第3節 循環型社会の形成に向けた国の取組


1 循環型社会の形成に向けた法制度の施行状況


(1)循環型社会形成推進基本法(循環型社会基本法)
大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会の在り方や国民のライフスタイルを見直し、社会における物質循環を確保することにより、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷の低減が図られた「循環型社会」を形成するため、平成12年6月に「循環型社会形成推進基本法」(循環型社会基本法)が公布され、平成13年1月に施行されました。
同法では、対象物を有価・無価を問わず「廃棄物等」として一体的にとらえ、製品等が廃棄物等となることの抑制を図るべきこと、発生した廃棄物等についてはその有用性に着目して「循環資源」としてとらえ直し、その適正な循環的利用(再使用、再生利用、熱回収)を図るべきこと、循環的な利用が行われないものは適正に処分することを規定し、これにより「天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会」である「循環型社会」を実現することとしています。
循環型社会基本法では施策の基本理念として排出者責任拡大生産者責任という2つの考え方を定めています。

図4-3-1循環型社会の姿


ア 排出者責任
廃棄物の処理に伴う環境への負荷の低減に関しては、その一義的な責任を排出者が負わなければなりません。排出者責任とは、廃棄物を排出する者が、その適正処理に関する責任を負うべきであるとの考え方であり、廃棄物・リサイクル対策の基本的な原則の一つです。具体的には、廃棄物を排出する際に分別すること、事業者がその廃棄物の処理を自ら行うこと等が挙げられます。
廃棄物の処理に伴う環境への負荷の原因者はその廃棄物の排出者であることから、排出者が廃棄物の処理に伴う環境負荷低減の責任を負うという考え方は合理的であると考えられます。この考え方の根本は、いわゆる汚染者負担の原則にあります。
この排出者責任の考え方については、今後とも、その徹底を図らなければなりません。また、国民も排出者としての責務を免れるものではなく、その役割を積極的に果たしていく必要があります。

イ 拡大生産者責任
拡大生産者責任(EPR:Extended Producer Responsibility)とは、生産者が、その生産した製品が使用され、廃棄された後においても、当該製品の適切なリユース・リサイクルや処分に一定の責任(物理的又は財政的責任)を負うという考え方です。そうすることで、生産者に対して、廃棄されにくい、又はリユースやリサイクルがしやすい製品を開発・生産するようにインセンティブを与えようというものです。廃棄物等の量が多く、しかも、それらのリユースやリサイクルが難しいことが問題になっている今日、拡大生産者責任はそれらを克服するために重要な考え方の一つとなっています。

表4-3-1OECD「拡大生産者責任ガイダンス・マニュアル」における拡大生産者責任


ウ 循環型社会形成推進基本計画(循環型社会基本計画)
循環型社会基本法では、政府において、循環型社会の形成に関する基本的な計画として、循環型社会基本計画を策定することを規定していることに基づき、平成15年3月に循環型社会形成推進基本計画を閣議決定・国会報告しました。循環型社会基本計画は、循環型社会の形成に関する施策の総合的、計画的な推進を図るための中心的な仕組みとなるものであり、循環型社会のあるべき姿についてのイメージを示し、循環型社会形成のための数値目標を設定するとともに、国及びその他の主体の取組の方向性を示しています。
循環型社会基本計画の着実な実行を確保するため、毎年、中央環境審議会は、循環型社会基本計画に基づく施策の進捗状況などを点検し、必要に応じその後の政策の方向性について政府に報告することとされています。これを受け、同審議会では、4回の地域ヒアリングも踏まえ、8回にわたって集中的に審議を行い、平成19年3月に第3回の点検結果を取りまとめました。
この点検結果報告においては、今後の取組の方向性として、循環型社会形成に向けて、関係者間のより一層の連携が必要であること、国際的な視点からの適切な資源循環確保のための取組を強化することが必要とされています(図4-3-2)。

図4-3-2循環型社会の形成の推進のための施策体系


コラム リ・スタイル

環境省では、平成14年版の循環型社会白書で提唱されたリ・スタイルを広く周知するため、WEBマガジン「Re-Style」(http://www.re-style.jp/)の発行をしています。
ごみを減らし、資源をできるだけ有効に活用するためにはどうしたら良いのか、日常生活においてできることや環境にやさしいライフスタイルについて分かりやすく情報提供するため、環境省では、WEBマガジン「Re-Style」を平成14年6月に開設しています。
「Re-Style」では、
1) 特定のテーマに関する特集
2) 著名人や芸術家等の日常生活における環境にやさしい取組やライフスタイルなどのインタビュー形式での紹介
3) 環境保全をテーマとするイベント等における取組や時事問題、2)で取り上げられない緊急インタビュー等のレポート
4) 循環型社会をつくるための地域作りをテーマに日本全国の先進事例を集めて情報発信することを目的にNPOが表彰した優良事例をシリーズで紹介するコラム
をメインコンテンツとし、その他にも身近な情報や取組を検索するためのデータベース等を掲載してライフスタイルのリ・スタイル化に関する情報を提供しています。

