環境省自然環境・生物多様性国立・国定公園の指定及び管理運営に関する検討会

第2回「国立・国定公園の指定及び管理運営に関する検討会」の概要


1.日時

平成19年2月27日
10:0〜12:00
新宿御苑インフォメーションセンターレクチャールーム

2.出席委員

磯崎委員、海津委員、梶委員、北村委員、九里委員、熊谷委員、櫻井委員、高橋委員、竹田委員、原委員、羽山委員、速水委員、森田委員、森本委員、矢原委員、吉田委員、渡部委員

3.会議の概要

 検討会の提言(案)について事務局より説明を行った上で、質疑応答、議論を行った。委員からの意見とそれに対する事務局回答の概要は下記のとおりであった。

○ 提言4pの指定の現状で海域の公園区域が領海の4%を占めていると書かれているが、実際ほとんどは規制の緩い普通地域で陸域の特別地域にあたる海中公園地区は非常に少ない。もっと増やすべきであることが分かるようその辺の状況を加えて書くべき。

○ 提言8pの1(2)で教化という言葉が出てくるが、その現代的な意味づけが不十分であり、別に定義が必要。例えば「五感を通じた〜環境教育等の教化機能」に修正してはどうか。

○ 提言8pの1(2)で、わかりやすさを確保するために地形図や地図帳への表示等を求める記述を加えてもよいのではないか。例えば「わかりやすさを確保するとともに、地形図・地図帳への表示等、国民の理解をえられるように〜」に修正してはどうか。

○ 提言11pの2(1)で生物多様性の豊かな地域として、希少な生き物が生息することがあげられているが、希少種だけでなく典型的な種も含めた多様な種がいることが重要。例えば4行目を「様々な動植物が生息・生育し〜」に修正してはどうか。

○ 提言12pの(2)で公園のタイプ別分類について書かれているが、IUCN保護地域カテゴリーの活用についても加えてほしい。

○ 提言14pの(3)@で生態系ネットワーク形成について書かれているが、その手段として長距離自然歩道をコリドーとして活用することを盛り込むべき。

○ 提言19pのg.で民間団体について書かれているが、その中にはNGOやNPOも含まれる「民間団体(NGO、NPO等)」と明示してほしい。

○ 提言21pの(4)で環境保全型農業について書かれているが、国立・国定公園との関係も考えるとグリーンツーリズムも入れたほうがよい。文化的景観についても、阿蘇や三瓶山などの二次的景観は入りうるので含めたほうがよい。また、林野庁だけではなく文化庁との協力についても書いた方がよい。

○ 提言18pのc.で企業等の社会貢献活動が行いやすいような条件整備に努めることと書かれているが、もっとはっきりと書くべき。広報に努めることや連携を積極的に行っていくことなどについても書き加えるべき。企業は自然保護活動をしたくても国立公園内での活動まで視野に入っていないのではないか。積極的に打って出ることで地域によっては企業のかなりのサポートを得られるのではないか。

○ 提言10pの最後に景観を保全することは生物多様性を保全することに寄与すると書かれているが、景観は保全すべき目標であり、それに向けて生物多様性を保全する必要があるという構造ではないか。

○ 全国の自然公園でシカなどの野生動物管理が重要な課題となっている。全体を通じてそれに関する記述が見あたらない。

○ 提言19pのaやbに自治体等による野生動物管理も入れるべき。管理の目標像に向けて多様な主体が関与するが、国立公園に関しては環境省が主体的に管理を行うべき。

○ 国指定鳥獣保護区では環境省が管理の指針を作っているが管理は十分にできていない。シカの分布は拡大しており、自然公園の半分に影響があるという報告もある。自然公園の新たな指定の候補としてあげられている里地・里山もイノシシやサルなどの問題が各地で起きている。自然公園における野生動物の保護・管理指針を作ることが必要。最後の「提言をまとめるにあたって」で良いのでこのことを記載しておくべき。

○ 提言8pの1で課題の中に科学的な現状把握を入れてほしい。管理する事務所がきちんとした科学的データを持っていないことにより、アセスの対象とならない小規模な開発行為で希少種の生育地等が破壊されている例も見受けられる。例えばシカがどのくらい増えているのか把握することは公園のビジョンを明確化する上で必要。また、データの蓄積には博物館学芸員や地元の愛好家などの協力を得ることが必要。できれば公園ごとに科学委員会も必要。

○ 全体を通して国際的な視点に欠けている。国立・国定公園選定の際には、日本を代表するというだけでなく国際的な基準で考えていくことが必要になる。例えば奄美・やんばるは国際的に見ても生物多様性のホットスポットであるし、照葉樹林についても降雨などの影響で大陸のものと異なり独自性がかなり高い。

