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[F−1 地理的スケールにおける生物多様性の動態と保全に関する研究]

(1)地理的スケールにおける生物多様性の現状と歴史的変化の把握

.丱ぅトープと野生生物の地理的分布における連関の解析


独立行政法人国立環境研究所

 

 

生物多様性研究プロジェクト

生物個体群研究チーム

永田尚志・高村健二

 

辻 宣行

上席研究官

椿 宜高

侵入生物研究チーム

五箇公一

蠹賚族奮

 

森下兼年


[平成11〜13年度合計予算額]

 平成11〜13年度合計予算額 60,986千円
 (うち、平成13年度予算額 16,603千円)

[要旨]

茨城県南部から栃木県北部にかけての那珂川流域および利根川下流城を選び、航空写真から1960年代と1990年代の植生図を作成し、国土地理院の数値地図データを統合した地理惰報システム(GIS)を構築し、環境庁の自然環境保全基礎調査およびフィールド調査による生物分布情報をGIS上に統合した。過去30年間で、農地が市街地に変化し、市街地地域の比率が拡大していた。また、同時に、植林地が伐採後、自然林へと変化していること、放棄水田が湿地植生へと変化していることが明らかになった。このGISを使ってカワトンボの好適地を推定した結果、那珂川中流域の支流に好適地が集中していることがわかった。土地の植生カバー、温量、標高などの情報によってカワトンボの生息地の好適性を評価ができた。さらに、利根川下流域の過去20年間のヨシ原の分布変化を解析したところ、霞ヶ浦湖岸や利根川河川敷のヨシ原が縮小・分断化し、農地でヨシ原の増加が認められた。オオヨシキリがヨシ原に生息する確率は、近傍の大きなヨシ原からの距離と標高によって決まった。これは、オオヨシキリが生息できるかどうかに、個体の供給源からの距離が関係していて、生息適地がハビタットの質だけでなく個体群構造によっても影響を受けることを意味している。このような動物の生息環境の適不適を植生カバーに置き換えて評価する手法は、生態系評価システムとして重要になると考えられる。地域的な生物多様性全体を保全するための場所を選定する指標として置換不能度の有効性を検討し、置換不能度を計算する新しいアルゴリズムを開発した。置換不能度はサイト間の相互作用によって決まるため、対象とする地域および生物分類群によって変化するが、今後、保護区設定のための有効なツールとなると考えられる。


[キーワード]

 地理情報システム、植生図、ハビタット断片化、生息地評価手法、置換不能度