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研究概要
1.序(研究背景等)
中国大陸の砂漠・乾燥地帯や黄土高原から発生する黄砂現象は、中国国内では砂塵暴という言葉で表されるほど自然環境や農業に多大な影響を与え、それに因る交通障害、健康被害も甚大である。
例えば、2000年4月6日に北京空港で欠航が相次ぐなど大黄砂現象が発生した。近年その発生回数が急激に増えてきたことが中国国内の重大な社会問題となっており、黄砂の発生機構の解明と防止に関する中国国家的重点プロジェクト「砂塵暴与黄沙対北京地区大気顆粒物影響的研究」が2000年から開始され、日本の研究協力が期待された。そのような観点から黄砂問題を正面に据え、日中共同研究が行われてきたことはなかった。黄砂が日本や中国を含む東アジア地域において、どこで頻繁に発生し、どのような輸送経路で中国、韓国、日本に飛来し、どの程度の量が各国の地上に沈着するのか、科学的な検討を加えるための詳細データが全くないのが現状である。そのため、黄砂が中国国内で与えている影響、韓国や日本に与えている影響が精査できておらず、将来の気候変動とも関連性する黄砂発生の予測・シミュレーションが充分に構築できていない。本研究では、中国との共同研究により、中国内陸部で発生する砂塵暴(大黄砂現象)、北京への輸送経路、大気動態的変化を科学的に捉え、それを理論的にシミュレーションできる手法を開発し黄砂対策に資する有効な基本データを提供する他、科学技術分野からの日中相互交流や技術移転協力にも資することが期待された。
2.研究目的
本研究は、3課題のサブプロジェクトを骨子として組み立てられている。1)黄砂の発生、輸送、沈着の動態を三次元的に定量的に把握することを目的とする。そのために、以下の事項を具体的な目標とした。ライダー等による黄砂エアロゾルの立体分布の連続的観測、観測データと化学輸送モデルを用いた黄砂現象の解析、モデル検証および改良のための観測データの取得と整備、ライダー解析精度の改良と輸送途上の変化の解析のための光学パラメータの観測を行う。2)中国内陸部で発生する黄砂エアロゾルについて、その発生源地の特定、北京に飛来するルートの解明、北京市内への沈着量を推定するとともに、日本までの輸送過程で生じる黄砂エアロゾルの粒径変化、粒子表面への取り込み作用等について環境科学的に明らかにすることを目的とする。3)中国内陸部で発生する黄砂エアロゾルについて、日本を含む領域で計算できる数値モデルを開発する。他サブテーマで得られたデータと併せて、発生源地別の飛来量の特定、北京に飛来するルートの解明、土地利用の変化および気象の変化が及ぼす影響評価へに使用可能な手法開発を目的とする。これら3課題について日中共同研究体制を構築し、北東アジアで発生する黄砂の科学的解明を目指すものである。
3.研究の内容・成果
(1)黄砂の輸送に関する三次元的動態把握
中国北京経由で日本に飛来する黄砂について、その鉛直分布をライダー(レーザーレーダー)により常時監視を2001年より継続モニタリングを行った。ライダー観測網は、北京、長崎をはじめとし、北東アジアにおいて2005年度末時点で、中国3局、韓国2局、日本8局が稼働中である。
2001年のライダー解析において、偏向解消度を用いて黄砂エアロゾルと球形の大気エアロゾルを分離し、高度別分布を求める方法を開発し、ハイボリュームサンプラーによる大気粉じん濃度(TSP)との検証を行った。2002年は、黄砂エアロゾルと大気汚染エアロゾルを区別するために2粒径の自動計測装置を導入し自動的に10段階の粒径分布を1時間ごとの連続モニタリングを行った。その結果、北京で観測するエアロゾル高濃度現象が黄砂現象か大気汚染現象に因るものかリアルタイム判定の確実性が高まった。また、ライダー多点観測網から、2001年と2002年の黄砂現象にいくつかの違いが見られた。2001年から2005年の北京、長崎、つくばの3月、4月、5月の黄砂現象の出現頻度を図1に示す。ここでは、信号強度から雲とエアロゾルを判別し、エアロゾルについては偏光解消度が0.1以下の場合は球形エアロゾル、0.1以上は黄砂と判定した。雲については、0.2以下は水雲、0.2以上は氷雲とした。図1の北京の結果より、黄砂発生頻度で見ると2005年は、2003年、2004年に比べるとやや高く、特に4月の発生頻度が高い。これは、2004年は季節進行が早く3月の黄砂発生頻度が高かったことと対照的である。図1の表示は観測されたエアロゾルのタイプの分類による頻度で、黄砂の量を表すものではない。黄砂濃度で見ると2005年は2004年よりも少なく、発生量も少なかったと推定される。
