要緊急対処特定外来生物ヒアリに関する情報

ヒアリかな?と思ったら、お問い合わせはこちら

ヒアリのこと正しく知っていますか?

ヒアリの基礎情報

ヒアリって、どんなアリ?

外来生物法により要緊急対処特定外来生物に指定されています。

ヒアリの特徴

餌に群がるヒアリ、大きさも様々

働きアリ
体長2.5~6mm程度
働きアリ
一番数が多く、刺すアリです。
 
女王アリ
体長7~8mm程度
女王アリ
羽化した時には翅がありますが、
交尾後には翅を落とします。
雄アリ
体長5~6mm程度
雄アリ
体は黒っぽく翅があります。交尾の
ため巣立ち、数日で寿命を迎えます。

アカカミアリ(ヒアリの仲間)

ヒアリとよく似たアリにアカカミアリがいます。
ヒアリほど毒は強くありませんが、アカカミアリも要緊急対処特定外来生物に指定されて いて、注意が必要なアリです。
ヒアリ、アカカミアリを含む4種群23種とその種間交雑種も要緊急対処特定外来生物に指定されています。
アカカミアリ
アカカミアリの確認事例

平成29年6月以降に確認されたアカカミアリの全国の確認情報について掲載しています。

平成29年6月以降のアカカミアリの確認事例一覧

要緊急対処特定外来生物

特定外来生物*のうち、まん延した場合には著しく重大な生態系等に係る被害が生じ、国民生活の安定に著しい支障を及ぼすおそれがあるため、当該特定外来生物又はその疑いのある生物を発見した場合に、検査、防除などの拡散を防止するための措置を緊急に行う必要がある生物。
ヒアリ、アカカミアリを含む4種群23種とその種間交雑種が指定されています。通関後の物品、土地、施設等の検査、同定作業中の物品の移動制限や禁止、ヒアリ類が付着等していた場合の消毒廃棄の命令などがかけられることがあります。
*特定外来生物は外来生物のうち、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすものや、及ぼすおそれがあるもののなかから外来生物法に基づき国が指定した生物。飼養・運搬・保管・輸入・譲渡・放出等が規制されています。

間違えやすい種類

第1位キイロシリアゲアリの女王
キイロシリアゲの女王
9月頃、オレンジ色の女王アリが巣づくりのため外に出てきます。目につきやすいので、「ヒアリではないか?」との問い合わせの 多いアリです。
ヒアリ女王とキイロシリアゲアリ女王の見分け方
第2位アリグモ類
アリグモ
アリグモ
ヤガタアリグモ
ヤガタアリグモ
体長5~7mmのとても小さなクモです。
よく見ると足は8本ありますが、前脚を触角に似せているため、“見慣れないアリ”とよく間違われます。

どうして、ヒアリが日本に?

2017年6月、日本でヒアリが初めて確認されました。 ヒアリは、本来、南米中部に生息するアリです。

しかし、船や飛行機に積まれたコンテナや貨物にまぎれ込んで、1940年代頃からアメリカ合衆国やカリブ諸島に次々と侵入し、2000年代には原産地から遠く離れたオーストラリア、ニュージーランド、中国、台湾でも発見されるようになりました。

日本へも、同じような経路で海外からやってきています。

国内では、次のような場所で確認されています

いったん繁殖してしまうと、根絶はきわめて困難です!
ヒアリが定着した国々では、莫大な費用をかけて駆除を行っていますが、ニュージーランドを除いて根絶には至っていません。ニュージーランドは、定着初期に徹底した対処を行ったため、唯一根絶に成功しています。また、根絶後も再び侵入定着しないよう警戒を続けています。
日本では、国が関係機関と連携して主要港湾等で定期的に侵入状況の調査を実施し、発見された際には緊急駆除とモニタリング(継続的な監視調査)を行っています。侵入を減らし、定着を阻止することが大切です。

ヒアリが定着すると・・・?

