは何か加速するような啓発活動は必要かなというふうに考えております。
 それから、時間がちょっと参りましたんですけれども、あと3番目としまして流通の問題ですけれども、これは先ほどの生産物を企業側に買い取ってもらうということについては、やはり企業との接点が農家としては見出せないということ。先ほども申し上げましたことでございます。それから、農産物の価値がなかなか付加価値として感じてくれることが大変な作業かなというふうに考えます。
 こちらからのご説明は以上でございます。

【石川座長】 どうもありがとうございました。それでは、ご質問いかがでしょうか。じゃあ、犬伏先生。

【犬伏委員】 私、土壌学が専門なものですから、受け入れる側からの、農家側からの心配ということですけれども、クオリティーコントロールをどういうふうになさっているのかということですね。特に一つ問題になるのは、やはり重金属等の蓄積性のあるものがどうなるのかということだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

【食品リサイクル機器連絡協議会・久野】 今現在行われていますのは、食堂の生ごみであります。一応、すべて分析をして蓄積に対する危険はないということを確認しながら進めております。そんなことで、問題はないんではないかなというふうなことです。一応、神奈川県の農業試験場さんの方にはご指導をいただいております。

【石川座長】 関連して、分析はどのぐらいの頻度でやられているのですか。

【食品リサイクル機器連絡協議会・久野】 定期的にというふうに申し上げておきたいのですけれども、まだ始めたばかりですので、スタートのときに特殊肥料の申請ができるようなレベルで一応分析をやっております。

【石川座長】 ほかにご質問ございますでしょうか。じゃあ、山田さんどうぞ。

【山田(正)委員】 いろいろ農家の方にこういった廃棄物由来のコンポストというか、肥料を使っていただこうと思うと、最初の関門が畑にごみを入れたくないと言われるんですが、そこを乗り越えられた一番の要因は何だと思われますか。

【食品リサイクル機器連絡協議会・久野】 やはり農家さんの側にリサイクルに協力するよというキーマンの方がおられまして、この方が両方のグループを引っ張っていただいています。なかなかごみという、私どももお願いしたいのですけれども、食品残さとか、それから生ごみとか、協議会の名前にも使っていますけれども、何とか新しいすばらしい飼料のイメージの言葉がないものかなと悩んでおります。 

【石川座長】 どうもありがとうございました。その方はどういうポジションでやられているんですか。NPOに参加されているのですか。

【食品リサイクル機器連絡協議会・久野】 参加していただいておりまして、たんぽぽ村の村長さんというふうに位置づけしているんです。那須の方は元町会議員さん、それから湘南の方は元会社員と、こういうことでどちらも地元の人でございます。

【石川座長】 ほかにご質問いかがでしょうか。じゃあ、犬伏さん。

【犬伏委員】 言葉の問題で生ごみとかいうのはということですが、我々は「未利用有機物資源」というような言葉を使って、よく農水系では使われる言葉だと思いますが、ご検討いただければと思います。

【石川座長】 どうもありがとうございました。ほかに何かご質問ございますか。
 私の方で、そのマーケティングというのでしょうかね、キーマンの方がおられて使っていただいて、かつそれをまた引き取っていただける企業があるというのは大変結構なことだと思うんですけれども、将来ビジョンというのでしょうかね。先ほど山口さんに伺ったのは、環境とか有機農法とか循環というので消費者に訴えるのはどうかという点で、山口さんのご説明だと別に直接消費者に一生懸命それを付加価値だと訴えることは特にはやらないというようなお答えだったと思うんですが、その点はいかがですか。そういう方向でやられるのですか。それとも別な方向でやられるのですか。

【食品リサイクル機器連絡協議会・久野】 今現在、社員食堂で使っていただいていますので、社員さんにどういうふうに説明するかと。生ごみからつくった野菜では食欲が失せますので、そこらあたりに非常に苦心しておりまして、こういうリサイクルの図で、リサイクルでできた野菜というふうなことで少しイメージを和らげた格好でうたっております。社員さんの反応の方はまだ確認できておりませんけれども、米は非常においしいというふうなことで評価していただいております。 