(2)化学輸送毛デルとライダー観測データの比較:北京とフフホトの大気汚染現象の特徴
砂塵現象と大気汚染現象の地域的な特徴を理解するために、本節では化学輸送モデルと比較して考察する。ここでは、九州大学で開発した地域規模の化学輸送モデルCFORSを用いた。CFORSは地域気象モデルRAMSに基づくモデルで、砂塵といくつかの大気汚染気体とエアロゾルを計算することができる。砂塵についてはモデルで計算される地上風速に基づいて自動的に発生される。一方、大気汚染物質は発生源データに基づいて一定量で発生するものとして取り扱われる。
図2に2004年3月の北京とフフホトについて、ライダーで観測された砂塵と大気汚染エアロゾルの時間高度表示を、CFORSで計算した砂塵と硫酸エアロゾルの時間高度分布を比較して示した。CFORSの結果は、日本の気象庁の数値予報データを用いた予報モードで行った計算結果である。
ここでは、定性的な比較のみを目的として、ライダーの結果は消散係数で、CFORSの結果は重量濃度で表示した。図2より、観測された砂塵現象はCFORSでもおよそ再現されていることがわかる。しかし、3月4日の例などでは、実際には観測されていない砂塵現象が予測されており、モデルにはまだ改善が必要であることもわかる。砂塵については、消散係数から重量濃度への変換係数、[重量濃度(μg/m3)]/[消散係数(km-1)]の値は、およそ1780((μg/m3)/(km-1))であるので、フフホトについて図2の結果と比べてみるとCFORSの値は過大であることが分かる。これは、おそらく、発生源の地表面の状況などがモデルで想定されているものと異なるためで、今後、さらなるモデルとの検討が必要である。
(3)多点捕集した黄砂の化学組成変化
図3は、2001年3月21―23日に、中国と日本で捕集した同一黄砂試料の分析結果の1例である。
黄砂エアロゾル濃度およびその骨格をなす土壌起源系元素(Al、Fe 等)が、発生源地に近い中国内陸部から日本にかけて3桁近い濃度減少を示していることが判る。また、その減衰比もほとんど同じであり、それら成分組成比はほとんど変化しなかった。一方、黄砂エアロゾル中の硫酸イオン、亜鉛、鉛濃度は距離減衰が大きくない、硝酸イオンは、むしろ濃度上昇傾向を示し、これら成分は黄砂エアロゾル中にもともと存在した量以上に外部から付加されたことを示している。図4は、化学的変化を調べるために、Al相対濃度としてまとめたものである。もし、黄砂中にもともと含まれている成分であるなら、同一黄砂試料中のAl基準の化学成分相対濃度比(Alは土壌系粒子の骨格を成す成分でその含有率は一定とみなす)は一定となるはずである。対元素ごとのバー(縦棒)の長さが短ければ、もともとの黄砂粒子に含まれていた成分であることになり、バーが長ければ風送過程中で付加された成分種である可能性が高くなる。その区分基準を相対比値で0.5以上1.5未満とした。図中にまとめたように、AlからNaまでの成分は黄砂粒子にもともと含まれていた成分グループ、他方、F-からNO3-までのグループは風送過程中で黄砂粒子に付加した成分である可能性が高い。表1に、発生源から日本まで黄砂の流れに対応して、Al相対濃度比の変化を示す。SO4とNO3の相対濃度比は、発生源近くのアレンホトに比べ北京が2-10倍大きく、日本の試料は北京に比べさらに数倍大きくなることが判った。風送過程でSO4やNO3を黄砂表面に取り込むことが推定された。

(4)黄砂粒子と二酸化硫黄の化学変化
長距離輸送中ならびに中国黄土地帯における黄砂粒子とSO2の反応に対する影響因子を検討することを目的とし、それらの影響因子がSO2の乾性沈着や取り込みとその際に起こるS(IV)からS(VI)への酸化反応に及ぼす影響を、室内モデル実験により評価した。考案自作した円筒型反応装置(図5)を用いて、黄砂粒子へのSO2の乾性沈着に対する影響因子として温度、湿度、オゾン(O3)、窒素酸化物(NO2、HNO3)を選択し、黄砂粒子へのSO2の乾性沈着とSの酸化への影響を評価した。
その結果、黄砂粒子表面上の水分およびO3がSO2の沈着および酸化を促進すること明らかにした。
