課題名

B-16 家庭等における二酸化炭素排出抑制システムに関する研究

課題代表者名

若松 伸司 (環境庁国立環境研究所地域環境研究グループ都市大気保全研究チーム)

研究期間

平成3−5年度

合計予算額

113,685千円 (うち5年度 38,638千円)

研究体制

(1) 家庭等における二酸化炭素排出抑制のための建造物の断熱構造化の普及促進に関する研究

(環境庁国立環境研究所)

(2) 家庭等における二酸化炭素抑制のための太陽エネルギーの利用促進に関する研究

(環境庁国立環境研究所)

(3) 家庭等における二酸化炭素排出抑制システムの導入に関する研究

   家庭等におけるエネルギー消費が都市環境に及ぼす影響とエネルギー消費の推移等に関する研究(環境庁国立環境研究所)

  二酸化炭素発生の少ない住生活スタイルの普及促進に関する研究(建設省建築研究所)

研究概要

 民生部門(家庭、事務所ビル等)におけるCO2の排出量は我が国における部門別排出量の23%を占めており年率3.5%の割合で増加しつつある。この中で家庭からのものは約半分の12%程度であり今後住生活スタイルの変化に伴って更に増加の傾向にある。このため家庭等におけるCO2排出抑制のための具体的な方策を検討することは温暖化防止対策上極めて重要である。

 本研究においては、住宅、住まい方、都市環境を相互に関連するものとして把握し、その中で、住宅における高断熱・高気密化技術、太陽エネルギー利用技術、居住環境改善技術、省エネルギー技術の利用促進の検討並びに家庭におけるエネルギー消費の調査と住環境教育に関する研究を行った。

研究成果

 快適性の向上(アメニティー)をはかり、環境負荷の低減を実現する住まい「エコハウス」の構築にあたっては、住宅の高気密・高断熱化が極めて有用である。このため木造一戸建て住宅を中心に、モデル住宅におけるエネルギー消費を計算し、二酸化炭素排出削減効果の検討を行った。これとともに住宅における居住性能評価に関する検討、モデル住宅やモデル都市仙台における実測調査やアンケート調査等を実施した。主な研究成果としては

(1)モデル住宅の居住時における用途別熱及び電力負荷計算結果をもとに、各用途の使用エネルギー、使用機器を設定し、CO2排出量を試算した。予測結果によれば高断熱・高気密レベルと新設住宅の現状レベルとを比較すると部分間欠暖房時で2025%程度、全室連続暖房で3540%程度、高断熱・高気密住宅の方がCO2排出量が少なくなる事がわかった。住宅の建設時におけるCO2排出量を推定したところ延床面積150m2の住宅で炭素換算で1年あたりの排出量は約400kgとなる。この値と居住時におけるCO2排出量を全国7都市(札幌、仙台、新潟、東京、米子、広島、鹿児島)について比較した。全室連続暖房運転では札幌、東京両地域においてともに4割近くの差が、新設住宅の現状レベルと高断熱・高気密レベルの住宅との間に見られ、この値は住宅建設に伴うCO2排出量よりも大きい。高断熱・高気密住宅の利用は家庭等におけるCO2排出抑制のために極めて効果的であることが示された。

(2)モデル住宅を用いて太陽エネルギーの利用方法の検討を行ったところ給湯システムヘの利用が最も実用的であり、その効果も高いとの結果が得られた。また高断熱・高気密住宅に通風システムを導入することにより夏季における居住環境の改善とエネルギー消費の低減がはかられることが示された。局地気象モデルを用いた予測計算結果によれば都市があることにより地上の風速は平坦地に比べ30%程度減少し、ヒートアイランドが出来やすい条件となることが示された。また市街地が密集することにより住宅の換気回数が大きく減少することが風洞実験により明らかとなった。

(3)アンケート調査や住宅における実測結果をもとにエネルギー消費と居住環境の関連性を解析した。モデル都市としては仙台を対象としてアンケート調査による住環境調査、並びにエネルギー、消費の将来予測を行った。また住環境教育テキストを開発した。