第4節 オゾン層保護対策


1 オゾン層破壊物質の製造等の規制

日本では、オゾン層保護法等に基づき、モントリオール議定書に定められた規制対象物質を特定物質として、製造規制等の実施により、同議定書の規制スケジュールに基づき生産量及び消費量(=生産量+輸入量−輸出量)の段階的削減を行っています。この結果、ハロン、CFC、四塩化炭素、1,1,1-トリクロロエタン、HBFC、ブロモクロロメタン及び検疫用途等を除く臭化メチルについては2004年(平成16年)末までに、生産及び消費が全廃されました。HCFCについては2030年(平成42年)をもって消費が全廃されることとなっています。

2 オゾン層破壊物質の排出の抑制及び使用の合理化の促進

オゾン層保護法では、特定物質を使用する事業者に対し、特定物質の排出の抑制及び使用の合理化に努力することを求めており、そのための具体的措置を示した特定物質の排出抑制・使用合理化指針について周知普及を図っています。
ハロンについては、平成17年10月に業界によって取りまとめられた「ハロンの適切な管理のための自主行動計画」に基づき、適正な管理が進められています。また、不要・余剰となったハロンの確実な破壊処理を確保するため、平成18年5月にハロン破壊処理ガイドラインを策定しました。

3 フロン類の回収・破壊の促進

主要なオゾン層破壊物質の生産は、日本では既に全廃されていますが、過去に生産され、冷蔵庫、カーエアコン等の機器の中に充てんされたCFC等が相当量残されており、オゾン層保護を推進するためには、こうしたCFC等の回収・破壊を促進することが大きな課題となっています。また、CFC等は強力な温室効果ガスであり、CFC等の代替物質であるHFCも京都議定書の削減対象物質となっていることから、HFCを含めたフロン類の排出抑制対策は、地球温暖化対策の観点からも重要です。
このため、家庭用電気冷蔵庫・冷凍庫、ルームエアコンについては特定家庭用機器再商品化法(平成10年法律第97号。以下「家電リサイクル法」という。)に基づき、業務用冷凍空調機器についてはフロン回収破壊法に基づき、カーエアコンについては使用済自動車の再資源化等に関する法律(平成14年法律第87号。以下「自動車リサイクル法」という。)に基づき、これらの機器の廃棄時に機器中に冷媒等として残存しているフロン類(CFC、HCFC、HFC)の回収が義務付けられており、回収されたフロン類は、再利用される分を除き、破壊されることとなっています(図1-4-1)。

図1-4-1	フロン回収破壊法のシステム

平成16年度の各機器からのフロン類の回収量は表1-4-1、表1-4-2のとおりです。
平成18年1月に中央環境審議会より「今後のフロン類等の排出抑制対策の在り方について」が答申され、これを受け、同年3月に、フロン回収破壊法の改正法案を第164回国会に提出しました。

表1-4-1	家電リサイクル法対象製品からのフロン類の回収量


表1-4-2	業務用冷凍空調機器・カーエアコンからのフロン類の回収・破壊量等



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