国立公園>日光国立公園>公園紹介>那須甲子・塩原地域 公園計画書
日 光 国 立 公 園
那須甲子・塩原地域
管 理 計 画 書
平 成15年3月
環境省自然環境局
北関東地区自然保護事務所
目 次
1 はじめに |
本地域は、日光国立公園の北東半分を占め、区域的には、那須甲子地域と塩原地域に分けられ、面積は、39,047haである。
行政区域では、福島県下郷町、西郷村、栃木県矢板市、黒磯市、塩谷町、那須町、塩原町の2県2市4町1村にわたっている。
那須甲子地域は、北部日本を縦走する那須火山帯の南端に位置し、茶臼岳を中心とした那須連山が背梁をなし、そこからゆるやかな高原が続き、この中を阿武隈川、黒川、余笹川等が浸食する変化に富む地形をもっている。一方、塩原地域は、高原火山群を中心とし北から南東方向にかけて渓谷と高原が関東平野に向けて広がっており、全体として火山性の山岳、高原の地域ということができる。また、著名な温泉が地域の各所に存在する。
日光国立公園は、昭和9年12月4日、日光・尾瀬・奥鬼怒地域が最初に指定され、昭和25年9月22日に那須・甲子・塩原・藤原・栗山・足尾地域の区域拡張、昭和32年4月5日に那須地域の区域変更、昭和32年7月8日に日光地域の区域拡張が行われた。公園計画の再検討は、那須甲子・塩原地域を昭和60年9月5日に終了している。
本管理計画は、環境基本法施行に伴う環境基本計画の閣議決定、行政手続法施行に伴う申請に対する審査基準の明確化への対応として、地域の現況、特性を踏まえ、自然環境の保全と各種行為との調整の円滑化並びに快適な環境の創出を図るため、地域の実情に適合した公園管理の方針を作成するとともに、適正な公園利用の促進を図ることを目的とするものである。
本地域に関する管理計画は、昭和62年4月に従来から行ってきた管理指導方針を修正する形で作成され、平成9年3月に環境基本法の施行に際し、同法に基づく環境基本計画の主旨に配慮した記述の変更、並びに行政手続法施行に伴う審査基準の明確化を図る等の観点から改訂が行われている。平成9年3月から今日まで、2年余を経過したばかりであるが、平成11年7月に公園計画の点検を終了し公園事業に変更が生じた等のことから、次の方針により必要な改訂を行うものである。
(1) 審査指針の廃止及び自然公園法施行規則第11条に規定する許可基準の設定等に伴う許可、届出等取扱方針の記述の変更
(2) 追加された公園事業に関する取扱方針等の追加
(3) 公園事業取扱方針の記述で現状にそぐわない部分の改訂
(4) 環境庁の清掃活動補助金の請負事業への切り替えに伴う記述の変更
(5) 利用者数について最新データに修正
1 設定方針
当該地域は栃木県と福島県にまたがっており、地域の特性及び地理的、社会的条件から、次の5管理計画区に区分し、各管理計画区ごとに風致景観の管理方針、その他必要な事項について定めるものとする。
(1)甲子管理計画区
旭岳、甲子山を中心とする那須連峰北部及び甲子温泉並びに新甲子温泉等を含む地域
福島県〔下郷町、西郷村〕
(2)那須管理計画区
茶臼岳を中心とする那須連峰南部及び沼原から板室温泉を含む地域
栃木県〔黒磯市、那須町〕
(3)那須山麓管理計画区
茶臼岳の南東麓の分譲地及び那須湯本温泉集落を中心とする地域
栃木県〔那須町〕
(4)塩原管理計画区
那須火山帯の南端に位置し、塩原渓谷、塩原温泉集落を中心とし、日留賀岳、小佐飛山及び明神ヶ岳の東北面を含む地域
栃木県〔黒磯市、塩原町〕
(5)八方ヶ原管理計画区
八方ヶ原から釈迦ヶ岳にかけての高原、山岳地帯を中心とする地域
栃木県〔矢板市、塩谷町、塩原町〕
2 各管理計画区の概要
(1)甲子管理計画区
ア 区域及び公園計画の概要
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(歩道)日暮滝鏡ヶ沼大峠線、雪割橋線、那須連山主脈縦走線、甲子山線、新甲子赤面山線、赤面山線 2 単独施設 |
イ 自然の概要
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ウ 利用の概要
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(2)那須管理計画区
ア 区域及び公園計画の概要
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(車道)那須甲子線、沼原線、板室三斗小屋線、那須岳線、弁天北温泉線、那須周回線 (歩道)那須連山主脈縦走線、赤面山線、三斗小屋温泉清水平線、三斗小屋温泉峰の茶屋線、沼原那須岳線、沼原南月山線、鬼ヶ面山線、板室原三本槍岳線、板室周回線、北温泉清水平線、北温泉峰の茶屋線、茶臼岳周回線、日の出平線、小丸山線、八幡温泉殺生石線、那須湯本平茶臼岳線 3 単独施設 (園地)三斗小屋宿、沼原、深山湖畔、深山ダム、矢沢の滝、上の原、板室、籠岩神社、峰の茶屋登山口、駒止めの滝、おだん、殺生石 (野営場)三斗小屋宿、沼原、上の原 |
イ 自然の概要
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ウ 利用の概要
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(3)那須山麓管理計画区
ア 区域及び公園計画の概要
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(車道)那須湯本バイパス線、黒磯那須湯本線、那須山麓線、沼原線、横沢那須湯本線 (歩道)那須連山主脈縦走線、板室周回線、赤松林遊歩道線 |
イ 自然の概要
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ウ 利用の概要
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(4)塩原管理計画区
ア 区域及び公園計画の概要
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(歩道)古町大沼線、弥太郎山線、竜化の滝線、塩原渓谷線、須巻富士新湯線、赤川渓谷線、雄飛の滝線、前山八方ヶ原線 2 単独施設 (園地)土平、天狗岩、須巻富士、蟇石、塩原ダム、前山、稚児ヶ渕、大沼、ヨシ沼、白滝、明神ヶ岳 (駐車場)古町、福渡、夕の原、新湯 |
イ 自然の概要
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ウ 利用の概要
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(5)八方ヶ原管理計画区
ア 区域及び公園計画の概要
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イ 自然の概要
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ウ 利用の概要
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1 管理の基本的方針
(1)保護に関する方針
ア 風致景観の特性
那須連山の北部に位置する甲子山、旭岳から大峠、大倉山に至る稜線部にはコケモモ、ガンコウラン等の高山植物群落が広がり、これに連なる亜高山植生と相俟って雄大な山岳景観を呈している。
この地域の東側は、太平洋に注ぐ阿武隈川の源流部であり、延々と連なる深い渓谷美を有している。また、山麓には静かに佇む温泉集落もあり、その下には良好な広葉樹林や牧野を含む高原景観が広がっている。
主稜線上の須立山の西に位置する鏡ヶ沼は、山岳景観の一部として優れているだけでなく、モリアオガエル等の生息地にもなっている。
イ 保全対象と保全方針
(ア)登山道上からの甲子山、旭岳、大峠、大倉山等の山岳景観、高山植生
地形及び植生への人為影響を排除するとともに、必要に応じて損傷箇所の修復に努める。
(イ)阿武隈川の渓谷美
利用者から望見される範囲については、極力人為的な改変を排除する。
(ウ)白河田島線道路(国道289号線)、那須甲子線道路及び甲子温泉線道路沿線の良好な広葉樹林景観
車道沿線の広葉樹林を極力保存するとともに、車道から工作物等が望見されにくくなるよう留意する。
(エ)鏡ヶ沼のモリアオガエル生息地
沼周辺の植生を保護するとともに、沼の水質を良好な状態に維持する。
(オ)甲子温泉の落ち着いた静謐な雰囲気
建築物を始めとする工作物の新改増築に当たっては、雰囲気を破壊することのないよう、規模、デザイン、修景等に留意する。