【石川座長】 どうもありがとうございました。いかがでしょうか。もしよろしければ、次に移りたいと思いますが。
 それでは、次にその他ということなんですが、これは環境省さんの方でここに来ていただいている以外のいろんな団体にヒアリングを進めていただいているということですので、その中間報告というのでしょうか、作業報告のようなことをお願いしたいと思います。

【土井廃棄物対策課長補佐】 ご説明させていただく前に、先ほどお配りいたしました事例紹介に対する追加質問を次回の検討会まで事務局までお出し下さい。取りまとめまして、ご回答をお願いしたいと思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
 それでは、説明に入らせていただきます。資料2をごらんいただけますでしょうか。生ごみ3Rに関する調査でございます。当方といたしましても、各委員さんにご紹介いただいたヒアリングだけでは限られてございますので、あらゆる方面にヒアリングといいますか、インタビュー形式で聞き取りを行ってということで考えております。
 肥料化・堆肥化の生ごみ利用につきまして、食品製造工場から排出されるものから、また家庭から排出されるもの、それぞれの生ごみを想定しまして、これまで主に飼料・堆肥のユーザー側の関係団体にインタビューを行ってまいりました。そのインタビューの中で、飼料・堆肥利用に関するこれからの可能性と課題というものを把握していき、一連の生ごみの排出。次に、その排出されたものの飼料・肥料化の処理、流通、利用。それから、それを使った農産物の生産、流通、消費と、そういった一連のサイクルの成立条件、先ほどのお話もありましたように、そういうサイクルがうまく成立するにはどういった条件をクリアしないといけないかということにつきまして、聞き取ってまいりました。
 これまでインタビューしたところは、飼料につきましては全畜連、全麦連、日鶏連。
 全畜連さんは主に豚のえさの関係でお聞きしました。全麦連さんにはえさ全体の可能性をお聞きしまして、日鶏連さんはニワトリのえさの関係でございます。次に堆肥化につきましては全農さん、片倉チッカリンさんというところにお聞きしてまいりました。日鶏連さんは今後お聞きする予定でおります。
 以上の関係団体さんに聞いてまいりましたけれども、全国団体ですと包括的なお話はいろいろ聞けたんですけれども、個別具体的な取り組みなり、その情報を有する関係者から聞く必要があるんじゃないかということで、2枚目以降ございますが、これは雑誌、月間廃棄物、バイオマス情報ヘッドクオーター、また一部に新聞の切り抜きからピックアップしたものも含まれておりますが、そういった事例。ここでは生ごみだけではなくてバイオマス系の廃棄物も入ってございます。そういったものからピックアップいたしまして、今後インタビュー先を選定して把握に努めてまいりたいと思っております。この結果につきましては、これまでインタビューした内容も含めて次回までに情報を整理して検討会に報告いたしたいと思っております。
 ちなみに、次回検討会以降もインタビューを継続し、逐次整理してまいりたいと思っております。
以上でございます。

【石川座長】 どうもありがとうございました。じゃあ、この点に関して何かコメントとか、こういう事例があるとかございましたら、今いただいても結構ですし、また後ほど何かお知らせいただいてもと思います。また、別な観点で何か調べた方がいいということとかアドバイスがございましたらいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。はい、どうぞ。

【山田(正)委員】 ヒアリングする内容としてぜひ調べていただきたいのは、先ほど私申し上げましたけれども、ごみと言っちゃいけないんですかね、その未利用資源を集めるときに一番お金がかかるのが収集のところのコストでありまして、その辺どのような工夫をされているのかと。また、必要があるのかというようなところが非常に大事だと思いますので、排出と処理のところの間をぜひ聞いていただきたいということが1点と。あとさまざまな事例ございますけれども、たしか農水省さん、バイオマスタウンという事業をされてまして、それとの関係ですね。というのが、もう一つ見えてくるとおもしろいかなと。投資の仕方だと思っています。この2点をお願いします。

