第6節 土壌環境の保全

1 未然防止対策

 土壌への有害物質の排出を規制するため、水質汚濁防止法に基づく工場・事業場からの排水規制や有害物質を含む水の地下浸透禁止措置、大気汚染防止法に基づく工場・事業場からのばい煙の排出規制措置、農薬取締法に基づく農薬の土壌残留に係る規制措置、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「廃棄物処理法」という。)に基づく廃棄物の適正処理確保のための規制措置等を講じています。金属鉱業等においては、鉱山保安法(昭和24年法律第70号)に基づく鉱害防止のための措置を講じています。

 地下に埋設される危険物施設については、地下タンク等の腐食防止・抑制対策及び一部が腐食した地下タンクの継続使用方策について調査を行いました。

2 市街地等の土壌汚染対策

 土壌汚染対策法に基づき、有害物質使用特定施設が廃止された土地等の調査が実施されました。同法施行以降の調査件数は、平成20年2月14日現在、898件であり、調査の結果、指定基準に適合しない汚染が判明し指定区域に指定された件数は259件(うち128件は既に汚染の除去等の措置が講じられ指定の全部の区域が解除)となっています(図3−6−1、図3−6−2)。


図3−6−1 土壌汚染対策法の概要


図3−6−2 土壌汚染対策法の施行状況

 土壌汚染対策法の施行から5年目を迎え、「土壌環境施策に関するあり方懇談会」を開催し、土壌汚染に関する現状を踏まえて課題を整理し、土壌汚染対策の新たな施策の在り方の検討を行いました。また、規制対象物質等の検討のための調査、土壌汚染の生活環境や生態系への影響に係る検討調査、「油汚染対策ガイドライン」や「射撃場に係る鉛汚染調査・対策ガイドライン」の普及啓発等を行いました。さらに、民間事業者による市街地等の土壌汚染対策に対し、日本政策投資銀行等が融資を行っています。

 なお、ダイオキシン類による土壌汚染については、ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号。以下「ダイオキシン法」という。)に基づく常時監視及び土壌汚染対策が実施されています。

3 農用地土壌汚染対策

 基準値以上検出地域7,483haのうち平成19年3月末現在までに6,577ha(72地域)が農用地土壌汚染対策地域として指定され、そのうち6,306ha(70地域)において農用地土壌汚染対策計画が策定済みです。公害防除特別土地改良事業等により19年3月末までに6,532ha(進ちょく率87.3%)で対策事業が完了しました。なお、カドミウム汚染地域においては、対策事業等が完了するまでの暫定対策として、汚染米の発生防止のための措置が講じられています。また、農用地土壌から農作物へのカドミウム吸収抑制技術等の開発、実証及び普及を実施しました。さらに、農用地における土壌中の重金属等の蓄積防止に係る管理基準に基づき、土壌汚染の未然防止に努めました。

4 その他

 日本は傾斜地が多く多雨なので浸食を受けやすく、本来、表土流出防止機能がある水田や森林の保全管理が十分なされない場合には土壌浸食のおそれもあります。沖縄県及び奄美群島では、降雨による赤土等の流出を防止するための沈砂池等の施設整備、調査や対策の普及・啓発事業を推進しました。



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