写コラムリ・スタイル



(2)廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)
平成13年5月に環境大臣は「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」(基本方針)を決定し公表しています。その中では、まず、できる限り廃棄物の排出を抑制し、次に、廃棄物となったものについては不適正処理の防止その他の環境への負荷の低減に配慮しつつ、再使用、再生利用、熱回収の順にできる限り循環的な利用を行い、こうした排出抑制及び適正な循環的利用を徹底した上で、なお適正な循環的利用が行われないものについては、適正な処分を確保することを基本とすること等を定めています。これにより一般廃棄物及び産業廃棄物の最終処分量を平成22年度までに平成9年度のおおむね半分に削減することとしており、平成17年度においてもその達成に向けた取組を着実に推進しました。
平成17年2月の中央環境審議会の意見具申「循環型社会の形成に向けた市町村による一般廃棄物処理の在り方について」を受けて、環境省では、廃棄物・リサイクル行政の目的が、これまでの公衆衛生の向上や公害問題の解決から循環型社会の形成へと変遷していることを踏まえ、今後、我が国全体として、3Rに重点を置いた最適なリサイクル・処理システムを構築していくこととし、廃棄物処理法第5条の2第1項の規定に基づき定めた基本方針を平成17年5月に改正しました。
この基本方針において、循環型社会の形成に向けた一般廃棄物処理システムの最適化について、市町村が行うこととして、
1)一般廃棄物の処理に関する事業に係るコストの分析及び情報提供を行い、分析の結果を様々な角度から検討するほか、必要に応じてPFIの活用を行うことにより、社会経済的に効率的な事業となるよう努めること。
2)経済的インセンティブを活用した一般廃棄物の排出抑制や再生利用の推進、排出量に応じた負担の公平化及び住民の意識改革を進めるため、一般廃棄物処理の有料化の推進を図るべき。
3)分別収集区分や処理方法といった一般廃棄物処理システムの変更や新規導入を図る際には、変更や新規導入の必要性と環境負荷面、経済面等に係る利点を、住民や事業者に対して明確に説明するよう努めること。
と明記しています。
また、これを受け、国が行うこととして、「市町村及び都道府県が行う、その区域内における廃棄物の減量その他その適正な処理の確保のための取組が円滑に実施できるよう、一般廃棄物の処理に関する事業のコスト分析手法や有料化の進め方並びに一般廃棄物の標準的な分別収集区分及び適正な循環的利用や適正処分の考え方を示すことなどを通じて技術的及び財政的な支援に努めるとともに、広域的な見地からの調整を行うことに努めるものとする。」とされていることから、環境省では、一般廃棄物処理事業に係るコスト分析の標準的手法を示す「廃棄物会計基準」、有料化の進め方を示す「有料化ガイドライン」、一般廃棄物の標準的な分別収集区分や再資源化・処理方法の考え方を示す「処理システムガイドライン」を作成しました。
平成9年に改正された廃棄物処理法に基づき、一定の廃棄物の再生利用について、その内容が生活環境の保全上支障がない等の一定の基準に適合していることを環境大臣が認定し、認定を受けた者については業及び施設設置の許可を不要とする制度(再生利用認定制度)が設けられました。平成18年度までに、一般廃棄物では、63件の認定を、産業廃棄物では46件の認定を行いました。
また、平成15年に改正された廃棄物処理法に基づき、広域的に行うことによって、廃棄物の減量その他適正な処理の確保に資するとして環境大臣の認定を受けた者について、業の許可を不要とする制度(広域認定制度)が設けられました。平成18年度までに、製造事業者等による自主回収及び再生利用を促進するため、一般廃棄物では63件、産業廃棄物では88件の認定を行いました。
廃棄物の3Rを推進するための目標を設定し、広域的かつ総合的に廃棄物処理・リサイクル施設の整備を推進する「循環型社会形成推進交付金制度」を創設し、廃棄物の発生抑制・循環的利用・適正処理の促進を図るため、平成18年度は、交付金等(産業廃棄物分を含む。)により、熱回収施設、高効率原燃料回収施設、汚泥再生処理センター、埋立処分地施設、リサイクルセンター等の一般廃棄物処理施設の整備を図りました。
その他、一般廃棄物処理施設に係る民間資金活用型社会資本整備事業(PFI事業)に対して補助を行いました。さらに、都道府県において、ダイオキシン類対策、余熱の有効利用、公共工事のコスト縮減等の観点から策定された、ごみ処理の広域化計画に基づいた廃棄物処理施設の整備を推進しました。
またソフト面の施策として、市町村が実施する分別収集等ごみの減量化・再生利用に資する施策への支援を実施しました。
平成12年6月の廃棄物処理法の改正において、廃棄物処理センター制度の一層の活用を図ることを目的に、廃棄物処理センターの指定要件の緩和を行い、さらに民間を含め優良な処理施設の整備を支援するため、「産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律」に基づく特定施設の認定を行っています。
また、平成12年度から新たに創設された産業廃棄物処理施設のモデル的整備事業に対する補助制度により、公共が関与して行う産業廃棄物処理施設の一層の整備促進を図りました。
最終処分場の確保が特に困難となっている大都市圏のうち、近畿圏においては、大阪湾広域臨海環境整備センターが行う広域処理場整備の促進及び埋立ての円滑な実施を図りました。
平成4年に改正された廃棄物処理法が平成5年12月から施行され、国内処理の原則の下、廃棄物の輸出の場合の環境大臣の確認、廃棄物の輸入の場合の環境大臣の許可等、廃棄物の輸出入についても必要な規制が行われています。平成17年3月末までに廃棄物処理法に基づき行われた輸出確認は45件、輸入許可は3件でした(有害廃棄物の越境移動については第4章第2節4の(8)を参照)。
また、平成15年6月の廃棄物処理法の改正により、廃棄物の疑いのある者に対する地方公共団体の調査権限の拡充や不法投棄の未遂罪の創設など不法投棄対策の更なる強化、廃棄物処理業の許可や廃棄物処理施設の設置許可の特例制度の創設などリサイクル促進のための規制の合理化の措置が講じられました。さらにこの改正では、廃棄物処理施設整備計画の策定に関する条文が追加され、これに伴い廃棄物処理施設整備緊急措置法は廃止されました。なお、改正された廃棄物処理法に基づく新たな計画は、政府における社会資本整備の在り方の見直しの議論を踏まえ、計画の内容を「事業の量」から「達成される成果」に変更して、平成15年10月に閣議決定しました。
その後も、RDF施設などにおける事故の発生や硫酸ピッチ等の悪質な不法投棄が依然として全国的な問題となっていることから、これらの課題に対処するため、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律」が第159回国会で可決され、平成16年4月28日に公布されました。改正の概要は以下のとおりです。
1)国の役割の強化による不適正処理事案の解決
○産業廃棄物の不適正処理事案が深刻化した場合など、緊急時における環境大臣の都道府県知事に対する指示規定の創設
2)廃棄物処理施設をめぐる問題の解決
○廃棄物の最終処分場の跡地等における土地の形質変更の届出の義務付け
○廃棄物の処理施設において事故が発生した場合の応急措置及び届出の義務付け
○構造上は適正な廃棄物処理施設において、管理者不在の場合における、当該施設の設置許可に関する手続の一部省略
3)罰則の強化などによる不法投棄の撲滅
○硫酸ピッチのような特に危険な廃棄物の基準に適合しない処理の禁止
○不法投棄の罪を犯す目的で廃棄物の運搬をした者の処罰
また、石綿含有廃棄物の円滑かつ安全な処理を促進するため、溶融などの高度な技術により無害化処理を行う者について環境大臣が認定した場合、都道府県知事等による業や施設設置の許可を不要とする制度(無害化処理認定制度)を新設することを内容とする廃棄物処理法の一部改正法が平成18年2月に成立しました。
産業廃棄物の処理は排出事業者責任の下で行うことが原則であり、排出事業者責任の徹底を図っています。これと同時に排出事業者が優良な処理業者を選択できる条件を整備するため、産業廃棄物処理業の優良化を推進するための事業を行っており、都道府県等が許可更新等の際に一定の基準を満たすことを確認する「優良性評価制度」を創設し、平成19年3月末現在、適合件数323件、適合事業者数で122事業者が都道府県等より評価基準適合の確認を受けています。さらに一部の自治体では、許可更新等の時期によらず随時評価基準の適合確認を受け付ける制度を実施しており、こちらも適合件数264件、適合事業者数86事業者と順調に増えています。
また、不適正処理事案に迅速な対応が可能なため普及拡大が求められている電子マニフェストについては、IT戦略本部で取りまとめられた「IT新改革戦略」(平成18年1月19日)において電子マニフェストの普及率を50%にするとの目標が掲げられたことから、普及・促進に計画的・総合的に取り組んでいます。

(3)資源の有効な利用の促進に関する法律(資源有効利用促進法)
平成13年4月に施行された資源有効利用促進法では、1)副産物の発生抑制や再資源化を行うべき業種(特定省資源業種:鉄鋼業、紙・パルプ製造業等)、2)再生資源・再生部品を利用すべき業種(特定再利用業種:紙製造業、ガラス容器製造業等)、3)原材料等の合理化等を行うべき製品(指定省資源化製品:自動車、家電製品等)、4)再生資源又は再生部品の利用の促進を行うべき製品(指定再利用促進製品:自動車、家電製品等)、5)分別回収を促進するための表示を行うべき製品(指定表示製品:プラスチック製容器包装、紙製容器包装等)、6)自主回収・再資源化を行うべき製品(指定再資源化製品:パソコン、小形二次電池)、7)再生資源として利用することを促進すべき副産物(指定副産物:電気業の石炭灰等)を指定し、それぞれに係る事業者に一定の義務付けを行い、事業者の自主的な取組の促進を図りました。
特に、特定再利用業種については、紙製造業における古紙利用率及びガラス容器製造業におけるカレット利用率は、それぞれ平成17年度目標値60%、80%を達成したことから、目標値を見直し、平成22年度目標値として62%、91%を定めました。
また、指定省資源化製品及び指定再利用促進製品については、指定されている製品のうち、近年国内出荷数量に占める輸入販売数量の割合が上昇している製品(パーソナルコンピュータ、家電製品)に関して、国産品と同様に、環境配慮設計を求める必要性が高まっていること、また、世界的な環境配慮設計・製造への取組が進展してきていることなどを踏まえ、製造事業者と同様に輸入販売事業者についても義務の対象としました。
また、指定再利用促進製品に指定されているパーソナルコンピュータ等の各製品については、再生資源の利用を一層促進するため、製品に含有されることにより再生資源の品質低下やリサイクル工程を阻害するおそれのある物質の管理を行うこと、表示等により情報提供を行うこと等の取組を求めることとしました。

(4)容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律
(容器包装リサイクル法)
ア 施行状況
平成17年度における施行状況をみると、各品目の分野別収集量等は、スチール缶において前年度に比べ減少しているものの、その他の品目では、ほぼ横ばい又は増加しており、制度の浸透、定着が図られています。
ペットボトルについては、分別収集量は前年度比約1.06倍の25.2万トンと年々着実な伸びを見せておりペットボトル用樹脂生産率に対する回収率は47.3%(事業系回収量を含めると65.6%)となっています。
平成12年4月から新たに対象品目に追加されたペットボトル以外のプラスチック製容器包装及び紙製容器包装については、分別収集量は順調に伸びており、平成17年度における分別収集の実施率はそれぞれ62.9%及び29.9%となっています。しかしながら、他の品目と比べるとまだ低く、今後更に実施市町村数の増加を図ることが課題となっています。

図4-3-3ペットボトルの廃棄量(生産量と分別収集量の差)の推移


表4-3-2指定法人による分別基準適合物の引取り実績(平成17年度)


