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[キーワード]地域・産業間物質フロー、ライフサイクル分析、地域政策、地域特性、影響評価

[H-9 物質フローモデルに基づく持続可能な生産・消費の達成度評価手法に関する研究]

(2)地域、産業間物質フローによる環境影響の評価手法に関する研究[PDF](939KB)

  独立行政法人産業技術総合研究所
  ライフサイクルアセスメント研究センター センター長


稲葉 敦

  独立行政法人産業技術総合研究所
  ライフサイクルアセスメント研究センター 副センター長


匂坂正幸

  独立行政法人産業技術総合研究所
  ライフサイクルアセスメント研究センター 環境効率研究チーム


田原聖隆

  独立行政法人産業技術総合研究所
  ライフサイクルアセスメント研究センター 地域環境研究チーム


玄地 裕

<研究協力者>

 

  独立行政法人産業技術総合研究所
  ライフサイクルアセスメント研究センター


布施正暁

  独立行政法人産業技術総合研究所
  ライフサイクルアセスメント研究センター


李 一石

  [平成16~18年度合計予算額]  30,156千円(うち、平成18年度予算額 9,080千円)

[要旨]

  平成15年3月に「循環型社会形成推進基本計画」が発表され、物質フローに関する数値目標が盛り込まれた。数値目標達成には、国内の地域レベルでの物質フローを把握すると共にライフサイクル的な思考に基づく環境負荷低減策の設計が不可欠である。そこで本研究では、日本国内を対象に、全産業の都道府県レベルの物質フローを明らかにした。さらに、都道府県レベルの物質フローの解析を基に、地域間での相互依存関係を通じた間接的な影響を重視した地域LCA評価手法の開発を行った。具体的には、まず、47都道府県の産業連関表、各種統計・モデルを駆使して、地域特性を反映した各地域の生産・消費とそれに伴う地域間交流を一括で表わす地域・産業間物質フローマトリックスを作成した。物質フローマトリックスを基に、各地域の消費に起因する地域内外および海外での経済・環境影響を定量化した。また、新たに影響依存指数を提案することで、産業ごとの相対的な経済と環境における他地域への依存傾向や該当産業の地域内での影響度合いを把握した。続いて、作成した地域・産業間物質フローマトリックス用いて、既存の地域評価では考慮できなかった間接影響の地域特性を考慮した地域LCA評価手法(Life Cycle Region-specific Assessment Method:LCRAM)を提案した。LCRAMは、間接影響地域を特定する拡張型地域間産業連関モデル(Expanded Inter-regional Input Output Method:EIOM)と、地域間交流、産業構造やエネルギー消費構造、地理・気候条件などの環境的な特徴を反映した地域データベースから構成される。そして地域データベースを作成し、地域間の差異とそれに起因する評価結果への影響について検討を行った。さらに、半導体産業の誘致のケーススタディを通して、地域活動の評価において間接影響に対する地域特性を考慮する必要性を明らかにすることと共に、既存統計との比較に通してLCRAMの有用性や信頼性につて検証した。