環境省廃棄物・リサイクル対策廃棄物処理の現状検討会・懇談会生ごみ等の3R・処理に関する検討会

第1回 生ごみ等の3R・処理等に関する検討会 議事録


(平成17年9月29日開催)

午前10時00分開会

【松澤廃棄物対策課長補佐】 おはようございます。定刻になりましたので、これから生ごみ等の3R・処理に関する検討会を開会させていただきます。
 まず初めに、私どもの廃棄物・リサイクル対策部長の由田からごあいさつさせていただきます。

【由田廃棄物・リサイクル対策部長】 おはようございます。本日はお忙しいところ、ご参集いただきまして、大変ありがとうございます。
 もうご案内のとおり、廃棄物処理問題を中心としまして、循環型社会を築いていこうという流れ、随分進んできております。かつて、廃棄物の問題に関しましては、もう廃棄物処理法できまして50年ほどたちますが、50数年前の、かつて、この産業廃棄物でありますが、瀬戸内海の豊島事件を初めとしまして、大変我が国の廃棄物問題はひどい状況を抱えた時期でもございます。
 現在も、当時からの過去の負の遺産もございまして、大変な不法投棄の現場を片づけなくちゃいけないとか、あるいはPCBの処理をきちんとやっていかなくちゃいけないとか、数々の問題を負の遺産としても抱えておりまして、これをきちんと処理をしていくということも大きな課題でありますし、今後の新しい時代を切り開くためにやらなくちゃいけないことでありますが。
 もう一つの大きな柱は、そういうことをやりつつも、新たなこの循環型社会をどうつくっていくのかということであります。これは大きな課題になるわけであります。そういう、このような課題に対しましては、既に平成12年に循環型社会推進基本法という、基本的な制度的な枠組みができておりますが、ここ10数年来の、いわゆる現在、今、見直しの議論をやっておりますが、容器包装リサイクル法を初めといたします各種のリサイクル法の制定、ことしの1月に自動車リサイクル法が動いておりますが、いわゆる家電リサイクル法、あるいは食品リサイクル法、建設解体リサイクル法、あるいはグリーン調達法、等々等の関連もございます。廃棄物処理法に関しましても、このいわゆるマーケットの中で安かれ悪かれという現象が起こり、大変ひどい状況になるというところを、何度かの改革をさせていただきまして、現在悪貨は良貨を駆逐する社会を転換するということの改革を続行中であります。そういう意味で、随分さまざまな点で廃棄物問題も改善をしてきたと思っておりますし、相当大きな前進をしているわけであります。
 そういう中で、ごみの問題ではいろいろなことがございました。ダイオキシン対策も市町村の焼却を、98%削減するというような偉業も達成をいたしました。そういうふうな中で、我が国の循環型社会に向けての前進というふうな絵姿を国際的にもアピールし、発信していきたいということで、一昨年のシーアイランドサミットで小泉総理からいわゆる我が国において3Rイニシアチブを開催したいと申し出しましたところ、ブッシュさん以下快くご了承いただきまして、ことしの4月に東京で3Rイニシアチブの環境大臣会議を開催しまして、20ヵ国の環境大臣あるいは関係国際機関の代表者にもお集まりいただきまして、日本の行動計画の発表をさせていただいたというようなことであります。
 今後とも、これらに関しまして、我が国を循環型社会にいかにしてつくっていくかということにさらに前進を続けると同時に、この我が国の状況をアジアに、そして世界へ発信していくと、こういうことも引き続いて頑張ってやってまいりたいというふうに思っております。
 きょうはその中で、主として今現在見直しの議論がされております、容器包装リサイクル法といいますのは、どちらかというと入れ物であります。包んである入れ物の議論でありますが、特にこれは容積で大層を占めるというふうに言っておりまして、半分ぐらい容積で一般廃棄物の半分ぐらい占めるというふうにも言っておりますが、もう一つの大きなところが、家庭から出てくる生ごみの問題であり、これもかなりの、3分の1近い割合を占めておるわけであります。かつてから、ごみといえば生ごみの部分を中心に厨芥類ということで指してきたわけでありますが、これも一部、部分的にある程度大きな事業者がやっているものに関しましては、食品リサイクル法により、このリサイクルも進められておりますが、一方で各こういう生ごみを中心としたような問題に関しましてどう進めていくかということもございます。
 実は、その様々な改革を行う中で、昨年の三位一体という改革を機といたしまして、実は我々の廃棄物処理施設整備の補助金の制度を改めまして、今年度から循環型社会推進交付金という形に改めておりまして、この先ほどから申し上げております3Rの流れにあわせまして、これらを推進していこうということであります。その中の大きな柱の一つとしまして、この廃棄物の焼却ということに加えまして、いわゆるこういう生ごみのようなものからメタンを回収いたしまして、これからその先には水素を回収し、将来の脱温暖化社会との融合というような水素化社会を目指すと、こういう思想も少しあるわけでありますが、こういうふうなものを先進的な施設と位置づけまして、これらを推進していくために、補助のより手厚い制度も導入をさせていただいたところであります。
 こういうふうな取り組みに関しまして、直ちに実行していただいた自治体もございまして、きょうもご参画委員としていただいておりますが、京都市でもこのようなものも取り組んだ地域計画をつくっていただいております。この交付金の制度によります、各地域の計画も既に60幾つか計画が策定されまして、これらが現在予算も9割ほどもう既に消化をしているというような状況で、それなりの関心も示していただいておるところであります。
 このような中で、各家庭から出るもの、あるいは事業系のものも相当あるかもしれませんが、こういうふうな生ごみ全体を今後どのような処理体系で、あるいはリサイクル体系で臨んでいくかというようなことが大変目の前の課題であります。
 もう一点付け加えますと、我が国はこういうふうなものの輸入をたくさんしておるわけでありまして、いろいろと、本でありますか雑誌といいますか、そういうふうなところで学識者等から書かれているものを散見いたしますと、我が国の中では輸入超過して、様々な畜産廃棄物なども出ている中で、バイオマスというふうなものを利用するに当たりまして、窒素過多になっているのではないかというような指摘もあって、ここのところをどのように持っていくかということも大変重要な問題でありまして、きょうも委員の先生方にはそのようなご知見をお持ちの方にもご参画いただきまして、ご議論をしていただくことにもいたしております。
 ぜひとも、この生ごみのようなものを含めまして、循環型社会を築いていきまして、今後関係者が総意を結集しまして取り組むこの循環型社会が、堂々と胸を張ってアジアへ、そして世界へ発信できるようなものになっていくことを期待いたします。
 先生方には大変お忙しいところでありますが、そのような意気込みで私どもおりますので、よろしくお願いをしたいと思います。以上でございます。よろしくお願いします。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 それでは、事務局から委員の皆様のご紹介をさせていただきたいと思います。お手元の議事次第をめくっていただきますと、検討会委員名簿がございますので、五十音順に並べておりますけれど、その順でご紹介させていただきます。
 名古屋市環境局施設部主幹の浅井様でございます。
 それから神戸大学の経済学研究科教授の石川先生です。
 サンデリカ総務本部の伊藤様でございます。
 本日、千葉大学の犬伏先生はご欠席になっております。
 日本環境保全協会副会長の近江様でいらっしゃいます。
 社団法人全国産業廃棄物連合会専務理事の大塚様でいらっしゃいます。
 東京大学大学院農学生命科学研究科助教授の川島先生でいらっしゃいます。
 京都大学環境保全センター教授、酒井先生でいらっしゃいます。
 それから、ジャーナリスト・環境カウンセラー、それとNPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長をされています崎田先生です。
 全国都市清掃会議庄司様にかわりまして、きょうは飯高様に代理出席していただいております。
 それから京都市環境局の瀬川様でございます。
 日本フードサービス協会から事務局長の中井様にお越しいただいています。
 北海道大学大学院工学研究科教授の古市先生でいらっしゃいます。
 本日ご出席というお返事をちょうだいしております、東京農工大学の堀尾先生、後ほどいらっしゃるかと思います。
 それからライフコーポレーション首都圏総務部総務課長の森内様でいらっしゃいます。
 セブンーイレブン・ジャパン総務本部環境推進部総括マネージャーの山口様でいらっしゃいます。
 全国清掃事業連合会専務理事の山田様にかわりまして、きょうは事務局長の岩本様にご出席いただいています。
 国立環境研究所最終処分技術研究室主任研究員の山田様でございます。
 あらかじめ本検討会の座長につきましては、神戸大学大学院の石川先生にお願いをいたしております。委員の皆様のご了解をいただきたいと思います。
 それでは先生、進行の方をお願いいたします。

【石川座長】 どうもおはようございます。この席には、私よりも廃棄物だとかリサイクルだとか、それぞれの分野では知見も経験も深い方がいらっしゃるにもかかわらず、座長をやれという話が来ました。恐らく今の時代は、何でもいいからこれをやればいいというふうなことには多分なってなくて、政府の財政も大変厳しいとか、いろんな大きな問題たくさん抱えてますから、バランスを考えなければいけない。つまり、社会経済的な視点も必要だというふうな条件で、私バックグラウンドは異分野ですが、今は経済学部でやっておりますので、そういう意味で私のところにやれという話が来たのかなというふうに思っております。
 内容に入りますけれども、生ごみの3Rに関しては、位置づけに関して今、由田部長からお話がありました。繰り返すことはしませんが、そのこと自体大変重要だと思います。付け加えるならば、生ごみの3Rの特徴というんでしょうか、全体的な流れとしては、お話があったようにいわゆる製品ですね。食品じゃないような製品の、EPRによる社会システムの変革ですかね、というのは着々と今、進んでまして、見直しも作業中です。
 こういうものと比べると、生ごみというのは量が多いんですけれども、同じような枠組みでちょっとやりづらいところがかなりあるような気がします。例えば3Rといっても、生ごみとか食品廃棄物だとか、バイオマスの場合3Rというのはなかなか、例えばガラス瓶のリユースみたいなことはなかなか考えづらいですし、人間が食べるようなものに関して、また人間が食べるというのも、これもなかなかハードルが高い。また、最も身近である、身近なところで何かすることによって、システム全体が合理化されるかもしれないという要因もかなりあるような気もします。そういう意味では、自動車や家電とはもちろん違いますし、容器包装ともまた違うと思うんですね。容器包装はプラスチックにしろ何にしろ工業製品ですから、最悪のケースでもそれなりの利用の仕方はあります。有機物の場合は衛生的な問題がありますから、別な制約条件、それから社会経済的に言うと、使い方によっては利用者が直接自分たちがリスクを感じるというところはちょっとありますよね。食品の、フードチェーンに入ってくると、出す人が心配するという構造があるわけです。回した場合にですけど。そういうところが、ちょっと特徴ではないかなというふうに思います。
 資料にもありましたけれども、この検討会というのは由田部長の勉強会という形です。ですから、ここではできればなるべく実質的にこれからの3R、生ごみの3Rに関してどうすればいいのか。何が、足りない情報とか、そういうものがあるのであれば一体何なのか。できる限り調べて、実質的な議論ができればいいんじゃないかなというふうに思います。そういう意味で、容リの見直しのようなもの、目の前にターゲットがあって何か決めなきゃいけないというふうな話とは大分違いますから、むしろ原理的な徹底した議論がやれればいいんじゃないかなと。私は個人的にはそういうふうに考えています。
 少し長くなりましたが、ごあいさつにかえさせていただきます。
 それでは、コンテンツの議論に入りたいと思いますが、まず資料の確認をお願いいたします。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 お手元に第1回生ごみ等の3R・処理に関する検討会会議次第がございます。ここに配付資料がございますが、委員名簿とそれから座席表の下に資料1から順番に資料5まで。資料5につきましてはA4横になってますが、資料5-1と5-2という二つに分かれてございます。それから、参考資料が1から4までということでございます。それに加えまして、第2回、第3回の日程スケジュール確認表を配付させていただいておりますので、会議の中でご予定のところに○、×をつけていただければと思います。
 以上でございます。もし足りないところがあれば、おっしゃっていただければと思います。

