課題名

A-3 新型レーザーレーダーによる計測技術の開発に関する研究

課題代表者名

板部 敏和 (郵政省通信総合研究所 地球環境計測部光計測研究室)

研究期間

平成2−6年度

合計予算額

266,896千円 (うち6年度 58,789千円)

研究体制

(1) 衛星利用レーザー長光路吸収計測技術の開発に関する研究

   分光計測手法の開発(環境研国立環境研究所)

  能動式衛星追尾方式の開発(郵政省通信総合研究所)

(2) 衛星搭載レーザーレーダーによる地球大気環境の評価に関する研究

(環境研国立環境研究所)

研究概要

 本研究は1996年に打ち上げ予定のADEOS衛星搭載リトロリフレクター(RIS)による地上衛星間長光路吸収測定に基づく大気微量成分の高精度計測手法の開発を目標として研究が行われた。このため、衛星搭載リトロリフレクターを用いたレーザー長光路吸収法における最適な分光計測法の開発、能動的な衛星追尾方式の技術開発を行った。(1)−,任蓮∧光計測用炭酸ガスレーザーの技術、衛星搭載リフレクターの開発等が行われ、(1)−△任蓮追尾用レーザーの整備、測地衛星の撮像実験等を行った。

 さらに、近い将来、重要になると考えられる衛星搭載レーザーレーダーに関する基礎的研究として、衛星搭載レーザーレーダーによる地球大気環境の観測の意義、目的、目標性能、並びにデータ利用方法を明らかにするための委員会を組織し、この委員会での検討を通してこれらに関する提言を行い、衛星搭載レーザーレーダーシステムの技術的検討を行った。

研究成果

1.分光計測に用いる衛星搭載大口径リトロリフレクター(RIS)の開発を行った。このリフレクターは、広い波長で使用できるように空洞型で、衛星からの反射光の光行差を補正できる機能を有するリフレクターが開発された。

2.分光計測用のレーザー送受信システムの開発を行った。これは、RISの実験において地上局となるもので、炭酸ガスレーザーの波長とその第二、第三高調波を用いるシステムとなっている。炭酸ガスレーザーは、大気分子による吸収の少ない波長用と吸収を受ける波長用の二台が使用され、さらに吸収を受ける波長は必要な発振線に観測中に切り替えることができる。送受信は、回転鏡で制御され、受信信号は衛星のトッラキングデータを使って、ドップラー効果から分光測定ができるようになっている。

3.衛星搭載リフレクターを用いる測定では、大気の高分解能吸収スペクトルが測定される。この吸収スペクトルデータから、大気分子の気柱量並びにプロフィルを求めるデータ解析手法の開発を行った。

4.レーザーをリフレクターを持つ衛星に当て、その反射光で衛星を捕捉、追尾する能動式衛星追尾方式での受信強度の評価を行った。この結果に従って、追尾用レーザー、高速ゲート付きCCDカメラの整備を行った。

5.わが国の測地衛星「あじさい」を通信総研の1.5m口径望遠鏡で追尾し、それにレーザー光を照射した。衛星からの反射光は再び地上の望遠鏡で受信され、高速ゲート付きのCCDカメラを用いて撮像実験を行った。

6.衛星の追尾機能を高度化するために、望遠鏡追尾機能の改良を行い、現在提供される全ての軌道予報値を使って、十分な精度で衛星を追尾できる機能を確立した。

7.衛星搭載レーザーレーダーでの測定シュミレーション、地球環境のためのデータ利用法、要素夫技術の現状調査を行った。この調査を踏まえて、開発すべき小型衛星搭載用のレーザーレーダーシステムの仕様を明らかにした。