■一覧■

(旧厚生省情報)


平成9年3月31日
<照会先>
 厚生省生活衛生局水道環境部
 計画課地域計画室
      担 当 藤田 (内4012)
      電 話 (代)03-3503-1711
          (直)03-3595-2364

大阪湾フェニックス計画の変更の認可について

1.概要
近畿圏における廃棄物の最終処分場確保のため、平成2年から2つの埋立処分場で近畿2府4県からの廃棄物の最終処分を行っている「大阪湾フェニックス」計画は、一部区画の埋立てが平成10年度に完了する見通しとなった。
このため、大阪湾広域臨海環境整備センターは、近畿圏における廃棄物の安定的な処分を確保するため、神戸沖に新たな埋立処分場を整備するべく基本計画の変更を主務大臣(厚生大臣及び運輸大臣)に申請していたが、3月31日付で基本計画変更の認可を行った。

2.フェニックス計画について

首都圏、近畿圏等の大都市圏における廃棄物の最終処分場確保のため、厚生省と運輸省は、昭和56年6月に制定された「広域臨海環境整備センター法」に基づき、いわゆる「フェニックス計画」を推進している。
「フェニックス計画」は、地方公共団体及び港湾管理者が出資して「広域臨海環境整備センター」を設立し、都府県の区域を越えて共同利用する広域的な最終処分場を港湾区域内の海面に整備するもので、現在、大阪湾圏域で事業を行っている(大阪湾フェニックス計画)。

3.大阪湾フェニックス計画の現状

「広域臨海環境整備センター法」に基づき、近畿圏の地方公共団体、港湾管理者が出資して昭和57年に「大阪湾広域臨海環境整備センター」が設立され、尼崎沖及び泉大津沖に2つの埋立処分場を整備してそれぞれ平成2年及び4年から近畿2府4県の廃棄物の受入れを行っている(表1)。
平成7年度の廃棄物受入量は、近畿圏の広域処理対象区域における一般廃棄物最終処分量の約3割、上下水汚泥最終処分量の約6割、産業廃棄物最終処分量の約1割に達するとともに、全体でも約2割に達しており、大阪湾フェニックス計画は、近畿圏における廃棄物の安定的な処分のため重要な機能を果たしてきている。
また、平成7年の阪神・淡路大震災に伴い発生した災害廃棄物の受入れを行い(約262万トン)、災害復旧にも大きく貢献している。
平成9年2月末現在、現処分場は約5割の埋立が終了しており、管理型区画は平成10年度、安定型区画は平成15年度頃に埋立が完了する見通しとなっている。

表1 大阪湾フェニックス計画における廃棄物処分量
単位: 万立方メートル
  計 画 量 実 績 量
尼崎沖
処分場
泉大津沖
処分場
尼崎沖
処分場
泉大津沖
処分場
管理型区画
(注1)
400 1,000 1,400 297
(74%)
480
(48%)
777
(56%)
安定型区画
(注2)
1,100 2,000 3,100 742
(67%)
777
(39%)
1,519
(49%)
合 計 1,500 3,000 4,500 1,039
(69%)
1,257
(42%)
2,296
(51%)
()内は計画量に対する比率。平成9年2月末現在 (注1) 管理型区画:一般廃棄物及び産業廃棄物のうち上下水汚泥、燃え殻等の管理型廃棄物を処分するための区画。 (注2) 安定型区画:産業廃棄物のうち廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず等の安定型廃棄物を処分するための区画。

4.大阪湾フェニックス基本計画の変更について

(1)背景・経緯

既存の埋立処分場の管理型区画は平成10年度に埋立てが終了するものと見込まれ、近畿圏における廃棄物を継続して広域処分する必要があること、また、将来の多様化・高度化する港湾需要に対応するため、臨海部で新たな土地造成が求められていることから、新しい埋立処分場の建設が必要となっている。
このため、大阪湾広域臨海環境整備センターは、新たな処分場整備等のため、基本計画を変更することとし、地元関係機関との調整、関係住民への公告・縦覧等を経て、平成9年2月に基本計画の変更の認可を主務大臣(厚生大臣及び運輸大臣)に申請した。
これを受けて、主務省で審査を行うとともに、広域臨海環境整備センター法第20条第4項の規定に基づき関係行政機関の長(環境庁長官、農林水産大臣、通商産業大臣、建設大臣、自治大臣)に協議を行った結果、平成9年3月31日付けで基本計画変更の認可を行うこととなった。

(2)基本計画変更の概要

今回の基本計画変更の概要は次のとおり。
(1)神戸沖に新たな管理型の埋立処分場(埋立面積88ha、埋立容量1,500万m3)を整備する。
(2)受入対象区域を現在の149市町村から171市町村に拡大する。(兵庫県内の20市町、和歌山県内の2町を追加。)
(3)新たに整備する神戸沖埋立処分場で受け入れる廃棄物の種類、量を設定し、既存の埋立処分場で受け入れる廃棄物の種類、量を見直す。
(4)埋立期間を表2のとおり延伸する。

表2 埋立処分場の埋立期間
埋立処分場 管理型区画 安定型区画
泉大津沖処分場 平成3年度~10年度 平成3年度~15年度
尼崎沖処分場 平成元年度~10年度 平成元年度~15年度
神戸沖処分場 平成11年度~17年度

5.今後の予定
今回の認可を受け、大阪湾広域臨海環境整備センターは、新処分場整備のための諸手続を経て、平成9年度中に建設に着工し、平成11年度から神戸沖の新処分場で廃棄物の受入れを行う予定。