【石川座長】 いかがでしょうか。資料はよろしいですか。もし途中でも気がつかれれば、言っていただければすぐに用意できると思います。
 それでは、順に説明をお願いいたします。まず資料1が議論の進め方、検討会の進め方でしょうか。お願いします。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 それでは、お手元の資料1をごらんいただきたいと思います。生ごみ等の3R・処理に関する検討会の開催についてでございます。
 私ども、部長、それから石川先生からもごあいさついただきました中でご説明いただきました、この検討会の開催の趣旨が最初に書いてございます。生ごみなどのバイオマス系廃棄物、これにつきましては、再生利用、それからエネルギー利用、それぞれ可能性がございます。循環型社会、それから地球温暖化防止ということで脱温暖化社会、こういうものを目指していく上でバイオマスをどのように利活用していくかというのは重要な課題だと私ども考えております。
 こういったバイオマス系廃棄物の3R処理につきましては、いろいろ社会システムの変換ですとか、あるいは場合によってはインフラ整備なども、こういったところにやっていく必要もあるかと思います。その上で、そのために中長期的な方向性をご議論いただきまして、できるものから順次やっていくと、導入を開始していくという、そういう必要があろうかと思っております。このあたりにつきまして、方向性を明らかにすると。それから、どういった政策手段を講じていったらいいかと。それらをご検討いただくために、私どもの廃棄物・リサイクル対策部長の勉強会ということで、先生方にお集まりいただいたと。これが開催の趣旨でございます。
 それから検討項目でございます。今、事務局でご議論のたたき台ということで検討項目を挙げさせていただいております。まずは、あり方、方向性ということでございますけれども、物質循環の確保、それから廃棄物の最終処分量の最小化、それに加えまして地球温暖化防止と、こういったことも重視しまして、生ごみとバイオマス系廃棄物の3R・エネルギー回収・適正処分、この全体像について整理をいたしたいと。その際には、腐敗性、それから品質の違い、この辺の生ごみの特性を十分踏まえて検討していくということになろうかと思います。あわせまして、こういったものを進めていく上での関係者の役割分担についてもご議論いただきたいと思います。
 このあり方、方向性に加えまして、それを実現するためにどういった政策手段が考えられるかということで、食品リサイクル法、これは制度的な取り組みとして一つございます。それから、循環型社会形成推進交付金、これは私どもの市町村に対する応援制度でございますが、そういった政策手段を検討するということになろうかと思います。
 参考資料1から3までを少しごらんいただきたいと思います。政府全体でバイオマス・ニッポンということで、廃棄物以外のものもすべて含めまして、バイオマスについてその利活用を進めていこうということで、戦略的な取り組みをしていく、そういう体制としてバイオマス・ニッポンというものが農林水産省さんを中心に今、構築されてございます。参考資料1の背景のところをごらんいただきますと、[1]から[4]までございまして、地球温暖化の防止に向けて、それから循環型社会の形成に向けてと、こういったものを二つの柱にいたしまして、またさらに競争力のある新たな戦略的産業の育成に向けて、さらにバイオマスもたらされるところが農林漁業、農山漁村ということでございますので、その活性化に向けてと、こういう形でこれらを拝見しまして、次のページにございますような、一番最後のところに基本的戦略とございますけれども、生産、収集・運搬、それから変換利用について戦略的に取り組んでいくこと、こういう体制ができてございます。
 参考資料2は、私どもの市町村に対する応援制度でございます、循環型社会形成推進交付金制度というものでございます。これは、3ページにイメージを描いてございます絵が描かれております。地方公共団体に地域計画というものをつくっていただいて、その中で目標を立てていただいて、目標を実現するための政策パッケージということで、ここはハードの施設整備だけをとりあえず挙げてございますけれども、こういった中でバイオマスについても拠点的な施設を整備するなどやっていこうというのが、この交付金制度になってございます。
 それから参考資料3は、食品リサイクル法でございます。農林水産省と私どもで関係省庁と一緒になりまして、この制度を担当させていただいております。この参考資料3、中ほど上に食品関連事業者と書かれておりますが、食品の製造、流通、販売、外食などの事業者の皆さんに発生抑制、減量、再生利用に取り組んでいただくと、こういう仕組みになってございます。その促進のための措置が、認定制度など設けられているというのが、この食品リサイクル法でございます。こういった政策手段を、あり方、方向性を明らかにしていただいた上で検討していただく。このあたりも、ターゲットとしてこの検討会ではご議論をお願いしたいということです。
 資料1にまた戻っていただきまして、検討の進め方というところでございますが、本日が第1回でございますが、来年の夏ごろを目途にとりまとめをお願いいたしたいと考えております。それから、当面の第2回、第3回につきましては、関係の事業者の方からのヒアリング、並びに委員の先生方からの事例発表などをお願いしたいと考えてございます。
 裏面でございますが、資料1の裏側にスケジュール案というのがございます。全体の進め方というところをごらんいただきたいと思いますが、本日の第1回の後に第2回、第3回ではヒアリングなどをお願いできればと思っております。それから、大体年明け、しばらくの間、まずはその方向性についてご議論をお願いしたいということでございます。それから、春にかけまして、政策手段も含めてご議論をお願いしていって、来年の夏ごろにとりまとめと、大体このような段取りで検討をお願いできればと思います。
 それから当面、第2回、第3回のヒアリングということでございますが、石川先生のごあいさつにもありましたけれども、今、私どもできれば飼料、肥料と、こういう形での生ごみ等の再生品のユーザー側の方から実態などをご紹介いただければというふうに思っております。それに加えまして、この委員会に参画いただいております、実際に事業をされております食品業界、あるいは廃棄物処理業界の皆様から、委員の方々から事例などの紹介もお願いできればと、大体このようなことを考えてございます。
 以上でございます。

【石川座長】 はい、どうもありがとうございました。それでは今、議論の進め方についてご説明いただきましたけれども、ご質問ございますでしょうか。はい、どうぞ。

【中井委員】 先ほど、食品リサイクル法についての説明が若干ありましたけれども、実は農林水産省においてはことしの秋から食品リサイクル法を見直しの議論が始まるというふうに伺ってます。環境省においても、この委員会の中で食品リサイクル法に対する見直し、議論をこの場で行うのかどうかということをちょっと確認させていただきたいと思います。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 この検討会で政策手段のところに食品リサイクル法と書かれてございますので、食品リサイクル法の仕組みにつきましても、あわせてご議論いただこうということを考えてございます。農林水産省、きょうはちょっとテーブルではございませんけれども、農林水産省の西野次長にも本日オブザーバーで来ていただいておりますけれども、よく連絡をとりながら我々としても検討していきたいと思います。
 私どもは、この生ごみ等の3R・処理ということで、食品リサイクル、そういった法律の制度、そこだけでなく、そのそもそものどういうあり方が我が国にとって生ごみのバイオマス、3R、エネルギー回収適正処分と、こういったところ、どういうやり方がいいのかと、まずはそこのところの整理をしていってから、その上で政策手段をご検討いただくと、そういう形で我々としてはまずこの検討会でご議論いただければと思ってます。

【石川座長】 はい。ありがとうございます。よろしいですか。ほかにご質問ございますでしょうか。
 私の方で、中井さんの質問にちょっと関連するかもしれませんが、伺いたいのですが、ここで議論する対象ですね。食リは議論するというのはわかったんですが、タイムフレームというんでしょうか、何年ぐらい先をイメージして議論するか。食品リサイクル法の見直しは、これはもう明確なターゲットが多分、来年までに何とかするという話ですが、そのときも、じゃあ、そこで見直すのは5年とか10年間の食品のリサイクルシステムについて議論して、いつまでに結論を出すと。そういう話なんですが、その前半の方ですね。何年ぐらい先のこう、日本社会をイメージして議論すればいいですかという点はございますか。

【粕谷廃棄物対策課長】 今、先生がおっしゃった、やっぱり5年とかその辺、5年ないし10年ぐらいを視野に置きつつ、当面できることは何かというような検討の仕方をしていただければありがたいと思っております。

