第4節 循環型社会を形成する基盤整備

(1)財政措置等

 循環型社会基本法では、政府は、循環型社会の形成に関する施策を実施するために必要な財政上の措置等を講じることとしています。国の各府省の予算のうち、循環型社会の形成を推進するための経費は、平成20年度当初予算額で約8,120億3,285万円(うち、下水道事業費補助等 約4,777億8,600万円)となっています。


(2)循環型社会ビジネスの振興

 ア 循環型社会ビジネスの市場規模

 循環型社会の形成が進み成長が見込まれる環境ビジネスのうち廃棄物・リサイクル分野(循環型社会ビジネス)の市場・雇用規模は、環境省が行った調査では、平成18年で約30兆円、約63万人と推計されました。平成18年における市場規模や雇用規模の主な内訳としてはプラスチック・鉄・古紙など再生素材及び機械・家具等修理、住宅リフォーム・修繕などいわゆるリペア(修理)産業に関する分野が約26兆円、雇用規模で約49万人、次いで廃棄物処理、資源回収、リサイクルなどのサービスの提供に関する分野が市場規模で約3兆円、雇用規模で約14万人と推計されます。第2次循環型社会基本計画では、循環ビジネスの市場規模の目標を平成12年度比で約2倍としました(表3-4-1)。


表3-4-1 日本の循環型社会ビジネス市場規模について

 イ 循環型社会ビジネスの振興へ向けた取組

 事業者が、再生資源の利用率目標の達成及び再生資源の新規用途の開発などの個別品目の状況に応じた再生利用能力の向上を図ることを促進するとともに、再生資源やリサイクル製品が初めて使用される資源やこれによる製品に比べて割高になりがちであることも踏まえつつ、国、地方公共団体、事業者、国民すべての主体がリサイクル製品を積極的に利用することなどにより、リサイクル製品の利用・市場の育成等を推進しました。平成18年度における国等の機関の特定調達品目(国等の機関が重点的に調達を推進すべき環境物品等の種類)の調達実績については、平成18年度に新たに追加された品目を含め、大半の品目において判断の基準を満たす物品等が95%以上の高い割合で調達されました。

 また、循環型社会の形成の礎となる産業廃棄物処理業の優良化を推進するための事業を実施しました。

 その他、いわゆる地域コミュニティ・ビジネスの育成を図るための事業の実施等を行いました。


(3)経済的手法の活用

 多くの人の日常的な活動によって引き起こされている廃棄物問題については、大規模な発生源やある行為の規制を中心とする従来の規制的手法による対応では限界がある面もあります。このため、その対策に当たっては、規制的手法、経済的手法、自主的取組などの多様な政策手段を組み合わせ、適切な活用を図っていくことが必要です。

 平成12年4月施行の地方分権一括法によって、課税自主権を尊重する観点から法定外目的税の制度が創設されたことなどを受け、廃棄物に関する税の導入を検討する動きが各地で見られます。

 環境省の調査によると、平成21年1月現在、47都道府県中27道府県(三重、鳥取、岡山、広島、青森、岩手、秋田、滋賀、奈良、山口、新潟、宮城、京都、島根、福岡、佐賀、長崎、大分、鹿児島、宮崎、熊本、福島、愛知、沖縄、北海道、山形、愛媛)及び政令市60市中1市(北九州)において、産業廃棄物に係る法定外目的税の条例が制定されています。


(4)教育及び学習の振興、広報活動の充実、民間活動の支援及び人材の育成

 さらに、NGO・NPO等の民間団体、事業者及び地方公共団体等の各主体が連携して行う3Rを中心とする循環型社会に向けた取組であって、先駆的・独創的かつ他の領域に適用可能な一般性を有する事業について、アイデアを公募して、「循環型社会地域支援事業」を実施しました。

 経済産業省では、生活者が自ら積極的に3Rに取り組むことを分かりやすい形で促進するため、子供から大人まで対象にした普及啓発用DVD「レッツゴー3R」等の貸出等を実施しました。また、容器包装リサイクル教材等3R教育に資する教材の地域における学習拠点への設置や貸出を実施するとともに、地域での事業者や消費者の協力の下、地域省エネ型リユース促進事業を実施しました。