(2)利用に関する方針
ア 利用の特性及び利用方針
本管理計画区の甲子温泉は、豊富な温泉と湯治場的風情があり、この温泉を目的に訪れる利用者が多い。また、温泉地周辺には園地が整備されその利用者も多い。
白河市と下郷町を結ぶ白河田島線道路(国道289号)のトンネル開通後は、利用形態の変化が予想される。
こうした状況を踏まえ、奥甲子地区は極力開発を控え、道路沿線部地域の新甲子、高清水地区については、自然環境を保全しつつ、利用拠点として利用の推進を図るものとする。
イ 利用施設の整備及び管理方針
(整備方針)
(ア)快適な利用環境を確保するものとするが、規模が過大とならないよう留意するものとする。
(イ)利用拠点においては、施設のデザインに統一性を持たせ、地域の自然環境の保全についても配慮するものとする。
(ウ)良好な自然地域においては、その自然環境の保全に十分配慮した整備をするものとする。
(エ)汚水処理の設備等には、環境保全対策上、最良の機能を有すると認められるものを導入すること等により、環境に対する負荷を極力低減するものとする。
(オ)側溝に斜路を設ける等、野生動物の生息環境の保全に配慮した工法を検討するものとする。
(カ)甲子温泉については、湯治場的雰囲気を持った温泉としての性格を維持するものとする。
(キ)那須甲子道路から新甲子、高清水にかけての地域は、活気のある保健休養の場として秩序ある開発又は再開発を進めるものとする。
(管理方針)
(ア)事業者の責任において快適な利用環境を維持するものとする。
(イ)利用者の安全に十分配慮した施設管理を図るものとする。
(ウ)ゴミ等の汚物については、処理方法等を十分に検討の上、事業者の責任において、周囲の自然環境に悪影響が及ばないよう適切に処理するものとする。
ウ 利用の指導方針
(ア)公園利用マナーの向上を図るものとする。
(イ)自然に親しむ機会の増大を図るものとする。
2 風致景観の管理に関する事項
ア.特別地域
特別地域内における各種行為については、自然公園法の行為許可申請に対する審 査基準として、「国立公園許可、届出等取扱要領」(平成15年3月31日付け環自国第130号自然環境局長通知。以下「許可、届出等取扱要領」という。)第5に規定するとおり、自然公園法施行規則第11条に規定する許可基準及び「自然公園法の行為の許可基準の細部解釈及び運用方法について」(平成15年4月1日付け環自国第133号自然環境局長通知。以下「細部解釈等」という。)において定める基準の細部解釈によるほか、下記の取扱方針によるものとする。
なお、下記の取扱方針に適合しない既存施設等については、改築時等に統一するよう指導を行うものとする。
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1 工作物の新築、改築又は増築 |
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建築物が風致景観を損なうことなく、自然に溶け込み自然公園としての雰囲気を醸し出すよう留意するものとする。 ただし、銅板又は黒灰色の和瓦を用いる場合にあってはこの限りでない。 (2)壁面 努めて自然材料を多用して、重厚味のある落ちついたものとする。また、自然材料以外の材料を用いる場合の色彩はクリーム色、ベージュ色、茶色、白色又は灰色とする。 ④修景緑化 支障木の伐採は必要最小限とし、道路側の木は極力残すものとする。 原則として設けないものとし、隣接施設や道路からの視線を遮断する必要がある場合等やむを得ず設けなければならない場合には、生垣、板塀等風致に配慮した遮蔽物を用いるものとする。 ただし、ガソリンスタンド等他法令により塀を設けなければならない場合及びその他の場合で安全上遮蔽物を設けることが必要な場合には、建築物の周囲に必要最小限の規模で設置できるものとするが、その場合の色彩は、③-(2)に準じたものとする。 (2)建築物に自動販売機を併設する場合 なお、道路脇に単独で設置するものは認めないものとする。 ア 設置場所は軒下で、かつ、建築物壁面と同一面に納まるよう設置するものとする。なお、壁面と同一面に納めることが不可能な場合には、木材の化粧板で覆う、または囲う等、修景に配慮されているものとする。 イ 建築物と調和のとれた色彩であるものとする。 ウ 空き缶等の回収が適正に行われるものとする。 (3)敷地の造成 現地形を生かし、切土、盛土を少なくするよう配慮するものとする。なお、やむを得ず擁壁を用いる場合にあっては、自然石、自然石を模したブロック、自然石を模した仕上げ、その他風致に配慮した工法を用いるものとする。 |
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なお、支障木の伐採は必要最小限とし、風致の保護に十分配慮するものとする。 また、歩行者の多い区間については、風致上支障のない範囲内で歩道を併設するよう検討するものとする。 原則としてガードケーブル(ガードロープ)とし、ポールの色彩はコゲ茶色又は灰色(亜鉛メッキ仕上げを含む)とする。やむを得ずガードレールを使用する場合には、ガードレールの外側部をコゲ茶色又は灰色に塗色するか、並びに全体をコゲ茶色又は灰色(亜鉛メッキ仕上げを含む)とする。 (2)スノーシェッド、ロックシェッド、橋梁、落石防止柵等 金属部分の色彩については、コゲ茶色又は灰色(亜鉛メッキ仕上げを含む)とする。 ③法面処理 線形を地形に順応させる等により、法面の面積や高さ等を最小限とし、修景緑化するものとする。 (2)擁壁 自然石、自然石を模したブロック、緑化ブロック、その他風致に配慮した擁壁を用いるものとする。 やむを得ずコンクリート擁壁を用いる場合には、壁面を自然石に模した仕上げとするものとする。 (3)モルタル吹き付け 上記(1)又は(2)の工法による施工ができない場合にのみ用いるものとする。 ④残土処理 残土は、公園区域外に搬出するものとする。ただし、やむを得ず公園区域内で処理しなければならない場合であって、次の要件に適合する場合はこの限りでない。 (1)位置 風致及び自然環境の保全上支障のない位置であるものとする。 (2)処理 土砂が流出及び崩壊しないような処置が十分に講じられるものとする。 (3)緑化 処理跡地は、原則として修景緑化するものとする。 ⑤修景緑化 (1)支障木 移植可能なものについては、極力移植するものとする。 (2)修景緑化 工事に伴い裸地化した場所には、岩盤等緑化が不可能な場合を除き、当該地域に生育する植物と同種の植物により修景のための緑化を行うものとする。 (3)廃道敷 舗装を撤去し、必要に応じて客土の上、当該地域に生育する植物と同種の植物により修景のための緑化を行うものとする。 ただし、付帯園地などとして利用しても風致上の支障がない場合にあってはこの限りでない。 |
(3)電柱、鉄塔、アンテナ等 |
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できる限り主要利用道路より離れた位置か、又は建築物の裏側に設置するものとする。やむを得ず道路沿いに設置する場合には、主要展望方向の反対側に設置するものとする。 なお、第1種特別地域及び第1種特別地域に準じて特に風致の保護を図るべき地域においては、電線等は地下埋設とし、既存の電線等は更新時に地下埋設を推進するものとする。 ②規模、構造、色彩 なお、木柱以外を使用する場合は、原則としてコゲ茶色とする。 ③その他 (1)電力柱と電話柱が並列する場合の電線は、原則として共架するものとする。 (2)広告、看板類は、掲出しないものとする。 |
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3 広告物等の掲出、設置又は表示 |
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(1)商標広告及び営業地以外での社名広告(いわゆる野立広告物) 許可しないものとする。 (2)スポンサー名付きの店名表示 許可しないものとする。 (3)駐車場、広場、道路等に設ける案内標識 その利用上及び管理上支障のない位置に必要最小限の数を設置するものとする。 (4)統合看板 同一地点に複数の広告物等を設置する場合には、極力統合を図るものとする。 ②設置場所 (1)位置 主要展望方向には設置しないものとし、かつ、風致上支障のない箇所を選定するものとする。 (2)建築物壁面に掲出する場合 建築物下部に設置するものとする。 次の要件に適合したものとする。 ただし、ガソリンスタンドの内部照明を用いた登録標の広告物にあって、営業敷地内に1基限り設置する場合はこの限りでない。 (1)材料 原則として木材、石材等の自然材料とする。 (2)色彩 木材、石材等自然材料を用いる場合を除き、コゲ茶色(焼板仕上げも可)とし、文字は原色を避け、原則として白色又は黒色とする。 (3)照明を用いる場合 白色のスポットライトを使用した外部からの照明とする。 ④その他 |