【石川座長】 わかりました。私はこれでいいですが、ほかにご質問ございますでしょうか。もしくは、議論の進め方ですから、ご提案もあるかもしれませんが、よろしいですか。
 それでは、次に進めたいと思います。資料2になるんでしょうか、ご説明お願いいたします。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 それでは、お手元の資料2と、それから資料3、資料4までを事務局からご説明をさせていただこうと思います。
 まず資料2でございますが、資料2はバイオマスをめぐる物質循環の状況ということで、マクロな数値をこの資料2の中では整理をさせていただいております。お手元のその物質フローのところで絵がございますけれども、我が国全体の総物質投入量、これはこの絵の左側の部分でございますが、約20億トンでございます。このうち、5.8億トンというのが廃棄物という形態で環境中に排出されてございます。この絵の下側に循環している部分がございますが、循環利用されるものが2.1億トンと、こういう形になってございます。当然、この20億トン投入されたものにつきまして、蓄積というものが約半分程度ということでございます。
 この物質フローの中でバイオマスがどれぐらい占めているかということでございますが、1ページの下半分のところにございますように、バイオマス系のもの、これは生ごみ以外も含めて、木材とかそういうものも含めてでございますが、投入量は約1割の2.5億トンということになってございます。内訳についてがこの表-1のところに書いてございます。それぞれ、この総物質投入量、その内訳ということで、天然資源、輸入、国内資源、それから循環利用と、そういう部分についてこの表の中で整理をいたしてございます。バイオマスの循環利用というのが一番下の真ん中の欄にございますけれども、4,400万トンということで、これはバイオマス総投入量の2.5億トンの約2割、また総物質の循環利用量の20%、約2割ということ、そういったウエートになってございます。
 次の2ページでございますが、このうち循環資源という部分について、特に着目してみますと、図-2のようになってございます。これは最終処分あるいは脱水とか焼却という形で減量されるもの。さらに資源還元ですとか、それから材料としてリサイクルされるもの、あるいはリユースされるもの、こういったことになってございます。またエネルギー、熱源として利用されるというような部分もございます。その廃棄物など、こういった循環資源のうちのバイオマス系のものについては約半分、3.1億トンというのがウエートになっております。このバイオマス系資源の内訳をさらに見てまいりますと、これが表2になっている、内訳はこのようになっております。全部合わせて約3.1億トンということでございますけれども、この表-2をごらんいただきますと、表-2の左側の欄で下水汚泥、それから左側の欄の下の方に動物のふん尿とございますが、この二つがウエートが大きくなってございまして、この二つで、2品目でバイオマス系資源の約半分以上を占めてございます。 この検討会で主に中心的に議論していただきます生ごみについてでございますが、一般廃棄物の欄の二つ目に厨芥というのがございます。これが約5.5%でございます。ここに後ほどございますけれども、家庭から出てくるもの、事業場から出てくるものがあるわけでございます。それから産業廃棄物の欄でいいますと、産業廃棄物の中ほどに動植物性残さというのがございます。それが約1.5%ということになってございます。この部分を中心に、それから関連します周辺のバイオマスについても念頭に置いてご検討いただく、こういうことになろうかと考えております。
 このバイオマスの循環利用、処分の状況でございますが、これが3ページに整理をさせていただいております。バイオマス系のもの全体での循環利用、処分の状況がその3に、この棒グラフのところにございます。バイオマス系のもの、さまざまなものがあるわけでございますが、トータルで見ますと循環利用率が14%、自然還元率が27%、それから脱水ですとか減量化というような部分が約半分と、こういう状況になってございます。これを少し種類別に分解して見てみましたものが図-4でございます。図-4にバイオマス系のものの種類ごとの循環利用処分状況がございますけれども、左から2番目が厨芥というところでございます。この厨芥につきまして、水分も相当含んでおりますので、厨芥のところはオレンジ色の減量化率のところがウエートが高くなってございます。
 それから、ちょうど中ほどに動植物性残さというのがございます。これにつきましては、循環利用率というウエート高くなっております。この二つが中心でございますが、バイオマス系のものの二大品目でございます下水汚泥、これは左4分の1のところにちょうどございますが、これについては減量化率が高くなっている。あるいはもう一つの動物のふん尿と、家畜ふん尿と書いてございますが、これは動植物性残さの隣のところにございますが、自然還元率のウエートが大きくなっていると。このような形で種類ごとにそれぞれ事情が異なっておりますけれども、トータルで見ますと循環利用率14%というようなところになってございます。
 4ページにこの全体の状況を簡単に概括してございます。バイオマス総物質フローの中で、投入量約1割、それから循環利用の2割と、そういった重要なウエートを持っているということでございます。この循環利用、あるいは廃棄物として処分されますバイオマスの量は、総量としては3億トンということでございます。二本柱、動物のふん尿と下水汚泥というのが半分ございまして、厨芥と動植物性残さは1割弱の7%ということでございます。それから、少し定性的な話でございますけれども、バイオマス系のもの、これは水分を含むものが多いということで、数値的には脱水による減量化の割合が高いというようなところでございます。
 以上が資料2でございます。
 それから資料2に合わせまして、お手元の参考資料4を簡単にご紹介いたしたいと思います。参考資料4は、これはまた今後いろいろ解析を加えていきたいと思っておりますが、バイオマスに由来します炭素、それから窒素のフローについて、既存のいろいろ分析をしております文献から少しピックアップをしてございます。まず炭素のフローでございますが、これは環境省で燃料電池活用戦略検討会というのをやっておりまして、その中で整理をいたしたデータをここでは引用してございます。表-1でございますが、化石燃料とバイオマス資源というものについて、それぞれ種類ごとに重さとして何トンあるのかというのがこの表に書かれてございます。化石燃料の合計欄、真ん中よりやや上でございますけれども、約4.8億トンという数字でございます。バイオマス資源、これは表の一番下のところにございますが、2.05ということで、約2.1億トンということでございます。重さで見ますと、化石燃料とバイオマス資源、大体2対1というウエートということでございますので、バイオマス資源、重さから見ましても相当な量が我が国で導入されているということが言えるのではないかと思います。
 これにつきまして、バイオマスについてはウエットなところもございますので、固形分というところも推定をいたしてございます。これについて、やや思い切った前提を置いておりますけれども、炭素換算をしたものが表-2のところに書いてございます。バイオマス資源の炭素組成、いささか荒っぽいわけですが、50%ということでここでは仮置きをいたしてございます。化石燃料については、炭素換算いたしますと約3.8億トンと。これに対しまして、バイオマス資源については50%と仮定しますと、5,500万トンという数字になっているわけでございます。
 それから次の2ページでございますけれども、そのうちの有機系の廃棄物の量という形で整理をいたしたものが次のページにございます。バイオマスのうち、その廃棄物系のものについては表-4というところをごらんいただければと思いますが、先ほどと同じ過程で炭素換算いたしますと、約2,500万トンという数字でございます。
 それから、炭素にあわせまして窒素でございますが、この検討会にもご参加いただいております川島先生のご研究の資料を引用させていただいております。これは、窒素につきましては、畜産のふん尿などとして発生して堆肥として投入されるということでございます。この絵の紹介といたしまして、農産物、肥料等の輸入、それから化学肥料の投入によりまして、現在日本の国土全体で見ると窒素供給が過剰な状況にあると、このように指摘がされてございます。これが窒素のフローということでございます。
 以上が、全体的な物質のフロー状況でございます。
 続きまして資料3でございますが、そのうちご議論いただきます生ごみについて少し解析をしたものが資料3でございます。まず生ごみの分類というところでございますけれども、お手元のこの資料3の図-1にございますように、ここでは便宜的に動植物性残さと言われる、製造段階からのものも含めまして、生ごみという形で分類いたしてございます。図ー1にございますように、上流側の製造段階、それから流通段階、一番末端の部分の消費段階と、それぞれ食品製造業、こういったところ約7万事業所ほどあるわけですが、こういったところからそれぞれ製造プロセスから動植物性のものが出てまいります。そういった製品が流通する、食品流通の過程、卸売業の事業者の皆様、約53万事業所ということでございますが、売れ残りのもの、廃棄食品、こういったものがさまざまなものが出てくるというところでございます。そして、一番エンドユーザーにかかる部分でございますが、外食産業などと書いておりますけれども、一般飲食店、それからここで小売業というところも入ってまいりますが、調理くず、食べ残し、そういったものがあるわけでございます。そして、一番最後に約4,700万世帯の家庭というところで生ごみという形で出てまいります。これが生ごみの全体の概観でございます。
 それで、これらにつきまして、いろいろ統計値をもとにご紹介させていただいてますのが2ページ以降でございます。まず、この生ごみについて国全体でどれぐらいのものになってきているのかという、政策投資銀行が古いデータから含めて、2000年前の99年まででございますけれども、分析をしている資料を最初にご紹介させていただいております。このグラフでいいますと、一番下が家庭系のもの、それから中ほどのところが事業系のもの、そして一番上が食品製造業から出てまいります産業廃棄物、こういうものになってございます。ウエートとしましては、家庭系、事業系、続いて産業廃棄物というもので、6対2.5対1と、こういう状況でございます。トータルで1,800万トン強というのが全体の現状ということでございます。
 このうち、家庭から出てまいります部分、それから事業系のもの、これについて着目いたしましたのが3ページ以降の資料でございます。国全体でどれぐらいの比率を占めているのかというところが図-3にございます。図-3は、一般廃棄物5,236万トンとございますが、その種類別のウエートを書いてございます。この円グラフの左側の部分が事業系ということでございまして、5,236万トンの約3分の1を占めておりますが、その厨芥類については全体の10.5%となってございます。それから、右側の半分が家庭系のものと、生活系と書いてございますが、これが約6割でございまして、厨芥類については23.7%ということでございます。この二つを合わせまして、約3分の1、34%が生ごみというものでございます。
 これを少し、幾つかの自治体の事例ということを、ここでは紹介をさせていただいております。京都市の事例でございますが、平成5年から15年度まで生ごみの収集量、これが棒グラフで書いてございます。それから、ごみ全体の収集量については、折れ線グラフでございます。生ごみの収集量の部分、家庭系、事業系、それから持ち込みとございますが、おおむねこのような形で推移をしておりますけれども、4ページにその家庭系と事業系のもののウエートを京都市さんで組成分類をされております。それぞれ緑色の、グリーンの部分が厨芥類、生ごみになってございます。これは水分も含めた重量比率でございますが、家庭系のものの約4割弱が厨芥類ということになってございます。事業系のものにつきましては、紙のウエートが大きくなっておりますが、厨芥類が約3割弱という状況でございます。
 それからもう一つ、東日本で横浜市さんの事例をピックアップしてございます。生ごみ全体の収集量が図-6にございますような状況でございます。横浜市さんでここ数年いろいろ、3Rの施策を展開されておりますので、ごみ全体が減ってきているという状況もありますので、この棒グラフのところでは生ごみの収集量が全体として下がっているという状況にはなっております。この棒グラフの下に、組成を同じように紹介をさせていただいてます。これは事業系と、それから家庭系のものを合わせてトータル、オーバーオールで厨芥類が約3割弱というものになってございます。京都市さんの事例、それから横浜市さんの事例、いずれもそうでございますが、厨芥類の組成そのものについて、ここ10年弱の間で大きく変化しているという状況は特に見られないということかと思います。
 続きまして6ページ、もう一つの産業廃棄物のジャンルでございます。これは、産業廃棄物全体で4億トン弱が我が国から出ておりますが、その内訳が図-8の円グラフにございます。この円グラフでウエートが大きいのが、汚泥とそれから動物のふん尿という部分でございますけれども、動植物性の残さ、これは円グラフの一番上のところに書いてございます。4,477万トン、1.1%、この部分が食品製造業を中心に出ている動植物性残さということでございます。この産業廃棄物のジャンルで経年変化というのは、図-9のところに書いてございます。産業廃棄物全体の排出量は4億トン前後でほぼ横ばい、最近は若干減少傾向が見られているのではないかと思います。動植物性残さは、このうちの約1.1%というところでございますが、400万トン前後で推移をしてきているということでございます。ウエートの大きい動物のふん尿、それから汚泥のうち、下水道の汚泥についてあわせてこのグラフの中に押さえております。下水道の汚泥については、下水道の整備に伴ってその量が増加をしてきていると。動物のふん尿については、おおむね横ばいというような傾向でございます。
 7ページは動植物性残さの発生業種、それから二大品目でございます動物のふん尿と汚泥の内訳をそれぞれ表-1に整理をしております。動植物性残さ440万トンございますが、そのうちの約半分が食料品製造業というところから出てくるということでございます。そのほか、動物のふん尿というところが、これがウエートとしては大きいわけですが、ございます。それから汚泥は、これは実にさまざまなものがあるわけでございますが、このうち有機性のものが特定の製造業のもの、それから下水道事業から出てまいります。下水道事業はちょうど中ほどの欄にございますが、汚泥の中で4割を占めているというところでございます。動物のふん尿は、牛と豚と鶏ということでございますが、一応この種類別の量についても図ー10にございますように整理しております。牛のウエートが大きいということでございます。
 この生ごみの排出量全体をまとめてみましたのが、8ページでございます。表ー2にございますように、トータルとしては約2.6億トンということでございますが、このうちウエートが、生ごみについては一般廃棄物のところにございますように、家庭系のものと事業系のもの合わせて7%。それから動植物性残さ、産業廃棄物の部分が1.8%、大体こういう状況になっております。
 それからその処理、リサイクルの状況でございますが、これを9ページに整理をいたしております。まず生ごみ全体の処理状況ということでございますが、発生量約2,000万トンございまして、そのうち焼却ですとか埋め立て処分されておりますものが全体の8割弱、1,681万トンとなっております。再生利用については473万トン、約2割という状況、これが全体の状況でございます。このうち、食品産業全体の生ごみ処理の状況については、農林水産省さんで調査、解析をされておりますので、その資料を引用させていただいております。食品産業全体での発生量を製造業、それから卸売業、小売業、外食産業という形にカテゴリー分けをいたしまして、それぞれの業種ごとに分析をされているものでございます。食品産業全体での再生利用などの実施率、これは表-4の一番下にございますが、43%となってございます。このうち、再生利用というのが36というのが半ばほどにございます。これを業種ごとに見てまいりますと、食品製造業が62ということでウエートが高くなっているということでございます。以下、卸売業、食品小売業、外食産業とございますように、それぞれ4割、41%、18%、10%となっております。再生利用の内訳は、肥料化、飼料化というところが中心というところでございます。
 それから10ページ、11ページは参考ということで、生ごみの周辺にございますウエット系のバイオマスにつきまして、産業廃棄物、一般廃棄物について少し整理をしております。ウエット系のバイオマスの主要な部分、産業廃棄物では動物ふん尿、下水汚泥というのが二本柱ということになってございますが、その処理のフローというのが表-5に整理をされております。表-5の下にフローシートが書いてございますが、一番左側が排出というところで、この排出されたものが[9]の再生利用、それから[10]の最終処分、こういう形で最終的に出口があるわけでございます。動植物性残さ、動物のふん尿、下水汚泥と、この三つについて表-5にそれを整理してございます。[1]のところが排出量100%で、これを再生利用、最終処分、[9]、[10]となってございます。[9]のところをごらんいただければ、動植物性残さが約3割が再生利用、動物のふん尿については90%を超えるものとなっております。下水道汚泥については2.1%、大体こういうようなフローになっているというところをご紹介させていただきます。
 それから、一般廃棄物のウエット系のものでございますが、これは人間から出てまいります排泄物のし尿、それと各家庭に設置されております浄化槽の汚泥というものについて整理をいたしております。これは、基本的には市町村の処理施設で9割方処理が行われているというところでございます。あるいは、その下水道の終末処理場に投入をされていると、この部分が大部分ということでございます。若干の農地還元、海洋投入処分というものが行われているのが全体の状況でございます。
 12ページは、北海道における処理状況のフローということで、ここで紹介をさせていただいております。きょうは時間もないので、くわしくは省略させていただきますが、北海道のこれは一般廃棄物、産業廃棄物全体のフローをまとめているものがございましたので、この参考資料3のところに紹介をさせていただいております。
 それから駆け足になりますが、最後に資料4でございます。こういった生ごみの利用状況というところで、生ごみの特性、それからどういう利用ルートがあるのか、そのあたりを中心に少し整理をいたしてございます。
 生ごみの特性というのが1枚目でございます。これは農林水産省さんの資料を少し引用させていただいておりますが、先ほどの生ごみの分類のところにもございましたように、食品製造業、それかえら外食産業、食品卸売業、小売業といったところ、それと一般家庭と、それぞれこういったところから発生してくるわけでございますが、それぞれ実に多岐にわたって種類があるということでございます。食品製造業については、その製造プロセスに応じまして、残さがそれぞれいろいろな種類のものがございます。こういったものは、比較的ピュアな形で排出、発生してくるということになります。それからその消費側でございますけれども、外食産業、食品卸、小売業と、こういったところでは調理くず、食べ残し、お弁当と、こういうものが出てまいるということでございます。
 一般家庭につきましては、食べ終わったものについてさまざまものが出てくると。こういうものの利用の状況でございますけれども、それぞれ種類に応じてその特徴がここで簡単にまとめられております。食品製造業、品質、内容が明らか、量が多いということで、飼料として利用というようなことでございます。外食産業などのジャンルでございますが、利用可能なものは限定的ということでございます。一部のものについては、品質、内容が明らかで大量に安定供給されるということでございます。一般家庭でございますが、これは利用側から見たときに安全性、供給、品質の安定性の点で難点があるということが書かれてございます。
 それから、その利用ルートを主に技術の観点で分類したのが、次のページの図ー1でございます。対象物、生ごみ、それ以外のウエット系のもの、それからドライ系のものも含めてここでは紹介しておりますが、いろいろな変換の技術がございます。これは堆肥化から、一番最後の燃焼まで含めまして、いろいろなルートがございます。それぞれごとに生成物、利用用途が、こういうような形でルートとしてはあるというものでございます。それぞれ、技術なり事業に導入がどれぐらいされているのかというのは、それぞれのルートごとに異なっておりますけれども、生ごみについてはこういった変換、生成物、その利用状況というものが考えられるということでございます。
 3ページは、食品リサイクル法の登録再生利用事業者の登録件数などを地域別に紹介をいたしてございます。日本全国でこの登録再生利用事業者の方は、この表の一番右下、68ということでございます。肥料化が50ということで、大きく変わっているということでございます。
 それから資料の4ページ、5ページでございますが、これはバイオマス情報ヘッドクオターというのが、バイオマス・ニッポンの取り組みの中で農水省さん中心に情報提供のセンターということでつくられております。そこで紹介されてます資料で少し先進事例というのを、表を抜き出してみたものでございます。
 事務局からは以上でございます。