 また、学校における環境教育の推進を図るため、全国環境学習フェアの開催や環境教育担当教員講習会の開催、新しい環境教育の在り方に関する調査研究の実施、環境のための地球学習観測プログラム(GLOBE)モデル校の指定等を行っています。

 さらに、文部科学省と環境省の連携・協力のもと、環境教育リーダー研修基礎講座の実施、環境教育推進のためのプログラム開発や、情報提供体制の整備を進め、「環境教育・環境学習データベース」をホームページで公開しています。

 環境保全計画の策定や環境測定など地方公共団体や企業の環境保全活動等に関して、文部科学省においては、技術士法(昭和58年法律第25号)に基づき技術士試験に合格し、登録を受けた有能な技術者に「技術士(環境部門)」の名称を付与し、活用を促進しています。

 平成20年12月末日現在、技術士(環境部門)の登録者数は970人です。


循環型社会地域支援事業


 循環型社会基本計画では、国の取組として、地域におけるNPO・NGOなどの様々な主体が行うモデル的な取組に対する支援を行うこととされています。

 これを受けて環境省では、NPO・NGOや事業者が地方公共団体と連携して行う循環型社会の形成に向けた取組で、他の地域のモデルとなるような事業を公募して循環型社会地域支援事業として行うことにより、地域からの取組の展開を促すこととしています。

 平成20年度は、全国から30件の応募があり、8件の事業を採択しました。採択事業の概要は以下のとおりです。

○地球に優しい「3R」の世界−その実践と啓蒙活動−壊さないで!考えれば使える!事業(風待ち研究会)

 気仙沼市内にある地域的特性の強い、昭和初期に建築された古民家を調査・修理のうえ保存し、地域活動の拠点とし、解体現場から収集した物品等を活用して建物内に展示し、市内の高校生と共に「3R」についての撮影会を開催するなど、3Rの啓蒙活動を行いました。また、廃ボトルを活用したキャンドルケースを製作し、気仙沼湾周辺で点灯することで地域の町並みや景観の保存に貢献しました。

○横浜市における720mL・900mLガラスびんの統一リユースシステム構築モデル事業(社団法人環境生活文化機構)

 首都圏近郊の横浜市内において、720mL・900mLのガラスびんのリユースシステム(充填・流通・販売・回収・洗浄・再使用)を導入し、特定地域内での回収・資源循環システムを構築し、廃棄物削減、エネルギー節約及び循環型社会形成を図りました。また回収効率の変化を調査するとともに、消費者からのアンケート調査や関係者へのヒアリング調査の結果等を分析・評価することにより、他地域におけるリユース容器普及を目指しました。

○「なごやリユースステーション」実証事業(名古屋大学大学院環境学研究科竹内研究室)

 名古屋市内にある既存のリサイクル拠点に、「なごやリユースステーション」を併設し、身近な日用品でリユース可能なものを回収し、地域住民に提供しました。また、リユースステーション利用者へのアンケート調査の実施やホームページ等を用いた広報活動を通して、リユースの促進、市内のごみの減量化を図りました。

○食品循環資源のループ形成によるビジネスモデル構築に関するプロジェクト事業(おかえりやさいプロジェクト)

 名古屋市内のスーパー、小学校等で排出される食品循環資源を堆肥化し、その堆肥を利用して野菜を生産します。栽培された野菜を「おかえりやさい」として認定し、販売・プロモーション活動を実施し、名古屋市の市場及び給食へ戻すことで大都市圏における食品資源循環ループとビジネスモデルの構築を図りました。また、ツアー見学を行うなど、モデル事業を環境学習プログラムの場として地域住民に提供しました。

○薪を利用促進による里山管理インセンティブの創出と灰・煤の再利用のためのネットワーク構築事業(能登半島おらっちゃの里山里海)

 現状では荒廃している里山を整備し、管理を促進することにより、里山管理によって生じる間伐材を、一般家庭において薪ストーブの燃料として利用しました。さらに、薪の燃料利用によって排出される灰・すすを水産物加工、農業等に利用するとともに、里山資源を地域内で循環・再利用するためのシステム作りを行い、未利用資源の利用促進を図りました。

