おわりに


 本章では、日常生活から発生するごみに焦点を当て、その現状、発生抑制を始めとした3Rをいかにして進めていくかといった課題や今後の取組について分析してきました。
 既に見てきたとおり、ごみの排出量などについては、現状では循環型社会基本計画や廃棄物処理基本方針に定められた目標の達成は容易でない状況にあります。
 この要因の一つは、いわゆるごみ問題は我々の日常生活における問題であるにもかかわらず、欲しい時に欲しいものが手に入る今日の便利な社会では、循環型社会の重要性や緊急性を理解しているつもりでも、具体的な行動になかなか踏み出せないことにあると考えられます。
 このような状況の中で、今年4月の3Rイニシアティブ閣僚会合が東京において開催され、地球的規模で3Rを推進し、循環型社会の構築を推進しようとする気運が高まってきたことは非常に意義深いものがあります。また、世界的な温室効果ガス排出削減を目指して平成9年に採択された京都議定書が今年2月に発効しましたが、循環型社会の形成に向けた一人ひとりの3Rの推進の取組は、地球環境問題の解決にも密接に関連しています。今、各主体がそれぞれの役割分担と責任をしっかりと認識し、「まず、できること」から一歩前に踏み出す行動が求められているといえます。

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