全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)平成23年度夏期観察の実施及び平成22年度観察の結果等について(お知らせ)
全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)は、全国各地で一斉に星空観察を行うもので、昭和63年から毎年2回(夏期及び冬期)、23年間継続して実施されてきています。
平成23年度全国星空継続観察の夏期観察は、平成23年7月21日(木)から8月3日(水)の期間に実施します。是非ご参加ください。
なお、平成22年度全国星空継続観察には、夏期及び冬期を合わせて全国627団体、8,556人が参加しました。
全国星空継続観察は、光害や大気汚染などのない清澄な大気への関心を高めてもらうことを目的に、全国各地で一斉に肉眼や双眼鏡、カメラを使った身近な方法によって星空観察を行うとともに、夜空の明るさについて継続的なデータを収集するものです。
昭和63年(1988年)から、環境省の呼びかけにより、全国様々な団体・個人の協力を得て、毎年2回(夏期及び冬期)、23年間継続して実施されてきました。
平成23年度夏期の観察からは、「スターウォッチング・ネットワークへの参加の呼びかけ」(次頁)に基づいて、全国の様々な団体・個人の連携により実施されることとなります。
また、従来フィルムカメラで行っていた写真撮影による「夜空の明るさ」の測定は、今回からより新しい技術を取り入れることとし、デジタルカメラでの測定に移行します。
環境省は、このような国民参加型の運動についての支援を必要な範囲で行うこととしています。
1.平成23年度夏期観察の実施
(1)観察期間
平成23年7月21日(木)〜8月3日(水)(参加者は期間中に1日以上観察)
(2)観察方法
[1]肉眼による観察
高度の異なる天の川の3部分(はくちょう座付近、たて座付近、いて座付近)を観察する。
[2]双眼鏡による観察
こと座のおりひめ星(ベガ)を含む三角形付近の星について、何等級の星まで見えたかを観察する。
[3]星空の写真撮影(23定点の他は任意)
レンズ交換式デジタル一眼カメラ(2008年以降に発売された機種)を使用し、天頂部分の夜空を撮影する。
(3)参加方法
都道府県・政令指定都市・中核市の大気環境行政担当部局へ参加申込みを行う。
環境省子どものページ(スターウォッチング・ネットワーク)にも掲載している。
(http://www.env.go.jp/kids/star.html)
(4)定点観察
別途依頼している全国23地点の定点観察地においての観察。一般参加団体による写真撮影の方法(上記の(2)[3])等で行い、夜空の明るさを測定する。
- ※その他:
- 「伝統的七夕ライトダウン2011キャンペーン」とも連携しています。(http://7min.darksky.jp/)
スターウォッチング・ネットワークへの参加の呼びかけ
環境省の全国星空継続観察(スターウォッチング・ネットワーク)事業予算は、事業仕分けの結果に基づき廃止となりました。
しかし、環境省が呼びかけの中心になってきたとはいえ、スターウォッチング・ネットワークの実態は、多くの地方公共団体や関連の団体等の協力、多くの国民・こどもの参加を得て実施されている、市民参加型の全国活動といえます。
また、その活動は、光害の防止、大気の保全に係る普及啓発の重要な機会であるのみならず、自然を知り、環境に親しみ、広く環境保全意識の醸成を図る環境教育の機会です。また、夜空の明るさなど科学的な知見の蓄積・活用を図る重要なものとなっています。
さらに、スターウォッチング・ネットワークは、国際的にもユニークな観測網であり、蓄積された知見は世界的にも貴重な天文学上のデータとなっています。
加えて、節電が社会的な課題になったことを背景に、過剰な照明の見直しの機運が高まるなど、スターウォッチング・ネットワークに対する関心も高まることが期待されます。
このような状況を踏まえ、私たちは、この活動を全国的に継続し、より新しい科学的知見や技術を取り入れるなどしながら発展させていくことが重要であると考え、多くの方々に対し、本年度以降も、スターウォッチング・ネットワークに主体的に参加していただくよう呼びかけます。
- 2011年6月吉日(呼びかけ人一同)
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- 飯島 道行
- 社団法人日本望遠鏡工業会事務局長
- 今村 隆史
- 独立行政法人国立環境研究所環境計測研究センター長
- 内田 重美
- 東亜天文学会 光害防止課長
国際ダークスカイ協会(IDA)日本セクション幹事 - 大村 卓
- 環境省水・大気環境局 大気生活環境室長
- 岡島 成行
- 公益社団法人日本環境教育フォーラム 理事長
- 柏木 順二
- 財団法人日本環境協会常務理事
- 片山 徹
- 社団法人海外環境協力センター 専務理事
- 加藤 賢一
- 日本プラネタリウム協議会理事長、大阪市立科学館館長
- 久保 久良
- 「星空の街・あおぞらの街」全国協議会会長
- 小石川 正弘
- 日本公開天文台協会 会長
- 香西 洋樹
- 佐治天文台 台長
- 阪本 成一
- 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授、
宇宙科学広報・普及主幹 - 土佐 誠
- 仙台市天文台 台長
- 的川 泰宣
- NPO法人・子ども・宇宙・未来の会会長
宇宙航空研究開発機構名誉教授 - 嶺重 慎
- 京都大学教授、天文教育普及研究会会長
- 渡部 潤一
- 国立天文台 天文情報センター 広報室長、
日本天文協議会運営委員会委員長