SO2の沈着速度は、HNO3ガスが存在すると極端に小さくなることが検証できた。いずれのガスも単独ではその沈着速度は同程度の0.5〜0.6cm/sec.であった。黄砂粒子上におけるSO2の取り込みと酸化に焦点を当て、水分とNO2、HNO3の共存影響を調べ、SO2の取り込みに対して、水分は促進に、HNO3は抑制に働き、酸化に関してはすべての共存成分が促進に寄与することを明らかにした(図6)。具体的には、Sの酸化率は相対濃度が30〜50%の時に最大となった。O3の共存下におけるSの酸化率は相対湿度によらず増加し、黄砂粒子表面に化学吸着したSO2とO3分解によって生じた活性種との不均一反応と考えられた。HNO3とSO2が共存した場合、SO2の取り込み量が低下した。これはHNO3由来のプロトンの供給によって粒子表面の酸化が促進されSO2の取り込みが結果として抑制されたと考えられた。一方、大気中のHNO3の前駆ガス物質であるNO2共存によるSO2の取り込みへの影響は見られなかった。実大気における黄砂粒子の変質に対し、水分や窒素酸化物が重要な支配因子となる可能性を示した。
(5)Sr同位体比の違いを利用した黄砂発生源特定
Sr同位体比やNd同位体比組成は、地質環境のわずかな相違に応じて変化することが知られている。
中国各地の黄砂発生源地土壌中のそれら元素に関する同位体比の違いをもとに、発生源を特定する手法を開発している。中国の発生源地土壌は炭酸カルシウムに富んでいるので、それを除いた酢酸可溶性成分と不溶性成分の同位体比分別を行った。図7はその結果をまとめたものである。北京に飛来する黄砂や北京市内の表層土壌中のSr同位体比は非常によく似ている。酢酸残渣成分で0.710-0.715、酢酸溶解成分で0.709-0.711の範囲に入っている。それと似ているのは、北京周辺土壌および中国北部地域土壌であり、黄土高原やタクラマカン地域とは明らかにことなることが判った。Sr同位体比の違いを利用することにより、黄砂の発生源地域の特定が出来るものとかんがえられる。
(6)数値モデルによる発生地域別の寄与
本研究では、特徴の異なる二つの黄砂数値モデルを開発した。国立環境研究所で開発した、領域気象モデルRAMSと大気質モデルCMAQをオフライン(別々に計算を行う)型で用いた黄砂モデル(以下ではNモデル)と、九州大学で開発した、領域気象モデルRAMSのオンライン(同時に計算を行う)トレーサー機能を用いた黄砂モデル(以下ではRモデル)である。それぞれについて以下のような成果を得た。
まず、Nモデルを用いて、2001-2003年の3―5月の黄砂シミュレーションを行った。北京、二連浩特の2カ所をはじめとする複数の観測点でサブテーマ2の成果であるパーティクルカウンターよる観測値を比較し、黄砂の発生・飛来はおおむね良い精度で再現されていると判断できた。北京に飛来する黄砂の起源を知るために、北京の地上濃度に対する各地域の寄与率を計算期間平均で求め、図8にパーセントで表した。北京の地上濃度に対して最も寄与しているのはモンゴルであり、半分強を占めている。次に大きいのは中国東部の影響で約3分の1、タクラマカン砂漠を含む新彊自治区付近の寄与は1割強であった。北京の平均地上濃度の年ごとの大小を決めたのは主としてモンゴル起源の黄砂の多寡であることがわかった。2003年のモンゴル起源の黄砂の少なさについて、発生量の変化と発生した黄砂が北京まで到達する頻度に分けて解析したところ、2003年の3月は発生量自体が非常に少ないのが原因で。5月は逆に、到達頻度が低いのが原因とわかった。2003年に積雪被覆が全く無いと仮定して仮想的黄砂発生量を計算したが、発生量の少なさは、積雪の影響だけでは説明できず、風自体が弱かったと考えるべきであることがわかった。
Rモデルを用いて、1972〜2004年の33年の春季(2月20日から4月30日)を対象に黄砂の発生・輸送シミュレーションを行った。中国・韓国・日本における長期的な砂塵あらしや黄砂観測データとモデル結果の検証を行った。観測とモデル結果の比較から、モデル結果は黄砂の長期的変動を概ね再現していることが確認された。中国においては70年代から97年にかけての黄砂現象(砂塵風、揚砂)の減少傾向が顕著であり、風下域である韓国や日本では近年の黄砂日数の増加傾向が顕著であった。黄砂発生源域で地上ダスト濃度が33年平均値よりも高い年の気象場の特徴として、低温・乾燥傾向が見られることがわかった。様々な気候インデックスとゴビ砂漠域のダスト発生量の相関解析から、3月は中緯度と(50°N)と極域(80°N)の傾圧性を示すAPMIとダスト発生量との強い負の相関が示され、4月はゴビ砂漠を挟む中緯度(30°N-50°N)の傾圧性を示す東西指数とダスト発生量との強い正の相関が示された。近年の温暖化数値実験から、温暖化した場合に北極振動指数(AO)が正のフェーズにシフトしてゆくという数値解析結果が得られており、3月の黄砂現象は将来的に減少してゆく可能性がある。
4.考察とまとめ
