日本の外来種対策

環境省では、日本の生態系等に被害を及ぼす又は及ぼすおそれのある外来種について、
規制や防除、理解促進等に取り組んでいます。

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環境省では、日本の生態系等に被害を及ぼす又は及ぼすおそれのある外来種について、
規制や防除、理解促進等に取り組んでいます。

用語集

ア行

遺棄
飼育・栽培している動植物を捨てたり、置き去りにして、管理を放棄すること。本行動計画ではいかなる環境に捨てる場合も遺棄に含む。また、'逃がしてあげる'ことも遺棄に該当する。
(参考)
 動物愛護管理法(第44条3項)に基づく「愛護動物の遺棄」の詳細については下記参照。
[動物の愛護及び管理に関する法律第44条第3項に基づく愛護動物の遺棄の考え方について(平成26年12月12日付け環自総発第1412121号環境省自然環境局総務課長通知)]
逸出・逸走(いっしゅつ・いっそう)
飼育している動物が逃げ出すこと。逸走も同義。植物の場合は、栽培している植物が管理下から外れて野生化すること。
遺伝的攪乱(いでんてきかくらん)
長い歴史の中で形成されたある種の遺伝構造や遺伝的多様性が、人為的に持ち込まれた個体との交雑によって乱されること。[広葉樹の種苗の移動に関する遺伝的ガイドライン(森林総合研究所)]
遺伝的形質
遺伝子のもつ情報にしたがって親から子に遺伝する生物の形や性質。[weblio辞書]
遺伝的多様性
同一種において、集団や個体が示す遺伝的な違い。種のなかで、個体ごとの遺伝的な違いが多くみられることを'遺伝的に多様である'という。
意図的導入
外来種を人為によって自然分布域外に意図的に移動または放出すること。
移入種
外来種と同義だが、生態学では個体群の自然分布拡大の場合にも用いられており、人為による分布拡大であることを明確にするため、現在は用いられる機会が少ない。

カ行

外来種
導入(意図的・非意図的を問わず人為的に、過去あるいは現在の自然分布域外へ移動させること。導入の時期は問わない。)によりその自然分布域(その生物が本来有する能力で移動できる範囲により定まる地域)の外に生育又は生息する生物種(分類学的に異なる集団とされる、亜種、変種を含む)。
外来種被害予防三原則
外来種問題を引き起こさないための私たち一人一人のとるべき姿勢を表した標語。「入れない・捨てない・拡げない」。外来種被害防止行動計画P.44参照。
外来生物

一般的には、「外来種」とほぼ同義で用いられている事が多い。

外来生物法では、「海外から我が国に導入されることによりその本来の生息地又は生育地の外に存することとなる生物」と定義されている「法律用語」。つまり、国外から日本に導入されるもののみを対象としており、いわゆる国内由来の外来種は含まない。
環境省レッドリスト
日本の絶滅のおそれのある野生生物種のリスト。日本に生息又は生育する野生生物について、生物学的観点から個々の種の絶滅の危険度を評価し、絶滅のおそれのある種を選定してリストにまとめたもの。
競合
競争と同義語。
競争
同種または異種の複数個体が、同じ資源(食物、空間など)を求め、かつその供給量が限られているときに生じ、相手に対して負の影響を与えるような相互作用のこと。[岩波生物学事典第4版]
群集(生物群集)
ある地域に生息している複数の生物種の個体群の集合で、単なる個体群の寄せ集めではなく、生物種間のさまざまな相互関係によって組織化された集団の単位。[岩波生物学事典第4版]
群落(植物群落)
同種または異種の植物が近接して生育し、全体として一つのまとまった性質をもつ植物の集団。[植物用語辞典]
交雑
雑種が形成されるような遺伝的組成の異なる個体間の交配。[岩波生物学辞典第4版]
国外由来の外来種
「外来種」のうち、我が国に自然分布域を有していない生物種。
国内由来の外来種
我が国に自然分布域を有している(在来種)が、その自然分布域を越えて国内の他地域に導入された生物種。
個体群
ある地域に住む同種個体のすべてを含んだもの。地域の境界は研究目的に応じて任意的に決められることが多く、人為的にある場所に集められたものを個体群と呼ぶ。
固有(亜)種
分布が特定の地域に限定される種もしくは亜種。この場合、「特定の地域」には、国レベル、都道府県レベル、地域レベルなどさまざまなとらえ方がある。例えば、ヤンバルクイナは、日本の固有種であるだけでなく、沖縄県沖縄本島、やんばる地域の固有種である。

