研究成果報告書 J98A0130.HTM

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[A−1.衛星データ等を活用したオゾン層破壊機構の解明及びモデル化に関する研究]

(3)統計的手法によるオゾン層変動に関する研究

[研究代表者]

北海道大学大学院 地球環境科学研究科

●塩谷雅人

[環境庁国立環境研究所]

地球環境研究グループ 衛星観測研究チーム

●笹野泰弘、鈴木睦、中島英彰

大気圏環境部

●中根英昭

大気圏環境部大気物理研究室

●神沢博

地球環境研究センター

●横田達也

(委託先)

北海道大学大学院地球環境科学研究科

●塩谷雅人

名古屋大学太陽地球環境研究所

●超永浄、小池真、近藤豊

奈良女子大学理学部

●奈良女子大学理学部

[平成8〜10年度合計予算額]

47,530千円

(平成10年度予算額15,839千円)

[要旨]

 本研究では、衛星観測データおよび地上測定データを用いてオゾン層変動に係る力学的・化学的要因の関連性を解明するために、統計的手法を用いて利用するデータの質を評価し、パラメータの季節変動、年々変動を解析して、オゾン層変動の特徴(普遍性、特殊性)の解明 を行った。具体的には、データ質評価のための統計指標の検討、過去及び研究期間中の大気力学場・温度場の年々変動の解明、衛星及び地上観測データに見られる変動の要因解明等を行った。本研究の中で、解析に用いた衛星データの統計量から、気体ごとの月別・緯度帯別の代表的高度分布を表す気候値データベースを作成した。また、解析の結果、平成8〜9年にかけての冬季北半球下部成層圏は寒冷化傾向であったが、平成9、10年度は逆に比較的暖かであったことが判明した。本研究で解析した個々の気体等のパラメータの変動の特徴は、その傾向を反映したものとなっている。また、成層圏大気中におけるパラメータ間の相互関係等についても、いくつかの特徴が明らかとなった。本報告書では、特に衛星センサーILASによって得られた硝酸(HN03)及びエアロゾルのデータ質を評価した結果と、成層圏エアロゾルがオゾン層に及ぼす影響の研究として極域成層圏エアロゾルの出現頻度を明らかにした点について記述した。

[キーワード]

成層圏、季節・年々変動、人工衛星データ、ILAS