○市民・企業・NPOの協働によるIT技術と計量器付きごみ収集車を活用した「家庭ごみ」減量に向けた活動システムの実証的開発事業(特定非営利活動法人こども環境活動支援協会)

 モデル地域において、住民が排出する家庭ごみ(生ごみやその他のプラスチック等の雑ごみ)を、計量器つきごみ収集車で収集、その量を計測し、インターネット等を活用して、排出ごみに関する情報を各家庭に提供しました。また、事業を通じて、住民に家庭ごみに関する意識や行動の変化になどについてアンケート調査を行い、ごみを排出する側の住民と収集する側の収集業者等の各主体が、参画・協働で家庭ごみの減量に取り組めるシステムを構築することで、個人のごみ減量への意識を高め、ごみの排出量の削減を達成する先行事例の創出に取り組みました。

○資源の地産地消で地域コミュニティを再生しますプロジェクト事業(特定非営利活動法人岡山環境カウンセラー協会)

 一般廃棄物最終処分場が満杯に近づいており、ごみの減量化が求められている岡山県津山市において、学校とNPO・地域が協力してごみや雑草(ヨシ)を集積し、それらからペレットを製造し、学校・事業所の暖房や施設園芸(温室)の燃料として利用しました。さらに焼却灰を、市民参加によって製作する生ごみ堆肥と混合し、良質な肥料に転用し、農園等で活用するなど、地域活力の維持のための有機農業の推進と地域に賦存するバイオマスの活用によるエネルギーの地産地消を推進するコミュニティ事業の構築を推進しました。

○地産地消剪定くず等リサイクル有効活用事業(社団法人みやま市シルバー人材センター)

 シルバー事業活動の中で、発生した剪定屑等を焼却せず粉砕、すり潰すことにより基材として多様に活用し、地域に還元し、剪定屑等を土壌改良材化することで自治体が推進している循環型農業にも貢献しました。また、基材として、ダンボールコンポスト堆肥作りに活用し、学校の給食残飯を用いた堆肥作りを通して人材センターの高齢者と児童との交流を図るなど、環境意識の高揚・市の活性化・街づくり・人の和の循環を推進しました。



(5)調査の実施・科学技術の振興

 平成18年3月に閣議決定された第3期科学技術基本計画のもと、平成18年3月に総合科学技術会議において決定された「分野別推進戦略」では、環境分野で今後5年間に重点的に取り組んで行くべき研究課題の一つとして、3R技術研究が選定されました。また、中央環境審議会では、「環境研究及び環境技術開発を重点的に推進するための戦略は、いかにあるべきか」について審議し、「循環型社会の構築」領域等の「重点領域」を明らかにした中央環境審議会答申を取りまとめ、平成19年3月に「環境研究・環境技術開発の推進戦略の実施方針」を策定し、その取組状況について、毎年フォローアップを行っています。さらに平成20年5月に総合科学技術会議で決定された「革新的技術戦略」では、希少資源対策技術としてレアメタル代替材料・回収技術が選定されました。

 廃棄物処理等科学研究費においては、競争的資金を活用し広く課題を募集し、平成20年度は74件の研究事業及び6件の技術開発事業を実施しました。

 研究事業については、アジア地域等国際的な3Rに関する研究・技術開発を推進し、国際的な3Rの構築への貢献を目指すため、「3Rイニシアティブ特別枠」を設けるとともに、「3R推進のための研究」、「廃棄物系バイオマス利活用推進のための研究」、「循環型社会構築を目指した社会科学的複合研究」、「アスベスト問題解決をはじめとした安全、安心のための廃棄物管理技術に関する研究」、「漂着ごみ問題解決に関する研究」を重点テーマとし、廃棄物をとりまく諸問題の解決とともに循環型社会の構築に資する研究を推進しました。

 技術開発事業については、「廃棄物系バイオマス利活用技術開発」、「アスベスト廃棄物の無害化処理に関する技術開発」等を重点テーマとし、次世代を担う廃棄物処理等に係る技術の開発を図りました。