5年間のモニタリングにおいて、日本の地上にまで黄砂が降下するケースが最も多かった年は2001年で、最も少なかったのは2003年であった。さらに、日本の西南域だけでなく北日本方向に濃度の高い黄砂塊が風送された。気象庁による統計から、日本における黄砂現象延べ観測日数(観測地点数x日数)が2001年(940延べ日)、2002年(1136延べ日)と増加傾向を示していることが、気象庁による統計結果から明らかとなっている。砂塵天気の増加は、黄砂の発生源地の気候変化や土壌表面の変化と深く関連している。黄砂現象の増減は、それら両方の変化が生じた結果を反映しているにほかならない。北京におけるライダー観測から、日本ほど顕著ではないけれども、やはり2001、2002年の方が2003年よりも黄砂観測日が多かった。2002年には4回の大きなイベントが観測された(3月15日、20日、4月6日、12日)。このうち、3月20日には記録的な高濃度が記録された。4つのイベントのいずれも、「高空輸送沈降型」または「高空輸送沈降/地元舞上り混合型」
で、輸送された黄砂の寄与が大きい。これはイベントのスケールを考えると理解される。2003年は大規模な黄砂が少なく、モデルによる再現性の悪いケースが多く見られた。これらについては地上風速との相関が良く、主にローカルな発生源によるものと推定された。ライダーを主とする多点同時観測結果とCFORSによる輸送モデルとの比較検証から、2002年の方が偏西風の蛇行が小さいことなどの気候変化が輸送経路に大きく影響したものと考えられた。2003年春季は、過去2年間と異なり、北京および韓国、日本に到達する黄砂が少なかったのだが、モンゴル、内モンゴルなどの発生地域の地表面状態が多降水などにより湿潤していたためと考えられる。北京で2003年が他の二年と比較して平均濃度が低い原因は主としてモンゴル起源の寄与が激減したためとわかった。その減少の一因は発生量自体の減少であるが、定量的には半分程度しか説明することはできず、残りは輸送の変化であった。黄砂はタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原および内陸にあっては郊外の荒廃地から発生する。そのような発生源の推定に化学的なアプローチを試みた。黄砂の発生源の推定にあたって、Sr同位体比解析は有効な手法の一つになると判断された。中国の発生源地数十カ所の土壌分析から、北京に飛来する黄砂は北ルートの寄与が高いことが明らかとなった。多成分組成比較など他の発生源特定方法などとの併用によ一層の絞り込みが可能と考えられた。黄砂の多点モニタリング試料の化学組成解析から、黄砂塵の輸送に伴う化学組成変化が認められた。特に、黄砂中に取り込まれていたSO4やNO3の前駆物質であるSO2やNO2ガスがどのような輸送過程で生じるのか詳細に検討を加える必要がある。例えば、中国から日本へ輸送される過程で反応が生じるとすると、輸送高度が2000〜4000mであること、海上を通過することが反応場として想定される。 このガス―粒子反応が、様々な反応場で化学的に進行することを証明しなければならない。SO2ガス、HNO3ガス、およびその混合ガスと黄砂粒子の表面沈着実験を行った。SO2の沈着速度は、HNO3ガスが存在すると極端に小さくなることが検証できた。いずれのガスも単独では、その沈着速度は同程度の0.5〜0.6cm/sec.であった。さらに、黄砂粒子へのSO2の乾性沈着に対する影響因子として温度、湿度およびO3を選択し、黄砂粒子へのSO2の乾性沈着速度とSの酸化状態を評価した。その結果、黄砂粒子表面上の水分およびO3が沈着および酸化を促進すること明らかにした。黄砂粒子上におけるSO2の取り込みと酸化に焦点を当て、水分と窒素酸化物の共存影響を調べ、SO2の取り込みに対して、水分は促進に、HNO3は抑制に働き、酸化に関してはすべての共存成分が促進に寄与することを明らかにした。実大気における黄砂粒子の変質に対し、水分や窒素酸化物が重要な支配因子となる可能性を示した。開発したモデルで黄砂を発生地域によってモンゴル、中国西部3区分、中国東部、それ以外(カザフスタン等)の六つにわけて計算できるようにした。2001年から2003年の3-5月について、北京での黄砂地上濃度計算値への寄与を求めたところ、全期間平均で5割強はモンゴル起源、約3分の1は中国東部起源、残りはタクラマカン砂漠を含む中国西部からであることがわかった。また、領域黄砂輸送モデルを用いて、1972〜2004年の33年の春季(2月20日から4月30日)を対象に黄砂の発生・輸送シミュレーションを行った。中国・韓国・日本における長期的な砂塵あらしや黄砂観測データとモデル結果の検証を行った。観測とモデル結果の比較から、モデル結果は黄砂の長期的変動を概ね再現していることが確認された。中国においては70年代から97年にかけての黄砂現象(砂塵風、揚砂)の減少傾向が顕著であり、風下域である韓国や日本では近年の黄砂日数の増加傾向が顕著であった。