海外では、こんな場所に巣を作っています

ヒアリが好む巣作り場所

ヒアリは、日当たりの良い開放的な場所を好んで巣をつくります。原産地や定着国では以下のような場所で見られます。

ヒアリの巣「アリ塚」

ヒアリは、大きな「アリ塚」をつくります。
アリ塚は地中で深く広くひろがっていて、放射状に地下トンネルが十数メートル先まで伸びています。
迷宮状にたくさんの部屋があり、女王アリと数千から数十万匹もの働きアリが集団で生活しています。

  • 初期のアリ塚
    初期のアリ塚
    他のアリの巣と区別しにくい
  • やや発達したアリ塚
    やや発達したアリ塚
     
  • 大きく発達したアリ塚
    大きく発達したアリ塚
     

注意!

アリ塚が大きく目立つようになるまでには2~3年かかります。
その間に、ヒアリはどんどん増えたり拡がったりして、時間が経つほど根絶することは難しくなります。
大きなアリ塚を目印にヒアリを見つけようとするのではなく、そうなる前に発見して駆除することが大切です。

定着すると、私たちの暮らしにもさまざまな影響があります!

◆人やペットへの健康被害
人やペットへの健康被害
刺されると強い痛みが生じ、体質等によっては強いアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こすおそれがあります。犬や猫などのペットも、刺されると人と同じように、重い症状を起こすことがあります。
◆電気設備・インフラ被害
電気設備・インフラ被害
電気設備(配電盤や変圧器、機械の内部)に巣をつくり、信号機や空港の着陸灯を故障させたりします。また、電線をかじって停電を引き起こしたり、ショートさせて火災の原因となることもあります。
◆生活への影響
生活への影響
お花見やピクニック、BBQ、花火大会など、公園や河川敷でのレジャーを安心して楽しむことができなくなるかもしれません。ガーデニング、家庭菜園にも支障が出ます。
◆農業被害・産業への影響
農業被害・産業への影響
農作物をかじって品質や収量を低下させたり、家畜を襲ったりします。また農作業をする人が頻繁に刺されるため、海外では耕作放棄や離農者が増えるなどの影響が出ています。輸入された商品などにヒアリが混入すると、物流にも大きな支障が出ます。
◆生態系被害
日本の在来アリを駆逐したり、小動物を捕食して減少させ、生態系のバランスを壊してしまいます。海外では希少種にも影響が出ています。
生態系被害01
生態系被害02
生態系被害03

もし、ヒアリに刺されたら?

ヒアリやアカカミアリの毒への反応は人によって大きく異なります。
体調に変化がなくても、20~30分程度は刺された部位を冷たいタオルや保冷剤などで冷やしながら安静にし、様子をみて下さい。その間、なるべく一人にならないようにしましょう。

全ての人にあらわれる症状

焼けるような痛み、かゆみ、膿(うみ)
刺された瞬間に、熱いと感じるような、激しい痛みを感じます。そして刺された部位に小さな赤みが出てきて、翌日には赤みの中央に膿がたまったようになります。軽いかゆみが出ることもありますが、その後は皮膚症状が徐々に改善していきます。

ヒアリ類の毒にアレルギー体質を持っている人に起こる症状

じんましん
刺された直後から刺された部分を中心に赤みや腫れが起こり、かゆくなります。時には全身にかゆみをともなう赤みやミミズ腫れ(じんましん)が現れることがあります。じんましんが出たり、体調不良などの異常を感じた場合は、すぐに医療機関(病院)を受診してください。
呼吸困難・血圧低下・意識障害など
刺されて20~30分以内に、息苦しさ、声がれ、激しい動悸やめまい、腹痛などを起こすことがあり、進行すると血圧が急に低下して意識を失うこともあります。このような症状が現れた場合には、強いアレルギー反応による「アナフィラキシーショック」の可能性が高く、処置が遅れると生命の危険を伴いますので、救急車を呼ぶ必要があります。
「アリに刺されたこと」「アナフィラキシーショックの可能性があること」を伝え、すぐに治療してもらってください。刺したアリの死骸を持参すると、診断に役立ちます。
※ヒアリの毒には、ハチ毒との共通成分も含まれるため、ハチ毒アレルギーを持つ方は特に注意が必要です。