 また、地球環境保全等試験研究費のうち公害防止等試験研究費においては、前年度に引き続き「循環型社会形成に資する研究」について重点的強化を図る必要がある事項の一つに掲げ、廃棄物の処理・再利用技術の開発等、5課題の試験研究を実施しました。

 地球環境の保全と人間社会の持続的発展を同時に実現するため、有効利用可能な資源分子を有用な物質・材料に変換する新しい科学技術及び窒素酸化物(NOx)・硫黄酸化物(SOx)等の大気汚染分子や、ダイオキシン類等を分解して、環境低負荷型分子に変換する革新的な環境修復技術の開発を推進しています。

 また、農林水産省においては、木質系廃棄物、家畜排せつ物、廃食用油等の有機性資源について、バイオマスとして利活用を促進するため、低コスト・高効率なバイオ燃料生産技術、バイオマスをマテリアル利用するための技術の開発に取り組むとともに、バイオマスの地域特性に応じて、燃料利用とマテリアル利用を総合的に行うバイオマス利用モデルの構築等の取組みを行いました。

 文部科学省と経済産業省は連携して、「元素戦略/希少金属代替材料開発プロジェクト」を推進しています。文部科学省は「元素戦略プロジェクト」の中で、物質・材料の特性・機能を決める元素の役割を解明し利用する観点から、希少元素をユビキタス元素で代替し新しい材料の創製につなげる研究開発を推進しています。一方、経済産業省は、「希少金属代替材料開発プロジェクト」で、液晶パネル等に使用される透明電極向けインジウム、希土類磁石向けディスプロシウム、及び、超硬工具向けタングステンの代替/使用量低減に向けた技術開発に着手しました。

 また、文部科学省は太陽光で水を分解して水素を得る光触媒の開発や、セルロースなど植物の非可食部位を分解し糖に変換する固体酸触媒の開発を進めています。

 さらに、経済産業省では、技術開発戦略として複数の技術開発や実用化に向けた関連施策をパッケージ化した研究開発プロジェクトを策定し、その中の環境−3R分野で3Rの推進に資する研究開発や実用化技術開発を実施しており、平成20年度は、建築用部材の高強度化技術、希少金属のリサイクル及び省資源化技術の開発等を行いました。

 国立環境研究所においては、第2期中期計画(計画期間:平成18年度から22年度)に掲げられた重点研究プログラムの一つである「循環型社会研究プログラム」の着実な実施を図りました。


(6)施設整備

 地域における資源循環型経済社会の構築を目的に、環境省及び経済産業省が連携して実施している「エコタウン事業」(図3-4-1)において、先進的なリサイクル関連施設整備事業に対して、支援を行いました。


図3-4-1 エコタウン事業の承認地域マップ

 畜産業において発生する家畜排せつ物については、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律(平成11年法律第112号)に基づき、適正な管理の徹底・有効利用を促進しました。

 こうした中、家畜排せつ物、稲わら等の循環的な利用については、畜産農家と耕種農家との連携強化による流通・利用の促進を図るため、たい肥・稲わら等流通利用計画の作成等を行うとともに、たい肥化施設等の整備等幅広い取組を推進しました。

 さらに、下水汚泥の減量化のための施設整備の支援、新技術開発の促進等を行いました。

 近畿圏においては、「広域臨海環境整備センター法」(昭和56年法律第76号)に基づき大阪湾フェニックス計画が推進されており、尼崎沖処分場、泉大津沖処分場、神戸沖処分場において近畿2府4県内の175市町村から排出される廃棄物を受け入れています。

 港湾における廃棄物処理対策として、平成20年度は、21港において廃棄物埋立護岸の整備に対する補助を実施しました。また、資源のリサイクルの促進のため、首都圏の建設発生土を全国の港湾建設資源として広域的に有効活用するプロジェクト(いわゆるスーパーフェニックス)を6年度に開始し、20年度は広島港等において建設発生土の受入れを実施しました。


(7)生活環境保全上の支障の防止、除去等

 産業廃棄物の不法投棄等の不適正処分の防止と支障の除去等を図るため、平成17年10月、全国7ブロックの地方環境事務所の設立により立入検査等の体制を強化するとともに、都道府県等と情報交換等の連携強化により監視の強化に努めました。さらに、硫酸ピッチ等の不適正処理の防止については、関係機関と関連情報の提供等の連携を図り、防止対策を推進しました。