図4-3-4特定事業者が指定法人に支払う再商品化委託費の推移


イ 容器包装リサイクル制度の見直し
容器包装リサイクル法は、施行後10年を経過した場合において、一部規定の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされています。
これに基づき、平成18年6月には、1)循環型社会形成推進基本法における3R推進の基本原則に則った循環型社会の推進、2)社会全体のコストの効率化、3)国・自治体・事業者・国民等すべての関係者の協働を基本的方向とした「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律の一部を改正する法律(平成18年法律第76号)」(以下「改正法」という。)が成立・公布されました。これを踏まえ、平成18年12月末には、「容器包装廃棄物の排出抑制を促進するための措置」に係わる政省令の整備を行うとともに、容器包装リサイクル法に基づく基本方針を改正しました。また、改正法によって新たに創設された事業者が市町村に資金を拠出する仕組みについては、産業構造審議会及び中央環境審議会の合同会合において平成18年12月より省令等に関する審議を開始しました。

コラム 容器包装廃棄物の3Rを推進する普及啓発キャンペーン

○バレンタインデー スマートラッピング(簡易包装)キャンペーン
〜チョコっとeco「愛情はたっぷり、包装は控えめに」〜
バレンタインデーが間近に迫った平成19年2月8日、プランタン銀座を会場に、バレンタインギフトのスマートラッピング(簡易包装)を呼びかけるイベントを行いました。
記者会見では土屋副大臣が「バレンタインを機会に、『愛情はたっぷり、包装は控えめに』という買い物の仕方を皆さんに意識していただきたい。」とスマートラッピングの実践やマイバッグの持参をアピールしました。
また、記者会見終了後にはプランタン銀座のバレンタインフェア特設会場を訪問し、スマートラッピングされたチョコレートをマイバッグで購入し、容器包装の削減を呼びかけました。

コラム写真左:スマートラッピングを呼びかける土屋環境副大臣ら、右:マイバッグでお買い物

○容器包装廃棄物の3Rを推進する「カフェ」・「寺子屋」・「広場」の開催
〜レジ袋いりますか?みんなで減らそう、容器包装大削減!〜
平成19年3月1日から30日までの間、東京・大手町にある「大手町カフェ」を容器包装の3R関連の展示で彩り、「3Rカフェ」としてオープンしました。
3Rカフェでは、3Rや容器包装リサイクル法の内容を紹介したパネルや広く募集したマイバッグ・マイふろしき、リサイクル・リユース製品を展示するとともに、環境省と自主協定を締結した株式会社ローソン、株式会社モスフードサービス及びモスバーガーの取組など、事業者による容器包装3Rの取組を紹介しました。
このほか、身近な3Rや容器包装の削減を学び、考え、実践につなげるため、各分野において3Rに造けいの深い講師に御講演いただく「寺子屋3R」を、3月の毎週金曜日に開講しました。さらに、容器包装3Rの環を全国に広げるため、関係団体や地方公共団体の協力を得つつ、「3R広場」と題した啓発事業を全国6都市(札幌・仙台・名古屋・神戸・広島・長崎)で開催しました。

コラム写真左:寺子屋3Rの様子、右:第1回寺子屋3R「日本古来の折形を学び環境問題を考える」の講師山根一城さんとゲストの小泉里子さん


コラム写真:3R広場in札幌(音楽イベント「なまなまLIVE SPICA」と同時開催)

また、今後は各界各層のオピニオンリーダーからなる「3R推進マイスター(容器包装廃棄物排出抑制推進員)」に幅広い呼びかけをいただくなど、多彩な取組を通じて、レジ袋の削減などリデュースの取組の普及啓発を進めていく予定です。
ごみを減らし資源を大切にすることにつながる取組が、全国に広がっていくことをめざして、私たち一人一人ができることを取り組んでいくことが大切です。


(5)特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)
ア 施行状況
家電リサイクル法は、平成13年4月に本格施行されました。法の対象となる廃家電4品目(家庭用エアコン、ブラウン管テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機)の引取台数等は第4章第2節1(3)エのとおりです。
不法投棄対策としては、関係者に対する必要な情報の提供、家電リサイクルプラントにおける見学受入れ、教育・広報活動を通じて国民の理解を増進するとともに、警察との連携による未然防止や取締りの強化等により、廃家電4品目の排出や収集、運搬時における不法投棄の防止に努めました。
平成17年度の廃家電4品目の引取等台数(指定引取場所に引き取られた台数に不法投棄台数を加えた台数)に対する不法投棄台数の割合は1.32%(前年度同期1.58%)でした。
引取等台数に対する不法投棄台数の割合は、昨年度と同様1〜2%の間で推移しており、引き続き実態を注視していく必要があると考えています。
製造業者等においては、リサイクルが容易な製品設計や材料の選択等の取組を行っています。
なお、同法は、平成18年4月に施行後5年が経過し、附則に定められた検討の時期を迎えたことから、同年6月より中央環境審議会・産業構造審議会の合同会合において、制度の評価・検討を行っています。

イ 家電(家庭用エアコン、ブラウン管テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機)再商品化施設の整備状況
排出される廃家電4品目を全て再商品化することが可能なリサイクルプラントが、現在、全国47か所で稼働しています(図4-3-5)。このリサイクルプラントにおいて、家庭用エアコン及び冷蔵庫・冷凍庫に冷媒として使用されているフロン類と冷蔵庫・冷凍庫の断熱材に含まれているフロン類を回収した上で、鉄、アルミニウム、銅、ガラス、プリント基板の貴金属等を回収し、定められたリサイクル率を達成しています。

図4-3-5主な家電リサイクルプラントの整備状況


(6)建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)
ア 施行状況
平成12年5月に公布された建設リサイクル法は、平成14年5月に完全施行されました。法の円滑な施行を図るため、事業者等に対する説明会の開催、全国一斉パトロールの実施など、法の普及・啓発及び実効性の確保等に努めました。また、再資源化施設に関する情報やリサイクル材の需要動向に関する情報等を提供する「建設副産物情報交換システム」を平成14年春から運用しています。さらに、建設リサイクルの推進に向けた基本的考え方、目標、具体的施策を定めた「建設リサイクル推進計画2002」や、建設工事の副産物である建設発生土と建設廃棄物の適正な処理に係る総合的な対策を発注者及び施工者が適切に実施するために必要な基準を定めた「建設副産物適正処理推進要綱」などにより建設リサイクルを推進しました。

イ 特定建設資材廃棄物(コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊、建設発生木材)再資源化施設の整備状況
コンクリート塊及びアスファルト・コンクリート塊に関しては、平成17年度実績で再資源化率がそれぞれ98.1%,98.6%と十分に高い値を示しています。しかし、建設発生木材については、再資源化率68.2%、再資源化等率で90.7%と、コンクリート塊やアスファルト・コンクリート塊に比べて低く、再資源化施設も地域的に偏在しているのが現状です。このため、税制上の優遇措置や政府系金融機関の融資等を活用して、建設発生木材の再資源化施設整備の促進を図りました。

(7)食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)
ア 施行状況
平成13年5月に定められた、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針」(基本方針)においては、食品循環資源の再生利用等の促進の基本的方向のほか食品関連事業者における食品循環資源の再生利用等の実施率を平成18年度までに20%に向上させる(20%を上回る実施率を達成している食品関連事業者にあっては、維持向上)という量的な目標等が定められています。この基本方針に基づき、全国の食品関連事業者等において、食品廃棄物等の再生利用等を推進するため様々な取組が行われています。
さらに、同法は施行から5年が経過した後に、施行状況について検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずるものとされていることから、中央環境審議会、食料・農業・農村政策審議会の合同会合において制度の評価・検討を行いました。審議会での結論を踏まえ、食品関連事業者に対する指導監督の強化と食品廃棄物由来の肥料・飼料を使用した農蓄水産物を食品関連事業者が引き取る計画について主務大臣の認定を受けた場合、廃棄物処理法の特例を拡大する等の措置を盛り込んだ「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律の一部を改正する法律案」を第166回国会に提出しました。