【石川座長】 どうもありがとうございました。既存の情報を、かなり膨大なものを集めていただきましたけれども、まず今ご説明いただいた情報で、足りない部分であるとか、もっといい情報とか、こういうものがあるとか、そういうご指摘ございますでしょうか。

【瀬川委員】 先ほどの資料3のところで、3ページ、4ページに京都市のデータが載っておりますけれども、若干ちょっとお断りしておきたいのは、事業系のごみなんです。これは許可業者が収集しておるごみなんですけれども、許可業者が収集するルートによれば、生ごみが非常に多い。飲食店とか、そういったごみの場合と、それから事務所ビルですね。そういったところの紙ごみが多いごみと、そういうようなことで、非常に収集ルートによってごみの質が大きく変わりました。
 それをなるべく平均化してはかっておるんですけれども、実は事業系につきましては年4回しかはかっておりません。したがって、ちょっと当たりはずれがあるような感じで、かなりデータ的には変動しております。家庭ごみについては、毎月ほぼ1回はかっておりますので、ほぼ均質したデータが出ておると思いますけれども、若干事業系についてはそういう変動要素が多いということで、単純に事業系の組成の比率を収集量にかけ合わせても、なかなか量として実態に合っているかどうかというのは、不明なところがございます。ちょっと、それだけをお断りさせていただきます。

【石川座長】 どうもありがとうございます。実は、後で私の方で質問しようかなと思って。京都市さんも、横浜市さんのも業界もそうなんですが、生ごみそのものの全量というのはないので、組成調査をかけ算するということをやらざるを得ないんですけども。それの、横浜市さんのやつも随分こうなっていますよね。これをどのぐらいの程度と見ていいのかなというのを、伺いたかったところがあったんです。
 京都市さんのは、家庭系のやつは大体そんなにばらつかずに、あえて言えば少しは下がっているのかなというぐらいで、ほぼばらつきも少ないと思うんですが、ほかのところは随分ばらつきがあると。横浜市さんも毎月じゃなかったような気がするんですが、そこまでおわかりになりますか。無理ですか。すぐには無理かもしれません。
 酒井先生、何かご存じありませんか。どの程度の精度と見ればいいかという。

【酒井委員】 まさにそれは頻度と、いかにきめ細かくやっているかということが主題かと思いますので、個々の都市の事情でこれは十分に背景、量とをですね、教えていただいて判断するしか基本的にはないと思います。
 京都市さんの場合は、家庭ごみの方に関してはやはり丁寧にやっておられますし、また年1回極めて精緻におやりになっておられますから、それとの整合も月別のデータ、整合性等とりながらおやりになられていますので、家庭ごみの方は本当にそういう意味では、正確なデータが出ているというふうに見させていただいていいんじゃないのかというのが、個人的な見解でございます。

【石川座長】 どうもありがとうございます。あと、ちょっと組成の話に入っちゃったんで、便乗というとあれなんですが、酒井先生にもしおわかりのところで教えていただきたいんですが、一般論として生ごみの量、量自体つかまえるのは、このデータ見てもわかりますが、難しいんですけれども、発生量とかが何で決まるかというのは、研究の現状というのはどういうふうに考えればよろしいでしょうか。原単位の研究ということになるんですか。

【酒井委員】 その原単位の変動要因が何だという、それは一定の解析的なものが言えるかという、そういう部分ですか。
 幾つかアプローチがあるんだろうと思うんですけれども、いわゆる物質収支的なマクロでの収支から把握していく方向、それとあとやはり個々の、公人を含めた行動でのいわゆる食べ残し等の、そういう行動を含めてどうかというような、そういうような取り組みが考えられると思うんですけれども、それをちょっと十分に解析的にやったものというのは、そういうのはちょっと存じ上げませんので、一般的傾向としてこういうことが少なくとも言えるんではないかというところまでの知見は、残念ながら私自身持ち合わせておりません。研究はないということを申し上げているのではなくて、私は知らないということの意味であります。
 直感的には、やはりよく言われる厨芥の生ごみを分析していく中で、その部分の重量比で10%程度は食べ残し、しかもそれは賞味期限前のものであるというような、いわゆるフィールドの分析結果というのは得られておりますので、一つの要因としてそういう消費者の行動があるということは、まず少なくとも申し上げていいのではないかというのが、個人的な認識でございます。

【石川座長】 どうもありがとうございます。もし、この席で生ごみってどうして出てくるのと、なぜ出てくるんですかと、中身は何ですかとか、例えば大都市と中小都市であるとか、農村地区で違いがあるとすれば、どんな違いがあるんでしょうとか、研究上は非常に難しいというのはよくわかるんですけれども、何かそういうことをレビューした方とか、そういうのがおられれば情報として役に立つかなと思うんですけれども。わからないということがわかれば、それはそれで仕方がないと思うんですけれども。もしご存じの方がいらっしゃいましたら、教えていただければと思います。この場ではちょっと無理かもしれませんけれども。

【崎田委員】 京都市さんが家庭の場合、京都は都会なんですけれども、非常に組成調査を長くやっていらっしゃって、やはり私なんかもよくそれを参考にさせていただくんです。今、いろいろ酒井先生や皆さんがおっしゃっているように、本当にまず消費者の消費行動とその後の調理習慣とかですね、あと物を食べるときの、そのまま残すとか、非常にその辺の少し無駄が非常に、ライフスタイル上というか、その辺の無駄が多くなっているということは事実ですので、まず1回その辺もきちんと見据えた上でどのくらい発生するのかというか、どのくらいこう最終的に減らすことができるのかというか、その辺のマインドの問題。ライフスタイルの問題でどのくらいちゃんと減らせるか、その辺のことを1回見据えた上での発生量をきちんと考えるという、その辺はすごく大事だと私も思っております。

【石川座長】 私も全く同感でして、生ごみの中身でそれぞれ労力が違うと思うんですね。どのぐらい頑張ればどのぐらい減るんですかという話がまずありますし、あとそもそもどういう仕組みにすればそうなるんでしょうというのも、また次のステップで出てくるはずですよね。そういうことを知る上で、多分基礎的な情報になると思いますので、もしお持ちの情報ございましたら、事務局の方にお知らせいただけるとありがたいと思います。
 例えば、京都市さん細かいことやっておられますし、一方で京都市さん、政令指定都市の大きな都市ですが、そうじゃないところの情報だとか、場合によっては国によっても違うとか。一番いいのは、何かキャンペーンを張ったら減ったとか、消費習慣がかわって減ったような事例があるとかいうふうな話があれば、それもまた重要な情報かなと思いますけれども。

【崎田委員】 ごめんなさい、じゃあ、先に一言だけ。
 今、そのデータに関しては、きょうちょっと持っていないんですが、生ごみだけできちんと出るかどうかは別ですが、今、家庭ごみ有料化などで非常にきちんと消費者に自分のライフスタイルを問うような政策がきちんと出てきますので、そういうところは消費行動がかなり変わってきて、たった1年で捨てるごみが半分に減るとか、そういう地域まで出ておりますので、少しきちんとそういう環境教育とか、あと経済的な手法でどのくらい減るかというデータが出てくる地域があると思いますので。