【石川座長】 どうもありがとうございました。
 これで、本日は予定された話は一応は終わらせております。皆さんのご協力をいただいきまして30分ぐらい時間がございますので、前半はかなり質問が出そうなところを我慢していただいておりますので、追加質問のメモはいただきますけれども、これは別途答えも含めて共有ということになりますが、皆さんそろっているところでディスカッションした方がいいようなことだとか、コメントとかもあるかと思います。時間もまとまった時間ありますので、これまでお話しいただいた件、どれでも結構ですから、何か問題提起していただければ。じゃあ、堀尾先生。

【堀尾委員】 私は畜産について全くの門外漢なんですが、今、日本で窒素の収支というのが非常に問題になっておりますね。それと地下水の汚染と。それに関しましてきょうは豚とそれから鶏ですか、そういうものへ飼料として回していく話だったのですが、牛も含めて、窒素の収支を改善するためにどういう今後のリサイクルのあり方があるかということも一つ要因になるんじゃないかというふうに思います。
 今、農工大のグループが、全国でいろいろな農業関係機関の研究機関が飼料稲という、牛の飼料として稲を育てるということが今いろいろなところでやられておりますけれども、耕作放棄地だとか休耕田等に場合によってはその飼料稲を生やして、かつそこへ今の堆肥等を投入するというような形で稲を牛に食べさせるということで、リサイクルシステムの問題を解決するようなリサイクルのあり方も考えられるんじゃないかというような気がいたしまして、私は工学系の人間なものですから、こういうことについては本格的な研究をやる立場でないんですけれども、何かそういうことで可能性がありましたら、ご検討いただいたらどうかと思います。

【石川座長】 どうもありがとうございます。まず最初に幾つか問題提起がございましたらいただいて、ご意見いただきたいと思いますが、ほかにございますか。

【犬伏委員】 サンデリカさんの最初のご発表に非常に興味を持ったんですが、特にフィリピンに実際に農場を持ってそちらの方へ輸出されたということで、これは先ほどの窒素過多の原因の一つは輸入飼料ですから、これをまた返せるというのは非常に新たな突破口だと思うんですが、一方でバーゼル条約とかいろいろなものがあるので、どこら辺を苦労されたのか、特にフィリピン側からの輸入規制みたいなものですね。そこら辺が重金属だとか、あるいは夾雑物みたいなものが問題にならなかったのか。
 それから、フィリピン以外の国へこれから拡大の可能性があるのかというような2点をお聞きして、あるいは全体討議で検討いただければと思います。

【石川座長】 今、挙げられている件に関しては2つともマクロの窒素収支に関する問題で、残り時間も30分ぐらいですから、この点に絞って議論を進めたらどうかと思います。
 それでは最初に、サンデリカさんの方から、具体的に犬伏さんからご質問出ていますので、お答えいただけますでしょうか。

【農業技術マーケティング・根来】 フィリピンの、最初まず一つはマーケティングをしたときにもちろん人件費も豚代も安いんです。ところが、フィリピンは日本と同じで飼料が全量輸入なんですね。非常に飼料代が高い。したがって、日本は豚を110キロで出荷しますが、フィリピンは80キロまでしか育てられないです。そこから、80キロから110キロまでのえさに対しての増体率が非常に低くなりますので、出せないというふうな状況の中で、まず安くていいえさを出せば売れるだろうというのがございました。そして、それを向こうで輸入するためには、それこそもうさまざまな許可が必要になりまして、ちょっとそこのところを野呂から説明させていただきます。

【農業技術マーケティング・野呂】 農業技術マーケティングの野呂と申します。向こうでの輸入の許可につきましては、先ほど私どもの社長が触れましたように、半年を1クールとして実際に私どもでつくった飼料をサンプルの形で、いわゆる飼料実験をいたしました。その結果をもってということもあるんですが、最終的にお役所関係の書類の流れは、日本で言うと農水省に当たるんでしょうか。特に動物局に対して飼料成分、それから先ほど申し上げた飼料実験の結果などを簡単にご説明に上がりまして、えさとしての効能というか効果をある程度見ていただいた上で、いわゆる獣医師さんの証明書ですとか、関連のコメントをいただいたものを提出して、動物局の許可をもって、それから現地の税関等、関係省庁に書類を出したと。
 その上で、日本側からの輸出というのが実績がなかったものですから、実際には穀物関連の輸入のフォームを輸出に焼きかえまして、私どもの飼料の製造方法に触れた上で大蔵省、税関の方にご説明をして輸出の手続をとりました。最終的には、そういう関連書類をすべて公証人役場で承認をいただいて日本で外務省へお出しして、その上で最終的にフィリピン大使館の承認をいただいたと。それで、両国の輸出側と輸入側の書類をマッチさせてご許可いただいたということです。