4 植物の採取又は動物の捕獲等 |
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(1)研究又は学問上の目的で行われるもので、調査・研究の成果が学会等に公表されることになっているもの。 (2)標本類の採取及び捕獲を目的とするものではなく、また、採取及び捕獲により得られた標本類のうち特に貴重なものは公的機関等で保管されることになっているもの。 (3)過去の研究・調査または文献・資料によって知り得ない事実を明らかにするもの。 ③行為者の資格 (1)研究等の目的の場合は原則として、大学または公的研究機関(以下「研究機関等」という)に所属する者または公的機関から依頼を受けた者とし、その機関の活動として行われる場合に限るものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当する者はこの限りでない。 (ア)申請にかかる分野において、学問上評価される研究調査の経歴及び実績を持つ者 (イ)申請に係る分野に関する研究機関等より推薦を受けた者。 (2)これまでに自然公園法に違反する等の自然公園の保護・管理上著しい支障となるような行為を行った者でないこと ④採取及び捕獲の対象及び方法 (1)採取及び方法により当該地域の生態系に著しい影響を及ぼすおそれのないものであること。 (2)行為目的を達成するため適当と認められる方法であり、必要最小限のものであること。 (3)自然保護及び公園利用に対して十分配慮されたものであること。 ①その他 (1)公的研究機関等の申請(協議)の場合、その機関等として申請(協議)するものとする。 (2)同一の調査・研究を複数の者で行う場合、一件として代表者が申請するものとする。 (3)長期にわたる行為については、毎年申請するものとし、全期間を明確にすること。 (4)③・(1)・(ア) の判定については、研究・調査の実績及び経歴を証明できる学術的論文及び経歴書等を添付させ判断する |
5 車馬等の使用又は航空機の着陸 |
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イ.普通地域
普通地域内における各種行為については、「国立公園普通地域内における措置命令等に関する処理基準」(平成13年5月28日付け環自国第 212号)に基づき処理するとともに、ア.特別地域の取扱方針(規模に関するものを除く。)を参考として風景の保護上適切な配慮がされるよう指導するものとする。
事業決定の内容及び「国立公園事業取扱要領」(平成15年3月31日付け環自国第131号自然環境局長通知。以下「事業取扱要領」という。)によるほか、下記の取扱方針によるものとする。
なお、下記の取扱方針に適合しない既存施設等については、改築時等に統一するよう指導を行うものとする。
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(車道) |
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安全性に配慮した上で、地形の改変が少ない線形とし自然環境の保全に留意するものとする。 (2)支障木 工事に伴う支障木の伐採は必要最小限とする。 ただし、展望の優れた箇所では、風致及び自然環境の保全上著しい支障を与えない範囲内において、通景線の確保を図るものとする。 (3)歩道 歩行者の多い区間については、風致上支障のない範囲内で歩道の併設を検討するものとする。 ②付帯施設 (1)交通安全柵 原則としてガードケーブル(ガードロープ)とし、ポールの色彩はコゲ茶色又は灰色(亜鉛メッキ仕上げを含む)とする。 やむを得ずガードレールを使用する場合には、ガードレールの外側部をコゲ茶色に塗色するか、又は全体をコゲ茶色又は灰色(亜鉛メッキ仕上げを含む)とする。 (2)スノーシェッド、ロックシェッド、橋梁、落石防止柵等 金属部分の色彩については、コゲ茶色又は灰色(亜鉛メッキ仕上げを含む)とする。 (3)道路付帯園地 ア 基本方針 樹林地、展望地等各地区の特性に応じた園地の整備及び管理を行い、自然探勝、散策、ピクニック、風景鑑賞等、自然とのふれあいが高まるよう配慮するものとする。 なお、現地形を生かし、自然環境の保全に十分配慮し、整備を行うものとする。 イ 付帯施設 付帯施設は必要最小限の規模に留めるものとす る。休憩所、展望施設、公衆便所、駐車場、案内所等の便益施設を設置する場合には、利用性及び管理面を考慮するとともに、周辺の自然環境に調和したデザインとするものとする。 なお、施設の規模等については、次のとおりとする。 (ⅰ)建築物 新築、改築又は増築は次の要件に適合したものとする。ただし、次の(ア)及び(イ)については、水平投影面積10㎡以下の燃料倉庫、物置、車庫等特殊な用途の建築物、その他小規模な付帯施設及び既存建築物の増改築であって、勾配屋根とすることが構造的に困難である場合、周囲へ雪を落とすことが出来ない場合等にあっては適用しない。 (ア)規模 最高部の高さ(避雷針、煙突及びアンテナ等を除いて算定した建築物の高さ、以下同じ。)は13m以下とする。 (イ)屋根 ・原則として切妻、寄棟、入母屋等の勾配屋根とする。 ・勾配は10分の2以上とする。 ・色彩はコゲ茶色とする。ただし、銅板又は黒灰色の和瓦を用いる場合にあってはこの限りでない。 (ウ)壁面 努めて自然材料を多用して、重厚味のある落ちついたものとする。また、自然材料以外の材料を用いる場合の色彩はクリーム色、ベージュ色、茶色、白色又は灰色とする。 (ⅱ)標識類 園地全体としての統一のとれたデザインとし、自然に対する理解を深め、利用の効果を高めるため適切に設置するものとする。 (ⅲ)駐車場 風致上支障のない範囲内において、利用者数に見合った規模を確保するものとする。 ウ 管理運営 ・管理体制を明確にするとともに、十分な維持管理計画を立て、快適で安全な利用環境を維持するよう努めるものとする。 ・危険箇所及び自然環境等の保全上必要な場所には、防護柵、注意標識等を設置し、利用の安全及び自然環境の保全を図るものとする。 ・クズカゴ、吸殻入れ等は、十分な維持管理が可能な場所以外には設置しないものとし、ゴミの投げ捨て防止、ゴミ持ち帰り運動を推進するとともに、園路、広場の草刈り、園地内の清掃等を定期的に実施するものとする。 ・展望台の展望方向は、良好な展望を確保するため、密な樹木の保存は避けるものとする。 ③法面処理 |
(歩道) |
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(1)管理体制を明確にするとともに、危険箇所の点検、補修、草刈り、清掃等を定期的に実施するものとする。 (2)クズカゴ、吸殻入れ等は、十分な維持管理が可能な場所以外には設置しないものとし、ゴミの投げ捨て防止、ゴミの持ち帰り運動を推進するものとする。 (3)山岳地域に設置した標識類は、巡視活動等を行い、維持管理に十分配慮するものとする。 また、老朽化した標識類は、設置者の責任において修理、更新を行うものとする。 |
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4
宿 舎 |
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(1)壁面は道路及び敷地境界線からできる限り離すものとする。 (2)最高部の高さは13m以下とし、3階建て以下とする。 (3)建ぺい率は40%以下とする。 ③デザイン、色彩、材料 (1)駐車場 風致上支障のない範囲内において、収容力に見合うよう確保するものとする。 (2)敷地境界線に設けられる遮蔽物 原則として設けないものとし、隣接施設や道路からの視線を遮断する必要がある場合等やむを得ず設けなければならない場合には、生垣、板塀等風致に配慮した遮蔽物を用いるものとする。 (3)広告物 建築物等に掲出又は表示する場合は次の要件に適合したものとする。 ア できるだけ建築物下部に設置するものとする。 イ 材料原則として木材、石材等の自然材料とする。 ウ 色彩 木材、石材等自然材料を用いる場合を除き、コゲ茶色(焼板仕上げも可)とし、文字は原色を避け、原則として白色又は黒色とする。 エ 照明を用いる場合 白色のスポットライトを使用した外部からの照明とし、動光又は点滅を伴わないものとする。 オ 蛍光塗料のバーミリオン(朱色)等必要以上に強い印象を与える色彩を用いたものでないものとする。 (4)擁壁 (1)支障木 工事に伴う支障木の伐採は、必要最小限とする。 (2)修景 敷地の道路側及び建築物の正面には修景のため高木性樹種により植栽を行うものとする。 ⑥管理運営 ⑦その他 敷地の造成については、現地形を生かし、切土、盛土を少なくするよう配慮するものとする。 |