5.研究者略歴
| 課題代表者:西川雅高 |
1952年生まれ、東京理科大学工学部卒業、理学博士、
現在、独立行政法人国立環境研究所環境研究基盤技術ラボラトリー
環境分析化学研究室室長 |
| 主要参画研究者 |
| (1)杉本伸夫 |
1954年生まれ、大阪大学基礎工学部卒業、理学博士、
現在、独立行政法人国立環境研究所大気圏環境研究領域遠隔計測研究室室長 |
| (2)西川雅高(同上) |
| (3)菅田誠治 |
1964年生まれ、京都大学大学院理学研究科、博士(理学)
現在、独立行政法人国立環境研究所大気圏環境研究領域大気物理研究室主任研究員 |
6.成果発表状況
査読付き論文(一部抜粋)
1) Sugata S., Byun D., and Uno I.: Air Pollution Modeling and Its Application XIV, Gryning and Schiermeier eds., 267-275 (2001) "Simulation of sulfate aerosol in East Asia using Models-3/CMAQ with RAMS meteorological data"
2) Sugimoto, N., I. Matsui, A. Shimizu, I. Uno, K. Asai, T. Endoh, and T. Nakajima, GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, 29(19), 1901, doi:10.1029/2002GL015112 (2002) "Observation of dust and anthropogenic aerosol plumes in the Northwest Pacific with a two-wavelength polarization lidar on board the research vessel Mirai"
3) Liu, Z., N. Sugimoto, and T. Murayama, APPLIED OPTICS, 41(15), 2760-2767 (2002) "Extinction-to-backscatter ratio of Asian dust observed with high-spectral-resolution lidar and Raman lidar"
4)杉本伸夫、清水 厚、松井一郎、鵜野伊津志、荒生公雄、陳 岩、地球環境、7(2),197-207(2002)「連続運転偏光ライダーネットワークによる黄砂の動態把握」
5)杉本伸夫、松井一郎、清水 厚、陳 岩、環境と測定技術、29(8),18-23(2002)
「ライダーネットワークによる黄砂の立体分布の計測」
6) Mori, I., M. Nishikawa, H. Quan, M. Morita. Atmospheric Environment, 36, 4569-4575 (2002) "Estimation of the concentration and chemical composition of kosa aerosols at their origin"
7)西川雅高、森 育子、谷村俊史、小柳秀明、狄 一安、李 燕、全 浩、地球環境、7(2),181-186(2002)
「東アジアにおける黄砂現象とその化学的特徴」
8) Sugimoto, N., I. Uno, M. Nishikawa, A. Shimizu, GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, 30(12), 1640, doi:10.1029/2002GL016349 (2003) "Record heavy Asian dust in Beijing in 2002: Observation and model analysis of recent events"