【農業技術マーケティング・根来】 ポイントは、まず向こうでこういう飼料を輸入したいという会社、使っていただくところを先にきちっとサンプルでやりとりをして、最初にお客様の理解を得て、お客様の方から、こういうのを輸入したいというものを向こうの役所に提出していただいたというのがポイントです。全く何もなくて、こちらから売り込みに行ったわけではございません。

【石川座長】 もう一つ、ほかの国に広げる可能性というのはいかがでしょう。

【農業技術マーケティング・根来】 それはございます。ただ、私どもは各国でいろいろマーケティングをしておりまして、例えばタイなんかですと、多分世界的に一番大きな畜産の鶏と豚ですけどCPという農場があるんですね。だから、そこなんてもう単位が違うんです。つまり1船当たり幾らかみたいな、そういう話になってしまって、そんなふうにはなかなかできないですね。
 廃棄物を原料にするという問題は、その辺の安定供給とか、そういうことは非常にコントロールが難しいんですね。フィリピンの場合も、実は向こうに私たちは現地法人をつくりまして倉庫を持っております。だから、たくさん出るときは出して倉庫で調整しながら飼料メーカーに売っているというような、そういうことにもなってきますので、なかなかそこの流通をつくるのは難しゅうございます。ただ、需要としては、例えばしょうゆかすなんかはございます。台湾でももちろんあるし、私たちは中国とは取り引きしておりませんが、中国でももちろんあるでしょうし、あとベトナムもありますね。それにタイもありますし、フィリピンもあります。そういう意味では、例えばバナナを運んでくる船がありますよね。その帰り船に乗せるとか、そういう形でバナナ園に持っていくとか、何かそういういろいろなリサイクル、国境を越えたリサイクルというのは可能だというふうに私たちは思っております。国内だけでは難しいだろうというふうに思っています。

【石川座長】 最も可能性がありそうなところって何かございますか。

【農業技術マーケティング・根来】 飼料ですかね。

【石川座長】 相手国は今あげられたようなところですか。

【農業技術マーケティング・根来】 今、私が申し上げたようなところは可能性があるというふうに思っています。私ども、今のところ接触しているのは台湾とフィリピンとタイの3カ国なんですが、3カ国の例えば養豚業者さんであったり、あるいは非常に広い、農業がすごく大規模でやってらっしゃいますから、そういう農園であったり、あともう一つおもしろいなと私たちが今思っていますのは養魚、陸のポンドがありますでしょう。ものすごい面積ですから、そういうところは非常にいいえさをつくれば可能性はあるというふうに思っております。

【石川座長】 お話を伺っていると大変ユニークな、輸出とかということでは大変ユニークだと思うんですが、それができているというのは多分商社の経験者というのでしょうか、人的ネットワークというのは大きいのかなと思うんですが。

【農業技術マーケティング・根来】 それは大きいですよ、やっぱり。私どもは、先ほど申し上げたように、いろんな人間が集まっておりまして、私はマーケティングの仕事をずっとしておりました。それから、地域の活性化施策のお手伝いをしたりしておりまして、日本の農業の現状が余りにも悲惨だなというのが、私がこの仕事にかき立てられた最初の原動力です。商社の人間はやっぱりずっと火力発電所などをつくってきまして、これからはもうそういう時代じゃないという思いが非常に強かった人たちと一緒にやっておりますので、そういう過去のいろんなものを継いで新しい考え方でやっています。そういう意味ではプロじゃなかった、産業廃棄物のプロでもない、あるいは養豚のプロでもないというのがよかったのかもしれません。

【犬伏委員】 数年前の事例なので今はどうかわからないんですが、台湾のたしか台中か台南でレストランで、爪楊枝がないんですね。串類もないと。これはどうしてかというと、全部養豚にまたえさとして回すから、全部そういう店からそういうものを廃止したんだという。ですから、夾雑物というのは結構そういう意味で皆さんデリケートになっているのかなという気がしたものですから、ちょっとだけつけ加えさせていただきます。

