報道発表資料本文


第7回日中韓三カ国環境大臣会合
2005年10月22・23日 ソウル
共同コミュニケ(仮訳)


  1. 李在庸大韓民国環境部長官の招待により、解振華中華人民共和国国家環境保護総局長と小池百合子日本国環境大臣はソウルを訪れ、2005年10月22日及び23日に第7回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM7)を開催した。
  2. 三大臣は、TEMM6後の各国における環境管理の進展について見解を共有した。三大臣は、科学的発展観に基づく環境に優しい社会を構築するとの意思を明確に盛り込んだ中国の次期五カ年計画の骨子を歓迎した。三大臣は、TEMMが北東アジア地域における地域環境協力の推進と持続可能な開発の達成に重要な役割を果たしていると認識した。三大臣は、三カ国が様々な地域の課題に対して、引き続き共同して対処していくことを確認した。
  3. 三大臣は、循環型社会の構築は北東アジアにおいて持続可能な開発を達成するために不可欠であると再確認した。三大臣は、三カ国が様々な取組を通じて循環型かつ環境にやさしい社会の構築を図っていることを認識した。この点について三大臣は、9月8日及び9日に北京で開催された三カ国循環経済シンポジウムが、三カ国の経験が共有されるよい機会として成果をあげたことを歓迎した。また、4月に東京で開催された3Rイニシアティブ閣僚会合を歓迎した。三大臣は、本課題に対する三カ国間の協力を強化するため、三カ国が今後3年間にわたってTEMMの重要な活動と位置づけて、循環型社会/循環経済及び3R活動に関する共同セミナーやワークショップを交替で開催していくことに同意した。
  4. 三大臣は、京都議定書が2月に発効したことを歓迎し、国連気候変動枠組条約(UNFCC)の究極目標の達成に向けた第一歩としての重要性を再確認した。これに関連して、三大臣は、世界のコミュニティーが気候変動問題に対処するため更なる行動をとることが必要であると再確認した。三大臣は、今年の11月28日から12月9日までモントリオールで開催される気候変動枠組条約第11回締約国会議及び京都議定書第1回締約国会議において、京都議定書の実施と気候変動問題に対する更なる地球規模の取組に前向きな成果を得ることへの期待を表明した。三大臣は、共通だが差異のある責任の原則に基づき、特に普及啓発および技術開発、実施および移転の分野での国内の努力及び国際協力を三カ国が推進していくことを再確認した。これに関して、三大臣は、クールビズキャンペーンは、ビジネスにおける軽装を国民に呼びかけることにより省エネルギーの推進に効果があるとの見解を共有した。三大臣は、クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップについて、気候変動枠組条約に基づく三カ国の取組と整合し、及び貢献するものであって、京都議定書を代替するものではないものとして、その開始を歓迎した。
  5. 三大臣は、北東アジア地域における黄砂の問題ついて注目した。三大臣は、環境管理やモニタリングのキャパシティビルディングの必要性と、モニタリングネットワークならびに国内及び関係する二国間のプロジェクトを通じて得られたデータの共有を推進することの必要性について認識した。北東アジア地域におけるADB-GEF黄砂地域技術支援プロジェクト(RETA)の成果を歓迎するとともに、さらなる活動のための関連のプロジェクト開発に協力して取り組むことに合意した。これに関連して、三大臣は2005年8月に筑波で開催された北東アジア地域の黄砂モニタリング専門家ネットワーク準備会合の成果、ならびに今後の活動の基礎となる地上モニタリングと情報交換に関する、今年6月の中韓の合意について歓迎した。
  6. 三大臣は、三カ国において酸性雨が深刻な問題であることに留意し、東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)活動と北東アジア長距離越境大気汚染(LTP)の今後の発展に関する議論に三カ国が参加することの重要性を認識し、EANETの活動及びLTPに関する共同研究の推進に対処する決意を再確認した。