9) Murayama, T., S. J. Masonis, J. Redemann, T. L. Anderson, B. Schmid, J. M. Livingston, P. B. Russell, B. Huebert, S. G. Howell, C. S. McNaughton, A. Clarke, M. Abo, A. Shimizu, N. Sugimoto, M. Yabuki, H. Kuze, S. Fukagawa, K. M.-Meier, R. J. Weber, D. A. Orsini, B. Blomquist, A. Bandy, and D. Thornton, JOURNAL OF GEOPHYSICAL RESEARCH, 108(D23), 8651, doi:10.1029/2002JD003259 (2003) "An intercomparison of lidar-derived aerosol optical properties with airborne measurements near Tokyo during ACE-Asia"
10)荒生公雄、伊東和博、古謝 愛、長崎大学総合環境研究、5(1),1-10(2003)
「長崎地方における1914年から2001年までの黄砂現象の経年変化」
11) Mori, I., M. Nishikawa, T. Tanimura, H. Quan, Atmospheric Environment, 37, 4253-4263 (2003) "Change in size distribution and chemical composition of kosa (Asian dust) aerosol during long-range transport"
12) Shimizu, A., N. Sugimoto, I. Matsui, K. Arao, I. Uno, T. Murayama, N. Kagawa, K. Aoki, A. Uchiyama, and A. Yamazaki, JOURNAL OF GEOPHYSICAL RESEARCH, 109, D19S17, doi:10.1029/2002JD003253 (2004) "Continuous observation of Asian dust and other aerosols by polarization lidars in China and Japan during ACE-Asia"
13) Murayama, T., D. Muller, K. Wada, A. Shimizu, M. Sekiguchi, and T. Tsukamoto, GEOPHYSICAL RESEARCH LETTERS, 31, L23103, doi:10.1029/2004GL021105 (2004) "Characterization of Asian dust and Siberian smoke with multi-wavelength Roman lidar over Tokyo, Japan in spring 2003"
14) Han, Z., H. Ueda, K. Matsuda, R. Zhang, K. Arao, Y. Kanai, and H. Hasome, JOURNAL OF GEOPHYSICAL RESEARCH, 109, D19205, doi:10.1029/2004JD004920 (2004) "Model study on particle size segregation and deposition during Asian dust events in March 2002"
15) Yokoo, Y., T. Nakano, M. Nishikawa, H. Quan, Chemical Geology, 204, 45-62 (2004) "Mineralogical variation of Sr-Nd isotopic and elemental compositions in loess and desert sand from the central Loess Plateau in China as a provenance tracer of wet and dry deposition in the northwestern Pacific"
16) Takanori Nakano, Yoriko Yokoo, Masataka Nishikawa, Hideaki Koyanagi: Atmospheric Environment, 38, 3061-3067 (2004) "Regional Sr-Nd isotopic ratios of soil minerals in northern China as Asian dust fingerprints"