【農業技術マーケティング・根来】 特に日本では、そんなものが入っていたらもう二度と使っていただけません。私たちは基本的に食べ残しは扱いませんし、かなり細かく、まず前段階では手でとりますし、それからあと減圧乾燥機ですね。例えばビニール類なんかが溶けないんですね、低温で乾燥しますから。ですから、最後のふるいのところでとりますし、それからお弁当類の中に入っている串類は、破砕する前に全部手でやります。そういう意味では非常にこう人件費がかかります。
 あと海外、台湾の場合は、いわゆる日本の昔の残飯養豚がまだありまして、台湾は白豚と黒豚というのがいて、黒豚は昔の島豚なんですが、それの黒豚市場、黒豚をつくっている生産農家は20%ぐらいはまだ残飯養豚なんですね。そういうのはかなりレストランのごみを自分たちで集めてきて、煮沸してやっているというケースがあるようですね。

【石川座長】 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

【大塚委員】 普通常識でいきますと、日本で製造するのは人件費が高いから海外で工場をつくりまして、そしてそこで製造して、その製品を日本へ持ってくると。こういうのが一般常識で、我々もそれが常識かなと思っているんですが、今お聞きしていますと、日本でつくるという。非常に人件費の高い過程でつくって、そして人件費の安い東南アジア等に輸出されると、全く逆の方向へ行っておられるんですが、なぜそれが成り立つのか。

【農業技術マーケティング・根来】 私たちも本当は人件費が安い方がいいに決まっているんですが、処理料が海外ではもらえない。例えばフィリピンでは残飯を集めてもそれは処理料なんてもらえませんから、フィリピンでそういうことはできないわけです、まず経営的に成り立たない。それで成り立つのは、先ほど申し上げましたように、えさに関してだけは海外でも日本と同じぐらい高い、需要がすごく高いわけです。したがって、アメリカとかオーストラリアから来る配合飼料よりも安い飼料をこちらから出せれば、そうすれば向こうでは買っていただけるわけですね。それだから成り立つということです。ただし、そんなに決して儲かりません。はっきり申し上げて。ただ、出口がちゃんと確保されているということは、私たちは処理料をいただくわけですから、それはもう絶対確実に必要なことですので、そういう意味ではちゃんと出口は確保されて安定的に出ていきます。

【石川座長】 どうもありがとうございます。いかがでしょうか。

【大塚委員】 海外での需要を拡大されていくということは、原料であるものを日本でそれだけ安定供給的に確保しなければならないというのは、大きな課題になってきますね。それについての見通しというのはいかがですか。
【農業技術マーケティング・根来】 それは皆さん、どうぞうちへ出してくださいと言うしかないんですが、先ほど私たち成分をレシピを組んでやると申し上げましたでしょう。例えばパンなんかは、どちらかもおっしゃっていらっしゃいますが、パンは非常にいいものです。いい原料になるんですね。ところが、パンはもう廃棄物にはなっておりませんで、有価で買えというような時代になっておりまして、私どももお金を払っていただいているという、原料としていただいております。そうすると、パンの争奪戦になるわけですよ。そうすると、じゃあ、パンにかわる炭水化物をどうしようかと私たちは今考えていて、例えばまだほかにもお餅とかご飯とか、いろいろございますでしょう。そういうものをいかに炭水化物として使えるか。要するに、こっちがだめならこっちのもので同じ成分として使えるというような、日常的にそういうことを考えながらやって、できるだけ原料を一定化していこうという努力はしております。

