環境省>調達情報>参加者確認公募に関する公示一覧(請負業務)
次のとおり、参加希望書類の募集を行います。
平成19年3月23日
環境省大臣官房会計課長 阿部 宗広
平成19年度除草剤耐性遺伝子の流動に関する調査・研究業務は、現在国内で使用されている遺伝子組換えナタネ、遺伝子組換えダイズ及びその近縁野生種等を対象として、生物多様性影響につながる現象が生じていないかどうかを監視するため、別途実施されるサンプリング調査で得られた試料の分析等を行い、自然環境中における導入遺伝子の拡散状況等を調査するものである。独立行政法人国立環境研究所(以下、「特定事業者」という。)を契約の相手方とする契約手続を行う予定としているが、当該特定事業者以外の者で、下記の応募要件を満たし、本業務の実施を希望する者の有無を確認する目的で、参加希望書類の提出を求める公募を実施する。
公募の結果、応募要件を満たすと認められる者がいない場合にあっては、特定事業者との契約手続に移行する。応募要件を満たすと認められる者がいる場合にあっては、企画競争手続へ移行することとし、特定事業者と当該応募者に対して、企画書の提出を要請する。
(1)業務名 平成19年度除草剤耐性遺伝子の流動に関する調査・研究業務
(2)業務目的 遺伝子組換え生物等の使用等により生ずる生物多様性への影響に関する科学的知見の充実に資する。
(3)業務内容
[1]検討会の設置
得られたデータの解析手法や今後の調査計画等を検討するため、専門の学識経験者3名程度からなる検討会を設置し、必要な検討を行う。検討会は2回程度開催する。
[2]除草剤耐性遺伝子の流動に関する分析
A.ナタネ類
我が国の自然環境中に除草剤耐性の遺伝子組換えB.napusがどの程度生育しているか、また我が国に自生しているBrassica属のものに遺伝子組換えB.napusの除草剤耐性遺伝子が移行しているかどうかを明らかにするため、生育状況調査等で得られたデータ及び試料を用いて、以下の手順により実験を行う。
別途実施されるサンプリング調査で得られたB. napus、B. juncea、B. rapa及びそれらの雑種の種子について、免疫化学的手法を用いて除草剤耐性蛋白質の検出を行う。蛋白質が検出された試料については、その種子を播種し、一定程度生長した後に除草剤(グリホサートとグルホシネート)を散布し、除草剤耐性の有無を調べる。除草剤耐性が確認されたサンプルについて、DNAを抽出し、除草剤耐性遺伝子の塩基配列をもとに作成したプライマーを用いてPCRを行うとともに適宜PCR産物のDNA塩基配列を決定し、除草剤耐性遺伝子の検出を行う。
B.ダイズ及びツルマメ
サンプリングした植物体から蛋白質を抽出し、免疫化学的手法を用いて除草剤耐性蛋白質の検出を行う。除草剤耐性蛋白質が検出された試料についてDNAを抽出し、除草剤耐性遺伝子の塩基配列をもとに作成したプライマーを用いてPCRを行い、除草剤耐性(グリホサート耐性及びグルホシネート耐性)遺伝子の検出を行う。
[3]遺伝子組換えダイズ・ツルマメ交雑種における除草剤耐性遺伝子の伝播様式に関する研究
A.遺伝子組換えダイズとツルマメの雑種(F3)の作成
遺伝子組換えダイズ(A3244RR)とツルマメ(那須-5)の雑種(F2)を閉鎖系温室で育て、葉における除草剤耐性蛋白質の発現を免疫クロマトグラフィーで検出し、分離比を調べる。除草剤耐性蛋白質の発現が確認された個体については、遺伝学的及び生理学的解析に必要な十分量の種子(F3)を収穫する。
B. 雑種(F3)における組換え遺伝子及びその発現により付与される形質(除草剤耐性)の安定性の解析
栽培された遺伝子組換えダイズと野生種のツルマメとの間で交雑が生じた場合に、導入遺伝子がどの程度拡散していくかを予測するため、雑種における組換え遺伝子の安定性及びその発現により付与される形質(除草剤耐性)の程度を調べる。
(4)履行期限
平成20年3月31日