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平成12年度における「国の事業者・消費者としての環境保全に向けた
取組の率先実行のための行動計画」の実施状況について(概要)


  政府は、環境基本計画(平成6年12月16日閣議決定)に基づき、平成7年6月13日、各省庁に共通した実行計画として、「国の事業者・消費者としての環境保全に向けた取組の率先実行のための行動計画」(以下「計画」という。)を閣議決定し、これを推進してきたところであるが、この度、環境基本計画推進関係省庁会議申合せに基づき、平成12年度における各府省の取組の実施状況について調査を行い、以下のとおり取りまとめた。
 なお、平成12年度をもって計画の対象期間が終了したことから、今回は最終的な計画の目標達成状況について取りまとめている。

1 数量を伴う目標の実績数値等について

◎ 13項目中4項目において計画目標を達成できた。

 本計画で定める具体的な数量を伴った目標に係る13項目の実績数値及び「行政事務に伴い直接的及び間接的に排出される二酸化炭素の実重量」の推計値と計画目標を比較した結果を、表1、表2のとおり取りまとめた。

 平成12年度に計画目標が達成できたものとしては、用紙類中の初めて使用する木材パルプの使用量、事務所単位面積当たりの上水使用量、公用車で使用するガソリンの量、エネルギー供給設備等で使用するLPGの量 がある。また、計画目標を概ね達成できたものとしては、エネルギー供給設備等で使用する重油の量がある。

 計画目標を達成できなかったものとしては、年々増加傾向にあった事務所の単位面積当たりの電気使用量やエネルギー供給設備等で使用する都市ガスの量及び各事務所から排出される廃棄物の量とそのうちの可燃ごみの量 のほか、用紙類の使用量や、平成7年度の数値からほぼ横ばいに推移している公用車で使用する軽油の量やエネルギー供給設備等で使用する灯油の量がある。また、公用車のうち通常の行政事務の用に供するものに占める低公害車の割合については、平成11年度、平成12年度において伸びたものの、計画目標は達成できなかった。

 行政事務に伴い直接的及び間接的に排出される二酸化炭素の実重量の推計値については、平成7年度水準を下回って推移しており、概ね抑制されている。

2 計画を推進するための取組について

 本計画を推進するために、各府省で推進体制が整備されたことを始めとして、計画の趣旨を周知するための取組や、「霞ヶ関自転車利用システム」、「物品等の環境付加の少ない仕様、材質等に関する推奨リスト」に関する個別製品リストの導入などを行ってきた。

3 まとめ

 平成12年度までの取組の総括と今後の課題は以下のようにまとめることができる。

(1)全般的事項
 本計画に基づき、職員の間で環境保全に向けた各種の取組が進められた結果、いくつかの計画目標について着実な進展が見られ環境負荷の低減が図られたほか、二酸化炭素排出量についても、平成7年度水準を下回って推移してきている。また、政府としての率先した取組が、地方公共団体を始めとした各主体の自主的積極的な行動の促進に寄与したと考えられることからも、政府自ら一事業者・消費者として環境保全に取り組んだ意義は高く、一定の効果があったものと評価することができる。

 他方、本計画において数量的な削減目標を定めたものの、平成7年度の実績から年々増加してきている項目があるほか、本府省と比べると地方支分部局等での取組は必ずしも進展していないなど、課題はまだ残されているといえる。

 本計画終了後の取組に当たっては、これらの課題を念頭に置いて進めていくことが重要であり、率先実行計画に基づく取組のうち物品調達については、平成12年5月に制定されたグリーン購入法に基づき、各府省ごとに調達方針を毎年策定し積極的に取組を推進する。また、その他の通常の経済活動の主体としての活動についても、地球温暖化対策推進法に基づいて策定される政府の実行計画に基づいた取組を推進していくことが重要である。

 また、本計画については、これを推進するための仕組みが必ずしも十分なものではないとの指摘がなされ、改善が求められてきている。このようなことから、平成12年12月に閣議決定された第二次環境基本計画では、政府は、環境に関する方針の達成に向けて取り組んでいくための体制・手続である環境管理システムの導入に向けた検討を進めることとされており、今後は、積極的にこの具体化を図っていくことが重要である。

(2)個別的事項

 今後の具体的取組に当たっては、各職員の日常的な取組が重要であり、本計画の目標を達成できなかった項目の中でも、「用紙類の使用量の削減」、「電気使用量の削減」及び「廃棄物の量とそのうちの可燃物の量の削減」に関する以下のような取組を特に積極的・重点的に推進することが重要である。

用紙類の使用量に関しては、平成12年度において平成11年度より減少しているが、更に積極的に削減を推進していくため以下の取組の一層の徹底を図る。
両面コピーの徹底、ミスコピーの削減、使用済用紙の裏面使用、使用済封筒の再利用、不要なプリントアウトの抑制等により紙の使用量を一層抑制する。

電気使用量に関し、職員一人一人に増加傾向にあることを認識させるとともに、その削減のため以下の取組の一層の徹底を図る。
昼休みの全館一斉消灯や夜間における必要最小限の範囲での点灯等、不要時・不要箇所の照明を消灯する。
OA機器等の電源をこまめに切る。
OA機器等の導入の際には、待機時の消費電力等の省エネルギー性を十分に把握した上で、可能な限り省エネルギー性に優れた機器の導入を図る。
職員に対する直近階への移動の際の階段利用を奨励する。

廃棄物の量とそのうちの可燃物の量に関し、職員一人一人に、両項目とも増加傾向にあることを認識させるとともに、それらの削減のため以下の取組の一層の徹底を図る。
両面コピーの徹底、ミスコピーの削減、使用済用紙の裏面使用、使用済封筒の再利用、不要なプリントアウトの抑制等により紙の使用量を一層抑制する。
執務室内において、個人用のごみ箱を順次削減するとともに、分別回収ボックスを十分な数で適切に配置するなど、リサイクルを推進するための環境の整備を図りつつ、分別収集等を行う。
地方支分部局等については本府省と比べ計画目標との乖離が著しいことから、以上の取組を特に強力に推進するものとする。