平成19年2月20日
大気環境

全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)平成18年度夏期観察の結果について

 全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)は、全国各地で一斉に、肉眼や双眼鏡を使った身近な方法によって星空観察を行うものです。
 参加者に光害や大気汚染などのない清澄な大気への関心を高めてもらうことを目的に、昭和63年(1988年)から、毎年2回(夏期及び冬期)実施している事業です。
 環境省では、本事業を通じて清らかな大気の大切さを広くアピールするとともに、本調査結果を参考にしつつ、上空への漏れ光が少ない照明器具や明るすぎない照明を普及するなど、良好な屋外照明環境の形成、ひいては、温暖化の防止や地域の大気汚染の改善に向けて、より一層の施策の推進を図っていくこととしています。

平成18年度夏期観察の結果(平成18年8月15日〜8月28日実施)
  1. 参加団体は47都道府県の416団体、参加人数は延べ7,541人。
  2. 観察の結果において、星の観察に適していた場所の上位は、長野県阿智村あちむら、岩手県一関市いちのせきし、静岡県川根本町かわねほんちょうなど。

平成18年度夏期観察の結果概要

(1)観察期間

平成18年8月15日〜8月28日 (1日以上観察)

(2)参加団体・参加者数

 全国から554団体の参加申込があったが、天候不順等の影響により416団体(439地点)が観察を実施した。観察の延べ参加者数は7,541人であった。(昨年度夏期は427団体、延べ7,325人が参加。)(図1

(3)観察結果

[1] 肉眼による天の川の観察
 肉眼で「天の川」の高度の異なる部分(白鳥座付近[高々度]、たて座付近[中高度]、いて座付近[低高度])の見え方を観察した。(図2
 星座の高度に応じて見え方に違いがあり、高度が低いほど「夜空が明るくて天の川が見えない」という回答の割合が高くなったことから、地上に近いほど人工光の影響を受けていることが確認できる。
[2] 双眼鏡による観察結果

 双眼鏡を用い、こと座の1等星(ベガ)を含む三角形付近の星を対象に観察し、「平均観察等級」(何等級の星まで見えたのかの平均)を都市規模別にまとめた。(図3

規模の大きな都市ほど明るい星しか見えず、星が見えにくいという結果となっている。

[3] カラースライド写真から求めた「夜空の明るさ」

 一般参加団体及び定点観察地(全国24地点)による天頂付近の星空を撮影したカラースライド写真から、星の明るさを表す「等級」を単位とする「夜空の明るさ(mag/□")」を算出。

※mag/□"(マグニチュードパー平方秒角)
 夜空の明るさを示す単位で値が大きいほど夜空が暗く、星が見えやすいことを示す。 天空の写真をスライドにしてスライド上で星が存在しない部分の明るさ(mag)を単位平方秒角あたり(□")で示したもの。
ア.一般参加団体による写真撮影結果(表1、2、[参考])

 各参加団体が撮影したカラースライド写真の分析結果を都市規模別(表1)、周囲の土地利用状況別(表2)に整理し、それぞれ平均値を求めた。

表1 都市規模別に見た「夜空の明るさ」(平成18年度夏期)
都市規模観察数平均値(mag/□″)
巨大都市 9 16.9
大都市 23 18.7
中都市 34 19.4
小都市 93 21.3
全体 159 20.3
表2 観察地点の周囲の土地利用状況別に見た「夜空の明るさ」(平成18年度夏期)
周囲の土地利用状況観察数平均値(mag/□″)
商業地域 21 17.9
工場地帯 3 19.9
住宅地 44 19.7
農業地域 21 21.2
森林・山間地 38 21.8
その他 13 20.3
未記入 19 19.9
全体 159 20.3
イ.定点観察地における写真撮影結果

全国24地点の定点観察地で実施した結果をまとめ、経年変化をグラフで表した。(図4

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局大気環境課大気生活環境室
代表 03-3581-3351 
 直通 03-5521-8298 
 室長:内藤 克彦(内線6540)
 室長補佐:波多野 実(内線6541)
 担当:島田 佳代子(内線6544)