○ 提言21pのDでは制度設計における環境省の責任があいまい。基本的に環境省が役割をになうべき。

○ 生物多様性保全が法律の目的規定に入っていないことに言及されているが、第3条の責務規定については加えられているので、実行段階で不十分なのかどうか、詳しい説明が必要。少なくとも責務規定に書かれていることについては言及しておくべき。

○ 付属資料の表5の中には温泉法との関連性を加えるべき。表6については水産資源保護法、河川法や農業関係についても網羅すべき。

○ 国立公園を知らない人にも説得力を持つ文章や一般の人が関心を持てるような記述に変更すべき。見えないところで持っている国立・国定公園の力を文章化すべき。例えば「先進国でありながら森林・海洋国家〜」など。大風呂敷を広げて先進国の国立公園におけるモデルになるくらいの事を言ってもいいのではいか。

○ 一般向けには国立・国定公園の恵みは1億人が享受しているという前提にたち、もっと気候調整機能などの公園が持つ役割・機能を入れても良い。

○ 「重要」、「必要」、「望まれる」など様々な言葉が使われているが、どこまでが重要認識なのかがわかりにくい。文章に続けて「なぜならば」、「そこで」等で言葉を続けていくことが必要。事実認識の部分と提言の部分のボーダーをはっきりさせるべき。

○ 提言9pの(2)で新たな体制構築について書かれているが、科学的なデータ蓄積が大事であり、それは新規指定時にも重要である。現状をきちんと示すことで合意形成も図りやすくなる。実際、京都の新規公園指定の調整ではデータが十分でなく苦労している。

○ 計画も含めて管理運営をおこなう事業が必要と書いてあってもよいのでは。現状を把握して計画をたてて実行していく総合的なマネージメントが必要。規制的手法から事業的手法に転換する一歩を踏み出すべき。

○ 提言19pのa.で林野庁について書かれているが環境教育の面からは文部科学省との連携も必要になる。子どもの時から国立・国定公園に親しめるようなサポートが必要。

○ 管理運営の制度設計に関するアウトプットが見えにくい。環境省と他の主体との分担も曖昧に読める。公園計画、管理計画、ビジョン、行動計画の関係をどうするかがわかってくると環境省がどこまでやるのか具体化できるのではないか。例えばビジョンを公園計画に入れるとか、行動計画を管理計画に入れるなどもう少し書き込めるのであれば書き込んでほしい。

○ 提言19pのf.で利用者のコスト分担について書かれているが、今は管理と利用も分けにくくなってきている。費用だけでなく利用者による労力の提供や参加についても書いてもいいのではないか。

→ (事務局)計画のあり方はモデル地区での検討を進める仲で明確にしていきたい。

○ 提言22pの今後の進め方でモデル事例について書かれているが、これまでの検討を踏まえてどのような地域でどのようなモデルで検討を行うのか具体化したほうがよい。

○ 指定と管理運営がどう有機的に結びついているかがわかりにくい。もう少しフィードバックして整理をすべき。

○ 地域住民から見ると地域が指定から外されるのではという心配が出てくるのではないか。ビジョンとの関わりや指定要件の明確化が必要。

○ 5つのポイントは一般の人にはわかりにくいのでキャッチフレーズなどを考えたり、マンガにしたほうがよい。

○ 中山間地直接支払いなどについてはもう少し書き加えてほしい。

○ 阿蘇ではお金を払っても管理に参加する人もいる。

○ 利用者が料金を支払うことについて記載されているが、料金を徴収するとなるとその分のサービスが受けられるかどうかという視点で評価されることに留意すべき。

○ 4年前に奥入瀬で落枝による事故が起きており今後保安対策が重要になってくる。その際、民間も含めて自治体、国が協議会を設置して管理体制を強化したほうがよい。このような協議会の設置を義務づけた方がよい。また、奥入瀬の場合、指定は環境省、土地所有は林野庁、歩道管理は県とそれぞれの団体同士で個別に調整するのもなかなか難しいので協議会は重要。

○ 指定と管理運営では経緯が異なるので性格が違うものが出てきている。それぞれの課題を出す前に両者を統合した国立・国定公園のあり方に関する記述を入れても良いのではないか。

○ こういった報告書は総花的になりがち。実行に踏み出すにはハードルが高いがモデル事例について「環境省が主体となって協議会を設け〜」などを書いて一歩踏み出してはどうか。

○ 大きな方向性を出し、わかりやすい提言にするためにはあまり細かい点を詰め込みすぎないほうがよい。最終的なとりまとめは座長に御一任願いたい。

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