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第2・2・(1)・1・(1)建築物・③・(2)と同様とする。 ④管理 |
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(1)滑降コース及びゲレンデ 規模は、安全性に配慮した必要最小限とし、次の要件に適合したものとする。 ア 位置 災害の危険性がなく、大規模な造成を伴わない位置とする。 イ 規模及び幅員 滑降コースの幅は50m以下とし、安全性を考慮して適切に配置するものとする。 ウ コース、ゲレンデ間の間隔 ゲレンデ、滑降コースの配置に当たっては、十分な施設間隔を保つものとする。 エ 造成 原則として自然地形を生かしたものとする。 オ 修景緑化 造成後、コース、ゲレンデの周囲等は、危険防止及び防災上の十分な処置を講じた上、岩盤である等緑化が不可能な場合を除き、当該地域に生育する植物と同種の植物により修景のための緑化を行うものとする。 (2)スキーリフト等 ア 位置 災害の危険性がなく、大規模な自然環境の改変が生じない位置に設置するものとする。 イ 規模 安全性に支障がない範囲で、支柱の高さはできるだけ抑えるものとする。 ウ 色彩 支柱の色彩はコゲ茶色とし、搬機の金属部分は亜鉛メッキ、コゲ茶色等の目立たない色彩を用いるものとする。 なお、現在これと異なる色彩にあっては、塗り替え時等に統一を図るものとする。 (3)建築物 休憩所、従業員宿舎、食堂等の建築物は、次の要件に適合したものとする。 ア 規模 努めて自然材料を多用して、重厚味のある落ちついたものとする。 また、自然材料以外の材料を用いる場合の色彩はクリーム色、ベージュ色、茶色、白色又は灰色とする。 (4)標識類 スキー場全体として統一のとれたデザインとし、次の要件に適合したものとする。 ただし、利用者の安全確保のために設けられるものについてはこの限りでない。 ア 木材を用い、色彩はコゲ茶色とする。 イ 標識類には、商品名は掲出しないものとする。 ウ 設置された標識類が汚損した場合には、設置者が速やかに撤去又は補修等の維持管理を行うものとする。 (5)その他の施設 管理道路、駐車場を設ける場合には、風致上の支障のない範囲内において、利用者数に見合った規模で計画するものとする。 ③管理運営 (1)スキー場内におけるパトロール体制及び医療救急体制を強化し、利用者の安全を確保するものとする。 (2)スキー場内は、事業者により清掃を適切に行うものとする。 ④その他 (1)スキー場内の清潔を保持するとともに、周辺の自然環境を保全するため、次の事項について啓発活動及び広報の強化を行い、適切に利用指導を行うものとする。 ア ゴミの投げ捨てを防止すること。 (2)拡声器等の使用は、スキーヤーの安全確保及び環境保全上の指導等必要不可欠なものに留めるものとする。 |
7 索道運送施設 |
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3 地域の開発、整備に関する事項
(1)自然公園施設
甲子地域は、新甲子及び高清水を利用の拠点とする。今後は、那須高原等との地区間の連携を高め、魅力ある快適な地区にするよう、施設の充実を図るものとする。
(2)一般公共施設
県及び町村の行う一般公共施設の整備については、公園計画との有効かつ円滑な調整を行うため、次年度の計画について前年度末までに、県の自然公園担当部局を通じて整備計画の照会を行い、必要に応じてヒアリングを実施するものとする。
(3)その他の大規模開発
周辺の自然環境に与える影響が著しいと予想される整備については、環境影響調査を実施し、風致、植生、野生動物等の自然環境の保全上の支障が生じないよう十分配慮するものとする。
1 管理の基本的方針
(1)保護に関する方針
ア 風致景観の特性
茶臼岳、朝日岳、三本槍岳等からなる那須連山の主要部は、山麓に広がる広大な裾野と相俟って雄大な山岳景観を有している。主峰である茶臼岳は、今なお噴気を上げる活火山で、噴気の影響を強く受ける山頂部周辺は植物が育たない荒涼とした景観であり、また、朝日岳周辺は、山肌の浸食が著しく、深く切れ込んだ断崖を持つ独特の景観となっている。清水平から三本槍岳周辺の稜線部にはコケモモ、ガンコウラン、ハイマツ、アズマシャクナゲ等の高山植物群落が広がり、雄大な景観を呈している。
この地域の山腹は、太平洋に注ぐ那珂川の源流部にあたり、良好な広葉樹林や牧野を含む広大な高原景観が広がり、これらの林内に、古くからの温泉地が点在している。
またこの地区の西には、沼原湿原があり、ナガバノモウセンゴケ、ザゼンソウ等の特異な湿原植生を有している。
イ 保全対象と保全方針
(ア)登山道上からの茶臼岳、朝日岳、三本槍岳等の山岳景観、高山植生
地形及び植生への人為影響を排除するとともに、必要に応じて損傷箇所の修復に努める。
(イ)山麓から見た那須連山及び裾野の雄大な景観
主要展望地等からの展望を妨げるような工作物の設置等の行為については許可しない。
(ウ)山上から見た裾野の広大な高原景観
主要展望地点等から望見される範囲については、人為的改変を必要最小限とする。
(エ)茶臼岳の火山景観
人為的改変を必要最小限とする。
(オ)八幡のツツジ群落景観
ツツジ群落の維持に努めるとともに、主要展望地からの低木林景観を阻害するような工作物の設置等の行為を排除する。
(カ)那須甲子線道路、那須周回線道路、那須岳線道路及び板室三斗小屋線道路等公園利用車道沿線の良好な広葉樹林景観
車道沿線の広葉樹林を極力保存するとともに、車道から工作物等が望見されにくくなるよう留意する。
(キ)沼原湿原の湿原植生
湿原及びその周辺の植生への人為的影響を排除するとともに、湿原の水理を維持すること等により湿原生態系及び湿原景観の維持に努める。
(ク)三斗小屋温泉、北温泉等の落ち着いた静謐な雰囲気
建築物を始めとする工作物の新改増築に当たっては、雰囲気を破壊することのないよう、規模、デザイン、修景等に留意する。
ウ 保護施設の整備及び保護のための事業の実施方針
(ア)那須岳稜線部の登山道沿線部において、土壌流出防止及び植生復元を図るものとする。
(2)利用に関する方針
ア 利用の特性及び利用方針
本管理計画区は、茶臼岳を中心とする那須連山の南斜面に位置しており、那須特有の硫黄温泉が湧出している。この温泉を活用した保養所、ペンション等の宿泊施設の利用者が多い。
このような利用形態から、宿泊地周辺部において、自然とのふれあい活動を推進するものとする。
イ 利用施設の整備及び管理方針
(整備方針)
(ア)快適な利用環境を確保するものとするが、規模が過大とならないよう留意するものとする。
(イ)利用拠点においては、施設のデザインに統一感を持たせる等、街並みの形成についても配慮するものとする。
(ウ)良好な自然地域においては、その自然環境の保全に十分配慮した整備をするものとする。
(エ)汚水処理の設備等には、環境保全対策上、最良の機能を有すると認められるものを導入すること等により、環境に対する負荷を極力低減するものとする。
(オ)側溝に斜路を設ける等、野生動物の生息環境の保全に配慮した工法を検討するものとする。
(カ)三斗小屋温泉は、湯治場的雰囲気をもった温泉としての性格を維持するものとする。
(キ)那須岳スキー場は、地形等の制約から家族向けのスキー場として整備するものとする。
(ク)那須高原に点在する、弁天、大丸等の温泉宿舎は、周囲から望見され易い位置にあるので、風致上の支障を軽減するよう十分配慮するとともに、各温泉の特色を生かした宿舎とするものとする。
(ケ)板室温泉は、落ち着いた温泉集落としての性格を維持するものとする。
(管理方針)
(ア)事業者の責任において快適な利用環境を維持するものとする。
(イ)利用者の安全に十分配慮した施設管理を図るものとする。