イ 食品廃棄物再資源化施設の整備状況
食品循環資源の再生利用等を促進するためには、食品関連事業者の委託を受けて再生利用事業を行う事業者の育成等が不可欠であることから、食品リサイクル法に定める要件に合致するものについて主務大臣(農林水産大臣、環境大臣及び当該特定肥飼料等の製造の事業を所管する大臣)による登録を行うこととしており、平成19年3月31日現在で106業者が登録を受けています。
また、食品廃棄物を含むバイオマスの利活用推進を図ろうとする地域に対し、リサイクル施設の整備等を行いました。
なお、登録再生利用事業者については、廃棄物処理法上の一般廃棄物収集運搬業の許可の特例、肥飼料を製造する場合について、肥料取締法及び飼料安全法上の製造、販売等に係る届出の特例が設けられています。

コラム 地域での先進的な取組1) 〜福井県池田町 環境Uフレンズ〜

池田町では、『池田町環境向上基本計画』を策定し、この計画を根幹として、農業分野では、食卓から出てきたごみを食卓に戻す「食Uターン事業」、農産物認証制度である「ゆうき・げんき正直農業」、「菜の花プロジェクト」、「生命にやさしい米づくり事業」に取り組んでいます。さらに、「エコポイント事業」、「環境家計簿の制作」や子供達も参加できる資源回収の拠点施設としてエコステーションを設置しています。
環境Uフレンズでは、農業者、主婦、役場職員、会社員など、20代から60代までの総勢72名のメンバーで、生ごみの回収作業を担い、生ごみの堆肥化を行う「食Uターン事業」に取り組んでいます。堆肥センターで生ごみから作られている堆肥は、「土魂壌(どこんじょう)」とネーミングされ、大変な人気です。自分たちが集めた生ごみが堆肥化され、町内の人たちによって、おいしい野菜づくりに利用されていることから、生ごみではなく食品資源を集めているという意識で、楽しんで収集しています。

コラム写真:土魂壌(どこんじょう)



(8)使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)
平成17年1月より自動車リサイクル法が本格施行され、関連事業者については引取業が約8万8,000社、フロン類回収業が約2万3,000社、解体業が約6,300社、破砕業が約1,200社それぞれ都道府県等の登録又は許可を取得しています。
国は、都道府県等の関係行政機関と協力し、同法の適正な運用を目指し、最終ユーザーから関連事業者、輸出者を対象とした不適正処理対策に取り組みました。
また、同法の円滑な実施を確保するため、関係事業者や自動車所有者等に対して、各種説明会やパンフレットの作成、TV・ラジオ・新聞等を活用した広報活動を実施しました。
フロン類、エアバッグ類及びシュレッダーダストのリサイクル(フロン類においては破壊)にかかる料金は自動車製造業者等が設定し、公表しています。また、リサイクル料金の管理に要する費用(資金管理料金)と廃車の情報管理に要する費用(情報管理料金)として(財)自動車リサイクル促進センターが経済産業大臣及び環境大臣の認可を受け、公表しています。
平成18年度で、引取業者による使用済自動車の引取報告(電子マニフェスト報告)件数は約350万件となっています。また、リサイクル料金が預託された車両は平成17年1月から平成18年12月間の施行後累計で約7,338万台、預託金額は7,069億円となっています。
また、使用済自動車の引渡しに支障が生じている離島市町村に対して、特定再資源化預託金を用いた支援事業を開始しました。平成17年度では70市町村において0.6万台分について資金出えんされています。

(9)国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)
ア  施行状況
「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」(基本方針)に基づき、国等の各機関は、平成18年度の調達方針の公表等を行い、これに従って調達を実施しました。
基本方針に定められる特定調達品目等については、物品等の開発・普及の状況、科学的知見の充実等に応じて適宜見直しをすることとしており、平成19年2月に10品目の追加等の基本方針の変更を閣議決定しました。この中には、「輸配送」や「庁舎等において営業する小売業務」といった役務を積極的に追加したこと等が含まれています。
また、地方公共団体におけるグリーン購入の取組を促すため、地方公共団体を対象としたグリーン購入に関するアンケート調査や、前記の基本方針の変更について、全国10か所での説明会等を行いました。さらに、地方公共団体向けの実用的なガイドラインを作成しました。

イ 環境物品等の購入の推進
グリーン購入に率先して取り組む企業、行政、消費者団体等各主体が連携した組織として発足したグリーン購入ネットワークの活動を積極的に支援するとともに、全国4か所で開催したグリーン購入セミナーなどを通して、廃棄物の発生の少ない製品やリサイクル可能な製品など、環境への負荷の少ない製品の優先的な購入の普及啓発を行いました。また、購入者が製品等に関連する環境情報を入手できる「商品環境情報提供システム」について、事業者から提供された商品情報を掲載するとともに、環境物品等に関する情報の提供体制の在り方について引き続き検討を行いました。また、環境ラベリングその他の手法による情報提供を推進しました。そのほか、平成17年4月に設立された国際グリーン購入ネットワーク(IGPN)と連携して、世界的レベルでのグリーン購入の取組と環境配慮型製品やサービスの開発を推進しました。

写グリーン購入の対象の文具の例


(10)ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)
PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を総合的かつ計画的に推進するため、平成15年4月にPCB特措法に定める「ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理基本計画」の策定を行いました。

(11)特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)
我が国においては、過去に不法投棄等の不適正な処分が行われた産業廃棄物により、生活環境保全上の支障が生じるとともに、これらの産業廃棄物が長期間放置されることにより、産業廃棄物処理に対する国民の不信感が生じ、循環型社会の形成の阻害要因ともなっている状況にかんがみ、これらの産業廃棄物に起因する支障の除去又は発生の防止を計画的かつ着実に推進することが喫緊の課題となっています。こうした課題を踏まえ、平成9年の改正廃棄物処理法の施行(平成10年6月17日)前に、同法に定める処理基準に違反して不適正に処分された産業廃棄物(特定産業廃棄物)に起因する生活環境の保全上の支障の除去又は発生の防止(支障の除去等)を自ら行う都道府県等に対し、国が財政支援を行うため、平成24年度までの時限法として、平成15年6月に産廃特措法が制定され、施行されました。
同法では、1)環境大臣は、「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を平成24年度までの間に計画的かつ着実に推進するための基本的な方針」(基本方針)を定める、2)都道府県等は、基本方針に即して、その区域内における特定産業廃棄物に起因する支障の除去等の実施に関する計画(実施計画)を定めることができる、3)国は、産業廃棄物適正処理推進センターが、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を行う都道府県等に対し資金の出えんを行う場合には、予算の範囲内において、その業務に係る基金に充てる資金を補助することができる、4)特定産業廃棄物に起因する支障の除去等を行うに当たり都道府県等が必要とする経費について、地方債をもってその財源とすることができることを定めています。
平成19年3月末までに、香川県豊島、青森・岩手県境、山梨県須玉町(現北杜市)、秋田県能代市、三重県桑名市、新潟県三和村(現上越市)、福井県敦賀市及び宮城県村田町の8事案において県が実施計画を策定し、環境大臣が同意をしました。これらの県に対し、国は適正処理推進センターを通じて財政支援を行っています。

2 循環型社会を形成する基盤整備


(1)財政措置等
循環型社会基本法では、政府は、循環型社会の形成に関する施策を実施するために必要な財政上の措置等を講じることとしています。国の各府省の予算のうち、循環型社会の形成を推進するための経費は、平成18年度当初予算額で2,731億8,600万円(下水道事業費補助等、内数で計上している経費は除く。)となっています。

(2)循環型社会ビジネスの振興
ア 循環型社会ビジネスの市場規模
循環型社会の形成が進み成長が見込まれる環境ビジネスのうち廃棄物・リサイクル分野(循環型社会ビジネス)の市場・雇用規模は、環境省が行った調査では、平成16年で約27兆円、約71万人と推計されました。平成16年における市場規模や雇用規模の主な内訳としてはプラスチック・鉄・古紙など再生素材及び機械・家具等修理、住宅リフォーム・修繕などいわゆるリペア(修理)産業に関する分野が約24兆円、雇用規模で約48万人、次いで廃棄物処理、資源回収、リサイクルなどのサービスの提供に関する分野が市場規模で約3兆円、雇用規模で約22万人と推計されます。循環型社会基本計画では、こうした循環ビジネスの市場規模及び雇用規模を平成22年度までに平成9年度比でそれぞれ2倍にすることを目標として掲げています。(表4-3-3)