サ行

在来種
もともとその生息地に生息していた生物種の個体および集団。[行動生物学辞典]
自然再生
過去に損なわれた自然環境を取り戻すことを目的として、関係行政機関、関係地方公共団体、地域住民、NPO、専門家等の地域の多様な主体が参加して、自然環境を保全し、再生し、創出し、またはその状態を維持管理すること。
自然侵入促進工
周辺に生育する自然植生などから自然散布(風・動物等)にて侵入し、落ちた種子がのり面上で発芽・定着することにより、植生回復を図る工法。
[国土技術総合研究所資料No.722地域生態系の保全に配慮したのり面緑化工の手引き]
植物検疫(輸入)
海外から植物を持ち込むことに伴い、我が国の有用な植物に損害を与えるおそれのある病害虫が国内に侵入してまん延しないように、輸入の時点で植物の検査を行うこと。検査の結果、病害虫の付着等が認められた場合には、消毒等の必要な措置をとること。
終生飼養(終生飼育)
動物を飼う者が、責務として動物がその命を終えるまで適切に飼養(飼育)すること。
順応的な防除
当初の予測がはずれる事態が起こり得ることを、あらかじめ管理システムに組み込み、常にモニタリングを行いながらその結果に合わせて対応を変えるフィードバック管理(順応性)を行うことが必須となる。また、施策は多くの場合リスクを伴うので、その説明責任を果たす義務も必要となる。順応性と説明責任を備えた管理を順応的管理と言う。[生物多様性国家戦略用語集]
飼養等
外来生物法において、「飼養、栽培、保管又は運搬」と定義されており、本計画においても、ほぼ同義で用いている。
侵略的外来種
外来種のうち、わが国の生態系、人の生命・身体、農林水産業等への被害を及ぼす又は及ぼすおそれがあるなど、特に侵略性が高く、自然状態では生じ得なかった影響をもたらすもの。
生活史
生物個体の一生の特徴を出生から成長、死亡、繁殖の時期とやり方に注目し、外観したもの。[岩波広辞苑、行動生物学辞典]
生息域外保全
絶滅のおそれのある野生動植物種を、その自然の生息地外において、人間の管理下で保存すること。
生息域内保全
生態系及び自然の生息地を保全し、存続可能な種の個体群を自然の生息環境において維持し、回復すること。
生態系
ある地域にすむすべての生物とその地域内の非生物的環境をひとまとめにし、主として物質循環やエネルギー流に注目して、機能系として捉えた系。生産者、消費者、分解者、非生物的環境で構成される。エコシステム。[岩波生物学辞典第4版]
生態系、生息地、種を脅かす外来種の予防、導入、影響の緩和に対する指針原則
正式名称は「Alien species that threaten ecosystems, habitats or species」という。2002年(平成14年)4月に開催された生物多様性条約第6回締約国会議で採択され、締約国において移入種(外来種)への対応が求めている。日本では、本指針原則が採択された直後に「移入種(外来種)への対応方針について」をとりまとめ、その後外来生物法の成立に至っている。
生態系サービス
暮らしを支える食料や水の供給、気候の安定など、多様な生き物が関わり合う生態系から得られる恵みのこと。
生物間相互作用