(ウ)ゴミ等の汚物については、処理方法等を十分に検討の上、事業者の責任において、周囲の自然環境に悪影響が及ばないよう適切に処理するものとする。
ウ 利用の指導及び利用規制方針
(利用指導方針)
(ア)公園利用マナーの向上を図るものとする。
(イ)自然に親しむ機会の増大を図るものとする。
(利用規制方針)
那須岳周辺は、無立木地であり、強風の日が多いことから、関係機関による遭難防止対策を十分講じるものとする。
2 風致景観の管理に関する事項
(1)許可、届出等取扱方針
ア.特別地域、特別保護地区
特別地域又は特別保護地区内における各種行為については、自然公園法の行為許可申請に対する審査基準として、「許可、届出等取扱要領」第5に規定するとおり、自然公園法施行規則第11条に規定する許可基準、同条第31項の規定に基づき環境大臣が定めた「日光国立公園の特別地域内における行為の許可基準の特例」(平成12年10月12日付け環境庁告示第68号)及び「細部解釈等」において定める基準の細部解釈によるほか、第2・2・(1)許可、届出等取扱方針と同様とする。
イ.普通地域
普通地域内における各種行為については、「国立公園普通地域内における措置命令等に関する処理基準」(平成13年5月28日付け環自国第 212号)に基づき処理するとともに、ア.特別地域、特別保護地区の取扱方針(規模に関するものを除く。)を参考として風景の保護上適切な配慮がされるよう指導するものとする。
なお、建築物にかかるものについては、「栃木県日光国立公園普通地域内の建築物設置に関する指針」(平成元年7月1日施行、栃木県)に基づき指導する。
事業決定の内容及び「事業取扱要領」によるほか、下記の取扱方針によるものとする。
なお、以下の取扱方針に適合しない既存施設等については、改築時等に統一するよう指導を行うものとする。
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(車道) |
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(1)壁面は道路及び敷地境界線からできるだけ離すものとする。 (2)最高部の高さ等 ア 那須高原宿舎・北宿舎・旭宿舎・大丸宿舎・おだん宿舎・高雄宿舎 最高部の高さは20m以下かつ、5階建て以下とする。 ただし、地形等により長さ3m以上の渡り廊下を設けなければならない場合は、それぞれの高さを算定するものとする。 イ 三斗小屋温泉宿舎 最高部の高さは13m以下とする。 (3)建ぺい率は50%以下とする。 ③デザイン、色彩、材料 風致景観上支障のない範囲内において、収容力に見合うよう確保するものとする。 ただし、三斗小屋温泉宿舎についてはこの限りでない。 (2)敷地境界線に設けられる遮蔽物 |
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やむを得ず陸屋根とする場合には、傾斜パラペットをつけるものとする。 イ 勾配は10分の2以上とする。 ただし、銅板又は黒灰色の和瓦を用いる場合にあってはこの限りでない。 なお、傾斜パラペットについても同様とする。 (2)壁面 第2・2・(1)・1・(1)建築物・③・(2)と同様とする。 ④付帯施設 風致上支障のない範囲内において、収容力に見合うよう確保するものとする。 (2)敷地境界線に設けられる遮蔽物 |
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以下に定める要件に適合したものとする。 ただし、次のア及びイについては、水平投影面積10㎡以下の燃料倉庫、物置、車庫等特殊な用途の建築物、その他小規模な付帯施設及び既存建築物の増改築であって、勾配屋根とすることが構造的に困難である場合、周囲へ雪を落とすことが出来ない場合等にあっては適用しない。 ア 規模 ただし、銅板又は黒灰色の和瓦を用いる場合にあってはこの限りでない。 ウ 壁面 努めて自然材料を多用して、重厚味のある落ちついたものとする。 また、自然材料以外の材料を用いる場合の色彩はクリーム色、ベージュ色、茶色、白色又は灰色とする。 (2)駐車場 風致上支障のない範囲内において、利用者数に見合うよう確保するものとする。 (3)標識類 野営場全体として統一のとれたデザインとし、自然に対する理解を深め、利用の効果を高めるため、案内解説板等を適切に設置するものとする。 ③修景緑化 (1)適度な緑陰を確保するため、テントサイト周辺には立木を残すとともに、必要な場所には植栽を行うものとする。 (2)テントサイトは、快適な空間を確保するものとし、適度な密度で樹木の管理や植栽等を行うものとする。 ④管理運営方法 ア 危険木等を除去する等、利用者の安全対策について適切な処置を講ずる。 イ ゴミの持ち帰り等の啓発活動を実施する。 ウ 野営場内(特にテントサイト)の表土の流出を防ぐため、土留、排水等適切な施設を整備する。 ⑤その他 |
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3 地域の開発、整備に関する事項
(1)自然公園施設
那須高原集団施設地区を本管理計画区の公園利用の拠点として整備してきた。
今後は更なる施設の充実に併せて、自然環境教育活動の拠点としても対応できるような施設の整備を図るものとする。
(2)一般公共施設
県及び市町の行う一般公共施設の整備については、公園計画との有効かつ円滑な調整を行うため、次年度の計画について前年度末までに、県の自然公園担当部局を通じて整備計画の照会を行い、必要に応じてヒアリングを実施するものとする。
(3)その他の大規模開発
周辺の自然環境に与える影響が著しいと予想される整備については、環境影響調査を実施し、風致、植生、野生動物等の自然環境の保全上の支障が生じないよう十分配慮するものとする。
1 管理の基本的方針
(1)保護に関する方針
ア 風致景観の特性
茶臼岳、朝日岳、三本槍岳等からなる那須連山の山岳景観や、その山麓に広がる広大な高原景観を背後に有し、これに続くなだらかな山麓の樹林景観を呈している。
那須地域への主要到達路である黒磯那須湯本線道路沿線は、アカマツ林やミズナラの二次林等に覆われており、良好な街道景観を呈している。
イ 保全対象と保全方針
(ア)山麓から見た那須連山及び裾野の雄大な景観
主要展望地等からの展望を妨げるような工作物の設置等の行為を排除する。
(イ)山上から見た裾野の広大な樹林景観
主要展望地等から望見される範囲については、極力人為的改変を排除するとともに、既開発地においては、風致への影響の軽減、改善を指導する。
(ウ)黒磯那須湯本線道路、那須山麓線道路等公園利用車道沿線の良好な樹林景観
車道沿線の開発行為を必要最小限とするとともに、広葉樹林、アカマツ林の保存に努める。また、車道から工作物等が望見されにくくなるよう留意するとともに、既開発地においては、風致への影響の軽減、改善を指導する。
(2)利用に関する方針
ア 利用の特性及び利用方針
本管理計画区は、茶臼岳を中心とする那須連峰の南斜面に位置しており、那須特有の硫黄温泉が多数湧出している。この温泉を活用した保養所、ペンション等の宿泊型の利用形態が多い。
このような利用形態から、各種の野外レクリエーションや温泉浴が楽しめる活気のある地区になるよう利用の推進を図るものとする。特に、宿泊地周辺部において自然とのふれあい活動の推進を図るものとする。
イ 利用施設の整備及び管理方針
(整備方針)
(ア)快適な利用環境を確保するものとするが、規模が過大とならないよう留意するものとする。
(イ)利用拠点においては、施設のデザインに統一感を持たせる等、街並みの形成についても配慮するものとする。
(ウ)良好な自然地域においては、その自然環境の保全に十分配慮した整備をするものとする。
(エ)汚水処理の設備等には、環境保全対策上、最良の機能を有すると認められるものを導入すること等により、環境に対する負荷を極力低減するものとする。
(オ)側溝に斜路を設ける等、野生動物の生息環境に配慮した工法を検討するものとする。
(管理方針)
(ア)事業者の責任において快適な利用環境を維持するものとする。
(イ)利用者の安全に十分配慮した施設管理を図るものとする。
(ウ)ゴミ等の汚物については、処理方法等を十分に検討の上、事業者の責任において、周囲の自然環境に悪影響が及ばないように適切に処理するものとする。
ウ 利用の指導方針
(ア)公園利用マナーの向上を図るものとする。
(イ)自然に親しむ機会の増大を図るものとする。
2 風致景観の管理に関する事項
(1)許可、届出等取扱方針
ア.特別地域