表4-3-3日本の循環型社会ビジネス市場規模の現状について


イ 循環型社会ビジネスの振興へ向けた取組
事業者が、再生資源の利用率目標の達成及び再生資源の新規用途の開発などの個別品目の状況に応じた再生利用能力の向上を図ることを促進するとともに、再生資源やリサイクル製品が初めて使用される資源やこれによる製品に比べて割高になりがちであることも踏まえつつ、国、地方公共団体、事業者、国民すべての主体がリサイクル製品を積極的に利用することなどにより、リサイクル製品の利用・市場の育成等を推進しました。平成16年度における国等の機関の特定調達品目(国等の機関が重点的に調達を推進すべき環境物品等の種類)の調達実績については、平成16年度に新たに追加された品目を含め、大半の品目において判断の基準を満たす物品等が95%以上の高い割合で調達されました。
また、循環型社会の形成の礎となる産業廃棄物処理業の優良化を推進するための事業を実施しました。
その他、いわゆる地域コミュニティ・ビジネスの育成を図るための事業の実施等を行いました。

(3)経済的手法の活用
多くの人の日常的な活動によって引き起こされている廃棄物問題については、大規模な発生源やある行為の規制を中心とする従来の規制的手法による対応では限界がある面もあります。このため、その対策に当たっては、規制的手法、経済的手法、自主的取組などの多様な政策手段を組み合わせ、適切な活用を図っていくことが必要です。
平成12年4月施行の地方分権一括法によって、課税自主権を尊重する観点から法定外目的税の制度が創設されたことなどを受け、廃棄物に関する税の導入を検討する動きが各地で見られます。
環境省の調査によると、平成19年1月現在、47都道府県中27道府県(三重、鳥取、岡山、広島、青森、岩手、秋田、滋賀、奈良、山口、新潟、宮城、京都、島根、福岡、佐賀、長崎、大分、鹿児島、宮崎、熊本、福島、愛知、沖縄、北海道、山形、愛媛)及び保健所設置市57市中1市(北九州)において、産業廃棄物に係る法定外目的税の条例が制定されています。

(4)教育及び学習の振興、広報活動の充実、民間活動の支援及び人材の育成
環境教育の推進の重要性にかんがみ、国民の環境保全について理解を深め、環境保全活動に取り組む意欲を高めていくため、環境教育の推進、体験機会の提供等の措置を盛り込んだ「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」が平成15年7月に成立し、その後同法に基づく基本方針の閣議決定、人材認定等事業に係る登録に関する省令の公布を経て、平成16年10月1日に完全施行されました。
環境省では、環境教育の一層の推進を図るため、子どもたちの環境保全活動を支援する「こどもエコクラブ事業」、家庭におけるエコライフを支援するための「我が家の環境大臣事業」、学校施設の環境配慮型の改修及びその活用による環境教育を推進する「学校エコ改修と環境教育事業」のほか、平成18年より持続可能な地域づくりを支援する「国連持続可能な開発のための教育の10年促進事業」を新たに実施しました。また、NGO等による環境保全活動を活性化するために、地球環境パートナーシッププラザにおいて情報提供等様々な支援を行うとともに、この取組を全国に拡大するため、その拠点となる「地方環境パートナーシップオフィス」を全国に整備していく予定であり、平成18年度はこれまでに設置した5箇所に加え、四国、九州の2箇所に設置しました。さらに、独立行政法人環境再生保全機構に設置されている「地球環境基金」では、国内外の民間団体が行う環境保全活動に対する助成を行いました。
さらに、NGO・NPO等の民間団体、事業者及び地方公共団体等の各主体が連携して行う3Rを中心とする循環型社会に向けた取組であって、先駆的・独創的かつ他の領域に適用可能な一般性を有する事業について、アイデアを公募して、「エコ・コミュニティ事業」を実施しました。
経済産業省では、地域市民への環境・リサイクル関連法及び社会的連携の必要性に対する認識向上を目的として「地域3R支援事業」を実施しました。容器包装リサイクル教材等の3R学習に必要な各種教材の地域の学習拠点への設置や貸出を行うとともに、3R学習の講師を派遣するなどのネットワーク整備を実施しています。
内閣府では、国民生活における省資源・省エネルギー政策を推進し、循環型社会の形成を促進するために、環境と調和した消費者活動に関する調査を実施したほか、日常的な消費行動である「買い物」に着目した、「環境にやさしい買い物キャンペーン」を10月に経済産業省、環境省及び47都道府県と連携し、流通事業者の協力を得ながら実施しました。
また、平成17年度に引き続き、民間団体による省資源・省エネルギーの促進に寄与する先駆的な実践活動等をモデル的に支援する事業を実施し、公募により選定された5事業に対する支援を行いました。
文部科学省では、環境保全などを始めとする現代的課題について、社会教育施設等が中核となり、様々な機関と連携するなどにより様々な事業を実施し、地域における社会教育の活性化を図りました。
また、学校における環境教育の推進を図るため、全国環境学習フェアの開催や環境教育担当教員講習会の開催、環境教育実践モデル地域の指定、環境のための地球学習観測プログラム(GLOBE)モデル校の指定や環境教育推進のための教材開発等を行っています。
平成18年度からは、新たに総合的な学習の時間におけるNPO等の外部人材開発推進事業を行っています。
さらに、文部科学省と環境省の連携・協力のもと、環境教育リーダー研修基礎講座の実施、環境教育推進のためのプログラム開発や、情報提供体制の整備を進め、「環境教育・環境学習データベース」をホームページで公開しています。
環境保全計画の策定や環境測定など地方公共団体や企業の環境保全活動に関して、文部科学省においては、有能な技術者を「技術士(環境部門)」と認定し、活用を促進しています。

コラム エコ・コミュニティ事業

平成15年3月に策定された循環型社会形成推進基本法では、国の取組として、地域におけるNPO・NGOなどの様々な主体による協働の取組で、先駆的な取組について国が支援していくこととされています。
これを受けて環境省では、NPO・NGOや事業者が地方公共団体と連携して行う循環型社会の形成に向けた取組で、他の地域のモデルとなるような事業を公募してエコ・コミュニティ事業として行うことにより、地域からの取組の展開を促すこととしました。
平成18年度は、全国から81件の応募があり、7件の事業を採択しました。採択事業の概要は以下のとおりです。
○食品トレーリサイクル新庄方式地域拡大・鶴岡実証事業
山形県新庄市の潟コタ東北では、スーパーマーケット等を拠点として、使用済み食品トレーを回収し、不適切混入の有無を確認・色分け等を行った上で、新庄市にある再資源化施設でトレー製造原料であるペレットに加工し、ペレットからトレーを製造しました。
また、漁箱等の発砲スチロールについて、減容化処理を行い、トレーと同様にペレットに加工を行いました。

コラム写真左:集めたトレーを分別、右:再びトレー

○産学官民連携による「いわきファイバーリサイクルモデル」構築事業
福島県いわき市の特定非営利活動法人ザ・ピープルでは、古着のリユース・リサイクルを支える企業、行政、市民団体などが参画する「ファイバーリサイクルサポーター」の制度を通して、市民団体が中心となった地域一体でのファイバーリサイクルの事業の拡充を行いました。
また、プレスを施したリサイクル用古着を搬送した際の輸送効率の改善等について評価検討などを行いました。

コラム写真左:各所にボックスを配置、右:衣類をプレスで圧縮・運搬


コラム写真:ジーパンからバッグへ

○地場産バイオガスプラントによる住民参加型生ごみ資源化事業
埼玉県小川町の特定非営利活動法人小川町風土活用センターでは、町内一般家庭及び給食センターから発生する生ごみを収集・投入し「地場産バイオガスプラント」を運用し、施設の規格化と事業ノウハウの確立を図りました。また、その知見を広く普及するためバイオマス・フォーラムin小川2007を開催しました。

コラム写真左:生ごみ専用のポリボックスで回収、右上:ガスプラント、右下:発電実験

○東京都内における720ml等ガラスびんの統一リユースシステム構築モデル事業
東京都の環境生活文化機構では、世田谷区において酒びんの再使用化を推進するため、規格統一した容器として開発された720mlRびんを使用して、販売店、自治体、びん商等と協力し、720ml等ガラスびんのモデル事業(充詰、流通、回収、洗浄、再使用)を実施しました。
また、事業の普及啓発活動の一環としてパンフレットやチラシの作成、一般市民を対象に事業に協力している資源化施設やワイン工場の見学会などを開催しました。