【石川座長】 大変おもしろい話がいっぱい出ているのですけれども、どうでしょうか。最初に堀尾先生の方から窒素循環、国内の窒素循環、たくさん入ってきているという話と、それからそれを一つ解決する施策でしょうか、えさ米というのですかね、そういうのをつくるところに入れればいいんじゃないかという話があるという話はご紹介ありましたけれども、それと関連するんですけれども、私、生ごみ、言葉がよくなければ変えますが、リサイクルを考えるときに最終的にフードチェーンに戻るか戻らないかというのは多分大きな違いではないのかなという気がしているんですね。多分、物事の考え方として。フードチェーンに戻らないような形でごみ処理から外れていくのか、それともフードチェーンに入れるのかというので、原料から管理からビジネスモデルも全然違ってくるんだろうと思うんですね。その辺、皆さんいかがでしょうか。どういうご意見をお持ちなのか、もし何かございましたら言っていただけると、今後これから会を進めていく上でいいんじゃないかなと思うんですが。私自身から、最初から言うと、私は戻さない方がいいんじゃないかなと思っています。

【川島委員】 理念の問題ではすごくわかるんですね。だけど、私は実は窒素の問題をやってきたので何が起こっているかというと、これは内外の格差の問題なんですね。要するに日本の米の関税の話と全く同じ話で、やはり海外の方が場合によっては10分の1ぐらいの感じなんですね、穀物の例えば立方メートル当たりの値段が。だから、逆に言うと飼料が入ってきちゃっているわけですね。逆に、過去の農政でずっと米を守ってきちゃったんで、今、WTOで日本で490%という数字、WTOは1,700%の関税をかけているというし。
 この問題があるんで、飼料を日本の国内でつくっても同じ面積で農業をするわけですから、ヘクタール当たり5トンぐらいの代替飼料ができるんですが、飼料の場合、もう少し粗雑につくって7トン、8トンつくっても構わないわけですね。食味にはこだわりませんから。それにしたって、2、30%しか増量できないわけですよね。同じ土地を持っていて、お米をつくって例えばこれだけの価格が、売り上げがこの土地ではとれると。例えば飼料をつくったときも同じぐらいの価格で売られなきゃ、2、3割安くてもいいと。それから、環境にいいんだから少し協力して、またそれも三掛けでもいいといっても、半値ぐらいで売れなければ、要するにやる気が起きないわけですね。ですから、この問題は日本で飼料をつくれないとなった最大の原因なんですね。だから、ここを無視するというのは、逆に言うとこれはWTO構想なんかの方にも絡んでくる問題で、環境のところだけで理念で回そうと思っても回らない話なんですね。それは強く思っております。
 ちなみに、国内で現在生産している米の量が1,000万トン程度ですね。1,000万トンもう割ってきていますが、輸入している飼料穀物は2,000万トンありますから、要するにそういうぐあいで回っています。例えば、今100万ヘクタールぐらいの休耕田がありますが、逆に言うとそこのところでヘクタール10トンつくって1,000万トンつくれるんですね。日本では、そのくらいの生産余力は持っているわけですね。だけど、それはいわゆる過去の日本の農政がゆがんできたというか、非常に強く保護をしてきたゆがみのようなところがあるので、これを直すのはすごく大変だと思います。どこかで、実験圃場でうまくいくという話は、よくバイオ村みたいなことをやるんですが、それは日本で市場経済の中でいくかといったら、全く違う話だと思います。

【石川座長】 大変重要で、かつ深刻なご指摘だと思いますけれども。その前に私ちょっと戻さない方がいいと簡単に言いましたけれども、ちょっとつけ加えておくと、川島さんのおっしゃったことと関連があるんです。私自身は戻さない方がいいと言っているのは、一般的に市場を通して、ともかくこれができたからこれが幾らですから買ってくださいという形で回すのは、無理があるんじゃないかなというふうに思っているという意味です。ですからある種、自分で発生したものを分別して、それでつくって、それは自分が売るんだとか、自分が買うんだというふうな形でやっている分にはそれは全然構わないんじゃないか。むしろそこを回すことしかないんではないのかな。
 つまり、川島さんがおっしゃったように経済が大事だと、市場が大事だというときに、今イメージする普通の品質基準みたいなものである種、一たん抽象化してから品質の割に安いから買うというふうな感じの市場というのは、それに乗せようというのはちょっと無理があるんじゃないかなということです。この人がつくっているから買うというふうな種類の、市場からいくと非常に原始的な話なんですが、そこでやっている分には全然問題がないし、むしろそこで高い価値を認めていただける方が手間をかけて、高い価値の分の価格を払っていただいて回すというのがあるべき姿ではないかなというふうに思っているので。そういう意味ですので、ちょっと誤解されるとまずいなと思いまして。
 

