課題名

A-6 フロン等対策技術の総合評価に関する研究

課題代表者名

中杉 修身 (環境庁国立環境研究所地域環境研究グループ)

研究期間

平成3−5年度

合計予算額

41,768千円 (うち5年度 13,507千円)

研究体制

(1) フロン等対策技術のフィージビリティに関する研究(国立環境研究所)

(2) フロン等対策技術の環境影響評価に関する研究(国立環境研究所)

研究概要

 フロン等対策技術の技術的、経済的、社会経済的フィージビリティを明らかにするため、排ガス中フロン等の除去・回収技術、冷媒用フロンの回収技術およびフロン等の分解技術について、アンケート、ヒヤリング、文献調査および実験によって詳細に評価した。また、フロン等対策技術にかかわる環境影響を体系的に整理するとともに、化学物質の環境挙動を予測するモデルを開発し、必要な情報を収集して総合的な環境影響評価を試みた。

研究成果

1.排ガス中のフロン等の市販の回収装置について、技術的評価項目として活性炭利用効率とエネルギー利用効率を、経済的評価項目として建設費と維持管理費を比較評価し、設計条件を工夫すれば、特定フロンだけでなく、代替フロンおよび各種溶剤の排ガスを効率よく除去・回収でき、経済的にもメリットがあることが明らかとなった。

2.廃冷媒の市販の回収装置を、用途、冷媒回収方法、冷媒再生方法等により分類・評価し、代表的な装置については、維持管理費についての経済的評価を行った結果、廃冷媒の回収には、々眄能、低価格な小型冷媒回収装置の開発、効率的に冷媒回収を行う社会システムの構築およびG冦簀涓鷦の義務づけが必要なことが明らかとなった。

3.ロータリーキルン式の産業廃棄物焼却施設においてフロン12の焼却実験を行った。都市ガスを混合して、廃塗料、廃油、汚泥等を焼却している炉に導入し、焼却温度約900℃、滞留時間約3秒で焼却したが、フロン混入率を3%以下に抑制したり、二次燃焼室を出た排ガスを急冷するなどの工夫を行った結果、ダイオキシンの生成もなく、完全に分解され、優れた設計の焼却処理施設において適切な運転管理を行えば、フロンは安全かつ確実に分解できることが明らかとなった。

4.全国の都道府県におけるフロン等の使用者や処理業者に対する規制や指導・対策等の状況を調べた結果、回収・分解を促進していくためには、焼却処理業者への技術援助・焼却施設設置に対する資金助成、フロン・有機塩素系溶剤汚染に関する条例や要綱の制定などが遅れていることが明らかとなった。

5.フロン等対策技術の類型的な整理に基づき、それらの実施に係わる環境影響項目が明らかにされた。その評価において重要な視点として、エネルギー消費量、有害物質使用の有無、有害物質生成の有無、各種資源消費量、廃棄物の種類と発生量、土木工事等による自然破壊の有無などがあげられた。

6.ノンフロン代替物質の大部分は環境汚染を通じて人の健康を脅かすほどの毒性を持たず、光化学スモッグや水質汚濁の原因となるが、その寄与はごく小さく、それらの使用による環境影響は小さいことが明らかとなった。

7.しかし、溶剤や噴射剤などの代替物質として生産・使用量が増えている塩化メチレンは、現状でも大気汚染が10-6の発がんレベルを超え、地下水からも水質環境基準を超える汚染が見つかっており、代替物質としての使用は適切な選択でないことが明らかとなった。

8.定量的に環境影響評価を行うために必要となる化学物質環境挙動予測モデルが開発した。大気、表流水、土壌、底泥濃度の時間値を予測する速度論型モデルを開発した後、化学物質の健康影響として懸念される慢性影響を評価するための年平均値を予測する平衡論型モデルヘ改良した。また、大気と河川水の実測値を用いてモデルの実証が行った。