コラム写真左:統一された瓶、右:再利用された瓶

○ひょうごスプリングマットレスのリサイクルシステム実証事業
兵庫県神戸市のひょうごエコタウン推進会議では、協力する自治体、事業組合、販売店より、スプリングマットレスを回収し、減容作業(減容手段2方式の比較検討)を実施したうえで、転炉に投入して、鉄と高カロリーガスを回収するモデル事業を実施しました。

コラム写真:工場内での作業工程説明

○地域におけるリユース拠点「くるくるショップ」づくりとそれに伴うごみ分別回収体系整備事業
徳島県上勝町の特定非営利活動法人ゼロ・ウェイストアカデミーでは、上勝町における「ごみの34分別」の収集拠点である日比ヶ谷ごみステーションに、リユースを推進する拠点として「くるくるショップ」を設置し、リユース商品を販売するとともに、商品開発及びそれに係る情報発信をブログやHPにて行いました。

コラム写真上左:分別風景、上右:「くるくるショップ」の風景、下:使いみち

○道後いで湯資源再活用事業
愛媛県松山市の特定非営利活動法人アジア・フィルム・ネットワークでは、道後地域の地域性を踏まえて、循環型社会を形成していく上での課題と利点を整理し、「いで湯の街」の特徴を活かすため、「いで湯資源再活用ワークショップ」の開催や「風呂敷デザイン博」を開催しました。

コラム写真左:グループで話し合い、右:作品発表



コラム 容器包装廃棄物の3R推進に向けた事業者と環境省との協力の締結

環境省は、平成18年9月12日に(株)ローソン及び(株)モスフードサービスと、さらに平成19年4月16日にイオン(株)との間で、容器包装廃棄物の3R推進に向けた協定を締結しました。
これは、自主的に先駆的な取組を進めようとする事業者(トップランナー事業者)の取組について環境省が積極的に紹介すること等により、当該事業者の取組を促進するとともに、事業者や業界全体をけん引していこうというものです。
この協定の締結により、(株)ローソン及び(株)モスフードサービスは、レジ袋使用削減対策や非石油製品への転換等に関する先進的な取組を推進します。また、イオン(株)は、2010年度までに店頭回収の更なる拡大とマイバッグ持参率全店平均50%以上・レジ袋8億4,000万枚に半減達成を目標として取り組むとしています。
そして環境省では、これからの取組に併せて、締結した協定の内容の実現に向け、各事業者による先駆的な取組に関する積極的な広報等を推進することとしています。
協定の締結式においては、各社に対して、協定を締結した証として、各店舗に掲示していただくためのステッカー(ECO FIRST)を贈呈しました。

コラム写真左:イオン(株)岡田社長と若林環境大臣による協定書の披露、右:協定締結の証のステッカー

○株式会社ローソンホームページ「トピックス‐環境保全・社会貢献活動」
○株式会社モスフードサービスホームページ「社会・環境活動:環境への取り組み」
○株式会社イオンホームページ「ニュースリリース」


(5)調査の実施・科学技術の振興
平成18年3月に閣議決定された第3期科学技術基本計画のもと、平成18年3月に総合科学技術会議において決定された「分野別推進戦略」では、環境分野で今後5年間に重点的に取り組んで行くべき研究課題の一つとして、3R技術研究が選定されました。また、中央環境審議会では、「環境研究及び環境技術開発を重点的に推進するための戦略は、いかにあるべきか」について審議し、「循環型社会の構築」領域等の「重点領域」を明らかにした中央環境審議会答申を平成18年3月に取りまとめました。
廃棄物処理等科学研究費においては、競争的資金を活用し広く課題を募集し、平成18年度は59件の研究事業及び10件の技術開発事業を実施しました。
研究事業については、アジア地域等国際的な3Rに関する研究・技術開発を推進し、国際的な3Rの構築への貢献を目指すため、「3Rイニシアティブ特別枠」を設けるとともに、「循環型社会構築を目指した社会科学的研究」、「アスベスト問題解決をはじめとした安全、安心のための廃棄物管理技術に関する研究」を重点テーマとし、廃棄物をとりまく諸問題の解決とともに循環型社会の構築に資する研究を推進しました。
技術開発事業については、大量のアスベスト廃棄物を確実に無害化処理できるよう、「アスベスト廃棄物の無害化処理技術開発の緊急枠」を設けるとともに、「廃棄物適正処理技術」、「廃棄物リサイクル技術」、「循環型社会構築技術」を公募分野とし、次世代を担う廃棄物処理等に係る技術の開発を図りました。
また、地球環境保全等試験研究費のうち公害防止等試験研究費においては、前年度に引き続き「循環型社会形成に資する研究」を重点的強化を図る必要がある事項の一つに掲げ、廃棄物の処理・再利用技術の開発等、5課題の試験研究を実施しました。
戦略的創造研究推進事業において、地球温暖化等を抑制するための新しい技術的提案を目指した「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」における基礎研究の推進を図り、植物系循環型高機能材料を生産するシステムをより効率的なものにするための研究を進めています。
地球環境の保全と人間社会の持続的発展を同時に実現するため、有効利用可能な資源分子を有用な物質・材料に変換する新しい科学技術及び窒素酸化物(NOx)・硫黄酸化物(SOx)等の大気汚染分子や、ダイオキシン類等を分解して、環境低負荷型分子に変換する革新的な環境修復技術の開発を推進しています。
また、家畜排せつ物、木質系廃棄物等の有機性資源のバイオマス変換等革新的リサイクル技術(メタン化、メタノール化、有用成分抽出、炭化等)の開発を実規模実証研究により実施しています。
さらに、経済産業省では、技術開発戦略として複数の技術開発や実用化に向けた関連施策をパッケージ化した「3Rプログラム」を策定し、3Rの推進に資する研究開発や実用化技術開発を実施しており、平成18年度は、製品の設計・製造段階でのリサイクル阻害物質の使用排除を可能とする技術や建設構造物の長寿命化に資するメンテナンス技術、建築用部材の高強度化技術、自動車鋼板の高度化・易リサイクル化のための技術開発等を行いました。
国立環境研究所においては、第二期中期計画(平成18年度から22年度)に掲げられた重点研究プログラムの一つとして、「循環型社会研究プログラム」に着手するとともに、第一期中期計画期間(平成13年度から17年度)に実施した政策対応型調査・研究「循環型社会形成推進・廃棄物管理に関する調査・研究」の成果の取りまとめを行いました。

(6)施設整備
地域における資源循環型経済社会の構築を目的に、環境省及び経済産業省が連携して実施している「エコタウン事業」(図4-3-6)において、先進的なリサイクル関連施設整備事業に対して、支援を行いました。

図4-3-6エコタウン事業の承認地域マップ

家畜排せつ物、稲わら等の循環的な利用については、畜産農家と耕種農家との連携強化による流通・利用の促進を図るため、たい肥・稲わら等流通利用計画の作成等を行うとともに、たい肥化施設等の整備等幅広い取組を推進しました。
さらに、下水道事業において発生する汚泥(発生汚泥等)の減量化のための施設整備の支援、新技術開発の促進等を行いました。
近畿圏においては、「広域臨海環境整備センター法」(昭和56年法律第76号)に基づき大阪湾フェニックス計画が推進されており、神戸沖処分場などにおいて近畿2府4県内の177市町村から排出される廃棄物を受け入れています。
港湾における廃棄物処理対策として、平成18年度は、29港において廃棄物埋立護岸の整備に対する補助を実施しました。その他、資源のリサイクルの促進のため、首都圏の建設発生土を全国の港湾建設資源として広域的に有効活用するプロジェクト(いわゆるスーパーフェニックス)を6年度に開始し、18年度は広島港、徳島飛行場等において建設発生土の受入れを実施しました。

(7)生活環境保全上の支障の防止、除去等
産業廃棄物の不適正処分の防止と支障の除去等を図るため、平成17年10月、全国7ブロックの地方環境事務所の設立により立入検査等の体制を強化するとともに、都道府県等と情報交換等の連携強化により監視の強化に努めました。さらに、硫酸ピッチ等の不適正処分の防止については、関係機関と関連情報の共有等の連携を図り、防止対策を推進しました。
また、産業廃棄物適正処理推進センターの基金に対し、産業界の自主的な拠出に併せて国からも補助を行うとともに、産廃特措法に基づく補助も行いました。
さらに、環境省に設置した不法投棄ホットラインにより不法投棄に関する情報を国民から直接受け付けたほか、現場調査や関係法令等に精通した専門家チームを派遣し、都道府県等の不法投棄対策を支援しました。

