課題名

A-3 成層圏オゾン層の物理的・化学的変動機構の解明とオゾン層変動の予測に関する研究

課題代表者名

林田 佐智子 (環境庁国立環境研究所地球環境研究グループオゾン層研究チーム)

研究期間

平成2−4年度

合計予算額

77,702千円

研究体制

(1)オゾン層破壊に関与するエアロゾル粒子の生成・消滅過程等の解明に関する研究

  .┘▲蹈哨詢鎧劼寮言・消滅過程等の実験的解明(工業技術院機械技術研究所)

 ◆.┘▲蹈哨詢鎧劼寮言・消滅過程等のモデル化(名古屋大学太陽地球環境研究所)

(2)オゾン層破壊に関与する光化学反応の解明に関する研究(環境庁国立環境研究所)

(3)成層圏オゾン層の物理的変動機構の解明とモデル予測の高度化に関する研究

(環境庁国立環境研究所)

研究概要

 オゾン層の変動機構の解明と将来予測に必要な知見を得ることを目的として、成層圏オゾン層に係る物理的・化学的過程について、実験、数値モデル、観測、データ解析により解明した。

 

研究成果

(1)極成層圏雲(PSCS)の生成・消滅過程を実験的に解明するための実験装置を開発した。そして、粒子の現場観測を可能にする測定法を開発した。

(2)PSCSの形成及び粒子の成長や落下運動を数値モデルによってシミュレーションした。そして、タイプ1PSCSが冬季の極成層圏で生成され、かなり速い速度で成長し、一部は対流圏まで落下することが示された。また、PSCSが太陽紫外線を反射する効果によって冬の極成層圏でも光化学反応が起こることが示された。

(3)オゾン層破壊に関与する光化学過程について、光化学チャンバーを用いた実験室シミュレーションを行い、フロン、ハロンによるオゾン層破壊の検証、更に、フロンとハロンの相乗効果の確認を行った。また、光化学過程の素反応の速度定数を求めるための実験を行いCC13ラジカルとオゾン層の直接反応の速度が得られた。

(4)下部成層圏でオゾンが急激に減少した例について、気象データに基づく解析を行い、原因を明らかにした。また、光化学・放射・拡散一次元モデルを開発した。これに基づき、レーザーレーダーによって得られた上部成層圏におけるオゾンの季節変化と比較し良好な結果を得た。更に、オゾンホールにとって重要な、渦の安定性と崩壊に関する数値計算を実施し、極域の空気会の一部が中緯度に取り残されるという結果が得られた。