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[1]「人口減少と環境」

(1) わが国は平成18年から本格的な人口減少が生じることから、人口減少やそれに伴う社会や地域の構造の変化が環境に与える影響について分析しています。具体的には、

  1. [1] 家庭においては、世帯の細分化や高齢化などにより、エネルギー消費量やゴミの排出量を押上げる方向に働くことが予想されます。
  2. [2] 企業や行政においては、いわゆる2007年問題など労働力人口が減少することにより、現場の環境管理体制が弱体化することが懸念されます。
  3. [3] 地方においては、過疎化や農林業活動などの低下により、人為が加わることによって維持されてきた里地里山の自然環境が損なわれるとともに、鳥獣とのあつれきなどが生じるおそれがあります。
  4. [4] 都市においては、都市の拡散が進むことにより、温暖化などの環境負荷が大きく、廃棄物処理費などの行政効率が低い都市となる傾向があります。

このように、人口減少は環境の面から見て様々なマイナスの影響があることを述べています。

(2) 一方、人口減少時代においては、心の豊かさや自然回帰への志向が広がり、ゆとりある時間や生活空間が得られるなど、持続可能な社会に向けて好機と捉えることができる変化が起きる可能性を示しています。

(3) このような考え方から、例えば、海外ではノルウェーにおける持続可能な交通の取組、国内では富山市におけるコンパクトシティの取組など、人口減少にも対応した先進的な取組事例を紹介しています。さらに、このような取組を推進し、持続可能な社会を構築するためには、第三次環境基本計画に基づいた政策を進めていくことが重要と述べています。