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平成17年度環境技術実証モデル事業検討会
山岳トイレし尿処理技術ワーキンググループ会合(第2回)議事要旨


  1. 日時:  平成17年12 月6日(火) 14:30~16:30
     
  2. 場所:  阪急交通社ビル 地下1階 第2会議室
     
  3. 議題:
     (1)平成18年度以降の事業の方向性について
     (2)実証試験結果報告書ついて
     (3)実証試験要領の改訂について
     (4)その他
     
  4. 出席検討員:
    委 員 柏原一正、桜井敏郎、鈴木富雄、船水尚行、森武昭(座長)、吉田孝男、渡辺孝雄
    実証機関 井田忠夫、市川利光、島田優平、三好廣志
     
  5. 配布資料:
    資料1 実証試験結果報告書(案)富山県(非公開)
    資料2 実証試験結果報告書(案)神奈川県(非公開)
    資料3 実証試験結果報告書(案)長野県(非公開)
    資料4 実証試験結果報告書(案)静岡県(非公開)
    資料5 平成18年度以降の事業の方向性について [PDF 113KB]
    資料6 山岳トイレし尿処理技術実証試験要領第3版(案) [PDF 234KB]

  6. 議事

会議は非公開で行われた。

(1)平成18年度以降の事業の方向性について

  • 事務局から、平成18年度以降の事業の方向性について資料5に基づき説明。
  • 検討員から、実証運営機関が実証機関を兼ねる場合、どのような手続きをする必要があるかとの質問が出された。これに対し環境省から、実証機関としての要件を満たしていれば問題はないと考えるが、具体的な手続きに関しては今後検討する必要があると回答。
  • 検討員から、費用面でスリム化を図るのであれば、実証運営機関と実証機関を一本化することについて検討する必要があるのではないかとの意見が出された。これに対し環境省からは、実証事業の体制のあり方については今後も検討するが、実証機関が分散されることにより、地理的な格差が解消できるメリットもあると回答。
  • 検討員から、費用効率化の面では、なるべくシンプルな体制とした方が良いとの意見が出された。

(2)実証試験結果報告書ついて

〇富山県

  • 実証機関から、実証試験結果報告書について資料1に基づき説明。
  • 検討員から、トイレットペーパーの分別・回収を行わなかったのはなぜかとの質問が出された。これに対し実証機関から、本装置は、ペーパーの処理が可能であり、ペーパーを投入することによる影響を確認するためであると回答。
  • 検討員から、オガクズの状況によって撹拌槽にある加温ヒーターの設定を変更しているのかとの質問が出された。これに対し実証機関は変更していないと回答。
  • 検討員から、トイレを維持管理する上での課題として、どのような問題があったかとの質問が出された。これに対し実証機関からは、特に現場においてオガクズの交換時期を判断する基準等が日常管理者にはわかりにくかったと回答。
  • 検討員から、本処理方式の場合には、電力の確保が大きなポイントとなる。この電力の確保には発電機を使用し、排気ガスを出していることから、それらを含めて環境にどのような影響を与えるかを今後考えなければならないだろうとの意見が出された。
  • 検討員から、本処理方式に固液分離機能を加え、主に大便を処理するのであればより効率的に機能するのではないかとの意見が出された。
  • 検討員から、報告書では、使用後のオガクズは、塩類の濃度が高くなっている可能性があるため、肥料として利用する場合は十分注意が必要であるとの判断をされているが、家畜糞尿堆肥を参考に判断してほしいとの意見が出された。これに対して実証機関から、家畜糞尿の堆肥化状況について確認するとの意見が出された。

〇神奈川県

  • 実証機関から、実証試験結果報告書について資料2に基づき説明。
  • 検討員から、周辺土壌の影響を調査する際、何人分のし尿が流入し、どのくらい雨水と混ざっているかを確認することが可能であるかとの質問が出された。これに対し実証機関は、そこまで把握することは難しいと回答。
  • 検討員から、土壌処理部の性能について質問が出された。これに対し検討員から、100ℓ/m・日の流入負荷であれば、半年ごとに交互に使用することでリン除去率80%は維持できると思われると回答。また、定期的に保守点検することが大切との意見が出された。

〇長野県

  • 実証機関から、実証試験結果報告書について資料3に基づき説明。
  • 検討員から、トレンチ内における塩素イオンの減少の原因について質問が出された。これに対し実証機関から、雨水によって薄められている可能性が高いと回答。

〇静岡県

  • 実証機関から、実証試験結果報告書について資料4に基づき説明。
  • 検討員から、塩化物イオンが濃縮しない理由について質問が出された。これに対して実証機関から、かき殻から溶出するカルシウムイオンが作用していることも考えられるが、はっきりとした原因は確認できなかったと回答。
  • 検討員から、余剰水の量はどのくらいかとの質問が出された。これに対し実証機関から、実測した1か月間の合計は43L であったと回答。
  • 検討員から、系外への排出を防ぐために余剰水を蒸発させるという方法があるが、可能であるか。また、蒸発させた場合の環境への影響はどのようなことが考えられるかとの質問が出された。これに対して検討員から、現状では自然蒸発を期待することは難しいとの意見が出された。

(3)実証試験要領の改訂について

  • 事務局から、実証試験要領の改訂について資料6に基づき説明。
  • 検討員から、処理性能を表す場合、有機物の分解などよりも窒素やリンの処理が大きな問題ではないかとの意見が出された。
  • 検討員から、実証機関が申請技術の審査や分析費用を検討するためには、実証技術が決まる前に、技術実証委員会を立ち上げる必要性があるとの意見が出された。
  • その他、意見がある場合は、12月20日(火)までに事務局へ提出することとした。

(4)その他

  • 次回の検討会は、1月24日(火)を予定。