 また、産業廃棄物適正処理推進センターの基金に対し、産業界の自主的な出えんに併せて国からも補助を行うとともに、都道府県に対して廃棄物処理法等に基づく補助も行いました。

 さらに、環境省に設置した不法投棄ホットラインにより不法投棄等に関する情報を国民から直接受け付けたほか、現場調査や関係法令等に精通した専門家チームを派遣し、都道府県等の不法投棄等の対策を支援しました。


(8)その他の政府の取組

 ア 都市再生プロジェクトの推進

 都市再生プロジェクトとして推進している「大都市圏におけるゴミゼロ型都市への再構築」に向けて、首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会及び京阪神圏ゴミゼロ型都市推進協議会では、廃棄物の減量化目標の達成、廃棄物処理・リサイクル施設の整備、静脈物流システムの構築等を内容とする中長期計画を策定し、毎年、進捗状況の点検及び新たな課題の検討等のフォローアップを行っています。中部圏ゴミゼロ型都市推進協議会においては、平成18年度に策定した中長期計画に基づき、廃棄物減量化に取り組んでいます。平成20年度においては、首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会において、昨年度に策定した第二期中長期計画に基づきゴミの最終処分量ゼロを目標に取り組んでいます。

 イ ゼロ・エミッション構想の推進

 地域における資源循環型社会経済構築の実現に向けて、先進的なリサイクル関連施設整備事業に対して支援を行い、平成21年3月までに全国26地域のエコタウンプランを承認しました。

 ウ 循環型社会実現のための静脈物流システムの構築

 廃棄物や再生資源・製品の輸送については、リサイクル対象品目の増加、再生利用率の向上などによって、輸送の大量化・中長距離化が進むことが予想されます。また、大都市圏における廃棄物・リサイクル施設の集中立地や拠点形成により、拠点間の相互連携によるリサイクル等の廃棄物処理に的確に対応した物流システムの整備が必要となってきます。

 平成17年11月に閣議決定された「総合物流施策大綱(2005-2009)」においても、循環型社会の形成に向けて、適正な処理・輸送を確保した効率的な静脈物流システムの構築を推進していく必要があるとされました。そのためグリーン物流パートナーシップ会議に提案のあった静脈物流案件について、支援を行いました。

 循環型社会の実現を図るため、港湾においては、広域的なリサイクル施設の立地に対応した静脈物流の拠点となる港湾を「総合静脈物流拠点港リサイクルポート)」(全国21港)に指定し、官民連携の推進、港湾施設の整備など総合的な支援策を講じています。平成20年度にはリサイクルポートを介した循環資源の海上輸送の実証実験を行い、適切な梱包・荷役方法や情報管理技術の検証を行いました。

 また、第3セクター等による建屋・一時保管施設等の循環資源取扱施設の整備を支援しました。

 エ 農業用使用済プラスチック等農業生産資材廃棄物の適正な処理

 農業用使用済プラスチック等農業生産資材廃棄物の適正な処理を推進するため、全国段階において、再生品の需要拡大を図るための普及啓発等を行うとともに、都道府県・市町村段階において、関係者の協力体制の確立、処理・減量化計画の策定、排出量を削減するための生分解性プラスチックフィルム等導入技術実証、普及啓発等を行いました。

 オ 使用済FRP船の再資源化の推進

 FRP(繊維強化プラスチック)船については、

 平成17年11月から国土交通省が確立したリサイクル技術を踏まえ、(社)日本舟艇工業会が廃棄物処理法に基づく広域認定制度を活用して「FRP船リサイクルシステム」の段階的な構築及び運用に取り組んでいるため、同システムの普及啓発及び事業評価などによる支援及び協力を実施しました。平成20年度には、全国において同システムの本格運用を開始し、約750隻のFRP船をリサイクル処理しました。

