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平成18年度環境技術実証モデル事業検討会
山岳トイレし尿処理技術ワーキンググループ会合(第5回)議事要旨


  1. 日時:  平成19年3月22日(木)14:30~17:30
     
  2. 場所:  ニユー新橋ビル B2F ニュー新ホール
     
  3. 議題:
     (1) 平成18年度 実証試験結果報告書案について
     (2) 平成19年度 実証試験要領案について
     (3) その他
     
  4. 出席者(敬称略)
     検討員:柏原、桜井、鈴木、森、吉田、渡辺
     環境省:関根、神谷、坂上
     事務局:上、原田、加藤
     実証機関:永原、海野
     
  5. 配布資料:
    資料1 実証試験結果報告書(案)(永和国土環境株式会社)(非公開)
    資料2 実証試験結果 中間報告書(案)(ニッコー株式会社)(非公開)
    資料3 実証試験結果 中間報告書(案)(株式会社東陽綱業)(非公開)
    資料4 平成19年度 実証試験要領第4版(案) [PDF 603KB]

  6. 議事
(1)平成18年度 実証試験結果報告書案について

 [1]永和国土環境(株)の試験結果について

  • 実証機関より実証試験結果報告書の概要版に基づき、永和国土環境(株)の実証試験結果について報告された。
  • 環境省より、ピーク時からの回復能力について質問があり、これに対して検討員から、各槽の大きさから滞留時間を考慮すると約1週間程度であれば回復できると回答した。
  • 検討員より、装置のスペックとして、ポンプ能力等を把握することが望ましいとの意見が出され、試験結果報告書および概要版において示すことが確認された。
  • 検討員より、コスト表現が稼動期間中においての表記となっているため、単位時間当たりの数値も読み取ることができるようにすることが指摘され、修正することが確認された。
  • 検討員より、電力表記を平時と冬季の違いを明示しておく必要があるとの意見が出され、修正することが確認された。

 [2]ニッコー(株)の中間報告について

  • 実証機関より実証試験結果中間報告書に基づき、ニッコー(株)の試験結果について報告された。
  • 検討員より、外気温が低い場合、地上に設置してある水周りの設備の凍結破損については細心の注意が必要であるとの指摘がされた。
  • 検討員より、継続した場合の利用者数を増やす対策について質問が出された。これに対して実証機関より、5月のゴールデンウィークには観光客が増える予定であるため、トイレ看板の設置、既設トイレの利用制限、試験トイレへの誘導などを行い、トイレ利用を促進するよう努めると回答された。
  • 検討員より、膜の洗浄等の維持管理は、素人でも作業ができるかとの質問が出された。これに対して、技術実証委員から一定の知識と技術を有するものでないと対応が難しいと回答された。
  • 環境省より、中間試験結果に関して、不足しているデータ(利用量、膜の維持管理性、性能の維持能力等)の内容が分かりやすく記述するよう指摘があり、修正することが確認された。

 [3](株)東陽綱業の中間報告について

  • 環境省より、継続が必要な理由について質問が出された。これに対して実証機関から、十分な負荷状態に至らなかったため、現状の実証数値では信頼性にかけるため試験を継続する必要があると回答された。
  • 検討員より、pHの数値が上がるとともに大腸菌が増えてきているが、洗浄水の飛散等によりトイレブース内の大腸菌汚染の可能性はないか、との質問が出された。これに対して技術実証委員から、循環水のBOD値のあり方も含め、委員会として検討する必要があると回答された。
  • 検討員より、装置の性能を適切に判断するためには、構造図面や槽容量等を示した詳細設計図面が必要であるとの意見が出された。これに対して実証機関から、技術開発者と調整の上、対応するとの回答がされた。
  • 検討員より、概要版のコスト表示について、設置工事費用のみでなく装置そのものの価格についても記載する必要があるとの指摘があり、対応することが確認された。
  • 検討員より、全体に共通する内容であるが、概要版の最後の技術開発者情報を掲載する頁について、責任の所在をより明確にする必要があるとの意見が出され、修正することが確認された。

(2)平成19年度 実証試験要領案について

事務局から資料4にもとづき平成19年度実証試験要領案について説明した。

  • 環境省より、来年度から実証フィールドを海岸・離島等の自然地域に拡大することについては、試行的に実施するということを文章上で明記する必要があると指摘され、修正することが確認された。
  • 環境省より、し尿処理方式の分類の検討を来年度の検討項目として取り上げることが提案され、承認された。

(3)その他

  • 検討員より、次年度に拡大ワーキンググループを開催するのであれば、山岳環境の保全に熱心な地域で実施することが望ましいとの意見が出された。また、開催時期としては、6月頃であれば山小屋関係者も出席しやすいという意見が出された。これに対して事務局から、次回のワーキンググループ会合でより具体的な内容について検討するため、基本的な考え方を準備すると回答された。
  • 検討員より、小回りの利く実証体制を作り上げていくことが必要であるとの意見が出された。
  • 検討員より、実証試験結果の内容の底上げと、事業化の問題とは別課題であることを明確にして取り組む必要があるとの意見が出された。
  • 検討員より、実証モデル事業では、山岳トイレの整備促進のための役割を担うことが必要であるとの意見が出された。
  • 環境省より、維持管理費が掛かりすぎてトイレ整備が進まないという場合が多いので、このような課題の改善に役立つ情報を提供することも本事業に期待されていると考えられるとの意見が出された。
  • 検討員より、トイレの性能データやトイレ設置後の維持管理データの必要性は確認できているため、有効に活用してもらうための工夫が必要であるとの意見が出された。