【石川座長】 組成調査は、精度はひょっとしてよければ、あれはお金かかるから、どこでもできることじゃないですけど、そうすると参考になるかもしれませんね。

【瀬川委員】 先ほどから何回か京都市の再組成調査のお話が出ておりますけれども、京都市の方も家庭ごみの、指定袋の有料制というのを導入を今、検討しております。10月から市民にそれぞれ説明には行くことになっておるんですけれども、その中での紹介する話として、家庭ごみの中に約6割が調理くず、これはいたし方がないと思うんですよね。野菜のくず。食べ残しが約4割はあると。その食べ残しの中でも15%ほど、これが食べずにそのまま封も切らずに捨てられていると。封も切らずに捨てられた中で、賞味期限前のものが6割以上占めているというような調査があります。
 そういったところを市民に訴えて、できるだけそういった部分のもったいないとか、始末のこととか、そういうところの部分を訴えてごみの減量に突き進んでいこうというようなところを考えております。いずれにしろ、そういった細かいデータは委員会の方にもご提出したいと思います。

【石川座長】 ちょっと細かい話が入っちゃいましたが、ほかに何かこういう情報とか、今後議論進めていく上でこういう情報がぜひ必要だとかいうご指摘がございましたら、いただきたいと思いますが。はい、どうぞ。

【山田(正)委員】 家庭から、消費行動から生ごみが出てくるというお話ですけれども、出たところだけ見るのではなくて、消費に関する調査というのは比較的やられていると思うんですよね、どこの自治体さんでも。そちらの、入ってくる方からも見ていくということが大事だと。消費動向調査ですか、というのはかなりやられていると思いますので。

【石川座長】 それは私も同感ですね。この間、私自身、名古屋でごみの問題をやってまして、相当調査しました。名古屋市自身はごみ非常事態宣言で、ごみというと26%減らしていますけれども、その間これは投入は減ったのか。資源、分別で減らしていますから、分別した分を足し合わせて、たしか5.何%、6%くらいトータルで減っているんですね。これをどう見るかというのは、研究者の中でも議論が分かれまして、結論はわからないという結論だと思います。精度がありませんから、減ったことは減っているんですけれども、何を意味するかはよくわからないんですね。6%というのは確かに計量している量ですから、そういうものが減ったことは事実なんですけれども、それが名古屋市民の出しているごみプラス資源、本当にそれで減ったかというところまではなかなか自信が持てない。
 それの理由は、インプットサイドを調べてみたんですね。家庭調査だとか、幾つか統計があります。これはこれでまた問題があって、ばらつきが大きいんですけれども、それを調べている限り、ごみで見られたようなドラスチックな変化は全くないんですね。あと、ミクロなデータも流通に協力していただいて、普通とれないミクロのデータをもらって調べてみたんですけれども、愛知県内で名古屋市とそれ以外のところで規格化して調べると、もうほとんど線が重なるんですね。これは飲料でやったんですけれども、ペットボトル飲料でやりましたけれども、かさばるから影響があるかなと思って調べたんですけれども、全然変わらない。それを見ている限りは、インプットサイドから見ていると消費行動が変わったと思えないんですね。
 また、市民との対話をするというプロジェクトだったですから、その間いろいろ聞いたりもしたんですけれども、感触としてどうも消費行動を変えたという話じゃないんですね。リサイクルをしたという、捨てるときに一生懸命分別をしたとか、捨てるときに考えましたということはあるんですけど、ものを買うときに何かをしたということをおっしゃる市民は割と少ないと。やるべきだという話が出てくるんですけれども、やりましたかという話になると、なかなかそういう話が出てこなかったんですね。これは定性的な話ですけれども。そういうのを結局総合して、私はわからないという結論しか出せなかったのを思い出します。
 ただ、そういう意味でインプットサイドを見るというのは重要だと思います。ごみそのものはいろいろな理由でこう、どこか見えないところとか、ここの統計に出ない形に行ったりしますから。そういうことを完全に押さえること自体非常に難しいですよね。そういう意味では、家庭消費調査とか幾つか統計自体があると思いますので、調べた方がいいかもしれませんね。何か、日本全体で調べたって余り大したことないかもしれませんけれど、こういうケースで調べるといいとかいうふうなご提案ございます。

【山田(正)委員】 たしか世田谷区で、上と下で両方突き合わせて、生ごみではないんですけれども、廃棄物のフローを、家庭内のフローを調べたところはあります。確かそれはもう公表されている資料ですので、お出しできるかと思いますけれども。

【石川座長】 どうもありがとうございます。ほかに何かご提案ございますでしょうか。

【崎田委員】 私も生ごみだけではなくて、いわゆるごみというか、消費行動、廃棄物につながる消費行動ということでは調査はかなり出ているというふうに思っています。そういうのを拝見したことありますので。特に今、容器包装リサイクル法上のすべてのリサイクルを地域に投入したときに、どれだけ市民が意識変化を起こしていくかというか、リサイクルだけではなくて、消費するときに過剰包装を避けるような買い物行動をとるとかですね、やはりそういうような意識変化の調査というのは出始めていますので、きちんとその辺を探してみるようにします。
 そういう、いわゆるリサイクルを徹底したときに意識が高まって、まず消費行動から変えていこうということを意識するというのと、もう一つ、家庭ごみ有料化を導入することによって、もちろんごみに対する意識が高まって、リサイクル行動だけではなくて、やはり消費のところからきちんと変えていこうというふうに意識変化が起こるという、その辺の意識変化の調査というのはありますので、きちんと情報提供するようにしたいと思います。たしかリサイクル部会の方でも出た資料があると思いますので。

【石川座長】 ありがとうございます。せっかくですから、そのときに意識が変わるというのと、それから行動で見たかどうかというので、調査をちょっと分類していただけるとありがたいと思います。意識が変わるというのは、割とどこでもポジティブな結果が出るんですけれども、行動が変わったのかというふうになると、研究自体は数が減って、かつ余りはっきりしたポジティブなのが出てこないというのが私の感触なんですけど。

【崎田委員】 私が環境省から出たデータで見たのは、意識が変わったかということと、行動をどう変えたかというのと両方出ていたと思いますので。

【石川座長】 ありがとうございます。ほかにいかがでしょう。はい、どうぞ古市さん。

【古市委員】 余り最終目標を理解していないのかもわかりませんが、資料1で生ごみ等となっていますよね。それで、資料をざっとご説明いただいたんですけど、家畜ふん尿とか下水汚泥とかね、ですから一廃だけではなくて産廃もお話されていますよね。農水サイドだと、廃棄物系バイオマスがあって、そのうちの廃棄物系というお話をされるんですよね。廃棄物サイドに来ると、バイオマス系というか、廃棄物というかね。だから、廃棄物とバイオマスの、工程の部分も議論すると思うんですけどね。そこで、ここでは一廃だけのお話をされるのか、それとも産廃も含めて議論されるのかね、その辺のところが皆さんまだちょっとよく理解されていないんですよ。
 最初の入り口の話で細かい話聞きまして、その大きな、環境省サイドでいきますと、バイオマス系の廃棄物をどうするんだと。この発生量を抑える、またその出てきたものをリサイクルするんだと。そういうリサイクルのやり方、出口の話ですよね。その議論をしなきゃいかんですね。その大きな議論が、多分最初の資料2だろうと思うんですね。そういうところでちょっと仕分けをしていただいて、それから参加されている方たちがどういう議論をするかということをちょっと、対象を明確にしていただけます。

【石川座長】 じゃあ、まず産廃と一廃に関しては、私は産廃もここで議論の対象だというふうに考えています。ですから、一廃とも書かないし、生ごみとも書かずに「等」と、こう入っているんだと。

【古市委員】 そうすると、全然違うんですよね。家畜ふん尿だと、生ごみのもう10倍ぐらいありますよね。だから、全体のバランスで話すと、生ごみも、それも家庭から出てくる生ごみのあり方を議論するのか、それとも北海道ですと4,000万トン産廃出ますけどね、そのうちの半分ぐらいが家畜ふん尿なんですよ。
 これをいかに有効に利用するか、先ほどありましたけど、窒素汚染の問題があるんですよね。バイオガス化なんかしても、肥料化しても、炭素の方の話は有効利用できるんですがね、窒素の方は全部残っちゃうんですよ。だから、そういう議論もあるわけですよね。だから、どの辺にフォーカスして、どういう議論をするのかというのがちょっと混乱しましてね。

【石川座長】 その点は、私の理解は、今、古市先生がおっしゃったとおりで、バイオマスというふうに見るのか、生ごみ等というと、ウエット系という感じですよね。バイオマスというと、木材チップとか紙とかいうふうな話が量的には大きくなったりするんですけれども。ちょっと産業的に利用されていたり、生ごみという感じが余りしない。そういうふうにいくのか、それとも、いや、生ものを扱うという。生ものなら産廃も一廃も全部やるのかというようなスタンスの違いがあると思うんですね。私自身はこのタイトルにあるように、ウエット系を議論するのがいいんじゃないのかなというふうな感じを持っています。
 それから古市先生ご指摘の、二番目の窒素の問題、それも私、後でちょっと質問というか、コメントしようと思ったんですが、幾つかの細かいデータの中に、自然還元というのがありますよね。循環利用とか、最後の処理の自然還元と書いてあるんですけれども、これは特にバイオマスだから出てくる、バイオマスのみに出てくるカテゴリーなんですね。これ、図を見ていると、何か割といい認証のような、言葉としては土にかえるんだからよさそうな感じも受けるようなニュアンスなんですが。
 古市先生おっしゃったとおり、畜産廃棄物だとかそういうものが自然還元されているというのは、カーボンはわかりませんけれど、実態としてみればこれは浅層地下水の窒素汚染じゃないのという面があるわけです。これはもうはっきり環境汚染の原因物質ですよね。汚染性というのがあるわけです。一般リサイクルを資源として、ある種有効という話と、しかし、そのために汚染を起こしてしまう場合もあるというのがありまして、その汚染を防ぐためにやったことで資源が助かればもっといいんですけれども、このバイオマスの場合の自然還元ってそういう意味ではちょっと心配なところがあるわけですね。
 そういう意味で、この資料はカーボンベースで整理されていて、窒素のところは出ていない、特に汚染性というのははっきり出ていないから、それはちょっと念頭に置かないといけないんじゃないんですかと、こう申し上げようと思ったところです。ちょうどご指摘いただきまして、ありがとうございました。

【浅井委員】 自治体の立場から言わせていただきまして、先ほど最初が話があったのは、ターゲット5年なのか10年なのかという話があって、その中でそういう自治体の立場という形で言わせてもらうと、5年、10年という立場であると、やはりごみの部分と下水道の部分と、それとふん尿の部分というのはかなり制度的に今、分かれてしまってますので、一緒に議論するのは非常に難しいのかなと。
 それが30年、40年になると、やはりバイオマス全体という形で議論の対象にはなるかと思うんですけれども、少しインターバルが短くなってくると、本当に今、実際生ごみをどうしていくんだとか、一般廃棄物どうしていくんだという立場からすると、もう少し絞って、生ごみを一般廃棄物、事業系、家庭系含めて、あと産業廃棄物も生ごみ系であれば同じようなレベルで考えられるかなと。そういうふうに、ちょっとした自治体からの希望もあるなというふうに思っております。

