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狩猟制度

鳥獣保護管理と狩猟

(1)自然資源の持続的利用と狩猟

 我が国には、自然林や里山林、湿原や大小の河川など、各地にいろいろなタイプの自然があります。また、南北に長く複雑な地形を持ち、湿潤で豊富な降水量と四季の変化もあって、多様な個性を持つ野生の動物・植物が生息・生育し、互いにつながり合っています。

 このような生物多様性の保全を図るに当たって、自然資源の合理的かつ持続的な利用は重要な課題の一つです。狩猟は自然資源を直接的に利用するものであり、これら自然資源の持続的な保全が求められています。

 また狩猟は、遠い昔より日本人の祖先の生活を支えてきました。「マタギ」に象徴されるように、鳥獣の生態や行動についての深い知識や獲物の資源的な価値を最大限に活用する技術や知恵など、我が国古来の狩猟の伝統と技術は、時代とともにその意義や役割を変えながら、今日まで連綿と受け継がれています。

 私たちは、狩猟の対象となる鳥獣や猟法などについての一定の制限の中で、これらの伝統と技術を受け継ぎつつ、生物多様性の持続的な保全と狩猟に伴う安全の確保を図る必要があります。

(2)鳥獣の適切な保護及び管理と狩猟

 近年、ツキノワグマなどの地域的に個体数の減少がみられる鳥獣がある一方で、イノシシやニホンジカなど特定の鳥獣や外来生物の生息数増加や生息域拡大等により、生態系や農林水産業等への被害が深刻化しています。

 人と鳥獣との軋轢を解消し、鳥獣と上手に付き合うため、鳥獣保護及び管理を適切に実施し、生物多様性の保全や農林水産業の健全な発展等を図ることが重要な課題の一つとなっています。

 この課題に対応するため、里山林の適正な管理などの生息環境の整備、防護柵の設置などの被害防除、鳥獣の捕獲による個体数調整など、科学的で計画的な取り組みが必要になります。

 イノシシやシカなどの狩猟は、鳥獣の個体数調整の手法として重要な役割を担っています。そのため、狩猟者には、科学的で計画的な鳥獣保護管理についての深い知識や技術が求められています。