【山田(正)委員】 先ほど生ごみとか資源という話がありましたけれども、やっぱり僕は「資源」と呼ぶのは抵抗感があると。やっぱりごみをやっていますと性悪説に立ってしまいますので、やっぱり品質の保証というのは非常に大事であると。すなわち信用できる相手からしか受けられないというのが現状だと思います。
 あともう一つ、先ほど話あった、やっぱりそれを使ってつくったものを食べるか食べないかという問題があって、それがやっぱり根本までさかのぼった信用がないとそういう行動をなかなかとりづらい、イメージが悪いというようなことがありますので。石川座長おっしゃったように、やっぱり顔が見えている間で動かすしか、そういう信用を担保するのはできないんじゃないかというふうに思っています。
 もう一つ方法があって、物すごく厳しい品質管理基準をつくるという方法もあるんですけれども、それはコストとか、ただでさえ金がかかるところに、そんなコストを付加するのは多分不可能だろうというふうに思ってますので、私も同じ意見で、小さい場をつくっていくというのがまず基本だろうというふうに思っています。

【石川座長】 いかがでしょうか。議論ですから、異論があった方がおもしろいんですが。どなたか、いや、そんなことはないんだというご意見があればおもしろいと思うんですが、いかがでしょう。別にこの点で合意しなきゃいけないとか、そういう話じゃ全然ないんで、議論がおもしろくなればいいかなと思っているんですが。
 恐らく実際に食品リサイクル法だとか、生ごみの処理ということからいくと、消費サイドからいくと物をつくって一定の、ここの条件さえクリアすればいいと明確に言っていただくと、やりやすいということはあると思うんですよね。明らかにそうだと思うんですね。もっと先まで責任とれと言われると、農業の専門家でもないのに農業をやれと言われているのとほぼ同じことに近いですから、それはそれで、ある種非常にやりにくい、非効率を押しつけちゃうということになっちゃうんですけれども。

【山田(正)委員】 多分、今は非常に飼料とか肥料とか、割と動かせるものを動かそうという話が出ていますが、やはり外国に持っていったり、地産地消で回したりということをした残りをどうするのかという、もう一つの割と処理的なシステムが用意されてなきゃいけないんだろう。そこで、窒素もなるべく制御できるようなものというのは何なんだろうか。今、メタン発酵ぐらいしかないと思うんですけれども、それでいいのだろうかというようなところがもう一つの論点として大事だろうと。回せるものを回す論点と、もう一つはそれで残っちゃったものをどうするのというところと、2点があるんじゃないかと思います。

【石川座長】 それも大変重要なお話だと思います。全部動かすというのはだれも多分考えてないと思いますので、残ったものを現状だと焼却が、量的には焼却されているわけですが、それを何とかしようというのが多分この会の趣旨だと思いますので。オルタナティブズだと技術的に確立してて、世界的に見ても広く使われているというと、多分メタン発酵ぐらいなんでしょうね。そういうものに対してどう考えるか、さらに新しいような技術みたいなことも考えるのかということもあるでしょうし、メタン発酵をどう位置づけるのか。特に焼却と比べてどうなのという話は、多分本質的な話になるんだと思いますが。場合によってはあれですね、もっと広くとれば家庭ごみに関してはディスポーザーで省庁別に言うと違う省庁になっちゃいますが、下水道に行っちゃうというのも問題のアプローチとしては同じことなんですけれども、そういうことを比較検討するというのでしょうかね、位置づけるというのもこの会での議論の焦点になるかと思います。
 そろそろ、今さらそんなことを言っても、新しい話題を議論するような時間はちょっとなさそうですので、最後、フリーディスカッションをさせていただいて、幾つか非常に重要な話も出てきましたし、また残ったものをどうするかというの、これも多分非常に重要な話で、それは問題提起がされたということでお考えいただいて、次回以降議論させていただければと思います。
 何か特にございましたら、ここで。はい、じゃあ、庄司さん。