【石川座長】 わかりました。それは、考える時間スケールでとり得る手段が変わってくるしというふうなことですよね。分析してその後、じゃあ、どうあるべきか、どうするべきかという議論をするときに、どういうことまで許されると思ってやるかというところが……。5年、10年になると余り自由度はないというご指摘ですけれども、この点は松澤さんですか。

【粕谷廃棄物対策課長】 思うところなんですけれども、中心部分は生ごみ、あるいは事業系の一般廃棄物、それに近い食品産業から出る動植物性残さというところがやはり本筋だろうと思っているわけですけれども。それを考える上で、それだけにこう特化してほかのこと全く考えずに検討ができるわけではないんだろうと思っています。そこで、やはりその下水の汚泥、ふん尿というものがやはり近いものとして現にあって、それなりの動きをしているわけですから、それと一緒にやった方がいいような場面が出てくるのか。あるいは、切り離してそちらとは別の利用がある、地域特性があるのか。全体を視野に入れつつも、中心は家庭から出る生ごみ、事業系の生ごみ系というところという議論になってくるんだろうと思います。
 理想として、かなり先を見ていくという話はやはり必要かと思いますけれども、施策を展開していくという意味では、5年ないし10年でどうこうというところじゃないかなと思っています。

【大塚委員】 産業廃棄物の処理の立場から見ますと、本日のテーマにつきましては、家畜ふん尿とか圧倒的には、表を見ますと全体の生ごみ等の排出量の中の81%が産廃なんですけれども、共通項がありまして、家庭系の生ごみにしましても、それから私どもの産業廃棄物の動物ふん尿等にしましても、堆肥化というのが今に中心になっております。それの技術的な問題、社会的システムの問題はほとんど一緒でございますので、生ごみ等のテーマを我々も参考にしてやれば、かなり参考部分が出てくるんじゃないかなと、そう考えております。
 それからもう一つ、産業廃棄物の方においてはちょっとおくれていますのは、メタン化発酵のエネルギー化の問題なんですけども、これは今後活発に行われてくると思います。その辺につきましても、5年後ということになりますと、当然ターゲットになってきますので、その辺のことについては産廃、一廃に限らず、技術的な問題、社会的システムの問題で議論していただければ、共通項でほとんど消化できますので、その辺のところはぜひお願いしたい、そう思っております。

【石川座長】 どうもありがとうございます。はい、どうぞ。

【古市委員】 確認なんですけど、バイオマス系廃棄物全般をやるという理解でいいんですか。今、ちょっと崎田さんがおっしゃった、生ごみと来るとやはり一般廃棄物をどう整理をするかという話で、容器包装とか家電とか、あと残ったごみの中の大半、3割、4割占めるのが生ごみですよね。これをいかにコントロールするかというのが一番大きな使命ですよね。
 ですから、そういう視点から突っ込んでいくと、焼却に回さずに肥料化なりバイオガス化するという話があるし、要するに生ごみを抜くということで非常に大きなメリットがありますよね。焼却に負荷を与えないし、それから分別で大変ですけれども、腐敗性のものをステーションに置かなくて済むようになるかもわからないしね。それから、それがリサイクルすることによって、非常に一般的な循環型社会に持っていけるという、そのところで閉じた話はそれで議論できるんですよね、非常にね。そのときに、そのバイオマス系廃棄物という議論でしたら、家畜ふん尿なり下水汚泥もあるんですけど、混合処理ということも関係してきますので。
 これは何が言いたいかというと、ニーズの方の話なんですよ。どうそれをはくかという話。そういう視点で言うと、肥料化すると、本当に日本全体で肥料そんな収支どうなっているのという話をしたときに、もう要らんのですよ。何か制度を変えて化学肥料に変えていけるような仕組みをつくればはけますよ。今のことでいくと、農家は、身元がわからないようなものは使いたくないし、成分調査が大変ですし、手間がかかりますしね。だから、そういう話もかかわるし、ガス化のときは生ごみ、家畜ふん尿等だけではなしに、混合して処理した方がメタン化、ガス効率がいいとか、そういう話になってくるんですね。その辺の共同処理みたいなものがあるんですよね。いろいろな面で、バイオマス系廃棄物という、トータルで考えた方がいろいろな視野が広がってくる可能性が、政策が広がってくる可能性があるんじゃないかなという部分で、どちらにされるか、とりあえず一般廃棄物の生ごみでやられるという施策展開なのか。それともうちょっと広い部分を考えてなのか、その辺をもう一度はっきり。

【粕谷廃棄物対策課長】 生ごみから入っていくというのは、古市先生がおっしゃったように当然ほかのものとどうするのというところに行くんだろうと思っています。家畜ふん尿どうするのというところから入るんじゃなくて、生ごみをどうするかのというところから入っていけば、おのずとほかのものと一緒にやるとか、やっぱり分けられるとか、それは地域特性によってどう違うとかというふうに広がっていくんだろうと思ってます。

【石川座長】 いかがでしょうか。かなり視点の、検討の方向という意味で大事なところだと思いますけれども。家庭系の生ごみを念頭に置いて検討はするけれども、当然それは産業廃棄物の利用、技術面では当然参考になりますし、社会システムにするときにいろいろな制約があったり、違いが出てくるかもしれませんけれども、それはそれで検討すると。技術面で押していけば、ものによっては混合処理が合理的だというのが出てきてもそれは当然でしょうし、逆にまたそれがうまくいかないというふうなものも出てくると。
 一方で、これは一般市民が協力しないと、これはもうどんなこともどうせ成立しませんから、そのときにどう認識されるかというのも多分重要なことになってくると思うんですね。ですから、結果的には全体を検討するというふうなことに行かざるを得ないんだろうと思いますね。
 もう一つ、古市先生のご指摘では、産廃の方が量的に圧倒的に多いと。それはそのとおりでして、ですから、バイオマスの循環とかそういうふうな視点から入ると、そっちの方が重要でしょうという話が当然出てくるんですけれども、ここはそういう立場ではないというふうなことではないかと思います。

【酒井委員】 さっきの粕谷さんの説明で大体理解しているんですけれども、厨芥を核に、そしてウエット系中心に考えていきながら周辺の技術との連携を意識をするという、そういう立場というのはよく理解したんですけど。
 今後、技術的な展開とか、あるいは利用の場とかということを考えると、やはりドライ系の木質系の技術動向ということを今やはりちゃんと目を配りながら見ていった方がいい側面も出てくる可能性はあるんではないかというように思っております。そういった意味で、木質系の廃棄物の方は、なかなか廃棄物として今の、本当に統計が逆に正確かという、そういう側面もあろうかと思いますので。また、まちづくりという意味で、やはりそちらとの接点というのも重要な場面というのが出てくるかと思いますので、ウエット系を中心にというふうにちょっと座長の方からきょうおっしゃられましたので、少しドライ系の方も意識をしながら、これは物を見ていった方がいい側面もあるということは申し上げておきたいと思います。

【石川座長】 私がドライ系というか、ウエット系を中心にというふうに考えた理由をご説明すると、ドライ系の木質系廃棄物の循環利用とか、そういう議論に入ると、量的に言うとただちに建築廃棄物ということになってきて、産業的に何かやろうという話になると、もうそこしかないと言っていいぐらいかなと、まず一つ思ったんですね。
 今、酒井先生からのご指摘で、ああ、そうだなと思ったのは、まちづくりの関係があると。例えば岩手県なんかでやっているような間伐材であるとか、そういうものを、あれは燃料ですね、チップストーブにしたりする、あれで町おこしと直結したところがありますね。ああいうものを視点にするということであれば、それは当然重要な話で、関係のある話ですので、私はそのことを考えてなかったものですから。建築廃棄物と生ごみを一緒にするというのは、ちょっと難しいかなと思ったものですから、そういう意味でドライ系は、まあ、いいんじゃないんですかと申し上げたのはそういう意味です。ですから、町づくりと関連するようなケース、量的な問題だけじゃなくて、質的に大分違う話でもありますから、重要なことがあるんであれば、それはあえて落とすことはないというふうに思います。

【川島委員】 一つよろしいですか。第1回で枠組みのお話だということで、私、古市先生のお話すごく農学部としてはよくわかるんですが、ウエット系のごみということですと、やはり畜産廃棄物大きいわけですね。それから、事業系のごみというのも2%とか何かありますが、現在動いている動きですね。畜産廃棄物がなぜ日本で問題になるかというの、私、窒素の分析を後ろの方につけておりますが、要するに日本でつくらない飼料ですね、主にとうもろこしですが、とうもろこしと大豆ですが、それを海外、主にこれはアメリカになりますが、持ってきて、それで日本の例えば北海道の牛に食べさせるということをやるんで。
 先ほど、石川座長の方から自然に還元しているというのは大分おかしい話じゃないかというご指摘があったのはそのとおりでして、持っていくんならアメリカの土壌に還せばぐるっと回ったことになるんですね。ところが、とてもとても産廃をタンカーに積んでアメリカに持っていくということはしませんから、どうしても北海道に捨ててしまうということで、北海道の硝酸汚染の原因になるというので、畜産汚染の問題はかなり深刻な問題になってるんですね。
 ですけど、もう少し、社会システムという言葉が今、出てきましたけど、これはどういうふうに今、動いているかというと、これ先ほどの環境省さんの方からの説明もありましたが、過去10年くらい横ばいから減少気味になっているんですね。というのは、世界経済の中で日本の畜産がやはりそんなに比較優位を保っていないわけですね。ある意味で、手厚い保護の中で何とかやっているという実情の中で、そのWTO交渉なんかの中でそれを外していけという交渉はまた違う次元のところでされているわけですね。やはり何か起こるたびに海外から直接肉を持ってくるという回路ですね、動いていくということも大きな社会システムの中に入っているんですね。それから、これで事業系のごみの中で生ごみが出てくるという視点もあるんですが、これもついこの前まで肉を例えば輸入して、日本で焼き鳥をつくっているというような産業もあったわけですが、今は焼き鳥の串に刺すところまでタイでやってそれを持ってきて、日本でやっているというのは電子レンジでちょっとあっためて出すというような回路が働くのが、この10年ぐらい非常に顕著なんですね。
 2000年になる前の資料を使ってやっていると、現在の動き、これは恐らくセブンーイレブンさんとかそちらの方がよくご存知でしょうけれど、どんどんどんどん海外に出ていって、そちらで事業系のごみを出して、ということで動いていると。ですから10年、それから先ほど議論ありましたが、30年ということを考えていくと、タイムスケールを10年ぐらいにすると、今の10年前の資料でいいのかなと思いますけど、もう少し長いスケールで考えると、この生ごみ系をどう考えるかというのは、世界の防衛システムなんかと極めて強くリンクし出しているんですね。
 私、個人的には、次の2、30年を考えたときに、日本で大量に畜産するということは、私はなかなか難しくなってくと思うんですね。これはまたその貿易の話のところで。その辺も見据えて話さないと、極めて過去の一時期のところのデータをとって比べていると。歴史的次元みたいなのが離れていっているんではないかなと。その辺をどう考えるかというのは、第1回なんでぜひ議論しておいた方が私はいいと思います。