ある生物の個体群がほかの生物の個体群におよぼす作用と反作用のこと。[EICネット]
被食-捕食関係、競争関係、共生関係などがある。

[京都大学生態学研究センターHP]
生物多様性
生きものたちの豊かな個性とつながりのこと。生物多様性条約では、「すべての生物の間の変異性を指すものとし、種内の多様性、種間の多様性および生態系の多様性を含む」と定義されている。[生態学辞典]
生物多様性国家戦略
生物多様性国家戦略とは、生物多様性条約及び生物多様性基本法に基づく、生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する国の基本的な計画。わが国は、平成7年に最初の生物多様性国家戦略を策定し、これまでに4度の見直しを行っている。
生物多様性保全上重要な地域
国土の地域ごとの生物学的特性を示す代表的、典型的な生態系や、多様な生物の生息・生育の場として重要な地域です。重要地域の保全のための地域指定制度としては、自然環境保全法、自然公園法、鳥獣保護管理法、種の保存法、文化財保護法、森林法、都市緑地法等があり、これらの法律に基づき指定された地域のほか、重要湿地500に指定された地域など。
絶滅危惧種

絶滅のおそれのある野生動植物種のこと。
我が国では、環境省レッドリストにおいて、次の3つのカテゴリー(分類群によっては、IA類とIB類をまとめて絶滅危惧I類としている)に掲載されている種を絶滅危惧種としている。
【絶滅危惧IA類】ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い種。
【絶滅危惧IB類】IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種。

【絶滅危惧II類】絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来「絶滅危惧I類」のランクに移行することが確実と考えられる種。

タ行

地域性種苗(ちいきせいしゅびょう)

地域性系統をベースに生産された種苗。

[日本緑化工学会の生物多様性保全のための緑化植物の取り扱い方に関する提言]
定着
外来種が新しい生息地で、継続的に生存可能な子孫をつくることに成功する過程のこと。[外来種ハンドブック]
同定
個体の形質を調べ、検索表の記載や基準標本などと比べて、生物の分類学上の所属・名称を明らかにすること。
導入
意図的・非意図的を問わず人為的に、過去あるいは現在の自然分布域外へ移動させること。導入の時期は問わない。
特定外来生物
生態系等に係る被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがあるものとして、外来生物法によって規定された外来生物。生きているものに限られ、卵、種子、器官などを含む。同法で規定する「外来生物」は、海外からわが国に導入されることによりその本来の生息地又は生育地の外に存することとなる生物を指す。
ニッチ(生態的地位)
種あるいは個体群の、自然における位置を示す概念。生息場所や生物的環境、食う食われるの関係などにおいて、生物の占めうる場所や役割のこと。[広辞苑]
動物検疫(輸入)
海外から家畜の伝染性疾病の病原体が国内に侵入し、まん延しないように、国内の空海港において動物、畜産物等の検査を行うこと。

ハ行

バラスト水
荷物を積載していない船を安定させるために積み込む海水のこと。荷物を降ろした時に積み込まれ、通常、荷を積む際に港内において排出される。
非意図的導入
人や物の移動に随伴して、意図せず外来種(移入種)が自然分布域外に運ばれること。
表土利用工

森林や草原などにおける表土内の埋土種子を活用した緑化で、造成箇所及び周辺地域の樹林地や草地で採取した表土を直接のり面に張り付けたり、植生基材と混ぜて吹き付けて緑化する工法。

[国土技術総合研究所資料No.722地域生態系の保全に配慮したのり面緑化工の手引き]
防除(ぼうじょ)
捕獲、採取又は殺処分、被害防止措置の実施等。
保護林
原生的な森林生態系からなる自然環境の維持、動植物の保護、遺伝資源の保存、森林施業及び管理技術の発展、学術研究等に資することを目的として、区域を定め、自然環境の保全を第一とした管理経営を行うことにより、保護を図っている国有林野のこと。

マ行

埋土種子(まいどしゅし)

発芽力を保持したまま、土の中で休眠状態にある種子。

[岩波生物学辞典、国土技術総合研究所資料No.722地域生態系の保全に配慮したのり面緑化工の手引き]
未判定外来生物
外来生物法において、特定外来生物とは別に、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼす疑いがあるか、実態がよく分かっていない海外起源の外来生物。輸入する場合は事前に主務大臣に対して届け出る必要がある。

ヤ行

野生復帰
生息域外におかれた個体を自然の生息地(過去の生息地を含む)に戻し、定着させること。