  7. 三大臣は、TEMMプロジェクトが成果を重視し、かつ効果的・効率的に実施されていることを認識した。そして、三大臣は、TEMMプロジェクトの成果、特にグリーン購入の促進やエコラベルの基準の調和を開始するといった最近の活動や、こどものための共通教育教材の作成を賞賛した。
  8. 三大臣は、北東アジア地域における環境管理の状況をレビューし、地域におけるTEMMの役割の強化方法を模索するため、7月14日及び15日に第1回作業部会が済州島で開催されたことに留意した。三大臣は、この課題に関して作業部会の更なる活動への期待を表明した。三大臣はまた、作業部会がTEMMの成果の効果的な実施を促進することへの期待を表し、作業部会に対し、FTAにおけるEIAや家電廃棄物等のTEMM7の成果に関して、今後の協力活動についての計画の作成を要請した。
  9. 三大臣は、北太平洋の海洋と沿岸環境の保全のためには、三カ国が北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)の枠組みのなかで、様々な種類の漂流ごみに対する協力を含めて、更なる協力に向けて引き続き共同して取組むことが必要であるとの認識を共有した。三大臣はまた、地域調整部(RCU)を通じたNOWPAPの活動の推進に対する期待を共有した
  10. 三大臣は、三カ国が生態系保全のために、東アジア・オーストラリア・フライウェイを通じた渡り鳥の生息地保護に関する地域枠組みの構築を含め、具体的な行動を継続することを確認した。三大臣は、生物多様性条約の枠組みの中で侵略的外来生物による被害を軽減するため、情報交換の協力を強化することに対して関心を示した。
  11. 三大臣は地域の水環境の保全と管理における三カ国の協力の重要性を認識した。この点について、三大臣は、水環境保全に関する情報プラットフォームを提供することによる水環境管理のガバナンスとキャパシティ・ビルディングの強化を目的とした、アジア水環境パートナーシップ(WEPA)を通じて提供された情報を認識した。
  12. 三大臣は、残留性有機汚染物質(POPs)から人々の健康と環境を守ることを目的としたストックホルム条約の要請に関する協力の重要性を認識した。三大臣は、ストックホルム条約の枠組みの下でPOPsに関する情報共有の有用性を認識した。
  13. 三大臣は、地域の環境問題に対処することを支援するため、北東アジアでの共同研究を推進する必要性を認識した。この点について、三大臣は、韓国の国立環境研究院、中国の環境科学研究所及び日本の国立環境研究所で構成される三カ国環境研究機関長会議(TPM)によって推進される共同研究の進展を歓迎した。三大臣は、来年韓国で開催される第3回TPMにおいて三機関からもたらされるであろう将来の協力を認識した。
  14. 三大臣は、ASEAN+3環境大臣会合など他の地域レベルや地球規模の環境会議に、TEMMの成果を提供すべきとの認識を共有した。三大臣は、韓国のホストにより5月にソウルで開催された第5回UNESCAP環境と開発に関する大臣会合(MCED)の成功を賞賛した。三大臣は、「グリーン成長」の考えを支持することを再確認し、ソウルイニシアティブのフォローアップの実施に協力する意欲を表明した。
  15. 中国と日本の大臣は、11月にウガンダで開催されるCOP9における韓国によるCOP10の招致キャンペーンを含め、2008年に開かれる「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」(ラムサール条約)のCOP10の韓国に招致する努力を歓迎した。
  16. 三大臣は次回のTEMMは中国で開催されることに同意した。時期及び開催地は中国が提案し、日本と韓国が確認する。
  17. 今年の会合が友好的な雰囲気で行われたこと、及び積極的な成果を収めたことに満足の意を表した。解大臣と小池大臣は、李大臣及び開催国の温かい歓迎ともてなしに対して感謝の意を表した。

李在庸
環境部長官
大韓民国

解振華
国家環境保護総局長
中華人民共和国

小池百合子
環境大臣
日本国




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