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(1.98MB)

[G―2 砂漠化指標による砂漠化の評価とモニタリングに関する総合的研究]

(3) 砂漠化回復手法の評価に関する研究

独立行政法人国立環境研究所

 

 

  国際室

 

鄭 元潤(平成13〜15年度EFF)

   

清水英幸

  環境研究基盤技術ラボラトリー

 

戸部和夫

[平成13〜15年度合計予算額]

 平成l3〜15年度合計予算額 7,192千円
 (うち、平成15年度予算額 2,543千円)
 上記の予算額には、間接経費 1,660千円(587千円)を含む

[要旨]

  中国においては、これまで砂漠化からの回復について多くの経験が積み重ねられてきているが、
効果的で効率的な砂漠化回復手法が確立されているとはいえない。その主な要因として、ヾ往
の関連情報が系統的に整理されておらず、既往の経験的知見に基づいた効果的な砂漠化回復手法
が確立されていないこと、および、∈叔化回復のための緑化に用いられる植物種の特性が十分
解明されておらず、各植物種の特性に基づいた効果的な手法による緑化が行われていないこと、
の二つがあげられる。そこで、中国の典型的な砂漠化地域の一つであるムウス沙地を主な対象と
して、既往の文献情報の整理および代表的な緑化植物種の特性解明を行い、効果的で効率的な砂
漠化回復手法を提示することを目的として研究を行った。
 まず、既往の砂漠化からの回復に関する文献情報の収集と整理を行うと共に、文献情報のデー
タベース化を行った。特に、飛行機播種法や苗木移植法、および植物の生理生態に関してレビュ
ーを行った。さらに、播種や苗木の植栽による効果的な緑化を行うための基盤的知見を提供する
ため、対象地域で砂漠化からの回復のための緑化に頻繁に用いられているいくつかの植物種につ
き、環境制御室を用いた実験により、種子発芽、砂中からの実生の出現、苗木移植時の再生およ
び苗木の生長に及ぼす環境要因の影響を検討した。その結果、光強度、温度、水分状態などの環
境要因に対するこれらの植物種の生理生態的特性が明らかになった。種子発芽反応は植物種によ
って異なったが、光強度、高温・低温処理、あるいは水ストレス処理によって、顕著に影響を受
ける種も存在した。また、これらの諸環境要因の複合効果(交互作用)による発芽阻害なども認め
られた。さらに、播種した種子が発芽し、実生が定着するためには、種子が砂中5〜40mmの深
さに埋もれることが必要であることが明らかとなった。植物の苗木移植における枝葉除去等の前
処理の効果についても、十分な生育を確保する条件が示された。また、苗木の生長におよぼす給
水条件の影響を調べた結果、2種のArtemisia属の植物種は様々な水分条件の地域の緑化に適用可
能であるのに対し、他の2種はより乾燥した地域の緑化に適することなどが明らかとなった

[キーワード]

 回復評価、中国、種子発芽、生理生態特性、緑化植物