特別地域内における各種行為については、自然公園法の行為許可申請に対する審査基準として、「許可、届出等取扱要領」第5に規定するとおり、自然公園法施行規則第11条に規定する許可基準、同条第31項の規定に基づき別途環境大臣が定めた「日光国立公園の特別地域内における行為の許可基準の特例」(平成12年10月12日付け環境庁告示第68号)及び「細部解釈等」において定める基準の細部解釈によるほか、下記の取扱方針(行政指導の指針に相当する事項を除く。)によるものとする。
なお、下記の取扱方針に適合しない既存施設等については、改築時等に統一するよう指導を行うものとする。
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1 工作物の新築、改築又は増築 |
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第2・2・(1)・1・(1)建築物と同様とする。ただし、那須街道沿いの第2種特別地域(別添区域図)に設けられるガソリンスタンドのキャノピーについては、次の取扱いによるものとする。 ①基本方針 また、屋根部もしくは柱部に登録商標を表示することは避けるものとする。 |
(2)ガソリンスタンドの防火壁 |
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(4)電柱、鉄塔、アンテナ等 |
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3 広告物等の掲出、設置又は表示 |
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4 植物の採取又は動物の捕獲等 |
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5 車馬等の使用又は航空機の着陸 |
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イ.普通地域
普通地域内における各種行為については、「国立公園普通地域内における措置命令等に関する処理基準」(平成13年5月28日付け環自国第 212号)に基づき処理するとともに、ア.特別地域の取扱方針(規模に関するものを除く。)を参考として風景の保護上適切な配慮がされるよう指導するものとする。
なお、建築物にかかるものについては、「栃木県日光国立公園普通地域内の建築物設置に関する指針」(平成元年7月1日施行、栃木県)に基づき指導するものとする。
(2)公園事業取扱方針
事業決定の内容及び「事業取扱要領」によるほか、下記の取扱方針によるものとする。
なお、以下の取扱方針に適合しない既存施設等については、改築時等に統一するよう指導を行うものとする。
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(1)壁面は道路及び敷地境界線からできるだけ離すものとする。 (2)最高部の高さは25m以下とする。 なお、高さが現に25mを超える宿舎にあっては、既存の高さを超えないものとする。 (3)建ぺい率は50%以下とする。 ③デザイン、色彩、材料 次の要件に適合したものとする。 (1)屋根 ア 切妻、寄棟、入母屋等の勾配屋根とする。 ただし、やむを得ず陸屋根とする場合であって、傾斜パラペットをつけるものについてはこの限りでない。 イ 勾配は10分の2以上とする。 ただし、銅板又は黒灰色の和瓦を用いる場合にあってはこの限りでない。 なお、傾斜パラペットについても同様とする。 第2・2・(1)・1・(1)建築物・③・(2)と同様とする。 ④付帯施設 風致上支障のない範囲内において、収容力に見合うよう確保するものとする。 (2)敷地境界線に設けられる遮蔽物 第2・2・(2)・4宿舎・④・(2)と同様とする。 (3)広告物 第2・2・(2)・4宿舎・④・(3)と同様とする。 (4)テニスコート テニスコートを設置する場合や改良を行う場合は、「国立公園事業に係るテニスコートの取扱要領について」(昭和57年5月7日環自保第 138号保護管理課長通知)中の第2によるほか、土地の形状変更及び支障木の伐採は、必要最小限に留め、自然環境に十分配慮し、整備するものとする。 (5)擁壁 |
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6 博物展示施設 |
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3 地域の開発、整備に関する事項
(1)自然公園施設
公園利用者の多い地域ではあるが、自然環境教育活動及び情報発信の拠点としての施設はないことから、今後、自然とのふれあいの拠点となる施設の整備を図るものとする。
(2)一般公共施設
県及び市町の行う一般公共施設の整備については、公園計画との有効かつ円滑な調整を行うため、次年度の計画について前年度末までに、県の自然公園担当部局を通じて整備計画の照会を行い、必要に応じてヒアリングを実施するものとする。
(3)その他の大規模開発
周辺の自然環境に与える影響が著しいと予想される整備については、環境影響調査を実施し、風致、植生、野生動物等の自然環境の保全上支障が生じないよう十分配慮するものとする。
4 土地及び事業施設の管理に関する事項
国有財産の管理
那須湯本地区には、昭和29年6月11日に大蔵省より所管換えを受けた環境省所管地2,284 ㎡があり、公園事業用地及び公共目的のため栃木県、那須町等に対し、全域使用許可を行っているところである。
この土地の管理については、事業執行者等使用許可を受けた者が国立公園内であることの認識と使用許可目的の趣旨を踏まえ、適切に管理するものとする。
また、栃木県より環境省が借地(246,572.81㎡)し野営場や園地等の施設整備を進めている那須高原集団施設地区については、より魅力ある快適な公園利用施設となるよう施設の再整備、充実と適切な管理を図るものとする。
1 管理の基本的方針
(1)保護に関する方針
ア 風致景観の特性
高原火山群の溶岩流等により形成された火山地形、これを流れる大小の滝群、箒川の浸食により形成された深い渓谷が、周辺のアカマツ、モミ、カエデ等の植生と一体となり良好な渓谷景観を呈している。
大佐飛山周辺部には、オオシラビソ、ダケカンバ等の亜高山植生、ブナを主体とする良好な広葉樹林等の景観が広がっている。
また、箒川沿いには塩原温泉街が形成されているとともに、周辺には元湯、甘湯、塩の湯等の温泉集落が点在している。
大沼の湿原にはミズバショウ群落等の良好な湿原植生景観が広がり、モリアオガエル等も生息している。
イ 保全対象と保全方針
(ア)箒川の渓谷美
利用者から望見される範囲については、人為的改変を必要最小限とする。
(イ)塩原藤原線道路、矢板塩原線道路及須巻富士線道路沿線の良好な樹林景観
車道沿線の樹林を極力保存するとともに、車道から工作物等が望見されにくくなるよう留意する。
(2)利用に関する方針
ア 利用の特性及び利用方針
本管理計画区内には、以前は豊富な湯量を有する湯治場的な温泉地が点在していたが、近年の道路改修及び南会津地方に通じるトンネル開通等により車による利用者が増加し、宿泊施設も近代化したことから、湯治場的な要素の薄らいだ地域となっている。
このような利用形態の変化を考慮し、前山博物展示施設を拠点として、周囲に整備された園地、歩道、野営場等の施設との連携を図りつつ、自然体験型利用を推進するものとする。
イ 利用施設の整備及び管理方針
(整備方針)
(ア)快適な利用環境を確保するものとするが、規模が過大とならないよう留意するものとする。
(イ)利用拠点においては、施設のデザインに統一感を持たせる等、街並みの形成についても配慮するものとする。
(ウ)良好な自然地域においては、その自然環境の保全に十分配慮した整備をするものとする。
(エ)汚水処理の設備等には、環境保全対策上、最良の機能を有すると認められるものを導入すること等により、環境に対する負荷を極力低減するものとする。
(オ)側溝に斜路を設ける等、野生動物の生息環境に配慮した工法を検討するものとする。
(カ)塩原温泉街(普通地域)については、塩原渓谷探勝の基地及び健全な温泉地として共同浴場、探勝歩道等の整備を図るものとする。
(キ)周辺に散在する元湯、新湯、塩の湯、大網等の温泉については、各地区の特色を生かした温泉保養地づくりを目指すものとする。
(管理方針)
(ア)事業執行者の責任において快適な利用環境を維持するものとする。
(イ)利用者の安全に十分配慮した施設管理を図るものとする。