 カ 廃エアゾール製品等の適正処理及びリサイクルの促進

 消費者が使用し、ごみとして排出された廃エアゾール製品等については、充填物が残留したまま排出されることが原因となって、市町村でのごみ収集時の収集車両の火災事故の発生、破砕処理施設での処理作業時の爆発事故やリサイクルのための煩雑な作業の発生等を招いてきました。このエアゾール製品等の適正処理とリサイクルを促進するため、製品業界は充填物を容易に排出できる装置が装着された製品への転換を進める一方、市町村と製品業界が協力して、消費者に対し、そうした装置を利用して充填物の除去を行った上でごみとして排出するよう周知活動等の取組を行いました。

 キ 標準化の推進

 我が国の標準化機関である日本工業標準調査会(JISC)は平成14年4月に策定した「環境JISの策定促進のアクションプログラム」に基づき、環境JISの整備に取り組んでいます。平成20年度は、環境関連法令等の中での環境JISの位置づけを確認しながら自治体・企業・消費者のグリーン購入における環境JIS活用状況の調査・検討を行い、更なる環境JISの活用促進に向けた課題の抽出を行いました。

 ク 廃棄物・リサイクルガバナンスガイドラインの策定

 排出事業者における廃棄物管理を徹底し、経営的な観点から廃棄物・リサイクルに関するマネジメントを行うための自主的取組を推進するため、産業構造審議会において、平成16年9月に「排出事業者のための廃棄物・リサイクルガバナンスガイドライン」を策定しました。平成17年度は、廃棄物・リサイクルガバナンスガイドラインの普及に向け、各種事業者団体への説明や中小企業内人材の育成支援、セミナー等を通じて企業における廃棄物の適正処理及びリサイクルの推進に取り組みました。さらに、平成20年度には、社会・経済・環境の側面から企業に求められる社会的責任が変化してきたことから、廃棄物・リサイクルガバナンスガイドラインの見直しに向けた調査を実施しました。

 ケ 品目別・業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインの改定

 品目別・業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインは、事業者による3Rリデュースリユース・リサイクル)に関する自主的取組の促進を図ることを目的として、品目別・業種別に平成2年に策定されました。平成18年度の改定では、容器包装リサイクル法の改正に伴い、紙(紙製容器包装、段ボール製容器包装、飲料用容器包装)、ガラスびん、スチール缶、アルミ缶、プラスチック(ペットボトル、プラスチック製容器包装)について減量化に向けた新たな目標値を盛り込むとともに、3品目、4業種について有用金属(レアメタルを含む。)に関する取組を盛り込みました。

 コ バイオマスの利用の加速化

 平成18年3月に閣議決定された新たな「バイオマス・ニッポン総合戦略」に基づき、情報提供や各種説明会の開催等を通じた国民的理解の醸成、バイオマスタウン構想の策定支援、新技術等を活用したバイオマス利活用施設の整備に対する支援等を実施しました。特に、バイオ燃料の利用促進については、平成20年10月に新たに施行された農林漁業バイオ燃料法の円滑な運用を図り、農林漁業者とバイオ燃料製造業者の連携した取組を支援しました。また、食料供給と両立可能な稲わら等のソフトセルロース系原料を用いてバイオ燃料の効率的な製造技術の確立を図る事業を開始しました。

 バイオマスタウンの加速化については、構想の策定やその実現に向けた支援を行い、平成21年3月末現在で197地区がバイオマスタウン構想を公表しています。

 このほか、水産系副産物である貝殻の再資源化により資源の循環的利用を推進しました。

 また、農業集落排水事業においては、処理過程で発生する汚泥について、コンポスト化や建設資材利用等によるリサイクルを推進するとともに、地域の実情に応じて余剰汚泥の減容化を進めました。

 サ 使用済小型家電からのレアメタルの回収及び適正処理推進事業

 経済産業省及び環境省は、適正かつ効果的なレアメタル(希少金属)のリサイクルシステムの構築を目指すべく、平成20年12月「使用済小型家電からのレアメタルの回収及び適正処理に関する研究会」を設置し、使用済小型家電の回収活動で先行している自治体等と連携して効率的・効果的な回収方法の検討を行うとともに、回収された使用済小型家電に係るレアメタルの含有実態の把握や、使用済小型家電のリサイクルに係る有害性の評価及び適正処理等についての検討等を行っています。



前ページ 目次 次ページ