(8)その他の政府の取組
ア 都市再生プロジェクトの推進
都市再生プロジェクトとして推進している「大都市圏におけるゴミゼロ型都市への再構築」に向けて、首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会及び京阪神圏ゴミゼロ型都市推進協議会では、廃棄物の減量化目標の達成、廃棄物処理・リサイクル施設の整備、静脈物流システムの構築等を内容とする中長期計画を策定し、この中長期計画に基づき、毎年、その進捗状況の点検及び新たな課題の検討等のフォローアップを行っています。平成18年度においては、中部圏ゴミゼロ型都市推進協議会において、中長期計画の取りまとめを行いました。首都圏ゴミゼロ型都市推進協議会においては、中長期計画の見直しのための検討を行いました。

イ 循環型社会実現のための静脈物流システムの構築
廃棄物や再生資源・製品の輸送については、リサイクル対象品目の増加、再生利用率の向上などによって、輸送の大量化・中長距離化が進むことが予想されます。また、大都市圏における廃棄物・リサイクル施設の集中立地や拠点形成により、拠点間の相互連携によるリサイクル等の廃棄物処理に的確に対応した物流システムの整備が必要となってきます。
平成17年11月に閣議決定された「総合物流施策大綱(2005-2009)」においても、循環型社会の形成に向けて、適正な処理・輸送を確保した効率的な静脈物流システムの構築を推進していく必要があるとされました。そのためグリーン物流パートナーシップ会議に提案のあった静脈物流案件2件について、支援を行いました。
循環型社会の実現を図るため、港湾においては、広域的なリサイクル施設の立地に対応した静脈物流の拠点となる港湾を「総合静脈物流拠点港(リサイクルポート)」(全国18港)に指定し、官民連携の推進、港湾施設の整備など総合的な支援策を講じています。平成18年度にはリサイクルポート相互の連携に加え、エコタウンとの連携強化を図るとともに、信頼性と効率性の高い国際循環資源物流の形成に向けて、総合静脈物流拠点港を新たに3港指定しました(指定後は全国21港)。また、第3セクター等が整備する建屋・一時保管施設等の循環資源取扱支援施設の整備を推進しました。

ウ 農業用使用済プラスチック等農業生産資材廃棄物の適正な処理
農業用使用済プラスチック等農業生産資材廃棄物の適正な処理を推進するため、全国段階において、再生品の需要拡大を図るための普及啓発等を行うとともに、都道府県・市町村段階において、関係者の協力体制の確立、処理・減量化計画の策定、排出量を削減するための生分解性プラスチックフィルム等導入技術実証、普及啓発等を行いました。

エ 使用済FRP船の再資源化の推進
FRP(繊維強化プラスチック)船については、廃船処理システムの早期確立が求められていました。
このため、「FRP廃船高度リサイクルシステム構築プロジェクト」を立ち上げ、平成12年度から4年間かけてFRP船のリサイクルシステムに関する検討を行い、適正かつ効率的なリサイクル技術を確立しました。
これら検討結果を踏まえ、廃棄物処理法の広域認定制度を活用して、平成17年11月より地域を限定してFRP船のリサイクルを開始し、平成18年度には対象地域を拡大しました。

オ 廃エアゾール製品等の適正処理及びリサイクルの促進
消費者が使用し、ごみとして排出された廃エアゾール製品等については、充填物が残留したまま排出されることが原因となって、自治体でのごみ収集時の収集車両の火災事故の発生、破砕処理施設での処理作業時の爆発事故やリサイクルのための煩雑な作業の発生等を招いてきました。そのため、製品業界と市町村の間で、その適正処理とリサイクルの促進について検討を行ってきました。
その結果、今後、製品業界は充填物を容易に排出できる装置が装着された製品への転換を進める一方、市町村と製品業界が協力して、消費者に対し、そうした装置を利用して充填物の除去を行った上でごみとして排出するよう周知活動を行うこと等の取組を行うこととなりました。

カ 標準化の推進
我が国の標準化機関である日本工業標準調査会(JISC)は平成14年4月に策定した「環境JISの策定促進のアクションプログラム」の中の「環境JIS策定中期計画」について毎年度改訂し、環境JISの整備に取り組んでいます。
平成17年度は、「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」、「電気・電子機器の特定の化学物質の含有表示方法」等62件の環境JISの制定・改正及びTS(標準仕様書)の公表を実施し、累計で185件となりました。

キ 廃棄物・リサイクルガバナンスガイドラインの策定
排出事業者における廃棄物管理を徹底し、経営的な観点から廃棄物・リサイクルに関するマネジメントを行うための自主的取組を推進するため、産業構造審議会において、平成16年9月に「排出事業者のための廃棄物・リサイクルガバナンスガイドライン」を策定しました。平成17年度は、廃棄物・リサイクルガバナンスガイドラインの普及に向け、各種事業者団体への説明や中小企業内人材の育成支援、セミナー等を通じて企業における廃棄物の適正処理及びリサイクルの推進に取り組みました。

ク 品目別・業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインの改定
品目別・業種別廃棄物処理・リサイクルガイドラインは、事業者による3R(リデュース・リユース・リサイクル)に関する自主的取組の促進を図ることを目的として、品目別・業種別に平成2年に策定されました。本ガイドラインは、原則2年に一度改定し、毎年フォローアップを行っており、平成18年度の改定では、容器包装リサイクル法の改正に伴い、紙(紙製容器包装、段ボール製容器包装、飲料用容器包装)、ガラスびん、スチール缶、アルミ缶、プラスチック(ペットボトル、プラスチック製容器包装)について減量化に向けた新たな目標値を盛り込むとともに、3品目、4業種について有用金属(レアメタルを含む。)に関する取組を盛り込みました。

ケ バイオマスの利用の加速化
地球温暖化の防止、循環型社会の形成、競争力のある新たな戦略的産業の育成、農林漁業・農山漁村の活性化の観点から、バイオマスを総合的かつ効率的に最大限利活用し、持続的に発展可能な社会「バイオマス・ニッポン」を早期に実現することが重要です。このため、平成18年3月に閣議決定された新たな「バイオマス・ニッポン総合戦略」に基づき、バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議の場等を活用して具体的行動計画を策定し、フォローアップを行ないながら着実に実施しました。
具体的には、政府広報の展開やシンポジウムの開催等を通じた国民的理解の醸成を図ったほか、地域のバイオマスを効率的に利活用するバイオマスタウン構築を推進するとともに、関係府省の連携のためのバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議の開催等を実施しました。18年11月には、安倍総理から、「国産バイオ燃料の大幅な生産拡大について関係府省一体で取り組むように」との指示を受け、この実現に向け、関係府省(1府6省)で構成する「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議」において技術や制度面の課題を整理し、国産バイオ燃料の大幅な生産拡大に向けた工程表を作成し、19年2月に安倍総理に報告しました。

3 循環型社会の形成と地球環境問題


(1)廃棄物と地球温暖化対策
ア 廃棄物と地球温暖化
地球温暖化の原因となる温室効果ガスは、私たちの日常生活や様々な事業活動に伴って排出されます。製品の製造にかかわる産業部門、流通にかかわる運輸部門、製品を使用する業務その他・家庭部門、焼却等を行う廃棄物部門等において二酸化炭素等の温室効果ガスが排出されます。
廃棄物分野においては、廃プラスチックや廃油といった化石系資源に由来する廃棄物の焼却に伴う二酸化炭素の排出が大きな割合を占めていますが、その他にも、食品廃棄物、紙類等のバイオマス系廃棄物を新エネルギーとして利活用したり焼却処理したりすることなく直接埋め立てた場合、二酸化炭素よりも地球温暖化係数の大きなメタンが発生します。また、燃焼温度の低い焼却炉からは一酸化二窒素が発生します。
平成17年度の廃棄物分野における温室効果ガス排出量は3,700万トン(二酸化炭素換算)で、日本の温室効果ガス総排出量(同13.6億トン)の2.7%を占めています。

イ 廃棄物等に起因する温室効果ガスの排出削減
温室効果ガスの排出量を削減するためには、各部門間の関係を踏まえて、効果的な対策を立案していく必要があります。廃棄物の発生抑制や再使用、再生利用及び熱回収といった循環資源の利用を促進することは、一般に化石系資源の消費量の減少及び廃棄物の発生量の減少をもたらすものと言えます(図4-3-7)。