(ウ)ゴミ等の汚物については、処理方法等を十分に検討の上、事業者の責任において、周囲の自然環境に悪影響が及ばないよう適切に処理するものとする。
ウ 利用の指導方針
(ア)公園利用マナーの向上を図るものとする。
(イ)自然に親しむ機会の増大を図るものとする。
(ウ)塩原渓谷歩道等における自然観察利用、自然に親しむ運動等の促進を図るものとする。
2 風致景観の管理に関する事項
(1)許可、届出等取扱方針
ア.特別地域
特別地域内における各種行為については、自然公園法の行為許可申請に対する審査基準として、「許可、届出等取扱要領」第5に規定するとおり、自然公園法施行規則第11条に規定する許可基準、同条第31項の規定に基づき別途環境大臣が定めた「日光国立公園の特別地域内における行為の許可基準の特例」(平成12年10月12日付け環境庁告示第68号)及び「細部解釈等」において定める基準の細部解釈によるほか、第2・2・(1)許可、届出等取扱方針と同様とする。
なお、下記の取扱方針に適合しない既存施設等については、改築時等に統一するよう指導を行うものとする。
イ.普通地域
普通地域内における各種行為については、「国立公園普通地域内における措置命令等に関する処理基準」(平成13年5月28日付け環自国第 212号)に基づき処理するとともに、ア.特別地域の取扱方針(規模に関するものを除く。)を参考として風景の保護上適切な配慮がされるよう指導するものとする。
なお、建築物にかかるものについては、「栃木県日光国立公園普通地域内の建築物設置に関する指針」(平成元年7月1日施行、栃木県)に基づき指導する。
(2)公園事業取扱方針
事業決定の内容及び「事業事業取扱要領」によるほか、下記の取扱方針によるものとする。
なお、下記の取扱方針に適合しない既存施設等については、改築時等に統一するよう指導を行うものとする。
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(1)壁面は道路及び敷地境界線からできるだけ離すものとする。 (2)最高部の高さ等 ア 大網宿舎 最高部の高さは13m以下とし、3階建て以下とする。 最高部の高さは20m以下とする。 ただし、地形等により長さ3m以上の渡り廊下を設けなければならない場合は、それぞれの高さを算定するものとする。 ③デザイン、色彩、材料 |
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7 博物展示施設 |
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風致上支障のない範囲内において、収容力に見合うよう確保するものとする。 (3)標識類 野営場全体として統一のとれたデザインとし、自然に対する理解を深め、利用の効果を高めるため、案内解説板等を適切に設置するものとする。 ③修景緑化・管理運営方法・その他 |
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規模は、安全性に配慮した必要最小限とし、次の要件に適合したものとする。 ア 位置 (ア)標高 1,500m以上においては、滑降コースを主稜線上に配置しないものとする。 (イ)災害の危険性がなく、大規模な造成を伴わない位置とする。 イ 規模及び幅員 第2・2・(2)・6スキー場・②・(1)・イと同様とする。 (3)建築物 (ア)公園事業道路塩原藤原線道路(有料道路日塩もみじライン)沿線は現在の風致を維持するため、極力、当該道路(取付道路を除く)から直接施設が望見されることのない位置とする。 (イ)施設の配置に当たっては、主要利用拠点から明神ヶ岳の稜線を分断しないよう配置するものとする。 (ウ)災害の危険性がなく、大規模な造成を伴わない位置とする。 イ 規模 第2・2・(2)・6スキー場・②・(3)・ア、イ及びウと同様とする。 (4)標識類 (1)スキー場内の清潔を保持するとともに、周辺の自然環境を保全するため、次の事項について啓発活動及び広報の強化を行い、適切に利用者指導を行うものとする。 ア ゴミの投げ捨てを防止すること。 (2)融雪防止剤及びそれに類するものの散布は行わないものとする。 (3)拡声器等の使用は、スキーヤーの安全確保及び環境保全上の指導等必要最小限に留めるものとする。 |
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3 地域の開発、整備に関する事項
(1)自然公園施設
塩原地域については、公園利用の拠点として公園計画に基づき整備を進めてきたが、今後は、施設間の連携を高める等により魅力ある快適な地域としての施設の充実を図るものとする。
また、前山博物展示施設は、塩原地域における自然解説の拠点となっている施設であり、今後は、環境教育活動及び塩原地域の自然公園等に関する情報発信の拠点として整備し、当該施設を中心に自然研究路等の整備の充実を図るものとする。
(2)一般公共施設
県及び町の行う一般公共施設の整備については、公園計画との有効かつ円滑な調整を行うため、次年度の計画について前年度末までに、県の自然公園担当部局を通じて整備計画の照会を行い、必要に応じてヒアリングを実施するものとする。
(3)その他の大規模開発
周辺の自然環境に与える影響が著しいと予想される整備については、環境影響調査を実施し、風致、植生、野生動物等の自然環境の保全上支障が生じないよう十分配慮するものとする。
1 管理の基本的方針
(1)保護に関する方針
ア 風致景観の特性
高原火山群の溶岩流等により形成された火山地形が特徴的な景観を形成している。
釈迦ヶ岳、明神岳のオオシラビソ群落からなる亜高山帯樹林景観、中腹部のブナ、ミズナラ等の広葉樹林景観、八方ヶ原一帯に広がるレンゲツツジ群落と開放的な牧野等の草原景観を有している。
イ 保全対象と保全方針
(ア)開放的な草原景観とツツジ群落
草原植生やツツジ群落の維持に努めるとともに、風致の維持を図る。
(イ)矢板塩原線道路の景観
車道沿線の改変を極力抑え、現状の風致維持に努めるとともに、車道から工作物等が望見されにくくなるよう留意する。
(ウ)山麓からの山岳景観
山麓から望見される範囲については、風致の維持を図る。
(2)利用に関する方針
ア 利用の特性及び利用方針
本管理計画区は、園地、野営場及び歩道等の整備が中心に行われており、夏季の利用者が多く、主に八方ヶ原がこの地域の利用拠点となっている。
このような利用形態から、本管理計画区では、八方ヶ原を利用拠点にした自然体験型の利用を推進するものとする。
イ 利用施設の整備及び管理方針
(整備方針)
(ア)快適な利用環境を確保するものとするが、規模が過大とならないように留意するものとする。
(イ)利用拠点においては、施設のデザインに統一感を持たせる等、街並みの形成についても配慮するものとする。
(ウ)良好な自然地域においては、その自然環境の保全に十分配慮した整備をするものとする。
(エ)汚水処理の設備等には、環境保全対策上、最良の機能を有すると認められるものを導入すること等により、環境に対する負荷を極力低減するものとする。
(オ)側溝に斜路を設ける等、野生動物の生息環境に配慮した工法を検討するものとする。
(カ)徒歩利用の促進のため、探勝歩道、釈迦ケ岳登山道の整備を図るものとする。
(キ)八方ケ原野営場は、適切な管理計画のもと、高原の野営場として相応しい整備を図るものとする。
(管理方針)
(ア)事業執行者の責任において快適な利用環境を維持するものとする。
(イ)利用者の安全に十分配慮した施設管理を図るものとする。
(ウ)ゴミ等の汚物については、処理方法等を十分に検討の上、事業者の責任において、周囲の自然環境に悪影響が及ばないよう適切に処理するものとする。
ウ 利用の指導方針
(ア)公園利用マナーの向上を図るものとする。
(イ)自然に親しむ機会の増大を図るものとする。
2 風致景観の管理に関する事項
(1)許可、届出等取扱方針
ア.特別地域
特別地域内における各種行為については、自然公園法の行為許可申請に対する審査基準として、「許可、届出等取扱要領」第5に規定するとおり、自然公園法施行規則第11条に規定する許可基準、同条第31項の規定に基づき別途環境大臣が定めた「日光国立公園の特別地域内における行為の許可基準の特例」(平成12年10月12日付け環境庁告示第68号)及び「細部解釈等」において定める基準の細部解釈によるほか、第2・2・(1)許可、届出等取扱方針と同様とする。
ウ.普通地域
