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[F−5 サンゴ礁生態系の攪乱と回復促進に関する研究]

(1)サンゴ礁の攪乱、回復の評価とそれに基づく管理手法に関する研究


 ‖ぞ魅汽鵐慣化犬侶鯀甘抻愽犬亡陲鼎生態系管理手法の開発

独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所

 黒潮研究部

生物生産研究室

藤岡義三

東京水産大学水産学部

大葉英雄


[合計予算額]

 平成12〜14年度合計予算額 14,700千円
 (うち、平成14年度予算額 5,100千円)

[要旨]

 サンゴ礁生態系の健全度を評価できる生物指標を探索するため、典型的な裾礁が発達する石垣島東海岸において、造礁サンゴ類および海藻・海草類の群集構造と環境要因との関係を調べた。造礁サンゴ類は14科43属123種が出現し、岸側よりも中央〜沖側において被度や種数が高く、ほとんどの地点でコモンサンゴ属、ミドリイシ属、ハマサンゴ属、キクメイシ科の4分類群が主要な構成要素となっていた。コモンサンゴ属やハマサンゴ属が局所的に大規模群集を形成するものの、造礁サンゴ類全体の被度、種数、新規定着数等が健全な群集に比べて著しく低い上、死亡群体の割合が高く、特に環境変動の影響を受けやすいミドリイシ群集の衰退が顕著であった。海藻類は緑藻46種、褐藻21種、紅藻58種、藍藻6種、海産種子植物(海草)4種の合計135種が出現し、被度が岸から沖に向かって増加する海域と、中央の被度が他地点に比べ低い海域とに大別された。死サンゴ骨格上には、ハイアミジ、ハイオウギ、無節石灰藻類、イワノカワ類等の葡匐性小型海藻の繁茂が顕著に認められた。これらの海藻類は、サンゴ礁生態系の二次遷移の段階、すなわち攪乱を受けたサンゴ礁の回復状態を評価できる「遷移指標種」と見なすことができた。多変量解析の結果、造礁サンゴ類と海藻類の分布特性には当初想定していた南北間の差異は認められなかったが、岸〜沖系列軸が認識できたことから「岸側指標種」や「沖側指標種」等の選定が可能となった。浦底湾における定点調査では、1998年夏の白化現象による造礁サンゴ群集の崩壊以後、沖側を中心に幼群体の加入が繰り返され、環境条件が良好であれば急速に群集が復元されるという可能性が示唆された。造礁サンゴ類と海藻類の分布特性、死サンゴ骨格の形状と散乱状況、幼群体の加入状況、および過去の報告から判断すると、石垣島礁池における造礁サンゴ群集、特にミドリイシ群集の攪乱状態は十数年以上前に生じ、その後、長期間にわたって二次遷移が初期段階で停滞していることが判明した。


[キーワード]

 造礁サンゴ、海藻、サンゴ礁、環境保全、生物指標