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[F−5 サンゴ礁生態系の攪乱と回復促進に関する研究]

(2)サンゴ礁生態系の回復促進


◆.汽鵐款眠麌のためのサンゴの着生加入過程に関する研究

(財)阿嘉島臨海研究所

岩尾研二

〈研究協力者〉(財)阿嘉島臨海研究所

谷口洋基

藤田和彦


[合計予算額]

 平成12〜14年度合計予算額 7,674千円
 (うち、平成14年度予算額 2,800千円)

[要旨]

 大規模な人為的攪乱や白化現象などの自然要因により壊滅的なダメージを受けたサンゴ群集も、健全な環境下であれば、再び元と同等のサンゴ群集を形成するようになる。特に幼生着生による加入は、サンゴ礁の回復に大きく貢献する過程であるが、劣悪な環境下ではそれは期待できないと考えられる。しかし、幼生着生の人為的制御の難しさからその環境要因との関連が十分に検討できていないため、着生加入に関する環境の良悪の評価の指針となるべき具体的条件は、明らかになっていない。そこで本研究では、温度・塩分、赤土堆積などの物理環境と底生生物の生息状況という生物環境に着目し、サンゴ幼生の加入について良悪な環境を明らかにするために実験を行った。その結果、サンゴ幼生は、非常に幅広い温度・塩分下で着生することができるが、着生後のポリプ形成過程において、異常な高低温度・塩分環境が、ポリプの骨格形成に悪影響を与えることが明らかになり、幼生の着生加入によるサンゴ礁の回復が促されるために適当な温度・塩分環境は温度26℃−塩分34付近であることが判明した。また、赤土堆積は、たとえわずかな量でも、着生誘引物への幼生の接触機会を減少させ、着生基質を覆い隠して、サンゴ幼生の着生加入を減少させることが示唆された。さらに、海底に生息する底生生物の中には、サンゴ幼生の着生に有利に働くものと不利に働くものの両者が存在しており、さらに、有利に働くものでも、着生誘引物と着生基質の両面で有効なものと、着生誘引物としては有効であるが着生基質としては有効でないものがあり、それらの生物の生息状況や組成が、その場所でのサンゴ幼生加入過程に大きく影響することが考察された。


[キーワード]

 サンゴ幼生加入、温度、塩分、赤土、底生生物