普通地域内における各種行為については、「国立公園普通地域内における措置命令等に関する処理基準」(平成13年5月28日付け環自国第 212号)に基づき処理するとともに、ア.特別地域の取扱方針(規模に関するものを除く。)を参考として風景の保護上適切な配慮がされるよう指導するものとする。
なお、建築物にかかるものについては、「栃木県日光国立公園普通地域内の建築物設置に関する指針」(平成元年7月1日施行、栃木県)に基づき指導する。
(2)公園事業取扱方針
事業決定の内容及び「事業取扱要領」によるほか、下記の取扱方針によるものとする。
なお、下記の取扱方針に適合しない既存施設等については、改築時等に統一するよう指導を行うものとする。
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④残土処理 |
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(1)壁面は道路及び敷地境界線からできるだけ離すものとする。 (2)最高部の高さは13m以下とする。 (3)建ぺい率は30%以下とする。 (1)駐車場 風致上支障のない範囲内において、収容力に見合うよう確保するものとする。 (2)敷地境界線に設けられる遮蔽物 |
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第3・2・(2)・5野営場・②・(1)と同様とする。 (2)駐車場 風致上支障のない範囲内において、利用者数に見合った規模を確保するものとする。 (3)標識類 野営場全体として統一のとれたデザインとし、自然に対する理解を深め、利用の効果を高めるため、案内解説板等を適切に設置するものとする。 ③修景緑化 |
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3 地域の開発、整備に関する事項
(1)自然公園施設
通過型の利用形態が目立つ地域であるが、公園事業道路である矢板塩原線の道路改良も進み、公園事業道路の塩原藤原線道路と一体となった利用の増加が見込まれる地域でもある。
したがって、今後は探勝歩道や自然解説を兼ねた情報発信型の施設の整備を図るものとする。
(2)一般公共施設
県及び市町の行う一般公共施設の整備については、公園計画との有効かつ円滑な調整を行うため、次年度の計画について前年度末までに、県の自然公園担当部局を通じて整備計画の照会を行い、必要に応じてヒアリングを実施するものとする。
(3)その他の大規模開発
周辺の自然環境に与える影響が著しいと予想される整備については、環境影響調査を実施し、風致、植生、野生動物等の自然環境の保全上の支障が生じないよう十分配慮するものとする。
1 自然解説
国立公園は、傑出した自然の風景地であるばかりでなく、学術的にも貴重な自然を豊富に含む地域であり、その利用は、単なる物見遊山ばかりではなく自然に親しみ、自然から学ぶことが望ましく、このような適正な利用を念頭に置いて、利用者を指導する必要がある。
したがって、このような適正な利用形態に導くためには、自然解説活動を積極的に推進する必要があり、以下の事項を踏まえて、各地域の実状にあった自然解説の充実を図るものとする。
(1)環境省、県、市町村等が一体となって、自然に親しむ運動や利用者の指導を展開するものとする。
(2)自然に親しみ健全な野外レクリエーションを促進するための基地として設置された休暇村の活用を図り、休暇村の活動への適切な指導、協力を行うものをする。
(3)民間の事業者等が、主体的に自然解説や利用者の指導を行うよう、必要な指導、助言を行うものとする。
(4)自然公園指導員との綿密な情報交換を図るなど、指導員の活動への適切な指導、協力を図るものとする。
(5)自然に親しみ、自然から学ぶための中核施設及びインフォメーション施設として、公園計画に従いビジターセンター等の施設を整備するよう検討するものとする。
(6)ビジターセンターの整備を検討するに際しては、関係機関、地元等との協力を確保し、管理や利用のための計画等ソフト面での計画を検討した上で、建物や展示物等ハード面での整備を図るものとする。
(7)よりきめの細かい利用指導や、一般の自然保護思想の普及啓発のため、自然公園指導員の積極的な活動の推進や、パークボランティア制度等の導入、育成を図るものとする。
2 利用者の安全対策
那須火山帯の中核部に位置している茶臼岳は噴煙を上げている活火山であり、注意を促す標識、立ち入り防止柵の整備等により利用者の安全対策を図るものとする。
以下の美化清掃団体が環境省の国立公園清掃活動事業とともに清掃を実施している。 今後とも清掃活動が適切に行われるよう協力するものとする。
1 美化清掃計画
(1)甲子南湖地区
福島県自然公園清掃協議会吾妻スカイライン支部がこの地区の美化清掃に当たっている。
(2)那須地区及び塩原地区
栃木県自然公園美化推進協議会那須支部、塩原支部がこの地域の美化清掃に当たっている。
重点清掃地域については、下表のとおり。
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2 その他
日光国立公園の尾瀬地域をさきがけとするゴミの持ち帰り運動は、全国的に普及してきており、日光国立公園においても尾瀬地域のほか、奥日光地域等において成果を収めている。
このゴミの持ち帰り運動は、次の3項目の活動が大きな柱となっている。
(1)ゴミの持ち帰り運動の啓蒙活動をする。
(2)地域の清掃を徹底して行い、ごみを捨てづらい雰囲気づくりを行う。
(3)歩道沿い等、清掃管理者によりゴミの回収が随時可能である場所以外に設置してあるゴミ箱等を撤去する。
このため、本地域においても、次の基本方針により地域の美化清掃の推進が図られるよう関係者に協力を求めるものとする。
(1)地域住民と一体となった広報活動やゴミ拾いを実施する。
(2)ボランティア団体の育成や、既存ボランティア団体への援助を行う。
(3)車道沿線については、道路管理者が積極的に清掃に努めるよう指導する等、管理者や事業者への指導を徹底する。
(4)山小屋等山岳地域のゴミ処理については、事業者の責任において原則として山から搬出処理するよう指導する。
また、一般登山者については、ゴミ持ち帰り運動等を更に推進し、利用者の美化意識の向上を図るものとする。
管理計画策定後の国立公園の管理に当たっての協力と、各行政機関相互の連絡調整を図るため、「日光国立公園連絡会議」を、年1回程度開催する。
(1)管理計画検討会名簿
(検討員)
宇 都 宮 大 学 工 学 部 教 授 永 井 護 (地域計画)
宇 都 宮 大 学 農 学 部 教 授 谷 本 丈 夫(森林生態学)
東京大学アジア生物資源環境研究センター 教 授 堀 繁 (景観工学)
(関係行政機関)
林野庁関東森林管理局会津森林管理署長
〃 福島森林管理署白河支署長
〃
塩那森林管理署長
福島県生活環境部環境保全課長
〃 県南地方振興局長
〃 南会津地方振興局長
栃木県林務部自然環境課長
〃 大田原林務事務所長
〃 矢板林務事務所長
福島県南会津郡下郷町長
〃 西白河郡西郷村長
栃木県矢板市長
〃 黒磯市長
〃 塩谷郡塩谷町長
〃 那須郡那須町長
〃 〃 塩原町長
(2)検討経緯
1 前々管理計画作成の経緯
検討員 千葉大学園芸学部 講 師 油井 正昭
栃木県文化振興事業団 専務理事 武井 宏
作新学院高等部 教 頭 壇 静夫
新甲子観光協会 会 長 有賀 悌三
(注:検討員の所属等は検討会開催当時のもの)
昭和61年2月 6日 第1回検討会
昭和61年3月 26日 第2回検討会
昭和61年8月 23日 関係行政機関に対する案の送付
昭和61年9月 16日 説明、意見交換会
昭和61年11月12・13日 現地調査及び第3回検討会
2 前管理計画改訂の経緯
検討員 宇都宮大学工学部 助教授 永井 護
宇都宮大学農学部 教 授 谷本 丈夫
東京大学アジア生物資源環境研究センター 教 授 堀 繁
平成5年8月 25日 関係行政機関に対する意見照会
平成6年2月14・15日 第1回検討会及び現地調査
平成7年3月 27日 那須甲子・塩原地域連絡会議
平成8年3月 14日 那須甲子・塩原管理計画中央連絡会(環境庁)
平成8年3月 21日 第2回検討会
3 管理計画改訂の経緯
検討員 宇都宮大学工学部 教 授 永井 護
宇都宮大学農学部 教 授 谷本 丈夫
東京大学アジア生物資源環境研究センター 教 授 堀 繁
平成12年2月22日 検討委員、関係行政機関に対する素案提示、意見照会
平成12年3月8日 検討会
平成12年3月16日 那須甲子・塩原管理計画中央連絡会(環境庁)
(省略)