【石川座長】 大変重要なご指摘いただきました。
 一つは、地理的なバウンダリーですかね。時間的には5年ないし10年ということをお答えいただきましたが、これは前提として地理的には日本のという話なんだと思うんですが、実際には経済がご指摘あったようにグローバル化の一種ですね、製造拠点がどんどん外へ出ていて、実際産業として物をつくっている。食品産業の中で加工している段階というのは相当外へ出ているんですね。そこで発生しているものは、自然源として減ってはいるはずだと。一方でまた、現状の窒素が蓄積している原因というのは、日本の畜産業に関して言うと市場輸入と。しかし、これは20年、30年で見ると競争力がどうなっているかわからないというふうなお話がありました。確かにこれは大きな枠組みではそのとおりだろうと思います。ですから、念頭に置かないといけないんですが。
 ただ、多少心配なのは、ここはごみの話をするときに畜産業の競争力の話は、ひょっとするとそれよりもっと大きな問題かもしれないですね。ごみの問題というのは、広く全国民の日常生活の問題で、そういう意味で重要なんですが、畜産業、ある種保護政策の話をするわけですからね。これは携わっている方、ステークホルダーから言えばもう生活かけた話になっておりまして。また、保護政策を正当化する論議ということからいくと、食料自給率とかそんな話が出てくるわけで、多分それは次元の違う話になってしまうと。
 ですから、そういう事実があるということを皆さん念頭に入れていただいて、もしそこでの前提条件か我々が議論していく中で、結論とかそういうところに影響があるんであれば、それはちゃんとそういう、こういう条件だとこう、こういう条件だとこうと、書かざるを得ないですね。そこだけ念頭に入れていただいて議論をするということでやむを得ないかなと思うんですが、いかがでしょうか、川島先生。

【川島委員】 ですから、どこの時間タームと、どういうことをというのが、先ほど古市先生からありましたようにはっきりさせないとすごく、話がいろいろなところに飛んでしまうと思うんで、ぜひその辺の焦点を絞るのが第1回の役目でしょうから、よろしくお願いいたします。私は異論はありません。 

【石川座長】 どうもありがとうございます。ほかにいかがでしょう。

【山田(正)委員】 大きい話じゃないんですけども、恐らく身近にあらわれるもう一つの大きい変化は、ディスポーザーだと思うんです、生ごみに関しては。下水に流しちゃおうという動きもありますので、それがもし普及してしまったら、どうかわからないですが、普及してしまったら生ごみが家庭系からかなり抜けてしまうと。そして、下水に行ったバイオマスをどう扱っていいかというふうにシフトしていくと、議論が。というところも、見通しとして重要だと思います。

【石川座長】 そうですね。当座の問題は、ストレートに問題を見れば、生ごみ処理の一つの手段なんですけれども、省庁で言うと違うとかいうそういう話が出てきて、制作面でややこしいかもしれませんが、重要なご指摘だと思いますね。なるべく私ここでは、少なくとも最初のうちは余り制約条件ばっかり考えていると、いいアイデアも何も出てきませんから、特に政策的なものというのは、頭の奥の方に置いておいて議論ができればもっといいんじゃないかなと思います。
 そういう意味では、ディスポーザーの普及が一体どうなるのかという問題の立て方もあるでしょうし、普及させるべきかというふうに問題を考えてもいいかもしれないというふうにも思います。

【崎田委員】 よろしいですか、違う話。
 今いろいろ問題点が出ていますので、私は今回生活者として入らせていただいていると思っています。特に、私は生活者として環境がよくなることを願うことと、あともう一つ地域社会の中で市民が、事業者や行政の方と連携しながら循環型社会を、循環型地域をつくっていく、そういうことを応援するという、そういうこともやっています。
 そういう視点から考えますと、今回の生ごみ等の3Rというか、生ごみ等のバイオマス系廃棄物をどうするかということは、とっても今地域でも大きな課題になっていることだと思って、今回入れさせていただいて大変ありがたいと思っています。
 まずどういうふうな課題というか、問題意識を持っているかということを一つ簡単にお話ししたいなと思うんですが。まず、普通に市民として考えると、容器包装リサイクル法はかなり出てきたので、そういう容器包装を分別すると、あと残ったのは生ごみだというのがすごく見えてくるんですね。市民とか、あと商店街とか事業者の方と、じゃあ、地域社会の中で生ごみ全体をどうしようかというのが今いろいろ、私は23区内に住んでおりますが、そういうところの地方自治体の行政などでも非常に大きな話題になっていて、これをどういうふうにしていこうかという、やはりある程度の方向性というのが、自分たちで、地域特性で考えなきゃいけないけれども、国はどういう方向性を持っているのかというのを、それぞれの自治体でこう話し合いながら、物すごく関心を持っているんですね。やはりそういう地域の家庭や事業系の生ごみを、今やはりできるだけ市民は生活上減らそうとか、できるだけ自分の中で乾燥させたり堆肥化したり、地域社会で使うというのはやっていますけれども、もっと広げたときに地域社会の中で、地域とか地域行政がどういう方向性を持ってやってくれるのかというのは非常に関心がありますので、ひとつそういう方向性はもうちょっとはっきり見えてくるといいなと思っています。
 それとともに、少し地方に行ったときや何かは、地域の中でもう少しきちんと市民がシステムをつくっていこうというような動きも出てきておりますので、いわゆる旅館と市民が一緒になって地域社会100件、200件ぐらいの生ごみ循環システムをつくって、お野菜まで循環させて食を考えようというような、そういうコミュニティーをつくっているようなところも出てきています。そういうところを見ていると、今度はそれプラスいろいろな産業界の廃棄物と合わせて、事業者やなんかの廃棄物と合わせてエネルギーを少しきちんと活用していくというような動きも出ています。特に生ごみと畜産資源を一緒にしてメタン発酵させるとか、それで少しエネルギーを使っていくとか、木質系バイオマスと合わせるとか、いろいろな動きも出ております。あるいは、いろいろな自治体で廃食油を集めてそれをエネルギーにするとかいろいろな動きが出ていますので、そういう地域のエネルギーの自立とどういうふうにつながっていくのかということの関心もすごくあると思っています。
 そういう意味で、今後の今、本当に油も高くなったとか、いろいろなエネルギーの問題も強くなってますので、特に京都議定書の目標達成計画の中で、バイオマス資源が非常にCO2削減にとっては大変重要だということで、新エネルギーの中でも大変重要視されていますので、そういう話とどういうふうにここがつながってくるのかとか、何かちょっとそういう少し30年先もちょっと見ながら、5年先と今とがちゃんとつながっていくような、そういう方向性がちゃんと見えてくるとうれしいなというような感じがしています。よろしくお願いします。

【石川座長】 どうも大事なご指摘をいただきました。この資料の中で、どこかちょっと忘れましたが、どこかに大都市とそうでないところ、地方圏だとか地域特性とか、それから地域社会のまちづくりという言葉、資料にまちづくりと書いてあったかどうかわかりません。そういうところにも配慮するというんでしょうかね、そういうところと関係が深いんだということが書いてあります。そういうところを、まさに崎田委員からご指摘があったような観点から議論していくんだというふうに思っています。
 その中で、多少どうするか考えないといけないのが、そういう視点から考えるというのは、かなり長期な視点で考えないと、5年で法律なら変えられますけれども、地域は5年では簡単に変わりませんから、もっと長い目で見ないといけないと。
 一方で、これまで議論があったのは、焦点は5年ないし、たかだか10年でしょうかね。普通の法律の見直しのような形を、将来を見るというような形で考えているわけですけれども、一方で地域とかへの影響とかそういうのを考えるというのは、どうしても一世代以上でしょうね。30年というのを考えないと、なかなか、何もできないという答えしか出ないですから、持たないといけないと思います。そういう意味では、生ごみというのは、最初にちょっと申し上げましたけども、市民から見ると、崎田委員からご指摘あったように、私も今あちこちの自治体でやってますけれども、どこでもそうですね。容リの次はもう生ごみというような話になって大変関心が深いし、自分で何かできるかもしれないと。熱心な人はやってますから。そこでどうするのかというのは非常に関心が深くて、そこで国の方針とか地方行政の出す施策みたいなものはギャップができたり、何か矛盾を起こすと地域がうまく回らなくなるんじゃないかという心配がちょっとあるんですね。
 そういう意味では、考えるのは5年、10年ぐらいで考えるんだけれども、そういうこともあると。つまり市民に協力していただかないと、何事もできないと。そこでの市民というのは、長い目でコミュニティーだとかそういうところを見てやっている可能性が強い。それは一つの制約条件になるんじゃないかと、私は思います。物を考える上でです。ですから、ここで30年先の議論し始めると、それ自身からは5年、10年先どうするかというのがすぐに答えがなかなか出せなくなるかもしれませんけれども。議論自体は、政策に反映できるというような意味では5年とか10年でしょうけれども、そこでは余りそればっかり見ていると、30年先に永遠に市民が求めているところへ行けなくなっちゃうかもしれない。もしくは、その施策が市民の協力を得られない可能性、一番悲劇的な場合はそういうやつですけれども、そういうことすらあり得るというふうなことを念頭に入れて議論していただくというふうなことかなというふうに思います。それでよろしいですか。

【由田廃棄物・リサイクル対策部長】 すみません、ちょっと所用がございまして失礼いたしますけれども、今、聞かせていただいておりまして、先ほど粕谷課長申し上げましたように、当面5年から10年程度の先を見越したような、市町村が今やっているようないわゆる生ごみ、家庭ごみ、あるいは事業系ごみといったものを軸にした議論というのが中心になろうかと思います。
 実はここに集まっていただきましたのはいろんな、これで十分かどうかわかりません。また、ヒアリングなども提案していただければと思うのでありますけども、いろいろな立場の方々、市町村の方で実際に責任を持ってやられている方、あるいはもう一人廃棄物処理法上も事業系一般廃棄物の責任者として責任を持っておられる方々に参加していただいていますし。それから一般廃棄物処理、あるいは産業廃棄物処理そのものを担っていただいている方の代表の方にも参加してもらっていると。それから消費者といいますか、生活者の立場でも崎田先生にも参加をしていただいておりますし、さまざまな立場がございます。
特に農業関係に詳しい方もいらっしゃいます。
 そういう意味で、さっきから出ておりますようにそこを軸にはしていただきますが、それぞれのお立場でもっと将来を見据えたご議論でありますとか、あるいはさらに例えば畜産の生ごみの全体を見据えて、窒素の問題をどうあるべきだとかいうふうなことも、少しこれ時間を長くとっております。次に何かやるために急いで議論をしてまとめてもらいたいということではなくて、1年近い勉強会ということでありますので、ぜひとも幅の広いご議論をいただきまして、ぜひとも有意義な方に方向性を見いだしていただければいいんじゃないかと思っております。
 ちょっと所用ございますので、粕谷課長残してまいりますので、よろしくお願いします。

【伊藤委員】 先ほど来、どういうものを対象にしたらいいかというような議論をされているということなのですけれども、ものの流れを見ますと、例えば汚泥ですね、家庭のし尿の汚泥、これはもう回収システムができて、行政での処理が中心になると思います。農作物関係もまとまった場所からまとまったものが出ます。一般家庭の生ごみが、やっぱり広く点在していまして、容器包装リサイクルもそうなんですけども、家庭での分別ですとか洗浄ですとか、そういうものがリサイクルする上で非常にポイントになりますので、事業系とか産廃はまとまったものがまとまったように出ますので、やっぱり一般からの家庭の生ごみですね、これを皆さんの、国民の協力がないと、これは必ず失敗するかと思います。
 今、やっぱりカラスのえさになったりとか、都市部ではそういう問題もありますし、やはり一人一人の認識が重要かと思いますので、広い意味で考えるとそこを中心に持ってった方がいいんじゃないかなと思いますけれども。