17) Sakamoto, K., H. Takada and K. Sekiguchi, Atmospheric Environment, 38, 6961-6967 (2004) "Influence of ozone, relative humidity, and flow rate on the deposition and oxidation of sulfur dioxide on yellow sand"
18) Sugata, S., M. Nishikawa, N. Sugimoto, I. Mori, and A. Shimizu, The 6th International Symposium on Plant Responses to Air Pollution and Global Changes, (2004) "Impact of meteorological fields and surface conditions on Asian dust"
19)原由香里、佐竹晋輔、鵜野伊津志、竹村俊彦、天気、51(10),719-728(2004)
「領域ダスト輸送モデルを用いた黄砂現象の年々変動シミュレーション」
20) Uno, I., S. Satake, G. R. Carmichael, Y. Tang, Z. Wang, T. Takemura, N. Sugimoto, A. Shimizu, T. Murayama, T. A. Cahill, S. Cliff, M. Uematsu, S. Ohta, P. K. Quinn, and T. S. Bates, JOURNAL OF GEOPHYSICAL RESEARCH, 109, D19S24, doi:10.1029/2003JD004222 (2004) "Numerical study of Asian dust transport during the springtime of 2001 simulated with the Chemical Weather Forecasting System (CFORS) model"
21) Arao, K., J. Ishizuka, N. Sugimoto, I. Matsui, A. Shimizu, I. Mori, M. Nishikawa, K. Aoki, A. Uchiyama, A. Yamazaki, H. Togawa, and J. Asano, Proceedings of Fourth ADEC Workshop-Aeolian Dust Experiment on Climate Impact, 23-26 (2005) "Yellow Sand Dust Event on 13 April 2003 over Western Kyushu, Japan"
22) Park, C-B., N. Sugimoto, I. Matsui, A. Shimizu, B. Tatarov, A. Kamei, C. H. Lee, I. Uno, T. Takemura, and D. L. Westphal, SOLA, 1, 121-124, doi:10.2151/sola. 2005-032 (2005) "Long-Range Transport of Saharan Dust to East Asia Observed with Lidars"
23) Sugimoto, N., A. Shimizu, I. Matsui, I. Uno, K. Arao, X. Dong, S. Zhao, J. Zhou, and C. H. Lee, Water, Air, and Soil Pollution, Focus, 5, 145-157 (2005) "Study of Asian dust phenomena in 2001-2003 using a network of continuously operated polarization lidars"
24)的場澄人、森 育子、西川雅高、早狩 進、エアロゾル研究、20(3),225-230(2005)
「SPMを利用した黄砂検出の新たな試み」
25) Nakano, T., M. Nishikawa, I. Mori, K. Shin, T. Hosono, Y. Yokoo, Atmospheric Environment, 39, 5568-5575 (2005) "Source and evolution of the "perfect Asian dust storm" in early April 2001: Implications of the Sr-Nd isotope ratios"
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