【庄司委員】 いわゆる自治体が廃棄物処理をやっているということと関連してなんですが、生ごみ、ちょっと言葉ないんで、とりあえず出させていただきますけれども、このリサイクル、今お話あったのはある意味では先進的な取り組みで、いわゆるもちろんこれはボランタリーでなく、あくまで事業としてやっているという感じだと思いますし、そういう意味では収益とかある意味での企業性というようなものも前提になっているんだと思うんですね。
 ただ、マクロ的に見ると、じゃあ、将来的にもう本当に大きなシステムになるかというと、今、先生からも出たように、いろんな現実の問題が生じてくる。将来的にこういった生ごみのリサイクルを考えていく上で、つまりこの場で検討する場合に、どの辺の位置づけでそのリサイクルというか、処理を含めたシステムとして考えていくのかというのは、ちょっと最初私出てないんで、この前のことを十分聞いてないので、とんちんかんなことを言ったら申しわけないんですが、そこの位置づけがもちろんはっきりしていかなくちゃいけないのかなと。
 そういう意味では、例えば非常にミクロ的にお話ししますと、個々の地域の中で例えば自治体が今、事例として取り上げられた幾つかの先進的なそういう取り組みに対して、自治体というのはほとんどかかわってないように聞いておりました。しかし、こういった今日の事例というのは、ある意味でどこにでも潜在的にできる材料というか、その条件というのは、まさにそれを動かすキーマンがいるかいないかという、ある意味でそうで、条件としてはかなり共通したものがあるんじゃないのかなと。そうすると、そういう意味ではキーマンを発掘していく、あるいはそのキーマンがいて、その人たちがこうコーディネートしているような場というのをもう少し行政が、例えば自治体が広い意味での大きな意味での、家庭ごみの処理とか小さな問題でなく、小さな問題じゃないんですけれども、そういう視点で一般廃棄物、事業系の廃棄物というものを処理をしていく、適正な管理をしていけるようなシステムづくりの中で、自治体が果たしていく役割というものをはっきりと、少しできる役割をこう明確に打ち出していくようなことも、そういう可能性があれば、あるとは思うんですけれども、この検討会で考えてもいいのかなというふうに受けました。

【石川座長】 どうもありがとうございました。特に残りの処理とかいうふうな話になってくると、多分その関係で自治体の役割というのを明確化するというのでしょうか、特に全体的に自治体が処理しているごみをどこかほかへやろうというふうな方向で大体あちこちで議論しているわけですから、そこで自治体の役割というのは、多分、再定義が必要になるんだと思うんですね。そういう意味で、今、庄司さんがおっしゃったような地域でのキーパーソンを発掘するとかコーディネートするというふうな話は、これは明らかに国ではないでしょうね。現場にいないわけですから、多分できないので。そういう役割が十分考えられるんじゃないかと思います。
 いかがでしょうか。もしよろしければ、このあたりで閉じたいと思いますが。
 あと事務局から何かございますか。

【土井廃棄物対策課長補佐】 次回の検討会、第3回検討会はご案内のとおり来週の18日金曜日でございますが、同じこの経産省別館、階は変わりまして11階、1111号会議室でございます。次回は13時30分から16時ということでございます。
次回のヒアリングは、近江委員、山田委員、大塚委員、中井委員からご紹介いただきました取り組み事例をご説明いただくことになっておりますので、よろしくお願いいたします。

【石川座長】 それから1点ご意見を伺いたい件があります。第2回、今ご案内ありました。第4回の日程について今、出席されている方のご意見を伺いたいのですが。
 12月の候補に上がっているのは19日の午前、それから20日の午前、午後とこう三つ候補が上がっております。もちろん人数も多いので、どこも全員がというわけにはいかないんですが、いかがでしょうか。第一候補としては19日の午前というのはいかがですかとご提案をさせていただきたいのですが、皆さんご都合どうでしょうか。もしよろしければ、一応19日の午前ということにさせていただいて、本日ご欠席の委員の方のご都合もちょっと伺って、最終的にご案内したいと思います。よろしければ、19日の午前ということに仮に決めさせていただきます。
 では、どうもありがとうございました。

午後12時00分閉会