【石川座長】 何を議論するかについて、いろいろご意見いただきました。基本的には、5年、10年程度のタイムスケールで、中心的には生ごみから入っていくけれども、当然それは産業廃棄物であるとか、広い意味でのバイオマスに関係があると、いろいろな意味であるわけです。技術的にもそうですし、また一方で地域ということを考えたときには、家庭系の、コミュニティーをつくるとかいうようなことからいけば、当初私は気がつかずにもう要らないと言っちゃいましたけど、木質系のバイオマスの話も重要な市町村も当然あるでしょうから、そういうことを念頭に入れて議論をしていくということにさせていただきたいと思います。
 それから、ちょっと司会が悪くて時間が押してしまいました。まだ用意していただいている資料がございますので、資料5についてこれは山田委員からご説明いただくのでしょうか。ちょっと時間が短くなって申し訳ない。

【山田(正)委員】 じゃあ、手短にご説明させていただきます。
 ちょっと生ごみ、家庭系の生ごみではなくて産業廃棄物であって、また、事業系のものも一部しかまだ含まれていないので非常に不完全なものではありますが、国立環境研究所としてのこういったバイオマス系の廃棄物の研究のご紹介をしたいと思います。
 まず資料5-1は、バイオマス系の廃棄物の特性として腐りやすいという特性がございます。それからもう一つ、信用がないと使えないと。品質が非常に不安定なもので、信用がないと使えないと。というわけで、輸送の問題、物流の問題というのが非常に重要でございます。そこで、私たちでは、産業廃棄物ですけれども、有機性廃棄物の移動の研究をしています。その例が資料5-1なのですが、フィールドとしては埼玉県にご協力いただきまして、やっております。資料5-1は、埼玉県で発生している有機性汚泥、植物性油脂、木くず、動植物性残さといったバイオマス系の廃棄物の発生量。それから動植物性残さ、また木くずの発生形態ですね。もう少し細かくブレークダウンした発生形態をお示ししております。動植物性残さの場合は植物系が多いと。木くずの場合は家屋解体が一番多いですが、かんなくず、ベニヤみたいなものもそれなりに出ているというようなものがございます。
 それから2枚目、裏に行きますと、それぞれの品目が実際どのような処分、または資源化をされているかという割合を示してございます。動植物性残さの場合は、事業系一廃として市町村処理されている部分もありますが、飼料、肥料というところが非常に多くなっています。また、木くずの場合は肥料のほかに燃料という用途もございます。それから有機性汚泥の場合にはセメントというのがございます。これは埼玉県の場合は、地場産業としてセメント産業、非常に大きいのがございますので、そこに入っていくということを示しています。
 3ページ目ですが、これが実際に動植物性残さの場合にどこにどのような用途で動いていくかという、循環の広がりをあらわしている図になります。埼玉県の一部の中の市町村別の発生量がまず色分けで示してございますが、こうして発生したものが、緑で描いてあります左の下の方はこれは処分に回る方ですが、これぐらい動いていると。東京都?とついていますのは、恐らくやっている会社の所在地が東京で、施設が東京にあるわけじゃないと思います。ちょっと?ということにしております。わからないと思ってください。
 それから右の方が、実際に利用されている部分であります。自社処理でされているもの、ちょっとわからないところが多いのですが、ございます。それから売却、要するに有価物で動いているものとしては、飼料、肥料というところが多いというところであります。動いている範囲としては、近県もありますが、奈良県とか非常に遠いところまで動いていくのもございます。それから、ここで重要なのは、1回廃棄物として中間処理業に委託されてから再利用されることが非常に多くあります。それについては、燃料、飼料、肥料、建築材料、セメントなどありまして、遠いところでは福岡県など、非常に遠いところで動くというわけでありますが、全体としては関東近辺で生ごみはやはり動いているというのが現状であると。というのが、生ごみといいますか、動植物性残さが動いているのが廃棄有価物です。 
 それでもう一つございますが、資料5-2は、このようにいろいろな地域からいろいろな種類の有機性廃棄物が発生するわけですが、それをどのように使っていったらいいのかという一つの取り組みとして、例えば動植物性残さとか木くずとか、またもうちょっとくだいて植物系とか動物系とかいうふうにいった場合に、もう少し中身、組成ですね。何がどのように含まれているのかというのを細かく見ていかないと、適切な用途に使われない、価値が高いもの、低いものを見分けられないのじゃないかということで、そのようなデータベースをつくろうという取り組みをしております。1ページ目は、今言ったようなことを書いてあります。乳酸発酵と書いてあるのは、たまたま我々はいろいろな技術の中に乳酸発酵を研究しているというところであります。
 二番目としては、2ページ目は、そういった成分別のデータベースをつくっていこうということです。
 3ページ目になぜ成分を示さなきゃいけないかというところで、技術としてはこのような広がり、発酵、または減量という二つに分けてございますが、そのような広がりがあると。これ、それぞれの用途に何を持っていったらいいのかという判断材料にしたいということです。
 4ページ目はちょっと抜かしまして、5ページ目をめくっていただきます。じゃあ、こういった例えば組成データがあると何ができるかという例ですけれども、これはもう既存の文献等から集めたもので、我々が新しくつくった式ではないのですが、例えばメタンガス発生量をそういう組成から推計することができるという例であります。
 それから6ページ目は、アルコールや乳酸発酵の収率を組成から予測することができるということがあります。
 それから7ページ目は、例えば炭化する場合とか熱利用する場合の炭化物の収率、または発熱量みたいなものを組成から推計することができるというようなことで、こういった技術を選ぶときにその地域から出てくるごみの性質を見て、どの技術を入れるべきかという判断するための材料になるというわけであります。
 実際にどうかというのが8ページ目からのデータです。細かい数字はあれですけども、例えば我々はトマト残さ、なす残さとかですね、農業系廃棄物、食品系廃棄物、かなり細かいところの組成、糖質、リグニン、セルロース、ヘミセルロースみたいな、比較的食品分析のような分析をしまして、それから例えば乳酸にしたらどれぐらいの収量が得られるだろう。または燃焼したらどれぐらいのカロリーが得られるだろう、のような予測をするわけです。
 9ページも同じような話ですが、実際のデータとしてはまだやりかけで、全部ここに載せられていないのですが、11、12はどこからデータを持ってきたかという話です。なかなか発生、原単位というのをつくっていくわけですが、その原単位の分母の方を何にするかというのは非常に難しゅうございまして、なかなか経済統計というのは、個別事業所の経済統計は得られないものなので、それを従業員数でやろうとか、そういう工夫をしています。 そういった原単位を使って、15ページにありますが、卸売業、飲食業、小売業、学校等、発生業種別の有機性廃棄物の量をこのように予測するわけです。これは最初に私がお見せしたのと同じようなやり方ですが、ということができると。 
 また、16ページにありますような、こういった分析、先ほどのような細かい分析をしていきますと、17ページにありますような、それぞれの循環技術に対して必要な項目、これは製品なり、または利用用途において目的となる項目だけではなくて、安全性を担保するような項目に重要であると。例えば飼料にするときに、重金属等が含まれていたらそれは使えませんので、そこも含めていくというような、こういった項目を図っていくと。
 今やっていますのは、18ページにあるような産業分類の再分類に対して、それぞれ原単位を当て込んでいるということで、まだ19ページのようなちょっと寂しい状況ではありますが、こういった比較的細かい業種から出てくるものについての組成データベースというのを作っています。これを組み合わせていって、実際の集めたものに対する技術を選んでいくというのが最終的な目的としてやっているということです。
 ご参考までに、このような取り組みをやっていると。こういった生ごみのリサイクルを
考えるときには、技術的にはこういったことが必要であろうということです。以上です。

【石川座長】 どうもありがとうございました。かなり大規模な調査になるかなというふうに思いますが、中間的なところを報告していただきました。
 今のご説明で、何かご不明の点はございませんでしょうか。細かい点は、また後ほどでも議論はできるかと思いますが、よろしいでしょうか。それでは、ご用意した資料のご説明、ご議論は、既にフリーディスカッションのような形になって、有益なご指摘たくさんいただきました。実は資料を紹介した後、フリーディスカッションを30分くらいかなと思いましたが、もう途中で突入してしまいましたので、それはそれでよかったかなというふうに思います。
 用意した時間はあと5分程度ですが、全体の、主に進め方とか、議論すべきこと、その他で何かご指摘はございませんでしょうか。はい、どうぞ。

【大塚委員】 文献等、参考にさせていただきまして、いろいろ勉強させていただきましたが、ウエット系の廃棄物で、特に生ごみを中心としながら全体を見ていくと。その中に産業廃棄物の部分もおのずから見えてくるであろうという形の進行ということで、理解をさせていただいたのですが、若干申し上げますと、発生抑制につきましては生ごみの、家庭系の廃棄物と、それから企業系の廃棄物は全く違いますので、意識の問題とかシステムの問題。ですから、そこに余り長時間かけられますと、全体のリサイクルも含めました社会システム、特に古市先生が指摘されたように、コンポストだとかいろいろなものをつくりましても、経済構造がそうなっていないのでさっぱりさばけない、過剰になってくるんじゃないかというような指摘も、現にやっている業者からもそういう指摘があります。それは社会システムの問題、経済システムの問題だと思います。それから技術的な問題、悪臭だとかいろいろな問題で今、苦しんでいます。
 そういった部分をこの5年間の間、それこそ5年の間ぐらいにそういった光が見えてくるような方向が、もし専門家の人たちの間から指摘していただければ、この検討会、非常に有意義になると思いますので、その辺はちょっとバランスをとって議論していただければありがたいなと、そう思っておりますので、よろしくお願いいたします。

【石川座長】 そうすると、主にコンポストかなというふうに思いますが、コンポスト、もしくはそれに足すとすれば、飼料化か何かでしょうかね。そういうので何かポジティブな事例とか情報があればということですね。

【大塚委員】 メタン化発酵の部分につきましても、一部市町村でおやりですけれども、悪臭の面で悩んでおられるケースもあります。それから、残渣物、汚泥処理などで、やはり悩んできています。副作用が出てきて、悩みを持っておられます。
 それから先ほど話ありました、生ごみと家畜ふん尿とを混合して処理する場合には、どういう技術的な問題が出てくるのか。単品だけではというよりは、より合理的なのか。これは循環資源の中の一つのキーワードを握っておりますので、その辺のところの光を見せていただければ、進んでくる可能性は随分出てくるんじゃないかなと思っております。

【石川座長】 主にうまくいっている事例でどういうのがあるかということなんでしょうか。ちょっと問題点を調べ……。じゃあ、そういう事例をもしご存じの方がおられましたら、ぜひ事務局の方にお知らせいただきたいと思います。
 それでは、もしほかにご意見ないようでしたら、次回の予定その他、事務連絡に入りたいと思います。よろしいでしょうか。それではお願いします。

【松澤廃棄物対策課長補佐】 お手元に配付させていただきました日程表ございますので、これをお席の方に残しておいていただければと思います。これで次回、第2回、第3回につきまして、石川先生とご相談して早速予定を決めまして、先生方にご連絡をいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

【石川座長】 以上で議事は終了としたいと思います。どうも熱心で、かつ率直なご議論ありがとうございます。今後もこの調子で行きたいと思います。どうもありがとうございます。

午後12時00分閉会