図4-3-7廃棄物の排出量削減と温室効果ガス排出量の関係

最も効果が大きいのは、発生抑制です。廃棄物発生量の減少は、焼却・埋立てに伴う温室効果ガスの発生量を減少させることに寄与します。再使用は、製品として使用される期間が延長するので、やはり、大きな効果が期待できます。
再生利用の推進は、焼却される廃棄物や直接埋め立てられる廃棄物の量を減らすとともに、化石系資源の新たな利用が再生資源に置き換えられることによって地球温暖化対策に貢献します。特に再生利用に伴って新たな化石系資源の節約が見込まれる場合や、廃アルミニウムの再精錬のようにエネルギー消費量が減少する場合に大きな効果が見込まれます。また、高炉スラグをセメント原料として再生利用する場合は資源が節約され、石灰の分解による二酸化炭素発生を抑制すると共に、セメント製造時のエネルギー消費量が減少され、大きな効果が得られます。ほかには廃プラスチックをコークスの代替として製鉄用の高炉の還元剤として利用することも、一般的には効果があるものと考えられます。家畜排せつ物等のたい肥化や新エネルギーとしての利活用は、焼却量を削減することから、廃棄物部門の地球温暖化対策としても有効ですが、こうしたバイオマス系廃棄物をたい肥化して肥料として使用し、農地に有機物として蓄積する炭素量を増加させることによって、農地土壌から発生する二酸化炭素排出量を削減する効果も期待されています。
焼却時に発電等を行う熱回収は、燃やさざるを得ない廃棄物の排熱を有効利用する限りにおいては、その推進により、発電等に必要な重油、石炭等の化石燃料の消費量の削減に寄与します。
このように、資源が廃棄物となることを抑制し、廃棄物になったものは、再使用・再生利用により、余すことなく利用し、それでもなお、焼却処理や埋立処分をせざるを得ない可燃性の廃棄物については、その廃棄物が持っているエネルギーを有効に利用することが地球温暖化対策の面でも重要です。

コラム 地域での先進的な取組2) 〜徳島県上勝町 (株)かみかついっきゅう〜

上勝町では、6年に上勝町リサイクルタウン計画を策定し、生ごみについては、コンポストや電気式の生ごみ処理機の補助を行って導入を進め、現在までに生ごみ処理機約490台、コンポスト450台も含め、ほとんどの家庭で生ごみの堆肥化が行われています。
また、ダイオキシン類対策特別措置法の基準に適合しなくなった焼却炉1機の運転を停止し、分別して資源化することにより焼却する量を減らすため、町内1ヶ所の日比ヶ谷ゴミステーションに町民自らがごみを持込む35品目の分別回収が、年末年始の3日間を除く362日間の朝7時半から午後2時まで行われています。この取組の成果として、ごみの排出量は35分別開始後、半分程度に減少し、生ごみを含まないリサイクル率が一昨年が76.5%、昨年度が72.2%という状況です。
(株)かみかついっきゅうは、勝浦川沿いにある月ヶ谷温泉「月の宿」を運営しており、この旅館では木質バイオマスチップボイラーを導入して二酸化炭素の排出抑制を進めるとともに、山の湧水を利用して、宿の屋根や窓に散水を行って室温を約3℃下げる取組や、蓄氷型エアコンの全館設置、LEDランプの採用により節電を行っています。また、食品納入業者には梱包材を持ち帰ってもらい、残飯はイノシシの飼料に、廃食油・割り箸はリサイクルにするなど、ごみの発生を抑えるための様々な取組を行っています。

コラム写真左:宿の屋根や窓に散水、右:木質バイオマスチップボイラー



ウ 地球温暖化対策における廃棄物の取扱い
地球温暖化対策のための国際枠組である京都議定書が平成17年2月16日に発効したことを受け、平成17年4月28日、「京都議定書目標達成計画」が閣議決定されました。同計画では、廃棄物の発生抑制・再使用・再生利用の推進等によって、廃棄物の焼却や直接埋立て等に起因する温室効果ガスを、平成22年には約600万トン(二酸化炭素換算)削減することを見込んでいます。このほか、同計画では新エネルギー対策として、廃棄物熱利用の促進や廃棄物発電の導入促進等の措置を講じることとしているほか、「バイオマス・ニッポン総合戦略」と連携し、バイオマス・廃棄物の熱利用を促進する措置を講じることとしています。
具体的には、太陽光や風力などの新エネルギー発電・熱利用設備は今後とも着実に整備していく必要がありますが、新エネルギーのうち廃棄物に係る発電・熱利用設備の設置及び利用が行われる場合には、循環型社会基本法の基本原則である廃棄物等の発生抑制・再使用・再生利用の進展が阻害されないように行う必要があります。
平成15年度からは、民間事業者が行う地球温暖化対策に資する高効率の廃棄物発電やバイオマス発電・熱利用施設の整備を促進させるため、当該施設の整備に必要な追加費用に対して支援を行っています。また、輸送用燃料などバイオマスエネルギーの利用促進、地域のバイオマスを総合的に利活用するバイオマスタウン構想を加速化する観点等から、「バイオマス・ニッポン総合戦略」を見直し、平成18年3月31日に新たに閣議決定しました。

(2)国際的な取組
2006年(平成18年)3月には、3Rイニシアティブ高級事務レベル会合が東京で開催され、各国の良好事例を参加国・国際機関の間で共有するなどの成果があり、わが国はアジア地域で3Rを推進していくことを提案しました。それを受け、同年10月には、東京でアジア3R推進会議を開催し、アジアで3Rを推進していくことの重要性を共有しました。
有害廃棄物等の輸出入等の規制を適切に実施するため、「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」(バーゼル条約)の国内対応法である「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」(バーゼル法)の的確かつ円滑な施行を推進しています。そのほか廃棄物処理法の適切な施行及び運用により、廃棄物の輸出入の適正な管理を行っています。
また、有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークを活用し、参加国間で各国の関係制度や不適正事案等に関する活発な情報交換を行っています。さらに、アジア太平洋地域のE-wasteを環境上適正に管理するため、バーゼル条約締約国会合が進めるプロジェクトについて、支援を行っています。
また、国際的な資源循環の在り方について、産業構造審議会等において検討が行われている他、開発途上国の持続可能な発展を支援するために、政府開発援助(ODA)により廃棄物管理に係るマスタープランの作成やごみの分別収集、最終処分場の安全閉鎖など、循環型社会の形成に資する様々な技術協力等を実施しています。
さらに、OECD(経済協力開発機構)で行われている物質フローやEPR(拡大生産者責任)についての検討に積極的に参画するなど、国際機関との連携も進めています。
なお、OECDが取りまとめた各国の廃棄物の発生量の1993年以降最新のデータは表4-3-4のとおりです。

表4-3-4各国の部門別廃棄物発生量


コラム 3R活動推進フォーラム

平成17年4月、G8環境イニシアティブである「3Rイニシアティブ閣僚会合」が東京で開催され、我が国はこの会合で「ゴミゼロ国際化行動計画」を発表しました。この計画によって、我が国は国内での循環型社会づくりを基礎として3Rの国際的な推進に主導的な役割を果たしていくことを世界に宣言しました。
翻って我が国では、大量生産、大量消費、大量廃棄という20世紀型の社会から社会経済社会のあり方やライフスタイルを見直し、循環型社会への転換を図っていくため、法制度も含め様々な取組を進めてきました。こうした循環型社会形成への取組には、国のみならず地方公共団体との協働による取組の推進、民間企業の真摯な努力、NGOやNPOの積極的な参加等が相まって実現してきたものです。
これらの取組をさらに加速し、アジア諸国を中心に世界へ日本の経験や技術を発信していくためのプラットホームとして、18年1月、「3R活動推進フォーラム」が発足しました。このフォーラムは循環型社会形成のための施策に関連の深い省庁の連携のもと、地方公共団体、企業、業界団体、研究機関、NGO・NPO等が一堂に会し、3R活動を中心とした循環型社会形成のための取組をより一層進めていこうとするものです。会長には小宮山宏東京大学総長が就任し、様々な立場、分野の方々が集う場(フォーラム)として活動を開始しました。18年10月の「第1回3R推進全国大会」では環境省や地元愛知県、名古屋市と共催し、小宮山会長の特別講演が行われました。
今後、循環型社会形成の「旗頭」としての活躍が期待されます。

コラム写真:第1回3R推進全国大会




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